JP3427251B2 - センサレスモータの回転子位置検出装置及びその方法 - Google Patents

センサレスモータの回転子位置検出装置及びその方法

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JP3427251B2
JP3427251B2 JP05839298A JP5839298A JP3427251B2 JP 3427251 B2 JP3427251 B2 JP 3427251B2 JP 05839298 A JP05839298 A JP 05839298A JP 5839298 A JP5839298 A JP 5839298A JP 3427251 B2 JP3427251 B2 JP 3427251B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転位置センサ
なしで動作するセンサレスモータの回転子の位置を検出
する装置及び方法に関するものであり、特に回転子と固
定子の位置関係によって変化する固定子巻線のインダク
タンスの変化から回転子の位置を検出することに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の一般的なセンサレスモータ
とその駆動回路を示すものである。1は固定子、3は巻
線、5は回転軸4を中心として回転する回転子である。
固定子1は、6個の固定子突極2と3組の巻線3(簡単
の為に一対のU相U1、U2だけを図示している)で構
成されている。回転子5は積層鋼板で構成され、回転子
5の回転軸4から外方向へ放射状に延び、回転子5の周
辺部を中心にして円周方向に一様な間隔で4個の回転子
突極6を構成している。回転子5と同様に、固定子1も
積層鋼板で構成されている。
【0003】直径方向に相対する固定子突極2における
巻線3は、同一方向に磁界を発生するように直列接続さ
れて相巻線を構成しており、巻線数は3個(U、V、
W)である。簡単のためにコイル組のV、Wは図示して
いないが、それらの相巻線に組み合わされる固定子突極
に「V」、「W」の符号がつけられている。
【0004】7はセンサレスモータを駆動する駆動回路
であり、センサレスモータのU相巻線U1とU2を励磁
するために用いられる基本的な電気回路だけを図示して
いる。8a、8bはU相巻線3に流れる電流をON、O
FFする一対のトランジスタ、9a、9bはトランジス
タ8a、8bがOFFしたときに発生する逆起電力を回
生する方向に流すためのダイオード、10はセンサレス
モータを駆動するための電流を供給する電源である母線
電圧、11は回転子5の回転位置を検出する位置検出セ
ンサ、12はトランジスタ対8a、8bのON−OFF
を制御する制御回路である。
【0005】次に、動作について図9、図10により説
明する。センサレスモータの場合、固定子突極2が励磁
されることにより回転子突極6が磁気抵抗が最小となる
向きに回転子5が磁気吸引され回転するため、励磁され
た固定子突極2の磁極には依存しない。従って、駆動回
路7から供給される電流は一方向の電流だけでいいこと
になる。そして、相巻線U、V、Wを順次励磁し、回転
子突極6を固定子の励磁されている突極2に同期して向
き合わせることにより回転子5を回転させる。
【0006】まず、U相巻線3に対しては、トランジス
タ対8a、8bがONすると、電源10→トランジスタ
8a→巻線U1とU2→トランジスタ8bの順に電流が
流れる。トランジスタ対8a、8bがOFFすると、巻
線U1とU2に逆起電力が発生する。この逆起電力のエ
ネルギーは、ダイオード9a→巻線U1とU2→ダイオ
ード9bを通って回生される。この励磁動作は各巻線
U、V、Wに対して順次行われ、モータとしての回転動
作を行う。トランジスタ対8a、8bのON−OFFの
切り替えるタイミングは、回転子5の回転位置を検出す
る位置検出センサ11からの情報をもとに制御回路12
によって行われる。
【0007】図10(a)〜(d)は、固定子突極2と
回転子突極6の位置関係をあらわしたものである。U相
を基準に説明すると、図10(a)のように固定子突極
2と回転子突極6が離れているときにU相に電圧を印加
すると、固定子突極2が励磁され磁気吸引力により固定
子突極2に最も近い回転子突極6が磁気吸引される。磁
気吸引によって、図10(b)のように固定子突極2に
回転子突極6が近づいていく。さらに固定子突極2に回
転子突極6が近づき、図10(c)のように固定子突極
2と回転子突極6が向かい合う。このとき、回転子突極
6に働く吸引力は直径方向のみとなり回転子5を回転さ
せるトルクは発生しない。さらに、図10(d)のよう
に回転子5が回転すると、ふたたび、回転子突極6に回
転方向の力が働き、回転子5に回転トルクが発生する。
この時発生する回転トルクは、図10(a)〜(c)と
反対に方向となる。回転子5が時計方向に回転している
とすれば、その回転を停止する制動力となる。
【0008】回転子5を一方向に回転させるためには、
常に同じ方向のトルクが発生するようにしなければなら
ない。そこで、図10(c)のように固定子突極3と回
転子突極6が向かい合う前に固定子突極3の励磁を停止
しなければならない。このように、センサレスモータを
一定方向に回転するためには、回転子突極6に対する固
定子突極2の位置に同期して、固定子巻線3に通電する
タイミングを切り換えなければならない。このため、従
来は回転子4の位置を検出するために、レゾルバ等の位
置検出センサ11によって回転子5の位置を検出し、そ
の回転子位置信号を制御回路12へ帰還することによ
り、固定子突極巻線3を回転子5の位置に同期して通電
していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のセンサ
レスモータ駆動装置のように、位置検出センサ11を設
けることにより、センサレスモータから出てくる結線が
増えるため、例えば、圧縮機のような特殊な空間内で動
かす場合は、その内と外を結ぶための端子の数が増して
しまい形状やコストの面で制約を受けてしまう。このた
め、その位置検出センサ11を不要とすることが望まし
