JP3544864B2 - ブラシレスモータの駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3相のブラシレスモータの駆動制御装置に関するものであり、特に、ロータとステータの相対位置を検出する単一の位置検出素子の検出出力に基づき、駆動用の3相120度スイッチング通電を実現可能なブラシレスモータの駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
3相のブラシレスモータの駆動制御方式としては3相120度スイッチング通電方式が知られている。この方式では、3個の磁気センサ、一般には、3個のホール素子を用いて、3相の駆動コイルを備えたステータと複数の磁極を備えたロータの間の相対回転位置を検出し、検出結果に基づき、各相の駆動コイルに対する駆動電流の切り換え制御を行っている。一般に、駆動コイルに対する通電切り換えを行うためには、駆動コイルの相数に対応した個数、すなわち3個のホール素子が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ホール素子の個数を減らすことができれば、その分、モータコストを低減できるという利点が得られる。すなわち、ホール素子の個数が減ると、その分コストを削減でき、また、ブラシレスモータの駆動制御回路が組み込まれた駆動ICとホール素子との間の配線数が減るので、それによっても、配線コストが下がる。更に、ホール素子の個数が減ると、駆動ICのホール素子入力ピン数が少なくて済むので、ICパッケージコストも下がる。これに加えて、ホール素子の個数が減ると、ホールバイアス電流を低減でき、それにより消費電力も少なくて済む。
【0004】
この点に鑑みて、本願人は先に、特願平10−5216号において、単一のホール素子のみを用いて、3相のブラシレスモータを3相120度通電方式により駆動可能な駆動制御装置を提案している。
【0005】
この駆動制御装置では、単一のホール素子からの略正弦波状のホール信号のゼロクロス点で論理レベルが反転する第1のタイミング信号を形成している。また、ホール信号を、コンデンサの充放電速度比を2:1としたコンデンサの充放電電流と比較することにより、ホール信号のゼロクロス点から正負60度付近で論理レベルが反転する矩形波信号を形成している。更に、この矩形波信号と第1のタイミング信号を用いて、当該第1のタイミング信号に対して位相が60度、240度ずれた第2および第3のタイミング信号を形成し、このようにして得られた3種類のタイミング信号を用いて3相120度通電方式を実現している。
【0006】
また、前記矩形波信号における60度、120度での論理反転のタイミングを得やすくするために、ホール信号に対して、3倍の周波数を有する周波数信号(FG信号)を重畳して得られる合成波信号を利用する方法も提案している。
【0007】
ここで、このように構成したブラシレスモータの駆動制御装置においては、次のような改善すべき点がある。
【0008】
第1に、モータ駆動タイミングとしては、単一のホール素子からのホール信号に基づく0度と180度のタイミングと、コンデンサを用いて形成した60、120、240、および300度のタイミングを採用している。しかしながら、ホール素子と、FG信号検出用の検出素子が、例えばモータ作成時に相互に位置ずれした状態で組付けられた場合には、それぞれの信号のゼロクロス点のタイミングがずれてしまう。この結果、トルク不足が発生したり、ISV特性(Instantaneous Speed Variation:瞬時の速度変動)が悪化するといった弊害が発生するおそれがある。また、例えば、これらの検出素子から得られる信号のタイミングがモータ作成時には合っている場合においても、例えば、モータ回転中に負荷変動があると、それに伴って発生するモータ磁界の変動の影響がホール素子の出力に及び、双方の検出素子から得られる信号のタイミングがずれ、この結果、同様な弊害が発生するおそれがある。
【0009】
第2に、ホール信号とFG信号を合成することにより、60度、120度、240度および300度のタイミングを得やすくなっている。しかしながら、ホール信号の振幅、FG信号の振幅、双方の信号の位相関係等が相互に影響し合って、意図しないタイミングで信号波形が増長される場合がある。この場合、このような波形の合成波信号をコンデンサの充放電電流と比較することにより得られる60、120、240、および300度のタイミングには狂いが発生し、120度スイッチング通電による駆動が誤タイミングで行われる。この結果、モータがハンチングを起こす等の弊害が発生してしまう。
【0010】
本発明の課題は、駆動タイミングにずれが生ずること無く、単一の位置検出素子を用いて3相の120度スイッチング通電方式を実現可能なブラシレスモータの駆動制御装置を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、単一の位置検出素子から得られるロータ回転位置に対応する略正弦波状の位置検出信号に基づき、ステータとロータの相対的位置関係に応じた3相の第1乃至第3のタイミング信号を生成し、これらのタイミング信号に基づき3相の120度スイッチング通電を行うブラシレスモータの駆動制御装置であって:前記ロータの回転に伴って前記位置検出信号の3倍の周期で略正弦波状の周波数信号を発生する周波数発生手段と;前記位置検出信号のゼロクロス点a(n)(n:正の整数)で論理レベルが反転する前記第1のタイミング信号を生成する第1のタイミング信号生成回路と;前記位置検出信号のゼロクロス点から正負60度付近で論理レベルが反転する矩形波信号を生成する矩形波信号生成回路と;当該矩形波信号と前記第1のタイミング信号に基づき、当該第1のタイミング信号に対して、それぞれ60度および240度位相がずれた前記第2および第3のタイミング信号を生成する第2のタイミング信号生成回路とを有し;前記第1のタイミング信号生成回路は、前記位置検出信号のゼロクロス点a(n)と前記周波数信号における対応するゼロクロス点b(3n−2)との間にずれがある場合には、前記第1のタイミング信号の論理レベルが反転時点を当該周波数信号のゼロクロス点b(3n−2)に一致させるタイミング補正を行うことを特徴としている。
【0012】
ここで、かかるタイミング補正を、周波数信号が適正な状態で継続して発生している場合にのみ行うためには、位置検出信号のゼロクロス点に対応する周波数信号のゼロクロス点b(3n−2)よりも1個手前の当該周波数信号のゼロクロス点b(3n−4)が存在するか否かを判別し、存在する場合にのみ、前記のタイミング補正を行えばよい。タイミング補正が行われない場合には、位置検出信号のゼロクロス点で論理レベルが反転する前記第1のタイミング信号がそのまま利用されることになる。
【0013】
このように、本発明では、位置検出信号と周波数信号の間に位置ずれが発生したとしても、モータ駆動タイミングを適正状態に保持できるので、トルク不足、ISV特性の悪化等を回避できる。
【0014】
次に、本発明のブラシレスモータの駆動制御装置は、上記の構成に加えて、前記位置検出信号と前記周波数信号を重畳して得られる合成波信号に対し、前記位置検出信号におけるゼロクロス点の前後60度の区間をマスキングする合成波信号マスキング回路を有し、前記矩形波信号生成回路は、マスキングされた後の前記合成波信号に基づき前記矩形波信号を生成することを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、位置検出信号と周波数信号の間の位相ずれ等に起因して、それらの合成波信号における意図しないタイミングの波形が増長された場合においても、そのような部分の波形がマスキングされる。よって、常に適正なタイミングでモータを駆動できる。
【0016】
ここにおいて、前記の位置検出素子としては、前記ロータに形成した駆動用着磁部の磁界の変化を検出して正負一対の略正弦波状の前記位置検出信号を出力するホール素子を採用することができる。
【0017】
また、前記の周波数発生手段としては、前記ロータに形成された信号用着磁部と、前記ステータに形成された周波数検出器とを有し、前記信号用着磁部が、前記駆動用着磁部の磁極の3倍の磁極が形成された信号用着磁部を備え、前記周波数検出器が、前記信号用着磁部による磁界の変化を検出する構成のものを採用することができる。
【0018】
さらに、前記矩形波信号生成回路は、信号合成回路と、全波整流器と、ヒステリシスコンパレータと、電圧電流変換器と、コンデンサとを備えた構成とすることができる。この場合、前記信号合成回路は、前記位置検出信号に前記周波数信号を重畳して前記合成波信号を形成するものである。前記全波整流器は前記合成波信号を全波整流して全波整流信号を生成するものである。前記電圧電流変換器は、前記ヒステリシスコンパレータから出力される前記第2の矩形波信号の論理レベルの反転に基づき、前記コンデンサの充放電動作を切り換えるものであり、前記コンデンサの充放電動作によって比較信号が生成され、前記ヒステリシスコンパレータにより、前記全波整流信号が前記比較信号と比較されて、前記矩形波信号が出力される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したFDDスピンドル駆動用のブラシレスモータを説明する。
【0020】
(全体構成)
