JP2006096721A - 光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンの製造方法及び香料組成物 - Google Patents

光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンの製造方法及び香料組成物 Download PDF

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裕美 橋本
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Abstract

【課題】 簡便、かつ安価な方法で、高収率、高光学純度で製造することができる光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンの製造方法を提供すること。
【解決手段】 (R)又は(S)−2−メチル酪酸を塩素化剤で処理して(R)又は(S)−2−メチル酪酸クロリドを得た後、N−メチルメトキシアミンと反応させてN−メトキシ−N−メチル−(2R)又は(2S)−メチルブタンアミドを得、次いでグリニヤール試薬とのグリニヤール反応又は有機金属試薬との反応により1−置換−(2R)又は(2S)−メチル−1−ブタノンを製造する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は香料素材などとして有用な光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンの製造方法に関する。
本発明の光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンに関連する化合物である5−メチルヘプト−2−エン−4−オンは、ヘーゼルナッツをしのばせる特徴を有し、香料物質として有用であることが開示されている(特許文献1参照)。また、ヘーゼルナッツ中に含まれている5−メチルヘプト−2−エン−4−オンの光学活性体の含有比率として、生のヘーゼルナッツでは(S)体が83.6%、(R)体が16.4%含まれており、一方、ローストしたヘーゼルナッツ中には(S)体が72.1%、(R)体が27.9%含まれており、ガスクロによる匂いかぎの結果、(S)体がヘーゼルナッツ様、脂肪様、金属様、バルサミック様の香気特性を有し、(R)体はヘーゼルナッツ様、ウッディー様の香気特性を有しそれぞれ特徴的な香気を有することが開示されている(非特許文献1および非特許文献2参照)。
前記の光学活性体の製造方法としては、(S)−2−メチルブタン−1−オールを出発物質として4工程をへて製造する方法が開示されているが(非特許文献3および非特許文献4参照)、(R)体の製造方法については報告されていない。
特公昭64−5860 Flavour Sci.Tech.Weurman Symp.6th,29−32(1990) Tetrahedron,55(32),9787−9792(1999) J.of Brazilian Chemical Society,9(6),583−585(1998)
上記した従来提案されている(S)−5−メチルヘプト−2−エン−4−オンの製造方法は、反応中に一部ラセミ化が起こり必ずしも満足できる光学純度でないなどの不都合な問題があった。
従って、本発明の目的は、簡便、かつ安価な方法で、高収率、高光学純度で製造することができる光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンの製造方法を提供するものである。
本発明者らは上記のごとき課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、今回、光学活性2−メチル酪酸を出発物質とすることにより高光学純度を有する光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンを得ることができることを見いだし本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、下記式(4)
Figure 2006096721
で表される(R)−2−メチル酪酸を塩素化剤で処理して(R)−2−メチル酪酸クロリドを得た後、N−メチルメトキシアミンと反応させて下記式(3)
Figure 2006096721
で表されるN−メトキシ−N−メチル−(2R)−メチルブタンアミドを得、さらに下記式(2)
Figure 2006096721
[式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子を示す]
で表されるグリニヤール試薬とのグリニヤール反応又は下記式(2)’
Figure 2006096721
[式中、Rは前記定義のとおりである]
で表される有機金属試薬との反応により下記式(1)
Figure 2006096721
[式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜6アルケニル基を示す]
