JP2018144350A - 化粧フィルム及び装飾構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗菌防カビ性能を有しつつ、耐候性及び意匠性に優れた化粧フィルム、及び、該化粧フィルムを用いた装飾構造体の提供。【解決手段】トップフィルム11、ベースフィルム13及び粘接着剤層14が順に積層されてなる化粧フィルムであって、トップフィルム11は、ポリ塩化ビニル中にポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.5〜5.0重量部の有機窒素硫黄系化合物が練り込まれたものであり、好ましくは、上記有機窒素硫黄系化合物は、チアゾール系化合物を含み、トップフィルム11は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して0.2〜1.0重量部の有機複素環化合物が更に練り込まれたものであり、上記有機複素環化合物は、ピリジン系化合物を含む化粧フィルム。更に、トップフィルム11とベースフィル13の間に印刷層を含む、化粧フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧フィルム及び装飾構造体に関する。
従来、基材(被着体)に意匠を付与するために、化粧フィルムを基材に貼り付ける方法が知られており、多くの用途で用いられている。浴室、台所、洗面所、トイレ等の水回りの壁装に用いられる化粧フィルムにおいては、抗菌防カビ剤を配合することにより、抗菌防カビ性能の向上が図られていた。一般的には、抗菌防カビ剤としては、銀イオン等を放出し得る無機系の抗菌防カビ剤が用いられ、化粧フィルムの最外表面に抗菌防カビ剤を添加した塗布液をコーティングしてコート層を設けることが行われていた。
抗菌防カビ剤を配合した化粧フィルムに関係する先行技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1〜5が挙げられる。
特許文献1には、印刷模様層を有する薄葉紙又はチタン紙のジアリルフタレート樹脂含浸紙からなる化粧シートと化粧板用基材との熱圧成形体からなり、印刷模様層が、防カビ剤含有する印刷用インキによる構成とされているか、又は印刷模様層の外側表面に形成されている防カビ剤を含有する樹脂層で被覆された構成とされており、かつ、含浸されているジアリルフタレート樹脂中には防カビ剤が略均一に混入、散在されている化粧板が開示されている。
特許文献2には、基材シート上に、2層以上の積層体からなる表面シートを有し、表面シートの最上層に抗菌防カビ剤が配合された化粧シートが開示されている。
特許文献3には、可撓性を有する基材と、基材上に形成された平均粒子径が5.5〜13μmの無機多孔質体を少なくとも含む乾燥物からなる吸放湿層とを有する機能性部材が開示されている。吸放湿層については、抗菌剤及び防カビ剤の少なくともいずれか一方を含んでもよいと記載されている。また、機能性部材の好ましい用途として、建築物内装材が記載されている。
特許文献4には、基材シート上の絵柄層と、絵柄層上の透明又は半透明の第1コート層と、第1コート層上の透明又は半透明の、抗菌剤を含む第2コート層とを含み、第2コート層の層厚が、乾燥被膜として第1コート層の層厚の3〜30%である抗菌化粧シートが開示されている。
特許文献5には、裏打基材上に、アクリル樹脂エマルジョンを乾燥固化してなる層、帯電防止剤及び/又は抗菌剤を含有せしめたフッ素樹脂層が、この順に積層されている内装用化粧シートが開示されている。
特公平6−24813号公報 特開平11−262980号公報 特開2015−196306号公報 特開平9−262942号公報 特開平10−175270号公報
抗菌防カビ剤を添加した塗布液をコーティングしてコート層を設ける場合には、エンボス加工を施すことが困難であり、化粧フィルムの意匠性を高めるうえで制約があった。
また、化粧フィルムの最表面を構成するトップフィルムにおいて、無機系の抗菌防カビ剤ではなく、有機系の抗菌防カビ剤の使用を要望されることがあった。しかしながら、有機系の抗菌防カビ剤を用いた場合には、無機系の抗菌防カビ剤と同等の抗菌防カビ性能を発現させつつ、長期間使用しても色調の変化を生じさせない耐候性を確保することが困難であった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、抗菌防カビ性能を有しつつ、耐候性及び意匠性に優れた化粧フィルム、及び、該化粧フィルムを用いた装飾構造体を提供することを目的とする。
本発明者は、エンボス加工を施すことが可能な抗菌防カビ性能を有する化粧フィルムについて種々検討したところ、樹脂中に有機系の抗菌防カビ剤を練り込む方法に着目した。そして、この方法に適した樹脂と有機系の抗菌防カビ剤の組み合わせについて更に検討したところ、ポリ塩化ビニル中に有機窒素硫黄系化合物を練り込んだ場合には、良好な抗菌防カビ性能及び耐候性が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の化粧フィルムは、トップフィルム、ベースフィルム及び粘接着剤層が順に積層されてなる化粧フィルムであって、上記トップフィルムは、ポリ塩化ビニル中に有機窒素硫黄系化合物が練り込まれたものであることを特徴とする。
上記有機窒素硫黄系化合物は、チアゾール系化合物を含むことが好ましい。上記有機窒素硫黄系化合物は、上記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.5〜5.0重量部配合されていることが好ましい。
