JPH10257792A - 単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路 - Google Patents

単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路

Info

Publication number
JPH10257792A
JPH10257792A JP9055236A JP5523697A JPH10257792A JP H10257792 A JPH10257792 A JP H10257792A JP 9055236 A JP9055236 A JP 9055236A JP 5523697 A JP5523697 A JP 5523697A JP H10257792 A JPH10257792 A JP H10257792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
voltage
brushless motor
output
phase brushless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9055236A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisayoshi Ota
久義 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aichi Electric Co Ltd
Original Assignee
Aichi Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aichi Electric Co Ltd filed Critical Aichi Electric Co Ltd
Priority to JP9055236A priority Critical patent/JPH10257792A/ja
Publication of JPH10257792A publication Critical patent/JPH10257792A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の方向へ迅速且つ的確に始動することが
できる単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路を提
供すること。 【解決手段】 スイッチSW2をチェック端子CKに切
り替えると、チェック波発振回路21からチェック波が
出力され、矩形状の交番検査電圧が電機子巻線51bへ
通電される。検査電圧の通電により流れる電機子電流
は、電流検出回路4により電圧変換されて、比較回路2
2へ出力される。比較回路22では、正方向の検査電圧
通電時における電機子電流値と逆方向の検査電圧通電時
における電機子電流値とが比較される。比較結果は判別
回路23へ出力され、停止時における界磁回転子51a
の極性が判別される。通電方向設定回路24は、スイッ
チSW2がスタート端子STに切り替えられると、判別
された極性に基づいて、通電開始第1波が減極方向とな
るように、2進カウンタDL1へ設定信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、永久磁石界磁形
の単相ブラシレスモータの駆動回路に関し、特に、ホー
ル素子などの位置検知素子を用いることなく、所望の方
向へ迅速且つ的確に始動することができる単相ブラシレ
スモータのセンサレス駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、この種のブラシレスDCモータ
の駆動回路であって、ホール素子などの位置検知素子を
用いることのないセンサレス駆動回路では、回転駆動中
のモータの電機子巻線に生じる速度起電力と界磁の位置
の相関に着目して、該速度起電力によりモータの転流タ
イミングを決定していた。特公平7−63232号公報
には、この速度起電力に基づいて単相ブラシレスモータ
を駆動する駆動回路が記載されている。
【0003】図13に示すように、特公平7−6323
2号公報に記載される駆動回路は、いわゆるスケルトン
形の単相ブラシレスモータ100を備えており、界磁と
してのロータ101と、電機子としてのステータ102
とを備えている。また、モータ100の停止時に、ロー
タ101の磁極の磁束軸X’がステータ102の磁極の
磁束軸Y’と一致して停止しないように(いわゆるロッ
ク位置でロータ101が停止しないように)、弱磁界の
永久磁石103の磁極(S極)が、その磁束軸Z’をス
テータ102の磁束軸Y’と直交するようにして、ロー
タ101の磁極と対向配置されている。これによりステ
ータ102への通電を停止すると、ロータ101は磁束
軸X’,Y’が重なるロック位置から角θだけ回転した
位置に停止するように構成されている。
【0004】この駆動回路では、モータ100を所望の
方向へ的確に起動させるため、起動前にロータ101を
所定の初期位置へセットするようにしている。図14を
参照して、モータ100を右方向へ回転させる場合の動
作について説明する。
【0005】停止状態では、ロータ101は、永久磁石
103の影響により、図14(a)又は(a)’の位置
に停止している。この状態から、図14(b)及び
(b)’に示すように、所望の回転方向(右方向)とは
逆の左方向への回転を生じさせる向きにステータ102
へ断続的な通電を行う。図14(b)及び(b)’のい
ずれの場合にも、ロータ101は、この断続的な通電に
より左方向へ回転し、図14(c)に示すように、ロー
タ101の磁束軸X’とステータ102の磁束軸Y’と
が一致する位置で停止する。その後、断続的な通電を停
止すると、ロータ101と永久磁石103との間に吸引
力および反発力が作用して、ロータ101は、図14
(d)に示す所定の位置に移動し、やがて停止する。こ
れにより、モータ100の起動前におけるロータ101
の初期位置へのセットが完了する。
【0006】ロータ101の初期位置へのセット完了
後、図14(e)に示すように、所望の右方向への回転
を生じさせるようにステータ102への通電を行うと、
ロータ101が右方向へ的確に回転される。なお、左方
向への回転は、ステータ102への通電を、上記の図1
4(b)(b)’(c)及び(e)の場合とは逆方向に
行うことにより達成される。
【0007】このように特公平7−63232号公報に
記載の駆動回路は、ロータ101の停止位置に関わら
ず、ホール素子などの位置検知素子を用いることなく、
センサレスで単相ブラシレスモータ100を所望の方向
へ的確に起動することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、図1
4(c)の状態からステータ102の通電を停止して、
図14(d)の状態へ移行する場合、ロータ101の振
動は容易に収まらない。ロータ101が初期位置にセッ
トされた状態で停止するまでには長時間を要していた。
このロータ101の振動が停止するまでの時間は、モー
タ100のイナーシャなどにより区々であるが、長いも
のにあっては数10秒かかるものもあった。一方、ロー
タ101の振動中にモータ100を始動すると、振動状
況によってモータ100が逆回転してしまうことがあ
る。このため特公平7−63232号公報に記載の駆動
回路では、モータの始動はロータの振動が停止するのを
待って行わなければならないので、モータを迅速に始動
することができないという問題点があった。
【0009】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、所望の方向へ迅速且つ的確に始動
することができる単相ブラシレスモータのセンサレス駆
動回路を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに、本発明の単相ブラシレスモータのセンサレス駆動
回路は、停止時における界磁の極性を判別し、その判別
された極性に基づいて電機子巻線への第1波の通電方向
を決定している。そこで、まず、界磁の極性判別の原理
について説明する。
【0011】<界磁の極性判別の原理>図1は、電機子
鉄心の直流磁化特性を示した図であり、磁化力−磁束特
性と、磁化力−透磁率特性の2曲線が図示されている。
図1に示すように、磁化力を0から増加させていくと、
鉄心に鎖交する磁束密度Bは最初緩やかに上昇し、その
後早い時点で累乗カーブ状の増加傾向を示し、やがて上
昇率が低減して、遂には殆ど増加しない磁気飽和領域に
至る。この磁束曲線に対する接線の傾き(微係数)が透
磁率μである。図1に示すように、透磁率μは磁化力が
磁気飽和領域以下の範囲内では右上がりの単調増加傾向
を示している。
【0012】鉄心入り巻線の自己インダクタンスLは、
式(1)に示すように、透磁率μの関数となる。よっ
て、鉄心入り巻線の自己インダクタンスLは、磁気飽和
領域以下の範囲では、鎖交磁束が増大すると増加し、逆
に、鎖交磁束が減少すると減少する。
【0013】
【数1】 また、鉄心に鎖交する磁束Φaは、式(2)に示される
ように、永久磁石界磁により与えられる界磁束ΦFと、
巻線に流れる電流により与えられる磁束Φiとの和とな
る。よって、永久磁石界磁により与えられる界磁束ΦF
が増加すれば磁束Φaも増加し、界磁束ΦFが減少すれば
磁束Φaも減少する。同様に、磁束Φiが増加すれば磁束
Φaも増加し、磁束Φiが減少すれば磁束Φaも減少す
る。
【0014】ここで、図2(a)に示すように、界磁束
ΦFを備える永久磁石界磁PMが、その磁束軸Xと電機
子巻線CLの磁束軸Yとの間に偏角θを保って停止して
いる場合、電機子巻線CLの鉄心に鎖交する磁束Φ
aは、永久磁石界磁PMの影響によりΦa=ΦF・cos
θとなっている。この状態の磁束密度が、図1の点Aに
ある場合、鉄心の透磁率は点P時の値μPとなるので、
図2(a)における電機子巻線CLの自己インダクタン
スLPは、式(3)に示すものとなる。
【0015】
【数2】 次に、図2(a)の状態から図2(b)に示すように、
永久磁石界磁PMの界磁束ΦFと同方向成分を有する磁
束Φiを発生する加極方向に、電機子巻線CLへ電流i
を流すと、電機子巻線CLの鉄心に鎖交する磁束Φ
aは、Φa=ΦF・cosθ+Φiとなって、電流iにより
与えられる磁束Φi分増加する。このため鉄心の磁気的
動作点は、図1の点Bへ移動し、鉄心の透磁率は点Q時
の値μQとなる。よって、図2(b)における電機子巻
線CLの自己インダクタンスLQは、上記の式(4)に
示すものとなり、インダクタンス値Lが増加する。
【0016】逆に、図2(a)の状態から図2(c)に
示すように、永久磁石界磁PMの界磁束ΦFと逆方向成
分を有する磁束Φiを発生する減極方向に、電機子巻線
CLへ電流iを流すと、電機子巻線CLの鉄心に鎖交す
る磁束Φaは、Φa=ΦF・cosθ−Φiとなって、逆方
向電流iにより与えられる磁束Φi分減少する。このた
め鉄心の磁気的動作点は、図1の点Cへ移動し、鉄心の
透磁率は点R時の値μRとなる。よって、図2(c)に
おける電機子巻線CLの自己インダクタンスLRは、上
記の式(5)に示すものとなり、インダクタンス値Lが
減少する。
【0017】このように永久磁石界磁PMの影響を受け
ている電機子巻線CLへ直流電流iを流した場合、永久
磁石界磁PMの極性(NS)に応じて、電機子巻線CL
の自己インダクタンス値Lが増減する。よって、かかる
インダクタンス値Lの増減を把握することにより、永久
磁石界磁PMの極性(NS)を判別することができる。
本発明の単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路
は、かかる極性判別原理を利用して、停止時における界
磁の極性を判別している。
【0018】<課題を解決するための手段>請求項1記
載の単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路は、ロ
ック位置から所定の偏角をもって停止するように構成さ
れた単相ブラシレスモータと、その単相ブラシレスモー
タの電機子に交番電圧を通電するための複数のスイッチ
ング素子を有するインバータ回路と、そのインバータ回
路のスイッチング素子をオンオフさせて転流を行い、前
記単相ブラシレスモータを回転させる通電制御回路とを
備え、更に、前記電機子へ正方向及び逆方向の検査電圧
を通電する検査電圧通電回路と、その検査電圧通電回路
の検査電圧の通電により前記電機子へ流れる電流を電圧
に変換して検出する電流検出回路と、その電流検出回路
により検出された正方向の検査電圧通電時における電機
子電流値と逆方向の検査電圧通電時における電機子電流
値との大小を比較する比較回路と、その比較回路による
