JP2006097201A - 内装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、耐熱性や耐加水分解性等が高く、また環境に配慮した内装材を提供することを主目的としている。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物を含有する基材を有することを特徴とする内装材を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物を含有する基材を有することを特徴とする内装材を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建築物や車両等の壁紙等に用いられる、環境に配慮した内装材に関するものである。
従来より、建築物等に用いられる内装材として、例えば紙基材に発泡性塩化ビニル樹脂ペーストをコートし、その上に印刷を施した後熱発泡させた塩化ビニル製内装材や、塩化ビニルフィルム状に印刷を施し、その上に塩化ビニルやポリエチレン等の透明フィルムをラミネートしたもの等が用いられていた。しかしながら、このような内装材は、使用後大半が廃棄されることとなり、廃棄処分方法としては、焼却処分や埋め立て処分等が挙げられる。
しかしながら、上述した塩化ビニルのような材料は、焼却の際に発熱量が高く焼却炉を損傷したり、有害ガスを発生させるものが多く、また埋め立て処分を行った場合には、土壌中に上記材料が残留して、土壌汚染の原因となる場合がある。また、上記塩化ビニルのように石油由来の材料を用いた場合には、資源の再生が困難であり、資源が枯渇する可能性がある等の問題もある。
そこで、このような問題を解決するために、例えば特許文献1等に、生分解性を有する樹脂等を用いたもの等が提案されているが、一般的に生分解性を有する材料は耐熱性や耐加水分解性、耐摩耗性等が低い。したがって、生分解性を有する樹脂等を用いた内装材は、従来用いられている内装材と比較して、耐熱性や耐加水分解性、耐摩耗性等が低くなる等の問題が生じる場合があった。
特開平10−180973号公報
そこで、耐熱性や耐加水分解性、耐摩耗性等が高く、また環境に配慮した内装材の提供が望まれている。
本発明は、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物を含有する基材を有することを特徴とする内装材を提供する。
本発明によれば、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂が基材に用いられていることから、例えば埋め立て処分された際や焼却処分された際等に環境に対して悪影響を及ぼさないもの、または石油資源の節約等をするものとすることが可能な、環境に配慮した内装材とすることができる。また、一般的に、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂は、耐熱性が低いが、本発明によればこのような樹脂に耐熱性を付与して用いることから、一般的に用いられている内装材と同様の耐熱性を有するものとすることができる。
上記発明においては、上記組成物が60℃以下に熱変形温度を有しないことが好ましい。これにより、一般的な樹脂を用いた内装材と同様の耐熱性を有する内装材とすることが可能となるからである。
また、上記発明においては、上記組成物が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に粒子または繊維を添加することにより耐熱性を向上させたものであるものとすることができる。上記組成物に、粒子または繊維を添加することにより、上記樹脂に強度等を付与することができ、耐熱性を向上させることが可能となるからである。またこの場合、耐摩耗性も向上させることができ、本発明の内装材の耐久性の高いものとすることができるのである。
また、上記発明においては、上記組成物が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に架橋剤を添加して架橋させたものとすることもできる。上記樹脂に架橋剤を添加し、上記樹脂の架橋密度を高めることによって、耐熱性を向上させることが可能となるからである。またこの場合についても、耐摩耗性を向上させることができ、本発明の内装材の耐久性の高いものとすることができるのである。
ここで、上記発明においては、上記生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂が、脂肪族ポリエステル系またはその誘導体であることが好ましい。脂肪族ポリエステル樹脂またはその誘導体は、比較的強度が高く、基材の強度を高いものとすることができるため、種々の用途に用いることが可能な内装材とすることができるからである。
また、本発明においては、上記基材上に形成された保護層を有していることが好ましい。これにより、上記基材表面を保護することができ、強度等に優れた内装材とすることができるからである。
またこの際、上記保護層が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂を含有することが好ましい。上記保護層が、上記樹脂を含有するものとすることにより、内装材全体を生分解性を有するものや生物由来の材料からなるものとすることができ、より環境に配慮したものとすることができるからである。
また、上記保護層が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂の耐加水分解性を向上させた組成物を含有することがより好ましい。このような組成物が用いられることにより、内装材の耐加水分解性を向上させることができ、様々な用途に用いることが可能な内装材とすることができるからである。
また本発明においては、上記基材と上記保護層との間に形成され、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する接着層を有するものとしてもよく、また上記基材上に形成され、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する粘着層を有していてもよい。これにより、種々の用途に用いることが可能な内装材とすることができるからである。