図1には、本例のFDDスピンド駆動用のブラシレスモータの全体構成を示してある。本例のブラシレスモータ1は3相の120度スイッチング通電方式により駆動されるものである。このブラシレスモータ1は、回路基板2の側に固定されたステータアセンブリ3と、このステータアセンブリ3に対して回転自在に支持されたロータアセンブリ4から構成されている。
【0021】
ステータアセンブリ3は、回路基板2に固着した円筒状の軸受け31と、この軸受け31の外周に取り付けたステータコア32と、このステータコア32に形成した複数の突極に巻き付けた3相の駆動コイルLu、Lv、Lw(図においては駆動コイルLuのみを示す。)を備えている。これに対して、ロータアセンブリ4は、軸受け31の内周面に形成した軸受け面を介して当該軸受けに対して回転自在に支持されたロータシャフト41と、このロータシャフト41に固着したカップ状のロータケース42と、このロータケース42の周壁の内周面に固着したリング状のロータマグネット43とを備えている。ロータケース42の円形の上端壁はFDD載置面42aとされており、ここには、FDDの側に係合可能な駆動ピン44が設置されている。
【0022】
ロータマグネット43の基板側の環状端面に対峙している基板部分には、磁極センサとして、単一のホール素子Huが固定配置されている。このホール素子Huからはほぼ正弦波状の正負のホール信号u+、u−が発生する。また、基板表面には、モータ駆動制御回路が組み込まれた駆動IC5が搭載されている。
【0023】
ここで、図2には、ステータコア32とロータマグネット43とホール素子Huを平面上に展開して示してある。この図から分かるように、ロータマグネット43には、駆動用着磁部43aに加えて、当該着磁部の磁極の3倍の磁極を備えた信号用着磁部(FG用磁極)43bが形成されている。この信号用着磁部43bに対峙している基板表面には発電(FG)パターン12が形成されている。この発電パターン12は、ロータマグネット43の回転に伴なう信号用着磁部43bからの回転磁界の影響を受けて、ホール信号の3倍の周波数のほぼ正弦波状の周波数信号FGを発生する。
【0024】
(駆動制御装置)
図3は、上記構成のブラシレスモータ1を3相120度スイッチング通電方式により駆動するための駆動制御装置の回路ブロック図、図4は、図3に示す信号生成手段の回路ブロック図である。また、図5〜図7は、当該駆動制御装置の各部分の動作を示すタイミングチャートである。
【0025】
まず、図3に示すように、本例の駆動制御装置10の全体構成は一般的な3相120度通電方式のものと同様であり、ホール素子Huおよび周波数信号FGに基づき、ロータマグネット43の回転に伴う3相の第1乃至第3のタイミング信号(d,d’,j)を生成する信号生成手段20と、第1ないし第3のタイミング信号(d,d’, j)に基づき、3相の120度スイッチング通電信号(D1〜D6)を合成する信号合成回路30と、3相の120度スイッチング通電信号(D1〜D6)に基づき3相の駆動コイルLu、Lv、Lwを通電制御する駆動回路40とを有している。
【0026】
ホール素子Huは公知のように、ロータマグネット43の回転に伴って生ずる磁極の変化に基づいて、検出信号として、略正弦波状の正負一対の検出信号(u+,u−)を出力する。また、上記のように、FGパターン12はロータマグネット43の回転に伴なう信号用着磁部43bからの回転磁界の影響を受けて、ホール信号の3倍の周波数のほぼ正弦波状の周波数信号FGを出力する。
【0027】
本例の駆動制御装置10の特徴は、信号生成手段20において、単一のホール素子Huから得られるホール信号(u+、u−)に基づき第1ないし第3のタイミング信号(d,d’,j)を生成している点と、ホール信号のゼロクロス点a(n)(n:正の整数)をFGパターン12から得られる周波数信号FGの対応するゼロクロス点b(3n−2)に一致させるタイミング補正(正規化)を行う点と、第2および第3のタイミング信号(d,d’)を形成するための基礎となるホール信号と周波数信号FGの合成波信号Aのうちの不要な部分をマスキングしている点である。
【0028】
図4〜図6を参照して説明すると、この信号生成手段20は、単一のホール素子Hu(位置検出素子)からのホール信号(u+、u−)に基づき第1の矩形波信号(a)を生成する第1の矩形波信号生成回路としての比較器C1と、第2、第3のタイミング信号(d,d’)を生成するための基準となる第2の矩形波信号(c)を生成する第2の矩形波信号生成回路21とを有している。また、第1および第2の矩形波信号(a,c)に基づき第1のタイミング信号(j)を生成する第1のタイミング信号生成回路22と、第2の矩形波信号(c)に基づき第2および第3のタイミング信号(d,d’)を生成する第2のタイミング信号生成回路としてのD型フリップフロップF1とを有している。さらには、ホール信号(u+,u−)、周波数信号FGおよび第2の矩形波信号(c)に基づき、ホール信号と周波数信号の合成波信号の所定区間をマスキングするための合成波信号マスキング回路23を有している。
【0029】
信号生成手段20を構成している上記の各回路部分について詳細に説明する。まず、第1の矩形波生成回路としての比較器C1は、ホール素子Huの検出信号(u+,u−)のゼロクロス点の発生タイミングに基づき、第1の矩形波信号(a)を生成する。すなわち、正負一対の位置検出信号(u+,u−)を相互に比較して、略180度周期で論理レベルが反転する第1の矩形波信号(a)を出力する。
【0030】
第2の矩形波信号生成回路21は、位置検出信号(u+,u−)のゼロクロス点間をほぼ3等分する2点で論理レベルが反転する矩形波信号(c)を生成するものである。本例の第2の矩形波信号生成回路21は、リニアアンプA1と、加算器ADDと、全波整流器Zと、ヒステリシスコンパレータH1と、電圧電流変換器V/Iと、コンデンサCxとを備えている。
【0031】
ホール素子Huの検出信号(u+,u−)は、リニアアンプA1を介して増幅された後に、加算器ADDにおいて周波数信号FGと加算される。加算器ADDによって得られた合成波信号は全波整流器Zに入力され、ここから、全波整流信号(A)として出力される。この全波整流信号(A)は、ヒステリシスコンパレータH1の一方の入力端子に供給される。
【0032】
ヒステリシスコンパレータH1では、入力された全波整流信号(A)を、コンデンサCxに発生する比較信号(B)と比較し、比較結果を、第2の矩形波信号(c)として出力する。すなわち、全波整流信号(A)<比較信号(B)の場合には高論理信号が出力され、この逆の場合には低論理信号が出力される。
【0033】
ここで、この第2の矩形波信号(c)は、電圧電流変換器V/Iを経て、コンデンサCxの充電電流Ic、放電電流Idに変換される。すなわち、ヒステリシスコンパレータH1から出力される第2の矩形波信号(c)の論理レベルの反転に基づき、コンデンサCxの充放電動作が切り換わり、第2の矩形波信号(c)が高論理レベルの時に放電電流Idが流れ、逆に、低論理レベルの時には充電電流Icが流れる。
【0034】
本例では、比較信号(B)は、ヒステリシスコンパレータH1によるヒステリシスが掛かっており、その立ち上がりのヒステリシスが立ち下がりのヒステリシスの2倍となるように設定されている。また、充電電流Icと放電電流Idの値がIc=Idの関係となるように設定され、比較信号(B)の電圧上昇率(充電速度)が電圧降下率(放電速度)が同一となっている。この結果、全波整流信号(A)と比較信号(B)との交差点が、ホール素子から出力された検出信号(u+,u−)のゼロクロス点a(n)から電気角で正負60度付近に位置し、周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−3),b(3n−1)に略一致する。
【0035】
また、ヒステリシスコンパレータH1によるヒステリシスがかかっているので、モータ起動時等のようにホール素子出力に基づく全波整流信号(A)がフラットな波形の場合においても、比較信号(B)が増減して、第2の矩形波信号(c)を生成することができる。
【0036】
なお、比較信号(B)の立ち上がりおよび立ち下がりのヒステリシスを同一とした場合には、充電電流Icと放電電流Idの値をIc=2・Idの関係となるように設定して、比較信号(B)の電圧上昇率(充電速度)を電圧降下率(放電速度)の倍にすればよい。このようにしても、全波整流信号(A)と比較信号(B)との交差点を、ホール素子から出力された検出信号(u+,u−)のゼロクロス点a(n)から電気角で正負60度付近に位置させることができる。
【0037】
次に、第2のタイミング信号生成回路であるD型フリップフロップF1では、上記の比較器C1から出力される第1の矩形波信号(a)と、第2の矩形波信号(c)とに基づき、相互に180度位相がずれた第2および第3のタイミング信号(d,d’)が生成される。D型フリップフロップF1におけるデータ入力端子Dには、第1の矩形波信号(a)が入力され、そのクロック入力端子CLには第2の矩形波信号(c)が入力される。この結果、その正転出力端子Qからは、第2のタイミング信号(d)が出力され、その反転出力端子(Q ̄)からは、位相が180度遅れた第3のタイミング信号(d’)が出力される。
【0038】
(第1のタイミング信号生成回路22)
次に、第1のタイミング信号生成回路22について説明する。この回路22において、そのホールエッジ生成回路221は、第1の矩形波信号(a)の立ち上がり時点に対応したパルス出力が現れる立ち上がりエッジ信号(a+)と、その立ち下がり時点に対応したパルス出力が現れる立ち下がりエッジ信号(a−)を生成する。また、FGエッジ生成回路222では、周波数信号FGを波形成形した信号(b)の立ち上がり時点に対応した立ち上がりエッジ信号(b+)と、その立ち下がり時点に対応した立ち下がりエッジ信号(b−)を生成する。
