JP4262544B2 - 水溶性防水フィルム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用時には耐水性に優れ、廃棄時には水溶性又は水離解性に優れた環境対応型の水溶性防水フィルムに関するものであり、特にナプキン、おむつ、簡易トイレ、汚物処理袋、人工肛門等の衛生用品や医療用品に有用な水溶性防水フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日では、殺菌剤、殺虫剤、染料、洗剤、農薬等の各種単位包装材料や、病院等のランドリーバック、ナプキン、おむつ、簡易トイレ、汚物処理袋等の衛生用品の構成材料、人工肛門等の医療用品の構成材料として、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、セルロース系樹脂、澱粉系樹脂等から形成される水溶性防水フィルムが用いられている。これら水溶性防水フィルムは、廃棄時には水に容易に溶解又は離解してその形態を失い、一方、使用時には例えば水分を多量に含む液体や汚物が貯留できる程度の充分な耐水性を有することが要求される。
【0003】
このような水溶性又は水離解性と耐水性とを併せ持つ水溶性防水フィルムの関連技術としては、従来、以下に示すものが知られている。
(1)特開平4−200470号公報、特開平4−208153号公報、特開平4−208162号公報等には、ケン化度が79〜98%のポリビニルアルコールとポリビニルアルコールのゲル化促進剤とからなるフイルムの片面に撥水剤がコーティングされたフイルムを用いた排泄処理装置用貯留袋、使い捨てオムツ用バックシート及び携帯用採尿バックが開示されている。
【0004】
(2)特開平6−142127号公報等には、内側を耐水性及び微生物分解性を有する樹脂層とし、外側を気密性がある水溶性又は水離解性を有する樹脂層(ポリビニルアルコール層)とする二層構成の汚物処理袋が開示されている。
【0005】
(3)特開平7−266515号公報等には、水溶性ポリビニルアルコールからなるフィルムの片面に酢酸ビニル・塩化ビニル・メチルメタクリレート共重合ポリマーが積層された廃棄処理用基材が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−200470号公報
【特許文献2】
特開平4−208153号公報
【特許文献3】
特開平4−208162号公報
【特許文献4】
特開平6−142127号公報
【特許文献5】
特開平7−266515号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)の開示技術では、高温高湿条件下での使用においてはフィルムの形状維持に問題があり、水溶性又は水離解性と耐水性の両立という点でまだまだ不充分である。また、上記(2)の開示技術では、耐水性はある程度認められるものの、水溶性又は水離解性についてはまだまだ満足のいくものではなく改善の余地が残るものである。さらに、上記(3)の開示技術では、共重合ポリマーを積層しているため、環境面での問題が残るうえ、耐水性と水溶性又は水離解性のバランスの点でもまだまだ満足のいくものではない。
【0008】
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、使用時には耐水性に優れ、廃棄時には水溶性又は水離解性に優れた環境対応型の水溶性防水フィルムの提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、生分解性防水層の構成材料、添加剤及びその組合せについて検討、実験及び検証を繰り返した結果、生分解性防水層の基材ポリマーとしてセラック樹脂誘導体を用い、これに硬化剤を配合することで、当該水溶性防水フィルムの耐水性と水溶性又は水離解性とが高次元でバランスすることを見いだした。
【0010】
その結果得られた上記課題を解決するためになされた発明は、水溶性を有するポリビニルアルコール系フィルムと、このポリビニルアルコール系フィルムの少なくとも片面に積層される生分解性防水層とを備える水溶性防水フィルムであって、この生分解性防水層が基材ポリマーと硬化剤とを含有する樹脂組成物から形成され、この基材ポリマーとしてエステル変性セラック樹脂誘導体又はメタクリレート変性セラック樹脂誘導体が用いられていることを特徴とするものである。
【0011】
当該水溶性防水フィルムによれば、エステル変性セラック樹脂誘導体又はメタクリレート変性セラック樹脂誘導体と硬化剤とを含有する樹脂組成物からなる生分解性防水層と、これに積層される水溶性ポリビニルアルコール系フィルムとを備えることで、使用時の耐水性と廃棄時の水溶性又は水離解性とをバランスよく向上させることができる。従って、当該水溶性防水フィルムは、水分を含んだ汚物や水の飛沫等と接触するような環境で使用されたり、輸送途中で水と接触することがあっても、意図せぬ溶解又は離解を生じることがない。一方、使用目的が達成され、水洗トイレ等の水中に廃棄する時にはポリビニルアルコール系フィルム側から溶解が始まり、やがて全体が水に溶解又は離解する。また、廃棄後焼却してもダイオキシン等の公害物質の発生がないこと、土中等に廃棄してもバクテリア等で生分解性防水層が分解されることなどから、環境負荷を低減することができる。