い。
【0010】センサレスモータの場合、DCモータのよ
うに回転子5にマグネットがないため固定子巻線3と鎖
交する磁束の変化を利用することはできない。そこで、
固定子突極2に対する回転子突極6の位置によって固定
子突極2の巻線3のインダクタンスが変化するというセ
ンサレスモータの特性を利用して回転子突極6の位置を
検出することができる。
【0011】図11は回転子突極の回転角に対する固定
子突極巻線のインダクタンスの一般的な変化を示したも
のである。図11の回転角θ1はインダクタンスが最小
で、固定子突極と回転子突極の位置関係は図10(a)
のようになっている。そこから図10(b)のように時
計方向に回転すると、図11のθ2のように固定子突極
巻線のインダクタンスは増加していく。図10(c)の
位置では、図11のθ3のように最大値となる。さらに
図10(d)のように回転させると、図11のθ4のよ
うにインダクタンスは減少していく。このように、固定
子突極に対する回転子突極の位置によって固定子突極の
巻線インダクタンスの大きさは、図11のように周期的
に変化する。
【0012】従って、固定子巻線を励磁するときの固定
子突極に対する回転子突極の位置をあらかじめ決めてお
き、その時の固定子巻線のインダクタンスを求め、その
値に達したときの固定子突極を励磁するタイミングを作
るようにすれば、図9の位置検出センサ11を設けなく
ても回転子突極に同期して固定子突極を励磁することが
できる。
【0013】このように、インダクタンスの値が分かれ
ば、固定子突極に対する回転子突極の位置を推定するこ
とができるが、図11からも分かるように回転子突極角
θ3を中心に対称的になっているため、インダクタンス
の値から一義的に回転子突極の位置を検出することはで
きない。しかし、センサレスモータの駆動タイミング
上、任意の固定子突極を励磁しているときは、その直前
に励磁していた固定子突極の巻線インダクタンスは減少
しているので、この期間にインダクタンスの値を検出す
れば、固定子突極に対する回転子突極の位置が一義的に
決まってくる。
【0014】ただし、固定子突極との位置関係が分かる
のは固定子突極に最も近い回転子突極との位置関係であ
り、回転子のある決まった突極との位置関係は分からな
い。しかし、固定子突極を励磁するタイミングは、回転
子の決まった突極との位置関係で切り換えるのではな
く、固定子突極の近傍にある回転子突極の位置で決まる
ため、その位置関係は必要ない。
【0015】このように、センサレスモータの特性を生
かし、固定子突極巻線のインダクタンスを検出すること
により回転子突極の位置を検出したものとして、例え
ば、特表平8−501920号公報に記載されたシャフ
ト位置センサ無しでの切替式反作用モータの回転子位置
感知装置では、センサレスモータの励磁していない固定
子突極巻線に連続的に変動する信号を印加し、その結
果、出力される電流の振幅や位相を検出して回転子の位
置を検出している。しかし、連続的に変動する信号やそ
れを増幅するための回路が必要になり、また、それらの
信号を励磁していない固定子突極巻線に接続するための
切換回路などが必要となり、回路が複雑になってしまう
という問題があった。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、専用の回転位置検出センサを用
いることなしに、簡単な回路により、センサレスモータ
の回転子突極に対する固定子突極の位置を検出する小型
で、信頼性の高いセンサレスモータの回転子位置検出装
置及びその方法を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるセンサ
レスモータの回転子位置検出装置は、タイミング信号を
発生する検出信号発生回路と、前記タイミング信号に基
づいてステップ関数信号を発生するステップ関数信号発
生回路と、過渡応答時の時定数を定める抵抗を介して電
源に接続された固定子巻線と、前記電源から印加された
電圧を前記ステップ関数信号に基づいてステップ関数電
圧として、前記固定子巻線及び前記抵抗に印加するスイ
ッチと、前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及
び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧があらかじめ定め
られたレベル以下となったとき、または、過渡応答時の
電流があらかじめ定められたレベル以上となったとき、
前記タイミング信号に基づいて検出出力電圧または電流
を出力するインダクタンス検出回路と、前記インダクタ
ンス検出回路により検出された検出出力電圧または検出
出力電流に基づいて、前記回転子突極の位置を示す検出
信号を出力する回転位置検出回路とを備え、前記インダ
クタンス検出回路により前記検出出力電圧または電流を
出力した後に、前記ステップ関数信号発生回路の出力を
終了させるものである。
【0018】また、インダクタンス検出回路は、ステッ
プ関数電圧により固定子巻線及び抵抗に生じた過渡応答
時の電圧または電流を、あらかじめ定められたレベルと
比較する比較回路と、検出信号発生回路から出力された
タイミング信号の立ち上がり、または、立ち下がりエッ
ジのタイミングにより前記比較回路の出力を伝達する伝
達回路と、を備える。
【0019】また、インダクタンス検出回路は、ステッ
プ関数電圧により固定子巻線及び抵抗に生じた過渡応答
時の電圧または電流を、あらかじめ定められたレベルと
比較する比較回路と、検出信号発生回路から出力された
タイミング信号の立ち上がり、または、立ち下がりエッ
ジのタイミングにより前記比較回路の出力を伝達する第
1の伝達回路と、ステップ信号発生回路から出力された
ステップ関数信の立ち下がり、または、立ち上がりエッ
ジのタイミングにより前記比較回路の出力を伝達する第
2の伝達回路と、前記第1、第2の伝達回路の出力を判
定する理論回路と、を備える。
【0020】また、ステップ関数信号を発生するステッ
プ関数信号発生回路と、過渡応答時の時定数を定める抵
抗を介して電源に接続された固定子巻線と、前記ステッ
プ関数信号に基づいて生成されたステップ関数電圧の立