上記トップフィルムは、有機複素環化合物が更に練り込まれたものであることが好ましい。上記有機複素環化合物は、ピリジン系化合物を含むことが好ましい。上記有機複素環化合物は、上記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.2〜1.0重量部配合されていることが好ましい。
上記トップフィルムと上記ベースフィルムの間に、印刷層を含むことが好ましい。
本発明の装飾構造体は、本発明の化粧フィルムを基材に貼り合わせたものであることを特徴とする。
本発明によれば、抗菌防カビ性能を有しつつ、耐候性及び意匠性に優れた化粧フィルム、及び、該化粧フィルムを用いた装飾構造体を実現できる。
本発明の化粧フィルムの一例を模式的に示した断面図である。
本発明の化粧フィルムは、トップフィルム、ベースフィルム及び粘接着剤層が順に積層されてなる化粧フィルムであって、上記トップフィルムは、ポリ塩化ビニル中に有機窒素硫黄系化合物が練り込まれたものであることを特徴とする。なお、本明細書において、「フィルム」は、「シート」と同義であり、厚さによって両者を区別していない。
図1は、本発明の化粧フィルムの一例を模式的に示した断面図である。図1に示した化粧フィルムは、トップフィルム11、印刷層12、ベースフィルム13、粘接着剤層14及びセパレーター15が順に積層された積層体である。
[トップフィルム]
トップフィルム11は、有機窒素硫黄系化合物がポリ塩化ビニル(PVC)中に練り込まれたものである。ポリ塩化ビニルは、塩素原子を含む材料であることから、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の他の一般的なフィルム材料と比べると、高い抗菌性能を有している。そのようなポリ塩化ビニルに対し、抗菌防カビ剤として有機窒素硫黄系化合物を配合することにより、有機系の抗菌防カビ剤のみによって、高い抗菌防カビ性能と耐候性(変色抑制性能)を両立できる。また、抗菌防カビ剤を添加した塗布液をコーティングしてコート層を設けるのではなく、ポリ塩化ビニル中に抗菌防カビ剤を練り込んだ構成としているので、エンボス加工等の表面処理を施すことができ、意匠性に優れた化粧フィルムを実現できる。
上記ポリ塩化ビニルとしては、例えば、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
上記他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、スチレン等のオレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸ジエステル;フマル酸ジブチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸ジエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他の単量体の共重合体における含有量は、通常、50重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。50重量%を超えると、トップフィルム11の耐屈曲性が低下するおそれがある。上記ポリ塩化ビニルのなかでも、寸法安定性が得られる点から、塩化ビニルの単独重合体が好ましい。
上記ポリ塩化ビニルの平均重合度は特に限定されず、求められるフィルムの硬さや、硬さの調整に用いられる可塑剤の量に応じて調整されるものであり、例えば、800〜1300とされる。上記平均重合度の好ましい上限は1050である。上記平均重合度が800〜1300の範囲内であると、比較的低温での成形性が特に良好である。これに対して、上記平均重合度が800未満では、成形時におけるエンボス形状を維持しにくくなるおそれがある。一方、上記平均重合度が1300を超えると、基材の表面形状への追従性が不充分となるおそれがある。
上記有機窒素硫黄系化合物は、分子内に窒素原子及び硫黄原子を含む有機化合物であれば限定されず、例えば、チアゾール系化合物、イソチアゾロン系化合物、チオカーバメート系化合物が挙げられ、なかでも、チアゾール系化合物が好適に用いられる。すなわち、有機窒素硫黄系化合物は、チアゾール系化合物を含むことが好ましい。チアゾール系化合物の具体例としては、例えば、2−(1,3−チアゾール−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾールが挙げられる。なお、有機窒素硫黄系化合物は、1種のみ用いられてもよく、2種以上用いられてもよい。
上記有機窒素硫黄系化合物の含有量は、上記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.5〜5.0重量部であることが好ましい。上記含有量が0.5重量部未満では、有機窒素硫黄系化合物を配合した効果が充分に得られないおそれがある。一方、上記含有量が5.0重量部を超えると、耐候性が低下するおそれがある。
上記トップフィルム11は、上記有機窒素硫黄系化合物だけでなく、有機複素環化合物が更に練り込まれたものであることが好ましい。有機複素環化合物を添加することで、防カビ性を高めることができる。上記有機複素環化合物は、分子内に複素環を含む有機化合物であれば限定されず、例えば、ピリジン系化合物、キノリン系化合物、トリアジン系化合物、トリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられ、なかでも、ピリジン系化合物が好適に用いられる。すなわち、有機複素環化合物は、ピリジン系化合物を含むことが好ましい。なお、有機複素環化合物は、1種のみ用いられてもよく、2種以上用いられてもよい。
