JP2006097548A - 摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐摩耗性、熱伝導性に優れ、さらなる高圧化、長寿命化に対応することが可能な摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機を提供する。
【解決手段】 本発明のライダーリング(摺動部材)は、青銅粉を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下、炭素繊維を1重量%以下含有し、残部が変性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる複合材料を用いたことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明のライダーリング(摺動部材)は、青銅粉を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下、炭素繊維を1重量%以下含有し、残部が変性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる複合材料を用いたことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐摩耗性、熱伝導性に優れた摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機に関するものである。
従来、空気圧縮機としては、ピストンの往復運動により空気の吸い込み、圧縮、吐出を行う無給油式の往復動型空気圧縮機がある(例えば、特許文献1参照)。
この種の往復動型空気圧縮機は、アルミニウム合金からなるシリンダと、このシリンダの端部に設けられ吸込通路および吐出通路を有するシリンダヘッドと、このシリンダ内を往復動するピストンと、このピストンの外周溝に装着されるピストンリングおよびライダーリングとを備えている。
このシリンダの内壁には、表面硬度を高めるために、陽極酸化処理による皮膜が形成されている。この皮膜は、膜厚が50μm〜70μmとなる様に陽極酸化処理が施される。
この種の往復動型空気圧縮機は、アルミニウム合金からなるシリンダと、このシリンダの端部に設けられ吸込通路および吐出通路を有するシリンダヘッドと、このシリンダ内を往復動するピストンと、このピストンの外周溝に装着されるピストンリングおよびライダーリングとを備えている。
このシリンダの内壁には、表面硬度を高めるために、陽極酸化処理による皮膜が形成されている。この皮膜は、膜厚が50μm〜70μmとなる様に陽極酸化処理が施される。
ライダーリングは、ピストンリングより幅広のリング状のもので、シリンダ内壁を摺動することにより、ピストンおよびシリンダの内壁の摩耗を減少させると共に、ピストンの傾きを防止している。このライダーリングは、例えば、球状炭素を10重量%〜30重量%含む四フッ化エチレン樹脂等の低摩擦材により構成されている。
この往復動型空気圧縮機では、このライダーリングがシリンダ内壁を摺動することにより、ピストンがシリンダ内を滑動することができる。
この往復動型空気圧縮機では、このライダーリングがシリンダ内壁を摺動することにより、ピストンがシリンダ内を滑動することができる。
一方、シリンダ内をピストンが揺動しつつ往復動する揺動ピストン式の往復動圧縮機としては、空気等の流体を圧縮する無給油式のスクロール式流体機械がある(例えば、特許文献2参照)。
この種のスクロール式流体機械は、鏡板の一主面側に渦巻状のラップ部が立設された一対のスクロールを、ラップ部が重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、これらラップ部の歯先にはチップシールが取り付けられている。
チップシールは、耐摩耗性を高めるために、例えば、青銅粉15〜30重量%、炭素繊維5〜15重量%、二硫化モリブデン2〜10重量%を含み、残部を四フッ化エチレン樹脂とした樹脂材料により形成されている。
特開2000−283043号公報
特開2002−195175号公報
この種のスクロール式流体機械は、鏡板の一主面側に渦巻状のラップ部が立設された一対のスクロールを、ラップ部が重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、これらラップ部の歯先にはチップシールが取り付けられている。
チップシールは、耐摩耗性を高めるために、例えば、青銅粉15〜30重量%、炭素繊維5〜15重量%、二硫化モリブデン2〜10重量%を含み、残部を四フッ化エチレン樹脂とした樹脂材料により形成されている。
ところで、上述した従来の往復動型空気圧縮機では、さらなる高圧化、長寿命化が求められており、ライダーリングにおいても、耐摩耗性の向上、熱伝導性の向上が求められている。
従来のライダーリングは、現在の使用条件下では何等問題無く使用することができるが、さらなる高圧化、長寿命化に対応するためには、現在のライダーリングでは、耐摩耗性が不十分で、シリンダ内壁の摩耗も大きく、耐摩耗性、熱伝導性をさらに改良する必要があるという問題点があった。
また、上述した従来のスクロール式流体機械においても、上記の往復動型空気圧縮機と同様、さらなる高圧化、長寿命化に対応するためには、現在のチップシールの耐摩耗性、熱伝導性をさらに改良する必要があるという問題点があった。
