JP3393367B2 - センサレスモータの回転子位置検出装置及びその方法 - Google Patents

センサレスモータの回転子位置検出装置及びその方法

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JP3393367B2
JP3393367B2 JP03706198A JP3706198A JP3393367B2 JP 3393367 B2 JP3393367 B2 JP 3393367B2 JP 03706198 A JP03706198 A JP 03706198A JP 3706198 A JP3706198 A JP 3706198A JP 3393367 B2 JP3393367 B2 JP 3393367B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転位置センサ
なしで動作するセンサレス・スイッチドリラクタンスモ
ータ(以下センサレスSRモータと称す)の回転子の位
置を検出する装置及び方法に関するものであり、特に回
転子と固定子の位置関係によって変化する固定子巻線の
インダクタンスの変化から、固定子巻線に生じる回生電
流の影響を避けて回転子の位置を検出することに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図8は従来の一般的なSRモータとその
駆動回路を示すものである。1は固定子、3は巻線、5
は回転軸4を中心として回転する回転子である。固定子
1は、6個の固定子突極2と3組の巻線3(簡単の為に
一対のU相U1、U2だけを図示している)で構成され
ている。回転子5は積層鋼板で構成され、回転子5の回
転軸4から外方向へ放射状に延び、回転子5の周辺部を
中心にして円周方向に一様な間隔で4個の回転子突極6
を構成している。回転子5と同様に、固定子1も積層鋼
板で構成されている。
【0003】直径方向に相対する固定子突極2における
巻線3は、同一方向に磁界を発生するように直列接続さ
れて相巻線を構成しており、巻線数は3個(U、V、
W)である。簡単のためにコイル組のV、Wは図示して
いないが、それらの相巻線に組み合わされる固定子突極
に「V」、「W」の符号がつけられている。
【0004】7はSRモータを駆動する駆動回路であ
り、SRモータのU相巻線U1とU2を励磁するために
用いられる基本的な電気回路だけを図示している。8
a、8bはU相巻線3に流れる電流をON、OFFする
一対のトランジスタ、9a、9bはトランジスタ8a、
8bがOFFしたときに発生する逆起電力を回生する方
向に流すためのダイオード、10はSRモータを駆動す
るための電流を供給する電源である母線電圧、11は回
転子5の回転位置を検出する位置検出センサ、12はト
ランジスタ対8a、8bのON−OFFを制御する制御
回路である。
【0005】次に、動作について図8、図9により説明
する。SRモータの場合、固定子突極2が励磁されるこ
とにより回転子突極6が磁気抵抗が最小となる向きに回
転子5が磁気吸引され回転するため、励磁された固定子
突極2の磁極には依存しない。従って、駆動回路7から
供給される電流は一方向の電流だけでいいことになる。
そして、相巻線U、V、Wを順次励磁し、回転子突極6
を固定子の励磁されている突極2に同期して向き合わせ
ることにより回転子5を回転させる。
【0006】まず、U相巻線3に対しては、トランジス
タ対8a、8bがONすると、電源10→トランジスタ
8a→巻線U1とU2→トランジスタ8bの順に電流が
流れる。トランジスタ対8a、8bがOFFすると、巻
線U1とU2に逆起電力が発生する。この逆起電力のエ
ネルギーは、ダイオード9a→巻線U1とU2→ダイオ
ード9bを通って回生される。この励磁動作は各巻線
U、V、Wに対して順次行われ、モータとしての回転動
作を行う。トランジスタ対8a、8bのON−OFFの
切り替えるタイミングは、回転子5の回転位置を検出す
る位置検出センサ11からの情報をもとに制御回路12
によって行われる。
【0007】図9(a)〜(d)は、固定子突極2と回
転子突極6の位置関係をあらわしたものである。U相を
基準に説明すると、図9(a)のように固定子突極2と
回転子突極6が離れているときにU相に電圧を印加する
と、固定子突極2が励磁され磁気吸引力により固定子突
極2に最も近い回転子突極6が磁気吸引される。磁気吸
引によって、図9(b)のように固定子突極2に回転子
突極6が近づいていく。さらに固定子突極2に回転子突
極6が近づき、図9(c)のように固定子突極2と回転
子突極6が向かい合う。このとき、回転子突極6に働く
吸引力は直径方向のみとなり回転子5を回転させるトル
クは発生しない。さらに、図9(d)のように回転子5
が回転すると、ふたたび、回転子突極6に回転方向の力
が働き、回転子5に回転トルクが発生する。この時発生
する回転トルクは、図9(a)〜(c)と反対に方向と
なる。回転子5が時計方向に回転しているとすれば、そ
の回転を停止する制動力となる。
【0008】回転子5を一方向に回転させるためには、
常に同じ方向のトルクが発生するようにしなければなら
ない。そこで、図9(c)のように固定子突極3と回転
子突極6が向かい合う前に固定子突極3の励磁を停止し
なければならない。このように、SRモータを一定方向
に回転するためには、回転子突極6に対する固定子突極
2の位置に同期して、固定子巻線3に通電するタイミン
グを切り換えなければならない。このため、従来は回転
子4の位置を検出するために、レゾルバ等の位置検出セ
ンサ11によって回転子5の位置を検出し、その回転子
位置信号を制御回路12へ帰還することにより、固定子
突極巻線3を回転子5の位置に同期して通電していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のSRモ
ータ駆動装置のように、位置検出センサ11を設けるこ
とにより、SRモータから出てくる結線が増えるため、
例えば、圧縮機のような特殊な空間内で動かす場合は、