ち上がり、または、立ち下がりを遅延させ遅延ステップ
関数電圧を出力する遅延時間生成回路と、前記電源から
印加された電圧を前記遅延ステップ関数電圧に基づい
て、ステップ関数電圧として前記固定子巻線及び前記抵
抗に印加するスイッチと、前記ステップ関数電圧により
前記固定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧
があらかじめ定められたレベル以下となったとき、また
は、過渡応答時の電流があらかじめ定められたレベル以
上となったとき、前記ステップ関数信号に基づいて検出
出力電圧または電流を出力するインダクタンス検出回路
と、前記インダクタンス検出回路により検出された検出
出力電圧または検出出力電流に基づいて、前記回転子突
極の位置を示す検出信号を出力する回転位置検出回路
と、を備える。
【0021】この発明に係わるセンサレスモータの回転
子位置検出方法は、ステップ関数信号に基づいて生成さ
れたステップ関数電圧を過渡応答時の時定数を定める抵
抗を介して固定子巻線に印加し、前記ステップ関数電圧
により前記固定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時
の電圧があらかじめ定められたレベル以下となったと
き、または、過渡応答時の電流があらかじめ定められた
レベル以上となったとき、タイミング信号に基づいて検
出出力電圧または電流を出力し、前記検出出力電圧また
は検出出力電流に基づいて、前記回転子突極の位置を示
す検出信号を出力するとともに、前記検出出力電圧また
は電流を出力した後に、前記ステップ関数信号発生回路
の出力を終了させるものである。
【0022】また、ステップ関数信号に基づいて生成さ
れたステップ関数電圧を過渡応答時の時定数を定める抵
抗を介して固定子巻線に印加し、前記ステップ関数信号
に基づいて、ステップ関数電圧の立ち上がり、または、
立ち下がりを遅延させた遅延ステップ関数電圧を生成
し、前記遅延ステップ関数電圧に基づいて前記固定子巻
線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧があらかじめ
定められたレベル以下となったとき、または、過渡応答
時の電流があらかじめ定められたレベル以上となったと
き、前記ステップ関数信号に基づいて検出出力電圧また
は電流を出力し、前記検出出力電圧または検出出力電流
に基づいて、前記回転子突極の位置を示す検出信号を出
力するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 以下、実施の形態1を図を用いて説明する。図1は実施
の形態1である回転子位置検出装置を備えたセンサレス
SRモータの駆動装置の構成図であり、説明をし易くす
るため、1相について示している。図2は回転子位置検
出装置25の動作原理を説明するための動作波形図、図
3は回転子位置検出装置25の動作波形図である。図1
において10はセンサレスSRモータを駆動するための
電流を供給する母線電圧であり、一般に交流電源をダイ
オードにより整流して生成される。8aは固定子巻線3
の一端と母線電圧10間に接続されたトランジスタ、8
bは固定子巻線3の他端とGND間に接続されたトラン
ジスタ、9aは固定子巻線3の一端とGND間に接続さ
れたダイオード、9bは固定子巻線3の他端と母線電圧
10の間に接続されたダイオードである。18はトラン
ジスタ対8a、8bを固定子巻線励磁信号によってON
−OFFさせる制御回路である。
【0024】25はセンサレスSRモータの回転子の位
置を検出する回転子位置検出装置であり、一端が母線電
圧10とは別の安定した検出用電源19と接続され、他
端がダイオード20を介して固定子巻線3の一端と接続
された抵抗13、ステップ関数信号aとステップ関数電
圧bを発生するステップ関数信号発生回路17、固定子
巻線3の他端にトランジスタ8bと並列に接続されると
ともに、抵抗13と固定子巻線3と直列に接続され、ス
テップ関数信号発生回路17から出力されたステップ関
数電圧bに基づいてON−OFFされ、検出用電源19
をステップ関数電圧として固定子巻線に印加するスイッ
チング素子であるトランジスタ14、抵抗13とダイオ
ード20との接続点から接続され、ステップ関数電圧b
により固定子巻線3のインダクタンスに対応した電圧と
して検出するインダクタンス検出回路16、インダクタ
ンス検出回路16の検出時間を決める検出信号eとステ
ップ関数信号発生回路17を動作させる信号を発生する
検出信号発生回路21、インダクタンス検出回路16か
ら出力された電圧とあらかじめ設定された回転子突極6
の位置に対応した電圧に基づいて、回転子突極6の位置
を表す信号を出力する回転位置検出回路15からなる。
【0025】なお、抵抗13は既知の抵抗であり、ダイ
オード20により母線電圧10から検出用電源19に流
れ込む可能性のある電流を阻止し、トランジスタ対8を
駆動する電源を小容量とし、これにより、装置が小型と
なる。
【0026】次に、センサレスSRモータ駆動装置全体
の動作を図1により説明する。U、V、Wのいずれか一
つの相の固定子巻線3に対する、制御回路18からの固
定子巻線励磁信号に基づいて、トランジスタ対8a、8
bがONすると、母線電圧10→トランジスタ8a→固
定子巻線3→トランジスタ8bの順に電流が流れる。ト
ランジスタ対8a、8bがOFFすると、固定子巻線3
に逆起電力が発生する。この逆起電力のエネルギーは、
ダイオード9a→固定子巻線3→ダイオード9bを通っ
て回生される。このように励磁動作は各巻線U、V、W
に対して順次行われ、センサレスSRモータの回転が行
われる。トランジスタ対8a、8bのON−OFFの切
り替えるタイミングは制御回路18により、回転子位置
検出装置25からの情報に基づいて回転子突極6に対す
る固定子突極2の位置に同期して行われる。
【0027】次に、回転子の位置検出装置25の動作に
ついて図2、図3により説明する。図2(a)はステッ
プ関数信号発生回路17のステップ関数電圧波形図、図
2(b)はインダクタンス検出回路16の入力電圧波形
図である。