従来のライダーリングは、現在の使用条件下では何等問題無く使用することができるが、さらなる高圧化、長寿命化に対応するためには、現在のライダーリングでは、耐摩耗性が不十分で、シリンダ内壁の摩耗も大きく、耐摩耗性、熱伝導性をさらに改良する必要があるという問題点があった。
また、上述した従来のスクロール式流体機械においても、上記の往復動型空気圧縮機と同様、さらなる高圧化、長寿命化に対応するためには、現在のチップシールの耐摩耗性、熱伝導性をさらに改良する必要があるという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、耐摩耗性、熱伝導性に優れ、さらなる高圧化、長寿命化に対応することが可能な摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は次の様な摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機を提供した。
すなわち、本発明の摺動部材は、青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下含有し、残部は変性ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする。
すなわち、本発明の摺動部材は、青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下含有し、残部は変性ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする。
本発明の摺動部材では、さらに、炭素材料を1重量%以下含有することが好ましい。
前記炭素材料は、炭素繊維および/または球状炭素であることが好ましい。
前記炭素材料は、炭素繊維および/または球状炭素であることが好ましい。
本発明の往復動圧縮機は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなりかつ内壁に陽極酸化処理が施されたシリンダと、このシリンダ内を往復移動するピストンと、このピストンの外周溝に装着され前記シリンダの内壁を摺動する本発明の摺動部材とを備えてなることを特徴とする。
本発明の摺動部材によれば、青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下含有し、残部を変性ポリテトラフルオロエチレンとしたので、耐摩耗性、熱伝導性共に向上させることができ、摺動部材のさらなる長寿命化、高信頼化を図ることができる。
本発明の往復動圧縮機によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなりかつ内壁に陽極酸化処理が施されたシリンダと、このシリンダ内を往復移動するピストンと、このピストンの外周溝に装着され前記シリンダの内壁を摺動する本発明の摺動部材とを備えたので、摺動部材とシリンダ内壁との間の摺動性を向上させることができ、シリンダ内壁の摩耗量を減少させることができる。したがって、往復動圧縮機のさらなる長寿命化、高信頼化を図ることができる。
本発明の摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機の一実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、往復動圧縮機として無給油式の往復動型空気圧縮機を例に取り説明する。
ここでは、往復動圧縮機として無給油式の往復動型空気圧縮機を例に取り説明する。
図1は、本発明の一実施形態の無給油式の往復動型空気圧縮機の要部を示す縦断面図であり、この往復動型空気圧縮機1は、シリンダ2と、このシリンダ2内を往復動するピストン3と、シリンダ2の上端部に設けられ吸込通路4および吐出通路5を有するシリンダヘッド6と、シリンダ2とシリンダヘッド6とに挟持される弁座部材7と、ピストン3の外周溝3aに装着されるピストンリング8および外周溝3bに装着されるライダーリング(摺動部材)9とにより構成されている。
シリンダ2は、例えば、アルミニウム合金鋳物により形成され、その内壁には、ライダーリング9の摺動による摩耗を防止するために、陽極酸化処理によりアルミニウム合金より硬度の高いアルマイト皮膜2aが形成されている。これにより、鋳造品よりも肉厚を薄くすることが可能になり、軽量化が図られることで燃費が向上すると共に、加工費が低減されることでより安価なものになっている。
ピストン3も、シリンダ2と同様、アルミニウム合金鋳物により形成されている。
ピストン3も、シリンダ2と同様、アルミニウム合金鋳物により形成されている。
シリンダヘッド6もシリンダ2と同様、アルミニウム合金鋳物により形成されている。
弁座部材7は、アルミニウム合金より展性に富む材料、例えば、鉄合金により形成され、図2に示すように、略正方形板状の本体11の中心線Lに沿って吸込通路4に連通する吸込ポート12が形成され、この吸込ポート12の両側に吐出通路5に連通する一対の吐出ポート13が形成されている。
弁座部材7は、アルミニウム合金より展性に富む材料、例えば、鉄合金により形成され、図2に示すように、略正方形板状の本体11の中心線Lに沿って吸込通路4に連通する吸込ポート12が形成され、この吸込ポート12の両側に吐出通路5に連通する一対の吐出ポート13が形成されている。