本発明によれば、例えば埋め立て処分された際や焼却処分された際等に環境に対して悪影響を及ぼさないもの、または石油資源の節約等をするものとすることが可能な、環境に配慮した内装材とすることができ、また一般的に用いられている内装材と同様の耐熱性を有するものとすることができる、という効果を奏するものである。
本発明は、環境に配慮した内装材に関するものである。以下、詳しく説明する。
本発明の内装材は、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物を含有する基材を有することを特徴とするものである。
本発明の内装材は、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物を含有する基材を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂を用いていることから、本発明の内装材が埋め立て処分された際、上記基材が土壌中の微生物等により分解されることが可能なものとすることができる。またこの場合、内装材が焼却処分された際、非生分解性を有する材料の発熱量と比較して発熱量を少ないものとすることができ、焼却炉を損傷したり、有害ガスを発生させる恐れが少ないものとすることができる。また、上記基材が生物由来の材料を含有しているものである場合には、生物由来の材料は再生原料であり、再生不可能な原料である石油資源の節約等をすることができる、という利点を有する。
ここで、一般的に、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂は、耐熱性等が比較的低いが、本発明によれば、上記樹脂に耐熱性を付与した組成物を用いることから、耐熱性等の面で、従来より用いられている内装材と同等のものとすることができ、種々の用途に用いることが可能な内装材とすることができるのである。以下、上記内装材の各構成について詳しく説明する。
1.基材
まず、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物を含有するものであれば特に限定されるものではない。
まず、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物を含有するものであれば特に限定されるものではない。
ここで、本発明でいう生分解性を有する材料とは、生分解性試験(JIS K6950、JIS K6951、JIS K6953)により、生分解性を有する材料のみからなるものが60%以上の生分解性を示すものであることをいうこととする。また、生物由来の材料とは、植物等の生物から生成された材料、または微生物により産生された材料を用いて生成された材料をいうこととし、例えば植物や生物等から生成された材料そのものである必要はなく、これらの材料を例えば重合させたり、他の材料と結合させたもの等も含まれることとする。
本発明に用いられる、上記生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物としては、例えば、上記樹脂に粒子または繊維を添加した組成物であってもよく、また上記樹脂に架橋剤を添加して架橋させた組成物等であってもよい。上記樹脂に粒子または繊維を添加した組成物とした場合、上記樹脂の高温環境下での変形等を防ぐことが可能となり、また上記樹脂の引張り強度や引張り弾性、加熱時の寸法安定性、耐水性、耐摩耗性等を向上させることが可能となる。また、上記樹脂に架橋剤を添加した組成物とした場合、上記樹脂の架橋密度を向上させることができ、上記と同様に、高温環境下での変形や加熱時の寸法安定性、耐摩耗性等を向上させることができるからである。
ここで、上記粒子としては、上記樹脂に耐熱性を付与することが可能なものであれば特にその種類は限定されるものではなく、無機物からなる粒子であってもよく、また有機物からなる粒子であってもよい。このような粒子としては、例えば金属酸化物、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミ、酸化チタン、クレイ等の無機粒子や、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ジビニル化合物等の有機粒子等が挙げられる。中でも、シリカ類、アルミナ等の無機粒子やアクリル系、スチレン系の有機粒子が好ましく用いられる。また、これらの無機粒子および有機粒子は2種以上を併用してもよい。また、上記粒子の大きさとしては、粒径が0.01μm〜50μm程度、中でも0.01μm〜10μm程度のものが用いられることが好ましい。このような粒径のものを用いることにより、上記樹脂に耐熱性を付与することが可能となるからである。
また、上記粒子を添加した組成物において、上記粒子の含有量(重量%)は、組成物中の生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂の含有量(重量%)を1とした場合に、0.001〜50、中でも0.01〜40、特に0.03〜30の範囲内であることが好ましい。このような範囲内とすることにより、環境に配慮したものとするという本発明の目的を損なうことなく、上記樹脂に耐熱性や耐摩耗性等を付与させることが可能となるからである。
また、上記繊維としては、上記樹脂に耐熱性を付与することが可能なものであれば、その種類は特に限定されるものではなく、無機物からなる繊維であってもよく、また有機物からなる繊維であってもよい。このような繊維としては、例えばガラスファイバー、ロックウール、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス繊維、アルミナ繊維、セラミック繊維等の無機物からなる繊維や、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、アクリル繊維、籾殻、ふすま、とうもろこし、綿、竹、麻、椰子、ケナフ、バガス、ジュート、サイザル、リネン、サトウキビ等の有機物からなる繊維が挙げられる。本発明においては、上記の中でも生物由来あるいは生分解性を有する籾殻、ふすま、とうもろこし、綿、竹、麻、椰子、ケナフ、バガス、ジュート、サイザル、リネン、サトウキビ等の繊維が好ましく用いられ、中でも一年生植物であるケナフ、ジュート、リネン等が環境適性の観点から好ましく用いられる。上記繊維を添加した組成物中における繊維の含有量(重量%)は、組成物中の生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂の含有量(重量%)を1とした場合に、0.001〜50、中でも0.01〜40、特に0.03〜30の範囲内であることが好ましい。このような範囲内とすることにより、環境に配慮したものとするという本発明の目的を損なうことなく、上記樹脂に耐熱性や耐摩耗性等を付与することが可能となるからである。
