JP2006101488A - カメラモジュール - Google Patents

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文弘 山上
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Abstract

【課題】ベースとホルダとの間の接着強度を向上させることによって、耐衝撃性を有するカメラモジュールを提供すること。
【解決手段】本発明のカメラモジュール1は、撮像素子が内部に封止されているベース基板部材60と、レンズを有する内バレル10を外バレル20を介して保持し、ベース基板部材60のベース70の上面に接着剤で接着されている下端部を有するホルダ50と、を備える。ベース70とホルダ50との接着面積を広くするために、ベース70およびホルダ50にそれぞれ、接着強化溝および被接着部を形成した。これにより、カメラモジュール1は、ベース70とホルダ50との間の接着強度を向上させることができる。
【選択図】図12

Description

本発明は、カメラモジュールに関し、さらに詳しくは、デジタルカメラや携帯電話などのカメラ付き小型電子機器に用いることができ、小型電子機器の落下等に対して、耐衝撃性を有するカメラモジュールに関する。
近年、デジタルカメラおよび携帯電話などのカメラ付き小型電子機器には、レンズと撮像素子とを一体化したカメラモジュールが使用されている。
従来のカメラモジュール100は、図14に示すように、複数のレンズが取り付けられている内バレル110と、内バレル110が取り付けられている筒状部と、筒状部の周囲に設けられており下面および上面を有するフランジ部とを有する外バレル120と、フランジ部の下面と接触している状態で配置されているレバー部材130と、フランジ部の上面に接触し外バレル120をレバー部材130に向かって付勢させるように設けられているカバー140と、外バレル120を光軸方向に案内するとともにレバー部材130を回動自在に支持するホルダ150と、ホルダ150が接着固定され、撮像素子を内部に封止しているベース基板部材160と;から構成されている。
ベース基板部材160は、撮像素子を有する基板180と、この基板180上に撮像素子を密閉するように設けられているベース170とを備える。図16に示すように、ベース70は、略四角形状の上面171を有する。
図15に示すホルダ150の下端部153aは、接着剤でベース170の上面171に接着される。
上記従来のカメラモジュール100において、ホルダ150は、図17に示すリング状のハッチングされたホルダ150の下端部153aで、ベース170の上面171に接着される。この下端部153aは、接着面積が小さいため、ベース170とホルダ150との間の十分な接着強度を得ることができない。その結果、従来のカメラモジュール100の耐衝撃性が悪いという問題があった。
本発明は、これらの問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ベースとホルダとの間の接着強度を向上させることによって、耐衝撃性を有するカメラモジュールを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のカメラモジュールは、略四角形状の上面を有し、撮像素子が内部に封止されているベース基板部材と、少なくとも1つのレンズを有するレンズユニットを保持し、前記ベース基板部材の上面に接着剤で接着されている下端部を有するホルダと、前記ベース基板部材と前記ホルダとの接着面積を広くするために、前記ベース基板部材および前記ホルダに設けられた接着強化手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のカメラモジュールは、好ましくは前記接着強化手段が前記ベース基板部材の上面にそれぞれ形成されている複数の接着強化溝と、前記接着強化溝にそれぞれ接着されるように前記ホルダに形成されている複数の被接着部とを有する。
また、本発明のカメラモジュールでは、好ましくは前記ベース基板部材の上面は、その4つの角部に角段部を有するとともに、前記ホルダの前記下端部が接着される接着領域を有しており、前記接着強化溝は、それぞれ対応する前記角段部と前記接着領域との間に形成されている。
また、本発明のカメラモジュールは、前記複数の接着強化溝がそれぞれ前記ベース基板部材の上面に対して窪んでいる第1凹部と、該第1凹部内に形成された第2凹部とを有することが好ましい。