【0039】
また、この第1のタイミング信号生成回路22のアンド回路AND1には、第1の矩形波信号(a)と第2のタイミング信号(d)が供給され、このゲート出力(e)がD型フリップフロップF2のデータ入力端子Dに供給される。このフリップフロップF2のクロック入力端子CLKには周波数信号FGに対応した矩形波信号(b)が供給され、そのリセット端子には第3のタイミング信号(d’)が供給される。この結果、フリップフロップF2の出力端子Qからは矩形波信号(f)が得られる。アンド回路AND2では、この矩形波信号(f)とFG立ち上がりエッジ信号(b+)との論理積が取られ、パルス信号gが得られる。
【0040】
同様にして、第1のタイミング信号生成回路22のアンドゲートAND2には、インバータIN1を介して得られる第1の矩形波信号(a)の反転信号と、第3のタイミング信号(d’)が供給され、このゲート出力(e’)がD型フリップフロップF3のデータ入力端子Dに供給される。このフリップフロップF3のクロック入力端子CLKには、インバータIN2を介して得られる矩形波信号(b)の反転信号が供給され、そのリセット端子には第2のタイミング信号(d)が供給される。この結果、フリップフロップF2の出力端子Qからは矩形波信号(f’)が得られる。アンドゲートAND4では、この矩形波信号(f’)とFG立ち下がりエッジ信号(b−)との論理積が取られ、パルス信号(g’)が得られる。
【0041】
このようにして得られたパルス信号(g,g’)は、それぞれノア回路NOR1、2を介してラッチ回路223に供給される。このラッチ回路223からは第1のタイミング信号(j)が得られる。
【0042】
この第1のタイミング信号生成回路22による第1のタイミング信号生成動作を更に詳しく説明する。まず、ホール信号と周波数信号が適切なタミングで出力されている状態においては、ホール信号のゼロクロス点a(n)(n:1、2、3・・・)に対して、1/3倍の周期の周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−2)がそれぞれ一致する。しかしながら、モータ製作時において、FGパターン12と、ホール素子Huの相対位置がずれている場合には、ゼロクロス点a(n)と、対応するゼロクロス点b(3n−2)が一致せずに僅かに前後にずれる可能性がある。図5のホール信号と周波数信号FGの波形は、このように僅かにタイミングがずれた場合のものである。
【0043】
本例の第1のタイミング信号生成回路22では、双方の信号にずれが発生している場合には、ホール信号から得られる第1の矩形波信号(a)の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングを、周波数信号FGにおける対応するゼロクロス点b(3n−2)に一致させ、これを、第1のタイミング信号(j)として採用している。
【0044】
ここで、本例では、フリップフロップF2、F3の正転出力信号(f,f’)に基づき、ホール信号のゼロクロス点a(n)に対応する周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−2)よりも一つ手前の当該周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−4)が存在するか否かを判別している。換言すると、この時点において周波数信号FGが発生しているか否かを判別する。周波数信号FGが発生している場合には信号(f)には、周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−4)からゼロクロス点b(3n−1)までの立ち上がり区間が現れ、従って、この区間内において発生する周波数信号FGのセロクロス点b(3n−2)が、第1のタイミング信号(j)の立ち上がりあるいは立ち下がりのタイミングとして採用される。
【0045】
このように、本例の第1のタイミング信号生成回路22では、ホール信号と周波数信号にずれが生じている場合には、ホール信号のゼロクロス点(0度、180度)で論理レベルが反転する第1のタイミング信号(j)の反転タイミングを、周波数信号FGのゼロクロス点に一致させるタイミング補正(正規化)を行っている。よって、常に適切な駆動タイミングでモータを駆動することができるので、トルク不足やISV特性の悪化等の弊害を回避できる。
【0046】
ここで、本例の第1のタイミング信号生成回路22では、上記の構成に加えて、フリップフロップF2の反転出力Q ̄とホールエッジ立ち下がり信号(a−)との論理積(h)を、アンド回路AND5を介して生成している。この信号(h)と上記の信号(g)との論理和の反転出力をノア回路NOR1を介して、信号(i)として得ている。同様に、フリップフロップF3の反転出力Q ̄とホールエッジ立ち上がり信号(a+)との論理積(h’)を、アンド回路AND6を介して生成している。この信号(h’)と上記の信号(g’)との論理和の反転出力をノア回路NOR2を介して、信号(i’)として得ている。
【0047】
すなわち、周波数信号FGが適切な状態で発生していない場合には、第1のタイミング信号(j)として、ホール信号のゼロクロス点a(n)で論理レベルが反転する第1の矩形波信号(a)と同一の信号がそのまま採用される。本例において周波数信号FGが適切な状態で発生していない場合とは、ホール信号のゼロクロス点a(n)に対応する時点では周波数信号が発生していない場合と、この時点では周波数信号が発生してはいるものの当該時点に対応する周波数信号のゼロクロス点b(3n−2)よりも一つ手前のゼロクロス点b(3n−4)が発生すべき時点で当該周波数信号が発生していない場合を含む。
【0048】
(合成波信号マスキング回路23)
次に、図4および図6を参照して、信号生成手段20における合成波信号マスキング回路23について説明する。
【0049】
この回路23では、第1の矩形波信号(a)がインバータIN3を介して反転された後に、アンド回路AND7において、フリップフロップF2の正転出力(f)との論理積が取られ、得られた信号(l)がノア回路NOR3に入力される。同様に、第1の矩形波信号(a)がアンド回路AND8において、フリップフロップF3の正転出力(f’)との論理積が取られ、得られた信号(l’)がノア回路NOR3に入力される。
【0050】
信号(l’)は、ホール信号のゼロクロス点a(k)(k=1,3,5・・・)(電気角で0度)から60度付近(すなわち、周波数信号FGのゼロクロス点b(3k−1))までの区間を規定するものであり、信号(l)は、ホール信号のゼロクロス点a(m)(m=2,4,6・・・)(電気角で180度)から60度付近(周波数信号FGのゼロクロス点b(3m−1))の区間を規定するものである。
【0051】
一方、第2の矩形波信号(c)の立ち上がりエッジ信号(c+)が、エッジ生成回路231で生成され、ラッチ回路232に入力される。また、ホールエッジ生成回路221で得られるエッジ信号(a+,a−)の論理和の反転出力が、ノア回路NOR4を介して得られ、この信号もラッチ回路232に入力される。ラッチ回路232ではこれらの入力に基づき、0〜120度および180〜300度の区間で立ち上がる矩形波信号(k)が得られる。
【0052】
この矩形波信号(k)と、上記のノア回路NOR3の出力信号の論理積が、アンド回路AND9で取られ、この結果、60〜120度および240〜300度の区間で立ち上がるマスキング信号(m)が得られる。
【0053】
ここで、本例では、このマスキング信号(m)の出力を制御するための制御回路233を備えている。この制御回路233は、2個のD型フリップフロップF4、F5から構成されている。双方のフリップフロップF4、F5のクロック入力端子CLKには第2の矩形波信号(c)が入力され、それらのリセット端子Rには周波数信号FGの発生中において得られる第1のタイミング信号(j)の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングを規定するためのパルス信号(n)がオア回路ORを介して入力される。また、前段側のフリップフロップF4の正転出力(o)が後段側のフリップフロップF5のデータ入力端子に入力され、この後段側のフリップフロップF5の反転出力(p)が制御信号として出力される。
【0054】
前段のフリップフロップF4の正転出力(o)はリセット端子に入力されるパルス信号(n)によって立ち下がり、クロック端子に入力される第2の矩形波信号(c)によって立ち上がる。従って、リセット入力が無い場合、すなわち、周波数信号FGが発生していない場合には、信号(o)は立ち上がった状態のまま保持される。この結果、後段側のフリップフリップF5の反転出力である制御信号(p)は、クロック入力によって立ち下がった状態のままとなる。
【0055】
このように、制御信号(p)は周波数信号FGが発生している間は高論理に保持され、周波数発生信号FGが発生していない場合には、低論理に保持される。よって、マスキング信号(m)は、制御信号(p)が高論理の場合にのみ、アンド回路AND10を介して信号(q)としてそのまま出力されるが、制御信号が低論理の場合には出力されない。
【0056】
