JP2006095966A - 透明積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、貼り合せた被保護面の検査性を損なわず、かつ製造工程における加熱に対しても密着性および透明性が損なわれず、さらには表面に凹凸が有る場合にも十分に追従することができる透明積層シートを提供することを主目的とする。
【解決手段】 本発明は、透明樹脂シートからなる支持材と、前記支持材上に形成された透明な熱可塑性エラストマーからなるエラストマー層とを有する透明積層シートであって、前記熱可塑性エラストマーは、1mmの厚さのシートを作成して測定したヘイズ値が10%以下であり、硬度(Duro−A)が50以下であり、耐熱性が80℃以上であることを特徴とする透明積層シートを提供することにより前記目的を達成するものである。
【選択図】 無し
【解決手段】 本発明は、透明樹脂シートからなる支持材と、前記支持材上に形成された透明な熱可塑性エラストマーからなるエラストマー層とを有する透明積層シートであって、前記熱可塑性エラストマーは、1mmの厚さのシートを作成して測定したヘイズ値が10%以下であり、硬度(Duro−A)が50以下であり、耐熱性が80℃以上であることを特徴とする透明積層シートを提供することにより前記目的を達成するものである。
【選択図】 無し
Description
本発明は、種々の部材の表面保護シートに用いることができ、保護シートとして用いた場合に、被保護面の検査性を損なわない透明積層シートに関する。
CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の、コンピュータやテレビ用の各種画像表示装置は、通常、その表示素子表面をポリエチレン、ポリプロピレン等の透明な保護シートで被覆して出荷されている。
また、前記各種画像表示装置は、その製造工程においても、表示素子表面を前記保護シートで保護したまま製品検査を行うことがあるが、その場合に、保護シートの透明性の劣りやシートに存在する欠陥や異物などが原因で、これらを製品の欠陥と誤検知したり、本来の製品欠陥を見落したりすることがあり、結果として製品検査精度が低下することがあった。このような製品検査精度の低下は、特に検査工程の簡略化が要求されている昨今、重要な問題となってきている。
また、前記各種画像表示装置は、その製造工程においても、表示素子表面を前記保護シートで保護したまま製品検査を行うことがあるが、その場合に、保護シートの透明性の劣りやシートに存在する欠陥や異物などが原因で、これらを製品の欠陥と誤検知したり、本来の製品欠陥を見落したりすることがあり、結果として製品検査精度が低下することがあった。このような製品検査精度の低下は、特に検査工程の簡略化が要求されている昨今、重要な問題となってきている。
また、前記保護シートは、被保護面に一度貼られると、一連の製造工程中貼られたままであることが多いが、加熱工程等があると剥がれる問題もあった。特に被保護面が垂直に近い状態で加熱を伴う工程では、剥がれの確率は増大し、また、保護シートの濁りにより検査精度が低下する問題もあった。
さらに、偏光板等の液晶ディスプレイ部品の中には、表示部のぎらつき感を抑えるため、表面に微細な凹凸を設けることで光の反射を抑制したものもあり、そのような面に保護シートが使用されることもある。しかし、保護シートの硬度が高いと、偏光板表面の微細な凹凸に沿って完全には密着することができず、非密着部分に気泡が発生する場合があるが、該気泡は偏光板表面の外観検査時に異物等と誤認されて検査に障害をきたすため重大な問題となっていた。
なお、特許文献1においては、各種表示装置の表示画面用保護フィルムとして、基材フィルムの少なくとも片面に、シリコーンゴムおよび接着性改良剤からなるゴムフィルムを積層した積層体からなり、光線透過率が85〜97%である表示画面用保護フィルムが開示されている。しかしながら、製造時における検査工程を意識したものではなく、前述したような製造工程中の加熱工程による保護シートの剥がれ等の問題については言及されていない。
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、被保護面の検査性を損なわず、かつ製造工程において加熱を伴う工程があっても密着性および透明性を保持し、さらには被保護面の表面に凹凸が有る場合にも十分に密着できる透明積層シートを提供することを主目的とする。
本発明者らは、前記実情に鑑み鋭意検討した結果、透明樹脂層と所定の特性を有する熱可塑性エラストマーの層とを含んでなる透明積層シートが、前述した各種画像表示装置などの製造工程において、保護シートとして用いた場合に発生する種々の問題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、以下の発明1〜8が提供される。
1. 透明樹脂層および熱可塑性エラストマー層の2層を含んでなる透明積層シートであって、
前記熱可塑性エラストマーは、硬度が50以下、厚さ1mmのヘイズ値が10%以下、耐熱性が80℃以上であることを特徴とする透明積層シート。
2. 前記熱可塑性エラストマーが、芳香族ビニル単量体の重合体ブロック(A)と共役ジエン単量体の重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体組成物、または前記ブロック共重合体組成物の水素添加物を含んでなるものであることを特徴とする前記1記載の透明積層シート。
3. 前記ブロック共重合体組成物が、芳香族ビニル単量体の重合体ブロック(A)および共役ジエン単量体の重合体ブロック(B)を逐次で重合したブロック共重合体組成物、
もしくは、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とのブロック共重合体(A−B)をアルコキシル基、エステル基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を2以上有するカップリング剤でカップリングして得られたブロック共重合体組成物、であることを特徴とする前記2に記載の透明積層シート。
4. 前記ブロック共重合体組成物が、下記一般式(a2)、(a3)および(a4)で示されるブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)並びに下記一般式(b)で示されるブロック共重合体(b)からなり、ブロック共重合体組成物の全量に対するブロック共重合体(a)およびブロック共重合体(b)の割合が、それぞれ(a)50〜100重量%、(b)0〜50重量%
であることを特徴とする前記3に記載の透明積層シート。
(A−B)2X (a2)
(A−B)3X (a3)
(A−B)4X (a4)
A−B (b)
(但し、一般式a2、a3、a4およびbにおいては、Aは芳香族ビニル単量体の重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体の重合体ブロックであり、Xはアルコキシル基、エステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2以上有するカップリング剤の残基である。)
5. 前記ブロック共重合体(a)について、
一つのカップリング剤Xに結合した、ブロック共重合体(A−B)の平均数が2.5〜3.8であることを特徴とする前記4記載の透明積層シート。
6. 前記熱可塑性エラストマーが、共役ジエン系単量体の重合体を含有することを特徴とする前記1〜5に記載の透明積層シート。
7. 前記熱可塑性エラストマーが、石油系軟化剤を含有することを特徴とする前記1〜6に記載の透明積層シート。
8. 保護シートである、前記1〜7に記載の透明積層シート。
1. 透明樹脂層および熱可塑性エラストマー層の2層を含んでなる透明積層シートであって、
前記熱可塑性エラストマーは、硬度が50以下、厚さ1mmのヘイズ値が10%以下、耐熱性が80℃以上であることを特徴とする透明積層シート。
2. 前記熱可塑性エラストマーが、芳香族ビニル単量体の重合体ブロック(A)と共役ジエン単量体の重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体組成物、または前記ブロック共重合体組成物の水素添加物を含んでなるものであることを特徴とする前記1記載の透明積層シート。
3. 前記ブロック共重合体組成物が、芳香族ビニル単量体の重合体ブロック(A)および共役ジエン単量体の重合体ブロック(B)を逐次で重合したブロック共重合体組成物、