【0012】
当該水溶性防水フィルムにおいて、樹脂組成物における硬化剤の配合量としてはポリマー分100部に対して1部以上50部以下が好ましい。また、生分解性防水層を形成する樹脂組成物中に天然ワックス(1部以上100部以下)、セルロース誘導体(1部以上100部以下)、フィラー(1部以上50部以下)、可塑剤(0.5部以上30部以下)又は撥水剤(0.1部以上5部以下)を含有するとよい。また、上記ポリビニルアルコール系フィルムとして、4質量%での水溶液粘度が10mPa・s以上30mPa・s以下(20℃)で、平均ケン化度が70モル%以上99モル%以下であるポリビニルアルコール系樹脂からなるものが好ましい。さらに、上記ポリビニルアルコール系フィルムの膜厚としては5μm以上30μm以下が好ましく、生分解性防水層の膜厚としては0.1μm以上10μm以下が好ましい。これらの手段により、当該水溶性防水フィルムの耐水性と水溶性又は水離解性とを共により向上することができる。
【0013】
本発明において、「部」で示す数値は、質量を基準とする比を意味する。「平均ケン化度」は、JIS−K−6726−3.5の規定に準じた測定値を意味する。「水溶液粘度」は、JIS−K−6726−3.11.2に準じた測定値を意味する。「配合量」とは、固形分換算の配合量を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係る水溶性防水フィルムを示す模式的断面図、図2は図1の水溶性防水フィルムとは異なる形態の水溶性防水フィルムを示す模式的断面図である。
【0015】
図1の水溶性防水フィルム1は、水溶性を有するポリビニルアルコール系フィルム2と、このポリビニルアルコール系フィルム2の表面に積層される生分解性防水層3とを備えている。
【0016】
ポリビニルアルコール系フィルム2は、ポリビニルアルコール系樹脂から製膜されるフィルムである。このポリビニルアルコール系フィルム2の形成材料として用いられるポリビニルアルコール系樹脂としては、特に限定されるものではなく、(a)酢酸ビニルの重合により得られるポリ酢酸ビニルを低級アルコール溶媒中でアルカリや酸等のケン化触媒によってケン化したケン化物、(b)そのケン化物の誘導体、(c)酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等の変性ポリビニルアルコール系樹脂などが用いられる。かかる共重合性単量体の含有量としては、0.5モル%以上10モル%以下が好ましく、1モル%以上7モル%以下が特に好ましい。なお、ポリビニルアルコール系フィルム2は、上記ポリビニルアルコール系樹脂を1種又は2種以上併用して形成することができる。
【0017】
上記(c)の共重合性単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン、ジアクリルアセトンアミド等が挙げられる。
【0018】
さらに、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有単量体等も挙げられる。また、アセトアセチル基を含有させたポリビニルアルコール系樹脂等も使用することができる。
【0019】
上記酢酸ビニルの重合及び酢酸ビニルと共重合性単量体との共重合は、特に制限はなく公知の重合方法が用いられるが、通常はメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が用いられ、その他に乳化重合、懸濁重合も可能である。また、重合反応は、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の公知のラジカル重合触媒を用いて行われ、反応温度は35℃〜沸点(好ましくは50〜80℃)程度の範囲から選択される。
【0020】
得られた重合体のケン化は、この重合体をアルコールに溶解してアルカリ触媒の存在下に行われる。かかるアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、ブタノール等が用いられる。アルコール中の重合体の濃度としては、20質量%以上50質量%以下の範囲で適宜選択される。
【0021】
ケン化触媒としては、(a)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物、(b)アルコラートの如きアルカリ触媒、(c)酸触媒などが用いられる。かかる触媒の使用量は重合体に対して1ミリモル当量以上100ミリモル当量以下にするとよい。