上記有機複素環化合物は、上記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.2〜1.0重量部配合されていることが好ましい。上記含有量が0.2重量部未満では、有機複素環化合物を配合した効果が充分に得られないおそれがある。一方、上記含有量が1.0重量部を超えると、耐候性が低下するおそれがある。
上記トップフィルム11は、可塑剤を含有していてもよい。上記可塑剤としては特に限定されず、従来からポリ塩化ビニルに配合されているものを用いることができ、例えば、フタル酸オクチル(ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP))、フタル酸ジブチル、フタル酸ジノニル等のフタル酸ジエステル;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸ジエステル;トリクレジルホスフエート、トリオクチルホスフエート等のリン酸トリエステル;エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;高分子ポリエステル可塑剤等を挙げることができる。
上記高分子ポリエステル可塑剤としては、例えば、フタル酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステル;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステルを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤の数平均分子量は、350〜3000であることが好ましい。上記数平均分子量が350未満では、可塑剤がフィルム表面にブリードし易くなり、フィルム内に練り込まれた抗菌防カビ剤が菌やカビを抑制する効果が低下するおそれがある。一方、上記数平均分子量が3000を超えると、可塑剤の添加によりフィルムを柔軟にする効果が充分に得られず、トップフィルム11が硬くなり過ぎることで、施工性が低下するおそれがある。
上記トップフィルム11における可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、10〜30重量部であることが好ましい。上記含有量の範囲内であれば、比較的低温での成形性が特に良好である。上記含有量が10重量部未満では、トップフィルム11が硬くなり過ぎることで、施工性が低下するおそれがある。一方、上記含有量が30重量部を超えると、可塑剤がフィルム表面にブリードし易くなり、フィルム内に練り込まれた抗菌防カビ剤によって菌やカビを抑制する効果が低下するおそれがある。上記可塑剤の含有量は、15〜25重量部がより好ましい。
上記トップフィルム11は、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収材、着色剤、発泡剤、滑剤、改質剤、充填剤、希釈剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤としては、ポリ塩化ビニルに一般的に配合されるものを使用することができる。なお、上記トップフィルム11は、無機系の抗菌防カビ剤を含有しないことが好ましく、無機材料を含有しないものであってもよい。
上記トップフィルム11の厚さは特に限定されないが、50〜200μmであることが好ましい。上記厚さが50μm未満では、本発明の化粧フィルムが柔軟になり過ぎて施工性が低下するおそれがある。一方、上記厚さが200μmを超える場合には、上記厚さに合わせてフィルム内に練り込む抗菌防カビ剤の総量を多くすると、耐候性が低下し、変色しやすくなる。また、抗菌防カビ剤の総量を多くしないと、菌やカビを抑制する効果が充分得られなくなるおそれがある。
上記トップフィルム11の表面には、必要に応じて、エンボス加工等の表面加工が施されていてもよい。トップフィルム11は、樹脂成分としてポリ塩化ビニルを用いているので、比較的低温(約130℃)で良好な成形性を有する。エンボス加工によりトップフィルム11の表面にエンボス形状(凹凸形状)を付与すれば、エンボス形状による質感の向上と印刷層12による意匠の相乗効果によって、本発明の化粧フィルムの意匠性を大きく高めることができる。
エンボス加工による凹凸形状の付与は、転写率が60%以上であることが好ましい。上記転写率は、エンボス加工用の型(例えば、エンボスロール)に設けられた凹凸の深度に対する、フィルムに転写された凹凸の深度の割合を示し、例えば、型の凹凸深度が100μmで、フィルムの凹凸深度が50μmの場合、転写率は50%である。また、上記凹凸深度は、JIS B 0601(1994)に規定された最大高さ(Ry)に基づく値である。
上記トップフィルム11は、抗菌防カビ剤を添加した塗布液をコーティングして形成したコート層ではなく、ポリ塩化ビニル中に抗菌防カビ剤を練り込んだ構成としているので、トップフィルム11の表面には微細な凹凸が存在する。微細な凹凸が存在することから、トップフィルム11の表面の算術平均粗さRaは、通常0.5μm以上である。上記算術平均粗さRaは、JIS B 0601(2001)に基づく値である。
上記トップフィルム11は、印刷層12に形成された意匠の視認性を損なわないために、透明性が高いことが好ましく、具体的には、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。なお、本明細書において、全光線透過率は、JIS K 7375に基づく値である。