また、本発明のカメラモジュールは、前記ホルダが前記下端部が設けられた筒状部を有しており、前記複数の被接着部は、前記筒状部の周囲に等間隔かつ一体に形成されていることが好ましい。
また、本発明のカメラモジュールは、好ましくは前記複数の被接着部がそれぞれ前記第1凹部に接着される下端面を有する段部と、該段部の前記下端面から下向きに形成され、前記第2凹部に挿入された状態で接着される少なくとも1つの凸部とを有する。
また、本発明のカメラモジュールは、前記少なくとも1つの凸部が所定間隔をおいて2個設けられていることが好ましい。
また、本発明のカメラモジュールは、前記凸部および前記第2の凹部が塗布された接着剤が固まる前に、前記ベース基板部材の上面に対する前記ホルダの位置を水平方向において調節可能に設計されていることが好ましい。
請求項1記載のカメラモジュールによれば、接着強化手段を設けることによりベース基板部材の上面とホルダとの間の接着面積が増大するので、ベース基板部材とホルダとの間の接着強度を高めることができ、耐衝撃性にすぐれたカメラモジュールを得ることができる。
請求項2記載のカメラモジュールによれば、ホルダは、ホルダの下端部とベース基板部材の上面との間の接着だけでなく、複数の接着強化溝と複数の被接着部との間の接着を介して、ベース基板部材の上面に接着されることになるので、ホルダとベース基板部材との間の接着面積を大幅に高めることができる。
請求項3記載のカメラモジュールによれば、接着強化溝は対応する角段部と前記接着領域との間に形成されることにより、前記ベース基板部材の上面における限られたスペースでより広くかつ確実な接着領域を提供することが可能になる。
請求項4記載のカメラモジュールによれば、接着強化溝はホルダとベース基板部材との間の接着強度をより高めることができる。
請求項5記載のカメラモジュールによれば、被接着部は前記接着強化溝との組み合わせることで、前記ベース基板部材の上面の限られたスペースでより広くかつ確実な接着領域を提供することが可能になる。
請求項6記載のカメラモジュールによれば、ホルダの各被接着部の段部に設けられた凸部が対応する接着強化溝の第2の凹部に挿入されて接着されるので、せん断方向の接着強度も高められる。
請求項7記載のカメラモジュールによれば、各被接着部と対応する接着強化溝との間の接着強度をさらに高めることができる。
請求項8記載のカメラモジュールによれば、被接着部の凸部と接着強化溝の第2の凹部の間における接着により接着強度が高められる一方、ホルダをベース基板部材の上面に接着する際に、レンズの光軸が撮像素子の中心に合うように調節することが可能となる。
上述したおよび他の本発明の構成、作用および効果は、図面を参照して行う以下の好適実施形態の説明からより明らかとなるであろう。
以下、本発明のカメラモジュールについて添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、通常撮影とマクロズーム撮影との間で切り替える機能を有するカメラモジュールである。
図1は、本発明に係るカメラモジュールの実施形態の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示すカメラモジュールの分解斜視図である。
本実施形態にかかるカメラモジュール1は、図1および図2に示すように、複数のレンズ90、91およびストッパ92が取り付けられている内バレル10と;内バレル10が取り付けられている筒状部21と、筒状部21の周囲に設けられ、第1面および第1面(下面)と反対側の第2面(上面)を有するフランジ部22とを有する外バレル20と;フランジ部22の第1面が接触している状態で配置されているレバー部材30と;前記フランジ部の第2面に接触し、外バレル20をレバー部材30に向かって付勢させるように設けられているカバー40と;外バレル20を光軸方向に案内するとともに、レバー部材30を回動自在に支持するホルダ50と;ホルダ50が接着固定され、撮像素子81を内部に封止しているベース基板部材60と;から構成されている。
以下、各構成部材の詳細について説明する。なお、本明細書においては、上及び下の文言を適宜使用するが、各部材の説明において、図2に示す矢印の向きを上方向とし、この矢印の逆の向きを下方向とする。
内バレル10は、合成樹脂からなる。図3および図4に示すように、この内バレル10は、一端に略円形の上面11と他端に開口13とを有する中空の円筒部12と、中空の円筒部12の上面11に一体に形成された略正方形状の段部14とから構成されている。