【0028】トランジスタ14は、図2(a)に示され
るステップ関数信号発生回路17からのステップ関数電
圧bにより、ONーOFFし、トランジスタ14がON
すると、検出用電源19から抵抗13、ダイオード20
及び固定子巻線3と通ってトランジスタ14に電流が流
れる。この時流れる電流によりインダクタンス検出回路
16に入力される電圧Vは、 V=Vcc×exp(−R/L×t) …(1) となる。ここで、Vccは、回転子位置を検出するため
の検出用電源19の電圧値、Rは検出用電源19と固定
子巻線3との間に接続された抵抗13の抵抗値、tはト
ランジスタ14がONしてからの経過時間、Lは固定子
巻線3のインダクタンス値である。
【0029】このときのインダクタンス検出回路16に
入力される電圧Vの電圧波形は図2(b)のようにな
る。そして、固定子突極2と回転子突極6が離れてお
り、固定子巻線3のインダクタンスが小さい場合は、ト
ランジスタ14がONした後に、図2(b)の実線のよ
うに入力電圧Vの値は急激に減少するが、固定子突極2
と回転子突極6が向かい合いインダクタンスが大きい場
合は、一点鎖線のように緩やかに減少する。
【0030】ここで、(1)式より検出用電源19の電
圧Vccと抵抗13の抵抗値Rとトランジスタ14がO
Nしてからの経過時間tがわかれば、Vより固定子巻線
3のインダクタンスLを推定することができる。
【0031】図2(b)からわかるように、インダクタ
ンスの大きい場合(一点鎖線)の電圧Vとインダクタン
スの小さい場合(実線)の電圧Vは経過時間tが小さい
と各々の電圧Vの差が小さく、検出しにくいので、イン
ダクタンスの大きい場合(一点鎖線)とインダクタンス
の小さい場合(実線)の電圧Vの差が大きくなるように
経過時間tを決めて検出し易くする必要がある。例え
ば、固定子巻線3のインダクタンスの最大値が10mH
程度で抵抗が1kΩ程度であれば、経過時間tは4μs
ec程度が望ましい。この経過時間tを検出時間とし、
このときの電圧Vの値を過度時の電圧Vsとする。そし
て、あらかじめ、母線電圧10に対する固定子突極2と
回転子突極6の位置関係と、その時のVsの関係を求め
ておけば、Vsの値から固定子突極2と回転子突極6の
位置関係が推定できるため容易に所定の位置で励磁を開
始することができる。
【0032】例えば、固定子突極2と回転子突極6が離
れている回転角θ1に対応したVsを図2(b)に示す
Vs1とし、固定子突極2と回転子突極6が向かい合う
回転角θ3のVsをVs2としたときに、Vs1がイン
ダクタンス検出回路16に入力されたときは、固定子突
極2と回転子突極6が離れている回転角θ1の位置の場
合であり、Vs2がインダクタンス検出回路16に入力
されたときは、固定子突極2と回転子突極6が向き合っ
た回転角がθ3の位置の場合である。なお、検出回路を
簡単にするために、検出時間中の検出用電源は一定電圧
になっているのが望ましい。また、検出用電源19の電
圧を例えばトランジスタ対8を駆動する電圧である15
V程度にすることにより、抵抗13での電圧降下による
消費電力が小さくなり、回路の小型化、低コスト化を図
ることができる。
【0033】インダクタンス検出回路16では、入力さ
れた電圧Vから検出時間後の電圧Vsに基づいたインダ
クタンス検出回路出力電圧を出力する。このときの検出
時間は検出信号発生回路21で発生する検出信号eで決
定される。電圧Vsは、固定子突極2に対する回転子突
極6の位置に対応した値である。回転位置検出回路15
では、インダクタンス検出回路16から出力されたイン
ダクタンス検出回路出力電圧と、あらかじめ設定された
固定子突極2と回転子突極6の位置関係に相当する電圧
との比較をし、あらかじめ設定された固定子突極2と回
転子突極6の位置に相当する位置を検出し制御回路18
に送る。
【0034】そして、制御回路18は送られた信号から
固定子突極を励磁するタイミングを計算し固定子巻線励
磁信号をトランジスタ対8a、8bに出力する。同じよ
うに、V相とW相も同じように行う。
【0035】ここでインダクタンス検出に関する詳細な
動作について 図3により説明する。図3はステップ関
数信号発生回路17のステップ関数信号a波形(a)、
ステップ関数信号発生回路17の出力に基づいて生成さ
れたステップ関数電圧波形(b)、インダクタンス検出
回路16に入力されるインダクタンス検出回路入力電圧
波形(c)、インダクタンス検出電圧波形(d)、検出
信号発生回路21で発生する検出信号eの波形(e)及
びインダクタンス検出回路出力電圧波形(f)を示す。
【0036】まず、検出信号発生回路21で発生する検
出信号e(図3(e)参照)に同期してステップ関数信
号発生回路17でステップ関数信号aをONさせる(図
3(a)参照)。ステップ関数信号aがONすると、ス
テップ関数電圧bはOFFして(図3(b)参照)、ト
ランジスタ14がONする。トランジスタ14がONす
ると、上述のように固定子巻線3に電流が流れ、インダ
クタンス検出回路入力電圧cが固定子巻線3のインダク
タンスに応じて減少する。インダクタンス検出回路入力
電圧cがVsになったタイミングで(図3(c)参
照)、インダクタンス検出電圧dがOFFする(図3
(d)参照)。
【0037】固定子巻線3のインダクタンスが大きいと
きは、インダクタンス検出回路入力電圧cがVs以下に
ならずに(図3(c)参照)、t3でステップ関数電圧
bのONからインダクタンス検出回路入力電圧cが立ち
上がる(図3(b)、(c)参照)。検出信号eの立ち
下がりタイミングであるt2で(図3(e)参照)、イ
ンダクタンス検出電圧dを判定し(図3(d)参照)、
インダクタンス検出回路出力電圧fを出力するため、こ
の場合インダクタンス検出回路出力電圧fはONのまま
である(図3(f)参照)。
【0038】インダクタンスが小さいときは、t4でス
テップ関数電圧bをOFFとすると(図3(b)参
照)、インダクタンス検出回路入力電圧cが急激に減少
して、t5でVsを下回り(図3(c)参照)、そのタ
イミングでインダクタンス検出電圧dがOFFする(図
3(d)参照)。検出信号eの立ち下がりタイミングで
あるt6で(図3(e)参照)は、インダクタンス検出