その内と外を結ぶための端子の数が増してしまい形状や
コストの面で制約を受けてしまう。このため、その位置
検出センサ11を不要とすることが望ましい。
【0010】SRモータの場合、DCモータのように回
転子5にマグネットがないため固定子巻線3と鎖交する
磁束の変化を利用することはできない。そこで、固定子
突極2に対する回転子突極6の位置によって固定子突極
2の巻線3のインダクタンスが変化するというSRモー
タの特性を利用して回転子突極6の位置を検出すること
ができる。
【0011】図10は回転子突極の回転角に対する固定
子突極巻線のインダクタンスの一般的な変化を示したも
のである。図10の回転角θ1はインダクタンスが最小
で、固定子突極と回転子突極の位置関係は図9(a)の
ようになっている。そこから図9(b)のように時計方
向に回転すると、図10のθ2のように固定子突極巻線
のインダクタンスは増加していく。図9(c)の位置で
は、図10のθ3のように最大値となる。さらに図9
(d)のように回転させると、図10のθ4のようにイ
ンダクタンスは減少していく。このように、固定子突極
に対する回転子突極の位置によって固定子突極の巻線イ
ンダクタンスの大きさは、図10のように周期的に、固
定子突極2に対する回転子突極6の位置によって固定子
突極2の巻線3のインダクタンスが変化するというSR
モータの特性を利用して回転子突極6の位置を検出する
ことができる。
【0012】従って、固定子巻線を励磁するときの固定
子突極に対する回転子突極の位置をあらかじめ決めてお
き、その時の固定子巻線のインダクタンスを求め、その
値に達したときの固定子突極を励磁するタイミングを作
るようにすれば、図8の位置検出センサ11を設けなく
ても回転子突極に同期して固定子突極を励磁することが
できる。
【0013】このように、インダクタンスの値が分かれ
ば、固定子突極に対する回転子突極の位置を推定するこ
とができるが、図10からも分かるように回転子突極角
θ3を中心に対称的になっているため、インダクタンス
の値から一義的に回転子突極の位置を検出することはで
きない。しかし、SRモータの駆動タイミング上、任意
の固定子突極を励磁しているときは、その直前に励磁し
ていた固定子突極の巻線インダクタンスは減少している
ので、この期間にインダクタンスの値を検出すれば、固
定子突極に対する回転子突極の位置が一義的に決まって
くる。
【0014】このように、SRモータの特性を生かし、
固定子突極巻線のインダクタンスを検出することにより
回転子突極の位置を検出したものとして、例えば、特表
平8−501920号公報に記載されたシャフト位置セ
ンサ無しでの切替式反作用モータの回転子位置感知装置
では、SRモータの励磁していない固定子突極巻線に連
続的に変動する信号を印加し、その結果、出力される電
流の振幅や位相を検出して回転子の位置を検出してい
る。しかし、連続的に変動する信号やそれを増幅するた
めの回路が必要になり、また、それらの信号を励磁して
いない固定子突極巻線に接続するための切換回路などが
必要となり、回路が複雑になってしまうという問題があ
った。
【0015】また、SRモータの場合、固定子巻線3に
駆動電圧を印加すると、固定子巻線3には磁気エネルギ
ーが蓄えられ、その後、駆動電圧の印加を遮断すると、
蓄えられた磁気エネルギーを消費するために電流がダイ
オード対9a、9bを通って母線電圧10に回生される
回生期間がある。この回生期間は、固定子突極巻線のイ
ンダクタンスを検出して回転子突極の位置を検出する場
合に影響あることが考えられる。
【0016】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、専用の回転位置検出センサを
用いることなしに、簡単な回路により、固定子巻線に生
じる回生電流への影響を避けて回転子の位置を検出する
センサレスSRモータの回転子位置検出装置及びその方
法を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるセンサ
レスモータの回転子位置検出装置は、固定子巻線に印加
された駆動電圧を遮断したときに、回生電流が流れる回
生期間が終了した後に、ステップ関数信号を発生するス
テップ関数信号発生回路と、電源と前記固定子巻線の間
に接続され、過渡応答時の時定数を定める抵抗と、前記
電源から印加された電圧を前記ステップ関数信号に基づ
いてステップ関数電圧として、前記固定子巻線及び前記
抵抗に印加するスイッチと、前記ステップ関数電圧によ
り前記固定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電
圧または電流を検出するインダクタンス検出回路と、こ
のインダクタンス検出回路により検出された前記検出電
圧または検出電流と回転子突極の位置に対応してあらか
じめ定められた電圧または電流とに基づいて、前記回転
子突極の位置を検出する回転位置検出回路と、を備え
る。
【0018】また、固定子巻線に印加された駆動電圧を
遮断したときに、回生電流が流れる回生期間の終了を検
知する回生期間終了検知回路と、この回生期間終了検知
回路からの検出信号に基づいて、ステップ関数信号を発
生するステップ関数信号発生回路と、電源と前記固定子
巻線の間に接続され、過渡応答時の時定数を定める抵抗
と、前記電源から印加された電圧を前記ステップ関数信
号に基づいてステップ関数電圧として、前記固定子巻線
及び前記抵抗に印加するスイッチと、前記ステップ関数
電圧により前記固定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応
答時の電圧または電流を検出するインダクタンス検出回
路と、このインダクタンス検出回路により検出された
検出電圧または検出電流と回転子突極の位置に対応し
てあらかじめ定められた電圧または電流とに基づいて、
前記回転子突極の位置を検出する回転位置検出回路と、
を備える。
【0019】また、ステップ関数信号を発生するステッ
プ関数信号発生回路と、電源と固定子巻線の間に接続さ