[印刷層]
上記印刷層12は、ベースフィルム13の表面全体を覆うものであってもよく、部分的に覆うものであってもよい。例えば、印刷層12が、任意の図柄や情報等に対応する平面形状である場合には、印刷層12がベースフィルム13の表面を部分的に覆うことになる。
印刷層12を形成するための印刷方法は特に限定されないが、インクジェット印刷、グラビア印刷等が挙げられる。例えば、紫外線硬化型インクを用いてインクジェット印刷を行う場合、インクジェット装置より紫外線硬化型インクをベースフィルム13上に吐出した後、ベースフィルム13上の紫外線硬化インクに対して光源より紫外線を照射し、紫外線によってインクが硬化することによって印刷層12が形成される。このような印刷層12の形成方法によれば、インク受容層を備えなくてもベースフィルム13に直接印刷することができ、更には印刷層12が短時間でベースフィルム13上に定着するため、作業性にも優れることとなる。
[ベースフィルム]
ベースフィルム13は、印刷層12を形成する下地材としての役割を有する。上記ベースフィルム13は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂のなかでも、ポリ塩化ビニルが好適に用いられる。ポリ塩化ビニルを用れば、化粧フィルムを基材に貼り付ける成形時に、伸びがよく、破断し難いため、基材の表面形状への優れた追従性(成形性)が得られる。また、ポリ塩化ビニル以外の樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)を成形する場合よりも、成形温度を低くすることが可能である(約130℃)。ベースフィルム13中のポリ塩化ビニルは、組成及び平均分子量等の点で、トップフィルム11中の塩化ビニル樹脂と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記ベースフィルム13は、可塑剤を含有していてもよい。ベースフィルム13中の可塑剤は、組成、含有量及び数平均分子量等の点で、トップフィルム11中の可塑剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、トップフィルム11及びベースフィルム13は、積層されることから、基本的には同じ硬さであることが好ましい。そのため、トップフィルム11及びベースフィルム13は、厚さが同じであれば、可塑剤の含有量も同じであることが好ましい。
上記ベースフィルム13は、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収材、着色剤、発泡剤、滑剤、改質剤、充填剤、希釈剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤としては、ポリ塩化ビニルに一般的に配合されるものを使用することができ、トップフィルム11中の添加剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記ベースフィルム13の厚さは特に限定されないが、50〜200μmであることが好ましい。上記厚さが50μm未満では、本発明の化粧フィルムが柔軟になり過ぎて施工性が低下するおそれや、耐候性が低下するおそれがある。一方、上記厚さが200μmを超えると、基材の表面形状への追従性が不充分となるおそれがある。
上記ベースフィルム13の表面には、印刷層12との密着性を向上させるために表面処理が施されてもよい。
[粘接着剤層]
上記粘接着剤層14は、粘着機能(感圧接着性)及び接着機能の少なくとも一方を有するものであれば特に限定されず、具体的には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤等の粘着剤を含有するものが挙げられる。なかでも、粘着性、加工性、耐熱老化性、耐湿老化性、耐候性に優れるとともに、比較的安価である点から、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体を含む粘着剤である。上記アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体又はその共重合体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アルキル基の炭素数が2〜18、好ましくは4〜12の第一級〜第三級アルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸とから得られるエステル等が挙げられる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合体の合成に用いられる共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有するとともに、カルボキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等〕、ヒドロキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等〕、スルホキシル基〔例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等〕、アミノ基〔例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステル等〕、アミド基〔例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等〕、アルコキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル等〕等の官能基を側鎖に有する単量体を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で重合した重合体が好ましい。