この信号(q)は、第2の矩形波信号生成回路21におけるアンド回路AND11に入力される。このアンド回路AND11の他方の入力は全波整流器Zからの出力Aである。従って、周波数信号FGが発生している間は、このホール信号と周波数信号の合成波信号Aは、その60度〜120度の区間、240〜300度の区間以外の区間が制御信号(q)によってマスキングされる。
【0057】
このように本例では合成波信号マスキング回路23を備えているので、ホール信号と周波数信号を合成した合成波信号Aに基づき、ホール信号のゼロクロス点を3分割した時点で論理レベルが反転する第2の矩形波信号(c)を生成する場合に、ヒステリシスコンパレータH1において比較対象とされる区間以外の区間の合成波信号Aがマスキングされる。よって、合成波信号Aの波形が意図しない区間で増長されていたとしても、それによって、第2の矩形波信号(c)の反転時点が変動してしまうことがない。このため、常に、適切な駆動タイミングでモータを駆動することが可能になる。
【0058】
また、周波数信号FGが発生していない場合には、このようなマスキングは不要であるので、制御信号(q)によってマスキング動作が阻止される。この場合には、ホール信号の全波整流信号に基づき、第2の矩形波信号(c)が生成されることになる。
【0059】
(信号合成回路30)
このようにして得られた第1〜第3のタイミング信号(j,d,d’)は、信号合成回路30に供給される。信号合成回路30では、これらの信号に基づき、図7に示すようなスイッチング通電信号(D1〜D6)を合成して出力する。
【0060】
信号合成回路30によって合成されたスイッチング通電信号(D1〜D6)は、駆動回路40を構成している出力パワートランジスタT1〜T6それぞれのオンオフ制御信号として出力される。この結果、ブラシレスモータ1の3相の駆動コイルLu、Lv、Lwにソース・シンクの往復電流Iu、Iv、Iwが流れる。これにより、連続トルクが発生して、ロータアセンブリ4が回転する。
【0061】
なお、図7には、3相駆動コイルに発生する誘導起電圧Eu、Ev、Ewと、電流Iu、Iv、Iwとのタイミング的な位置関係も併せて示してある。
【0062】
(その他の実施の形態)
なお、以上の各例においては、ロータ位置検出用のセンサとしてホール素子を用いているが、その他の磁気センサ、例えばMR素子等を用いることもできる。また、光学センサ等の別の検出形態のセンサを用いることもできる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、単一の位置検出素子からの位置検出信号と、周波数信号とを合成して得られる合成波信号に基づき3相のブラシレスモータの120度スイッチング通電を行う駆動制御装置において、位置検出信号のゼロクロス点a(n)の発生タイミング(0度および180度)に基づき得られる第1のタイミング信号のタイミングを、周波数信号FGの対応するゼロクロス点b(3n−2)に一致させるようにしている。従って、本発明によれば、位置検出信号と周波数信号のタイミングが相互にずれていることに起因したトルク不足、ISV特性の悪化等の弊害を回避できる。
【0064】
また、本発明では、周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−2)よりも一つ手前のゼロクロス点b(3n−4)が発生していない場合(この時点で周波数信号が発生していない場合)には、上記のようなタイミング補正を行わないようにしている。従って、正常に発生している周波数信号のみを用いることができるので、モータの駆動タイミングの制御を常に適切に行うことができる。
【0065】
さらに、本発明では、位置検出信号と周波数信号を合成した合成波信号に基づき、60度、120度、240度および300度で論理レベルが反転する第2の矩形波信号を生成するに当たり、60度〜120度の区間、および240度〜300度の区間以外の区間の合成波信号をマスキングし、必要区間の合成波信号のみを用いるようにしている。従って、位置検出信号の振幅状態、周波数信号の振幅状態、これらの信号の位相関係によって、意図しないタイミングでの波形が増長されたとしても、それが、モータの駆動タイミングに悪影響を及ぼすといった弊害を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は、本発明を適用したFDDスピンドルモータの機械的構成を示す概略平面図および概略半断面図である。
【図2】図1のモータにおけるロータマグネットの磁極と、コアと、ホール素子の位置関係を示す展開図である。
【図3】図1のモータの駆動制御装置の制御系の主要部分を示す概略ブロック図である。
【図4】図3の信号生成手段の回路ブロック図である。
【図5】図1のモータの駆動制御装置における第1のタイミング信号生成回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】図1のモータの駆動制御装置における合成波信号マスキング回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】図1のモータの駆動制御装置における120度スイッチング通電信号を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ
2 回路基板
3 ステータアセンブリ
4 ロータアセンブリ
43 ロータマグネット
43a 駆動用着磁部
43b 信号用着磁部
43c ホール素子用着磁部
Lu,Lv,Lw 駆動コイル
10 駆動制御装置
20 信号生成手段
21 第2の矩形波信号生成回路
22 第1のタイミング信号生成回路
23 合成波信号マスキング回路
30 信号合成回路
40 駆動回路
Hu ホール素子
C1 比較器(第1の矩形波信号生成回路)
Z 全波整流器
H1 ヒステリシスコンパレータ
V/I 電圧電流変換器
Cx コンデンサ
F1 フリップフロップ(第2のタイミング信号生成回路)
u+,u− ホール信号
FG 周波数信号
A 全波整流信号
B 比較信号
a 第1の矩形波信号
c 第2の矩形波信号
d,d’ 第2、第3のタイミング信号
j 第1のタイミング信号
a(n) ホール信号のゼロクロス点
b(3n−2) 周波数信号におけるホール信号のゼロクロス点に対応するゼロクロス点
【発明の属する技術分野】
本発明は、3相のブラシレスモータの駆動制御装置に関するものであり、特に、ロータとステータの相対位置を検出する単一の位置検出素子の検出出力に基づき、駆動用の3相120度スイッチング通電を実現可能なブラシレスモータの駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
3相のブラシレスモータの駆動制御方式としては3相120度スイッチング通電方式が知られている。この方式では、3個の磁気センサ、一般には、3個のホール素子を用いて、3相の駆動コイルを備えたステータと複数の磁極を備えたロータの間の相対回転位置を検出し、検出結果に基づき、各相の駆動コイルに対する駆動電流の切り換え制御を行っている。一般に、駆動コイルに対する通電切り換えを行うためには、駆動コイルの相数に対応した個数、すなわち3個のホール素子が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ホール素子の個数を減らすことができれば、その分、モータコストを低減できるという利点が得られる。すなわち、ホール素子の個数が減ると、その分コストを削減でき、また、ブラシレスモータの駆動制御回路が組み込まれた駆動ICとホール素子との間の配線数が減るので、それによっても、配線コストが下がる。更に、ホール素子の個数が減ると、駆動ICのホール素子入力ピン数が少なくて済むので、ICパッケージコストも下がる。これに加えて、ホール素子の個数が減ると、ホールバイアス電流を低減でき、それにより消費電力も少なくて済む。
【0004】
この点に鑑みて、本願人は先に、特願平10−5216号において、単一のホール素子のみを用いて、3相のブラシレスモータを3相120度通電方式により駆動可能な駆動制御装置を提案している。
【0005】
この駆動制御装置では、単一のホール素子からの略正弦波状のホール信号のゼロクロス点で論理レベルが反転する第1のタイミング信号を形成している。また、ホール信号を、コンデンサの充放電速度比を2:1としたコンデンサの充放電電流と比較することにより、ホール信号のゼロクロス点から正負60度付近で論理レベルが反転する矩形波信号を形成している。更に、この矩形波信号と第1のタイミング信号を用いて、当該第1のタイミング信号に対して位相が60度、240度ずれた第2および第3のタイミング信号を形成し、このようにして得られた3種類のタイミング信号を用いて3相120度通電方式を実現している。
【0006】
また、前記矩形波信号における60度、120度での論理反転のタイミングを得やすくするために、ホール信号に対して、3倍の周波数を有する周波数信号(FG信号)を重畳して得られる合成波信号を利用する方法も提案している。
【0007】
ここで、このように構成したブラシレスモータの駆動制御装置においては、次のような改善すべき点がある。
【0008】
