JP2573071B2 - センサレスモータの起動方式 - Google Patents

センサレスモータの起動方式

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Description

【発明の詳細な説明】 <発明の目的> 〔産業上の利用分野〕 この発明は、センサレスモータの起動方式に関する。
〔従来技術及びその課題〕
所謂ブラシレスモータとしてホール素子を用いたホー
ルモータが知られている。ホールモータはロータの位置
を検出するため、ホール素子を用いる。このホールモー
タは小型化が困難であり、高温度特性が悪いという欠点
がある。
ホールモータの欠点を解決するため、所謂センサレス
モータが開発されている。しかし、従来のセンサレスモ
ータでは、ロータが停止した状態ではコイルに誘起電圧
の発生がなく、従ってロータの磁極の位置を検出するこ
とができず、盲目的に起動信号を与えていた。その結
果、磁石の位置によっては、起動時にロータが逆回転
し、磁気ディスク駆動装置等に適用したとき磁気ヘッド
を損傷するという欠点がある。尚、ロータが回転する
と、誘起電圧に基づいて磁極位置の検出が可能になる
が、磁石の極性を直接的に知ることができない。
従来のセンサレスモータの欠点を除去できる技術とし
て特許公開公報昭63−69489に開示された技術がある。
この公開公報に開示されている起動方式では、ロータが
停止した状態で、励磁コイルに順番に電流パルスを供給
し、電流パルスのピーク振幅値を測定して記憶する。そ
して、全ての励磁コイルについてのピーク振幅値の測定
及び記憶が終了してから、最大振幅値を読み出して、比
較する。そして、比較結果に従って、ロータが逆転しな
いように起動する。
この公開公報開示の起動方式はロータが逆転しないと
いう利点がある。しかし、この起動方式は、マイクロコ
ンピュータを必須要素とし、モータ駆動回路の構成が複
雑で、コストが高くなるという欠点がある。
この発明は上記事実に鑑みてなされたもので、この発
明の目的は、簡易な方法でコストパフォーマンスの高い
センサレスモータの起動方式を提供することである。
この発明の他の目的は、起動時のロータの逆転がな
く、起動不良が少なく、駆動回路の構成が比較的簡単な
センサレスモータの起動方式を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明にかかるセンサレ
スモータの起動方式では、 永久磁石ロータの磁極によりそれぞれ磁気的にバイア
スされた複数の励磁コイルのうち、少なくとも2つの前
記励磁コイルに同時通電する同時通電期間を設け、この
同時通電期間に前記少なくとも2つの励磁コイルにそれ
ぞれエネルギーを蓄え、蓄積された前記少なくとも2つ
の励磁コイルのエネルギーが前記永久磁石の磁極からの
磁束によって変調されることに基づく前記少なくとも2
つの励磁コイルのエネルギーの差分を検出すると共に、
該エネルギーの差分から前記永久磁石ロータの前記複数
の励磁コイルに対する相対位置を判定し、 判定された前記相対位置に基づいて、前記同時通電期
間に後続する起動期間に対し、前記ロータが所定方向へ
回転するように、励磁電流を前記複数の励磁コイルに与
える。
また、高感度を得る等の目的で、前記少なくとも2つ
の励磁コイルのエネルギーの差分を検出する工程を複数
回行い、該差分を経時的に蓄積・累積するようにしても
よい。
〔作用〕
ロータのN極及びS極からの磁界は、各励磁コイルの
磁心をバイアスし、磁心の磁化レベルに差を与える。従
って、通電状態で各励磁コイルに蓄積されるエネルギー
に大小が生じる。従って、この蓄積エネルギーを解放す
ると、各励磁コイルに蓄積されたエネルギーの大小に従
って、エネルギー解放時の電気特性の要素の極性が変化
する。このことを利用すれば、蓄積エネルギーの差をエ
ネルギー解放の極性の差として明確化できる。従って、