もしくは、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とのブロック共重合体(A−B)をアルコキシル基、エステル基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を2以上有するカップリング剤でカップリングして得られたブロック共重合体組成物、であることを特徴とする前記2に記載の透明積層シート。
4. 前記ブロック共重合体組成物が、下記一般式(a2)、(a3)および(a4)で示されるブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)並びに下記一般式(b)で示されるブロック共重合体(b)からなり、ブロック共重合体組成物の全量に対するブロック共重合体(a)およびブロック共重合体(b)の割合が、それぞれ(a)50〜100重量%、(b)0〜50重量%
であることを特徴とする前記3に記載の透明積層シート。
(A−B)2X (a2)
(A−B)3X (a3)
(A−B)4X (a4)
A−B (b)
(但し、一般式a2、a3、a4およびbにおいては、Aは芳香族ビニル単量体の重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体の重合体ブロックであり、Xはアルコキシル基、エステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2以上有するカップリング剤の残基である。)
5. 前記ブロック共重合体(a)について、
一つのカップリング剤Xに結合した、ブロック共重合体(A−B)の平均数が2.5〜3.8であることを特徴とする前記4記載の透明積層シート。
6. 前記熱可塑性エラストマーが、共役ジエン系単量体の重合体を含有することを特徴とする前記1〜5に記載の透明積層シート。
7. 前記熱可塑性エラストマーが、石油系軟化剤を含有することを特徴とする前記1〜6に記載の透明積層シート。
8. 保護シートである、前記1〜7に記載の透明積層シート。
本発明の透明積層シートは、所定のヘイズ値を有する熱可塑性エラストマーを含むものであり、各種画像表示装置などの保護シートとして用いた場合、製造工程において、被保護面に貼ったままでも、正確に検査を行うことができる。また、熱可塑性エラストマーが所定の値以下の硬度を有するため、被保護面に多少の凹凸がある場合にも、十分に密着することが可能であり、被保護面と透明積層シートとの間に発生する気泡による検査精度低下が防止できる。さらに熱可塑性エラストマーの耐熱性が所定の値以上であることから、製造工程において所定の加熱が行われても、透明積層シートが剥がれ落ちることが無く、かつ透明性を維持でき、その後の検査工程での検査精度を高く保つことができるといった効果を奏する。
本発明の積層シートは、透明樹脂層および熱可塑性エラストマー層の2層を含んでなり、前記熱可塑性エラストマーは、硬度(Duro−A)が50以下、厚さ1mmのヘイズ値が10%以下、耐熱性が80℃以上であることを特徴とする。
本発明の透明積層シートの用途は、特に限定されるものではないが、コンピュータやテレビ等の各種画像表示装置、またはフォトマスク、偏光板やそれに準じた積層体等の光学部品について、これらの表面を、製造工程もしくは種々の装置に組み込む際の工程において保護する保護シート(以下、単に保護シートとする場合がある。)として用いることが好ましい。保護シートとして用いることにより、前述したように種々の工程において、衝撃吸収性が高く、剥がれる等の不具合がなく、また検査工程における検査精度を低下させることが無いといった効果を奏することができる。
本発明の透明積層シートの用途は、特に限定されるものではないが、コンピュータやテレビ等の各種画像表示装置、またはフォトマスク、偏光板やそれに準じた積層体等の光学部品について、これらの表面を、製造工程もしくは種々の装置に組み込む際の工程において保護する保護シート(以下、単に保護シートとする場合がある。)として用いることが好ましい。保護シートとして用いることにより、前述したように種々の工程において、衝撃吸収性が高く、剥がれる等の不具合がなく、また検査工程における検査精度を低下させることが無いといった効果を奏することができる。
以下、本発明の透明積層シートについて詳細に説明する。
本発明に用いられるエラストマー層は、熱可塑性エラストマーからなるものであり、透明樹脂層に積層される。
前記熱可塑性エラストマーは、1mm厚のシートに成形したときのヘイズ値が10%以下であり、好ましくは8%以下であり、特に好ましくは5%以下である。前記ヘイズ値が高すぎると、本発明の透明積層シートを貼り合せた被保護面の光学的な検査を正確に行うことができない場合がある。なお、前記ヘイズはJIS K 7105に準拠して測定した値を用いることとする。
本発明に用いられるエラストマー層は、熱可塑性エラストマーからなるものであり、透明樹脂層に積層される。
前記熱可塑性エラストマーは、1mm厚のシートに成形したときのヘイズ値が10%以下であり、好ましくは8%以下であり、特に好ましくは5%以下である。前記ヘイズ値が高すぎると、本発明の透明積層シートを貼り合せた被保護面の光学的な検査を正確に行うことができない場合がある。なお、前記ヘイズはJIS K 7105に準拠して測定した値を用いることとする。
また、前記熱可塑性エラストマーを1mm厚のシートに成形したときの全光線透過率は75%以上であることが好ましく、80%以上であることが特に好ましい。全光線透過率が低すぎると、光学的な検査方法の種類によっては正確な検査を行うことができない場合がある。なお、前記全光線透過率は、濁度計(日本電色工業株式会社製:NDH−300A)により測定した値を用いることとする。
さらに、前記熱可塑性エラストマーの硬度(Duro−A)は50以下であり、好ましくは44以下であり、特に好ましくは38以下である。硬度が高すぎると、例えば被保護面の凹凸に十分追従することができず、被保護面と透明積層シートとの間に発生する気泡が、検査工程において被保護面の欠陥として判断され、検査の精度を大幅に低下させてしまう場合がある。
さらに、前記熱可塑性エラストマーの耐熱性は80℃以上であり、好ましくは90℃以上である。ここで、本発明における耐熱性とは、前記透明積層シートを垂直に維持しつつ所定の時間加熱した際、該透明積層シートが自重で変形せず、被保護面から剥がれず、さらに加熱後のヘイズ値が所定の範囲内であることをいう。耐熱性が低すぎると、被保護面を垂直に近い状態で加熱する工程が必要な場合、透明積層シートは剥がれてしまう場合があり、また、ヘイズ値が高くなり、その後の検査工程での検査精度を大幅に低下させる場合がある。
本発明においては、10mm×50mm、厚さ1mmの熱可塑性エラストマーのシートをポリエチレンテレフタレートシート(以降、PETシートと略記する場合がある。)に密着させ、前記熱可塑性エラストマーシートの長辺が垂直となるようにPETシートを垂直に支持したまま所定の温度で100時間保持した場合に、熱可塑性エラストマーシートの形状、および密着性に変化が生じず、かつヘイズ値が10%以下を保つことができた場合に、耐熱性は前記所定温度以上であることとする。
本発明に用いる熱可塑性エラストマーとしては、前記特性を有するものであれば特に限定されるものではないが、芳香族ビニル単量体の重合体ブロック(A)(以降、重合体ブロック(A)と略記する場合がある。)と共役ジエン単量体の重合体ブロック(B)(以降、重合体ブロック(B)と略記する場合がある。)とからなるブロック共重合体組成物またはその水素添加物を含んでなるものであることが好ましく、これらは単独でまたは二つを組み合わせて使用することができる。ここで、熱可塑性エラストマー中における前記ブロック共重合体組成物の含有量は好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上、特に好ましくは60重量%以上である。
本発明においては、前述したブロック共重合体組成物の中でも、得られる熱可塑性エラストマーの透明性が極めて高くなる点で、重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)を逐次で重合したブロック共重合体組成物、もしくは重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とのブロック共重合体(A−B)をアルコキシル基、エステル基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を2以上有する化合物を用いたカップリング反応により調製されたブロック共重合体組成物であることが好ましい。