【0022】
上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度としては、特に限定されないが、70モル%以上99モル%以下が好ましい。これは、かかる平均ケン化度が70モル%未満では、水溶性又は水離解性や膜強度が低下するおそれがあり、逆に、99モル%を越えても水溶性又は水離解性が低下するおそれがあることからである。中でも特に常温水で廃棄する場合は75モル%以上95モル%以下、特に80モル%以上90モル%以下が好ましく、また温水廃棄設備を備えている場合や高湿度下で使用される場合等は75モル%以上95モル%以下、特に83モル%以上92モル%以下が好ましい。
【0023】
また、上記ポリビニルアルコール系樹脂の4質量%での水溶液粘度の下限としては、10mPa・s(20℃)、特に15mPa・s(20℃)が好ましい。一方、上記水溶液粘度の上限としては、30mPa・s(20℃)、特に25mPa・s(20℃)が好ましい。これは、かかる水溶液粘度が上記下限未満では膜の溶解性には問題はないが強度が低下するおそれがあり、逆に、上記上限を越えると溶液粘度が高くなりすぎ生産性に劣ることとなり好ましくないことからである。
【0024】
ポリビニルアルコール系フィルム2の製造方法としては、(a)上記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液をロール、ドラム、エンドレスベルト等の平滑な金属面上(金属表面の温度は80〜130℃程度)に流延する流延法、(b)上記ポリビニルアルコール系樹脂に適宜水又は可塑剤及びフィラーを加えた組成物を押出法等の手段によって溶融成形する方法等があるが、本発明では特に前者の流延法が好適に用いられる。
【0025】
かかる流延法において、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液濃度の下限としては、10質量%、特に13質量%、さらに特に15質量%が好ましい。一方、この水溶液濃度の上限としては、50質量%、特に45質量%、さらに特に40質量%が好ましい。かかる水溶液濃度が上記下限未満では乾燥不良や液だれが生じ生産性が低下し、逆に、上記上限を越えると高粘度のため生産性に劣ることとなり好ましくない。
【0026】
上記流延法においては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に対し、必要に応じて可塑剤(グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、剥離剤(ソルビタンエステルエーテル等)、ハジキ防止剤(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等)を添加してもよく、さらに抗酸化剤(フェノール系、アミン系等)、安定剤(リン酸エステル類等)、着色料、香料、増量剤、消包剤、紫外線吸収剤、無機粉体、界面活性剤等の通常の添加剤等を添加してもよい。
【0027】
なお、ポリビニルアルコール系フィルム2には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他の水溶性高分子(ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、デキストリン、キトサン、キチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉等)、防錆剤、着色剤等を添加することも可能である。
【0028】
ポリビニルアルコール系フィルム2の膜厚は当該水溶性防水フィルム1の使用用途等により適宜選択するとよいが、その膜厚の下限としては5μm、特に10μm、さらに特に15μmが好ましく、その膜厚の上限としては30μm、特に25μm、さらに特に20μmが好ましい。ポリビニルアルコール系フィルム2の膜厚が上記下限未満では膜強度や加工性が低下するおそれがあり、逆に、上記上限を越えると生産性の他に水離解性が低下するおそれがある。
【0029】
生分解性防水層3は、基材ポリマーと硬化剤とを含有する樹脂組成物から形成されており、この基材ポリマーとしてセラック樹脂誘導体が用いられている。この生分解性防水層3は、基材ポリマーとして生分解性樹脂であるラック樹脂誘導体が用いられているため、微生物によって生分解される。また、樹脂組成物中に硬化剤を含むことから、架橋反応等によって生分解性防水層3とポリビニルアルコール系フィルム2との密着性が格段に増大し、さらに生分解性防水層3の耐水性が増大する。
【0030】