れ、過渡応答時の時定数を定める抵抗と、前記電源から
印加された電圧を前記ステップ関数信号に基づいてステ
ップ関数電圧として、前記固定子巻線及び前記抵抗に印
加するスイッチと、前記固定子巻線に印加された駆動電
圧を遮断したときに生じた回生電圧または電流をあらか
じめ定められたレベルとを比較して検出信号を出力する
とともに、前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線
及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧または電流を検
出するインダクタンス検出回路と、前記インダクタンス
検出回路からの前記検出信号により、前記回生電圧また
は電流の回生期間終了を判断し、前記ステップ関数信号
発生回路を駆動させる制御回路と、前記インダクタンス
検出回路により出力された前記検出電圧または検出電流
と回転子突極の位置に対応してあらかじめ定められた電
圧または電流の値とに基づいて、前記回転子突極の位置
を検出する回転位置検出回路と、を備える。
【0020】また、ステップ関数信号を発生するステッ
プ関数信号発生回路と、電源と固定子巻線の間に接続さ
れ、過渡応答時の時定数を定める抵抗と、前記電源から
印加された電圧を前記ステップ関数信号に基づいてステ
ップ関数電圧として、前記固定子巻線及び前記抵抗に印
加するスイッチと、前記ステップ関数電圧により前記固
定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧または
電流を検出するインダクタンス検出回路と、前記固定子
巻線に印加された駆動電圧を遮断した後に、2番目に駆
動電圧が印加される固定子巻線に駆動電圧が印加された
ときに、前記ステップ関数信号発生回路を駆動させる制
御回路と、前記インダクタンス検出回路により出力され
た前記電圧または電流と回転子突極の位置に対応してあ
らかじめ定められた電圧または電流の値とに基づいて、
前記回転子突極の位置を検出する回転位置検出回路と
を備える。
【0021】また、センサレスモータの回転子位置検出
方法は、固定子巻線に印加された駆動電圧を遮断したと
きに、回生電流が流れる回生期間が終了した後に、ステ
ップ関数信号を発生させ、電源から印加された電圧を前
記ステップ関数信号に基づいてステップ関数電圧とし
て、過渡応答時の時定数を定める抵抗を介して前記固定
子巻線に印加し、前記ステップ関数電圧により前記固定
子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧または電
流と回転子突極の位置に対応してあらかじめ定められた
電圧または電流とに基づいて、前記回転子突極の位置を
検出するものである。
【0022】また、固定子巻線に印加された駆動電圧を
遮断した後に、2番目に駆動電圧が印加される固定子巻
線に駆動電圧が印加されたときに、ステップ関数信号を
発生させ、電源から印加された電圧を前記ステップ関数
信号に基づいてステップ関数電圧として、過渡応答時の
時定数を定める抵抗を介して前記固定子巻線に印加し、
前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
抗に生じた過渡応答時の電圧または電流と回転子突極の
位置に対応してあらかじめ定められた電圧または電流と
に基づいて、前記回転子突極の位置を検出するものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 以下、実施の形態1を図を用いて説明する。図1は実施
の形態1である回転子位置検出装置を備えたセンサレス
SRモータの駆動装置の構成図であり、説明をし易くす
るため、1相について示している。図2は固定子巻線の
駆動電圧による回生期間とステップ信号の関係を説明す
る動作波形図、図3は固定子巻線に印加される駆動電圧
と固定子巻線に流れる駆動電流及び回生期間終了検知回
路の入出力電圧の波形図である。図1において8aは固
定子巻線3の一端と母線電圧10間に接続されたトラン
ジスタ、8bは固定子巻線3の一端とGND間に接続さ
れたトランジスタ、9aは固定子巻線3の一端とGND
間に接続されたダイオード、9bは固定子巻線3の他端
と母線電圧10の間に接続されたダイオード、19は検
出用電源、18はトランジスタ対8a、8bを固定子巻
線励磁信号によってON−OFFさせる制御回路であ
る。
【0024】25はセンサレスSRモータの回転子の位
置を検出する回転子位置検出装置であり、固定子巻線3
の一端と検出用電源19との間にトランジスタ8aと並
列に接続された抵抗13、ステップ関数信号を発生する
ステップ関数信号発生回路17、固定子巻線3の他端に
トランジスタ8bと並列に接続されるとともに、抵抗1
3と固定子巻線3と直列に接続され、ステップ関数信号
発生回路17から出力されたステップ関数信号に基づい
てON−OFFされ、検出用電源19をステップ関数電
圧として固定子巻線に印加するスイッチング素子である
トランジスタ14、入力された電圧Vから回生期間が終
了したことを検知する回生期間終了検知回路31、抵抗
13と固定子巻線3との接続点から接続され、ステップ
関数電圧により固定子巻線3のインダクタンスに対応し
た電圧として検出するインダクタンス検出回路16、イ
ンダクタンス検出回路16から出力された電圧とあらか
じめ設定された回転子突極6の位置に対応した電圧に基
づいて、回転子突極6の位置を表す信号を出力する回転
位置検出回路15、母線電圧10の影響を無くすために
検出用電源19に逆電流を流さないための整流子20か
らなる。
【0025】次に、動作について図1〜図3により説明
する。まず、ステップ関数信号発生回路17の出力電圧
がONとなると、トランジスタ14がONとなり、検出
用電源19から抵抗13、固定子巻線3及びダイオード
20を通ってトランジスタ14に電流が流れる。この時
流れる電流によりインダクタンス検出回路16及び回生