で表される1−置換−(2R)−メチル−1−ブタノンの製造方法を提供することができる。
また本発明は、下記式(7)
Figure 2006096721
で表される(S)−2−メチル酪酸を出発物質として上記と同様な方法を採用して下記式(5)
Figure 2006096721
[式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を示す]
で表される1−置換−(2S)−メチル−1−ブタノンの製造方法を提供することができる。
さらに本発明は、前記の1−置換−(2R)−メチル−1−ブタノンを1重量部に対して、1−置換−(2S)−メチル−1−ブタノンを0.05〜50重量部の割合で含有することを特徴とする香料組成物を提供することができる。
本発明によれば、香料化合物として有用な光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンを、簡便、かつ安価な方法で、高収率、高光学純度で製造することができる。また、本発明により高光学純度で製造された両鏡像体を特定の割合で組み合わせることにより、ラセミ体を使用した場合と比べ、より自然で、より特徴的な香調を有する香料組成物を提供することができる。
本発明の上記式(1)および(5)の1−置換−(2R)−メチル−1−ブタノンおよび1−置換−(2S)−メチル−1−ブタノンの反応式を示せば、下記の反応式Aおよび反応式Bのようである。
Figure 2006096721
式中、RおよびXは前記定義のとおりである。
Figure 2006096721
式中、RおよびXは前記定義のとおりである。
上記反応式Aにおける出発物質である式(4)の(R)−2−メチル酪酸は、例えば、特願2004−142718に記載されているラセミ体の2−メチル酪酸を微生物で処理することにより容易に得ることができる。また、反応式Bにおける出発物質である式(7)の(S)−2−メチル酪酸は市場で容易に入手することができる。以下、反応式AおよびBの各反応工程について詳細に説明する。
第一工程
反応式Aまたは反応式Bにおける第一工程では、式(4)または式(7)の化合物を塩素化剤で処理することにより(R)又は(S)−2−メチル酪酸クロリドを容易に得ることができる。塩素化剤としては、例えば、塩化チオニル、塩化スルフリルなどを挙げることができる。
塩素化剤の使用量は特に制限されるものではなく、反応条件等に応じて適宜選択することができるが、一般には、式(4)または式(7)の化合物に対して約0.1〜約10モル、特に約0.8〜約1.5モルの範囲内で使用することができる。
反応は、通常、有機溶媒の存在下または不存在下、好ましくは有機溶媒の存在下に、約0℃〜約100℃の温度で、10分〜24時間撹拌しながら行うことができる。ここで使用しうる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、その使用量は、式(4)または式(7)の化合物に対して重量で、通常、1〜100倍量とすることができる。
反応終了後、所望により、蒸留等により精製処理することもできるが、粗製のまま次工程の反応に供することもできる。
第二工程
反応式Aまたは反応式Bにおける第二工程では、上記で得られた(R)または(S)−2−メチル酪酸クロリドを、直接あるいは塩基の存在化にN−メチルメトキシアミンと反応させることにより式(3)または式(6)のN−メトキシ−N−メチル−(2R)又は(2S)−メチルブタンアミドを容易に得ることができる。
該反応に使用しうる塩基としては、特に制限されないが、例えば、トリエチルアミン、ピリジンなどを好ましく例示することができる。
該反応に使用するN−メチルメトキシアミンは、安定性の点から、例えば、塩酸塩などの塩として使用することが好適である。N−メチルメトキシアミンの使用量は特に制限されるものではなく、反応条件等に応じて適宜選択することができるが、一般には、前記の(R)−2−メチル酪酸クロリドまたは(S)−2−メチル酪酸クロリドに対して約0.1〜約10モル、特に約0.8〜約1.5モルの範囲内で使用することができる。
反応は、通常、有機溶媒の存在下または不存在下、好ましくは有機溶媒の存在下に、約0℃〜約80℃の温度で、10分〜24時間撹拌しながら行うことができる。ここで使用しうる有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられ、その使用量は、前記の(R)−2−メチル酪酸クロリドまたは(S)−2−メチル酪酸クロリドに対して重量で、通常、1〜100倍量とすることができる。
反応終了後、粗製のまま次工程の反応に供することもできるが、好適には、例えば、エーテルの如き抽出剤で抽出、アルカリ水溶液で洗浄、減圧下に蒸留するなどにより精製して次工程に供することができる。
第三工程
反応式Aまたは反応式Bにおける第三工程では、上記で得られた式(3)または式(6)のN−メトキシ−N−メチル−(2R)または(2S)−メチルブタンアミドと式(2)のグリニヤール試薬とのグリニヤール反応又は式(2)’の有機金属試薬との反応により目的化合物である式(1)または式(5)の1−置換−(2R)又は(2S)−メチル−1−ブタノンを容易に得ることができる。