重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)を逐次で重合して得られたブロック共重合体組成物としては、アルキルリチウム化合物を開始剤として、芳香族ビニル単量体、および共役ジエン単量体を逐次重合させ、次いで芳香族ビニル単量体を重合する方法、または、ジリチウム化合物を開始剤として共役ジエン単量体を重合し、次いで芳香族ビニル単量体を逐次重合する方法などが挙げられる。
重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とのブロック共重合体(A−B)を、アルコキシル基、エステル基、およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を2以上有する化合物を用いたカップリング反応により調製されたブロック共重合体組成物としては、特に下記一般式(a2)、(a3)および(a4)で示されるブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)並びに、下記一般式(b)で示されるブロック共重合体(b)からなり、ブロック共重合体組成物の全量に対するブロック共重合体(a)およびブロック共重合体(b)の割合が、それぞれ(a)50〜100重量%、(b)0〜50重量%であるブロック共重合体組成物であることが好ましい。
(A−B)2X (a2)
(A−B)3X (a3)
(A−B)4X (a4)
A−B (b)
但し、一般式(a2)、(a3)、(a4)および(b)においては、Aは芳香族ビニル単量体の重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体の重合体ブロックであり、Xは、アルコキシル基、エステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2以上有する化合物の残基である。尚、ブロック共重合体(A−B)は、重合体ブロック(B)と前記Xとが結合しているものが好ましい。
(A−B)2X (a2)
(A−B)3X (a3)
(A−B)4X (a4)
A−B (b)
但し、一般式(a2)、(a3)、(a4)および(b)においては、Aは芳香族ビニル単量体の重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体の重合体ブロックであり、Xは、アルコキシル基、エステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2以上有する化合物の残基である。尚、ブロック共重合体(A−B)は、重合体ブロック(B)と前記Xとが結合しているものが好ましい。
前記のブロック共重合体(a)は、前記一般式(a2)、(a3)および(a4)で示される各ブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体であって、ただひとつのブロック共重合体であっても、2種以上のブロック共重合体からなる混合物であってもよい。
ブロック共重合体(a)の含有量は、ブロック共重合体組成物の全量に対して好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは55〜95重量%であり、特に好ましくは55〜90重量%である。ブロック共重合体(a)の含有量が少なすぎると耐熱性が低下する傾向にある。
ブロック共重合体(a)の含有量は、ブロック共重合体組成物の全量に対して好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは55〜95重量%であり、特に好ましくは55〜90重量%である。ブロック共重合体(a)の含有量が少なすぎると耐熱性が低下する傾向にある。
さらに、本発明のブロック共重合体は、カップリング剤Xを含むブロック共重合体(a)について、一つのカップリング剤Xに結合した、ブロック共重合体(A−B)の平均数が2.5〜3.8であることが好ましい。
即ち、前記一般式(a2)、(a3)および(a4)で示される各ブロック共重合体の、(a)および(b)からなるブロック共重合体組成物の全量に対する重量割合(%)を、それぞれ、W2、W3およびW4とした場合に、下記式(5)が2.5〜3.8の範囲にあることが好ましく、2.8〜3.5の範囲にあることがより好ましい。
即ち、前記一般式(a2)、(a3)および(a4)で示される各ブロック共重合体の、(a)および(b)からなるブロック共重合体組成物の全量に対する重量割合(%)を、それぞれ、W2、W3およびW4とした場合に、下記式(5)が2.5〜3.8の範囲にあることが好ましく、2.8〜3.5の範囲にあることがより好ましい。
(2×W2+3×W3+4×W4)/(W2+W3+W4) (5)
前記式(5)の値が小さすぎると溶融粘度が過度に高くなる傾向にあるため、シート成形温度を高く設定しなければならなくなるが、そうすると熱劣化等によって熱可塑性エラストマーが黄変する場合がある。さらに、前記問題を解決するため、シート加工工程を窒素下で実施したり、熱可塑性エラストマーの溶融温度を最適化する必要が生じる場合がある。逆に式(5)の値が高すぎると成形シート表面の平滑性が劣る傾向がある。
本発明に用いる熱可塑性エラストマーとしては、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体組成物の水素添加物でもよく、また、水素添加されていない、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とからなる前記ブロック共重合体組成部と組み合わせて使用することもできる。
前記ブロック共重合体組成物の水素添加物は、ブロック共重合体組成物の芳香族部分以外の炭素−炭素二重結合を水素添加したものであり、その水素添加方法は特に限定されるものではない。例えば、ブロック共重合体組成物を水素雰囲気下でパラジウム触媒と接触させる等の、公知の方法を挙げることができる。
前記ブロック共重合体組成物の水素添加物は、ブロック共重合体組成物の芳香族部分以外の炭素−炭素二重結合を水素添加したものであり、その水素添加方法は特に限定されるものではない。例えば、ブロック共重合体組成物を水素雰囲気下でパラジウム触媒と接触させる等の、公知の方法を挙げることができる。
本発明のブロック共重合体(a)の、重合体ブロック(A)を構成する芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどが挙げられる。なかでも、スチレンが好ましい。
重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル単量体のみを重合して得られる共重合体ブロックであることが好ましいが、芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体が挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、重合体ブロック(A)中における他の単量体単位の割合を10重量%以下にすることが好ましい。
重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル単量体のみを重合して得られる共重合体ブロックであることが好ましいが、芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体が挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、重合体ブロック(A)中における他の単量体単位の割合を10重量%以下にすることが好ましい。
重合体ブロック(A)の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜50,000であり、より好ましくは8,000〜40,000である。