エネルギーの解放の極性を検出すれば、停止状態のロー
タの磁極の相対位置を知ることができ、起動電流の方向
を一方に確定でき、ロータを逆転することなく一定方向
に回転させることができる。
この発明の起動方式によれば、通常のモータの起動期
間の前に複数の励磁コイルのうち少なくとも2つの励磁
コイルを同時通電し、それぞれの励磁コイルに蓄積され
たエネルギーの差分を電気特性として検出する同時通電
期間が追加される。励磁コイルの電気特性の諸要素とし
ては励磁コイルの実効的なインダクタンス、励磁コイル
を流れる電流、励磁コイルの端子電圧等がある。前記電
気特性を相関的に測定・比較することにより、励磁コイ
ルに蓄えられたエネルギーの大小を検出でき、モータが
未回転であっても、ロータの相対位置(又は、通常の起
動電流を供給したときにロータが逆転するか否か)を判
別できる。また、測定値を電流等の方向と関連付けるこ
とにより、磁石の磁極を知ることができる。よって、起
動電流の方向を一方に確定でき、ロータを逆転すること
なく一定方向に回転させることができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を詳細に説明する。
初めに、ロータの回転方向の検出方法を説明する。
モータの励磁コイルは、コイルが軟磁性体に周回され
て形成される。各励磁コイルはロータの磁極からの磁界
の影響を無視すると、ほぼ同一のインダクタンスを有す
るように調整されている。しかし、励磁コイルにロータ
のN極又はS極が接近すると、励磁コイルのB−H特性
が磁界の影響を受け、実効的なインダクタンス及びヒス
テリシス特性が本来のものとは異なってくる。
例えば、各励磁コイルは隣接する極の極性(N又は
S)、隣接する極までの距離に応じて、そのB−H曲線
がバイアスされ、第1図に示されるようにB−H曲線の
バイアスレベルラインが磁極毎に異なってくる(第1図
は、レベルラインのバイアスの程度を拡大して示してい
る)。従って、3相モータではU、V、W各相の実効的
なインダクタンスが異ってくる。その結果、一定方向の
電圧を印加するときの各励磁コイルの電流値、従って蓄
積エネルギーも異なってくる。それ故に、各相の蓄積エ
ネルギーの差を求めれば、各相の磁石に対する相対的位
置を知ることができる。
例えば、第2(a)図に示される2相励磁回路におい
て、電源スイッチSを投入した後、各相を流れる電流は
指数関数的に増加するが、各励磁コイルの実効的なイン
ダクタンスは互いに異なるため、電流の増加率は均一で
はなく、各励磁コイルに蓄えられるエネルギー(L1 I1 2
/2、L2 I2 2/2)も互いに異なる。このため、第2(b)
図に示されるように、スイッチSを開き、各励磁コイル
に蓄積されていたエネルギーを解放すると、各励磁コイ
ルに蓄えられるエネルギーの大小に応じて、インダクタ
ンスL1及びL2並びに抵抗r1及びr2から構成される閉回路
に過渡的に減衰電流が流れる。この減衰電流は、次式に
より求めることができる。
いま、仮にr1=r2=rと設定すると、電流I1、I2は次
式のようになる。
従って、各相の端子P1、P2間に次式で示される電位差
が生ずる。
従って、端子P1、P2間の電圧VP1P2がVP1P2>0かV
P1P2<0を検出することにより、L2>L1かL2<L1かが転
極をもって画然と判別できる。
かくして、求められた各励磁コイルの実効的なインダ
クタンスの大小関係に基づいて、ロータの磁極の励磁コ
イルに対する相対位置を検出できる。
各相の端子間の電位差等は、例えば、スイッチS解放
後のある瞬間における電位差を1回又は複数回検出する
ことも可能である。また、各励磁コイルの端子間に、例
えば、コンデンサを接続し、このコンデンサを用いて、
各励磁コイルの端子間の電位差(電位差の極性)を累積
し、累積結果を検出し、微小な磁化レベルの相違を増幅
することも可能である。