第1に、モータ駆動タイミングとしては、単一のホール素子からのホール信号に基づく0度と180度のタイミングと、コンデンサを用いて形成した60、120、240、および300度のタイミングを採用している。しかしながら、ホール素子と、FG信号検出用の検出素子が、例えばモータ作成時に相互に位置ずれした状態で組付けられた場合には、それぞれの信号のゼロクロス点のタイミングがずれてしまう。この結果、トルク不足が発生したり、ISV特性(Instantaneous Speed Variation:瞬時の速度変動)が悪化するといった弊害が発生するおそれがある。また、例えば、これらの検出素子から得られる信号のタイミングがモータ作成時には合っている場合においても、例えば、モータ回転中に負荷変動があると、それに伴って発生するモータ磁界の変動の影響がホール素子の出力に及び、双方の検出素子から得られる信号のタイミングがずれ、この結果、同様な弊害が発生するおそれがある。
【0009】
第2に、ホール信号とFG信号を合成することにより、60度、120度、240度および300度のタイミングを得やすくなっている。しかしながら、ホール信号の振幅、FG信号の振幅、双方の信号の位相関係等が相互に影響し合って、意図しないタイミングで信号波形が増長される場合がある。この場合、このような波形の合成波信号をコンデンサの充放電電流と比較することにより得られる60、120、240、および300度のタイミングには狂いが発生し、120度スイッチング通電による駆動が誤タイミングで行われる。この結果、モータがハンチングを起こす等の弊害が発生してしまう。
【0010】
本発明の課題は、駆動タイミングにずれが生ずること無く、単一の位置検出素子を用いて3相の120度スイッチング通電方式を実現可能なブラシレスモータの駆動制御装置を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、単一の位置検出素子から得られるロータ回転位置に対応する略正弦波状の位置検出信号に基づき、ステータとロータの相対的位置関係に応じた3相の第1乃至第3のタイミング信号を生成し、これらのタイミング信号に基づき3相の120度スイッチング通電を行うブラシレスモータの駆動制御装置であって:前記ロータの回転に伴って前記位置検出信号の3倍の周期で略正弦波状の周波数信号を発生する周波数発生手段と;前記位置検出信号のゼロクロス点a(n)(n:正の整数)で論理レベルが反転する前記第1のタイミング信号を生成する第1のタイミング信号生成回路と;前記位置検出信号のゼロクロス点から正負60度付近で論理レベルが反転する矩形波信号を生成する矩形波信号生成回路と;当該矩形波信号と前記第1のタイミング信号に基づき、当該第1のタイミング信号に対して、それぞれ60度および240度位相がずれた前記第2および第3のタイミング信号を生成する第2のタイミング信号生成回路とを有し;前記第1のタイミング信号生成回路は、前記位置検出信号のゼロクロス点a(n)と前記周波数信号における対応するゼロクロス点b(3n−2)との間にずれがある場合には、前記第1のタイミング信号の論理レベルが反転時点を当該周波数信号のゼロクロス点b(3n−2)に一致させるタイミング補正を行うことを特徴としている。
【0012】
ここで、かかるタイミング補正を、周波数信号が適正な状態で継続して発生している場合にのみ行うためには、位置検出信号のゼロクロス点に対応する周波数信号のゼロクロス点b(3n−2)よりも1個手前の当該周波数信号のゼロクロス点b(3n−4)が存在するか否かを判別し、存在する場合にのみ、前記のタイミング補正を行えばよい。タイミング補正が行われない場合には、位置検出信号のゼロクロス点で論理レベルが反転する前記第1のタイミング信号がそのまま利用されることになる。
【0013】
このように、本発明では、位置検出信号と周波数信号の間に位置ずれが発生したとしても、モータ駆動タイミングを適正状態に保持できるので、トルク不足、ISV特性の悪化等を回避できる。
【0014】
次に、本発明のブラシレスモータの駆動制御装置は、上記の構成に加えて、前記位置検出信号と前記周波数信号を重畳して得られる合成波信号に対し、前記位置検出信号におけるゼロクロス点の前後60度の区間をマスキングする合成波信号マスキング回路を有し、前記矩形波信号生成回路は、マスキングされた後の前記合成波信号に基づき前記矩形波信号を生成することを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、位置検出信号と周波数信号の間の位相ずれ等に起因して、それらの合成波信号における意図しないタイミングの波形が増長された場合においても、そのような部分の波形がマスキングされる。よって、常に適正なタイミングでモータを駆動できる。
【0016】
ここにおいて、前記の位置検出素子としては、前記ロータに形成した駆動用着磁部の磁界の変化を検出して正負一対の略正弦波状の前記位置検出信号を出力するホール素子を採用することができる。
【0017】
また、前記の周波数発生手段としては、前記ロータに形成された信号用着磁部と、前記ステータに形成された周波数検出器とを有し、前記信号用着磁部が、前記駆動用着磁部の磁極の3倍の磁極が形成された信号用着磁部を備え、前記周波数検出器が、前記信号用着磁部による磁界の変化を検出する構成のものを採用することができる。
【0018】
さらに、前記矩形波信号生成回路は、信号合成回路と、全波整流器と、ヒステリシスコンパレータと、電圧電流変換器と、コンデンサとを備えた構成とすることができる。この場合、前記信号合成回路は、前記位置検出信号に前記周波数信号を重畳して前記合成波信号を形成するものである。前記全波整流器は前記合成波信号を全波整流して全波整流信号を生成するものである。前記電圧電流変換器は、前記ヒステリシスコンパレータから出力される前記第2の矩形波信号の論理レベルの反転に基づき、前記コンデンサの充放電動作を切り換えるものであり、前記コンデンサの充放電動作によって比較信号が生成され、前記ヒステリシスコンパレータにより、前記全波整流信号が前記比較信号と比較されて、前記矩形波信号が出力される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したFDDスピンドル駆動用のブラシレスモータを説明する。
【0020】
(全体構成)
図1には、本例のFDDスピンド駆動用のブラシレスモータの全体構成を示してある。本例のブラシレスモータ1は3相の120度スイッチング通電方式により駆動されるものである。このブラシレスモータ1は、回路基板2の側に固定されたステータアセンブリ3と、このステータアセンブリ3に対して回転自在に支持されたロータアセンブリ4から構成されている。
【0021】
ステータアセンブリ3は、回路基板2に固着した円筒状の軸受け31と、この軸受け31の外周に取り付けたステータコア32と、このステータコア32に形成した複数の突極に巻き付けた3相の駆動コイルLu、Lv、Lw(図においては駆動コイルLuのみを示す。)を備えている。これに対して、ロータアセンブリ4は、軸受け31の内周面に形成した軸受け面を介して当該軸受けに対して回転自在に支持されたロータシャフト41と、このロータシャフト41に固着したカップ状のロータケース42と、このロータケース42の周壁の内周面に固着したリング状のロータマグネット43とを備えている。ロータケース42の円形の上端壁はFDD載置面42aとされており、ここには、FDDの側に係合可能な駆動ピン44が設置されている。
【0022】
ロータマグネット43の基板側の環状端面に対峙している基板部分には、磁極センサとして、単一のホール素子Huが固定配置されている。このホール素子Huからはほぼ正弦波状の正負のホール信号u+、u−が発生する。また、基板表面には、モータ駆動制御回路が組み込まれた駆動IC5が搭載されている。
【0023】
ここで、図2には、ステータコア32とロータマグネット43とホール素子Huを平面上に展開して示してある。この図から分かるように、ロータマグネット43には、駆動用着磁部43aに加えて、当該着磁部の磁極の3倍の磁極を備えた信号用着磁部(FG用磁極)43bが形成されている。この信号用着磁部43bに対峙している基板表面には発電(FG)パターン12が形成されている。この発電パターン12は、ロータマグネット43の回転に伴なう信号用着磁部43bからの回転磁界の影響を受けて、ホール信号の3倍の周波数のほぼ正弦波状の周波数信号FGを発生する。
【0024】
(駆動制御装置)
図3は、上記構成のブラシレスモータ1を3相120度スイッチング通電方式により駆動するための駆動制御装置の回路ブロック図、図4は、図3に示す信号生成手段の回路ブロック図である。また、図5〜図7は、当該駆動制御装置の各部分の動作を示すタイミングチャートである。
【0025】
まず、図3に示すように、本例の駆動制御装置10の全体構成は一般的な3相120度通電方式のものと同様であり、ホール素子Huおよび周波数信号FGに基づき、ロータマグネット43の回転に伴う3相の第1乃至第3のタイミング信号(d,d’,j)を生成する信号生成手段20と、第1ないし第3のタイミング信号(d,d’, j)に基づき、3相の120度スイッチング通電信号(D1〜D6)を合成する信号合成回路30と、3相の120度スイッチング通電信号(D1〜D6)に基づき3相の駆動コイルLu、Lv、Lwを通電制御する駆動回路40とを有している。
【0026】
ホール素子Huは公知のように、ロータマグネット43の回転に伴って生ずる磁極の変化に基づいて、検出信号として、略正弦波状の正負一対の検出信号(u+,u−)を出力する。また、上記のように、FGパターン12はロータマグネット43の回転に伴なう信号用着磁部43bからの回転磁界の影響を受けて、ホール信号の3倍の周波数のほぼ正弦波状の周波数信号FGを出力する。
【0027】