電圧がOFFしているため(図3(d)参照)、t6で
インダクタンス検出回路出力電圧fをOFFさせる(図
3(f)参照)。ここで、Vsは前述のように、あらか
じめ設定された固定子突極2に対する回転子突極6の位
置に対応した値であるため、インダクタンス検出回路出
力電圧fがOFFすることによって、特定の位置がわか
り、回転位置を検出することができる。
【0039】ここで、ステップ関数信号aの立ち下がり
タイミング(図3(a)参照)、すなわちステップ関数
電圧bの立ち上がりタイミングであるt3およびt7の
近傍では(図3(b)参照)、インダクタンス検出回路
入力電圧cがほぼ一定の期間があり、検出を行う上では
不安定である(図3(c)参照)。このタイミングでイ
ンダクタンス検出回路入力電圧cを判定すると、検出誤
差が大きくなることがある。検出誤差が大きくなると、
センサレスSRモータの振動・騒音が大きくなるばかり
でなく、回転子がロックして固定子巻線3に過大の電流
が流れ、モータに支障が生じる可能性がある。
【0040】しかし、本実施の形態では、検出信号発生
回路21により検出信号eを発生し、検出信号eの立ち
下がりの後に(図3(e)参照)、ステップ関数信号a
を立ち下げるようにし(図3(a)参照)、検出信号e
の立ち下がりタイミングにて(図3(e)参照)、イン
ダクタンス検出回路入力電圧cを判断することによっ
て、検出誤差を小さくしている。
【0041】以上のように、従来のように回転軸4の回
転角を検出する位置検出センサ11を設けることなく、
回転子の位置を検出することができる。また、位置検出
センサを設ける必要がないので、圧縮機などの特殊な空
間にセンサレスSRモータを入れるときに、センサレス
SRモータを駆動するための電力の供給以外の位置セン
サを駆動するための電力と、位置センサからの信号を取
り出すための端子を追加しなくてもよく、これら端子の
ための制約を受けることなく圧縮機の設計をすることが
できる。
【0042】なお、抵抗13を既知の抵抗値としたが、
可変抵抗器などを用いれば、モータ別に調整することが
可能になり、さらに検出誤差を小さくすることができ、
信頼性を高くすることができる。
【0043】また、ステップ関数信号発生回路17によ
り、トランジスタ14がONしたとき、固定子巻線2に
印加されるステップ関数電流の大きさは、回転子5を回
転させるトルクに影響しない大きさが望ましい。
【0044】また、ステップ関数信号発生回路17は、
トランジスタ14をONまたはOFFするだけなので直
接制御回路18から出力することも可能である。
【0045】実施の形態2. 以下、実施の形態2を図を用いて説明する。図4は実施
の形態2を示す図であり、実施の形態1の図1で示した
回転子位置検出装置のインダクタンス検出回路16の構
成図である。図4において19は検出用電源、31、3
2は検出用電源19の電圧Vccを分圧して電圧Vsを
生成する抵抗、33はインダクタンス検出回路入力電圧
cを電圧Vsと比較するコンパレータ、35はD型フリ
ップフロップ回路、34は検出信号eを反転して出力す
るNOTゲートである。
【0046】次に動作を説明する。まず、検出用電源1
9の電圧Vccを抵抗31と32で分圧し、電圧Vsを
生成する。生成された電圧Vsは抵抗31と32の抵抗
値がそれぞれR31、R32であるとすると、 Vs=Vcc×R32/(R31+R32) …(2) となり、Vsを固定子突極2に対する回転子突極6の位
置に対応した値になるようにR31とR32を設定す
る。一方、実施の形態1の図7のステップ関数信号発生
回路17からのステップ関数信号発生回路出力信号に基
づいて印加されたステップ関数信号aにより、固定子巻
線3に生じた過渡応答時の応答信号であるインダクタン
ス検出回路入力電圧cが、コンパレータ33に入力され
る。
【0047】そして、コンパレータ33は、インダクタ
ンス検出回路入力電圧cを抵抗31と32で設定された
Vsと比較する。比較した結果、すなわちインダクタン
ス検出電圧をD型フリップフロップ35に入力する。D
型フリップフロップ35のクロックには検出信号発生回
路21からの検出信号eがNOTゲート34を介して入
力されているため、検出信号eの立ち下がりタイミング
でのインダクタンス検出電圧dをインダクタンス検出回
路出力電圧fとして出力する。その結果として、実施の
形態1の図3に示した動作波形図と同じ動作を行う。
【0048】次に、以上の動作を図3により詳しく説明
する。実施の形態1に示した図3(c)に示すインダク
タンス検出回路入力信号は、コンパレータ33により過
渡時の電圧Vsと比較され、Vsなったときは、図3
(d)に示すようにインダクタンス検出電圧dはOFF
となり、D型フリップフロップのクロック信号として入
力される。一方検出信号eがNOTゲート34に入力さ
れ、図3(e)が反転してD型フリップフロップ35に
出力される。そして、D型フリップフロップ35におい
て、(図3(e)に示す検出信号eの立ち下がりタイミ
ング(NOTゲート34の出力では立ち上がり)でのイ
ンダクタンス検出電圧d(図3(d)参照)をインダク
タンス検出回路出力電圧fとして出力する(図3(f)
参照)。
【0049】以上のように、簡素な回路構成により固定
子巻線3のインダクタンスを検出し、回転子の位置を検
出することができる。
【0050】実施の形態3. 以下、実施の形態3を図を用いて説明する。図5は実施
の形態3を示す図であり、実施の形態2の図6にD型フ
リップフロップ回路とNANDゲートを付加したインダ
クタンス検出回路16の構成図である。図6はインダク
タンス検出回路16の動作波形図である。図5において
実施の形態2で示した図6と同一または相当部分には、
同じ符号を付し、説明を省略する。36はD型フリップ
フロップ回路、37は伝達回路の出力を判定する論理回
路であるNANDゲートである。
【0051】次に動作を図5、図6により説明する。ま
ず、検出用電源19の電圧Vccを抵抗31と32で分
圧し、電圧Vsを生成する。一方、インダクタンス検出
回路入力電圧cが、コンパレータ33に入力される。そ
して、コンパレータ33において、図6(c)に示すイ