セラック樹脂は、ある種の植物に寄生するラック虫(インド産ラックカイガラムシ)が分泌した樹脂を精製して得る天然樹脂である。上記セラック樹脂誘導体は、このセラック樹脂のとの反応で得られるものであり、例えばメタクルリレート変性セラック樹脂誘導体、アクリレート変性セラック樹脂誘導体、エポキシ変性セラック樹脂誘導体、ウレタン変性セラック樹脂誘導体、エステル変性セラック樹脂誘導体、アセチル変性セラック樹脂誘導体、フェノール変性セラック樹脂誘導体等が挙げられ、これらの群より選択される1種又は2種以上のものが用いられる。中でもアルコール類や多価アルコール類との反応で得られるエステル変性セラック樹脂誘導体、アセチル変性セラック樹脂誘導体及びメタクリレート変性セラック樹脂誘導体が特に好ましい。
【0031】
硬化剤としては、トリレンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系、1,3−ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン系、イソホロンジイソシアネート系、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート系、キシリレンジイソシアネート系、テトラメチルキシリレンジイソシアネート系、m−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネート系等のイソシアネ−トモノマー、その重合体、そのブロックイソシアネート、エポキシ基含有化合物及びエポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノールフォルムアルデヒド樹脂、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物及び樹脂、アジリジンとその誘導体、ポリアリルアミン等が挙げられる。
【0032】
上記樹脂組成物における硬化剤のポリマー分100部に対する配合量の下限としては、1部が好ましく、2部が特に好ましい。一方、上記配合量の上限としては、50部が好ましく、30部が特に好ましい。硬化剤の配合量が上記下限未満では、ポリビニルアルコール系フィルム2と生分解性防水層3との密着性や耐水性に問題が生じ、逆に、上記上限を超えると、生分解性防水層3の生分解性を著しくを低下させるおそれがある。なお、硬化剤に加えて、夫々の硬化剤に適応できる反応促進のために触媒剤を併用することもできる。
【0033】
生分解性防水層3を形成する樹脂組成物中には天然ワックス、セルロース誘導体、可塑剤又は撥水剤を含有するとよい。かかる天然ワックス等を生分解性防水層3中に配合することで、当該水溶性防水フィルム1の使用時の耐水性と廃棄時の水離解性とを高めることができる。また、天然ワックス等の配合量を調整することで、当該水溶性防水フィルム1の使用用途に応じて、耐水性と水離解性とのバランスを制御することができる。
【0034】
この天然ワックスとしては、特に限定されるものではなく、植物系ワックス及び動物系ワックスが用いられ、具体的には木蝋、キャンデリラワックス、ライスワッククス、カルナバワックス、カスターワックス、大豆硬化油、モンタンワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0035】
上記樹脂組成物における天然ワックスのポリマー分100部に対する配合量の下限としては、1部が好ましく、5部が特に好ましい。一方、上記配合量の上限としては、100部が好ましく、75部が特に好ましい。かかる天然ワックスの配合量が上記下限未満ではブロッキング防止性、撥水性や水分散性の向上効果が小さく、逆に、上記上限を超えると生分解性防水層3とポリビニルアルコール系フィルム2との密着性や耐水性が低下するおそれがある。
【0036】
セルロース誘導体としては、特に限定されるものではなく、例えばa)酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロースアセテート、メチルアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート、硝酸セルロース等その他のセルロースエステル類、b)エチルセルロース、ベンジルセルロース、シアノエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類等が挙げられ、中でも酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが特に好ましい。
【0037】
上記樹脂組成物におけるセルロース誘導体のポリマー分100部に対する配合量の下限としては、1部が好ましく、5部が特に好ましい。一方、上記配合量の上限としては、100部が好ましく、50部が特に好ましい。セルロース誘導体の配合量が上記下限未満ではブロッキング防止効果が低下し、逆に、上記上限を超えると耐水性が低下するおそれがある。
【0038】