期間終了検知回路31に入力される電圧Vは、 V=Vcc×exp(−R×t/L) …(1) となる。ここで、Vccは、検出用電源19の電圧値、
Rは検出用電源19と固定子巻線3との間に接続された
抵抗13の抵抗値、tはトランジスタ14がONしてか
らの経過時間、Lは固定子巻線3のインダクタンスであ
る。
【0026】そして、(1)式より検出用電源19の電
圧Vccと抵抗13の抵抗値Rとトランジスタ14がO
Nしてからの経過時間tがわかれば、Vより固定子巻線
3のインダクタンスLを推定することができる。
【0027】この経過時間tを検出時間とし、このとき
の電圧Vの値を過度時の電圧Vsensとする。そし
て、あらかじめ、固定子突極2と回転子突極6の位置関
係と、その時のVsensの関係を求めておく。
【0028】ここで、固定子巻線3に駆動電圧を印加し
た後に、駆動電圧の印加を遮断すると、生じる回生電流
とステップ関数信号の影響について図2により説明す
る。図2(a)は固定子巻線駆動電圧波形図、図2
(b)はステップ関数信号発生回路信号がない場合の固
定子巻線駆動電流波形図、図2(c)はステップ関数信
号発生回路信号がある場合の固定子巻線駆動電流波形
図、図2(d)は固定子巻線インダクタンスの波形図で
ある。
【0029】SRモータでは、U、V、Wのいずれか一
つの相の固定子巻線3に対する駆動電流はトランジスタ
対8a、8bがONすると、母線電圧10→トランジス
タ8a→固定巻線3→トランジスタ8bの順に電流が流
れ、固定子巻線3には磁気エネルギーが蓄えられる。そ
の後、トランジスタ対8a、8bがOFFすると、蓄え
られた磁気エネルギーを消費するために固定子巻線3に
逆起電力が発生する。この逆起電力のエネルギーは、ダ
イオード9a→固定巻線3→ダイオード9bを通って母
線電圧10に回生される。そして、回生が終了すると回
生電流が流れなくなるためにダイオード9a、9bがO
FF状態になり、検出用電源19→抵抗13→ダイオー
ド20→固定子巻線3→トランジスタ14の回路とな
る。
【0030】このように、駆動回路のトランジスタ対8
a、8b、ダイオード9a、9bをが全てOFF状態に
なり、固定子巻線が浮いた状態になっている期間で検出
する固定子巻線3のインダクタンスが変化している期間
は検出可能期間である。
【0031】この回生期間中にステップ関数信号発生回
路17よりステップ関数信号を印加し、ステップ関数信
号に基づいたステップ関数電圧が固定子巻線3に印加さ
れると、このステップ関数電圧により、固定子巻線に磁
気エネルギーが蓄えられ、さらに、ステップ関数信号の
回数を増して印加すると、図2(c)に示すように回生
期間が、図2(b)に示すステップ関数信号発生回路信
号がない場合の回生期間より延びてしまう。
【0032】このため、センサレスSRモータをスムー
ズに回転するために電流を流さないようにする期間(制
動期間)にも回生電流が流れてしまい、センサレスSR
モータに制動をかけてしまうことや、位置を検出するた
めの検出可能期間が短くなる可能性が考えられる。
【0033】このような影響を避けるためになされたの
が本実施の形態であり、次に図3により説明する。図3
(a)は固定子巻線駆動電圧波形図、図3(b)は固定
子巻線インダクタンス波形図、図3(c)は固定子巻線
駆動電流波形図、図3(d)は回生期間終了検知回路入
力電圧波形図、図3(e)は回生期間終了検知回路出力
電圧波形図、図3(f)はステップ関数信号波形図であ
る。
【0034】まず、駆動電圧が固定子巻線3に印加され
ると、図3(a)に示すように、固定子巻線の駆動電圧
が非駆動時となっても、固定子巻線3に流れる駆動電流
は図3(c)に示すように固定子巻線3に蓄えられた磁
気エネルギーがダイオード対9a、9bを通って回生さ
れ電流が流れる。この電流が流れている期間は回生期間
であり、これを避けて検出可能な検出可能期間は固定子
巻線駆動電圧がOFFとなり、図3(b)に示すように
インダクタンスが変化している期間である。
【0035】次にセンサレスSRモータが駆動中に回生
期間終了検知回路31に入力されるが、入力電圧は図3
(d)に示すようになる。すなわち、固定子巻線3に駆
動電圧を印加中は、通常は検出用電源9の電圧値Vcc
より駆動電圧10の電圧Vbの方が高い電圧になってい
るため、回生期間終了検知回路31の電圧は検出用電源
19の電圧値Vccとなっている。固定子巻線3に印加
されている駆動電圧が遮断されると、溜まった磁気エネ
ルギーを回生するため回生電流はダイオード9aから固
定子巻線3を通りダイオード9bから母線電圧10に回
生される。この時は、ダイオード9aがONしているた
め、ほぼGND電圧(0V)となる。回生が終了して、
回生電流が流れなくなるとダイオード9aがOFFする
ため、回生期間終了検知回路31の電圧は、検出用電源
19の電圧値Vccとなる。
【0036】ここで、回生期間が終了と判断できる電流
値を設定し、その電流値に相当する検出レベルを設定す
れば、この検出レベルになったことを検知することによ
り、回生期間終了を判断できる。これにより、ステップ
関数信号発生回路17を駆動すれば、回生期間を延長す
ることなくステップ関数電圧による回転子の位置検出を
行うことができる。
【0037】すなわち、回生期間終了検知回路31は、
回生期間終了検知回路31への入力電圧に対して図3
(d)に示すように回生期間が終了と判断できる電流値
に相当する検出レベルをVsと設定すると、回生期間終
了検知回路31の出力電圧は図3(e)に示すようにV
sとなったときに立ち上がりエッジとなる。そして、こ
の立ち上がりエッジを検知して、制御回路18に検出信
号を出力する。制御回路18はステップ関数信号発生回
路17にステップ関数信号を発信させるための発信可能
信号を発信する。そして、ステップ関数信号発生回路1
7は、図3(f)に示すようにステップ関数信号を出力
する。
【0038】次に、インダクタンス検出回路16では、
入力された電圧Vから検出時間後の電圧Vsensを出
力する。出力された電圧Vsensは、固定子突極2に
対する回転子突極6の位置に対応した値となる。回転位