ブロック共重合体(a)の重合体ブロック(B)を構成する共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。なかでも、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、イソプレンがより好ましい。これらの共役ジエン単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体ブロック(B)は、共役ジエン単量体のみを重合して得られる重合体ブロックであることが好ましいが、共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、重合体ブロック(B)中における他の単量体単位の割合を10重量%以下にすることが好ましい。
重合体ブロック(B)は、共役ジエン単量体のみを重合して得られる重合体ブロックであることが好ましいが、共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、重合体ブロック(B)中における他の単量体単位の割合を10重量%以下にすることが好ましい。
ブロック共重合体(a)を構成する重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との合計量に対する、芳香族ビニル単量体単位の含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは10〜30重量%であり、特に好ましくは13〜20重量%である。芳香族ビニル単量体単位の含有量が多すぎると硬度が過度に高くなる傾向にあり、逆に少なすぎると耐熱性が劣る傾向にある。
ブロック共重合体(a)のブロック共重合体(A−B)部分の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜200,000であり、より好ましくは55,000〜150,000である。重量平均分子量が前記範囲にあれば、平滑性と粘着性とのバランスに優れるシートが得られる。
前記一般式(a2)、(a3)および(a4)におけるXは、アルコキシル基、エステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2以上有するカップリング剤の残基を表す。
カップリング剤として使用する化合物は、アルコキシル基、エステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2以上有する化合物であることが好ましく、中でも、アルコキシル基を2以上有する化合物が好ましい。
カップリング剤として使用する化合物は、アルコキシル基、エステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2以上有する化合物であることが好ましく、中でも、アルコキシル基を2以上有する化合物が好ましい。
アルコキシル基を2以上有するカップリング剤としては、例えば、テトラメトキシ錫、テトラエトキシ錫などの有機錫化合物;ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)エタンなどの有機珪素化合物などが挙げられる。これらのカップリング剤は、単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。前記の中でも、有機珪素化合物が好ましく、アルコキシル基を4つ有する有機珪素化合物がより好ましく、テトラメトキシシランが特に好ましく使用できる。
アルコキシル基を有するカップリング剤の場合、アルコキシル基1つに対して1つの活性なブロック共重合体(A−B)が反応し得るので、カップリング剤中のアルコキシル基の数に相当するカップリング体が生成し得る。しかしながら、反応条件によっては、カップリング剤中のアルコキシル基の一部が反応し、残部はそのまま残存するか、または、カップリング反応以降の処理工程においてその残部が変性される場合もある。
エステル基を2以上有するカップリング剤としては、例えば、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチルなどの脂肪族ジカルボン酸と1価のアルコールとのジエステル化合物;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチルなどの芳香族ジカルボン酸と1価のアルコールとのジエステル化合物;などが挙げられる。これらのカップリング剤は、単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。前記の中でも、脂肪族ジカルボン酸と1価のアルコールとのジエステル化合物が好ましく、アジピン酸ジエチルがより好ましく使用できる。
エステル基を2以上有するカップリング剤の場合、エステル基1つに対して2つの活性なブロック共重合体(A−B)が反応し得るので、カップリング剤中のエステル基数の2倍に相当するカップリング体が生成し得る。しかしながら、反応条件によっては、エステル基1つに対して、1つの活性なブロック共重合体(A−B)が反応しただけに留まる場合もある。
エポキシ基を2以上有するカップリング剤としては、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエータル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。これらのカップリング剤は、単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。前記の中でも、エポキシ基を4つ有するものが好ましく、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルがより好ましく使用できる。
エポキシ基を有するカップリング剤の場合、エポキシ基1つに対して1つの活性なブロック共重合体(A−B)が反応し得るので、カップリング剤中のエポキシ基の数に相当するカップリング体が生成し得る。しかしながら、反応条件によっては、カップリング剤中のエポキシ基の一部が反応し、残部はそのまま残存するか、または、カップリング反応以降の処理工程においてその残部が変性される場合もある。
本発明におけるブロック共重合体(b)は、重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体(A−B)である。
ブロック共重合体(b)における重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)は、それぞれ、ブロック共重合体(a)において説明したものと同様である。
ブロック共重合体(b)における重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)は、それぞれ、ブロック共重合体(a)において説明したものと同様である。
本発明においては、一本の活性なブロック共重合体(A−B)とカップリング剤1分子とが反応して得られる下記一般式(6)または(7)に相当する重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体も、ブロック共重合体(b)に含めるものとする。
A−B−X (6)
X−A−B (7)
なお、一般式(6)および(7)における、A、BおよびXは、それぞれ、ブロック共重合体(a)において説明した化合物と同様である。
A−B−X (6)
X−A−B (7)
なお、一般式(6)および(7)における、A、BおよびXは、それぞれ、ブロック共重合体(a)において説明した化合物と同様である。
ブロック共重合体(b)の芳香族ビニル単量体単位の含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは10〜30重量%であり、特に好ましくは13〜20重量%である。芳香族ビニル単量体単位の含有量が多すぎると硬度が過度に高くなる傾向があり、逆に少なすぎると耐熱性が劣る傾向がある。
ブロック共重合体(b)の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜200,000であり、より好ましくは55,000〜150,000である。前記重量平均分子量が前記範囲にあれば、シート成形時の溶融粘度が適当となるために、シート成形性に優れ、かつ本発明において意味する耐熱性にも優れる。
ブロック共重合体(b)の含有量は、ブロック共重合体組成物の全量に対して、好ましくは0〜50重量%であり、より好ましくは5〜45重量%であり、特に好ましくは10〜45重量%である。この含有量が多すぎると耐熱性に劣る場合がある。