また、上記架橋剤としては、例えば、有機金属キレート化合物、アルコキシレート化合物、ポリイソシアネート化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、メラミン系樹脂、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、有機酸含有ポリマー等を用いることができる。このような架橋剤は、上記生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂の含有量(重量%)を1とした場合に0.001〜20の範囲内、0.01〜10の範囲内用いられることが好ましい。このような範囲内用いることにより、上記樹脂の架橋密度を向上させることができ、上記樹脂に耐熱性や耐摩耗性を付与することが可能となるからである。
上述したような組成物は60℃以下、中でも65℃以下、特に70℃以下に熱変形温度を有しないことが好ましい。なお、熱変形温度とは、荷重たわみ温度と同義であり、試験片の中央に一定の曲げ荷重を加え等速度で昇温させ、中央部の引張りひずみがある一定の値に達したときの温度のことをいう。測定方法はJISK7191に準ずる。
ここで、本発明において用いられる生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂のうち、上記生分解性を有する材料としては、石油由来の材料であってもよく、また天然物由来の材料であってもよい。このような生分解性を有する材料として、例えば脂肪族ポリエステル、微生物産生ポリエステル、芳香族‐脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステルカーボネート、脂肪族ポリエステルアミド、脂肪族ポリエステルエーテル、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロースおよび酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、キチン、キトサン、マンナン等の多糖類が挙げられる。中でも強度等の面から脂肪族ポリエステルが好ましい。
上記脂肪族ポリエステルとしては、例えば環状ラクトン類を開環重合したポリカプロラクトン、ポリブチロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリプロピオラクトン等や、ラクチド、グリコリドを開環重合したポリ乳酸やポリグリコール酸等が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸類と脂肪族ジオール類を共重合させて得られるポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、またはこれらの共重合体等が挙げられる。また、微生物産生の脂肪族ポリエステルとして、例えばポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリヒドロキシブチレートバリレート等が挙げられ、これらに3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート等のヒドロキシアルカノエートを共重合してもよい。また、上記に挙げた脂肪族ポリエステルと、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリアミド等とを、必要に応じて共重合させてもよい。なお、上記脂肪族ポリエステルは、重量平均分子量が1万〜50万の範囲内、中でも3万〜30万の範囲内であることが好ましい。
本発明においては、上述したような材料を1種類、または2種類以上混合して用いることができる。また、上記生分解性を有する材料のみでは、例えば強度や製膜性等が低い場合には、上記生分解性を有する材料と、一般的な内装材の基材等に用いられる生分解性を有しない樹脂等を混合して用いてもよい。上記生分解性を有する材料と混合して用いることが可能な材料としては、例えばポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン−ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。またこの場合、上記生分解性を有しない樹脂は、基材に用いられる樹脂全体の中で50重量%未満、中でも30重量%未満の範囲内で含有されていることが好ましい。上記生分解性を有しない材料の含有量を上記範囲内とすることにより、本発明の目的を損なうことのないものとすることができるからである。
一方、本発明に用いられる生物由来の材料としては、生物由来の材料であるポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート等のポリエステル系樹脂や、ポリアミノ酸系樹脂、セルロースアセテート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、キチン、キトサン、マンナン等の、多糖・デンプン・セルロース系樹脂、大豆タンパク、またはこれらの1種、または2種以上の樹脂を架橋等させたもの、またさらにこれらの樹脂と一般的に用いられている非生物由来の樹脂と結合させたもの等とすることができる。本発明においては、製膜時の機械的強度や疎水性等の面から上記の中でもポリエステル系樹脂、またはこの誘導体を用いることが好ましい。また、上記非生物由来の樹脂と混合させる場合には、基材に用いられる樹脂全体の中で非生物由来の樹脂が50重量%未満、中でも30重量%未満の範囲内で含有されていることが好ましい。上記生物由来の材料以外の材料の含有量を上記範囲内とすることにより、本発明の目的を損なうことのないものとすることができるからである。