比較の結果、前記通電制御回路の通電開始第1波の通電
方向を、電機子電流値の大きい方の検査電圧と同方向に
設定する第1波通電方向設定回路とを備えている。
【0019】この請求項1記載の単相ブラシレスモータ
のセンサレス駆動回路によれば、まず、停止状態にある
単相ブラシレスモータの界磁の極性を判別し、その判別
した界磁の極性に基づいて通電開始第1波の通電方向を
決定している。
【0020】即ち、停止状態にある単相ブラシレスモー
タの界磁の極性を判別するために、検査電圧通電回路に
より、電機子へ正方向及び逆方向の検査電圧が通電され
る。検査電圧の通電により電機子へ流れる電流は、電流
検出回路によって電圧に変換されて検出され、比較回路
へ出力される。比較回路では、電流検出回路によって検
出された正方向の検査電圧通電時における電機子電流値
と逆方向の検査電圧通電時における電機子電流値との大
小が比較される。比較の結果、第1波通電方向設定回路
によって、通電開始第1波の通電方向が電機子電流値の
大きい方の検査電圧と同方向に設定される。
【0021】電機子電流値が大きい方の通電方向は、通
電により電機子の自己インダクタンス値が減少する減極
方向なので、図2(c)に示すように、通電により生じ
る磁束Φiと界磁の界磁束ΦFとが相対向する磁束成分を
備えたものとなる。よって、かかる方向から通電を開始
することにより、回転子に大きな始動トルクを与えるこ
とができ、単相ブラシレスモータを的確に始動すること
ができる。
【0022】請求項2記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路は、請求項1記載の駆動回路におい
て、前記検査電圧通電回路は、検査電圧として前記単相
ブラシレスモータの駆動時における周波数より大きな周
波数の交番電圧を出力する。
【0023】請求項3記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路は、請求項1または2に記載の駆動回
路において、前記比較回路は、正方向の検査電圧通電時
に電機子電流の最大値を記憶する記憶回路と、その記憶
回路に記憶された電機子電流値と逆方向の検査電圧通電
時における電機子電流値との大小を比較する第2比較回
路とを備え、更に、前記記憶回路による記憶動作時に
は、前記第2比較回路による比較又は出力を禁止する比
較禁止回路とを備えている。
【0024】この請求項3記載の単相ブラシレスモータ
のセンサレス駆動回路によれば、請求項1または2に記
載の駆動回路と同様に作用する上、記憶回路によって、
正方向の検査電圧通電時における電機子電流の最大値が
記憶される。記憶回路に記憶された電機子電流値は、第
2比較回路によって、逆方向の検査電圧通電時における
電機子電流値と大小が比較され、その比較結果が比較回
路から出力される。
【0025】記憶回路による記憶動作時、即ち、正方向
の検査電圧通電時における電機子電流最大値の記憶完了
前に、第2比較回路による比較又は出力が行われると正
確な比較結果が得られないが、かかる記憶回路による記
憶動作時には、比較禁止回路によって、第2比較回路に
よる比較又は出力が禁止されている。
【0026】請求項4記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路は、請求項1から3のいずれかに記載
の駆動回路において、前記比較回路の複数回の比較結果
に基づいて、正方向の検査電圧通電時における電機子電
流値と逆方向の検査電圧通電時における電機子電流値と
の大小を判別し、その判別結果を前記比較回路の比較結
果として前記第1波通電方向設定回路へ出力する判別回
路を備えている。
【0027】請求項5記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路は、請求項1から4のいずれかに記載
の駆動回路において、前記通電制御回路は、前記単相ブ
ラシレスモータの駆動時に前記電機子に流れる電流を電
圧に変換して検出する駆動時電流検出回路と、その駆動
時電流検出回路の瞬時値又は平均値を記憶する駆動時記
憶回路と、前記駆動時電流検出回路の出力が前記駆動時
記憶回路の記憶値の所定倍となった場合に転流指令を出
力する転流指令回路と、その転流指令回路から出力され
る転流指令に応じて前記インバータ回路のスイッチング
素子をオンオフさせて前記インバータ回路に転流を行わ
せる分配回路とを備えており、前記分配回路は、前記イ
ンバータ回路を介して前記電機子に180度通電を行う
とともに、転流動作毎に前記インバータ回路のスイッチ
ング素子を所定時間オフするデッドタイム発生回路を備
えている。
【0028】この請求項5記載の単相ブラシレスモータ
のセンサレス駆動回路によれば、請求項1から4のいず
れかに記載の駆動回路と同様に作用する上、通電制御回
路の各回路によって単相ブラシレスモータが次のように
駆動される。即ち、駆動時電流検出回路により単相ブラ
シレスモータの駆動時に電機子に流れる電流が電圧変換
されて検出されるとともに、その電機子電流の瞬時値又
は平均値が駆動時記憶回路によって記憶される。そし
て、駆動時電流検出回路の出力が駆動時記憶回路の記憶
値の所定倍となると、転流指令回路によって転流指令が
出力される。この転流指令に基づいて、分配回路により
インバータ回路のスイッチング素子がオン又はオフされ
て転流が行われ、単相ブラシレスモータが駆動される。
【0029】このように通電制御回路の各回路は、単相
ブラシレスモータの駆動時に電機子に流れる電機子電流
値の変化に基づいて転流動作を行っているので、電機子
に生じる誘起電圧を検出し、その誘起電圧に基づいて転
流動作を行う誘起電圧方式ではできなかった180度通
電を行うことができる。このため分配回路はインバータ
回路を介して電機子に180度通電を行うが、デッドタ
イム発生回路によって、転流動作毎にインバータ回路の
スイッチング素子が所定時間オフされるので、スイッチ
ング素子にオンオフ動作の遅れがある場合でも、そのス
イッチング素子を短絡させてしまうことがない。
【0030】請求項6記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路は、請求項1から5のいずれかに記載
の駆動回路において、前記通電制御回路は、前記単相ブ
ラシレスモータの駆動時に前記電機子に流れる電流を電
圧に変換して検出する駆動時電流検出回路と、その駆動
時電流検出回路の瞬時値又は平均値を記憶する駆動時記
憶回路と、前記駆動時電流検出回路の出力が前記駆動時
記憶回路の記憶値の所定倍となった場合に転流指令を出
力する転流指令回路と、その転流指令回路から出力され
る転流指令に応じて前記インバータ回路のスイッチング
素子をオンオフさせて前記インバータ回路に転流を行わ
せる分配回路とを備えており、前記単相ブラシレスモー
タの始動時に、その単相ブラシレスモータの始動トルク
を発生させるために充分な値から時間の経過とともに逓
減する転流目標電圧を前記転流指令回路へ出力する始動
補償回路を備え、前記転流指令回路は前記駆動時電流検
出回路の出力が前記始動補償回路の出力の所定倍となっ
た場合に転流指令を出力するものであり、前記始動補償
回路は時定数の異なる2種類の転流目標電圧を出力し得
るように構成されている。
【0031】この請求項6記載の単相ブラシレスモータ
のセンサレス駆動回路によれば、請求項1から5のいず
れかに記載の駆動回路と同様に作用する上、単相ブラシ
レスモータの始動時には、始動補償回路から始動トルク
を発生させるために充分な値から時間の経過とともに逓
減する転流目標電圧が転流指令回路へ出力され、駆動時
電流検出回路の出力が始動補償回路の出力の所定倍とな
った場合に、転流指令回路によって転流指令が出力され
る。このため始動時においても、始動トルクを発生させ
るために充分な電機子電流を流すことができ、単相ブラ
シレスモータを的確に始動することができる。また、か
かる始動補償回路は時定数の異なる2種類の転流目標電
圧を出力し得るように構成されているので、この転流目
標電圧を切り替えることにより、単相ブラシレスモータ
の回転方向を反転させることができる。
【0032】請求項7記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路は、請求項1から6のいずれかに記載
の駆動回路において、前記通電制御回路は、前記単相ブ
ラシレスモータの駆動時に前記電機子に流れる電流を電
圧に変換して検出する駆動時電流検出回路と、その駆動
時電流検出回路の瞬時値又は平均値を記憶する駆動時記
憶回路と、前記駆動時電流検出回路の出力が前記駆動時
記憶回路の記憶値の所定倍となった場合に転流指令を出
力する転流指令回路と、その転流指令回路から出力され
る転流指令に応じて前記インバータ回路のスイッチング
素子をオンオフさせて前記インバータ回路に転流を行わ
せる分配回路とを備えており、前記駆動時電流検出回路
と前記電流検出回路とは少なくともその一部が一体に構
成されている。
【0033】請求項8記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路は、ロック位置から所定の偏角をもっ
て停止するように構成された単相ブラシレスモータと、
その単相ブラシレスモータの電機子に交番電圧を通電す
るための複数のスイッチング素子を有するインバータ回
路と、そのインバータ回路のスイッチング素子をオンオ
フさせて転流を行い、前記単相ブラシレスモータを回転
させる通電制御回路とを備え、前記単相ブラシレスモー
タの停止時における界磁の極性を判別する極性判別回路
と、その極性判別回路により判別された界磁の極性に基
づいて前記通電制御回路の通電開始第1波の通電方向を
設定する第1波通電方向設定回路とを備えている。
【0034】この請求項8記載の単相ブラシレスモータ
のセンサレス駆動回路によれば、極性判別回路によって
停止時におけるブラシレスモータの界磁の極性が判別さ
れ、その判別された界磁の極性に基づいて、第1波通電
方向設定回路により通電開始第1波の通電方向が設定さ
れる。この設定された通電方向から単相ブラシレスモー
タの電機子への通電が行われるように、通電制御回路に
よってインバータ回路のスイッチング素子がオンオフさ
れて、単相ブラシレスモータが始動される。よって、界
磁の位置検知素子を備えないセンサレスな駆動回路であ
っても、単相ブラシレスモータを的確且つ迅速に始動す
ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施
例におけるブラシレスモータの駆動原理については、既
に、特願平7−207665号に記載されているので、
その説明は省略する。
【0036】図3は、本実施例の単相ブラシレスモータ
のセンサレス駆動回路1の回路図である。このモータ駆
動回路1により駆動される単相ブラシレスモータ51
は、永久磁石の界磁51aを回転子とし、電機子巻線5
1bを固定子とした、表面磁石形の単相ブラシレスモー
タ、特に、スケルトン形の単相ブラシレスモータであ
る。界磁回転子51aは、その磁束軸が電機子巻線51
bの磁束軸と一致するロック位置から偏角θを保つ2箇
所の位置に停止されるように構成されている。なお、界
磁を固定子に電機子巻線を回転子にしたスリップリング
付きモータや、埋め込み磁石形のブラシレスモータに、
この駆動回路1を用いることも可能である。
【0037】モータ駆動回路1は、補助電源回路2、イ
ンバータ回路3、電流検出回路4、サンプリング回路
5、増幅回路6、始動補償回路7、優先回路8、分配回
路9、ゼロリセット回路10、チェック波発振回路2
1、比較回路22、判別回路23、通電方向設定回路2
4、切替回路25、2進カウンタDL1、デッドタイム
発生回路DL2、単安定マルチバイブレータMM1,M
M2、コンパレータCP1等を備えている。
【0038】補助電源回路2は、30ボルトの直流電源
50から安定した10ボルトの電圧を生成し出力する回
路である。補助電源回路2で生成された10ボルトの電
圧は、駆動電圧として各回路へ供給される。
【0039】インバータ回路3は、ブラシレスモータ5
1の1相の電機子巻線51bに、30ボルトの直流電圧
を交番電圧として通電するための回路である。インバー
タ回路3の直流電源50のプラス側入力端Pには、上ア
ームトランジスタとしての2つのP−MOS電界効果ト
ランジスタQu,Qvのソース端子が接続され、直流電
源50のグランド側入力端Nには、下アームトランジス
タとしての2つのN−MOS電界効果トランジスタQ
x,Qyのソース端子が接続されている。これら4つの
電界効果トランジスタQu,Qv,Qx,Qyにより、
電機子巻線51bに対応した2つのインバータアームが
形成されている。
【0040】各電界効果トランジスタQu,Qv,Q