置検出15では、インダクタンス検出回路16から出力
された電圧Vsensとあらかじめ設定された固定子突
極2と回転子突極6の位置関係に相当する電圧との比較
をし、あらかじめ設定された固定子突極2と回転子突極
6の位置に相当する位置を検出し位置検出信号を制御回
路18に送る。
【0039】そして、制御回路18は送られた位置検出
信号から固定子突極を励磁するタイミングを計算しトラ
ンジスタ対8a、8bをONまたはOFFする信号をト
ランジスタ対8a、8bに出力する。同じように、V相
とW相も同じように行う。
【0040】以上のように、回転位置検出センサを用い
ることなしに、電圧Vの値と検出レベルとの比較を行う
だけの簡単で、安価な回路を追加するだけで、回生電流
への影響(回生期間を延ばす)を避けてセンサレスSR
モータの特性を変えることなく、信頼性が高く、回転子
の位置を検出することができる。
【0041】実施の形態2. 以下、実施の形態2を図を用いて説明する。図4は実施
の形態である回転子位置検出装置を備えたセンサレス
SRモータの駆動装置の構成図、図5は図4のインダク
タンス検出回路の構成図であり一般的な検出回路であ
る。図6は固定子巻線の駆動電圧と電流の波形図及びイ
ンダクタンス検出回路の動作波形図である。図4、5に
おいて実施の形態1で示した図1と同一または相当部分
には、同じ符号を付し、説明を省略する。21はOPア
ンプである。22、23、24はOPアンプ21に接続
され、インダクタンス回路16の検出レベルを設定して
いる抵抗、29はOPアンプ21の出力を波形整形及び
信号反転して出力するインバータである。32はインダ
クタンス検出回路16からの入力信号により回生期間終
了を検知するとともに固定子巻線励磁信号を出力する制
御回路である。
【0042】次に、動作について図4〜図6により説明
する。図6(a)は固定子巻線駆動電圧波形図、図6
(b)は固定子巻線インダクタンス波形図、図6(c)
は固定子巻線駆動電流波形図、図6(d)はインダクタ
ンス検出回路入力電圧波形図、図6(e)はインダクタ
ンス検出回路出力電圧波形図、図6(f)はステップ関
数信号波形図である。
【0043】センサレスSRモータは制御回路18から
の固定子巻線励磁信号によりトランジスタ対8a、8b
がONとなり、母線電圧10から固定子巻線に電流が供
給される。このとき、固定子巻線3の駆動電圧と駆動電
流は、図6(a)、(c)に示されるが、固定子巻線3
の駆動電圧が非駆動時となっても、固定子巻線3に流れ
る駆動電流は図6(c)に示すよう回生電流が流れる回
生期間があり、検出可能期間は固定子巻線が非駆動時
で、図6(b)に示すようにインダクタンスが変化して
いる期間である。
【0044】この検出可能期間に固定子巻線3のインダ
クタンスの変化を検出して回転子の位置を検出するので
あるが、まず、ステップ関数信号発生回路17の出力電
圧がONとなると、トランジスタ14がONとなり、検
出用電源19からステップ関数電圧が固定子巻線3に印
加される。このステップ関数電圧により固定子巻線3に
生じた過渡応答時の電圧がインダクタンス回路16に入
力する。この入力電圧は図6(d)に示される。
【0045】インダクタンス検出回路16の検出レベル
は、回転子位置に相当する値Vsに設定し、入力信号が
検出レベルより大きい場合はOPアンプ21の出力はL
(Low−volt)となり、小さい場合はH(Hig
h−volt)となる。この信号は、インバータ29に
よって波形整形及び信号反転され回転位置検出回路15
及び制御回路18に出力される。
【0046】この検出レベルVsは、回生期間が終了し
たことを検知するためのレベルにする必要があり、回生
電流の電圧がある一定レベル以下に達したことを検出す
ればよく、例えば、回生電流が流れなく、ダイオード9
aがOFFとなる電圧に設定する。すなわち、ダイオー
ド9aのON時の電圧降下より高い値に設定しておけば
よい。
【0047】インダクタンス検出回路16の出力電圧は
図6(e)に示すように入力電圧がVsとなったとき立
ち上がりエッジとなる。制御回路32は、この出力電圧
の立ち上がりを検知して回生期間終了を判断し、ステッ
プ関数信号発生回路17にステップ関数信号を発信させ
るための発信可能信号を発信する。そして、ステップ関
数信号発生回路17は、図6(f)に示すようにステッ
プ関数信号を出力する。
【0048】次に、回転位置検出回路15は、制御回路
32が回生期間終了を検知した後のインダクタンス検出
回路16の出力電圧がLとなったことを検知して回転子
位置検出を行う。
【0049】以上のように、ダイオード9aのON電圧
より高い値に相当する回転子の位置を検出レベルに設定
しておけば、回生期間終了検知回路がなくとも、回生電
流への影響(回生期間を延ばす)を避けてセンサレスS
Rモータの特性を変えることなく、信頼性が高く、回転
子の位置を検出することができる。
【0050】実施の形態3. 本実施の形態のセンサレスSRモータの回転子位置検出
装置は実施の形態2で示した図と同じ構成であり、動
作が異なるものであるので動作について説明する。図7
は動作波形図である。図7(a)、(b)、(c)はセ
ンサレスSRモータの駆動電圧パターンの一例を示すも
のであり、図7(a)はU相の固定子巻線駆動電圧波形
図、図7(b)はV相の固定子巻線駆動電圧波形図、図
7(c)はW相の固定子巻線駆動電圧波形図である。図
7(d)、(e)、(f)は本実施の形態の動作を示す
もので、図7(d)は、U相の固定子駆動電流波形図、
図7(e)はU相の固定子巻線インダクタンスの波形
図、図7(f)はステップ関数信号波形図である。
【0051】図7(a)、(b)、(c)に示すよう
に、U相固定子巻線駆動電圧がONになっている状態で
V相固定子巻線駆動電圧がONになると、U相固定子巻
線駆動電圧はOFFになる。さらに、W相固定子巻線駆
動電圧がONになると、V相固定子巻線駆動電圧はOF
Fする。このように、センサレスSRモータは、固定子
巻線駆動電圧を順次ONすることにより回転子を回転さ