ブロック共重合体組成物の全量に対する芳香族ビニル単量体単位の含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは10〜30重量%であり、特に好ましくは13〜20重量%である。芳香族ビニル単量体単位の含有量が多すぎると硬度が過度に高くなる傾向にあり、逆に少なすぎると耐熱性が劣る傾向にある。
本発明に用いられる前記ブロック共重合体組成物の全量の重量平均分子量は、好ましくは100,000〜500,000であり、より好ましくは150,000〜400,000である。この重量平均分子量が高すぎると硬度が過度に高くなる傾向にあり、逆に低すぎると耐熱性が劣る傾向がある。
本発明に用いられる前記ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位全量に対するビニル結合単位の割合(ビニル含量)は、特に限定されないが、通常、70重量%以下、好ましくは3〜60重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
本発明に用いられる、ブロック共重合体組成物の全量に対するブロック共重合体(a2)の割合は、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜26重量%、特に好ましくは0〜22重量%である。ブロック共重合体組成物の全量に対するブロック共重合体(a3)の割合は、好ましくは35〜100重量%、より好ましくは40〜95重量%、特に好ましくは40〜85重量%である。ブロック共重合体組成物の全量に対するブロック共重合体(a4)の割合は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜45重量%、特に好ましくは5〜45重量%である。
本発明に用いられるブロック共重合体組成物は、前述の一般式(a2)、(a3)、(a4)および(b)に相当するブロック共重合体をそれぞれ製造して、前記範囲を満足するように混合して製造してもよいし、複数の混合物からなる組成物を一連の重合操作によって製造してもよい。生産性に優れる点で後者の方法が好ましい。
本発明に用いられる前述したブロック共重合体(A−B)は、常法、いわゆるリビングアニオン重合法により製造することができる。
前記ブロック共重合体組成物を含んでなる熱可塑性エラストマーは、特に硬度(Duro−A)の低い熱可塑性エラストマーを得る場合には、共役ジエン系単量体の重合体、または軟化剤を含有することができる。
本発明で使用される共役ジエン単量体の重合体としては、耐熱性が低下しないことからポリブタジエンおよびポリイソプレンであることが好ましく、ポリイソプレンであることが特に好ましい。熱可塑性エラストマー組成物中の前記ポリイソプレン成分の割合は、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%、特に好ましくは15〜33重量%である。ポリイソプレン成分が少なすぎると硬度が過度に高くなる場合があり、逆に多すぎると強度が低下し、透明積層シートの表面がべたつきやすくなる。
本発明で使用される共役ジエン単量体の重合体としては、耐熱性が低下しないことからポリブタジエンおよびポリイソプレンであることが好ましく、ポリイソプレンであることが特に好ましい。熱可塑性エラストマー組成物中の前記ポリイソプレン成分の割合は、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%、特に好ましくは15〜33重量%である。ポリイソプレン成分が少なすぎると硬度が過度に高くなる場合があり、逆に多すぎると強度が低下し、透明積層シートの表面がべたつきやすくなる。
前記ポリイソプレンは、イソプレン単位含有量が80重量%以上であることが好ましく、イソプレンの単独重合体であることがさらに好ましいが、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、イソプレンおよびイソプレンと共重合可能な単量体の共重合体であってもよい。イソプレンと共重合可能な単量体としては、芳香族ビニル単量体、およびブタジエン、1,3−ペンタジエンなどのイソプレン以外の共役ジエン単量体が挙げられる。
該ポリイソプレンの重量平均分子量は好ましくは5,000〜300,000であり、より好ましくは10,000〜250,000であり、特に好ましくは30,000〜200,000である。重量平均分子量が小さすぎると、強度が大きく低下し、透明積層シートの表面がべたつく傾向にあり、逆に大きすぎると硬度が過度に高くなる傾向にある。
前記ポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
前記ポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
前記ポリイソプレンにおけるイソプレン単量体単位全量に対するビニル結合単位の割合は特に限定されないが、通常、50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは5〜10重量%である。前記ポリイソプレンの製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法が採用でき、例えば、重合溶媒中、前記のアニオン重合開始剤を用いてイソプレンを重合する方法が採用できる。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマーには、軟化剤として、パラフィン系軟化剤、芳香族系軟化剤、ナフテン系軟化剤などの石油系軟化剤;コールタール、クマロン・インデン樹脂などのコールタール系軟化剤;脂肪酸および脂肪酸塩、脂肪油、ワックスなどの脂肪油系軟化剤;ポリブテン、ポリイソブチレンなどの液状重合体;フェノール・アルデヒド樹脂、スチレン樹脂、低分子可塑剤などの合成軟化剤;などを添加して使用することもできる。なかでも、前記ブロック共重合体組成物と相溶性の高く、透明性が高い点から、石油系軟化剤が好ましく使用できる。
本発明に使用される石油系軟化剤としては、透明積層シートが透明性および耐熱性を発現できる点で、パラフィン系軟化剤であるパラフィンオイルが特に好ましく使用できる。パラフィンオイルの中でも、セイボルト色相がJIS K 2580により測定した値が20以上であるパラフィンオイルが好ましく、25以上であるものが更に好ましく、30以上であるものが特に好ましい。また、パラフィンオイルの硫黄含有量は、JIS K 2541により測定した値が、好ましくは0.1重量%以下であり、更に好ましくは50ppm以下であり、特に好ましくは10ppm以下である。さらに、パラフィンオイルのアロマ成分の含有量としては、ASTM D3238により測定した値が1%以下であることが好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。
前記パラフィンオイルとしては、例えば、水素化改質法で製造されたダイアナプロセスオイルPW−32、PW−90、PW−150、PW−380(出光興産社製)などが挙げられる。
前記パラフィンオイルとしては、例えば、水素化改質法で製造されたダイアナプロセスオイルPW−32、PW−90、PW−150、PW−380(出光興産社製)などが挙げられる。
前記石油系軟化剤の添加量としては、要求される硬度により決定されるものではあるが、通常前記ブロック共重合体組成物を100重量部とした場合0〜400重量部、好ましくは25〜200重量部、更に好ましくは50〜150重量部で添加される。添加量が多すぎると、ブルーム等により密着性が低下する場合があり、逆に少なすぎると、硬度低下の効果を得ることができない場合がある。
本発明で用いる熱可塑性エラストマー組成物には、さらに必要に応じて本発明を阻害しない範囲内で、従来公知のエラストマー、熱可塑性樹脂、充填剤、補強繊維、抗菌剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤などの配合剤を所望量含んでいてもよい。但し、添加量については本発明の効果を損なわない範囲にとどめることとする。
ブロック共重合体(a)およびブロック共重合体(b)以外の従来公知のエラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリイミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンおよびその変性物、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。