x,Qyは、ゲート端子が1kΩの抵抗Ru1,Rv
1,Rx1,Ry1を介して分配回路9の各出力u,
v,x,yとそれぞれ接続されて、分配回路9の出力に
応じてオンオフされるように構成されている。また、各
電界効果トランジスタQu,Qv,Qx,Qyのゲート
・ソース間には、保護及びゲート電圧のフローティング
防止用の10kΩの抵抗Ru2,Rv2,Rx2,Ry
2がそれぞれ接続されている。更に、各電界効果トラン
ジスタQu,Qv,Qx,Qyのソース・ドレイン間に
は、そのオフ時にブラシレスモータ51の電機子巻線5
1bに生じる逆起電力作用に起因する電流を還流させる
ためのフリーホイールダイオードDu,Dv,Dx,D
yが、それぞれ逆並列に接続されている。
【0041】電流検出回路4は、ブラシレスモータ51
の電機子巻線51bに流れる電流(以下「電機子電流」
という)を電圧に変換した後に増幅し、サンプリング回
路5、コンパレータCP1の非反転入力端、及び、比較
回路22へ出力するための回路である。電流検出回路4
は、直流電源50のグランド側入力端Nとインバータ回
路3との間に挿入された0.1Ω(2W)のシャント抵
抗Rsと、10kΩの抵抗R1、500kΩの可変抵抗
VR1及びオペアンプOP1で構成された増幅率が約5
0倍の非反転増幅器とを備えている。よって、電機子電
流は、シャント抵抗Rsを通過することにより電圧に変
換され、非反転増幅器OP1,R1,VR1によって約
50倍に増幅されて、サンプリング回路5等へ出力され
る。
【0042】図4(a)に示すように、ブラシレスモー
タ51の電機子巻線51bへ交番電圧を印加すると、図
4(b)に示す電機子電流が流れる。この電機子電流
は、図4(c)に示すように、シャント抵抗Rsを流れ
て、電圧に変換される。電圧変換された電機子電流は、
図4(d)に示すように、非反転増幅器OP1,R1,
VR1によって、約50倍に増幅されて、電流検出回路
4から出力される。
【0043】なお、本実施例では、シャント抵抗Rsの
温度上昇を抑えるために、その抵抗値を小さくしてい
る。しかし、シャント抵抗Rsの抵抗値を大きくするこ
とにより、非反転増幅器OP1,R1,VR1を削除し
て、回路1のコストを低減することができる。例えば、
シャント抵抗Rsの抵抗値を、現状の0.1Ωから1Ω
へ10倍にすると、電流検出回路4の出力電圧も10倍
となるので、かかる場合には、非反転増幅器OP1,R
1,VR1を介すことなく、シャント抵抗Rsにより変
換された電圧値をサンプリング回路5等へ出力すること
ができる。
【0044】サンプリング回路5は、電流検出回路4の
出力電圧の瞬時値を記憶して、その瞬時値を増幅回路6
へ出力するための回路である。サンプリング回路5は、
アナログスイッチAS1と、コンデンサC1と、抵抗R
2とを備えている。アナログスイッチAS1の一方のチ
ャネル端子は、電流検出回路4の出力端に接続され、他
方のチャネル端子は、共に一端が回路接地された0.1
μFのコンデンサC1及び2MΩの抵抗R2に接続され
ている。アナログスイッチAS1のゲートは、単安定マ
ルチバイブレータMM1の出力端Qに接続されており、
サンプリング指令56(図4(h))が出力されている
間、オンされる。
【0045】コンデンサC1は、アナログスイッチAS
1のオン中に、電流検出回路4の出力端と接続され、そ
の出力電圧を記憶する。コンデンサC1の非接地端に
は、アナログスイッチAS1、抵抗R2、及び、オペア
ンプOP2の非反転入力端が接続されるだけであり、し
かも、抵抗R2の抵抗値は2MΩと非常に大きいので、
コンデンサC1の電圧値はアナログスイッチAS1のオ
フ後も所定時間保持される。よって、コンデンサC1に
は、アナログスイッチAS1のオフ直前における電流検
出回路4の電圧値(瞬時出力)が記憶されるのである。
図4(e)には、このサンプリング回路5の出力電圧波
形が図示されている。
【0046】ところで、転流動作の契機となる転流指令
57(図4(i))は、後述するように、電流検出回路
4の出力電圧が、増幅回路6により増幅されたサンプリ
ング回路5の出力電圧よりも大きくなった場合に出力さ
れる。このため何らかの原因によって、サンプリング回
路5のコンデンサC1に大きな電圧値が保持されると、
電流検出回路4の出力電圧が、増幅されたサンプリング
回路5の出力電圧より大きくなり得ず、転流指令57が
発生不能となって、転流動作が行えず、ブラシレスモー
タ51が停止してしまう。
【0047】しかし、サンプリング回路5のコンデンサ
C1には、抵抗R2が並列接続されているので、コンデ
ンサC1に蓄積された電荷は、わずかずつではあるが抵
抗R2によって徐々に放電される。その結果、コンデン
サC1の電圧値も徐々に低下していく。よって、抵抗R
2をコンデンサC1に並列接続することにより、コンデ
ンサC1に誤って大きな電圧値が保持されてしまった場
合にも、必ず、転流指令57を再発生させることがで
き、ブラシレスモータ51を停止させてしまうことがな
い。
【0048】この抵抗R2の抵抗値は、コンデンサC1
の容量と、始動時におけるインバータ回路3の転流周波
数の下限値との関係で決定される。即ち、始動時におけ
る転流周波数の下限値を3Hz前後とする場合は、その
2倍の6Hzの周期より若干大きめの時定数を設定し、
略0.2秒前後の範囲となるように、抵抗R2の抵抗値
とコンデンサC1の容量とが決定される。本実施例で
は、コンデンサC1の容量は0.1μFであるので、抵
抗R2の抵抗値は2MΩとされている。
【0049】なお、増幅回路6のオペアンプOP2の品
種によっては、非反転入力端からグランドへ漏れ電流
(入力バイアス電流)が流れることがある。かかる場合
には、その漏れ電流により、コンデンサC1の電圧値が
上昇してしまうので、即ち、記憶された電流検出回路4
の電圧値(転流目標電圧)が上昇方向に変化してしまう
ので、正常な転流動作を行わせることができなくなって
しまう。しかし、抵抗R2をコンデンサC1に並列接続
することにより、かかる漏れ電流を抵抗R2に流すこと
ができるので、コンデンサC1の電圧値の上昇を防ぐこ
とができ、かつ、コンデンサC1の電圧値は必ず低下す
る方向に作用するので、コンデンサC1に電流検出回路
4の出力電圧を維持させることができる。
【0050】増幅回路6は、サンプリング回路5に記憶
された電圧値を増幅して、優先回路8へ出力する回路で
ある。増幅回路6は、オペアンプOP2と2つの抵抗R
3,R4とにより構成された非反転増幅器と、その非反
転増幅器の出力を1倍以下に低減する100kΩの可変
抵抗VR2とを備えており、この可変抵抗VR2の摺動
子端から定常運転時の転流目標電圧が、コンパレータC
P1の反転入力端へ出力される。
【0051】非反転増幅器のオペアンプOP2は、その
非反転入力端にサンプリング回路5の出力端であるコン
デンサC1が接続され、オペアンプOP2の出力端に
は、抵抗R3及び一端が回路接地された可変抵抗VR2
が接続されている。抵抗R3の他端は、オペアンプOP
2の反転入力端と抵抗R4の一端とに接続され、抵抗R
4の他端は回路接地されている。
【0052】非反転増幅器の2つの抵抗R3,R4の抵
抗値は、いずれも同一の100kΩである。よって、サ
ンプリング回路5の出力は、この非反転増幅器OP2,
R3,R4により略2倍に増幅される。略2倍に増幅さ
れたサンプリング回路5の出力は、可変抵抗VR2へ出
力され、1倍以下に低減されて、優先回路8へ出力され
る。本実施例では、非反転増幅器OP2,R3,R4に
より略2倍に増幅されたサンプリング回路5の出力は、
可変抵抗VR2によって0.9倍に低減される。よっ
て、増幅回路6全体としてサンプリング回路5の出力
は、1.8倍に増幅される。単相ブラシレスモータ51
の場合、電機子電流の波形は、3相機に比べて、三角波
に近いものとなる。よって、3相機の場合、サンプリン
グ回路の出力電圧を略1.2〜略1.4倍に増幅する
が、単相機の場合では略1.5〜略2.0倍に増幅する
ことが望ましい。このため、本実施例では1.8倍に増
幅しているのである。図4(f)に、この増幅回路6の
出力電圧波形を図示する。
【0053】なお、当然のことながら、可変抵抗VR2
の摺動子位置を調整することにより、増幅回路6全体の
増幅率も変更できるので、使用状況に合わせて、その増
幅率を変化させることができる。即ち、ブラシレスモー
タ51の定常運転領域で最もモータ効率が向上するよう
にチューニングすることができるのである。
【0054】始動補償回路7は、ブラシレスモータ51
の始動時に、ブラシレスモータ51が充分な始動トルク
を発生できるようにするために、増幅されたサンプリン
グ回路5の出力に代わって、転流目標電圧をコンパレー
タCP1の反転入力端へ出力するための回路である。
【0055】始動補償回路7は、10kΩの抵抗R5を
備えており、その抵抗R5の一端は、始動補償回路7の
入力端Sとして、切替回路25のインバータIV1、抵
抗R32を介して、補助電源回路2の10ボルトライン
に接続されている。抵抗R5の他端は、10μFの電解
コンデンサC2のプラス側端子と、スイッチSW1の一
端とに接続されており、スイッチSW1の他端は33μ
Fの電解コンデンサC3のプラス側端子に接続されてい
る。この電解コンデンサC3のマイナス側端子は、他方
の電解コンデンサC2のマイナス側端子と接続されてい
るので、スイッチSW1がオンされると、両電解コンデ
ンサC2,C3は並列接続の状態となって、その静電容
量が増加する(43μFとなる)。両電解コンデンサC
2,C3のマイナス側端子は、共に、一端が回路接地さ
れた100kΩの抵抗R6と、アノード接地されたダイ
オードD1のカソードとに接続されるとともに、始動補
償回路7の出力端として、優先回路8のダイオードD2
のアノードに接続されている。
【0056】優先回路8は、増幅回路6によって増幅さ
れたサンプリング回路5の出力電圧と、始動補償回路7
の出力電圧とのうち、大きい方の出力電圧を転流目標電
圧としてコンパレータCP1の反転入力端へ出力するた
めの回路であり、ダイオードD2により構成されてい
る。このダイオードD2は、そのアノードが始動補償回
路7の出力端と接続され、カソードが増幅回路6の出力
端、及び、コンパレータCP1の反転入力端に接続され
ている。
【0057】ここで、図5を参照して、単相ブラシレス
モータ51の始動時に、優先回路8からコンパレータC
P1の反転入力端へ出力される転流目標電圧60につい
て説明する。始動補償回路7は、コンデンサC2(C
3)及び抵抗R5,R6の直列回路よりなる微分回路な
ので、始動補償回路7の入力端SにインバータIV1を
介して補助電源回路2から10ボルト弱の電圧が印加さ
れると、始動補償回路7から優先回路8へ、10ボルト
弱の電圧値から時間の経過とともに逓減する電圧61が
出力される。一方、増幅回路6からは、サンプリング回
路5によってサンプルされた電流検出回路4の電圧が略
1.8倍に増幅されて出力される(62)。この両電圧
61,62の大きい方の電圧が、転流目標電圧60とし
て、優先回路8からコンパレータCP1の反転入力端に
出力されるのである。なお、図5には、かかる電流目標
電圧60と比較される電流検出回路4の出力電圧63を
ともに図示している。
【0058】このように、始動補償回路7の駆動電圧を
電流検出回路4の検出電圧より高く、かつ、安定した電
圧とすることにより、ブラシレスモータ51の始動時に
転流目標電圧60を高く設定することができる。よっ
て、始動時に、始動トルクを発生させるために充分な電
機子電流を流すことができる。
【0059】なお、始動補償回路7の抵抗R6には、ダ
イオードD1が逆並列に接続されているので、入力端S
への電圧の印加がオフされると、コンデンサC2(C
3)を速やかに放電させることができる。よって、直流
電源50がオフされた場合や、切替回路25のスイッチ
SW2がスタートモードSTからチェックモードCKへ
切り替えられた場合には、入力端Sの電圧が0ボルト
(回路接地)となって、コンデンサC2(C3)は短時
間のうちに確実に放電される。よって、ブラシレスモー
タ51の始動開始毎に、始動補償回路7は正常に機能す
ることができるのである。
【0060】始動補償回路7のスイッチSW1は、単相
ブラシレスモータ51の回転方向を設定するためのスイ
ッチである。スイッチSW1がオフされている場合は、
単相ブラシレスモータ51は正方向に回転し(図5及び
図6)、逆に、スイッチSW1がオンされている場合は
逆方向に回転する(図7及び図8)。スイッチSW1を
オフ又はオンすることにより、始動補償回路7の微分回
路のコンデンサ容量が10μFと43μF(=10μF
+33μF)とで切り替えられ、始動補償回路7から出
力される転流目標電圧61,61’の逓減勾配が変化す