可塑剤としては、可塑効果を発現させるものであれば特に限定されず、例えばフタル酸ジエステル系、テトロヒドロフタル酸エステル系、脂肪族二塩基酸、トリメリット酸エステル系、エポキシヘキサヒドロフタル酸エステル系、エポキシ化エステル系、アジピン酸エステル系、リン酸エステル系等が用いられる。
【0039】
上記樹脂組成物における可塑剤のポリマー分100部に対する配合量の下限としては、0.5部が好ましく、1部が特に好ましい。一方、上記配合量の上限としては、30部が好ましく、10部が特に好ましい。可塑剤の配合量が上記下限未満では水離解性の向上効果が低下し、逆に、上記上限を超えると耐水性が低下するおそれがある。
【0040】
撥水剤としては、撥水効果を発現させるものであれば特に限定されず、例えばシリコーンオイル、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、合成ワックス等が用いられる。
【0041】
上記樹脂組成物における撥水剤のポリマー分100部に対する配合量の下限としては、0.1部が好ましい。一方、上記配合量の上限としては、5部が好ましく、2部が特に好ましい。撥水剤の配合量が上記下限未満では耐水性の向上効果が低下し、逆に、上記上限を超えると生分解性が低下するおそれがある。
【0042】
なお、生分解性防水層3を形成するための樹脂組成物には、上記基材ポリマーや硬化剤などの他に、例えば安定化剤、劣化防止剤、分散剤、界面活性剤、スリップ剤、着色剤、顔料、芳香剤等が配合されてもよい。
【0043】
生分解性防水層3の膜厚は当該水溶性防水フィルム1の使用用途等により適宜選択されるが、その下限としては0.1μm、特に0.5μm、さらに特に1μmが好ましく、その上限としては10μm、特に8μm、さらに特に5μmが好ましい。生分解性防水層3の膜厚が上記下限未満では耐水性及び膜強度が低下するおそれがあり、逆に、上記上限を越えると水離解性が低下するおそれがある。
【0044】
当該水溶性防水フィルム1の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば以下に示す方法がある。
(1)ポリビニルアルコール系フィルム2と生分解性防水層3とを、各々単独で形成し、形成後に積層する(熱圧ラミネート法)。即ち、ポリビニルアルコール系フィルム2を上記の方法(溶液流延法、押出し法)により作製し、一方、生分解性防水層3を構成する樹脂組成物を通常の方法、例えばキャスティング法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出し法やカレンダー法によりフィルム状に形成し、生分解性防水層3を作製する。次いで、かかる2種のフィルムを熱圧ラミネートすることにより水溶性防水フィルムが製造される。必要に応じて、接着剤を使用してもよい。
【0045】
(2)予めポリビニルアルコール系フィルム2を作製し、かかるフィルム2の片面に生分解性防水層3を構成する樹脂組成物を押出機により溶融押出し、溶融状態でポリビニルアルコール系フィルム2に圧着して生分解性防水層3を積層する(押出しラミネート法)。密着性のよい押出しラミネート品を得るためには、樹脂組成物が冷えないうちにポリビニルアルコール系フィルム2に圧着することが必要であり、Tダイのダイリップを加圧ロールにできるだけ近づけ、生分解性防水層3を溶融状態でポリビニルアルコール系フィルム2に圧着できるようにする。かかる方法によれば、押出機により1度にラミネートされるので工程が簡略である。
【0046】
(3)予めポリビニルアルコール系フィルム2を作製し、かかるフィルム2の片面に生分解性防水層3を構成する樹脂組成物に溶媒を加えた塗工液を塗工する(塗工法)。このときに用いる溶媒は、水溶性ポリビニルアルコール系フィルムを溶解しないもの又は膨潤しにくいものを用いることが好ましく、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物等が挙げられる。かかる塗工法によれば、ポリビニルアルコール系フィルム2に損傷を与えることなく一段で製造できる。
【0047】
(4)予めポリビニルアルコール系フィルム2を作製し、かかるフィルム2の片面に溶剤系アンカー剤を塗工し、該アンカー剤層の上に生分解性防水層3を構成する樹脂組成物を主成分とするエマルジョンやラテックスのような水系塗工液を塗工する(塗工法)。かかるアンカー剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂を主成分とする溶剤系のものが使用でき、該溶媒としては上記(3)と同様のものが用いられる。かかる塗工法によれば、ポリビニルアルコール系フィルム2を溶解することなく塗工できる。このアンカー剤層の膜厚としては、接着性と水に対する保護性を損なわない範囲から選択でき、0.01μm以上10μm以下、特に0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。