次に、この実施例にかかるロータの回転方向を検出す
る方法の第1の実施例を、第3図及び第4図を参照して
具体的に説明する。第3図は、本発明をユニポーラドラ
イブ回路に適用している。
第3図の回路では、同時通電期間つまり抑制期間にお
いてスイッチング回路11のゲート信号により、各相に第
4図に示されるエネルギー蓄積用電流を供給する。スイ
ッチング回路11は、通常知られた3つの差動対トランジ
スタから構成される回路でよい。
第4図のT1からT2の期間では、励磁コイルLUとLVに正
方向の電流Iが流れる(励磁コイルのインダクタンスの
ため、実際の相電流は正確な方形波とはならない)。T2
からT3の期間は、いずれの相にも電流を流さない休止期
間とされる。T3からT4の期間では、励磁コイルLVとLW
正方向の電流Iが流れる。T4からT5の期間は休止期間と
される。同様に、T5からT6の期間では、励磁コイルLU
LWに正方向の電流Iが流れる。T6からT7の期間は休止期
間とされる。前記T1からT7の期間により、検出期間の1
サイクルが形成される。従って、1サイクルの間に、各
励磁コイルには、正方向の電流Iが2回流れ、これによ
りかかる電流Iによるエネルギーが各相コイルに蓄えら
れる。
必要に応じて、上記検出サイクルが複数回繰り返され
る。各検出サイクルにおける励磁電流は、各導通期間に
おいて例えば数百μsの短期間とされ、また導電電流は
同相であるから、ロータを抑制または拘束状態にするこ
とができる。
T1からT2の期間、励磁コイルLU、LVには、それぞれエ
ネルギーが蓄積される。T2からT3の期間では、励磁コイ
ルに蓄えられた上記エネルギーが解放され、第2図を参
照して説明した原理に基づいて、励磁コイルLU、LVに蓄
えられたエネルギーの大小に従って、抵抗RUVを流れる
電流の極性(方向)が変化し、抵抗RUVの両端間に発生
する電圧の極性が変化する。この電圧の極性がコンパレ
ータCP1により検出される。
同様に、T3からT4の期間、励磁コイルLV、LWにそれぞ
れエネルギーが蓄積され、T4からT5の期間では、励磁コ
イルに蓄えられた上記エネルギーが解放され、励磁コイ
ルLV、LWに蓄えられたエネルギーの大小に従って、上述
と同様に、抵抗RVWの両端間に発生する電圧の極性が変
化する。この電圧の極性がコンパレータCP2により検出
される。
さらに、T5からT6の期間、励磁コイルLW、LUにそれぞ
れエネルギーが蓄積され、T6からT7の期間では、励磁コ
イルに蓄えられた上記エネルギーが解放され、励磁コイ
ルLW、LUに蓄えられたエネルギーの大小に従って、上述
と同様に、抵抗RWUの両端間に発生する電圧の極性が変
化する。この電圧の極性がコンパレータCP3により検出
される。
各抑制期間における各コンパレータCP1、CP2、CP3の
出力信号に基づいて、極性判別回路13は各励磁コイル
LU、LV、LWの実効インダクタンスの大小関係を知ること
ができる。この判定結果はゲート回路12に送給され、後
述するようにスイッチング回路11の駆動信号を変化させ
る。
上記のように抑制期間における各抵抗RUV、RVW、RWU
の電圧をコンパレータCP1、CP2、CP3により検出し、ロ
ータの位置を求めることは、感度が不足する、ノイズ等
の影響を受け易い等の問題が発生する場合がある。
そこで、第3図に示されるように、抵抗RUV、RVW、R
WUと並列にそれぞれコンデンサCUV、CVW、CWUを接続
し、抵抗RUV、RVW、RWUの端子間の電圧でコンデンサ
CUV、CVW、CWUを経時的・累積的に充電し、この充電電
圧をコンパレータCP1、CP2、CP3により検出するように
してもよい。この場合、コンテンサCUV、CVW、CWUの電
圧を、前述のように、各抑制期間に順番に(異なるタイ
ミングで)検出することも可能である。また、各コンデ
ンサCUV、CVW、CWUの充・放電の時定数を適当に設定す