また、上面11の中心には、光を円筒部12内部に導入するための円孔15が設けられている。内バレル10を外バレル20に螺合させる際に、前述の段部14は、それぞれ治具によって押さえられる役割を果たす。また、上面11の外縁には、それぞれ略対向する位置に一対の切り欠き部16が形成されている。それぞれ切り欠き部16は、上面11から円筒部12の側面にかけて延びるように形成されている。これらの切り欠き部16は、後述するように内バレル10を外バレル20に接着するための接着剤を受け入れるために使用される。
図4に示すように、円筒部12の中空の空間は、レンズを取り付けるための空間として使用される。この目的のために、円筒部12の内周には、レンズ90、91およびストッパ92を取り付けるための第1、第2および第3段部90a、91a、92aが連続して形成されている。したがって、これらの段部90a、91a、92aは、それぞれ、レンズ90、91とストッパ92の直径と一致する形状を有する。ストッパ92を樹脂で接着固定することで、内バレル10の円筒部12の中空の空間にレンズ90、91が取り付けられる。
図3に示すように、円筒部12の外周表面18の下部には、雄ネジ溝18aが形成されている。この雄ネジ溝18aによって、内バレル10は、後述するように外バレル20と螺合することができる。後述するフォーカス調整は、段部14に治具を嵌合させて内バレル10を回動させ、内バレル10に組み付けられたレンズ90およびレンズ91を光軸方向に変位させることによって行われる。次いで、内バレル10と外バレル20を最適位置で接着固定するために、切り欠き部16に接着剤が注入される。
外バレル20は、合成樹脂からなる。外バレル20は、図5および図6に示すように、円筒形の筒状部21と、その筒状部21の上端の外周に一体に設けられた略正方形状のフランジ部22とから構成されている。
筒状部21の内周には、前述した内バレル10の円筒部12の外周に形成された雄ネジ溝18aと螺合するための雌ネジ溝21aが形成されている。これにより、内バレル10を外バレル20の筒状部21に螺合させることができる。
また、略正方形状のフランジ部22の4個の角部は、図5に示すように曲線状となっている。さらに、フランジ部22の4個の角部には、突起部23が周方向に等間隔にそれぞれ形成されている。これらの突起部23は、それぞれフランジ部22の上面22a(第2面)と連続面をなし、フランジ部22の外縁から外側に延出する。突起部23は、後述するホルダ50に光軸方向に形成された4個の案内溝55にそれぞれ収容される。これにより、外バレル20が光軸方向に案内されることを可能にする。
さらに、図6に示すように、フランジ部22の下面22b(第1面)であって、突起部23に対応する位置には、それぞれ4個の凹部24が周方向に等間隔に形成されている。凹部24は、平面部24aと、平面部24aの両側にそれぞれ形成されている一対の傾斜部24bとを含む略台形形状をなしている。さらに、各凹部24の間には、凹部24の平面部24aと光軸方向の高さが異なる平面部25とが円周方向にそれぞれ位置している。レバー部材30は、後述する凸部(接触部)を介して、この凹部24または平面部25の一部に接触(当接)している。
フランジ部22の下面22bには、レバー部材30の一部が接触した状態で配置される。このレバー部材30は合成樹脂からなる。また、図7に示すように、レバー部材30は、略円形リング状に形成したリング状部31と、リング状部31から径方向外側に延出する延出部32とから構成されている。
フランジ部22の下面22bに対向するリング状部31の上面には、4個の凸部34が周方向にフランジ部22の下面22bの凹部24と同じ間隔で形成されている。この4個の凸部34は、前述の外バレル20のフランジ部22の下面22bの凹部24または平面部25のいずれかに接触するようになっている。したがって、外バレル20を光軸方向に2段階に変位が可能となっている。
さらに、凸部34は、それぞれフランジ部22の下面22bと曲面で接触することができるように、略半円状に形成されている。したがって、レバー部材30が所定角度にわたって回動する際に、凸部34は、凸部34とフランジ部22の下面22bとの間の摩擦が小さい状態で滑動することができる。
本実施形態では、レバー部材30が回動する所定角度は30度である。これにより、レバー部材30の小さな操作でレンズ90および91を変位させることができる。また、本実施形態によれば、レンズ90および91の光軸方向の変位量は、例えば0.13mmである。
また、本実施形態では、延出部32の下面には、略円筒形の連結ピン35が形成されている。この連結ピン35は、リンク(図示せず)の使用を介して手動または自動で操作される。これにより、通常撮影とマクロズーム撮影との間で切り替える際は、連結ピン35を介して、レバー部材30を回動させることができる。