せる。
【0052】センサレスSRモータは、固定子巻線のイ
ンダクタンスが増加している期間に固定子巻線に駆動す
るための電圧を印加することにより回転子が回転するた
めのトルクが発生する。また、回転子が回転している時
に、固定子巻線のインダクタンスが減少する期間に駆動
電圧を印加すると、固定子巻線に制動力が働くことにな
る。固定子巻線に駆動電圧を印加する時、固定子巻線の
インダクタンスのために、駆動電圧を印加してから所定
の電流が流れるまでに時間のずれが発生するので、この
ずれを補正し、所定の位置での駆動電流を確保するため
に、通常早めに印加する。
【0053】また、図7(d)に示すように駆動電圧が
OFFしてから電流が0に減少するまでに回生期間があ
り、この期間は固定子巻線3に溜まった磁気エネルギー
を回生するために固定子巻線には回生電流が流れる。こ
の回生電流が、固定子巻線インダクタンスの減少してい
る期間まで流れると、回転子に制動がかかってしまうの
で、固定子巻線のインダクタンスが減少するまでに回生
電流が0になるように早めに駆動電圧をOFFするよう
にしている。図において、検出可能期間は固定子巻線が
非駆動時で、回生期間が終了したときから固定子巻線3
のインダクタンスが変化している期間である。
【0054】次に、本実施の形態における動作を、簡単
にするためにU相固定子巻線について説明する。U相固
定子巻線駆動電圧がOFFしてからの回生期間は、通常
U相固定子巻線インダクタンスが減少を開始するまでに
は0になるように設定される。これは、図7(b)、
(c)、(d)からも分かるように、次に駆動されてい
るV相固定子巻線駆動電圧のON期間(t1〜t3)の
間には終了していることになる。さらに、次にONする
W相固定子巻線駆動電圧がONのとき(t3〜t5)に
は回生電流は0になっていることが分かる。
【0055】W相の固定子巻線駆動電圧がONのとき
(t3〜t5)は、U相の固定子巻線インダクタンスは
図7(e)に示すように最小になっているが、実際は、
上述のように、早めにONするため、図に示すようにW
相駆動中の検出可能期間(t3〜t4)があり、U相固
定子巻線インダクタンスの変化は十分検出することが可
能である。
【0056】このように、U相固定子巻線インダクタン
スを検出するため、回生期間を避けてステップ関数信号
発生回路17からステップ関数信号を出力させるタイミ
ングは、図7(f)に示すように次の次に印加されるW
相の固定子巻線駆動電圧がONの期間(t3〜t5)に
行えばよいことが分かる。従って、制御回路32は、固
定子巻線に印加された駆動電圧を遮断した後に、2番目
に駆動電圧が印加される固定子巻線に駆動電圧が印加さ
れたときに、ステップ関数信号発生回路17を駆動させ
ることにより、各相に順次ステップ関数電圧を供給し、
ステップ信号の応答信号により回転子の位置を検出す
る。
【0057】以上のように、回生期間終了を検知しなく
とも、回生電流への影響(回生期間を延ばす)を避けて
センサレスSRモータの特性を変えることなく、信頼性
が高く、回転子の位置を検出することができる。
【0058】なお、実施の形態1〜2において、インダ
クタンス検出回路16はステップ関数電圧により固定子
巻線3に生じた過渡応答時の電圧を検出したが、過渡応
答時の電流を検出してもよい。
【0059】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れるため、以下のような効果を奏する。
【0060】この発明に係わるセンサレスモータの回転
子位置検出装置は、固定子巻線に印加された駆動電圧を
遮断したときに、回生電流が流れる回生期間が終了した
後に、ステップ関数信号を発生するステップ関数信号発
生回路と、電源と前記固定子巻線の間に接続され、過渡
応答時の時定数を定める抵抗と、前記電源から印加され
た電圧を前記ステップ関数信号に基づいてステップ関数
電圧として、前記固定子巻線及び前記抵抗に印加するス
イッチと、前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線
及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧または電流を検
出するインダクタンス検出回路と、このインダクタンス
検出回路により検出された前記検出電圧または検出電流
と回転子突極の位置に対応してあらかじめ定められた電
圧または電流とに基づいて、前記回転子突極の位置を検
出する回転位置検出回路と、を備えたので、回転位置検
出センサを用いることなしに、簡単な回路により、固定
子巻線に生じる回生電流への影響を避けて回転子の位置
を検出することができる。
【0061】また、固定子巻線に印加された駆動電圧を
遮断したときに、回生電流が流れる回生期間の終了を検
知する回生期間終了検知回路と、この回生期間終了検知
回路からの検出信号に基づいて、ステップ関数信号を発
生するステップ関数信号発生回路と、電源と前記固定子
巻線の間に接続され、過渡応答時の時定数を定める抵抗
と、前記電源から印加された電圧を前記ステップ関数信
号に基づいてステップ関数電圧として、前記固定子巻線
及び前記抵抗に印加するスイッチと、前記ステップ関数
電圧により前記固定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応
答時の電圧または電流を検出するインダクタンス検出回
路と、このインダクタンス検出回路により検出された
検出電圧または検出電流と回転子突極の位置に対応し
てあらかじめ定められた電圧または電流とに基づいて、
前記回転子突極の位置を検出する回転位置検出回路と、
を備えたので、回転位置検出センサを用いることなし
に、簡単な回路により、回生電流への影響を避けてセン
サレスモータの特性を変えることなく、信頼性が高く、
回転子の位置を検出することができる。
【0062】また、ステップ関数信号を発生するステッ
プ関数信号発生回路と、電源と固定子巻線の間に接続さ
れ、過渡応答時の時定数を定める抵抗と、前記電源から