ることにより、各コンデンサCUV、CVW、CWUを1サイク
ルまたは数サイクルの間充電し、検出期間終了時点にコ
ンデンサCUV、CVW、CWUの端子間電圧を同時に検出する
ことも可能である。
かくの如くして、コンパレータの出力信号の組み合わ
せ毎に予め求めておけば、コンパレータの出力信号の組
み合わせに基づいてロータが正転するか一瞬逆転するか
を判別できる。従って、極性判別回路13は、コンパレー
タの出力信号に応じて、予め求められたロータの回転方
向を示す信号を出力するように構成される。極性判別回
路13は、例えば、ゲートアレー、ROM等で構成可能であ
る。
極性判別回路13の出力信号がロータが逆転すると指示
した場合、スイッチング回路11を駆動するロジック信号
の極性(オンレベルまたはオフレベル)を反転し、起動
電流を各励磁コイルLU、LV、LWに供給すれば、ロータは
逆転することなく正転する。
次に、上記原理をバイポーラ3相駆動回路に応用した
この発明の実施例にかかる直流センサレスモータの起動
方式を第5図及び第6図を参照して具体的に説明する。
第5図において、クロックジェネレータ21は基準クロ
ックを生成する。クロックジェネレータ21からの基準ク
ロックは通電切換回路23に供給される。通電切換回路23
はセンサレスモータの各相U、V、Wを流れる電流の値
を指示する指示信号を相切換回路25に供給する。相切換
回路25は各相に指示された電流を供給するために、3つ
の差動対駆動トランジスタをオン・オフするための制御
信号を制御回路27に出力する。制御回路27は制御信号に
応答して、3つの差動トランジスタ対を構成するトラン
ジスタQ1乃至Q6のベース電流を制御する駆動信号を出力
する。なお、トランジスタQ1、Q3、Q5はダーリントント
ランジスタから構成される。
各トランジスタ対の電流路の一端は電源Eに接続さ
れ、電流路の他端は接地されている。起動時、抑制状態
においては、トランジスタQ0、限流抵抗r0を経て接地さ
れ、各相コイルについて第3図の原理と同様な判定が行
われる。3つの差動トランジスタ対のトランジスタの接
続点に3相センサレスモータの相端子TU、TV、TWが接続
される。端子TU、TV、TW間には、抵抗とコンデンサとダ
イオードから構成される累積回路が接続される。この累
積回路は、端子間に接続された抵抗R1、R2、R3と、これ
ら抵抗に並列に接続されたコンデンサ回路C1、C2、C3、
R、Dから構成される。コンデンサ回路はコンデンサC
1、C2、C3と、カソードがコンデンサに接続され、アノ
ードが相端子に接続されたダイオードDと、ダイオード
に並列に接続された抵抗Rから構成される。抑制状態に
おいて相端子間に電位差が生ずると、コンデンサは順方
向ダイオードDを介して充電され、電圧関係が逆転した
場合、コンデンサの充電電荷は抵抗を介して放電する。
抵抗R1、R2、R3の抵抗値は例えば、数百から数千オーム
である。
コンデンサC1、C2、C3の端子間電圧は対応するコンパ
レータCP1、CP2、CP3に入力される。
コンパレータCP1、CP2、CP3の出力信号は回転方向検
出回路29に供給される。回転方向検出回路29はコンパレ
ータCP1乃至CP3の出力信号の組み合わせに応じて、ロー
タの回転方向を示す回転方向指示信号を出力する。回転
方向検出回路29は、例えば、実験等により求められたコ
ンパレータの出力の組み合わせ(8組)に従って、ロー
タの回転方向を示す2値信号を出力するように配置・接
続された論理ゲート等から構成される。回転方向検出回
路29の出力信号は相切換回路25に供給される。相切換回
路25はこの信号に応答し、起動電流を調整してモータに
供給するよう相切換信号を制御する。
各相端子は逆起電力検出用のコンパレータCOM1、COM
2、COM3の正転入力端に供給される。コンパレータCOM1
乃至COM3の反転入力端は接地される。コンパレータCOM1