本実施形態では、外バレル20のフランジ部22の上面22a(第2面)に接触し、外バレル20をレバー部材30に向かって付勢させるようにカバー40が設けられている。これにより、レバー部材30のリング状部31の凸部34は、外バレル20のフランジ部22の下面22b(第1面)と常に接触した状態を保つことができる。
このカバー40は、金属板からなる。カバー40は、図8に示すように、略円形状の開口42を有する略正方形状の枠体41と、枠体41の角部の内縁から内側かつ下方に延出するように一体にそれぞれ形成された4個のタブ状部43と、枠体41の4個の角部の外縁から光軸方向下向きにそれぞれ立設された嵌合部44および位置決め部45と、から構成されている。
カバー40は、外バレル20を下方向に付勢することができるように、後述するホルダ50に固定された状態で、タブ状部43がそれぞれ外バレル20のフランジ部22の上面22aに接触している。
タブ状部43の下面の先端には、それぞれ略半円状の突起46が形成されている。これにより、タブ状部43は、外バレル20のフランジ部22の上面22aに曲面で接触する状態となっている。そのため、外バレル20が光軸方向に変位する際に、タブ状部43は、外バレル20のフランジ部22の上面22aとの間の摩擦が小さい状態で、外バレル20を下方向に付勢し続けることができる。
嵌合部44および位置決め部45は、それぞれの壁面が略直角をなすように、枠体41の各角を挟む位置に形成されている。各嵌合部44は、その中央に略四角形状の嵌合孔47を有している。
また、枠体41の上面のひとつの角部近傍には、組み立ての際に、カバー40を適切な向きで配置し、組み立てるための目印となる小突起48が形成されている。
外バレル20のフランジ部22の下面22bに接触するように配置されるレバー部材30の下には、ホルダ50が配置される。
このホルダ50は、合成樹脂からなる。ホルダ50は、図9および図10に示すように、中央に略円形状の開口52を有する略正方形状の平面部(基部)51と、開口52の縁部から光軸方向下向きに一体に形成された円筒状の筒状部53と、平面部51の上面の角部にそれぞれ形成された断面略三角形状の柱部54と、平面部51の下面の4個の角部近傍に形成された被接着部57とから構成されている。
断面略三角形状の柱部54の角は、それぞれ当該柱部54が形成されている平面部51の角と大きさおよび位置が一致している。また、この柱部54の開口52側に位置する側面は、前述したレバー部材30のリング状部31の外縁の曲率とほぼ同じ曲率を有する曲面状となっている。ホルダ50に配置されたレバー部材30のリング状部31は、平面部51の上面および4個の柱部54の曲面状の側面によって、光軸周りに回動可能な状態でホルダ50に支持される。
柱部54の曲面状の側面の上部には、光軸方向に伸びる案内溝55が形成されている。前述の外バレル20の突起部23をこの案内溝55に収容した状態で組み立てられることによって、外バレル20をホルダ50に対して光軸方向に案内することができる。
前述の柱部54の角を形成する2個の側面のうち、一方の側面54aは、カバー40の嵌合部44と接する。一方の側面54aには、略四角形状の嵌合突起56が形成されている。この嵌合突起56は、カバー40の嵌合部44に形成された嵌合孔47と嵌合する。また、他方の側面54bは、カバー40の位置決め部45に接する。これにより、ホルダ50に対してカバー40を容易に位置決めし、取り付けることができる。
また、4個の柱部54のうち、1個の柱部54の上面には、組み立ての際に、ホルダ50を適切な向きに配置し組み立てるための目印となる面取り部59が形成されている。
図10に示すように、4個の被接着部57は、筒状部53に沿って周方向に等間隔に形成されている。また、4個の被接着部57は、それぞれ後述するベースの4個の接着強化溝73と接着される。各被接着部57は、それぞれ段部57aと、段部57aの下端面に形成されているピン57b(凸部)とから構成されている。各段部57aは、中央が窪んだ形状の側面を有している。これにより、ホルダ50とベース70とが接着された際に、段部57aは、ベース70の後述する角段部72(図11参照)を回避することができる。また、段部57aの下端面と平面部51の下面との距離は、筒状部53の下端部53aと平面部51との距離より短くなっている。すなわち、段部57aの下端面は、光軸方向に筒状部53の下端部53aより高い位置にある。