特に、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜98重量%と、1種又は2種以上の共重合性単量体2〜50重量%を共重合して得られる共重合体が好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、60万〜100万であることが好ましい。上記重量平均分子量が60万〜100万の範囲内であると、充分な粘着力を発現することができる点で有利である。これに対して、上記重量平均分子量が60万未満では、糊残りが発生するおそれがあり、一方、上記重量平均分子量が100万を超えると、濡れ性低下によって、所望の粘着力を発現することが難しいことがある。上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、70万〜90万であることがより好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定によるポリスチレン換算の測定値である。なお、測定条件は以下の通りである。
装置名:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:G7000HXL 7.8mmID×30cm 1本 GMHXL 7.8mmID×30cm 2本 G2500HXL 7.8mmID×30cm 1本(東ソー社製)
サンプル濃度:1.5mg/mlになるようにテトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
上記粘接着剤層14は、例えば、粘着剤、架橋剤(硬化剤)等を含有する粘接着剤組成物を支持体上に塗工して塗膜を形成した後、該塗膜を加熱乾燥することによって硬化させる方法によって形成できる。上記架橋剤(硬化剤)は、粘着剤中の官能基と化学反応又は相互作用をして架橋させる化合物である。上記架橋剤としては、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の公知の架橋剤を用いることができる。
上記イソシアネート系硬化剤はイソシアネート基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等の分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物;それらをトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと付加反応させた化合物や、それらをポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型の分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。
なかでも、分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物を多価アルコールと付加反応させた化合物が好ましく、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートを多価アルコールと付加反応させた化合物がより好ましい。
上記エポキシ系硬化剤はエポキシ基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
上記架橋剤を含有させる場合、その含有量は、上記粘接着剤100重量部(固形分)に対して0.05〜10重量部であることが好ましい。上記含有量が0.05重量部未満であると、架橋密度が低く、粘接着剤層14の凝集力が不充分で、糊残りが発生することがある。上記含有量が10重量部を超えると、粘着力が低下するおそれがある。上記含有量は、0.1〜3重量部であることがより好ましい。なお、イソシアネート系硬化剤とエポキシ系硬化剤の両方が使用される場合、上記含有量は、イソシアネート系硬化剤とエポキシ系硬化剤の合計量を意味する。
上記粘接着剤組成物は、更に、触媒を含有してもよい。触媒としては、上記架橋剤の反応に用いられる触媒が挙げられ、例えば、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン錫等の有機錫化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;カルボン酸錫塩;カルボン酸ビスマス塩;トリエチレンジアミン等のアミン系触媒が挙げられる。
上記粘接着剤組成物は、更に、疎水性有機溶剤等の溶剤を含有してもよい。上記疎水性有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、鉱油、石油エーテル等が挙げられる。
また、上記粘接着剤組成物には、本発明の化粧フィルムに要求される特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、安定剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、粘着付与剤、染料、顔料等の各種添加剤が添加されていてもよい。