この本体11の上面には、ピストン3の上動に連動して吐出ポート13の弁座13aを開とする吐出弁板14が八の字状に取り付けられ、これらの吐出弁板14、14各々の上方には、吐出弁板14の開弁動位置を規制するための吐出弁板規制部材15が取付ボルト16により本体11に固定され、さらに、吐出ポート13の近傍かつ吐出弁板規制部材15の下方に円形状の凹部17が形成されている。
また、この本体11の下面には、ピストン3の下動に連動して吸込ポート12の弁座12aを開とする吸込弁板21が取り付けられ、この吸込弁板21は弁座12aを開閉する部分側の端部が自由端とされると共に弁座12aと反対側の端部がパーカ鋲22により本体11に固定されている。
ピストンリング8は、シリンダ2の内壁2aとピストン3の外周部との隙間からの空気の漏れを防止するもので、例えば、PTFE複合材により形成されている。
ライダーリング9は、シリンダ2の内壁を摺動する際の摺動抵抗を低減し、シリンダ2の内壁に形成されたアルマイト皮膜2aを摩耗させない様にすると共に、ピストン3がシリンダ2の内壁に対して傾斜するのを防止するためのもので、ピストンリング8より幅広の板状体が円筒状に曲げ加工され、ピストン3の外周溝3aに装着された際に周方向の両端部が重なる様になっている。
ライダーリング9は、シリンダ2の内壁を摺動する際の摺動抵抗を低減し、シリンダ2の内壁に形成されたアルマイト皮膜2aを摩耗させない様にすると共に、ピストン3がシリンダ2の内壁に対して傾斜するのを防止するためのもので、ピストンリング8より幅広の板状体が円筒状に曲げ加工され、ピストン3の外周溝3aに装着された際に周方向の両端部が重なる様になっている。
このライダーリング9は、摺動部材としての機能を発揮することができるような材料であればよく、青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下含有し、残部が変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)からなる複合材料が好適である。
ここで、青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、青銅粉末の含有量が10重量%未満では、青銅粉末の量が少なく、摩耗が増大するという問題が生じ、また、50重量%を超えると、ポリテトラフルオロエチレンの割合が減少するために、材料の保持性が低下し、摩耗が増大する。
また、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、二硫化モリブデンの含有量が3重量%未満では、潤滑性が不足し、摩耗が増大するという問題が生じ、また、10重量%を超えると、強度が低下するという問題が生じる。
このライダーリング9では、上記の様な組成とすることにより、耐摩耗性、熱伝導性共に改善され、さらなる長寿命化、高信頼化が可能になる。
このライダーリング9では、上記の様な組成とすることにより、耐摩耗性、熱伝導性共に改善され、さらなる長寿命化、高信頼化が可能になる。
上記の複合材料は、さらに、炭素材料を1重量%以下含有することが好ましい。
ここで、炭素材料を1重量%以下と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、炭素材料は硬質であるから、1重量%を超えると相手面への攻撃性が高くなり、相手面、すなわちシリンダ2のアルマイト皮膜2aの摩耗が増大するという問題が生じる。
ここで、炭素材料を1重量%以下と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、炭素材料は硬質であるから、1重量%を超えると相手面への攻撃性が高くなり、相手面、すなわちシリンダ2のアルマイト皮膜2aの摩耗が増大するという問題が生じる。
この様な組成とすることにより、ピストン3がシリンダ2の内壁を摺動する際に、このシリンダ2の内壁における摩耗量が減少し、その結果、シリンダ2のさらなる長寿命化、高信頼化が可能になる。
この炭素材料は、炭素繊維および/または球状炭素が好ましい。
この炭素材料は、炭素繊維および/または球状炭素が好ましい。
このライダーリング9の材料組成としては、例えば、青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下、炭素繊維を1重量%以下含有し、残部を変性ポリテトラフルオロエチレンとした複合材料が好ましい。
この様に、ライダーリング9は、二硫化モリブデンおよび変性ポリテトラフルオロエチレンにより摺動抵抗が低減されると共に、青銅粉末により圧縮強度が高まる。さらに、耐久性が向上するので、ライダーリング9の交換時期の遅延が可能になる。
また、青銅粉末は熱伝導性が良いので、ピストン3からシリンダ2への熱伝導性が向上し、ピストン3の放熱性が高まる。
また、青銅粉末は熱伝導性が良いので、ピストン3からシリンダ2への熱伝導性が向上し、ピストン3の放熱性が高まる。
本実施形態のライダーリング9によれば、青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下含有し、残部を変性ポリテトラフルオロエチレンとしたので、耐摩耗性、熱伝導性共に改善することができる。したがって、ライダーリング9の長寿命化、高信頼化を図ることができる。