る。この逓減勾配の変化により、最初の転流動作のタイ
ミングが変化して、単相ブラシレスモータ51が正転又
は逆転するのである。なお、この動作については後述す
る。
【0061】コンパレータCP1の非反転入力端には、
ゼロリセット回路10を介して、電流検出回路4の出力
端が接続され、反転入力端には優先回路8の出力端が接
続されている。また、コンパレータCP1の出力端は、
10kΩのプルアップ抵抗R7を介して補助電源回路2
の10ボルトラインに接続されるとともに、アナログス
イッチAS2を介して単安定マルチバイブレータMM
1,MM2の各入力端A,Aに接続されている。よっ
て、コンパレータCP1により、電流検出回路4の出力
電圧と優先回路8の出力電圧との大小が比較され、その
比較結果が単安定マルチバイブレータMM1,MM2へ
出力される。図4(g)には、コンパレータCP1の出
力電圧波形が図示されている。
【0062】なお、アナログスイッチAS2のゲート端
子は、切替回路25に接続されている。切替回路25の
スイッチSW2がスタートモード(駆動モード)STに
されている場合に限り、コンパレータCP1の出力は、
単安定マルチバイブレータMM1,MM2へ出力される
のである。
【0063】単安定マルチバイブレータMM1は、コン
パレータCP1の立ち上がりパルス55を受けて、サン
プリング指令56(図4(h))をサンプリング回路5
のアナログスイッチAS1のゲート(及び、ゼロリセッ
ト回路10)へ出力するものである。サンプリング回路
5のコンデンサC1には、アナログスイッチAS1のオ
フ直前における電流検出回路4の瞬時出力が保持され
る。アナログスイッチAS1は、サンプリング指令56
が出力されている間オンされるので、コンデンサC1に
は、サンプリング指令56の立ち下がり時のタイミング
で、電流検出回路4の瞬時出力が保持されることにな
る。よって、サンプリング回路5による瞬時出力の抽出
タイミングは、サンプリング指令56のパルス幅によっ
て決定される。従って、シャント電流(図4(c))の
最初の上昇傾向が弱まった頃(通常は、転流周期の1/
2〜2/3の範囲)に、サンプリング指令56が終了す
るように、単安定マルチバイブレータMM1に接続され
る抵抗R8とコンデンサC4の値が決定される。なお、
本実施例では、抵抗R8は22kΩであり、コンデンサ
C4は470pFとされている。
【0064】単安定マルチバイブレータMM2は、コン
パレータCP1の立ち上がりパルス55を受けて、転流
指令57(図4(i))を2進カウンタDL1、及び、
デッドタイム発生回路DL2へ出力するものである。転
流指令57のパルス幅は、単安定マルチバイブレータM
M2に接続された22kΩの抵抗R9と0.1μFのコ
ンデンサC5とにより決定される。後述するように、ブ
ラシレスモータ51の停止時における界磁51aの極性
判別時には、チェック波発振回路21から200Hz〜
2kHzのチェック波が発振される。単安定マルチバイ
ブレータMM2は、そのチェック波の発振毎に転流指令
57を出力しなければならないので、転流指令57のパ
ルス幅は、かかるチェック波の周期より十分に短い略
0.4msとされている。
【0065】2進カウンタDL1は、セット端子S及び
リセット端子Rを備えたDラッチにより構成されてい
る。反転出力端Qバーとデータ入力端Dとが接続されて
いるので、入力端Aに転流指令57を受ける度に、2進
カウンタDL1は出力を反転する。反転された出力は、
分配回路9へ出力され、インバータ回路3によって転流
動作が行われる。
【0066】デッドタイム発生回路DL2も、2進カウ
ンタDL1と同様に、セット端子S及びリセット端子R
を備えたDラッチにより構成されている。リセット端子
Rには、他端が接地された1000pFのコンデンサC
6と、22kΩの抵抗R10の一端とが接続されてい
る。この抵抗R10の他端は出力端Qと接続され、更
に、反転出力端Qバーはデータ入力端Dに接続されてい
る。よって、デッドタイム発生回路DL2は、転流指令
57の立ち上がりパルスを入力する度に、反転出力端Q
バーから分配回路9へ、短いロウパルス出力58を行っ
て(図4(j))、インバータ回路3の全トランジスタ
Qu,Qv,Qx,Qyをオフするデッドタイムを形成
する。これにより分配回路9によって180度通電が行
われても、インバータ回路3の各トランジスタQu,Q
v,Qx,Qyを短絡させてしまうことがない。
【0067】分配回路9は、2進カウンタDL1の出力
をインバータ回路3の各トランジスタQu,Qv,Q
x,Qyへ分配して出力するための回路であり、4個の
アンドゲートANu,ANv,ANx,ANyと、2個
のインバータIu,Ivとを備えている。各インバータ
Iu,Ivは、エミッタ端子を回路接地したオープンコ
レクタ形のNPN形デジタルトランジスタで構成され、
高耐圧とされている。なお、各インバータIu,Iv
は、デジタルトランジスタに代えて、ソース端子を回路
接地したN−MOS電界効果トランジスタで構成するよ
うにしても良い。また、必要に応じてフォトカプラなど
を用いて構成しても良い。
【0068】分配回路9のアンドゲートANuの入力端
は2進カウンタDL1の出力端Qに、アンドゲートAN
vの入力端は2進カウンタDL1の反転出力端Qバー
に、アンドゲートANxの入力端は2進カウンタDL1
の反転出力端Qバーに、アンドゲートANyの入力端は
2進カウンタDL1の出力端Qに、それぞれ接続されて
おり、また、各アンドゲートの残りの入力端ANu,A
Nv,ANx,ANyは、デッドタイム発生回路DL2
の反転出力端Qバーに、それぞれ接続されている。な
お、図9に、2進カウンタDL1の各出力Q,Qバー
と、分配回路9の各出力u,v,x,y、及び、その際
の通電方向との関係を図示している。
【0069】ゼロリセット回路10は、単安定マルチバ
イブレータMM1から出力されるサンプリング指令56
を受けて、転流動作毎に、コンパレータCP1の非反転
入力端へ出力される電流検出回路4の出力電圧を0ボル
トに擬制リセットするための回路である。ゼロリセット
回路10は、100kΩの抵抗R11と、0.01μF
のコンデンサC7と、エミッタ端子を回路接地したオー
プンコレクタ形のNPN形デジタルトランジスタで構成
されたインバータIV2とを備えている。
【0070】抵抗R11の一端は電流検出回路4の出力
端に接続され、その抵抗R11の他端は、回路接地され
たコンデンサC7の一端に接続されて、RCローパスフ
ィルタを構成している。このRCローパスフィルタによ
り、静電移行(誘導)ノイズや電磁ノイズなどが除去さ
れる。また、抵抗R11の他端、即ち、前記したRCロ
ーパスフィルタの出力端は、コンパレータCP1の非反
転入力端と、インバータIV2の出力端とに接続されて
おり、インバータIV2の入力端は、単安定マルチバイ
ブレータMM1の出力端Qに接続されている。
【0071】このため単安定マルチバイブレータMM1
からサンプリング指令56が出力されると、インバータ
IV2を介して、コンパレータCP1の非反転入力端へ
0ボルトの電圧が出力される。即ち、0ボルトに擬制リ
セットされるのである。サンプリング指令56は、パル
ス幅が異なるものの転流指令57と同タイミングで出力
されるので、コンパレータCP1の非反転入力端は、転
流指令57の発生毎に擬制リセットされる。なお、イン
バータIV2の入力端に、単安定マルチバイブレータM
M2の出力端Qを接続して、転流指令57により、コン
パレータCP1の擬制リセットを行うようにしても良
い。
【0072】チェック波発振回路21は、ブラシレスモ
ータ51の始動時に、停止状態にある界磁51aの極性
を判別するため、200Hzから2kHzのチェック波
を単安定マルチバイブレータMM2へ出力するためのも
のである。
【0073】このチェック波発振回路21は、コンパレ
ータCP2を備えており、そのコンパレータCP2の非
反転入力端には、100kΩの抵抗R12と、100k
Ωの抵抗R13と、ダイオードD3のアノードとが接続
されている。抵抗R13の他端は回路接地され、抵抗R
12の他端は、補助電源回路2の10ボルトラインに接
続されている。また、ダイオードD3のカソードは、他
端が補助電源回路2の10ボルトラインに接続された1
0kΩの抵抗R15と、コンパレータCP2の出力端
と、220kΩの抵抗R14とに接続されている。抵抗
R14の他端は、回路接地された2200pFのコンデ
ンサC9、及び、コンパレータCP2の反転入力端に接
続されている。
【0074】チェック波発振回路21の出力端は、アナ
ログスイッチAS3の一方のチャネル端子と接続されて
いる。このアナログスイッチAS3の他方のチャネル端
子は単安定マルチバイブレータMM2の入力端Aに接続
されるとともに、そのゲート端子は切替回路25のスタ
ート端子STに接続されている。よって、切替回路25
のスイッチSW2がチェックモードCKにある場合に、
アナログスイッチAS3がオンされて、チェック波発振
回路21のチェック波が単安定マルチバイブレータMM
2へ出力される。
【0075】比較回路22は、切替回路25がチェック
モードCKにされている場合に、インバータ回路3のア
ームトランジスタQu,Qyがオンされている時の電機
子電流の最大値(電流検出回路4の最大値)を記憶し、
その記憶値と、別のアームトランジスタQv,Qxがオ
ンされている時の電機子電流の最大値(電流検出回路4
の最大値)とを比較して、その比較結果を出力するため
の回路である。この比較結果により、停止時における単
相ブラシレスモータ51の界磁51aの極性が判別され
る。なお、界磁51aの極性判別の動作については後述
する。
【0076】この比較回路22はコンパレータCP3を
備えており、その非反転入力端は電流検出回路4の出力
端と接続されている。また、コンパレータCP1の反転
入力端は、アナログスイッチAS4を介して電流検出回
路4の出力端と接続されるとともに、他端が接地された
0.1μFのコンデンサC10と接続されている。コン
パレータCP3の出力端は、10kΩのプルアップ抵抗
R16を介して補助電源回路2の10ボルトラインに接
続され、更に、エミッタ端子を回路接地したオープンコ
レクタ形のNPN形デジタルトランジスタで構成された
インバータIV3の出力端と、ダイオードD4のアノー
ドとに接続されている。インバータIV3の入力端は、
アナログスイッチAS4のゲート端子とともに、2進カ
ウンタDL1の出力端Qに接続されており、ダイオード
D4のカソードは、比較回路22の出力端として判別回
路23の入力端へ接続されている。
【0077】この比較回路22は、2進カウンタDL1
の出力端Qからハイ信号が出力されている間、アナログ
スイッチAS4がオンされ、電流検出回路4の出力端と
コンデンサC10とが接続される。このため、コンデン
サC10の端子電圧は電流検出回路4の出力電圧と同電
位となるので、コンデンサC10には、アナログスイッ
チAS4のオフ直前における電流検出回路4の瞬時電圧
値が記憶される。この記憶された電流検出回路4の瞬時
電圧値は、別のアームトランジスタQv,Qxのオン時
の電流検出回路4の出力電圧と比較され、その比較結果
が比較回路2の出力としてダイオードD4から判別回路
23へ出力される。
【0078】なお、コンデンサC10による電流検出回
路4の記憶動作時は、コンパレータCP3の両入力端へ
同電位が入力されるので、その出力は不定となる。よっ
て、かかる記憶動作時(2進カウンタDL1の出力端Q
からハイ信号が出力されている間)には、インバータI
V3によりコンパレータCP3の出力を強制的にロウと
して、比較回路22から不安定な出力がなされることを
禁止している。
【0079】判別回路23は、比較回路22の複数回の
出力を平滑(平均化)して、その平均化された(平滑)
電圧と基準電圧とを比較し、ノイズなどの影響を除い
て、比較回路22の結果を判別する回路である。即ち、
停止時における界磁51aの極性を判別する回路であ
る。
【0080】この判別回路23は、コンパレータCP4
を備えており、コンパレータCP4の反転入力端には、
比較回路22の出力端と、マイナス側端子が接地された
1μFの電解コンデンサC11のプラス側端子と、他端
が接地された1MΩの抵抗R17とが接続されている。
よって、比較回路22の出力は、電解コンデンサC11
により平均化(平滑)され、コンパレータCP4の反転
入力端へ入力される。
【0081】一方、コンパレータCP4の非反転入力端
には、他端が補助電源回路2の10ボルトラインに接続
された抵抗R18と、他端が接地された抵抗R19とが
接続されている。両抵抗R18,R19の抵抗値は、い
ずれも100kΩなので、コンパレータCP4の非反転
入力端には5ボルトの基準電圧が入力される。また、コ
ンパレータCP4の出力端は、他端が補助電源回路2の