充填剤としては、例えば、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム、各種の金属粉、木粉、ガラス粉、セラミックス粉などの他、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー;ポリスチレン、ポリフッカビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体などからなる有機中空フィラー;が挙げられる。
補強繊維としては、例えば、ガラスファイバー、金属ファイバー、そのた各種のポリマーファイバーなどの短繊維および長繊維が挙げられる。
充填剤としては、例えば、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム、各種の金属粉、木粉、ガラス粉、セラミックス粉などの他、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー;ポリスチレン、ポリフッカビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体などからなる有機中空フィラー;が挙げられる。
補強繊維としては、例えば、ガラスファイバー、金属ファイバー、そのた各種のポリマーファイバーなどの短繊維および長繊維が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル・テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などのヒンダードフェノール系化合物;ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのチオジカルボキシレートエステル類;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4‘−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル)ジトリデシルフォスファイトなどの亜燐酸塩類などが挙げられる。
本発明の透明積層シートに用いられるエラストマー層は、前記熱可塑性エラストマーをシート状にした熱可塑性エラストマーシートであり、その厚みは用途に応じて適宜選択されるものであるが、5〜3000μmの範囲内であることが好ましく、10〜2500μmがより好ましく、50〜2000μmであることが特に好ましい。
また、本発明の透明積層シートに用いられる熱可塑性エラストマーシートのヘイズ値は、厚みにより異なるものではあるが、各種画像表示装置などの表面素子表面の保護に用いられることを考慮すると、いずれの厚みであっても好ましくは10%以下であり、より好ましくは8%以下であり、特に好ましくは5%以下である。ヘイズ値が高すぎると、例えば本発明の透明積層シートを前述したような保護シートとして用いた場合に被保護面の検査精度を低下させる場合がある。
また、前記熱可塑性エラストマーシートとしての全光線透過率は、検査精度を高めるため、好ましくは75%以上であり、より好ましくは80%以上である。
また、前記熱可塑性エラストマーシートとしての全光線透過率は、検査精度を高めるため、好ましくは75%以上であり、より好ましくは80%以上である。
本発明に用いられる透明樹脂層は、透明樹脂シートであれば特に限定されるものではないが、保護シートとして用いることを考慮すると、透明樹脂シートのヘイズ値が、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1.5%以下であることが特に好ましい。また、全光線透過率は好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。
また、透明樹脂シートの厚みとしては、エラストマー層を支持することが可能な程度の強度を有する厚みであれば特に限定されないが、通常5〜500μmである。
また、透明樹脂シートの厚みとしては、エラストマー層を支持することが可能な程度の強度を有する厚みであれば特に限定されないが、通常5〜500μmである。
前記透明樹脂シートとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、フッ素樹脂等よりなるシートを挙げることができる。なかでも、透明性、寸法安定性および経済性等の点でポリエステル、ポリカーボネート、アクリル系樹脂およびポリオレフィンが好ましく、ポリオレフィンとしては、特にノルボルネン樹脂が好適である。なお、前記透明樹脂シートには、保護シートとして用いた場合、特性が一層望ましいものとなることから、ハード加工、帯電防止加工、防汚加工および防眩加工等を施すことができる。
本発明の透明積層シートは、前記透明樹脂シート上に前述したエラストマーシートが積層されてなるものであり、透明積層シートの膜厚は、前記エラストマーシートの厚みと前記透明樹脂シートの厚みとを加えたものである。透明積層シートの膜厚は、用途に応じて適宜決定されるものではあるが、保護シートとして用いた場合に衝撃吸収能を有しかつ被保護面の検査工程等においても特に問題無く検査を行うことができる点から、10〜3500μmであることが好ましい。
また、本発明の透明積層シートのヘイズ値は、前記エラストマー層と透明樹脂層とを併せたヘイズ値となるが、保護シートとして用いた場合の検査精度を考慮すると10%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下である。また全光線透過率も前記エラストマーシートと透明樹脂シートとを併せた値となり、好ましくは60%以上、より好ましくは77%以上である。
また、本発明の透明積層シートのヘイズ値は、前記エラストマー層と透明樹脂層とを併せたヘイズ値となるが、保護シートとして用いた場合の検査精度を考慮すると10%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下である。また全光線透過率も前記エラストマーシートと透明樹脂シートとを併せた値となり、好ましくは60%以上、より好ましくは77%以上である。
本発明の透明積層シートは、エラストマー層側の表面に、さらに剥離シートが設けられていてもよい。前記剥離シートとしては、エラストマー層から容易に剥離する程度の密着強度をエラストマー層に対して有するものであれば特に限定されるものではなく、基材表面に剥離層が形成された剥離シートや、材料自体の密着性が低い樹脂のシート等が好適に用いられる。
また、必要に応じて前記透明樹脂層とエラストマー層との間には、密着性を向上させるアンカー層や接着層が形成されていてもよい。
また、必要に応じて前記透明樹脂層とエラストマー層との間には、密着性を向上させるアンカー層や接着層が形成されていてもよい。
本発明の透明積層シートの製造方法としては、透明樹脂シート上に熱可塑性エラストマーシートを押出成形する方法、透明樹脂シート上に熱可塑性エラストマーをホットメルト塗布する方法、透明樹脂シート上に、熱可塑性エラストマーの溶液を塗布し乾燥させる方法、予め形成された透明樹脂のシートとエラストマーシートとを貼りあわせる方法、等を挙げることができる。
本発明の透明積層シートは、各種画像表示装置の表示面や光学部品表面の保護シートとして好適に用いられるが、その他の種々の用途に用いることも可能である。例えば、エラストマー層の膜厚を比較的厚くすることにより、表面に比較的大きな凹凸を有する部材であって、その後に検査工程を有する場合の保護シート、具体的には表面に種々の素子が接続された回路基板の保護シートとして用いることも可能である。また、化粧シート、ガラスの保護シート、フォトマスク用保護シートとしても使用できる。
本発明の透明積層シートは、各種画像表示装置の表示面や光学部品表面の保護シートとして好適に用いられるが、その他の種々の用途に用いることも可能である。例えば、エラストマー層の膜厚を比較的厚くすることにより、表面に比較的大きな凹凸を有する部材であって、その後に検査工程を有する場合の保護シート、具体的には表面に種々の素子が接続された回路基板の保護シートとして用いることも可能である。また、化粧シート、ガラスの保護シート、フォトマスク用保護シートとしても使用できる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。前記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、部または配合に関わる%は、特に記載しない限り重量基準である。