印加された電圧を前記ステップ関数信号に基づいてステ
ップ関数電圧として、前記固定子巻線及び前記抵抗に印
加するスイッチと、前記固定子巻線に印加された駆動電
圧を遮断したときに生じた回生電圧または電流をあらか
じめ定められたレベルとを比較して検出信号を出力する
とともに、前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線
及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧または電流を検
出するインダクタンス検出回路と、前記インダクタンス
検出回路からの前記検出信号により、前記回生電圧また
は電流の回生期間終了を判断し、前記ステップ関数信号
発生回路を駆動させる制御回路と、前記インダクタンス
検出回路により出力された前記検出電圧または検出電流
と回転子突極の位置に対応してあらかじめ定められた電
圧または電流の値とに基づいて、前記回転子突極の位置
を検出する回転位置検出回路と、を備えたので、構成手
段が少ない簡単な回路により、回生電流への影響を避け
てセンサレスモータの特性を変えることなく、信頼性が
高く、回転子の位置を検出することができる。
【0063】また、ステップ関数信号を発生するステッ
プ関数信号発生回路と、電源と固定子巻線の間に接続さ
れ、過渡応答時の時定数を定める抵抗と、前記電源から
印加された電圧を前記ステップ関数信号に基づいてステ
ップ関数電圧として、前記固定子巻線及び前記抵抗に印
加するスイッチと、前記ステップ関数電圧により前記固
定子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧または
電流を検出するインダクタンス検出回路と、前記固定子
巻線に印加された駆動電圧を遮断した後に、2番目に駆
動電圧が印加される固定子巻線に駆動電圧が印加された
ときに、前記ステップ関数信号発生回路を駆動させる制
御回路と、前記インダクタンス検出回路により出力され
た前記電圧または電流と回転子突極の位置に対応してあ
らかじめ定められた電圧または電流の値とに基づいて、
前記回転子突極の位置を検出する回転位置検出回路と
を備えたので、回生期間終了を検知しなくとも、回生電
流への影響を避けてセンサレスモータの特性を変えるこ
となく、信頼性が高く、回転子の位置を検出することが
できる。
【0064】また、センサレスモータの回転子位置検出
方法は、固定子巻線に印加された駆動電圧を遮断したと
きに、回生電流が流れる回生期間が終了した後に、ステ
ップ関数信号を発生させ、電源から印加された電圧を前
記ステップ関数信号に基づいてステップ関数電圧とし
て、過渡応答時の時定数を定める抵抗を介して前記固定
子巻線に印加し、前記ステップ関数電圧により前記固定
子巻線及び前記抵抗に生じた過渡応答時の電圧または電
流と回転子突極の位置に対応してあらかじめ定められた
電圧または電流とに基づいて、前記回転子突極の位置を
検出するので、回転位置検出センサを用いることなし
に、簡単な回路により、固定子巻線に生じる回生電流へ
の影響を避けて回転子の位置を検出することができる。
【0065】また、固定子巻線に印加された駆動電圧を
遮断した後に、2番目に駆動電圧が印加される固定子巻
線に駆動電圧が印加されたときに、ステップ関数信号を
発生させ、電源から印加された電圧を前記ステップ関数
信号に基づいてステップ関数電圧として、過渡応答時の
時定数を定める抵抗を介して前記固定子巻線に印加し、
前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
抗に生じた過渡応答時の電圧または電流と回転子突極の
位置に対応してあらかじめ定められた電圧または電流と
に基づいて、前記回転子突極の位置を検出するので、回
生期間終了を検知しなくとも、回生電流への影響を避け
センサレスモータの特性を変えることなく、信頼性が
高く、回転子の位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1であるセンサレスSR
モータの回転子位置検出装置を備えたセンサレスSRモ
ータの駆動回路の構成図である。
【図2】 固定子巻線の駆動電圧による回生期間とステ
ップ信号の関係を説明す動作波形図である。
【図3】 この発明の実施形態1であるセンサレスSR
モータの回転子位置検出装置の動作波形を示す図であ
る。
【図4】 この発明の実施形態2であるセンサレスSR
モータの回転子位置検出装置を備えたセンサレスSRモ
ータの駆動回路の構成図である。
【図5】 この発明の実施形態2であるセンサレスSR
モータの回転子位置検出装置のインダクタンス検出回路
を示す図である。
【図6】 この発明の実施形態2であるセンサレスSR
モータの回転子位置検出装置の動作波形を示す図であ
る。
【図7】 この発明の実施形態3であるセンサレスSR
モータの回転子位置検出装置の動作波形を示す図であ
る。
【図8】 従来の一般的なSRモータとその駆動回路の
構成図である。
【図9】 従来の一般的なSRモータの固定子と回転子
の位置関係を示す図である。
【図10】 従来の一般的なSRモータの固定子巻線の
インダクタンス変化を示す図である。
【符号の説明】
3 固定子巻線、8a、8b、14 トランジスタ、9
a、9b ダイオード、13 抵抗、15 回転位置検
出回路、16 インダクタンス検出回路、17ステップ
関数信号発生回路、18、32 制御回路、20 検出
用電源、25回転子位置検出装置、31 回生期間終了
検知回路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−14277(JP,A) 特開 平6−189580(JP,A) 特開 平7−177788(JP,A) 特表 平8−501920(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 7/05

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子巻線に印加された駆動電圧を遮断