また、ピン57bは、4個の段部57aの下端面に、それぞれ所定間隔を置いて2個ずつ形成されている。これらのピン57bは、後述するようにホルダ50がベース基板部材60の上面に接着される際に、ベース70の上面71上に形成された4個の接着強化溝73の第2凹部73b内に受け入れられる。
ホルダ50の筒状部53の下端部53a、段部57aの下端面およびピン57bは、接着剤でベース基板部材60の上面に接着される。
図2に示すように、ベース基板部材60は、撮像素子81を有する基板80と、この基板80上に撮像素子81を密閉するように設けられているベース70とを備える。また、ベース70は、図11に示すように略四角形状の上面71を有する。
このベース70は、合成樹脂からなる。図11に示すように、ベース70の上面71の中央には、上面より低い位置にある略円形状の平面部79が形成されている。その略円形状の平面部79の中央には、さらに遠赤外線を透過しないカットフィルタ61(図2参照)を位置決めした状態で収容するための略四角形状の位置決め部77が形成されている。さらに位置決め部77には、カットフィルタ61をベース70に接着するための接着剤塗布位置を有する。また、位置決め部77の周囲には、半円状の4個の接着剤注入部78が設けられている。接着剤注入部78は、ディスペンサー等で接着剤を塗布する際に、ニードル(注射針)を受け入れられるように形成されている。また、位置決め部77の中央には光を受け入れるための略四角形状の開口76が設けられている。
略四角形状の上面71の角部には、4個の角段部72がそれぞれ形成されている。また、4個の角段部72は、ベース70の上面71でホルダ50が接着される部分を回避するように設けられている。これらの角段部72は、カメラモジュール1を小型電子機器に組み付ける際に、それぞれ治具用の被押さえ部としての役割を果たす。
また、上面71の角段部72と略円形状の平面部79との間には、角段部72を囲むように接着強化溝73がそれぞれ形成されている。接着強化溝73は、上面71に対して窪んでいる第1凹部73aと、その第1凹部73a内に形成された第2凹部73bとから構成されている。
第1凹部73aは、略L字形状を有する。また、第2凹部73bは、長円の中央が窪んだ横断面形状を有する。前述したホルダ50のピン57bは、長円の窪んだ部分の両側に挿入される。これにより、ホルダ50の被接着部57のピン57bを第2凹部73bに挿入した状態で、ベース70の上面71に対して平行にホルダ50の位置を調整することができ、レンズ90および91の光軸と撮像素子81の中心との位置決めを行うことができる。
ベース70の上面の所定接着位置、すなわち略円形状の平面部79の周囲に接着剤が塗布される。さらに、接着剤は、接着強化溝73の第1凹部73aおよび第2凹部73bにも塗布される。ベース70の上面71の接着部に、ホルダ50の筒状部53の下端部が接着剤で固定される。さらに、ホルダ50の被接着部57のピン57bは、それぞれ第2凹部73bに挿入され、接着剤で固定される。これにより、ピン57bおよび第2凹部73bは、ホルダ50とベース70との接着強度強化手段としての役割を果たすことができる。
ホルダ50の段部57aの下端面とベース70の接着強化溝の第1凹部73aの底面とが完全に接触する場合、第1凹部73aの底面に塗布された接着剤は、ホルダ50の段部57aの下端面とベース70の第1凹部73aの底面との間で押しつぶされる。これにより、第1凹部73aの底面に塗布された接着剤は、角段部72もしくは略円形状の平面部79にはみ出す可能性がある。
しかしながら、本実施形態によれば、ホルダ50がベース70に接着される際、ホルダ50の被接着部57の段部57aの下端面とベース70の接着強化溝73の第1凹部73aの底面との間にわずかな隙間が形成される。これにより、接着強化溝73から接着剤が角段部72および略円形状の平面部79へはみ出すことを防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、ホルダ50の被接着部57の段部57aの下端面は、ベース70の第1凹部73aの底面に前述した隙間に存在する接着剤を介して固定することができる。これにより、ホルダ50の段部57aの下端面とベース70の第1凹部73aの底面も接着強化手段の役割を果たすことができる。