本例の駆動制御装置10の特徴は、信号生成手段20において、単一のホール素子Huから得られるホール信号(u+、u−)に基づき第1ないし第3のタイミング信号(d,d’,j)を生成している点と、ホール信号のゼロクロス点a(n)(n:正の整数)をFGパターン12から得られる周波数信号FGの対応するゼロクロス点b(3n−2)に一致させるタイミング補正(正規化)を行う点と、第2および第3のタイミング信号(d,d’)を形成するための基礎となるホール信号と周波数信号FGの合成波信号Aのうちの不要な部分をマスキングしている点である。
【0028】
図4〜図6を参照して説明すると、この信号生成手段20は、単一のホール素子Hu(位置検出素子)からのホール信号(u+、u−)に基づき第1の矩形波信号(a)を生成する第1の矩形波信号生成回路としての比較器C1と、第2、第3のタイミング信号(d,d’)を生成するための基準となる第2の矩形波信号(c)を生成する第2の矩形波信号生成回路21とを有している。また、第1および第2の矩形波信号(a,c)に基づき第1のタイミング信号(j)を生成する第1のタイミング信号生成回路22と、第2の矩形波信号(c)に基づき第2および第3のタイミング信号(d,d’)を生成する第2のタイミング信号生成回路としてのD型フリップフロップF1とを有している。さらには、ホール信号(u+,u−)、周波数信号FGおよび第2の矩形波信号(c)に基づき、ホール信号と周波数信号の合成波信号の所定区間をマスキングするための合成波信号マスキング回路23を有している。
【0029】
信号生成手段20を構成している上記の各回路部分について詳細に説明する。まず、第1の矩形波生成回路としての比較器C1は、ホール素子Huの検出信号(u+,u−)のゼロクロス点の発生タイミングに基づき、第1の矩形波信号(a)を生成する。すなわち、正負一対の位置検出信号(u+,u−)を相互に比較して、略180度周期で論理レベルが反転する第1の矩形波信号(a)を出力する。
【0030】
第2の矩形波信号生成回路21は、位置検出信号(u+,u−)のゼロクロス点間をほぼ3等分する2点で論理レベルが反転する矩形波信号(c)を生成するものである。本例の第2の矩形波信号生成回路21は、リニアアンプA1と、加算器ADDと、全波整流器Zと、ヒステリシスコンパレータH1と、電圧電流変換器V/Iと、コンデンサCxとを備えている。
【0031】
ホール素子Huの検出信号(u+,u−)は、リニアアンプA1を介して増幅された後に、加算器ADDにおいて周波数信号FGと加算される。加算器ADDによって得られた合成波信号は全波整流器Zに入力され、ここから、全波整流信号(A)として出力される。この全波整流信号(A)は、ヒステリシスコンパレータH1の一方の入力端子に供給される。
【0032】
ヒステリシスコンパレータH1では、入力された全波整流信号(A)を、コンデンサCxに発生する比較信号(B)と比較し、比較結果を、第2の矩形波信号(c)として出力する。すなわち、全波整流信号(A)<比較信号(B)の場合には高論理信号が出力され、この逆の場合には低論理信号が出力される。
【0033】
ここで、この第2の矩形波信号(c)は、電圧電流変換器V/Iを経て、コンデンサCxの充電電流Ic、放電電流Idに変換される。すなわち、ヒステリシスコンパレータH1から出力される第2の矩形波信号(c)の論理レベルの反転に基づき、コンデンサCxの充放電動作が切り換わり、第2の矩形波信号(c)が高論理レベルの時に放電電流Idが流れ、逆に、低論理レベルの時には充電電流Icが流れる。
【0034】
本例では、比較信号(B)は、ヒステリシスコンパレータH1によるヒステリシスが掛かっており、その立ち上がりのヒステリシスが立ち下がりのヒステリシスの2倍となるように設定されている。また、充電電流Icと放電電流Idの値がIc=Idの関係となるように設定され、比較信号(B)の電圧上昇率(充電速度)が電圧降下率(放電速度)が同一となっている。この結果、全波整流信号(A)と比較信号(B)との交差点が、ホール素子から出力された検出信号(u+,u−)のゼロクロス点a(n)から電気角で正負60度付近に位置し、周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−3),b(3n−1)に略一致する。
【0035】
また、ヒステリシスコンパレータH1によるヒステリシスがかかっているので、モータ起動時等のようにホール素子出力に基づく全波整流信号(A)がフラットな波形の場合においても、比較信号(B)が増減して、第2の矩形波信号(c)を生成することができる。
【0036】
なお、比較信号(B)の立ち上がりおよび立ち下がりのヒステリシスを同一とした場合には、充電電流Icと放電電流Idの値をIc=2・Idの関係となるように設定して、比較信号(B)の電圧上昇率(充電速度)を電圧降下率(放電速度)の倍にすればよい。このようにしても、全波整流信号(A)と比較信号(B)との交差点を、ホール素子から出力された検出信号(u+,u−)のゼロクロス点a(n)から電気角で正負60度付近に位置させることができる。
【0037】
次に、第2のタイミング信号生成回路であるD型フリップフロップF1では、上記の比較器C1から出力される第1の矩形波信号(a)と、第2の矩形波信号(c)とに基づき、相互に180度位相がずれた第2および第3のタイミング信号(d,d’)が生成される。D型フリップフロップF1におけるデータ入力端子Dには、第1の矩形波信号(a)が入力され、そのクロック入力端子CLには第2の矩形波信号(c)が入力される。この結果、その正転出力端子Qからは、第2のタイミング信号(d)が出力され、その反転出力端子(Q ̄)からは、位相が180度遅れた第3のタイミング信号(d’)が出力される。
【0038】
(第1のタイミング信号生成回路22)
次に、第1のタイミング信号生成回路22について説明する。この回路22において、そのホールエッジ生成回路221は、第1の矩形波信号(a)の立ち上がり時点に対応したパルス出力が現れる立ち上がりエッジ信号(a+)と、その立ち下がり時点に対応したパルス出力が現れる立ち下がりエッジ信号(a−)を生成する。また、FGエッジ生成回路222では、周波数信号FGを波形成形した信号(b)の立ち上がり時点に対応した立ち上がりエッジ信号(b+)と、その立ち下がり時点に対応した立ち下がりエッジ信号(b−)を生成する。
【0039】
また、この第1のタイミング信号生成回路22のアンド回路AND1には、第1の矩形波信号(a)と第2のタイミング信号(d)が供給され、このゲート出力(e)がD型フリップフロップF2のデータ入力端子Dに供給される。このフリップフロップF2のクロック入力端子CLKには周波数信号FGに対応した矩形波信号(b)が供給され、そのリセット端子には第3のタイミング信号(d’)が供給される。この結果、フリップフロップF2の出力端子Qからは矩形波信号(f)が得られる。アンド回路AND2では、この矩形波信号(f)とFG立ち上がりエッジ信号(b+)との論理積が取られ、パルス信号gが得られる。
【0040】
同様にして、第1のタイミング信号生成回路22のアンドゲートAND2には、インバータIN1を介して得られる第1の矩形波信号(a)の反転信号と、第3のタイミング信号(d’)が供給され、このゲート出力(e’)がD型フリップフロップF3のデータ入力端子Dに供給される。このフリップフロップF3のクロック入力端子CLKには、インバータIN2を介して得られる矩形波信号(b)の反転信号が供給され、そのリセット端子には第2のタイミング信号(d)が供給される。この結果、フリップフロップF2の出力端子Qからは矩形波信号(f’)が得られる。アンドゲートAND4では、この矩形波信号(f’)とFG立ち下がりエッジ信号(b−)との論理積が取られ、パルス信号(g’)が得られる。
【0041】
このようにして得られたパルス信号(g,g’)は、それぞれノア回路NOR1、2を介してラッチ回路223に供給される。このラッチ回路223からは第1のタイミング信号(j)が得られる。
【0042】
この第1のタイミング信号生成回路22による第1のタイミング信号生成動作を更に詳しく説明する。まず、ホール信号と周波数信号が適切なタミングで出力されている状態においては、ホール信号のゼロクロス点a(n)(n:1、2、3・・・)に対して、1/3倍の周期の周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−2)がそれぞれ一致する。しかしながら、モータ製作時において、FGパターン12と、ホール素子Huの相対位置がずれている場合には、ゼロクロス点a(n)と、対応するゼロクロス点b(3n−2)が一致せずに僅かに前後にずれる可能性がある。図5のホール信号と周波数信号FGの波形は、このように僅かにタイミングがずれた場合のものである。
【0043】
本例の第1のタイミング信号生成回路22では、双方の信号にずれが発生している場合には、ホール信号から得られる第1の矩形波信号(a)の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングを、周波数信号FGにおける対応するゼロクロス点b(3n−2)に一致させ、これを、第1のタイミング信号(j)として採用している。
【0044】