乃至COM3の出力は入力信号を30度(電気角でπ/6)遅延
させる遅延回路31を介して通電切換回路23に供給され
る。
トルク制御用の基準信号と回転制御信号と電源電圧が
3入力コンパレータ33に供給される。3入力コンパレー
タ33の出力は制御回路27に供給される。制御回路27に
は、コンパレータ35から中間電圧レベルを示す信号が供
給される。
次に、上記構成のモータ駆動回路及びモータの動作を
第6図のタイムチャートを参照して説明する。第6図は
この実施例で使用される相電流の一例(これに限定され
ない)の1相分を示す。
第5図の回路は、第6図に示されるように、モータが
停止した状態から抑制期間(モード)、起動期間(モー
ド)、加速期間(モード)を経て定格回転期間(モー
ド)に達する。抑制期間とは、第3図を参照して説明し
たように、ロータを停止した状態で、励磁コイルに通常
の起動電流を供給した場合にロータが正転するか逆転す
るかを判別する期間である。起動期間はモータを起動す
る期間である。加速期間はロータの回転速度を脱調が起
こらない程度に加速する期間である。定格回路期間はロ
ータがほぼ定常速度で回転している期間である。以下の
説明では、本願の特徴である抑制期間を中心に説明す
る。
電源の投入に従って、通電切換回路23は、第4図に示
される相電流を各相に供給すべき旨を相切換回路25に指
示する。相切換回路25はこの指示に従い、トランジスタ
Q1乃至Q6のオン・オフを指示する信号を出力する。第4
図に示される相電流が励磁コイルLU、LV、LWを通過して
も、ロータに回転トルクは発生せず、各励磁コイルにエ
ネルギーが蓄積される。通電切換回路23は、内部にカウ
ンタ(例えば、リングカウンタ)を備え、クロックジェ
ネレータ21からの基準クロックをカウントし、所定期間
(例えば0.5から1ミリ秒)経過すると、通電電流を0
にすることを相切換回路25に指示する。これにより、導
通状態のトランジスタがオフし、各励磁コイルに累積さ
れたエネルギーが解放される。累積されたエネルギーの
大小に従って、閉ループ回路に減衰電流が流れ、抵抗R
1、R2、R3の両端に電圧が発生する。以後、同様にし
て、通電切換回路23は、所定の時間経過毎に各相の通電
状態を切り換える。この間、コンデンサC1乃至C3には、
電荷が経時的・累積的に蓄えられる。
第4図に示される検出サイクルが、例えば、3サイク
ル繰り返され、抑制期間が終了し、トランジスタQ0が開
路される。この時点において、コンデンサC1乃至C3に蓄
積された電荷は、前述の原理に基づき、各励磁コイルの
実効的なインダクタンスの大小を反映した値となる。従
って、回転方向検出回路29は、コンパレータCP1乃至CP3
の出力信号に応じて、ロータの回転方向を示す信号を出
力する。
通電切換回路23は抑制期間の終了後ポーズ期間を置
く。ポーズ期間が経過すると、通電切換回路23は起動期
間の動作を開始する。まず、通電切換回路23は予め定め
られた第6図に示されるような起動用の相電流を各相に
通電する旨を相切換回路25に指示する。
相切換回路25は、回転方向検出回路29からの回転方向
指示信号を取り込み、この信号が正転を指示している場
合、通電切換回路23により指示された相電流をそのまま
各相に供給するようにトランジスタQ1乃至Q6を制御する
信号を制御回路27に供給する。一方、回転方向指示信号
が逆転を指示している場合、相切換回路25は通電切換回
路23により指示された相電流を逆転した相電流が各相に
供給されるトランジスタQ1乃至Q6を制御する信号を制御
回路27に供給する。例えば、相信号が相U、V、Wに
“+1"、“0"、“−1"の電流の供給を指示する場合に
は、相切換回路25は各相に“−1"、“0"、“+1"の電流
が流れるよう、トランジスタQ1乃至Q6を制御する信号を
制御回路27に供給する。相切換回路25からの制御信号に
応答して制御回路27はトランジスタQ1乃至Q6を適宜オン