ここで、本発明に用いられる基材には、上記生分解性を有し、かつ生物由来の材料が用いられることが好ましい。これにより、上記基材が環境汚染の原因等となることもなく、また石油資源の節約もすることができ、より環境に対して好ましいものとすることができるからである。このような材料としては、例えば上述したようなポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート等の微生物産生ポリエステル系樹脂や、ポリ(γ‐グルタミン酸)等のポリアミノ酸系樹脂、セルロースアセテート、デンプン、キチン、キトサン、マンナン、プルラン等の多糖・デンプン・セルロース系樹脂等を挙げることができ、上述したような材料を1種類、または2種類以上混合して用いることができる。また、上記材料のみでは、例えば強度や製膜性等が低い場合には、上記材料と、一般的な内装材の基材等に用いられる上述したような生分解性を有しない樹脂や、非生物由来の材料等を混合して用いてもよい。本発明においてはこのような材料の中でも脂肪族ポリエステル系樹脂が、製膜性が高く機械的強度が比較的高いことから、基材として適しており、上記の中でも引張り強度、曲げ強度、印刷・加工適性等の面から特にポリ乳酸、またはポリブチレンサクシネートを用いることが好ましい。
なお、上記基材中には、必要に応じて紫外線吸収剤や光安定材剤、顔料、染料、難燃剤、可塑剤、発泡剤、滑剤、界面活性剤等の添加剤を適宜添加していてもよい。
上記の基材の形状としては、シート状またはフィルム状であることが好ましく、膜厚が25μm〜300μm程度とされることが好ましい。基材の作製方法は、上記の材料を混合し、通常行われる方法でシート化、あるいはフィルム化することができる。得られたフィルムまたはシートは、無延伸でも一軸あるいは二軸延伸を行っても良いが、延伸を行った方が伸びや引張り強度などの機械的物性が向上する。また、上記基材はエンボス加工等が必要に応じて適宜施されたものであってもよい。また、上層との密着性を向上させるために、表面にコロナ処理等の物理的または化学的表面処理を施してもよい。
2.内装材
次に、本発明の内装材について説明する。本発明の内装材は、上記基材を有するものであればその構成等は特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように、基材1と、その基材1上に形成された保護層2とを有するものであってもよく、また例えば図2に示すように、基材1とその基材1上に形成された保護層2との間に印刷層3を有するものであってもよい。またさらに、例えば図3に示すように、基材1とその基材1上に形成された印刷層3と、その印刷層3上に形成された接着層4と、その接着層4上に形成された保護層2とを有するもの等であってもよい。またさらに、印刷層と基材との間にプライマー層等を有するような構成であってもよい。
次に、本発明の内装材について説明する。本発明の内装材は、上記基材を有するものであればその構成等は特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように、基材1と、その基材1上に形成された保護層2とを有するものであってもよく、また例えば図2に示すように、基材1とその基材1上に形成された保護層2との間に印刷層3を有するものであってもよい。またさらに、例えば図3に示すように、基材1とその基材1上に形成された印刷層3と、その印刷層3上に形成された接着層4と、その接着層4上に形成された保護層2とを有するもの等であってもよい。またさらに、印刷層と基材との間にプライマー層等を有するような構成であってもよい。
また、例えば図4に示すように、基材1と、その基材1上に形成された保護層2とを有し、上記保護層2が形成された側と反対側の基材1上に粘着層5が形成された構成等としてもよい。
本発明においては、特に基材上に保護層が形成されていることが好ましい。これにより、上記基材を保護することができ、強度や耐擦性、耐摩耗性、耐加水分解性等を内装材に付与することが可能となるからである。またこの際、本発明においては、上記保護層と基材との間に接着層を有することが好ましい。これにより、保護層と基材との密着性をより高いものとすることができるからである。またさらに、本発明においては、上記保護層が形成される側と反対側の基材上に粘着層が形成されたものとすることが好ましい。これにより、本発明の内装材を目的とする部材に貼り合わせることが可能なものとすることができ、より広い用途に用いることが可能となるからである。以下、本発明の内装材に用いられる保護層や接着層、粘着層について説明する。なお、上記印刷層やプライマー層としては、一般的な内装材に用いられているものを用いることができるので、ここでの詳しい説明は省略するが、中でも分解性を有する材料および/または生物由来の材料が用いられることが好ましい。
(保護層)
まず、本発明に用いられる保護層について説明する。本発明に用いられる保護層は、上記基材上に形成され、上記基材を保護することが可能なものであれば、特に限定されるものではなく、一般的な内装材に保護層として用いられるものも用いることができる。
まず、本発明に用いられる保護層について説明する。本発明に用いられる保護層は、上記基材上に形成され、上記基材を保護することが可能なものであれば、特に限定されるものではなく、一般的な内装材に保護層として用いられるものも用いることができる。
本発明においては、上記保護層が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂を含有していることが好ましい。これにより、本発明の内装材全体として生分解性を有するもの、または生物由来の材料からなるものとすることができ、より環境に配慮したものとすることが可能となるからである。なおこの際、上記基材として生分解性を有する材料が用いられた場合には、保護層にも生分解性を有する材料が用いられることが好ましく、また基材として生物由来の材料を有する樹脂が用いられた場合には、保護層にも生物由来の材料を有する樹脂が用いられることが好ましい。
ここで、本発明においては、特に上記保護層に、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐加水分解性を付与した組成物が用いられることが好ましい。これにより、内装材に耐加水分解性を付与することができ、様々な用途に用いられる内装材とすることができるからである。
上記樹脂に耐加水分解性を付与した組成物としては、上記樹脂に架橋剤や末端封止剤を添加した組成物が挙げられる。上記樹脂に架橋剤や末端封止剤を添加し、上記樹脂を構成する分子中の水酸基、カルボキシル基などの官能基と反応させることにより、保護層が用いられた際、加水分解され難いものとすることが可能となるからである。