上記粘接着剤組成物の塗工量は、10〜90g/m(乾燥時重量換算)であることが好ましい。言い換えれば、上記粘接着剤組成物を乾燥させた粘接着剤層14の塗工量が10〜90g/mであることが好ましい。上記塗工量が10〜90g/mの範囲に調整されることによって、粘接着剤層14の粘着力を確保することができる。上記塗工量が10g/m未満では、粘着力が不充分なことがある。上記塗工量が90g/mを超えると、粘接着剤層14が糊残りしやすくなる。上記塗工量のより好ましい下限は50g/mである。上記塗工量が50g/m以上であると、基材表面の凹凸に対する充分な追従性が得られる。上記塗工量のより好ましい上限は70g/mである。
上記粘接着剤層14の厚さは、10〜60μmが好ましい。上記厚さが10μm未満では、充分な粘着性を得ることができない場合があり、上記厚さが60μmを超えると、粘着性がさほど向上しない。上記粘接着剤層14のより好ましい厚さは、20〜40μmである。
[セパレーター]
セパレーター15を設けることにより、本発明の化粧フィルムの製造、運搬、保存中に粘接着剤層14が露出しないようにして、粘接着剤層14の劣化防止や、本発明の化粧フィルムの取扱い性向上が可能となる。セパレーター15は、基材への貼付の直前に剥離すればよい。
上記セパレーター15としては特に限定されないが、粘接着剤層14を損傷することなく容易に剥離できるものが好適であり、例えば、粘接着剤層14と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を塗布することによって易剥離処理が施されたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の樹脂フィルム(離型フィルム);上質紙、グラシン紙等の紙(離型紙);紙と被覆層との積層フィルム等が挙げられる。セパレーター15の厚さは、12〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。
本発明の化粧フィルムには、トップフィルム11、印刷層12、ベースフィルム13、粘接着剤層14及びセパレーター15以外に、例えば、プライマー層等の他の層が設けられていてもよい。
本発明の化粧フィルムは、従来公知の製造方法を利用して製造することができる。トップフィルム11及びベースフィルム13は、例えば、カレンダー成形、押出成形、射出成形等の従来公知の成形法によって作製することができる。上記カレンダー成形に用いられるカレンダー形式としては、例えば、逆L型、Z型、直立2本型、L型、傾斜3本型等が挙げられる。
印刷層12は、上述したように、インクジェット印刷等の印刷法により形成することができる。
粘接着剤層14の形成方法は特に限定されず、例えば、セパレーター15上に直接バーコーター等を用いて、粘接着剤組成物を塗工し、乾燥させる方法等の従来公知の方法を用いることができる。この場合、セパレーター15上に形成した粘接着剤層14を、ベースフィルム13に貼り合わせることで本発明の化粧フィルムを製造することができる。本発明の化粧フィルムは、更に、必要に応じて、裁断、ロール状への巻き取り等の処理が行われる。
本発明の化粧フィルムの用途は特に限定されず、種々の基材に貼り付けて用いることができるが、浴室、台所、洗面所、トイレ等の水回りの壁装に好適に用いられる。本発明の化粧フィルムによれば、塗装よりも簡易かつ安全な方法で、塗装品と同等の意匠性を基材に付与することができる。本発明の化粧フィルムを基材に貼り合わせたものである装飾構造体もまた、本発明の一態様である。
本発明の化粧フィルムを基材へ貼り付ける方法は特に限定されず、例えば、ラッピング、熱成形、真空成形が挙げられる。ラッピングの具体例としては、ドライヤーで化粧フィルムを温めて軟らかくしながら、基材に沿わせて貼り付ける方法が挙げられる。また、真空成形の具体例としては、真空・圧空成形機としてTOM成形機を使用し、ヒーターの加熱温度80〜140℃で、基材に化粧フィルムを貼り付ける方法が挙げられる。真空成形によれば、化粧フィルムと基材の間に空気が入ることを効果的に防止できる。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル(PVC)100重量部に対して、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル(DINP)20重量部及びエポキシ化大豆油(DIC社製、「W−100−EL」)3重量部と、有機窒素硫黄系化合物としてのチアゾール系化合物(住化エンバイロメンタルサイエンス社製、「ネオシントールAF−80」)0.5重量部と、有機複素環化合物としてのピリジン系化合物(大和化学工業社製、「バイオデンSK−40H」)0.5重量部とを添加し、PVCコンパウンドを得た。得られたPVCコンパウンドを、バンバリーミキサーで溶融混練した後、逆L字型カレンダーにて厚さ80μmのシート状に成形し、PVCフィルムを作製した。得られたPVCフィルムをトップフィルムとして使用した。
平均重合度1000のポリ塩化ビニル(PVC)100重量部に対して、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(DINP)20重量部及びエポキシ化大豆油(DIC社製、「W−100−EL」)3重量部を添加し、PVCコンパウンドを得た。得られたPVCコンパウンドを、バンバリーミキサーで溶融混練した後、逆L字型カレンダーにて厚さ80μmのシート状に成形し、PVCフィルムを作製した。得られたPVCフィルムをベースフィルムとして使用した。
次に、ベースフィルムの一方の面に、インクジェットプリンターにより、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体・アクリル系インクを用いて印刷層を形成した。続いて、ベースフィルムの印刷層が形成された面に、トップフィルムを熱ラミネートにて貼り合わせ、積層体を作製した。