さらに、炭素材料を1重量%以下含有することとすれば、耐摩耗性がさらに優れたものとなり、ライダーリング9のさらなる長寿命化、高信頼化を図ることができる。
さらに、炭素材料を1重量%以下含有することとすれば、耐摩耗性がさらに優れたものとなり、ライダーリング9のさらなる長寿命化、高信頼化を図ることができる。
本実施形態の往復動型空気圧縮機1によれば、ピストン3の外周溝3bにライダーリング9を装着したので、ライダーリング9とシリンダ2の内壁との間の摺動性を向上させると共に、このシリンダ2の内壁の摩耗量を減少させることができる。したがって、往復動型空気圧縮機1のさらなる長寿命化、高信頼化を図ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜5]
青銅粉、二硫化モリブデン、炭素繊維、変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)粉末各々を表1に示す配合比となるように秤量し、ヘンシェルミキサーを用いてこれらを均一に乾式混合し、その後、得られた混合物を所定の金型に充填し、この金型に40MPaの圧力を掛けつつ25℃にて数分間、圧縮成形した。その後、最高370℃にて約24時間、熱処理を施し、変性PTFE複合材を作製した。
次いで、これらの変性PTFE複合材に切削加工を施し、円筒形状の実施例1〜5のライダーリング9を得た。
[実施例1〜5]
青銅粉、二硫化モリブデン、炭素繊維、変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)粉末各々を表1に示す配合比となるように秤量し、ヘンシェルミキサーを用いてこれらを均一に乾式混合し、その後、得られた混合物を所定の金型に充填し、この金型に40MPaの圧力を掛けつつ25℃にて数分間、圧縮成形した。その後、最高370℃にて約24時間、熱処理を施し、変性PTFE複合材を作製した。
次いで、これらの変性PTFE複合材に切削加工を施し、円筒形状の実施例1〜5のライダーリング9を得た。
[比較例1〜16]
青銅粉、二硫化モリブデン、炭素繊維、球状炭素、ポリイミド、黒鉛、変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)粉末、汎用ポリテトラフルオロエチレン(汎用PTFE)粉末各々を表1に示す配合比となるように秤量し、ヘンシェルミキサーを用いてこれらを均一に乾式混合し、その後、得られた混合物を所定の金型に充填し、この金型に40MPaの圧力を掛けつつ25℃にて数分間、圧縮成形した。その後、最高370℃にて約24時間、熱処理を施し、変性PTFE複合材を作製した。
次いで、これらの変性PTFE複合材に切削加工を施し、円筒形状の比較例1〜16のライダーリングを得た。
青銅粉、二硫化モリブデン、炭素繊維、球状炭素、ポリイミド、黒鉛、変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)粉末、汎用ポリテトラフルオロエチレン(汎用PTFE)粉末各々を表1に示す配合比となるように秤量し、ヘンシェルミキサーを用いてこれらを均一に乾式混合し、その後、得られた混合物を所定の金型に充填し、この金型に40MPaの圧力を掛けつつ25℃にて数分間、圧縮成形した。その後、最高370℃にて約24時間、熱処理を施し、変性PTFE複合材を作製した。
次いで、これらの変性PTFE複合材に切削加工を施し、円筒形状の比較例1〜16のライダーリングを得た。
次いで、実施例1〜5および比較例1〜16各々のライダーリングについて耐久試験を行った。
ここでは、シリンダとしては、アルミニウム合金製のシリンダ2の内壁に膜厚が50μmのアルマイト皮膜2aが形成されたものを用い、ピストンとしては、アルミニウム合金製のピストン3を用い、このピストン3の外周溝3aに上記の各ライダリングを装着し、実施例1〜5および比較例1〜16各々の耐久試験用サンプルを得た。
次いで、これらの耐久試験用サンプルに対して、11kWのオイルフリーベビコン(日立製作所製)にて10000時間、耐久試験を行った。
ここでは、シリンダとしては、アルミニウム合金製のシリンダ2の内壁に膜厚が50μmのアルマイト皮膜2aが形成されたものを用い、ピストンとしては、アルミニウム合金製のピストン3を用い、このピストン3の外周溝3aに上記の各ライダリングを装着し、実施例1〜5および比較例1〜16各々の耐久試験用サンプルを得た。
次いで、これらの耐久試験用サンプルに対して、11kWのオイルフリーベビコン(日立製作所製)にて10000時間、耐久試験を行った。
この試験の後、各々の耐久試験用サンプルについて、5個のサンプルのライダーリング摩耗量(μm)およびシリンダ摩耗量(μm)を測定し、その平均値を求めた。
耐久試験結果を表1に示す。なお、ライダーリング摩耗量(μm)の合格ラインは500μm以下、シリンダ摩耗量(μm)の合格ラインは25μm以下である。
耐久試験結果を表1に示す。なお、ライダーリング摩耗量(μm)の合格ラインは500μm以下、シリンダ摩耗量(μm)の合格ラインは25μm以下である。
表1によれば、実施例1〜5では、ライダーリング摩耗量およびシリンダ摩耗量共に小さく、ライダーリング用材料として優れていることが明らかとなった。