本発明に用いられる架橋剤や末端封止剤としては、例えば有機金属キレート化合物や、アルコキシレート化合物、ポリイソシアネート化合物、エポキシ系化合物、有機酸含有ポリマー、カルボジイミド、アジリジン系化合物、メラミン系樹脂、オキサゾリン系化合物等を適宜使用することができ、中でもポリイソシアネート化合物、またはカルボジイミドが用いられることが好ましい。ポリイソシアネート化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、アルキルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネートや、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシアネート、メチルヘキシル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,6‐ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、1,5−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類等が挙げられる。上記ポリイソシアネート化合物は、単1種で用いられてもよく、又、2種以上が併用されてもよい。また、カルボジイミド系化合物は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド等のモノカルボジイミドや、下記一般式で表される化合物が挙げられる。
R1−N=C=N−R2
式中、R1およびR2は、水素又はアルキル基であり、アルキル基としては例えば、プロピル基、シクロヘキシル基、p−トルオイル基等であることが好ましい。
R1−N=C=N−R2
式中、R1およびR2は、水素又はアルキル基であり、アルキル基としては例えば、プロピル基、シクロヘキシル基、p−トルオイル基等であることが好ましい。
このような架橋剤や末端封止剤は、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂の量(重量%)を1とした場合に、0.001〜0.40、中でも0.01〜0.20程度用いられることが好ましい。これにより、上記樹脂に耐加水分解性、耐水性を付与することが可能となるからである。ここで、耐加水分解性が高いとは、試験片を高湿度環境下あるいは温水中に一定時間置き、その前後での引張強度を比較した場合に、低下の度合いがより少ないもののことをいう。
なお、上記生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂としては、上述した基材の項で説明したものと同様のものを用いることが可能であり、また上記と同様に他の樹脂や添加剤を併せて用いることができる。上記生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂や、その他の樹脂、添加剤等については、ここでの詳しい説明は省略する。
また、上記保護層の膜厚としては0.1μm〜30μm、中でも1μm〜20μm程度
であることが好ましい。これにより、内装材に強度や耐擦性、耐加水分解性等を付与することが可能となるからである。このような保護層の形成方法としては、インフレーション法、溶融押出塗工、熱プレスによる融着、ドライラミネート法、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの各種コーティング法等が挙げられる。
であることが好ましい。これにより、内装材に強度や耐擦性、耐加水分解性等を付与することが可能となるからである。このような保護層の形成方法としては、インフレーション法、溶融押出塗工、熱プレスによる融着、ドライラミネート法、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの各種コーティング法等が挙げられる。
(接着層)
次に、本発明に用いられる接着層について説明する。本発明に用いられる接着層は、隣接する2つの層を貼り合わせることが可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば基材と保護層との密着性を向上させたり、エンボス加工等された基材を平坦化する目的等で用いられる。
次に、本発明に用いられる接着層について説明する。本発明に用いられる接着層は、隣接する2つの層を貼り合わせることが可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば基材と保護層との密着性を向上させたり、エンボス加工等された基材を平坦化する目的等で用いられる。
本発明においては、上記接着層として、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有するものが用いられることが好ましい。これにより、内装材全体として生分解性を有するもの、または生物由来のものとすることができるからである。なおこの際、上記基材として生分解性を有する材料が用いられた場合には、接着層にも生分解性を有する材料が用いられることが好ましく、また基材として生物由来の材料を有する樹脂が用いられた場合には、接着層にも生物由来の材料を有する樹脂が用いられることが好ましい。
上記接着層に用いられる生分解性を有する材料および/または生物由来の材料としては、上記基材の項で説明したものと同様のものを用いることができ、上記の中でも特にポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート−アジペート、ポリブチレンアジペート−テレフタラート、ポリカプロラクトン、大豆タンパク、デンプン等を用いることが好ましい。なお、上記樹脂と生分解性等を有しない樹脂等とを併せて用いてもよい。また、上記接着層中には、架橋剤、軟化材、充填剤、ワックス、老化防止剤や、界面活性剤、顔料、染料、増粘材、防腐材、防黴剤等の各種添加剤等を適宜含有していてもよい。中でも、接着性を向上させ耐加水分解性を付与するため、架橋剤を用いるのが好ましく、具体的には、上記保護層の項で説明したものと同様のものを用いることができる。
上記接着層の形成方法としては、例えば、上記樹脂を用いた共押し出し、押し出しラミ、ドライラミ、転写、ホットメルト等の方法や、上記樹脂を溶剤に溶解させてコーティングする方法等が挙げられる。本発明においては、特に上記樹脂を用いたホットメルトまたは、上記樹脂を水性エマルジョンとしてコーティングする方法が用いられることが好ましい。これにより、揮発性有機化合物を少ないものとすることができ、より環境に配慮した内装材とすることができるからである。