10ボルトラインに接続された10kΩのプルアップ抵
抗R20と接続されて、判別回路23の出力端とされて
いる。
【0082】通電方向設定回路24は、判別回路23に
よって判別された界磁51aの極性に基づいて、通電開
始第1波の通電方向を設定する回路である。切替回路2
5のスイッチSW2がチェックモードCKからスタート
モードSTへ切り替えられた直後に、短時間だけ作動す
る。
【0083】この通電方向設定回路24は、2つの2入
力ナンド回路NA1,NA2を備えており、一方のナン
ド回路NA1の入力端には判別回路23の出力端が、他
方のナンド回路NA2の入力端にはインバータIV4を
介して判別回路23の出力端が、それぞれ接続されてい
る。また、両ナンド回路NA1,NA2の残りの入力端
には、保護用の10kΩの抵抗R21の一端が接続さ
れ、その抵抗R21の他端には、10kΩの抵抗R22
と、ダイオードD5のアノードと、0.001μFのコ
ンデンサC12とが接続されている。
【0084】抵抗R22の他端とダイオードD5のカソ
ードは、補助電源回路2の10ボルトラインに接続され
ており、コンデンサC12の他端は、切替回路25のス
タート端子STに接続されている。よって、切替回路2
5のスイッチSW2がチェックモードCKにされている
場合、コンデンサC12の他端は抵抗R32を介して補
助電源回路2の10ボルトラインに接続され、スイッチ
SW2がスタートモードSTにされている場合、コンデ
ンサC12の他端は接地される。
【0085】両ナンド回路NA1,NA2の出力端は、
それぞれ通電方向設定回路24の出力端とされている。
一方のナンド回路NA1の出力端は2進カウンタDL1
のリセット端子Rに、他方のナンド回路NA2の出力端
は2進カウンタDL1のセット端子Sに、それぞれ接続
されている。
【0086】切替回路25のスイッチSW2がチェック
モードCKからスタートモードSTへ切り替えられる
と、コンデンサC12と抵抗R22とにより構成される
微分回路から両ナンド回路NA1,NA2の入力端へ、
0ボルトから10ボルトへ急上昇する微分状のスタート
パルスが入力される。かかる微分状のスタートパルスが
ロウレベルを維持する短時間の間、判別回路24の出力
に基づいて、通電方向設定回路24から2進カウンタD
L1のセット及びリセット端子S,Rへ通電方向を決定
する信号が出力される。
【0087】なお、切替回路25のスイッチSW2が、
スタートモードSTからチェックモードCKへ戻される
と、コンデンサC12に充電された電荷は、ダイオード
D5を介して急速に放電される。よって、再度、スイッ
チSW2をスタートモードSTへ切り替えた場合にも、
確実に、微分状のスタートパルスを両ナンド回路NA
1,NA2へ出力することができ、通電方向の設定を行
うことができる。
【0088】切替回路25は、一端が接地され、他端が
スタート端子STとチェック端子CKとで切り替え可能
なスイッチSW2を備えている。チェック端子CKは、
10kΩの抵抗R31の一端とアナログスイッチAS2
のゲート端子とに接続されており、スタート端子ST
は、10kΩの抵抗R32の一端とアナログスイッチA
S3のゲート端子とに接続されている。両抵抗R31,
R32の他端は補助電源回路2の10ボルトラインに接
続されている。また、スタート端子STには、インバー
タIV1の入力端が接続されており、そのインバータI
V1の出力端Sは、始動補償回路7の入力端Sと接続さ
れている。よって、スイッチSW2がスタートモードS
Tへ切り替えられると、始動補償回路7へ、抵抗R32
の電圧降下分を差し引いた10ボルト弱の駆動電圧が供
給される。
【0089】スイッチSW2がチェック端子CKにある
場合、アナログスイッチAS2のゲート端子にはロウ電
圧が印加されてオフとなり、アナログスイッチAS3の
ゲート端子にはハイ電圧が印加されてオンとなる。即
ち、スイッチSW2がチェック端子CKにある場合、単
安定マルチバイブレータMM1,MM2へ、チェック波
発振回路21の出力が供給される。
【0090】一方、スイッチSW2がスタート端子ST
にある場合、アナログスイッチAS2のゲート端子には
ハイ電圧が印加されてオンとなり、アナログスイッチA
S3のゲート端子にはロウ電圧が印加されてオフとな
る。即ち、スイッチSW2がスタート端子STにある場
合、単安定マルチバイブレータMM1,MM2へは、コ
ンパレータCP1の出力が供給される。
【0091】次に、上記のように構成された単相ブラシ
レスモータセンサレス駆動回路1の動作を説明する。ま
ず、図10のフローチャートに基づいて、単相ブラシレ
スモータ51の停止時における界磁51aの極性判別動
作について説明する。
【0092】界磁51aの極性判別は、切替回路25の
スイッチSW2をチェックモードCKに切り替えること
により開始される(S1)。スイッチSW2がチェック
端子CKに切り替えられると、アナログスイッチAS2
がオフされ、コンパレータCP1の出力が遮断されると
ともに、アナログスイッチAS3がオンとなって、チェ
ック波発振回路21から単安定マルチバイブレータMM
2へ、200Hz〜2kHzのチェック波が出力され
る。
【0093】チェック波を入力した単安定マルチバイブ
レータMM2は、チェック波の立ち上がり毎に、2進カ
ウンタDL1及びデッドタイム発生回路DL2へワンシ
ョットパルスを出力する。このパルスの立ち上がり毎
に、2進カウンタDL1は分配回路9への出力を反転し
(図11(a))、一方、デッドタイム発生回路DL2
は短時間のロウパルスを分配回路9へ出力する。分配回
路9は、2進カウンタDL1及びデッドタイム発生回路
DL2の出力を受けて、インバータ回路3の各トランジ
スタQu,Qv,Qx,Qyをオン又はオフして、ブラ
シレスモータ51の電機子巻線51bへ矩形状の交番電
圧(検査電圧)を通電する(S2)。
【0094】この検査電圧の周波数は、チェック波発振
回路21から出力されるチェック波(200Hz〜2k
Hz)の1/2の100Hz〜1kHzである。駆動時
の周波数が略60Hz以下であるのに比べて、検査電圧
の周波数は略1.5倍以上の周波数とされている。検査
電圧は界磁51aの極性判別のために流されるが、この
検査電圧の通電によって回転子51aが回転すると極性
の判別ができなくなってしまう。また、極性判別原理に
おいて説明したように、磁化力を大きく増大させると、
磁気飽和領域に至って透磁率μが却って減少傾向を示し
てしまい、この場合にも界磁51aの極性を判別するこ
とができない。よって、界磁51aの極性判別を実現す
るためには、検査電圧通電時における電機子電流を微少
にして、磁化力の変化を微小にしなければならない。従
って、検査電圧の周波数を駆動時の周波数の略1.5倍
以上としている。これにより停止中のモータ51に大き
な異音や振動を生じることなく、界磁51aの極性を判
別することができる。
【0095】検査電圧がブラシレスモータ51に通電さ
れると、電機子巻線51bに電機子電流が流れる。電流
検出回路4は、シャント抵抗Rsに流れた電機子電流
(図11(b))を電圧に変換して検出し(S3)、更
に、非反転増幅器OP1,R1,VR1により増幅し
て、比較回路22へ出力する(図11(c))。
【0096】比較回路22のアナログスイッチAS4
は、2進カウンタDL1の出力端Qからハイ信号が出力
されている間(トランジスタQu,Qyがオンされてい
る間)、オンされ、逆に、ロウ信号が出力されている間
(トランジスタQv,Qxがオンされている間)、オフ
される。よって、比較回路22のコンデンサC10に
は、トランジスタQv,Qxがオンされている間、トラ
ンジスタQu,Qyのオフ直前における電流検出回路4
の出力電圧が記憶される。
【0097】検査電圧の通電により電機子電流は増加す
るが、前記したように検査電圧は駆動時より高い周波数
で交番されるので、電機子電流の増加の途中で通電方向
が切り替えられることになる。よって、トランジスタQ
u,Qyのオフ直前、即ち、通電方向の切替直前の電流
検出回路4の出力電圧を記憶することにより、検査電圧
の通電によるトランジスタQu,Qyオン中の電機子電
流の最大値をコンデンサC10に記憶することができ
る。コンデンサC10に記憶された電圧値は、コンパレ
ータCP3の反転入力端へ出力される(図11
(d))。
【0098】2進カウンタDL1の出力Qがハイからロ
ウに切り替わると、まず、トランジスタQu,Qyがオ
フされる。その後、デッドタイム発生回路DL2による
デッドタイムの経過後、別のトランジスタQv,Qxが
オンされ、電機子巻線51bへ逆方向の検査電圧が通電
される。このとき比較回路22のアナログスイッチAS
4はオフ状態にあるので、検査電圧の通電により電機子
巻線51bを流れる電機子電流は、電流検出回路4によ
って電圧変換及び増幅され(図11(c))、比較回路
22により、コンデンサC10に記憶された電圧値と比
較される(S4)。
【0099】この比較はコンパレータCP3により行わ
れる。コンデンサC10の記憶電圧はコンパレータCP
3の反転入力端に(図11(d))、電流検出回路4の
出力電圧は非反転入力端に(図11(c))、それぞれ
入力されている。よって、電流検出回路4の出力電圧が
コンデンサC10の記憶電圧より高くなった場合にの
み、コンパレータCP3からハイ信号が出力される(図
11(e))。
【0100】ここで、電機子巻線51bの自己インダク
タンスをL、電機子巻線51bへの印加電圧をEとした
場合、電機子巻線51bには、次式(6)に示す値の電
流が流れる。
【0101】
【数3】 極性判別原理で説明したように、通電により電機子巻線
51bに生じる磁界が界磁51aの極性と同方向成分を
含む加極方向となる場合、透磁率μが上昇して、自己イ
ンダクタンスも上昇する。逆に、通電により電機子巻線
51bに生じる磁界が界磁51aの極性と同方向成分を
含まない減極方向となる場合、透磁率μが減少して、自
己インダクタンスも減少する。よって、図12(a)及
び(b)に示すように、正負の通電時間を同一とする
と、通電により電機子巻線51bに生じる磁界と停止状
態にある界磁51aの極性とが減極方向にある場合の電
機子電流の切替直前の絶対値は、加極方向にある場合の
電機子電流の切替直前の絶対値より大きくなる。
【0102】即ち、図11(e)に示すように、コンパ
レータCP3からハイ出力が生じる場合、トランジスタ
Qu,Qyの通電は加極方向の通電であり、別のトラン
ジスタQv,Qxの通電は減極方向の通電であることが
判別できる。逆に、コンパレータCP3からハイ出力が
されない場合には、トランジスタQu,Qyの通電は減
極方向の通電であり、別のトランジスタQv,Qxの通
電は加極方向の通電であることが判別できる。従って、
コンパレータCP3の出力によって、界磁51aの極性
を判別することができる。
【0103】コンパレータCP3の出力は、比較回路2
2から判別回路23へ出力される。この出力は、ノイズ
などの影響を除去するために、判別回路23のコンデン
サC11で平均化(平滑)され、コンパレータCP4の
反転入力端へ出力される。即ち、複数回の比較結果の平
均値がコンパレータCP4の反転入力端へ出力されるの
である。一方、コンパレータCP4の非反転入力端には
基準電圧が入力されている。よって、この基準電圧と平
均値とが比較された結果、界磁51aの極性が判別され
(S5)、その判別結果が通電方向設定回路24へ出力
される。
【0104】通電方向設定回路24は、切替回路25の
スイッチSW2がチェックモードCKにある間、出力を
待機する。そして、スイッチSW2がチェックモードC
KからスタートモードSTへ切り替えられた瞬間、判別
回路23の出力に基づいて、通電開始第1波の通電方向
を設定する信号を2進カウンタDL1のセット端子Sお
よびリセット端子Rへ出力する(S6)。具体的には、
判別された極性に基づいて、通電開始第1波が減極方向
になるように通電方向を設定するのである。通電開始第
1波を減極方向に行うことにより、界磁回転子51aに
大きなトルクを与えることができるからである。
【0105】2進カウンタDL1は、通電方向設定回路
24の出力に応じて、その出力状態を変更する。これに
より、分配回路9及びインバータ回路3を介して、第1
波の通電が開始される(S7)。
【0106】また、切替回路25のスイッチSW2がス
タートモードSTへ切り替えられることにより、アナロ
グスイッチAS3がオフされて、チェック波発振回路2
1の出力が遮断され、代わりに、アナログスイッチAS
2がオンされて、遮断されていたコンパレータCP1の
出力が単安定マルチバイブレータMM1,MM2へ出力
される。よって、以降は、コンパレータCP1により転
流タイミングが検出される毎に(S8:Yes)、コン
パレータCP1からハイの信号55が単安定マルチバイ