ここで、本例では、フリップフロップF2、F3の正転出力信号(f,f’)に基づき、ホール信号のゼロクロス点a(n)に対応する周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−2)よりも一つ手前の当該周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−4)が存在するか否かを判別している。換言すると、この時点において周波数信号FGが発生しているか否かを判別する。周波数信号FGが発生している場合には信号(f)には、周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−4)からゼロクロス点b(3n−1)までの立ち上がり区間が現れ、従って、この区間内において発生する周波数信号FGのセロクロス点b(3n−2)が、第1のタイミング信号(j)の立ち上がりあるいは立ち下がりのタイミングとして採用される。
【0045】
このように、本例の第1のタイミング信号生成回路22では、ホール信号と周波数信号にずれが生じている場合には、ホール信号のゼロクロス点(0度、180度)で論理レベルが反転する第1のタイミング信号(j)の反転タイミングを、周波数信号FGのゼロクロス点に一致させるタイミング補正(正規化)を行っている。よって、常に適切な駆動タイミングでモータを駆動することができるので、トルク不足やISV特性の悪化等の弊害を回避できる。
【0046】
ここで、本例の第1のタイミング信号生成回路22では、上記の構成に加えて、フリップフロップF2の反転出力Q ̄とホールエッジ立ち下がり信号(a−)との論理積(h)を、アンド回路AND5を介して生成している。この信号(h)と上記の信号(g)との論理和の反転出力をノア回路NOR1を介して、信号(i)として得ている。同様に、フリップフロップF3の反転出力Q ̄とホールエッジ立ち上がり信号(a+)との論理積(h’)を、アンド回路AND6を介して生成している。この信号(h’)と上記の信号(g’)との論理和の反転出力をノア回路NOR2を介して、信号(i’)として得ている。
【0047】
すなわち、周波数信号FGが適切な状態で発生していない場合には、第1のタイミング信号(j)として、ホール信号のゼロクロス点a(n)で論理レベルが反転する第1の矩形波信号(a)と同一の信号がそのまま採用される。本例において周波数信号FGが適切な状態で発生していない場合とは、ホール信号のゼロクロス点a(n)に対応する時点では周波数信号が発生していない場合と、この時点では周波数信号が発生してはいるものの当該時点に対応する周波数信号のゼロクロス点b(3n−2)よりも一つ手前のゼロクロス点b(3n−4)が発生すべき時点で当該周波数信号が発生していない場合を含む。
【0048】
(合成波信号マスキング回路23)
次に、図4および図6を参照して、信号生成手段20における合成波信号マスキング回路23について説明する。
【0049】
この回路23では、第1の矩形波信号(a)がインバータIN3を介して反転された後に、アンド回路AND7において、フリップフロップF2の正転出力(f)との論理積が取られ、得られた信号(l)がノア回路NOR3に入力される。同様に、第1の矩形波信号(a)がアンド回路AND8において、フリップフロップF3の正転出力(f’)との論理積が取られ、得られた信号(l’)がノア回路NOR3に入力される。
【0050】
信号(l’)は、ホール信号のゼロクロス点a(k)(k=1,3,5・・・)(電気角で0度)から60度付近(すなわち、周波数信号FGのゼロクロス点b(3k−1))までの区間を規定するものであり、信号(l)は、ホール信号のゼロクロス点a(m)(m=2,4,6・・・)(電気角で180度)から60度付近(周波数信号FGのゼロクロス点b(3m−1))の区間を規定するものである。
【0051】
一方、第2の矩形波信号(c)の立ち上がりエッジ信号(c+)が、エッジ生成回路231で生成され、ラッチ回路232に入力される。また、ホールエッジ生成回路221で得られるエッジ信号(a+,a−)の論理和の反転出力が、ノア回路NOR4を介して得られ、この信号もラッチ回路232に入力される。ラッチ回路232ではこれらの入力に基づき、0〜120度および180〜300度の区間で立ち上がる矩形波信号(k)が得られる。
【0052】
この矩形波信号(k)と、上記のノア回路NOR3の出力信号の論理積が、アンド回路AND9で取られ、この結果、60〜120度および240〜300度の区間で立ち上がるマスキング信号(m)が得られる。
【0053】
ここで、本例では、このマスキング信号(m)の出力を制御するための制御回路233を備えている。この制御回路233は、2個のD型フリップフロップF4、F5から構成されている。双方のフリップフロップF4、F5のクロック入力端子CLKには第2の矩形波信号(c)が入力され、それらのリセット端子Rには周波数信号FGの発生中において得られる第1のタイミング信号(j)の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングを規定するためのパルス信号(n)がオア回路ORを介して入力される。また、前段側のフリップフロップF4の正転出力(o)が後段側のフリップフロップF5のデータ入力端子に入力され、この後段側のフリップフロップF5の反転出力(p)が制御信号として出力される。
【0054】
前段のフリップフロップF4の正転出力(o)はリセット端子に入力されるパルス信号(n)によって立ち下がり、クロック端子に入力される第2の矩形波信号(c)によって立ち上がる。従って、リセット入力が無い場合、すなわち、周波数信号FGが発生していない場合には、信号(o)は立ち上がった状態のまま保持される。この結果、後段側のフリップフリップF5の反転出力である制御信号(p)は、クロック入力によって立ち下がった状態のままとなる。
【0055】
このように、制御信号(p)は周波数信号FGが発生している間は高論理に保持され、周波数発生信号FGが発生していない場合には、低論理に保持される。よって、マスキング信号(m)は、制御信号(p)が高論理の場合にのみ、アンド回路AND10を介して信号(q)としてそのまま出力されるが、制御信号が低論理の場合には出力されない。
【0056】
この信号(q)は、第2の矩形波信号生成回路21におけるアンド回路AND11に入力される。このアンド回路AND11の他方の入力は全波整流器Zからの出力Aである。従って、周波数信号FGが発生している間は、このホール信号と周波数信号の合成波信号Aは、その60度〜120度の区間、240〜300度の区間以外の区間が制御信号(q)によってマスキングされる。
【0057】
このように本例では合成波信号マスキング回路23を備えているので、ホール信号と周波数信号を合成した合成波信号Aに基づき、ホール信号のゼロクロス点を3分割した時点で論理レベルが反転する第2の矩形波信号(c)を生成する場合に、ヒステリシスコンパレータH1において比較対象とされる区間以外の区間の合成波信号Aがマスキングされる。よって、合成波信号Aの波形が意図しない区間で増長されていたとしても、それによって、第2の矩形波信号(c)の反転時点が変動してしまうことがない。このため、常に、適切な駆動タイミングでモータを駆動することが可能になる。
【0058】
また、周波数信号FGが発生していない場合には、このようなマスキングは不要であるので、制御信号(q)によってマスキング動作が阻止される。この場合には、ホール信号の全波整流信号に基づき、第2の矩形波信号(c)が生成されることになる。
【0059】
(信号合成回路30)
このようにして得られた第1〜第3のタイミング信号(j,d,d’)は、信号合成回路30に供給される。信号合成回路30では、これらの信号に基づき、図7に示すようなスイッチング通電信号(D1〜D6)を合成して出力する。
【0060】
信号合成回路30によって合成されたスイッチング通電信号(D1〜D6)は、駆動回路40を構成している出力パワートランジスタT1〜T6それぞれのオンオフ制御信号として出力される。この結果、ブラシレスモータ1の3相の駆動コイルLu、Lv、Lwにソース・シンクの往復電流Iu、Iv、Iwが流れる。これにより、連続トルクが発生して、ロータアセンブリ4が回転する。
【0061】
なお、図7には、3相駆動コイルに発生する誘導起電圧Eu、Ev、Ewと、電流Iu、Iv、Iwとのタイミング的な位置関係も併せて示してある。
【0062】
(その他の実施の形態)
なお、以上の各例においては、ロータ位置検出用のセンサとしてホール素子を用いているが、その他の磁気センサ、例えばMR素子等を用いることもできる。また、光学センサ等の別の検出形態のセンサを用いることもできる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、単一の位置検出素子からの位置検出信号と、周波数信号とを合成して得られる合成波信号に基づき3相のブラシレスモータの120度スイッチング通電を行う駆動制御装置において、位置検出信号のゼロクロス点a(n)の発生タイミング(0度および180度)に基づき得られる第1のタイミング信号のタイミングを、周波数信号FGの対応するゼロクロス点b(3n−2)に一致させるようにしている。従って、本発明によれば、位置検出信号と周波数信号のタイミングが相互にずれていることに起因したトルク不足、ISV特性の悪化等の弊害を回避できる。
【0064】
また、本発明では、周波数信号FGのゼロクロス点b(3n−2)よりも一つ手前のゼロクロス点b(3n−4)が発生していない場合(この時点で周波数信号が発生していない場合)には、上記のようなタイミング補正を行わないようにしている。従って、正常に発生している周波数信号のみを用いることができるので、モータの駆動タイミングの制御を常に適切に行うことができる。