また、上記接着層の膜厚としては、上記内装材の構成等により、適宜選択されるものであるが、通常0.1μm〜10μm、中でも0.3μm〜5μm程度とされることが好ましい。
(粘着層)
次に、本発明に用いられる粘着層について説明する。本発明に用いられる粘着層は、本発明の内装材を、目的とする部材に固定するために用いられるものであり、基材の裏面、すなわち上記保護層が形成される側と反対側の面に形成されるものである。
次に、本発明に用いられる粘着層について説明する。本発明に用いられる粘着層は、本発明の内装材を、目的とする部材に固定するために用いられるものであり、基材の裏面、すなわち上記保護層が形成される側と反対側の面に形成されるものである。
本発明においては、このような粘着層としても、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有するものが用いられることが好ましく、上記基材として生分解性を有する材料が用いられた場合には、粘着層にも生分解性を有する材料が用いられることが好ましく、また基材として生物由来の材料を有する樹脂が用いられた場合には、粘着層にも生物由来の材料を有する樹脂が用いられることが好ましい。
上記粘着層に用いられる生分解性を有する材料および/または生物由来の材料としては、上述した基材の項で説明したものと同様のものを用いることができ、上記の中でもポリエステル系の樹脂を用いることが好ましく、さらに天然ゴム、ロジン、テルペン、テルペンフェノール等を適宜組み合わせて用いることが好ましい。上記ポリエステル系の樹脂としては、例えばポリ乳酸、ジカルボン酸‐ジオール共重合体、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド等が挙げられる。また、必要に応じて、上記樹脂と生分解性等を有しない樹脂とを併せて用いてもよい。またさらに、上記粘着層は、架橋剤、軟化材、充填剤、ワックス、老化防止剤、その他、界面活性剤や顔料、染料、増粘材、防腐材、防黴剤等の各種添加剤等を適宜含有していてもよい。
粘着剤の形態は特に限定されず、固形型、高濃度型、溶剤溶解型、エマルジョン型、ホットメルト型などいずれでも良く、粘着層の形成方法としては、グラビアコート、ロールコート、ディップコート、ナイフコート、エアーナイフコート、コンマコート、ダイコート、リップコート、キスコート、ロッドコート、スプレーコート、フローコート、転写法などが挙げられる。本発明においては上記の中でも、揮発性有機化合物を少なくするという観点から、上記樹脂を用いたホットメルトまたは、上記樹脂を水性エマルジョンとしてコーティングする方法が用いられることが好ましい。また、粘着層の膜厚としては、1μm〜200μm程度、中でも3μm〜100μm程度とすることができる。
また、本発明においては、上記粘着剤中に未発泡剤が含有されていてもよい。これにより、内装材を使用後、未発泡剤を加熱し、発泡させることにより容易に剥離させることが可能となるため、リサイクル性を高めることが可能となり、より環境に配慮した内装材とすることができるからである。このような未発泡剤としては、例えば熱膨張性マイクロカプセル等を用いることができる。
またさらに、本発明の内装材においては、上記粘着剤上に剥離紙を設けてもよく、この剥離紙についても、分解性を有する材料および/または生物由来の材料が用いられていることが好ましい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
・ポリ乳酸系樹脂(レイシアH−100T、三井化学製) 90重量部
・フィラー(サブミクロンフィラー、日本化成製) 10重量部
上記材料を小型二軸押出機((株)井本製作所製)を用いて、200℃で溶融混練し、Tダイで押出した後、冷却した。70℃で二軸延伸し、120℃で熱処理を行い、厚さ50μmのフィルム状の内装材を得た。
[実施例1]
・ポリ乳酸系樹脂(レイシアH−100T、三井化学製) 90重量部
・フィラー(サブミクロンフィラー、日本化成製) 10重量部
上記材料を小型二軸押出機((株)井本製作所製)を用いて、200℃で溶融混練し、Tダイで押出した後、冷却した。70℃で二軸延伸し、120℃で熱処理を行い、厚さ50μmのフィルム状の内装材を得た。
[実施例2]
・ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂(ビオノーレ#3001、昭和高分子製) 80重量部
・繊維(ミドルファイバー、日東紡製) 20重量部
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりフィルム状の内装材を得た。
・ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂(ビオノーレ#3001、昭和高分子製) 80重量部
・繊維(ミドルファイバー、日東紡製) 20重量部
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりフィルム状の内装材を得た。
[実施例3]
・ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂(ビオノーレ#3001、昭和高分子製) 93重量部
・架橋剤(デュラネート TPA−B80X、旭化成製) 7重量部
ポリ乳酸系樹脂に架橋剤を添加し反応させ、分子量の大きいポリ乳酸を得た。その後、実施例1と同様の方法でフィルム状とし、内装材を得た。
・ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂(ビオノーレ#3001、昭和高分子製) 93重量部
・架橋剤(デュラネート TPA−B80X、旭化成製) 7重量部
ポリ乳酸系樹脂に架橋剤を添加し反応させ、分子量の大きいポリ乳酸を得た。その後、実施例1と同様の方法でフィルム状とし、内装材を得た。
[実施例4]
・ポリ乳酸系樹脂 85重量部
・フィラー 15重量部
・架橋剤(デュラネート TPA−B80X、旭化成製) 4重量部
ポリ乳酸系樹脂に架橋剤を添加し反応させ、分子量の大きいポリ乳酸を得た。その後、実施例1と同様の方法でフィルム状の内装材を得た。
・ポリ乳酸系樹脂 85重量部
・フィラー 15重量部