また、厚さ100μmのセパレーター(二軸延伸ポリエステル(PET)フィルム)の一方の面に、コンマバーコーターにて乾燥厚さが40μmとなるようにアクリル系粘着剤溶液を塗工し、塗膜を形成した。上記塗膜を乾燥炉にて80℃で1分間、加熱乾燥することによって、塗膜中の溶剤を除去し、粘接着剤層を作製した。
次に、粘接着剤層を介してセパレーターと積層体とを貼り合わせ、セパレーター上に形成された粘接着剤層を積層体側に転写した。これにより、実施例1の化粧フィルムを得た。
(実施例2〜6及び比較例1〜5)
下記表1に示すようにトップフィルムの組成を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、化粧フィルムを作製した。
(評価試験)
実施例及び比較例で作製した化粧フィルムについて、下記の方法により評価した。その結果を下記表1に示した。
(1)耐候性
化粧フィルムを超促進耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス社製、「メタルウェザー(登録商標)」)に48時間投入した。試験条件は、下記の通りである。
光源:メタルハライド
放射照度:1.2kW/m(波長:300〜400nm)
ブラックパネル温度(BPT):53℃
構内湿度:40%
試験サイクル:照射20時間→暗黒+結露4時間
照射20時間内には、シャワー(雨)を15分毎に10秒実施
試験終了後に取り出した化粧フィルムのトップフィルム側の表面に変色が発生しているか否かを確認した。
(判定基準)
〇:変色無し
△:著しい変色は無い
×:変色有り
(2)抗菌性
一般社団法人抗菌製品技術協議会が制定した持続性試験法(耐水性試験の区分1及び耐光性試験の区分1)により前処理を行った後の化粧フィルムに対し、JIS Z2801(2010年版)に準拠しつつ、大腸菌及び黄色ぶどう球菌を用いて、抗菌防カビ剤を添加しなかった比較例1に対する抗菌活性値を確認した。
(判定基準)
〇:抗菌活性値が2.0以上
×:抗菌活性値が2.0未満
(3)防カビ性
化粧フィルムに対し、JIS Z2911(2010年版)に準拠しつつ、菌糸の発育評価を行った。
(判定基準)
0:肉眼及び顕微鏡下でかびの発育は認められない
1:肉眼ではかびの発育が認められないが、顕微鏡下では明らかに確認できる
2:肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満
3:肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上〜50%未満
4:菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上
5:菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている
Figure 2018144350
表1から分かるように、実施例1〜6の化粧フィルムは、耐候性、抗菌性及び防カビ性のいずれについても良好な結果であった。一方、比較例1の化粧フィルムは、抗菌防カビ剤が添加されていなかったため、抗菌性及び防カビ性を有さないものであった。比較例2〜5の化粧フィルムは、抗菌防カビ剤としてピリジン系化合物を含んでいたものの有機窒素硫黄系化合物が添加されなかったため、抗菌性及び防カビ性が不充分であった。
11 トップフィルム
12 印刷層
13 ベースフィルム
14 粘接着剤層
15 セパレーター

Claims (8)

  1. トップフィルム、ベースフィルム及び粘接着剤層が順に積層されてなる化粧フィルムであって、
    前記トップフィルムは、ポリ塩化ビニル中に有機窒素硫黄系化合物が練り込まれたものであることを特徴とする化粧フィルム。
  2. 前記有機窒素硫黄系化合物は、チアゾール系化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧フィルム。
  3. 前記有機窒素硫黄系化合物は、前記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.5〜5.0重量部配合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧フィルム。
  4. 前記トップフィルムは、有機複素環化合物が更に練り込まれたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧フィルム。
  5. 前記有機複素環化合物は、ピリジン系化合物を含むことを特徴とする請求項4に記載の化粧フィルム。
  6. 前記有機複素環化合物は、前記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.2〜1.0重量部配合されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の化粧フィルム。
  7. 前記トップフィルムと前記ベースフィルムの間に、印刷層を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の化粧フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の化粧フィルムを基材に貼り合わせたものであることを特徴とする装飾構造体。
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