【0048】
当該水溶性防水フィルム1によれば、生分解性防水層3の基材ポリマーとしてセラック樹脂誘導体を用い、これに硬化剤を配合することで、使用時の耐水性と廃棄時の水溶性又は水離解性とを共に高め、高次元でバランスさせることができる。
【0049】
図2の水溶性防水フィルム11は、水溶性を有するポリビニルアルコール系フィルム2と、このポリビニルアルコール系フィルム2の表面に積層される生分解性防水層12とを備えている。このポリビニルアルコール系フィルム2は、図1の水溶性防水フィルム1と同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。
【0050】
この生分解性防水層12は、耐水性及び生分解性を有する樹脂マトリックス13と、この樹脂マトリックス13中に含有するフィラー14とを有している。この樹脂マトリックス13は、図1の水溶性防水フィルム1の生分解性防水層3を形成するための樹脂組成物と同様のものから形成されている。つまり、生分解性防水層12は、生分解性防水層3と同様の樹脂組成物中にフィラー14を含む樹脂組成物から形成されている。かかる構造の生分解性防水層12は、水中へ浸積し、加えて流水、撹拌等により外的応力を付加することで、樹脂マトリックス13とフィラー14との界面で容易に裂け、比較的細かく離解又は分散する。
【0051】
上記樹脂組成物におけるフィラー14のポリマー分100部に対する配合量の下限としては、1部が好ましく、5部が特に好ましい。一方、上記配合量の上限としては、50部が好ましく、30部が特に好ましい。かかるフィラー14の配合量が上記下限部未満では水離解性の向上効果が少なく、逆に、上記上限を超えると耐水性やヒートシール強度が低下したり、外観不良を来すおそれがある。
【0052】
フィラー14は、特に限定されず、無機フィラー及び有機フィラーが用いられる。この無機フィラーとしては、具体的にはシリカ、合成雲母、酸化チタン、金雲母顔料、白雲母顔料、タルク、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、サチンホワイト、パルプ、セルロース等が用いられる。また、有機フィラーの具体的な材料としては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。特に、このフィラー14として生分解性樹脂製のものを用いるとよく、上述のように樹脂マトリックス13の基材ポリマーに生分解性樹脂を用いることと相まって、生分解性防水層12の全てが離解又は分解後に生分解され、環境負荷の低減化をより一層促進することができる。
【0053】
フィラー14の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば球状、粒状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも生分解性防水層12の離解又は分散性に優れる球状が好ましい。
【0054】
フィラー14の平均粒子径は特に限定されないが、その下限としては0.1μm、特に0.15μm、さらに特に0.2μmが好ましく、その上限としては15μm、特に13μm、さらに特に10μmが好ましい。フィラー14の平均粒子径が上記下限未満では水離解性の向上効果が小さく、逆に、上記上限を越えると耐水性が低下するおそれがある。
【0055】
当該水溶性防水フィルム11は、使用時には耐水性に優れる一方、廃棄時には水溶性又は水離解性に優れるため、水洗トイレ等に廃棄できる上、生分解もされるので、地球環境面で優れたものとなる。
【0056】
上記水溶性防水フィルム1、11は、各種用途に使用できるが、特に使い捨て紙おむつ、生理用ナプキン、簡易トイレ、人工肛門等の衛生用品や医療用品、或いは汚物処理袋等に有用であり、中でも特に紙おむつ用バックシートや汚物処理袋として大いに期待されるものである。
【0057】
紙おむつ用バックシートにおいては、生分解性樹脂組成物層側を内側、即ち人体の側に向くように配置され、汚物処理袋においては、生分解性樹脂組成物層側を内側、即ち汚物と触れるほうに配置される。
【0058】
なお、本発明の水溶性防水フィルムは、上記実施形態に限定されるものではなく、例えばポリビニルアルコール系フィルムの両面に生分解性防水層が積層される構造も可能である。このように上下両面に生分解性防水層が積層された水溶性防水フィルムによれば、上述のような汚物処理において表裏を考慮する必要がなくなり、さらに使用時の耐水性が格段に向上する結果、取扱性が向上する。
【0059】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0060】
[実施例1]