ベース70は、4個の壁部75を有する。4個の壁部75は、それぞれベース70の上面71の外縁から、ベース70の上面71に対して直角かつ下方に向かって立設されている。さらに、ベース70は、それぞれの角にコーナーポスト75aを有する。これらのコーナーポスト75aは、それぞれ壁部75の下端を越えてベース70の上面71に対して直角かつ下方に延出している。組み立ての際に、この壁部75の下端は、基板80の上面と当接するように接着剤で固定される。これにより、ベース70および基板80から構成されるベース基板部材60は、内部に撮像素子81を封止することができる。また、これらのコーナーポスト75aは、ベース70が基板80に組み立てられる際に、それぞれ基板80の角部に形成された嵌合部80a(図2参照)と嵌合する。これにより、ベース70は、基板80に対して位置決めすることができる。
以下、本発明のカメラモジュールの組み立て手順について説明する。
[1] 内バレル10に、レンズ90および91をストッパ92とともに取り付ける。
[2] 次に、[1]で組み立てた内バレル10を外バレル20に螺合させる。
[3] 次に、ホルダ50に、レバー部材30、[2]で組み立てた部材を所定位置に配置する。この状態で、カバー40の嵌合孔47を、ホルダ50の嵌合突起56に嵌合させることにより、カバー40が取り付けられる。次いで、それらを接着剤で固定する。
[4] カットフィルタ61をベース70の位置決め部77に配置する。次いで、カットフィルタ61をベース70に接着剤で固定する。
[5] 撮像素子81が取り付けられた基板80上に[4]で組み立てた部材を接着剤で固定する。これにより、撮像素子81がベース基板部材60内に封止される。
[6] [5]で組み立てたベース基板部材60のベース70の上面71の所定位置に接着剤を塗布する。
[7] [3]で組み立てた組立体のホルダ50の被接着部57のピン57bがベース基板部材60のベース70の上面71接着強化溝73の第2凹部73bに挿入された状態で、ホルダ50を移動させ、レンズ90および91の光軸と撮像素子81の中心との位置決めを行う。
[8] [7]で組み立てられた部材にUVスポット照射を行い、接着剤を仮硬化させる。
[9] [8]で組み立てられた部材の接着剤を、オーブンで本硬化させる。
[10] 内バレル10のねじ込み量を調整して、通常撮影時のフォーカス調整を行った後、内バレル10と外バレル20とを接着剤で固定する。
上記の様な手順で組み立てられたカメラモジュール1は、例えば、縦6mm、横6mm、高さ4.5mmの外形寸法を有する。したがって、カメラモジュール1は、小型電子機器に組み付ける際に、占有するスペースをできるだけ小さくすることができる。
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態のカメラモジュール1において、図12に示すように、上記工程[3]で組み立てられた部材(図中の内バレル10、外バレル20、レバー部材30、カバー40およびホルダ50)がベース70(ベース基板部材60)の上面71に接着剤で接着される。この接着の際には、接着剤は、ホルダ50の筒状部53の下端部53a(図13のリング状のハッチングで示された部分)だけでなく、ベース70の上面71の接着強化溝73(あるいは、ホルダ50の被接着部57の段部57aの底面)にも塗布される。この状態で、ホルダ50は、ホルダ50の筒状部53の下端部53aとベース70の上面71との接着に加えて、ホルダ50の各被接着部57とベース70の各接着強化溝73との間の接着(すなわち、ホルダ50の各被接着部57の段部57aの底面と各接着強化溝73の第1の凹部73aとの間の接着およびホルダ50の各被接着部57のピン57bと各接着強化溝73の第2凹部73bとの間の接着)を介して、ベース基板部材60に接着固定される。したがって、本実施形態では、従来のホルダ150がベース170にホルダ150の下端部153a(図17に示すハッチングされた部分)を介してのみ接着される場合に比べ、ホルダ50とベース70との間の接着面積(図13に示すハッチングされた部分)は大幅に増大する。その結果、ホルダ50とベース70との間の接着強度、特に光軸方向の接着強度が大幅に高められる。さらに、ホルダ50の各被接着部57の段部57aに設けられたピン57bが対応する接着強化溝73の第2凹部73bに挿入されて接着されるので、せん断方向の接着強度も向上する。
なお、本実施形態では、接着強化溝73の第2凹部73bは、図11に示すような形状を有しており、またホルダ50の各被接着部57は、図10に示すように2個のピン57bを備えているが、本発明はそれらに限定されない。第2凹部73bの形状と凸部53bの数は、接着剤が固まる前にホルダ50をベース70の上面71に対して平行に位置を調整することができる限り、任意の形状や数に適宜変更することが可能である。