・架橋剤(デュラネート TPA−B80X、旭化成製) 4重量部
ポリ乳酸系樹脂に架橋剤を添加し反応させ、分子量の大きいポリ乳酸を得た。その後、実施例1と同様の方法でフィルム状の内装材を得た。
[実施例5]
・ポリ乳酸系樹脂(TE−4000、ユニチカ製) 100重量部
・架橋剤(タケネート700、三井武田ケミカル製) 3重量部
・架橋剤(カルボジライトV−05、日東紡績製) 2重量部
上記材料を混合し、実施例1のフィルム上に押出しラミネートにより、20μm厚の保護層を形成し、基材および保護層を有する内装材とした。
得られた上記保護層について、下記の方法で180度剥離試験を行ったところ、1.9kg重/25mmであった。
・180度剥離試験…JIS K6854に準拠し測定を行った。接着面積を25mm×100mmとした25mm×150mmのサンプルを、接着後48時間放置した後、引張り試験機(INSTRON社製)を用い、200mm/minの速度で180度方向に剥離し、保護層と基材間の剥離強度を測定した。
・ポリ乳酸系樹脂(TE−4000、ユニチカ製) 100重量部
・架橋剤(タケネート700、三井武田ケミカル製) 3重量部
・架橋剤(カルボジライトV−05、日東紡績製) 2重量部
上記材料を混合し、実施例1のフィルム上に押出しラミネートにより、20μm厚の保護層を形成し、基材および保護層を有する内装材とした。
得られた上記保護層について、下記の方法で180度剥離試験を行ったところ、1.9kg重/25mmであった。
・180度剥離試験…JIS K6854に準拠し測定を行った。接着面積を25mm×100mmとした25mm×150mmのサンプルを、接着後48時間放置した後、引張り試験機(INSTRON社製)を用い、200mm/minの速度で180度方向に剥離し、保護層と基材間の剥離強度を測定した。
[実施例6]
・ポリブチレンサクシネート(ビオノーレEM−530、昭和高分子製)100重量部
・架橋剤(デュラネートWB40−100、旭化成製) 5重量部
上記材料を混合し、印刷(材料:グラビアインキ(バイオテックカラーHGC,大日精化工業))を施した実施例1のフィルム上に塗工して接着層を形成した後、実施例5と同様の材料を用いて、上記接着層上にドライラミにより保護層を形成し、基材と接着層と保護層とを有する内装材とした。
得られた保護層について、上記の方法で180度剥離試験を行ったところ、3.2kg重/25mmであった。
・ポリブチレンサクシネート(ビオノーレEM−530、昭和高分子製)100重量部
・架橋剤(デュラネートWB40−100、旭化成製) 5重量部
上記材料を混合し、印刷(材料:グラビアインキ(バイオテックカラーHGC,大日精化工業))を施した実施例1のフィルム上に塗工して接着層を形成した後、実施例5と同様の材料を用いて、上記接着層上にドライラミにより保護層を形成し、基材と接着層と保護層とを有する内装材とした。
得られた保護層について、上記の方法で180度剥離試験を行ったところ、3.2kg重/25mmであった。
[実施例7]
・ポリ乳酸エマルジョン(ランディPL、ミヨシ油脂(株)製) 30重量部
・ポリブチレンサクシネート−アジペートエマルジョン
(ビオノーレEM−301、昭和高分子(株)製) 55重量部
・ロジンエステルエマルジョン
(スーパーエステルE−740、荒川化学工業(株)製)15重量部
上記材料を混合し、実施例6のサンプルの保護層を形成した側と反対側の面の基材上にアプリケーター塗工し、100℃、3min乾燥を行い、20μm厚の粘着層を形成し、基材、粘着層、保護層、および粘着層を有する内装材とした。
得られたサンプルついて、下記の方法で粘着力を測定したところ、1.6kg重/25mmであり、また下記の方法で再剥離性も試験したところ、糊残りは認められなかった。
・粘着力測定…JIS Z0237に準拠し測定を行った。上記内装材を25mm×150mmにカットした試験片を、SUS板に2kg重のゴムローラーで300mm/minの速度で一往復して貼り付け、30分後に引張り試験機(INSTRON社製)にて300mm/minの速度で180度方向に剥離を行い、粘着力を測定した。
・再剥離性…粘着力測定と同様の方法で試験片をSUS板に張り付け、30℃で一週間静置した後、同様の方法で剥離を行った。剥離後のSUS板の表面を目視にて観察し、糊残りの有無を評価した。
・ポリ乳酸エマルジョン(ランディPL、ミヨシ油脂(株)製) 30重量部
・ポリブチレンサクシネート−アジペートエマルジョン
(ビオノーレEM−301、昭和高分子(株)製) 55重量部
・ロジンエステルエマルジョン
(スーパーエステルE−740、荒川化学工業(株)製)15重量部
上記材料を混合し、実施例6のサンプルの保護層を形成した側と反対側の面の基材上にアプリケーター塗工し、100℃、3min乾燥を行い、20μm厚の粘着層を形成し、基材、粘着層、保護層、および粘着層を有する内装材とした。
得られたサンプルついて、下記の方法で粘着力を測定したところ、1.6kg重/25mmであり、また下記の方法で再剥離性も試験したところ、糊残りは認められなかった。
・粘着力測定…JIS Z0237に準拠し測定を行った。上記内装材を25mm×150mmにカットした試験片を、SUS板に2kg重のゴムローラーで300mm/minの速度で一往復して貼り付け、30分後に引張り試験機(INSTRON社製)にて300mm/minの速度で180度方向に剥離を行い、粘着力を測定した。
・再剥離性…粘着力測定と同様の方法で試験片をSUS板に張り付け、30℃で一週間静置した後、同様の方法で剥離を行った。剥離後のSUS板の表面を目視にて観察し、糊残りの有無を評価した。
[比較例1]
・ポリ乳酸(レイシアH−100T、三井化学製)
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法でフィルム状の内装材を得た。
・ポリ乳酸(レイシアH−100T、三井化学製)
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法でフィルム状の内装材を得た。
(評価方法)
実施例1から実施例6、および比較例1について、引張り強度、耐摩耗性、荷重たわみ温度、耐加水分解性、および生分解性について試験を行った。試験結果を表1に示す。
実施例1から実施例6、および比較例1について、引張り強度、耐摩耗性、荷重たわみ温度、耐加水分解性、および生分解性について試験を行った。試験結果を表1に示す。