該反応に使用しうる式(2)のグリニヤール試薬は、RX(式中、RおよびXは上記定義のとおりである)で表される化合物と金属マグネシウムを反応させることによって調製したものを使用することができる。ここでハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
該反応に使用する式(2)のグリニヤール試薬の使用量は特に制限されるものではなく、反応条件等に応じて適宜選択することができるが、一般には、式(3)または式(6)の化合物に対して約0.1〜約10モル、特に約1〜約2モルの範囲内で使用することができる。
反応は、通常、有機溶媒の存在下または不存在下、好ましくは有機溶媒の存在下に、約0℃〜約100℃の温度で、10分〜24時間撹拌しながら行うことができる。ここで使用しうる有機溶媒としては、例えば、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、その使用量は、式(3)または式(7)の化合物に対して重量で、通常、1〜100倍量とすることができる。
反応終了後、例えば、エーテルの如き抽出剤で抽出、アルカリ水溶液で洗浄、減圧下に蒸留するなどにより精製することにより目的化合物である式(1)または式(5)の化合物を容易に高収率、高光学純度で製造することができる。
前記反応式Aに従って得られる式(1)の1−置換−(2R)−メチル−1−ブタノンの具体例を挙げれば次のとおりである:(R)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オン、(R)−6−メチルオクタン−5−オン、(R)−5−メチル−1−ヘプテン−4−オン、(R)−3−メチル−ペンタン−2−オン等。
また、前記反応式Bに従って得られる式(5)の1−置換−(2S)−メチル−1−ブタノンの具体例を挙げれば次のとおりである:(S)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オン、(S)−6−メチルオクタン−5−オン、(S)−5−メチル−1−ヘプテン−4−オン、(S)−3−メチル−ペンタン−2−オン等。
本発明の方法に従って製造される式(1)および式(5)の光学活性1−置換−2−メチル−1−ブタノンを特定の割合で配合することにより、ラセミ体を使用した場合に比べ、より自然で、より特徴的な香気を付与することができる。かくして、本発明によれば、前記式(1)の1−置換−(2R)−メチル−1−ブタノンを1重量部に対して、式(5)の1−置換−(2S)−メチル−1−ブタノンを0.05〜50重量部の割合で含有することを特徴とする香料組成物を提供することができる。式(1)および式(5)を特定の割合で混合した混合物を香料組成物に用いる場合、その添加量は、その目的あるいは香料組成物の種類によっても異なるが、通常、香料組成物全体量の0.00001〜0.1重量%、好ましくは0.005〜0.03重量%の範囲内を例示することができる。
また、本発明によれば、前記式(1)および式(5)の混合物を有効成分として含有する香気香味賦与組成物を利用して、式(1)および式(5)の混合物を香気香味成分として含有する飲食品類、式(1)および式(5)の混合物を香気成分として含有する香粧品類、式(1)および式(5)の混合物を香気香味成分として含有する保健・衛生・医薬品類等を提供することができる。
例えば、炭酸飲料、果汁飲料、果実酒飲料類、乳飲料などの飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類などの冷菓類;和・洋菓子、チューインガム類、パン類、コーヒー、紅茶、お茶、タバコなどの嗜好品類;和風スープ類、洋風スープ類などのスープ類;ハム、ソーセージなどの畜肉加工品;風味調味料、各種インスタント飲料乃至食品類、各種のスナック類などに、式(1)の化合物を有効成分として含有する香料組成物の適当量を添加することにより、そのユニークな香気香味が賦与された飲食品類を提供することができる。また、例えば、シャンプー類、ヘアクリーム類、その他の毛髪化粧料基剤;オシロイ、口紅、その他の化粧用基剤や化粧用洗剤類基剤などに、式(1)の化合物を有効成分として含有する香料組成物の適当量を添加することにより、そのユニークな香気が賦与された化粧品類を提供することができる。更にまた、式(1)の化合物を有効成分として含有する香料組成物の適当量が配合された洗濯用洗剤類、消毒用洗剤類、防臭洗剤類、その他各種の保健・衛生用洗剤類;歯磨き、ティシュー、トイレトペーパーなどの各種保健・衛生材料類;医薬品類などを提供することができる。
以下、実施例により本発明の態様を更に具体的に説明する。
実施例1:(R)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンの合成
(A−1):(R)−2−メチル酪酸クロリドの合成
50mLフラスコに特願2004−142718に記載されている方法に従って製造された(R)−2−メチル酪酸(光学純度:>99%ee)10.1g(0.1mol)を仕込み、40℃に加温して攪拌した。40℃/30分で塩化チオニル11.8g(0.1mol)を滴下した。同温度下で3時間攪拌を行い、粗製の(R)−2−メチル酪酸クロリド12.75gを得た。