ンダクタンス検出回路入力信号は、コンパレータ33に
より過渡時の電圧Vsと比較され、Vsになったとき
は、図6(d)に示すようにインダクタンス検出電圧は
OFFとなり、D型フリップフロップ35、36に入力
される。
【0052】一方、検出信号eがNOTゲート34に入
力され、図6(e)が反転して図6(e’)となり、D
型フリップフロップ35のクロックに入力される。D型
フリップフロップ35において、(図6(e’)に示す
検出信号eの立ち上がりタイミングでのインダクタンス
検出電圧の出力f1の反転した出力f1’(図6(f
1’)参照)をNANDゲート37に入力する。
【0053】D型フリップフロップ36においては、
(図6(a)に示すステップ関数信号aがクロックに入
力される。従って、(図6(a)に示すステップ関数信
号aの立ち上がりでのインダクタンス検出電圧の出力f
2(図6(f2)参照)をNANDゲート37に入力す
る。
【0054】次に、NANDゲート37では、D型フリ
ップフロップ35からの出力f1’と、D型フリップフ
ロップ36からの出力f2から、図(f)に示すインダ
クタンス検出回路出力電圧fを出力する。
【0055】以上のように、D型フリップフロップ回路
とNANDゲートを付加することにより、ノイズなどが
発生した場合でもインダクタンス検出回路出力電圧fを
正確に出力することができるため、回転子の位置を信頼
性が高く検出することができる。
【0056】実施の形態4. 以下、実施の形態4を図を用いて説明する。図7は実施
の形態4である回転子位置検出装置を備えたセンサレス
モータの駆動装置の構成図であり、実施の形態1の図1
に示す検出信号発生回路21を省いて、ステップ関数信
号発生回路17とトランジスタ14の間に遅延時間生成
回路22を設けたものである。図8は回転子位置検出装
置25の動作波形図である。
【0057】図7において実施の形態1で示した図1と
同一または相当部分には、同じ符号を付し、説明を省略
する。遅延時間生成回路22はステップ関数信号発生回
路17で発生されたステップ関数電圧bの立ち上がりを
遅延させて遅延ステップ関数電圧bを生成するものであ
る。
【0058】次に、動作について図8により説明する。
図8はステップ関数信号発生回路17のステップ関数信
号波形(a)、ステップ関数信号発生回路17の出力に
基づいて生成されたステップ関数電圧波形(b)、イン
ダクタンス検出回路16に入力されるインダクタンス検
出回路入力電圧波形(c)、インダクタンス検出電圧波
形(d)及びインダクタンス検出回路出力電圧波形
(f)を示す。
【0059】まず、ステップ関数信号発生回路17でス
テップ関数信号aをONさせ、同時にステップ関数電圧
bをOFFさせる。ステップ関数電圧bがOFFする
と、実施の形態1で述べたように、インダクタンス検出
回路入力電圧cが固定子巻線3のインダクタンスに応じ
て減少する。つづいてステップ関数信号aをOFFさ
せ、その立ち下がりタイミングでインダクタンス検出回
路入力電圧cとVsを比較した結果であるインダクタン
ス検出電圧dをインダクタンス検出回路出力電圧fとし
て出力させる。
【0060】ここで、インダクタンス入力電圧を判定す
るタイミングであるステップ関数信号aの立ち下がりタ
イミング(t2およびt6)とステップ関数電圧bの立
ち上がりタイミング(t3およびt7)を同期させてし
まうと、実施の形態1でも述べたように、インダクタン
ス検出が不安定になり、検出誤差によりセンサレスSR
モータに支障を来す可能性がある。
【0061】本実施の形態は、これを避けるため図8
(a)に示すステップ関数信号aの立ち下がりから遅延
時間生成回路22で生成した遅延時間を持たせ、図8
(b)に示すようにステップ関数電圧bを立ち上げるよ
うにするため、ステップ関数信号aの立ち下がりタイミ
ング(t2およびt6)とステップ関数電圧bの立ち上
がりタイミング(t3およびt7)が同期せず、インダ
クタンス検出が安定する。
【0062】以上のように、インダクタンス検出の誤差
を小さくして、回転子の位置を信頼性が高く検出するこ
とができる。
【0063】なお、遅延時間生成回路22は、単安定マ
ルチバイブレータなどを用いることにより、簡素な回路
で駆動回路を構成することができる。
【0064】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下にしめすような効果を奏する。
【0065】この発明に係わるセンサレスモータの回転
子位置検出装置は、タイミング信号を発生する検出信号
発生回路と、前記タイミング信号に基づいてステップ関
数信号を発生するステップ関数信号発生回路と、過渡応
答時の時定数を定める抵抗を介して電源に接続された固
定子巻線と、前記電源から印加された電圧を前記ステッ
プ関数信号に基づいてステップ関数電圧として、前記固
定子巻線及び前記抵抗に印加するスイッチと、前記ステ
ップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵抗に生じ
た過渡応答時の電圧があらかじめ定められたレベル以下
となったとき、または、過渡応答時の電流があらかじめ
定められたレベル以上となったとき、前記タイミング信
号に基づいて検出出力電圧または電流を出力するインダ
クタンス検出回路と、前記インダクタンス検出回路によ
り検出された検出出力電圧または検出出力電流に基づい
て、前記回転子突極の位置を示す検出信号を出力する回
転位置検出回路とを備え、前記インダクタンス検出回路
により前記検出出力電圧または電流を出力した後に、前
記ステップ関数信号発生回路の出力を終了させるので、
位置検出センサを設けることなく、回転子の位置を検出
することができ、小型で、信頼性の高い回転子位置検出
装置を得ることができる。
【0066】また、インダクタンス検出回路は、ステッ
プ関数電圧により固定子巻線及び抵抗に生じた過渡応答
時の電圧または電流を、あらかじめ定められたレベルと
比較する比較回路と、検出信号発生回路から出力された
タイミング信号の立ち上がり、または、立ち下がりエッ
ジのタイミングにより前記比較回路の出力を伝達する伝