(エラストマーシート)
ニーダ−混練機を用い、エラストマー100部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2部を170℃で混練、脱泡して溶融させた。得られた溶融サンプルを所定量取り出し2枚の離型PETシート間で厚さ1000μmおよび2000μmのスペーサーを用いてシート状にプレス成形し、離型PETシートを剥がして厚さ1000μmおよび2000μmのエラストマーのシートを作成した。
ニーダ−混練機を用い、エラストマー100部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2部を170℃で混練、脱泡して溶融させた。得られた溶融サンプルを所定量取り出し2枚の離型PETシート間で厚さ1000μmおよび2000μmのスペーサーを用いてシート状にプレス成形し、離型PETシートを剥がして厚さ1000μmおよび2000μmのエラストマーのシートを作成した。
(積層シート)
ニーダ−混練機を用い、エラストマー100部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2部を170℃で混練、脱泡して溶融させた。得られた溶融サンプルを所定量取り出し、離型PETシートと透明樹脂層として用いる厚さ1000μmのPETシートとの間で厚さ1000μmのスペーサーを用いてシート状にプレス成形し、離型PETシートを剥がして厚さ2000μmの積層シートを作成した。
ニーダ−混練機を用い、エラストマー100部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2部を170℃で混練、脱泡して溶融させた。得られた溶融サンプルを所定量取り出し、離型PETシートと透明樹脂層として用いる厚さ1000μmのPETシートとの間で厚さ1000μmのスペーサーを用いてシート状にプレス成形し、離型PETシートを剥がして厚さ2000μmの積層シートを作成した。
(硬度)
前記方法に従って得られた、厚さ2000μmのエラストマーのシートを3枚重ねて測定用サンプルとした。JIS K 6253に従って、デュロメータ硬度(Duro−A)を測定した。
前記方法に従って得られた、厚さ2000μmのエラストマーのシートを3枚重ねて測定用サンプルとした。JIS K 6253に従って、デュロメータ硬度(Duro−A)を測定した。
(ヘイズ)
前記方法に従って得られた、厚さ1000μmのエラストマーのシートを用いて、JIS K 7105に従ってヘイズを測定した。
前記方法に従って得られた、厚さ1000μmのエラストマーのシートを用いて、JIS K 7105に従ってヘイズを測定した。
(耐熱性)
〔形状保持〕:前記方法に従って得られた、厚さ1000μmのエラストマーのシートを10mm×50mmに成形して形状保持試験用サンプルを作成した。前記サンプルの長辺が垂直になるように、垂直なPETシートに圧着し、そのまま80℃で100時間保持する。100時間経過後のエラストマーシートの形状を、下記の方法にて評価した。
○:エラストマーシートの長辺方向長さの変化率が5%未満。
×:エラストマーシートの長辺方向長さの変化率が5%以上。
〔積層シートの剥がれ〕:前記方法に従って得られた、厚さ2000μmの積層シートを10mm×50mmに成形して評価用積層シートとした。前記積層シートの長辺が垂直になるように、垂直なPETシートに圧着し、そのまま80℃で100時間保持する。100時間経過後の積層シートの剥がれ状態を観察し、下記の方法にて評価した。
○:積層シートが剥がれない。
×:積層シートが剥がれる。
〔ヘイズ〕:前記方法に従って得られた、厚さ1000μmのエラストマーのシートを離型フィルムにのせたまま、80℃で100時間保持した後、該エラストマーのシートのヘイズ値を測定した。
〔形状保持〕:前記方法に従って得られた、厚さ1000μmのエラストマーのシートを10mm×50mmに成形して形状保持試験用サンプルを作成した。前記サンプルの長辺が垂直になるように、垂直なPETシートに圧着し、そのまま80℃で100時間保持する。100時間経過後のエラストマーシートの形状を、下記の方法にて評価した。
○:エラストマーシートの長辺方向長さの変化率が5%未満。
×:エラストマーシートの長辺方向長さの変化率が5%以上。
〔積層シートの剥がれ〕:前記方法に従って得られた、厚さ2000μmの積層シートを10mm×50mmに成形して評価用積層シートとした。前記積層シートの長辺が垂直になるように、垂直なPETシートに圧着し、そのまま80℃で100時間保持する。100時間経過後の積層シートの剥がれ状態を観察し、下記の方法にて評価した。
○:積層シートが剥がれない。
×:積層シートが剥がれる。
〔ヘイズ〕:前記方法に従って得られた、厚さ1000μmのエラストマーのシートを離型フィルムにのせたまま、80℃で100時間保持した後、該エラストマーのシートのヘイズ値を測定した。
(実施例1)
耐圧反応器に、シクロヘキサン112部、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以降「TMEDA」と略記する場合がある。)0.0012部およびスチレン7.2部を添加し、40℃で攪拌しているところにn−ブチルリチウム0.0441部を添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。この時点でのスチレンの重合転化率は、ほぼ100%であった。その重合溶液の一部を採取し、ポリスチレンを取り出した後、重量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
引き続き、イソプレン40.8部を1時間に亘り連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。なお、重合温度は50〜60℃を維持するように温度制御した。この時点での重合転化率は、ほぼ100%であった。その重合溶液の一部を採取し、ブロック共重合体を取り出した後、重量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
耐圧反応器に、シクロヘキサン112部、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以降「TMEDA」と略記する場合がある。)0.0012部およびスチレン7.2部を添加し、40℃で攪拌しているところにn−ブチルリチウム0.0441部を添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。この時点でのスチレンの重合転化率は、ほぼ100%であった。その重合溶液の一部を採取し、ポリスチレンを取り出した後、重量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
引き続き、イソプレン40.8部を1時間に亘り連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。なお、重合温度は50〜60℃を維持するように温度制御した。この時点での重合転化率は、ほぼ100%であった。その重合溶液の一部を採取し、ブロック共重合体を取り出した後、重量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
次いで、カップリング剤としてテトラメトキシシラン0.0254部を添加して2時間カップリング反応を行なった。この後、重合停止剤としてメタノール0.1部を添加して反応を停止した。
得られた重合体溶液に、重合体100部あたり、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3部を添加した後、該溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱した温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、85℃で熱風乾燥し、ブロック共重合体組成物Iを得た。ブロック共重合体組成物Iの重量平均分子量、各ブロック共重合体の重量比率、およびスチレン単量体単位含有量を測定し、その結果を表1に示す。また、式(5)により計算される数値を表1に示す。