(A−2):N−メトキシ−N−メチル−(2R)−メチルブタンアミドの合成
300mLフラスコに(A−1)で得られた粗製の(R)−2−メチル酪酸クロリド12.7g、N−メチルメトキシアミン塩酸塩13.3g(0.12mol)および乾燥塩化メチレン200mLを仕込み、氷水冷下、攪拌を行った。0℃/30分でピリジン18.3g(0.23mol)を滴下した。滴下後、室温下、3時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を水に注ぎ、エーテル抽出した。有機層を希塩酸水、飽和重曹水、ブラインで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、溶媒回収を行い粗製のN−メトキシ−N−メチル−(2R)−メチルブタンアミド10gを得た。このものを減圧蒸留により精製した。
(A−3):(R)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンの合成
100mLフラスコに(A−2)で得られた粗製のN−メトキシ−N−メチル−(2R)−メチルブタンアミド3.0g(20.7mmol)および乾燥テトラヒドロフラン(THF)50mLを仕込み、氷水冷下に攪拌を行った。0℃/30分でマグネシウム2.2g(90mmol)および1−ブロモ−1(E)−プロペン5.0g(41.3mmol)から調整したグリニヤール試薬のTHF溶液を滴下した。滴下後、室温下、3時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を水に注ぎ、エーテル抽出した。有機層を希塩酸水、飽和重曹水、ブラインで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、溶媒回収を行い粗製2.3gを得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィー(SiO2:300g、ヘキサン:エーテル=100:1〜50:1)にて精製を行った。得られたオイル2.0gを更にミクロ減圧蒸留により精製した。(収率:70%、化学純度:98.1%、光学純度:99.4%ee)
実施例2:(S)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンの合成
実施例1において(R)−2−メチル酪酸の代わりに市販の(S)−2−メチル酪酸(光学純度:98.6%ee)を用いた以外は実施例1と同様に処理して(S)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンを得た。(化学純度:98.4%、光学純度:98.6%ee)
(官能評価)
実施例1で得られた(R)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンおよび実施例2で得られた(S)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンのそれぞれの1%エタノール溶液について良く訓練された5名のパネラーにより香気評価を行った。5名のパネラーの平均的な香気評価を表1に示す。
Figure 2006096721
実施例3
ヘーゼルナッツフレーバー様基本調合香料組成物1として下記の各成分(重量部)を混合した。
配合成分 配合量
ジアセチル 1
2,3−ペンタンジエン 2
アンゲリカラクトン 20
フルフラール 1
ベンズアルデヒド 4
ベンジルアセテート 3
ブチルレブリネート 3
ベンジルアルコール 8
フルフリルチオアセトン 50
ベンジルレブリネート 30
ジフルフリルジサルファイド 8
レブリン酸 50
バニリン 70
プロピレングリコール 750
合計 1000
上記基本調合香料組成物1に実施例1で得られた(R)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オン(以下、(R)体と称することがある)、実施例2で得られた(S)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オン(以下、(S)体と称することがある)およびラセミ体の5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オン(以下、ラセミ体と称することがある)を下記に示す表2のように添加して本発明品1および比較品1〜4のヘーゼルナッツ様香料組成物を調製した。
Figure 2006096721
※(R)体の28.5重量部と(S)体の71.5重量部の混合物
本発明品1および比較品1〜4について10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。その結果、専門パネラーの10名全員が本発明品1は比較品1および比較品2に比べ自然で、コクのあるヘーゼルナッツ様の香気が強調され、比較品3および比較品4に比べてよりロースト感が強調されていると評価した。