4質量%での水溶液粘度25mPa・s(20℃)、平均ケン化度96モル%のポリビニルアルコールを成膜してなるポリビニルアルコール系フィルム(膜厚25μm)の片面に、メタクリレート変性セラック樹脂誘導体(基材ポリマー)91部とトリレンジイソシアネート系硬化剤9部とを含有する樹脂組成物の20%溶液(溶剤:酢酸エチル/イソプロピルアルコール)を乾燥後膜厚が5μmとなるようにバーコーターにて塗工した後、60℃で3日エージングを行い生分解性防水層を形成することで、実施例1の水溶性防水フィルムを作成した。
【0061】
[実施例2]
硬化剤としてアジリジン系硬化剤を用いた以外は上記実施例1と同様にして実施例2の水溶性防水フィルムを作成した。
【0062】
[実施例3]
基材ポリマーとしてエステル変性セラック樹脂誘導体を用いた以外は上記実施例1と同様にして実施例3の水溶性防水フィルムを作成した。
【0063】
[実施例4]
樹脂組成物中にカルナバワックス50部を含有した以外は上記実施例1と同様にして実施例4の水溶性防水フィルムを作成した。
【0064】
[実施例5]
樹脂組成物中にセルロースアセテートブチレート9部を含有した以外は上記実施例1と同様にして実施例5の水溶性防水フィルムを作成した。
【0065】
[実施例6]
メタクリレート変性セラック樹脂誘導体の配合量を90部、トリレンジイソシアネート系硬化剤の配合量を10部とし、さらに樹脂組成物中に炭酸カルシウム20部を含有した以外は上記実施例1と同様にして実施例6の水溶性防水フィルムを作成した。
【0066】
[実施例7]
メタクリレート変性セラック樹脂誘導体の配合量を80部、トリレンジイソシアネート系硬化剤の配合量を20部とし、さらに樹脂組成物中にセルロースアセテートプロピオネート20部及びフタル酸ジイソノニル(可塑剤)5部を含有した以外は上記実施例1と同様にして実施例7の水溶性防水フィルムを作成した。
【0067】
[実施例8]
メタクリレート変性セラック樹脂誘導体の配合量を90部、トリレンジイソシアネート系硬化剤の配合量を10部とし、さらに樹脂組成物中に撥水剤としてフッ素系樹脂粉末1部を含有した以外は上記実施例1と同様にして実施例8の水溶性防水フィルムを作成した。
【0068】
[比較例1]
ポリカプロラクトンのみで樹脂組成物を構成した以外は上記実施例1と同様にして比較例1の水溶性防水フィルムを作成した。
【0069】
[比較例2]
基材ポリマーとしてポリカプロラクトンを用いた以外は上記実施例1と同様にして比較例2の水溶性防水フィルムを作成した。
【0070】
[比較例3]
トリレンジイソシアネート系硬化剤を含有せず、メタクリレート変性セラック樹脂誘導体のみで樹脂組成物を構成した以外は上記実施例1と同様にして比較例3の水溶性防水フィルムを作成した。
【0071】
[比較例4]
基材ポリマーとして精製セラック樹脂を用いた以外は上記実施例1と同様にして比較例4の水溶性防水フィルムを作成した。
【0072】
[特性の評価]
上記上記実施例1〜8の水溶性防水フィルム及び比較例1〜4の水溶性防水フィルムを用い、下記に示す層間強度評価試験、耐水性評価試験及び水離解性評価試験を行った。その結果を下記表1に示す。
【0073】
層間強度評価試験は、JIS−K−5400の8.5.3に示すXカットテープ法に準じて、ポリビニルアルコール系フィルムと生分解性防水層との層間強度(密着性)を評価した。
【0074】
耐水性評価試験は、水溶性防水フィルムを生分解性防水層が内側になるよう巾着状にし、その中に生理食塩水50gを入れ、室温にて宙づりにして経時的な濡れ具合を観察した。かかる耐水性評価試験の評価基準としては、
◎:24時間後も濡れは認められなかった場合
○:12〜24時間後に濡れが認められた場合
△:8〜12時間後に濡れが認められた場合
×:8時間以内に濡れが認められた場合
とした。
【0075】
水離解性評価試験は、水溶性防水フィルムを35mm×25mmのサイズにサンプリングし、かかる試験片を水が満たされたビーカー内に入れ、水面と平行になるように固定し、室温にて弱攪拌下で経時的な膜の状態を観察した。かかる水離解性評価試験の評価基準としては、
◎:1分以内で膜が破れる場合
○:1分を越え10分以内で膜が破れる場合
△:10分を越え30分以内で膜が破れる場合
×:30分を越えても膜が破れない場合
とした。
【0076】
【表1】
Figure 0004262544
【0077】
上記表1に示すように、実施例1〜8の水溶性防水フィルムは、良好な層間強度、耐水性及び水離解性を示している。一方、比較例1〜4の水溶性防水フィルムは、層間強度、耐水性及び水離解性のどれかが劣っている。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水溶性防水フィルムによれば、使用時には耐水性に優れる一方、廃棄時には水溶性又は水離解性に優れる効果、環境にやさしいものとなる。そのため、当該水溶性防水フィルムは、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、簡易トイレ、人工肛門等の衛生用品や医療用品、あるいは汚物処理袋等に有用であり、中でも特に使い捨ておむつのバックシートや汚物処理袋として大いに期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る防水シートを示す模式的断面図である。