・引張り強度…引張り試験機(INSTRON社製)を用い、JIS K7127、K7161に準拠し測定を行った。得られたフィルムを25×150mmの大きさにカットし、引張り速度100mm/minで測定を行い、引張り強度を評価した。
・耐摩耗性…テーバー磨耗試験機を用い、CS−17、1kg荷重、100回転テスト後、表面を目視で観察し、変化が認められなかったものを○、削れたり傷が入ったものを×とした。
・荷重たわみ温度測定…荷重たわみ温度試験機(東洋精機製)を用い、K7191に準拠し測定を行った。実施例1から実施例4までの内装材を4mm厚のフィルム状とし、120mm×30mmの試験片の中央に4.6kg重の荷重をかけながら、2℃/minで昇温し、荷重中央のたわみ量が0.25mmになった時の温度を荷重たわみ温度とした。
・耐加水分解性…作製したサンプルの試験片を60℃95%RHの高温高湿環境下に置き、1週間放置した。その後、引張強度を上記の方法で測定し、引張り強度保持率(%)(=試験後の引張強度/試験前の引張強度)が90%以上のものを○、90%以下のものを×とした。
・生分解性…サンプルをコンポスト中に埋めて6ヶ月放置し、その後、サンプルが分解されているかどうかを目視にて評価した。評価基準は、生分解が進行しているものを○、全く生分解が進行していないものを×とした。
・耐摩耗性…テーバー磨耗試験機を用い、CS−17、1kg荷重、100回転テスト後、表面を目視で観察し、変化が認められなかったものを○、削れたり傷が入ったものを×とした。
・荷重たわみ温度測定…荷重たわみ温度試験機(東洋精機製)を用い、K7191に準拠し測定を行った。実施例1から実施例4までの内装材を4mm厚のフィルム状とし、120mm×30mmの試験片の中央に4.6kg重の荷重をかけながら、2℃/minで昇温し、荷重中央のたわみ量が0.25mmになった時の温度を荷重たわみ温度とした。
・耐加水分解性…作製したサンプルの試験片を60℃95%RHの高温高湿環境下に置き、1週間放置した。その後、引張強度を上記の方法で測定し、引張り強度保持率(%)(=試験後の引張強度/試験前の引張強度)が90%以上のものを○、90%以下のものを×とした。
・生分解性…サンプルをコンポスト中に埋めて6ヶ月放置し、その後、サンプルが分解されているかどうかを目視にて評価した。評価基準は、生分解が進行しているものを○、全く生分解が進行していないものを×とした。
Claims (10)
- 生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に耐熱性を付与した組成物を含有する基材を有することを特徴とする内装材。
- 前記組成物が60℃以下に熱変形温度を有しないことを特徴とする請求項1に記載の内装材。
- 前記組成物が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に粒子または繊維を添加することにより耐熱性を向上させたものであることを特徴とする請求項1に記載の内装材。
- 前記組成物が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂に架橋剤を添加して架橋させたものであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の内装材。
- 前記生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂が、脂肪族ポリエステル系またはその誘導体であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の内装材。
- 前記基材上に形成された保護層を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の内装材。
- 前記保護層が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項6に記載の内装材。
- 前記保護層が、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する樹脂の耐加水分解性を向上させた組成物を含有することを特徴とする請求項7に記載の内装材。
- 前記基材と前記保護層との間に形成され、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する接着層を有することを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれかの請求項に記載の内装材。
- 前記基材上に形成され、生分解性を有する材料および/または生物由来の材料を有する粘着層を有することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の内装材。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007301823A (ja) * | 2006-05-11 | 2007-11-22 | Osaka Univ | 内装材 |
JP2008075367A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-04-03 | Toppan Printing Co Ltd | 床材及びその製造方法 |
JP2009235152A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Toppan Printing Co Ltd | 着色シート及び化粧シート |
JP2010052305A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Toppan Cosmo Inc | 化粧シート |
JP2012238908A (ja) * | 2012-08-27 | 2012-12-06 | Toppan Printing Co Ltd | 太陽電池裏面封止用シート |
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-
2004
- 2004-09-30 JP JP2004286958A patent/JP2006097201A/ja not_active Withdrawn
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