ブレータMM1,MM2へ出力されて転流動作が行われ
(S9)、単相ブラシレスモータ51が駆動される。
【0107】次に、図5から図8を参照して、ブラシレ
スモータ51の回転方向を決定する始動補償回路7の動
作について説明する。前記した通り、始動補償回路7
は、ブラシレスモータ51の始動時に、コンパレータC
P1へ供給される転流目標電圧60,60’の逓減勾配
を変化させて、ブラシレスモータ51の回転方向を決定
している。転流目標電圧60,60’の逓減勾配は、ス
イッチSW1をオン又はオフすることにより2通りに切
り替えられる。ブラシレスモータ51は、スイッチSW
1のオフ時に正方向に回転し(図5及び図6)、スイッ
チSW1のオン時に逆方向に回転する(図7及び図
8)。
【0108】図5及び図6を参照して、スイッチSW1
のオフ時における正方向回転動作について説明する。界
磁の51aの極性判別の結果(図10のS1〜S6)、
通電開始第1波は減極方向、即ち、図6(a)に示すよ
うに、矢印A方向に磁界が生じるように行われる。通電
開始第1波の通電が開始されると、界磁回転子51aが
矢印R方向、即ち、正方向へ回転を始める。この回転に
伴って電機子電流が変化するので、電流検出回路4の出
力電圧63は点Dに示すものとなる。
【0109】その後、界磁回転子51aが更に回転する
と(図6(b))、電流検出回路4の出力電圧63も点
Eの状態に変化する。そして、図6(c)に示す位置ま
で界磁回転子51aが回転されると、電流検出回路4の
出力電圧63は点Fの状態に変化して、始動補償回路7
から出力される転流目標電圧60の値を超える。する
と、コンパレータCP1からハイ信号55が出力されて
(図4(g))転流動作が行われる。転流により電機子
巻線51bへの通電方向が切り替えられ、界磁回転子5
1aに与えられる磁界の方向が矢印B方向となり(図6
(d))、以後同様の転流動作により正方向(矢印R方
向)の回転が継続される。
【0110】スイッチSW1がオフの場合、界磁回転子
51aが、図6(a)の状態から180度回転した位置
に停止していても、前記極性判別の結果、通電開始第1
波が減極方向に行われるので、図6の場合と同様に、モ
ータ51は正方向(矢印R方向)へ回転する。このよう
に始動補償回路7のスイッチSW1がオフの場合、ブラ
シレスモータ51は常に正方向へ回転するのである。
【0111】図7及び図8を参照して、スイッチSW1
のオン時における逆方向回転動作について説明する。界
磁の51aの極性判別の結果(図10のS1〜S6)、
通電開始第1波は減極方向、即ち、図8(a)に示すよ
うに、矢印A方向に磁界が生じるように行われる。通電
開始第1波の通電が開始されると、界磁回転子51aが
矢印R方向、即ち、正方向へ回転を始める。この回転に
伴って電機子電流が変化するので、電流検出回路4の出
力電圧63’は点Gに示すものとなる。
【0112】その後、界磁回転子51aが更に回転する
と(図8(b))、電流検出回路4の出力電圧63’も
点Hの状態に変化する。そして、図8(c)に示す位置
まで界磁回転子51aが回転されると、電流検出回路4
の出力電圧63’は点Iの状態に変化する。スイッチS
W1のオン時における始動補償回路7のコンデンサ容量
は、スイッチSW1オフ時の場合より大きくなっている
ので、スイッチSW1オン時の転流目標電圧60’は、
このとき点Iより十分に大きな値を示している。よっ
て、点Iの時点では転流動作は行われず、界磁回転子5
1aは、図8(d)の状態に至って、正方向回転を停止
し、逆方向(矢印L方向)へ回転を始める。
【0113】この逆方向回転が進むと、電流検出回路4
の出力電圧63’も点Jの状態に変化する。そして、図
8(e)に示す位置まで界磁回転子51aが逆回転され
ると、電流検出回路4の出力電圧63’は点Kに達し、
この時始めて、始動補償回路7から出力される転流目標
電圧60’の値を超える。
【0114】よって、この点Kの時点で、コンパレータ
CP1からハイ信号55が出力されて(図4(g))転
流動作が行われる。転流により、電機子巻線51bへの
通電方向が切り替えられ、界磁回転子51aに与えられ
る磁界の方向が矢印B方向となり(図8(f))、ブラ
シレスモータ51の逆方向(矢印L方向)回転が維持さ
れるのである。
【0115】スイッチSW1がオンの場合、界磁回転子
51aが、図8(a)の状態から180度回転した位置
に停止していても、前記極性判別の結果、通電開始第1
波が減極方向に行われるので、図8の場合と同様に、モ
ータ51は、最初正方向へ半回転した後、反転して逆方
向(矢印L方向)へ回転する。このように始動補償回路
7のスイッチSW1がオンの場合、ブラシレスモータ5
1は常に逆方向へ回転するのである。
【0116】最後に、定常運転時における転流動作につ
いて説明する。定常運転は、切替回路25のスイッチS
W2がスタートモードSTの状態で行われるので、アナ
ログスイッチAS2がオン、AS3がオフの状態となっ
ている。このためチェック波発振回路21の出力に代わ
って、コンパレータCP1の出力が単安定マルチバイブ
レータMM1,MM2へ出力される。
【0117】コンパレータCP1へは、電流検出回路4
の出力電圧と、増幅回路6により略1.8倍に増幅され
たサンプリング回路5の出力電圧とが出力される。両出
力電圧はコンパレータCP1により比較され、電流検出
回路4の出力電圧が増幅回路6の出力電圧より大となる
と、コンパレータCP1からハイ信号55が、2つの単
安定マルチバイブレータMM1,MM2へ出力される
(図4(g))。
【0118】単安定マルチバイブレータMM2は、コン
パレータCP1から出力されるハイ信号55の立ち上が
りパルスを入力して、ワンショットの転流指令57を2
進カウンタDL1及びデッドタイム発生回路DL2へ出
力する(図4(i))。2進カウンタDL1は、この転
流指令57の立ち上がりパルスを入力して、分配回路9
への各出力を反転する。一方、デッドタイム発生回路D
L2は、同様に、転流指令57の立ち上がりパルスを入
力して、短時間のロウパルス58を分配回路9へ出力す
る(図4(j))。
【0119】図9に示すように、2進カウンタDL1及
びデッドタイム発生回路DL2の出力を受けた分配回路
9は、デッドタイム発生回路DL2からロウパルス58
の出力される間(デッドタイムの間)、全出力u,v,
x,yをオフ状態にする。このデッドタイムの終了後、
分配回路9は、反転された2進カウンタDL1の出力に
対応して、デッドタイム前の出力状態を反転し、インバ
ータ回路3へ出力する。これによりインバータ回路3の
各トランジスタQu,Qv,Qx,Qyのオンオフ状態
がデッドタイム前と反転するので、単相ブラシレスモー
タ51の電機子巻線51bへの通電方向が切り替えられ
(図4(a))、転流動作が行われるのである。
【0120】電機子巻線の電流還流作用の終了後、転流
動作により電機子巻線には逆方向の電機子電流が流れる
(図4(b))。この時、電機子電流は電流検出回路4
のシャント抵抗Rsを同方向に流れるので(図4
(c))、シャント抵抗Rsにより電機子電流の絶対値
が電圧に変換される。電圧変換された電機子電流は、非
反転増幅器OP1,R1,VR1により増幅され、電流
検出回路4の出力電圧として、コンパレータCP1及び
サンプリング回路5へ出力される(図4(d))。
【0121】さて、コンパレータCP1からハイ信号5
5を受けた、もう1つの単安定マルチバイブレータMM
1は、そのハイ信号55の立ち上がりパルスを入力し
て、ワンショットのサンプリング指令56を出力する
(図4(h))。このサンプリング指令56は、リセッ
ト回路10へ出力され、コンパレータCP1の非反転入
力端の電圧レベルを0ボルトに擬制リセットする。コン
パレータCP1のハイ信号55は、非反転入力端の入力
電圧が反転入力端の入力電圧より大きくなった場合に出
力されるので、ハイ信号55の発生毎に、非反転入力端
の入力電圧を擬制リセットすることによって、コンパレ
ータCP1の出力が確実にリセットされる。従って、転
流動作毎に、転流指令57及びサンプリング指令56を
確実にリセットすることができる。
【0122】サンプリング指令56は、また、サンプリ
ング回路5へ出力される。このサンプリング指令56に
より、サンプリング回路5のアナログスイッチAS1が
オンされ、電流検出回路4の出力電圧がコンデンサC1
へ入力される。サンプリング指令56は、シャント電流
(図4(c))の上昇傾向が一旦弱まった位置(通常
は、転流周期の1/2〜2/3の範囲)で終了するよう
に、コンデンサC4及び抵抗R8によって設定されてお
り、このサンプリング指令56の立ち下がりのタイミン
グ(アナログスイッチAS1のオフタイミング)で電流
検出回路4の出力電圧がコンデンサC1に記憶される
(図4(e))。コンデンサC1に記憶された電圧値
は、サンプリング回路5の出力電圧として増幅回路6へ
出力され、増幅回路6によって略1.8倍に増幅され
て、コンパレータCP1へ出力される(図4(f))。
【0123】コンパレータCP1は、この増幅回路6の
出力電圧と(図4(f))、電流検出回路4の出力電圧
と(図4(d))を比較して、電流検出回路4の出力電
圧の方が大となった場合に、ハイ信号55を単安定マル
チバイブレータMM1,MM2へ出力する(図4
(g))。以降、このハイ信号55に基づいて、前記し
た動作が繰り返され、転流動作が行われる。これにより
ブラシレスモータ51が継続して回転される。
【0124】本駆動回路1では、電機子巻線51bに流
れる電流値の変化に基づいて転流動作を行っているの
で、ブラシレスモータ51を180度通電することがで
きる。これにより始動時等に大きなトルクを与えること
ができるので、始動開始後、短時間のうちに加速し、高
速回転に至らせることができる。なお、180度通電に
より、インバータ回路3の各トランジスタQu,Qv,
Qx,Qyの短絡が心配されるが、転流動作毎に、全ト
ランジスタQu,Qv,Qx,Qyがオフされるデッド
タイムを設けているので(図9)、各トランジスタQ
u,Qv,Qx,Qyのオフ動作に遅れがあっても、各
トランジスタQu,Qv,Qx,Qyを短絡させること
なく、180度通電を行うことができる。
【0125】なお、本実施例における請求項1記載の通
電制御回路としては、インバータ回路3、電流検出回路
4、サンプリング回路5、増幅回路6、始動補償回路
7、優先回路8、分配回路9、ゼロリセット回路10、
コンパレータCP1、単安定マルチバイブレータMM
1,MM2、2進カウンタDL1、デッドタイム発生回
路DL2が相当する。また、検査電圧通電回路として
は、チェック波発振回路21、単安定マルチバイブレー
タMM2、2進カウンタDL1、分配回路9、インバー
タ回路3が相当する。
【0126】請求項3記載の記憶回路としてはコンデン
サC10が、第2比較回路としてはコンパレータCP3
が、比較禁止回路としてはインバータIV3が、それぞ
れ相当する。
【0127】請求項5から7に記載の転流指令回路とし
ては、コンパレータCP1、単安定マルチバイブレータ
MM2が相当し、分配回路としては、2進カウンタDL
1、デッドタイム発生回路DL2、分配回路9が相当す
る。
【0128】請求項8記載の通電制御回路としては、イ
ンバータ回路3、電流検出回路4、サンプリング回路
5、増幅回路6、始動補償回路7、優先回路8、分配回
路9、ゼロリセット回路10、コンパレータCP1、単
安定マルチバイブレータMM1,MM2、2進カウンタ
DL1、デッドタイム発生回路DL2が相当する。ま
た、極性判別回路としては、チェック波発振回路21、
単安定マルチバイブレータMM2、2進カウンタDL
1、分配回路9、インバータ回路3、電流検出回路4、
比較回路22、判別回路23が相当する。
【0129】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0130】例えば、本実施例では、サンプリング回路
5により電流検出回路4の瞬時出力を抽出して、電流検
出回路4の出力電圧が、その抽出値の略1.8倍になっ
た場合に、転流動作を行うようにしていた。しかし、こ
れに代えて、電流検出回路4の出力電圧を平均化して記
憶し、電流検出回路4の出力電圧が、その記憶値の所定
倍(例えば、略2.0倍)になった場合に、転流動作を
行うようにしても良い。
【0131】
【発明の効果】 請求項1記載の単相ブラシレスモータ
のセンサレス駆動回路によれば、単相ブラシレスモータ
の停止時における界磁の極性が判別され、その判別され
た界磁の極性に基づいて設定された通電方向から第1波
の通電が開始される。よって、回転子に大きな始動トル
クを与えて、単相ブラシレスモータを的確に始動するこ
とができるという効果がある。また、界磁の極性判別