実施例4
コーヒーフレーバー様基本調合香料組成物2として下記の各成分(重量部)を混合した。
配合成分 配合量
酢酸 1
ベンジルアルコール 50
シクロテン 4
ジアセチル 3
酢酸エチル 4
ギ酸エチル 32
フルフラール 2
フルフリルアルコール 35
フルフリルメルカプタン 2
メタンチオール 2
マルトール 1
5−メチルフルフラール 10
ローストコーヒー抽出物 250
プロピレングリコール 604
合計 1000
上記基本調合香料組成物2の99.98gに(R)体の28.5重量部と(S)体の71.5重量部の混合物の0.02gを添加して調合香料組成物(本発明品2)を調製した。対照として基本調合香料組成物2のみのもの(比較品5)を調製した。本発明品2と比較品5について10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。その結果、専門パネラーの10名全員が本発明品1は比較品5に比べてよりマイルドなロースト感と甘いコクがあるヘーゼルナッツ様のフレーバードコーヒーを想起させる香気が強調されていると評価した。
キラミックス(長谷川香料社製の光学活性体分離カラム)を光学活性な固定相として用いたキャピラリーカラムによるラセミ体の5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンのガスクロマトグラムを示す図である。 キラミックス(長谷川香料社製の光学活性体分離カラム)を光学活性な固定相として用いたキャピラリーカラムによる実施例1で得られた(R)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンのガスクロマトグラムを示す図である。 キラミックス(長谷川香料社製の光学活性体分離カラム)を光学活性な固定相として用いたキャピラリーカラムによる実施例2で得られた(S)−5−メチル−2(E)−ヘプテン−4−オンのガスクロマトグラムを示す図である。

Claims (3)

  1. 下記式(4)
    Figure 2006096721
    で表される(R)−2−メチル酪酸を塩素化剤で処理して(R)−2−メチル酪酸クロリドを得た後、N−メチルメトキシアミンと反応させて下記式(3)
    Figure 2006096721
    で表されるN−メトキシ−N−メチル−(2R)−メチルブタンアミドを得、さらに下記式(2)
    Figure 2006096721
    [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子を示す]
    で表されるグリニヤール試薬とのグリニヤール反応又は下記式(2)’
    Figure 2006096721
    [式中、Rは前記定義のとおりである]
    で表される有機金属試薬との反応により下記式(1)
    Figure 2006096721
    [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を示す]
    で表される1−置換−(2R)−メチル−1−ブタノンの製造方法。
  2. 下記式(7)
    Figure 2006096721
    で表される(S)−2−メチル酪酸を塩素化剤で処理して(S)−2−メチル酪酸クロリドを得た後、N−メチルメトキシアミンと反応させて下記式(6)
    Figure 2006096721
    で表されるN−メトキシ−N−メチル−(2S)−メチルブタンアミドを得、さらに下記式(2)
    Figure 2006096721
    [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子を示す]
    で表されるグリニヤール試薬とのグリニヤール反応又は下記式(2)’
    Figure 2006096721
    [式中、Rは前記定義のとおりである]
    で表される有機金属試薬との反応により下記式(5)
    Figure 2006096721
    [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜のアルケニル基を示す]
    で表される1−置換−(2S)−メチル−1−ブタノンの製造方法。
  3. 請求項1に記載の方法によって得られる1−置換−(2R)−メチル−1−ブタノンを1重量部に対して、請求項2に記載の方法によって得られる1−置換−(2S)−メチル−1−ブタノンを0.05〜50重量部の割合で含有することを特徴とする香料組成物。
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WO2022214180A1 (en) 2021-04-08 2022-10-13 Symrise Ag Sustainable process for the preparation of 5-methylhept-2-en-4-one

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