一方、比較例1〜7、16は、汎用PTFEを用いているために、ライダーリング摩耗量が極めて大きく、ライダーリング用材料としては適さないものであった。
これは、変性PTFEは耐熱性がよく、高温下においてもクリープし難く、剛性が高いということが影響しているためと考えられる。
一方、比較例1〜7、16は、汎用PTFEを用いているために、ライダーリング摩耗量が極めて大きく、ライダーリング用材料としては適さないものであった。
これは、変性PTFEは耐熱性がよく、高温下においてもクリープし難く、剛性が高いということが影響しているためと考えられる。
また、比較例8〜10は、汎用PTFEを用い、しかも炭素材料を10重量%含有しているために、ライダーリング摩耗量は小さいものの、シリンダ摩耗量が極めて大きく、ライダーリング用材料としては適さないものであった。
また、比較例11〜15は、変性PTFEを用いているものの、青銅粉、二硫化モリブデン、炭素繊維のいずれかが本発明の範囲外であるために、ライダーリング摩耗量、シリンダ摩耗量のいずれか一方が合格ラインを超えており、ライダーリング用材料として不十分なものであった。
また、比較例11〜15は、変性PTFEを用いているものの、青銅粉、二硫化モリブデン、炭素繊維のいずれかが本発明の範囲外であるために、ライダーリング摩耗量、シリンダ摩耗量のいずれか一方が合格ラインを超えており、ライダーリング用材料として不十分なものであった。
本発明は、青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下含有し、残部を変性ポリテトラフルオロエチレンとした複合材料を用いた摺動部材であるから、無給油式の往復動型空気圧縮機のライダーリングに適用することはもちろんのこと、無給油式の往復動型空気圧縮機以外の様々な様式の往復動圧縮機のライダーリング、ピストンリング、リップリング等に適用することも可能である。
1 往復動型空気圧縮機
2 シリンダ
2a アルマイト皮膜
3 ピストン
3a、3b 外周溝
4 吸込通路
5 吐出通路
6 シリンダヘッド
7 弁座部材
8 ピストンリング
9 ライダーリング
11 本体
12 吸込ポート
12a 弁座
13 吐出ポート
13a 弁座
14 吐出弁板
15 吐出弁板規制部材
16 取付ボルト
17 凹部
21 吸込弁板
22 パーカ鋲
2 シリンダ
2a アルマイト皮膜
3 ピストン
3a、3b 外周溝
4 吸込通路
5 吐出通路
6 シリンダヘッド
7 弁座部材
8 ピストンリング
9 ライダーリング
11 本体
12 吸込ポート
12a 弁座
13 吐出ポート
13a 弁座
14 吐出弁板
15 吐出弁板規制部材
16 取付ボルト
17 凹部
21 吸込弁板
22 パーカ鋲
Claims (4)
- 青銅粉末を10重量%以上かつ50重量%以下、二硫化モリブデンを3重量%以上かつ10重量%以下含有し、残部は変性ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする摺動部材。
- 炭素材料を1重量%以下含有してなることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
- 前記炭素材料は、炭素繊維および/または球状炭素であることを特徴とする請求項2記載の摺動部材。
- アルミニウムまたはアルミニウム合金からなりかつ内壁に陽極酸化処理が施されたシリンダと、このシリンダ内を往復移動するピストンと、このピストンの外周溝に装着され前記シリンダの内壁を摺動する請求項1、2または3記載の摺動部材とを備えてなることを特徴とする往復動圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004284219A JP2006097548A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004284219A JP2006097548A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006097548A true JP2006097548A (ja) | 2006-04-13 |
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ID=36237613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004284219A Withdrawn JP2006097548A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 摺動部材及びそれを備えた往復動圧縮機 |
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Country | Link |
---|---|
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2004
- 2004-09-29 JP JP2004284219A patent/JP2006097548A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071204 |