最後に、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に記載の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの改良および改変が行われることを注意すべきである。
本発明に係るカメラモジュールの実施形態の外観を示す斜視図である。 図1に示すカメラモジュールの分解斜視図である。 内バレルの上方斜視図である。 内バレルの下方斜視図である。 外バレルの上方斜視図である。 外バレルの下方斜視図である。 レバー部材の斜視図である。 カバーの斜視図である。 ホルダの上方斜視図である。 ホルダの下方斜視図である。 ベースの斜視図である。 ホルダとベース基板部材とを接着する前の状態を示す分解斜視図である。 ホルダの底面図である。 従来のカメラモジュールのホルダとベース基板部材とを接着する前の状態を示す分解斜視図である。 従来のカメラモジュールのホルダの下方斜視図である。 従来のカメラモジュールのベースの上方斜視図である。 従来のカメラモジュールのホルダの底面図である。
符号の説明
1 カメラモジュール
10 内バレル
11 上面
12 円筒部
13 開口
14 段部
15 円孔
16 切り欠き部
18 外周表面
18a 雄ネジ溝
20 外バレル
21 筒状部
21a 雌ネジ溝
22 フランジ部
22a 上面
22b 下面
23 突起部
24 凹部
24a 平面部
24b 傾斜部
25 平面部
30 レバー部材
31 リング状部
32 延出部
34 凸部
35 連結ピン
40 カバー
41 枠体
42 開口
43 タブ状部
44 嵌合部
45 位置決め部
46 突起
47 嵌合孔
48 小突起
50 ホルダ
51 平面部
52 開口
53 筒状部
53a 下端部
53b 凸部
54 柱部
54a 側面
54b 側面
55 案内溝
56 嵌合突起
57 被接着部
57a 段部
57b ピン(凸部)
59 面取り部
60 ベース基板部材
61 カットフィルタ
70 ベース
71 上面
72 角段部
73 接着強化溝
73a 第1凹部
73b 第2凹部
75 壁部
75a コーナーポスト
76 開口
77 位置決め部
78 接着剤注入部
79 平面部
80 基板
80a 嵌合部
81 撮像素子
90 レンズ
90a 段部
91 レンズ
92 ストッパ
100 カメラモジュール
110 内バレル
120 外バレル
130 レバー部材
140 カバー
150 ホルダ
153a 下端部
160 ベース基板部材
170 ベース
171 上面
180 基板

Claims (8)

  1. 略四角形状の上面を有し、撮像素子が内部に封止されているベース基板部材と、
    少なくとも1つのレンズを有するレンズユニットを保持し、前記ベース基板部材の上面に接着剤で接着されている下端部を有するホルダと、
    前記ベース基板部材と前記ホルダとの接着面積を広くするために、前記ベース基板部材および前記ホルダに設けられた接着強化手段と、を備えることを特徴とするカメラモジュール。
  2. 前記接着強化手段は、前記ベース基板部材の上面にそれぞれ形成されている複数の接着強化溝と、前記接着強化溝にそれぞれ接着されるように前記ホルダに形成されている複数の被接着部とを有する請求項1に記載のカメラモジュール。
  3. 前記ベース基板部材の上面は、その4つの角部に角段部を有するとともに、前記ホルダの前記下端部が接着される接着領域を有しており、前記接着強化溝は、それぞれ対応する前記角段部と前記接着領域との間に形成されている請求項2に記載のカメラモジュール。
  4. 前記複数の接着強化溝は、それぞれ前記ベース基板部材の上面に対して窪んでいる第1凹部と、該第1凹部内に形成された第2凹部とを有する請求項2または3に記載のカメラモジュール。
  5. 前記ホルダは、前記下端部が設けられた筒状部を有しており、前記複数の被接着部は、前記筒状部の周囲に等間隔かつ一体に形成されている請求項4に記載のカメラモジュール。
  6. 前記複数の被接着部は、それぞれ前記第1凹部に接着される下端面を有する段部と、該段部の前記下端面から下向きに形成され、前記第2凹部に挿入された状態で接着される少なくとも1つの凸部とを有する請求項5に記載のカメラモジュール。
  7. 前記少なくとも1つの凸部は、所定間隔をおいて2個設けられている請求項6に記載のカメラモジュール。
  8. 前記凸部および前記第2の凹部は、塗布された接着剤が固まる前に、前記ベース基板部材の上面に対する前記ホルダの位置を水平方向において調節可能に設計されている請求項7に記載のカメラモジュール。
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