は、モータを停止したまま行われるので、極性の判別
後、直ちにモータを始動することができる。従って、単
相ブラシレスモータの始動を迅速に行うことができると
いう効果がある。
【0132】請求項2記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路によれば、請求項1記載の駆動回路の
奏する効果に加え、検査電圧は駆動時の周波数より大き
な周波数の交番電圧としているので、界磁の極性判別時
にロータが移動してしまうことがなく、界磁の極性を正
確に判別することができるという効果がある。また、極
性判別時にロータの振動を抑制できるので、ロータの振
動による異音の発生を防止することができるという効果
がある。
【0133】更に、図1に示すとおり、磁化力の増加が
大き過ぎると、磁気飽和領域に至り、透磁率μは却って
小さくなってしまう。かかる場合には正確な極性判別を
行うことはできない。しかし、請求項2記載の駆動回路
では、検査電圧を周波数の大きな交番電圧として、電機
子電流を小さくし、磁化力の変化量を小さくしている。
よって、磁気飽和領域に至ることなく、正確に極性判別
を行うことができるという効果がある。
【0134】請求項3記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路によれば、請求項1または2に記載の
駆動回路の奏する効果に加え、検査電圧通電時における
電機子電流値を正逆両方向とも記憶して比較するのでは
なく、一方(正方向)のみ記憶して他方(逆方向)と比
較するようにしているので、記憶回路の数を減少するこ
とができ、回路コストを低減することができるという効
果がある。また、一方(正方向)の記憶完了前、即ち、
記憶動作時には、両者の比較または比較結果の出力を禁
止しているので、一方の記憶動作中に比較結果が出力さ
れてしまうことがない。よって、一方の電機子電流値の
みを記憶する方式であっても、正確な比較結果を得るこ
とができるという効果がある。
【0135】請求項4記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路によれば、請求項1から3のいずれか
に記載の駆動回路の奏する効果に加え、正方向及び逆方
向における検査電圧通電時の電機子電流値の大小の判別
は、比較回路による複数回の比較結果に基づいて行われ
る。よって、外来ノイズなどに影響されることなく、大
小の判別を行うことができるので、より正確に極性判別
を行うことができるという効果がある。
【0136】請求項5記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路によれば、請求項1から4のいずれか
に記載の駆動回路の奏する効果に加え、通電制御回路の
各回路は、単相ブラシレスモータの駆動時に電機子に流
れる電機子電流値の変化に基づいて転流動作を行ってい
るので、電機子に生じる誘起電圧を検出し、その誘起電
圧に基づいて転流動作を行う誘起電圧方式ではできなか
った180度通電を行うことができる。よって、回転子
に対して始動時に大きなトルクを与えることができるの
で、始動後の単相ブラシレスモータを短時間のうちに高
速回転させることができるという効果がある。また、転
流動作毎にインバータ回路のスイッチング素子は所定時
間オフされるので、スイッチング素子にオンオフ動作の
遅れがある場合でも、180度通電によってスイッチン
グ素子を短絡させてしまうことがないという効果があ
る。
【0137】請求項6記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路によれば、請求項1から5のいずれか
に記載の駆動回路の奏する効果に加え、単相ブラシレス
モータの始動時には、始動補償回路から始動トルクを発
生させるために充分な値から時間の経過とともに逓減す
る転流目標電圧が出力されるので、始動時に始動トルク
を発生させるために充分な電機子電流を流すことがで
き、単相ブラシレスモータを的確に始動することができ
る。また、かかる始動補償回路から出力される転流目標
電圧を切り替えることにより、回転方向を反転させるこ
とができるので、単相ブラシレスモータを所望の方向へ
始動することができるという効果がある。
【0138】請求項7記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路によれば、請求項1から6のいずれか
に記載の駆動回路の奏する効果に加え、検査電圧通電時
における電機子電流値を検出する電流検出回路は、通電
制御回路の駆動時電流検出回路と少なくともその一部が
一体に構成されているので、両回路を共用することがで
きる。よって、その分、回路コストを低減することがで
きるという効果がある。
【0139】請求項8記載の単相ブラシレスモータのセ
ンサレス駆動回路によれば、単相ブラシレスモータの停
止時における界磁の極性が判別され、その判別された界
磁の極性に基づいて設定された通電方向から通電開始第
1波の通電が開始されるので、単相ブラシレスモータを
的確且つ迅速に始動することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電機子鉄心の直流磁化特性を示した図であ
る。
【図2】 電機子巻線に鎖交する磁束の状態を表した図
である。(a)は、電機子巻線への通電を行っていない
状態を表した図であり、(b)は、永久磁石界磁の界磁
束と加極方向に磁束が生じるように電機子巻線へ通電を
行った状態を示した図であり、(c)は、永久磁石界磁
の界磁束と減極方向に磁束が生じるように電機子巻線へ
通電を行った状態を示した図である。
【図3】 本発明の一実施例である単相ブラシレスモー
タのセンサレス駆動回路の回路図である。
【図4】 単相ブラシレスモータの駆動時における各波
形を示した図である。(a)は、電機子巻線への印加電
圧波形を示した図であり、(b)は、その電圧の印加に
より電機子巻線へ流れる電流波形を示した図であり、
(c)は、電流検出回路のシャント抵抗に流れる電流波
形を示した図であり、(d)は、電流検出回路の出力電
圧波形を示した図であり、(e)は、サンプリング回路
の出力電圧波形を示した図であり、(f)は、増幅回路
の出力電圧波形を示した図であり、(g)は、CP1の
出力電圧波形を示した図であり、(h)は、MM1の出
力電圧波形を示した図であり、(i)は、MM2の出力
電圧波形を示した図であり、(j)は、DL2の反転出
力端の電圧波形を示した図である。
【図5】 始動補償回路のSW1のオフ状態におけるC
P1への出力電圧波形を示した図である。
【図6】 始動補償回路のSW1のオフ状態における界
磁回転子の回転状態を示した図である。(a)は、正方
向回転の開始状態を示した図であり、(b)は、正方向
回転が進んだ状態を示した図であり、(c)は、正方向
回転が更に進んだ状態を示した図であり、(e)は、更
に進んだ正方向回転に合わせて転流動作が行われた状態
を示した図である。
【図7】 始動補償回路のSW1のオン状態におけるC
P1への出力電圧波形を示した図である。
【図8】 始動補償回路のSW1のオン状態における界
磁回転子の回転状態を示した図である。(a)は、正方
向回転の開始状態を示した図であり、(b)は、正方向
回転が進んだ状態を示した図であり、(c)は、正方向
回転が更に進んだ状態を示した図であり、(d)は、正
方向回転が更に進んだ結果、逆方向回転に移行する状態
を示した図であり、(e)は、逆方向回転が進んだ状態
を示した図であり、(f)は、更に進んだ逆方向回転に
合わせて転流動作が行われた状態を示した図である。
【図9】 2進カウンタ及び分配回路の出力と、その際
の電機子巻線への通電方向との関係を示した図である。
【図10】 界磁の極性判別動作を示したフローチャー
トである。
【図11】 界磁の極性判別動作時における各出力波形
を示した図である。(a)は、2進カウンタの出力端Q
の出力電圧波形を示した図であり、(b)は、電流検出
回路のシャント抵抗に流れる電流波形を示した図であ
り、(c)は、電流検出回路の出力電圧波形を示した図
であり、(d)は、比較回路のコンパレータの反転入力
端に入力される電圧波形を示した図であり、(e)は、
比較回路のコンパレータの出力電圧波形を示した図であ
る。
【図12】 停止時における界磁の極性と電機子電流値
との関係を示した図である。(a)は、停止時における
界磁の極性が左斜め上方向に向かう場合の図であり、
(b)は、停止時における界磁の極性が右斜め下方向に
向かう場合の図である。
【図13】 従来技術における単相ブラシレスモータの
構成を表した図である。
【図14】 従来技術における単相ブラシレスモータの
始動方式を示した図である。(a)および(a)’は、
界磁回転子の停止状態を図示しており、(b)及び
(b)’は、(a)又は(a)’の状態の界磁回転子
へ、電機子巻線への断続的な通電により磁界を与えた状
態を図示しており、(c)は、(b)又は(b)’の状
態から電機子巻線への断続的な通電が継続されることに
より界磁回転子が停止される状態を図示しており、
(d)は、(c)の状態で電機子巻線への断続的な通電
をオフすることにより界磁回転子が矢印方向へ回転する
状態を図示しており、(e)は、(d)の状態で界磁回
転子の振動が停止された後に、(b)(b)’及び
(c)とは逆方向に電機子巻線へ通電を行うことによ
り、矢印方向へ界磁回転子を回転させる状態を図示して
いる。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ駆動回路 2 補助電源回路 3 インバータ回路 4 電流検出回路(駆動時電流検出回
路) 5 サンプリング回路(駆動時記憶回
路) 6 増幅回路 7 始動補償回路 8 優先回路 9 分配回路 10 ゼロリセット回路 21 チェック波発振回路 22 比較回路 23 判別回路 24 通電方向設定回路(第1波通電方
向設定回路) 25 切替回路 50 直流電源 51 単相ブラシレスモータ 51a 界磁回転子 51b 電機子巻線(電機子) 56 サンプリング指令 57 転流指令 CP1 コンパレータ DL1 2進カウンタ DL2 デッドタイム発生回路 MM1,MM2 単安定マルチバイブレータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロック位置から所定の偏角をもって停止
    するように構成された単相ブラシレスモータと、その単
    相ブラシレスモータの電機子に交番電圧を通電するため
    の複数のスイッチング素子を有するインバータ回路と、
    そのインバータ回路のスイッチング素子をオンオフさせ
    て転流を行い、前記単相ブラシレスモータを回転させる
    通電制御回路とを備えた単相ブラシレスモータのセンサ
    レス駆動回路において、 前記電機子へ正方向及び逆方向の検査電圧を通電する検
    査電圧通電回路と、 その検査電圧通電回路の検査電圧の通電により前記電機
    子へ流れる電流を電圧に変換して検出する電流検出回路
    と、 その電流検出回路により検出された正方向の検査電圧通
    電時における電機子電流値と逆方向の検査電圧通電時に
    おける電機子電流値との大小を比較する比較回路と、 その比較回路による比較の結果、前記通電制御回路の通
    電開始第1波の通電方向を、電機子電流値の大きい方の
    検査電圧と同方向に設定する第1波通電方向設定回路と
    を備えていることを特徴とする単相ブラシレスモータの
    センサレス駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記検査電圧通電回路は、検査電圧とし
    て前記単相ブラシレスモータの駆動時における周波数よ
    り大きな周波数の交番電圧を出力することを特徴とする
    請求項1記載の単相ブラシレスモータのセンサレス駆動
    回路。
  3. 【請求項3】 前記比較回路は、正方向の検査電圧通電
    時に電機子電流の最大値を記憶する記憶回路と、その記
    憶回路に記憶された電機子電流値と逆方向の検査電圧通
    電時における電機子電流値との大小を比較する第2比較
    回路とを備え、 更に、前記記憶回路による記憶動作時には、前記第2比
    較回路による比較又は出力を禁止する比較禁止回路とを
    備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路。
  4. 【請求項4】 前記比較回路の複数回の比較結果に基づ
    いて、正方向の検査電圧通電時における電機子電流値と
    逆方向の検査電圧通電時における電機子電流値との大小
    を判別し、その判別結果を前記比較回路の比較結果とし