【図2】図1の防水シートとは異なる形態の防水シートを示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 水溶性防水フィルム
2 ポリビニルアルコール系フィルム
3 生分解性防水層
11 水溶性防水フィルム
12 生分解性防水層
13 樹脂マトリックス
14 フィラー

Claims (17)

  1. 水溶性を有するポリビニルアルコール系フィルムと、このポリビニルアルコール系フィルムの少なくとも片面に積層される生分解性防水層とを備える水溶性防水フィルムであって、
    この生分解性防水層が、基材ポリマーと硬化剤とを含有する樹脂組成物から形成され、
    この基材ポリマーとして、エステル変性セラック樹脂誘導体又はメタクリレート変性セラック樹脂誘導体が用いられていることを特徴とする水溶性防水フィルム。
  2. 上記樹脂組成物中に天然ワックスを含有する請求項1に記載の水溶性防水フィルム。
  3. 上記樹脂組成物中にセルロース誘導体を含有する請求項1又は請求項2に記載の水溶性防水フィルム。
  4. 上記樹脂組成物中にフィラーを含有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の水溶性防水フィルム。
  5. 上記樹脂組成物中に可塑剤を含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  6. 上記樹脂組成物中に撥水剤を含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  7. 上記樹脂組成物における硬化剤の配合量がポリマー分100部に対して1部以上50部以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  8. 上記樹脂組成物における天然ワックスの配合量がポリマー分100部に対して1部以上100部以下である請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  9. 上記樹脂組成物におけるセルロース誘導体の配合量がポリマー分100部に対して1部以上100部以下である請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  10. 上記樹脂組成物におけるフィラーの配合量がポリマー分100部に対して1部以上50部以下である請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  11. 上記樹脂組成物における可塑剤の配合量がポリマー分100部に対して0.5部以上30部以下である請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  12. 上記樹脂組成物における撥水剤の配合量がポリマー分100部に対して0.1部以上5部以下である請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  13. 上記ポリビニルアルコール系フィルムが、4質量%での水溶液粘度が10mPa・s以上30mPa・s以下(20℃)で、平均ケン化度が70モル%以上99モル%以下であるポリビニルアルコール系樹脂からなる請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  14. 上記ポリビニルアルコール系フィルムの膜厚が5μm以上30μm以下で、生分解性防水層の膜厚が0.1μm以上10μm以下である請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  15. 上記生分解性防水層の積層手段として、ラミネート法又は塗工法が用いられている請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  16. 紙おむつ用バックシートに用いられている請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
  17. 汚物処理袋に用いられている請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の水溶性防水フィルム。
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