【0065】
さらに、本発明では、位置検出信号と周波数信号を合成した合成波信号に基づき、60度、120度、240度および300度で論理レベルが反転する第2の矩形波信号を生成するに当たり、60度〜120度の区間、および240度〜300度の区間以外の区間の合成波信号をマスキングし、必要区間の合成波信号のみを用いるようにしている。従って、位置検出信号の振幅状態、周波数信号の振幅状態、これらの信号の位相関係によって、意図しないタイミングでの波形が増長されたとしても、それが、モータの駆動タイミングに悪影響を及ぼすといった弊害を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は、本発明を適用したFDDスピンドルモータの機械的構成を示す概略平面図および概略半断面図である。
【図2】図1のモータにおけるロータマグネットの磁極と、コアと、ホール素子の位置関係を示す展開図である。
【図3】図1のモータの駆動制御装置の制御系の主要部分を示す概略ブロック図である。
【図4】図3の信号生成手段の回路ブロック図である。
【図5】図1のモータの駆動制御装置における第1のタイミング信号生成回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】図1のモータの駆動制御装置における合成波信号マスキング回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】図1のモータの駆動制御装置における120度スイッチング通電信号を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ
2 回路基板
3 ステータアセンブリ
4 ロータアセンブリ
43 ロータマグネット
43a 駆動用着磁部
43b 信号用着磁部
43c ホール素子用着磁部
Lu,Lv,Lw 駆動コイル
10 駆動制御装置
20 信号生成手段
21 第2の矩形波信号生成回路
22 第1のタイミング信号生成回路
23 合成波信号マスキング回路
30 信号合成回路
40 駆動回路
Hu ホール素子
C1 比較器(第1の矩形波信号生成回路)
Z 全波整流器
H1 ヒステリシスコンパレータ
V/I 電圧電流変換器
Cx コンデンサ
F1 フリップフロップ(第2のタイミング信号生成回路)
u+,u− ホール信号
FG 周波数信号
A 全波整流信号
B 比較信号
a 第1の矩形波信号
c 第2の矩形波信号
d,d’ 第2、第3のタイミング信号
j 第1のタイミング信号
a(n) ホール信号のゼロクロス点
b(3n−2) 周波数信号におけるホール信号のゼロクロス点に対応するゼロクロス点
Claims (8)
- 単一の位置検出素子から得られるロータ回転位置に対応する略正弦波状の位置検出信号に基づき、ステータとロータの相対的位置関係に応じた3相の第1乃至第3のタイミング信号を生成し、これらのタイミング信号に基づき3相の120度スイッチング通電を行うブラシレスモータの駆動制御装置であって、
前記ロータの回転に伴って前記位置検出信号の1/3倍の周期で略正弦波状の周波数信号を発生する周波数発生手段と、
前記位置検出信号のゼロクロス点a(n)(n:正の整数)で論理レベルが反転する前記第1のタイミング信号を生成する第1のタイミング信号生成回路と、
前記位置検出信号のゼロクロス点から正負60度付近で論理レベルが反転する矩形波信号を生成する矩形波信号生成回路と、
前記矩形波信号と前記第1のタイミング信号に基づき、当該第1のタイミング信号に対して、それぞれ60度および240度位相がずれた前記第2および第3のタイミング信号を生成する第2のタイミング信号生成回路とを有し、
前記第1のタイミング信号生成回路は、前記位置検出信号のゼロクロス点a(n)と前記周波数信号における対応するゼロクロス点b(3n−2)との間にずれがある場合には、前記第1のタイミング信号の論理レベルが反転する時点を当該周波数信号のゼロクロス点b(3n−2)に一致させるタイミング補正を行うことを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装置。 - 請求項1において、
前記第1のタイミング信号生成回路は、前記周波数信号のゼロクロス点b(3n−4)が存在しない場合には、前記のタイミング補正を行わないことを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装置。 - 請求項1または2において、
更に、前記位置検出信号と前記周波数信号を重畳して得られる合成波信号に対し、前記位置検出信号におけるゼロクロス点の前後60度の区間をマスキングする合成波信号マスキング回路を有しており、
前記矩形波信号生成回路は、マスキングされた後の前記合成波信号に基づき前記矩形波信号を生成することを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装置。 - 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記位置検出素子は、前記ロータに形成した駆動用着磁部の磁界の変化を検出して正負一対の略正弦波状の前記位置検出信号を出力するホール素子であることを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装置。 - 請求項4において、
前記周波数発生手段は、前記ロータに形成された信号用着磁部と、前記ステータに形成された周波数検出器とを有しており、前記信号用着磁部は、前記駆動用着磁部の磁極の3倍の磁極が形成された信号用着磁部を備え、前記周波数検出器は、前記信号用着磁部による磁界の変化を検出するものであることを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装置。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記矩形波信号生成回路は、信号合成回路と、全波整流器と、ヒステリシスコンパレータと、電圧電流変換器と、コンデンサとを備えており、
前記信号合成回路は、前記位置検出信号に前記周波数信号を重畳して前記合成波信号を形成するものであり、
前記全波整流器は前記合成波信号を全波整流して全波整流信号を生成するものであり、
前記電圧電流変換器は、前記ヒステリシスコンパレータから出力される前記第2の矩形波信号の論理レベルの反転に基づき、前記コンデンサの充放電動作を切り換えるものであり、
前記コンデンサの充放電動作によって比較信号が生成され、前記ヒステリシスコンパレータにより、前記全波整流信号が前記比較信号と比較されて、前記矩形波信号が出力されるようになっていることを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装置。 - 単一の位置検出素子から得られるロータ回転位置に対応する略正弦波状の位置検出信号に基づき、ステータとロータの相対的位置関係に応じた3相の第1乃至第3のタイミング信号を生成し、これらのタイミング信号に基づき3相の120度スイッチング通電を行うブラシレスモータの駆動制御装置であって、
前記ロータの回転に伴って前記位置検出信号の1/3倍の周期で略正弦波状の周波数信号を発生する周波数発生手段と、
前記位置検出信号のゼロクロス点a(n)(n:正の整数)で論理レベルが反転する前記第1のタイミング信号を生成する第1のタイミング信号生成回路と、
前記位置検出信号のゼロクロス点から正負60度付近で論理レベルが反転する矩形波信号を生成する矩形波信号生成回路と、
当該矩形波信号と前記第1のタイミング信号に基づき、当該第1のタイミング信号に対して、それぞれ60度および240度位相がずれた前記第2および第3のタイミング信号を生成する第2のタイミング信号生成回路と、
前記位置検出信号と前記周波数信号を重畳して得られる合成波信号におけるゼロクロス点の前後60度の区間をマスキングする合成波信号マスキング回路を有しており、
前記矩形波信号生成回路は、マスキングされた後の前記合成波信号に基づき前記矩形波信号を生成することを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装置。 - 単一の位置検出素子から得られるロータ回転位置に対応する略正弦波状の位置検出信号に基づき、ステータとロータの相対的位置関係に応じた3相の第1乃至第3のタイミング信号を生成し、これらのタイミング信号に基づき3相の120度スイッチング通電を行うブラシレスモータの駆動制御装置であって、
前記ロータの回転に伴って前記位置検出信号の1/3倍の周期で略正弦波状の周波数信号を発生する周波数発生手段と、
前記位置検出信号のゼロクロス点a(n)(n:正の整数)に対応する前記周波数信号のゼロクロス点b(3n−2)で論理レベルが反転する前記第1のタイミング信号を生成する第1のタイミング信号生成回路と、
前記位置検出信号のゼロクロス点から正負60度付近で論理レベルが反転する矩形波信号を生成し、当該矩形波信号と前記第1のタイミング信号に基づき、当該第1のタイミング信号に対して、それぞれ60度および240度位相がずれた前記第2および第3のタイミング信号を生成する第2のタイミング信号生成回路とを有することを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装置。
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