・オフ制御する。
このような励磁電流の供給により、ロータは逆転する
ことなく正転する。
ロータが回転を開始すると、各相の励磁コイルに逆起
電力が発生する。この逆起電力はコンパレータCOM1乃至
COM3に供給される、この逆起電力に応答し、コンパレー
タCOM1乃至COM3はロータの回転位置に対応する信号を出
力する。このコンパレータCOM1乃至COM3の出力信号は遅
延回路31により所要の通り遅延され、通電切換回路23に
供給される。通電切換回路23は遅延回路31から供給され
る信号に従って、起動期間の各相の電流を切り換える。
起動期間の終了後、ポーズ期間が配置される。ポーズ
期間経過後、加速期間となる。加速期間においては、通
電切換回路23はロータの回転速度を加速するように、相
電流を切り換えるよう相電流切換信号を出力する。この
指示信号に応答して、相切換回路25、制御回路27等が動
作し、トランジスタQ1乃至Q6をオン・オフし、相電流が
切り換えられつつ通電される。これにより、ロータは次
第に高速となる。
遅延回路31からの出力信号に従って、ロータの回転速
度が定格回転速度の所定の割合(例えば95%)に達する
と、通常の定格回転期間となる。この期間においては、
通電切換回路23はロータが定格状態で回転するよう、相
電流を指示する。この指示に応答して、相切換回路25、
制御回路27等が動作し、トランジスタQ1乃至Q6がオン・
オフし、相電流が切り換えられつつ供給される。これに
より、ロータはほぼ一定速度で回転する。
各相端子間に接続される回路の構成は、第3図、第5
図に示される構成に限定されない。例えば、一例を第7
図に示す積分回路を用いてもよく、あるいは、ピークホ
ールド回路を用いてもよい。また、第5図の回路では、
抑制期間終了時点にコンデンサC1、C2、C3の充電電荷の
極性を検出したが、時定数を適当に選択することによ
り、各抑制期間に対応するコンデンサの充電電荷の極性
を順番に検出してもよい。また、コンデンサを使用せ
ず、抵抗R1、R2、R3の電圧を各抑制期間に1または複数
回検出することにより、励磁コイルの実効インダクタン
スを順番に検出するように構成してもよい。
この発明は3相直流センサレスモータの起動方式に限
定されない。3相以外に適用した場合にも、隣接する相
の相端子間に抵抗(必要に応じてコンデンサ回路も)が
接続され、各抵抗の抑制期間における両端電圧がコンパ
レータ等を用いて検出され、コンパレータの出力の組み
合わせに応じて、回転方向が決定される。
この実施例においては、通常の起動期間の前に抑制期
間が設けられている。抑制期間においては、ロータは回
転することなく、次の起動モードで、定格の相電流が供
給された場合に、ロータが正転するか、一瞬逆転するか
を検出する。そして、起動期間においては、その検出結
果に応じて、相電流を制御し、ロータを定格方向に回転
させる。従って、モータの始動時の逆転による問題が発
生せず、逆転に後続する始動不良も発生しない。
この実施例においては、抑制期間に各相の励磁コイル
に供給される電流は交番波形の励磁電流とその開放電流
である。このため、通常の通電ロジックの一部を改良
し、または、従来のロジック回路に回路を一部追加する
だけで通電回路を構成できる。このため従来の回路を大
幅に変更する必要がない。さらに、各相の励磁電流の残
留磁束が交番電流を使用することにより減少し、起動時
のトルク不足等の問題が発生しにくい。
この実施例においては、コンデンサを用いているので
ノイズの影響等が少なく、信頼性が高い。また、コンデ
ンサの電圧を抑制期間の終了時点に同時に検出できるの
で、回転方向検出回路を比較的簡単にかつ安価に構成で
きる。
上記実施例においては、抑制期間では、ロータは回転
しないが、振動状態としてもよい。この振動は、相電流
の周波数を比較的高めに交番化することにより得ること
ができる。
〔効果〕