    したときに、回生電流が流れる回生期間が終了した後
    に、ステップ関数信号を発生するステップ関数信号発生
    回路と、 電源と前記固定子巻線の間に接続され、過渡応答時の時
    定数を定める抵抗と、 前記電源から印加された電圧を前記ステップ関数信号に
    基づいてステップ関数電圧として、前記固定子巻線及び
    前記抵抗に印加するスイッチと、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧または電流を検出するイン
    ダクタンス検出回路と、 このインダクタンス検出回路により検出された前記検出
    電圧または検出電流と回転子突極の位置に対応してあら
    かじめ定められた電圧または電流とに基づいて、前記回
    転子突極の位置を検出する回転位置検出回路と を備えたことを特徴とするセンサレスモータの回転子位
    置検出装置。
  2. 【請求項2】 固定子巻線に印加された駆動電圧を遮断
    したときに、回生電流が流れる回生期間の終了を検知す
    る回生期間終了検知回路と、 この回生期間終了検知回路からの検出信号に基づいて
    ステップ関数信号を発生するステップ関数信号発生回路
    と、 電源と前記固定子巻線の間に接続され、過渡応答時の時
    定数を定める抵抗と、 前記電源から印加された電圧を前記ステップ関数信号に
    基づいてステップ関数電圧として、前記固定子巻線及び
    前記抵抗に印加するスイッチと、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧または電流を検出するイン
    ダクタンス検出回路と、 このインダクタンス検出回路により検出された前記検出
    電圧または検出電流と回転子突極の位置に対応してあら
    かじめ定められた電圧または電流とに基づいて、前記回
    転子突極の位置を検出する回転位置検出回路と を備えたことを特徴とするセンサレスモータの回転子位
    置検出装置。
  3. 【請求項3】 ステップ関数信号を発生するステップ関
    数信号発生回路と、 電源と固定子巻線の間に接続され、過渡応答時の時定数
    を定める抵抗と、 前記電源から印加された電圧を前記ステップ関数信号に
    基づいてステップ関数電圧として、前記固定子巻線及び
    前記抵抗に印加するスイッチと、前記固定子巻線に印加された駆動電圧を遮断したときに
    生じた回生電圧または電流をあらかじめ定められたレベ
    ルとを比較して検出信号を出力するとともに、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧または電流を検出するイン
    ダクタンス検出回路と、 前記インダクタンス検出回路からの前記検出信号によ
    り、前記回生電圧または電流の回生期間終了を判断し、
    前記ステップ関数信号発生回路を駆動させる制御回路
    と、 前記インダクタンス検出回路により出力された前記検出
    電圧または検出電流と回転子突極の位置に対応してあら
    かじめ定められた電圧または電流の値とに基づいて、前
    記回転子突極の位置を検出する回転位置検出回路と 、 を備えたことを特徴とするセンサレスモータの回転子位
    置検出装置。
  4. 【請求項4】 ステップ関数信号を発生するステップ関
    数信号発生回路と、 電源と固定子巻線の間に接続され、過渡応答時の時定数
    を定める抵抗と、 前記電源から印加された電圧を前記ステップ関数信号に
    基づいてステップ関数電圧として、前記固定子巻線及び
    前記抵抗に印加するスイッチと、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧または電流を検出するイン
    ダクタンス検出回路と、前記固定子巻線に印加された駆動電圧を遮断した後に、
    2番目に駆動電圧が印加される固定子巻線に駆動電圧が
    印加されたときに、前記ステップ関数信号発生回路を駆
    動させる制御回路と、 前記インダクタンス検出回路により出力された前記電圧
    または電流と回転子突極の位置に対応してあらかじめ定
    められた電圧または電流の値とに基づいて、前記回転子
    突極の位置を検出する回転位置検出回路と 、 を備えたことを特徴とするセンサレスモータの回転子位
    置検出装置。
  5. 【請求項5】 固定子巻線に印加された駆動電圧を遮断
    したときに、回生電流が流れる回生期間が終了した後
    に、ステップ関数信号を発生させ、 電源から印加された電圧を前記ステップ関数信号に基づ
    いてステップ関数電圧として、過渡応答時の時定数を定
    める抵抗を介して前記固定子巻線に印加し、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧または電流と回転子突極の
    位置に対応してあらかじめ定められた電圧または電流と
    に基づいて、前記回転子突極の位置を検出することを特
    徴とするセンサレスモータの回転子位置検出方法。
  6. 【請求項6】 固定子巻線に印加された駆動電圧を遮断
    した後に、2番目に駆動電圧が印加される固定子巻線に
    駆動電圧が印加されたときに、ステップ関数信号を発生
    させ、 電源から印加された電圧を前記ステップ関数信号に基づ
    いてステップ関数電圧として、過渡応答時の時定数を定
    める抵抗を介して前記固定子巻線に印加し、 前記ステップ関数電圧により前記固定子巻線及び前記抵
    抗に生じた過渡応答時の電圧または電流と回転子突極の
    位置に対応してあらかじめ定められた電圧または電流と
    に基づいて、前記回転子突極の位置を検出することを特
    徴とするセンサレスモータの回転子位置検出方法。
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