達回路と、を備えたので、簡素な回路構成で、信頼性の
高い回転子位置検出装置を得ることができる。
【0067】また、インダクタンス検出回路は、ステッ
プ関数電圧により固定子巻線及び抵抗に生じた過渡応答
時の電圧または電流を、あらかじめ定められたレベルと
比較する比較回路と、検出信号発生回路から出力された
タイミング信号の立ち上がり、または、立ち下がりエッ
ジのタイミングにより前記比較回路の出力を伝達する第
1の伝達回路と、ステップ信号発生回路から出力された
ステップ関数信の立ち下がり、または、立ち上がりエッ
ジのタイミングにより前記比較回路の出力を伝達する第
2の伝達回路と、前記第1、第2の伝達回路の出力を判
定する理論回路と、を備えたので、ノイズなどが発生し
た場合でも回転子の位置を検出することができ、信頼性
の高い回転子位置検出装置を得ることができる。
【0068】また、ステップ関数信号を発生するステッ
プ関数信号発生回路と、過渡応答時の時定数を定める抵
抗を介して電源に接続された固定子巻線と、前記ステッ
プ関数信号に基づいて生成されたステップ関数電圧の立
ち上がり、または、立ち下がりを遅延させ遅延ステップ
関数電圧を出力する遅延時間生成回路と、前記電源から
印加された電圧を前記遅延ステップ関数電圧に基づい
て、ステップ関数電圧として前記固定子巻線及び前記抵
抗に印加するスイッチと、前記ステップ関数電圧により
前記固定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧
があらかじめ定められたレベル以下となったとき、また
は、過渡応答時の電流があらかじめ定められたレベル以
上となったとき、前記ステップ関数信号に基づいて検出
出力電圧または電流を出力するインダクタンス検出回路
と、前記インダクタンス検出回路により検出された検出
出力電圧または検出出力電流に基づいて、前記回転子突
極の位置を示す検出信号を出力する回転位置検出回路
と、を備えたので、検出の誤差を小さくして、回転子の
位置を検出することができ、信頼性の高い回転子位置検
出装置を得ることができる。
【0069】この発明に係わるセンサレスモータの回転
子位置検出方法は、ステップ関数信号に基づいて生成さ
れたステップ関数電圧を過渡応答時の時定数を定める抵
抗を介して固定子巻線に印加し、前記ステップ関数電圧
により前記固定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時
の電圧があらかじめ定められたレベル以下となったと
き、または、過渡応答時の電流があらかじめ定められた
レベル以上となったとき、タイミング信号に基づいて検
出出力電圧または電流を出力し、前記検出出力電圧また
は検出出力電流に基づいて、前記回転子突極の位置を示
す検出信号を出力するとともに、前記検出出力電圧また
は電流を出力した後に、前記ステップ関数信号発生回路
の出力を終了させるので、位置検出センサを設けること
なく、信頼性が高く回転子の位置を検出することができ
る。
【0070】また、ステップ関数信号に基づいて生成さ
れたステップ関数電圧を過渡応答時の時定数を定める抵
抗を介して固定子巻線に印加し、前記ステップ関数信号
に基づいて、ステップ関数電圧の立ち上がり、または、
立ち下がりを遅延させた遅延ステップ関数電圧を生成
し、前記遅延ステップ関数電圧に基づいて前記固定子巻
線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧があらかじめ
定められたレベル以下となったとき、または、過渡応答
時の電流があらかじめ定められたレベル以上となったと
き、前記ステップ関数信号に基づいて検出出力電圧また
は電流を出力し、前記検出出力電圧または検出出力電流
に基づいて、前記回転子突極の位置を示す検出信号を出
力するので、検出の誤差を小さくして、回転子の位置を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である回転子位置検
出装置を備えたセンサレスモータの駆動回路の構成図で
ある。
【図2】 この発明の実施の形態1である回転子位置検
出装置の動作波形を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1である回転子位置検
出装置の動作波形を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2である回転子位置検
出装置のインダクタンス検出回路の構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3である回転子位置検
出装置のインダクタンス検出回路の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3である回転子位置検
出装置の動作波形を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態4である回転子位置検
出装置を備えたセンサレスモータの駆動回路の構成図で
ある。
【図8】 この発明の実施の形態4である回転子位置検
出装置の動作波形を示す図である。
【図9】 従来の一般的なセンサレスモータとその駆動
回路の構成図である。
【図10】 一般的なセンサレスモータの固定子と回転
子の位置関係を示す図である。
【図11】 一般的なセンサレスモータの固定子巻線の
インダクタンス変化を示す図である。
【符号の説明】
1 固定子、2 固定子突極、3 固定子巻線、5 回
転子、6 回転子突極、7 駆動回路、8a、8b、1
4 トランジスタ、9a、9b、20 ダイオード、1
0 母線電圧、13、31、32 抵抗、15 回転位
置検出回路、16 インダクタンス検出回路、17 ス
テップ関数信号発生回路、18 制御回路、19 検出
用電源、21 検出信号発生回路、22 遅延時間生成
回路、33 コンパレータ、34 NOTゲート、3
5、36 D型フリップフロップ、37 NANDゲー
ト、25 回転子位置検出装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−177788(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 7/05