この発明においては、通常の起動期間の前に同時通電
期間が設けられている。この同時通電期間においては、
複数の励磁コイルのうち少なくとも2つの励磁コイルが
同時通電され、次の起動期間で、定格の起動電流が供給
された場合に、ロータが正転するか、一瞬逆転するかが
検出される。そして、起動期間においては、その検出結
果に応じて、相電流を制御し、ロータを定格方向に回転
させる。従って、モータの始動時の逆転による問題が発
生しない。
さらに、この発明においては、同時通電期間に各相の
励磁コイルに供給される電流は励磁電流とその開放電流
である。このため、比較的容易に通電ロジック回路を構
成できる。さらに、各相の励磁コイルの残留磁束が交番
電流を使用することにより減少し、起動時のトルク不足
等の問題が発生しにくい。
さらに、この発明においては、同時通電期間中の各相
間の電位差をコンデンサ等を用いて経時的・累積的に求
めることにより、ノイズの影響等を免れ、信頼性も向上
する。しかも、マイクロコンピュータ等を用いて、起動
時の回転方向を検出する構成に比べて構造が簡単で信頼
性が高く、安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は励磁コイルにロータの磁石の極性が与える影響
を説明するための図、 第2図は励磁コイルに接近した磁極の極性を検出する原
理を説明するための図、 第3図はこの発明の実施例にかかるロータの回転方向検
出回路の構成を示す図、 第4図は同時通電期間をおいて第3図の回路の各相に通
電される励磁電流を示す図、 第5図は発明の実施例にかかる多相直流センサレスモー
タの駆動回路の構成を示す回路図、 第6図は、第5図のセンサレスモータのある相に供給さ
れる励磁電流の一例を示すタイミングチャート、 第7図は相間電位差を検出する回路の他の構成例を示す
図である。 21……クロックジェネレータ 23……通電切換回路 25……相切換回路 27……制御回路 29……回転方向検出回路 31……遅延回路 CP、COM……コンパレータ R……抵抗 C……コンデンサ D……ダイオード

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の励磁コイル及び永久磁石ロータを含
    むセンサレスモータの起動方式において、 前記永久磁石ロータの磁極によりそれぞれ磁気的にバイ
    アスされた前記複数の励磁コイルのうち、少なくとも2
    つの前記励磁コイルに同時通電する同時通電期間を設
    け、この同時通電期間に前記少なくとも2つの励磁コイ
    ルにそれぞれエネルギーを蓄え、蓄積された前記少なく
    とも2つの励磁コイルのエネルギーが前記永久磁石ロー
    タの磁極からの磁束によって変調されることに基づいて
    前記少なくとも2つの励磁コイルのエネルギーの差分を
    検出すると共に、該エネルギーの差分から前記永久磁石
    ロータの前記複数の励磁コイルに対する相対位置を判定
    し、 判定された前記相対位置に基づいて、前記同時通電期間
    に後続する起動期間に対し、前記ロータが所定方向へ回
    転するように、励磁電流を前記複数の励磁コイルに与え
    るよう構成したことを特徴とするセンサレスモータの起
    動方式。
  2. 【請求項2】前記エネルギーの差分を検出する工程を複
    数回行い、該差分を経時的に蓄積・累積することを特徴
    とする請求項1記載のセンサレスモータの起動方式。
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JPS61189185A (ja) * 1985-02-14 1986-08-22 Nippon Denso Co Ltd ブラシレスモ−タの制御装置

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