    て前記第1波通電方向設定回路へ出力する判別回路を備
    えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載の単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路。
  5. 【請求項5】 前記通電制御回路は、前記単相ブラシレ
    スモータの駆動時に前記電機子に流れる電流を電圧に変
    換して検出する駆動時電流検出回路と、その駆動時電流
    検出回路の瞬時値又は平均値を記憶する駆動時記憶回路
    と、前記駆動時電流検出回路の出力が前記駆動時記憶回
    路の記憶値の所定倍となった場合に転流指令を出力する
    転流指令回路と、その転流指令回路から出力される転流
    指令に応じて前記インバータ回路のスイッチング素子を
    オンオフさせて前記インバータ回路に転流を行わせる分
    配回路とを備えており、 前記分配回路は、前記インバータ回路を介して前記電機
    子に180度通電を行うとともに、転流動作毎に前記イ
    ンバータ回路のスイッチング素子を所定時間オフするデ
    ッドタイム発生回路を備えていることを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載の単相ブラシレスモータの
    センサレス駆動回路。
  6. 【請求項6】 前記通電制御回路は、前記単相ブラシレ
    スモータの駆動時に前記電機子に流れる電流を電圧に変
    換して検出する駆動時電流検出回路と、その駆動時電流
    検出回路の瞬時値又は平均値を記憶する駆動時記憶回路
    と、前記駆動時電流検出回路の出力が前記駆動時記憶回
    路の記憶値の所定倍となった場合に転流指令を出力する
    転流指令回路と、その転流指令回路から出力される転流
    指令に応じて前記インバータ回路のスイッチング素子を
    オンオフさせて前記インバータ回路に転流を行わせる分
    配回路とを備えており、 前記単相ブラシレスモータの始動時に、その単相ブラシ
    レスモータの始動トルクを発生させるために充分な値か
    ら時間の経過とともに逓減する転流目標電圧を前記転流
    指令回路へ出力する始動補償回路を備え、前記転流指令
    回路は前記駆動時電流検出回路の出力が前記始動補償回
    路の出力の所定倍となった場合に転流指令を出力するも
    のであり、前記始動補償回路は時定数の異なる2種類の
    転流目標電圧を出力し得るように構成されていることを
    特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の単相ブラ
    シレスモータのセンサレス駆動回路。
  7. 【請求項7】 前記通電制御回路は、前記単相ブラシレ
    スモータの駆動時に前記電機子に流れる電流を電圧に変
    換して検出する駆動時電流検出回路と、その駆動時電流
    検出回路の瞬時値又は平均値を記憶する駆動時記憶回路
    と、前記駆動時電流検出回路の出力が前記駆動時記憶回
    路の記憶値の所定倍となった場合に転流指令を出力する
    転流指令回路と、その転流指令回路から出力される転流
    指令に応じて前記インバータ回路のスイッチング素子を
    オンオフさせて前記インバータ回路に転流を行わせる分
    配回路とを備えており、 前記駆動時電流検出回路と前記電流検出回路とは少なく
    ともその一部が一体に構成されていることを特徴とする
    請求項1から6のいずれかに記載の単相ブラシレスモー
    タのセンサレス駆動回路。
  8. 【請求項8】 ロック位置から所定の偏角をもって停止
    するように構成された単相ブラシレスモータと、その単
    相ブラシレスモータの電機子に交番電圧を通電するため
    の複数のスイッチング素子を有するインバータ回路と、
    そのインバータ回路のスイッチング素子をオンオフさせ
    て転流を行い、前記単相ブラシレスモータを回転させる
    通電制御回路とを備えた単相ブラシレスモータのセンサ
    レス駆動回路において、 前記単相ブラシレスモータの停止時における界磁の極性
    を判別する極性判別回路と、 その極性判別回路により判別された界磁の極性に基づい
    て前記通電制御回路の通電開始第1波の通電方向を設定
    する第1波通電方向設定回路とを備えていることを特徴
    とする単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路。
JP9055236A 1997-03-10 1997-03-10 単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路 Pending JPH10257792A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9055236A JPH10257792A (ja) 1997-03-10 1997-03-10 単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9055236A JPH10257792A (ja) 1997-03-10 1997-03-10 単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10257792A true JPH10257792A (ja) 1998-09-25

Family

ID=12992982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9055236A Pending JPH10257792A (ja) 1997-03-10 1997-03-10 単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10257792A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6531843B2 (en) 2000-08-30 2003-03-11 Hitachi, Ltd. Driving system of AC motor
WO2008120734A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-09 Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd. ブラシレスモータ制御装置、およびブラシレスモータ制御方法
WO2008120737A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-09 Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd. ブラシレスモータ、ブラシレスモータ制御システム、およびブラシレスモータ制御方法
US7902776B2 (en) 2006-03-24 2011-03-08 EBM-PAPST St. Beorgen GmbH and Co. KG Method and arrangement for sensorless operation of an electronically commutated motor
JPWO2020208786A1 (ja) * 2019-04-11 2021-10-28 三菱電機株式会社 モータ駆動装置、電動送風機、電気掃除機及びハンドドライヤ
IT202100026357A1 (it) 2021-10-15 2022-01-15 Fise Spa Metodo per l’avviamento e il controllo di un motore brushless monofase

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6531843B2 (en) 2000-08-30 2003-03-11 Hitachi, Ltd. Driving system of AC motor
US7902776B2 (en) 2006-03-24 2011-03-08 EBM-PAPST St. Beorgen GmbH and Co. KG Method and arrangement for sensorless operation of an electronically commutated motor
WO2008120734A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-09 Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd. ブラシレスモータ制御装置、およびブラシレスモータ制御方法
WO2008120737A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-09 Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd. ブラシレスモータ、ブラシレスモータ制御システム、およびブラシレスモータ制御方法
US8084975B2 (en) 2007-03-30 2011-12-27 Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd. Brushless motor, brushless motor control system, and brushless motor control method
US8106612B2 (en) 2007-03-30 2012-01-31 Shindegen Electric Manufacturing Co., Ltd. Brushless motor control device and brushless motor control method
JPWO2020208786A1 (ja) * 2019-04-11 2021-10-28 三菱電機株式会社 モータ駆動装置、電動送風機、電気掃除機及びハンドドライヤ
CN113647012A (zh) * 2019-04-11 2021-11-12 三菱电机株式会社 电机驱动装置、电动送风机、电动吸尘器以及干手器
IT202100026357A1 (it) 2021-10-15 2022-01-15 Fise Spa Metodo per l’avviamento e il controllo di un motore brushless monofase

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7590334B2 (en) Motor controller
US20020171388A1 (en) Apparatus for driving three-phase half-wave drive brushless motor
JP4614728B2 (ja) モータの駆動制御装置および起動方法
JPH07118944B2 (ja) ブラシレス直流モ−タ
JPS59149780A (ja) モ−タ駆動装置
JP2009131105A (ja) モータの駆動回路
JPH10257792A (ja) 単相ブラシレスモータのセンサレス駆動回路
WO1992009138A1 (en) Dc motor
JP2000102283A (ja) 単相ブラシレスモータ、及び、その単相ブラシレスモータの磁極位置判別回路
JPH11316249A (ja) 電流検出回路および過電流保護回路
JP3692923B2 (ja) モータドライバ
JP5257661B2 (ja) 同期モータの制御方法及び制御装置
JP3477830B2 (ja) 車両用発電機の制御装置
JP2001345682A (ja) 三角波発生回路、pwm制御装置及び電動パワーステアリング装置
CN108475920B (zh) 电动机控制装置
JP3427251B2 (ja) センサレスモータの回転子位置検出装置及びその方法
JP2000354390A (ja) 単相ブラシレスモータ
JPH0799796A (ja) ステッピングモータの駆動装置
JP2573071B2 (ja) センサレスモータの起動方式
JP2005176457A (ja) ブラシレスモータの位置検出回路
JP6951008B1 (ja) センサレスモータの回転子位置検出方法及びセンサレスモータ駆動方法
JP3239150B2 (ja) 三相dcブラシレスモ−タ
JP2573075B2 (ja) センサレスモ−タの起動方式
JPH09166610A (ja) モータの回転異常検出装置
JPS5951237B2 (ja) 直流ブラシレスモ−タ