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイミング信号を発生する検出信号発生
    回路と、 前記タイミング信号に基づいて ステップ関数信号を発生
    するステップ関数信号発生回路と、 過渡応答時の時定数を定める抵抗を介して電源に接続さ
    れた固定子巻線と、 前記電源から印加された電圧を前記ステップ関数信号に
    基づいてステップ関数電圧として、前記固定子巻線及び
    前記抵抗に印加するスイッチと、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧があらかじめ定められたレ
    ベル以下となったとき、または、過渡応答時の電流があ
    らかじめ定められたレベル以上となったとき、前記タイ
    ミング信号に基づいて検出出力電圧または電流を出力す
    インダクタンス検出回路と、 前記インダクタンス検出回路により検出された検出出力
    電圧または検出出力流に基づいて、前記回転子突極の
    位置を示す検出信号を出力する回転位置検出回路とを備
    え、 前記インダクタンス検出回路により前記検出出力電圧ま
    たは電流を出力した後に、前記ステップ関数信号発生回
    路の出力を終了させることを特徴とするセンサレスモー
    タの回転子位置検出装置。
  2. 【請求項2】 インダクタンス検出回路は、ステップ関
    数電圧により固定子巻線及び抵抗に生じた過渡応答時の
    電圧または電流を、あらかじめ定められたレベルと比較
    する比較回路と、 検出信号発生回路から出力されたタイミング信号の立ち
    上がり、または、立ち下がりエッジのタイミングにより
    前記比較回路の出力を伝達する伝達回路と、を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載のセンサレスモータの回転
    子位置検出装置。
  3. 【請求項3】 インダクタンス検出回路は、ステップ関
    数電圧により固定子巻線及び抵抗に生じた過渡応答時の
    電圧または電流を、あらかじめ定められたレベルと比較
    する比較回路と、 検出信号発生回路から出力されたタイミング信号の立ち
    上がり、または、立ち下がりエッジのタイミングにより
    前記比較回路の出力を伝達する第1の伝達回路と、 ステップ信号発生回路から出力されたステップ関数信の
    立ち下がり、または、立ち上がりエッジのタイミングに
    より前記比較回路の出力を伝達する第2の伝達回路と、 前記第1、第2の伝達回路の出力を判定する理論回路
    と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のセンサレ
    スモータの回転子位置検出装置。
  4. 【請求項4】 ステップ関数信号を発生するステップ関
    数信号発生回路と、 過渡応答時の時定数を定める抵抗を介して電源に接続さ
    れた固定子巻線と、 前記ステップ関数信号に基づいて生成されたステップ関
    数電圧の立ち上がり、または、立ち下がりを遅延させ遅
    延ステップ関数電圧を出力する遅延時間生成回路と、 前記電源から印加された電圧を前記遅延ステップ関数電
    圧に基づいて、ステップ関数電圧として前記固定子巻線
    及び前記抵抗に印加するスイッチと、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧があらかじめ定められたレ
    ベル以下となったとき、または、過渡応答時の電流があ
    らかじめ定められたレベル以上となったとき、前記ステ
    ップ関数信号に基づいて検出出力電圧または電流を出力
    するインダクタンス検出回路と、 前記インダクタンス検出回路により検出された検出出力
    電圧または検出出力流に基づいて、前記回転子突極の
    位置を示す検出信号を出力する回転位置検出回路と、を
    備えたことを特徴とするセンサレスモータの回転子位置
    検出装置。
  5. 【請求項5】 ステップ関数信号に基づいて生成された
    ステップ関数電圧を過渡応答時の時定数を定める抵抗を
    介して固定子巻線に印加し、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧があらかじめ定められたレ
    ベル以下となったとき、または、過渡応答時の電流があ
    らかじめ定められたレベル以上となったとき、タイミン
    グ信号に基づいて検出出力電圧または電流を出力し、 前記検出出力電圧または検出出力流に基づいて、前記
    回転子突極の位置を示す検出信号を出力するとともに、
    前記検出出力電圧または電流を出力した後に、前記ステ
    ップ関数信号発生回路の出力を終了させることを特徴と
    するセンサレスモータの回転子位置検出方法。
  6. 【請求項6】 ステップ関数信号に基づいて生成された
    ステップ関数電圧を過渡応答時の時定数を定める抵抗を
    介して固定子巻線に印加し、 前記ステップ関数信号に基づいて、ステップ関数電圧の
    立ち上がり、または、立ち下がりを遅延させた遅延ステ
    ップ関数電圧を生成し、前記遅延ステップ関数電圧に基
    づいて前記固定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時
    の電圧があらかじめ定められたレベル以下となったと
    き、または、過渡応答時の電流があらかじめ定められた
    レベル以上となったとき前記ステップ関数信号に基づ
    いて検出出力電圧または電流を出力し、前記検出出力
    圧または検出出力流に基づいて、前記回転子突極の位
    置を示す検出信号を出力することを特徴とするセンサレ
    スモータの回転子位置検出方法。
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