ブロック共重合体組成物Iを用いて評価用のエラストマーシートを作成し、その評価結果を表2に示す。
得られた重合体溶液に、重合体100部あたり、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3部を添加した後、該溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱した温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、85℃で熱風乾燥し、ブロック共重合体組成物Iを得た。ブロック共重合体組成物Iの重量平均分子量、各ブロック共重合体の重量比率、およびスチレン単量体単位含有量を測定し、その結果を表1に示す。また、式(5)により計算される数値を表1に示す。
ブロック共重合体組成物Iを用いて評価用のエラストマーシートを作成し、その評価結果を表2に示す。
(実施例2)
表1に示すように、n−ブチルリチウム、TEMDAおよびカップリング剤を変更した以外は、実施例1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物IIを得た。このブロック共重合体組成物IIを用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
表1に示すように、n−ブチルリチウム、TEMDAおよびカップリング剤を変更した以外は、実施例1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物IIを得た。このブロック共重合体組成物IIを用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
(実施例3)
実施例1と同様にスチレンブロックおよびイソプレンブロックからなるブロック共重合体を得た後、カップリング剤を添加する前に、スチレンブロックおよびイソプレンブロックからなるブロック共重合体の、仕込み量の25wt%を耐圧反応器より抜き出して、メタノール0.0167部を添加した。
耐圧反応容器に残ったブロック共重合体をカップリングした後、先に抜き出した25wt%の溶液を耐圧反応容器に戻して攪拌し、ブロック共重合体組成物IIIを得た。このブロック共重合体組成物IIIについて実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
実施例1と同様にスチレンブロックおよびイソプレンブロックからなるブロック共重合体を得た後、カップリング剤を添加する前に、スチレンブロックおよびイソプレンブロックからなるブロック共重合体の、仕込み量の25wt%を耐圧反応器より抜き出して、メタノール0.0167部を添加した。
耐圧反応容器に残ったブロック共重合体をカップリングした後、先に抜き出した25wt%の溶液を耐圧反応容器に戻して攪拌し、ブロック共重合体組成物IIIを得た。このブロック共重合体組成物IIIについて実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
(実施例4)
カップリング剤としてアジピン酸ジエチルを用い、表1に示す重合処方とした以外は実施例1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物IVを得た。このブロック共重合体組成物IVについて実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
(実施例5)
カップリング剤としてペンタエリスリトール テトラグリシジル エーテル(長瀬産業株式会社製 デナコールEX-411 エポキシ当量231)を用い、表1に示す重合処方とした以外は実施例1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物Vを得た。このブロック共重合体組成物Vについて実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
カップリング剤としてアジピン酸ジエチルを用い、表1に示す重合処方とした以外は実施例1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物IVを得た。このブロック共重合体組成物IVについて実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
(実施例5)
カップリング剤としてペンタエリスリトール テトラグリシジル エーテル(長瀬産業株式会社製 デナコールEX-411 エポキシ当量231)を用い、表1に示す重合処方とした以外は実施例1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物Vを得た。このブロック共重合体組成物Vについて実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
(実施例6)
耐圧反応器に、シクロヘキサン112部、TMEDA0.00364部およびn−ブチルリチウム0.141部を添加し、40℃で攪拌しているところに、イソプレン48部を添加し、60℃に重合温度を上げながら1時間重合した。この時点でのイソプレンの重合転化率は100%であった。この後、耐圧反応器に重合停止剤としてメタノール0.2部を加えてよく混合してポリイソプレンを得た。この重量平均分子量は38,000であった。
実施例1で得られた共重合体組成物Iの30%シクロヘキサン溶液100部に、前記ポリイソプレンの30%シクロヘキサン溶液45部を加え、さらに酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.3部を加えて混合し、混合溶液を得た。次いで、前記混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、85℃で熱風乾燥してポリイソプレン含有ブロック共重合体を得た。実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
耐圧反応器に、シクロヘキサン112部、TMEDA0.00364部およびn−ブチルリチウム0.141部を添加し、40℃で攪拌しているところに、イソプレン48部を添加し、60℃に重合温度を上げながら1時間重合した。この時点でのイソプレンの重合転化率は100%であった。この後、耐圧反応器に重合停止剤としてメタノール0.2部を加えてよく混合してポリイソプレンを得た。この重量平均分子量は38,000であった。
実施例1で得られた共重合体組成物Iの30%シクロヘキサン溶液100部に、前記ポリイソプレンの30%シクロヘキサン溶液45部を加え、さらに酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.3部を加えて混合し、混合溶液を得た。次いで、前記混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、85℃で熱風乾燥してポリイソプレン含有ブロック共重合体を得た。実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1で得られたブロック共重合体組成物Iを100部に、パラフィンオイル(ダイアナプロセスオイル PW−380(出光興産社製))150部を添加した以外は、実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
(実施例8)
実施例6のパラフィンオイルを60部とした以外は、実施例6と同様にして評価した。その結果を表1および2に示す。
実施例1で得られたブロック共重合体組成物Iを100部に、パラフィンオイル(ダイアナプロセスオイル PW−380(出光興産社製))150部を添加した以外は、実施例1と同様に評価した。その結果を表1および2に示す。
(実施例8)
実施例6のパラフィンオイルを60部とした以外は、実施例6と同様にして評価した。その結果を表1および2に示す。
(比較例1)
表1に示す重合処方に変更した以外は、実施例1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物VIを得た。このブロック共重合体組成物VIについて実施例1と同様にして評価した。その結果を表1および2に示す。
表1に示す重合処方に変更した以外は、実施例1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物VIを得た。このブロック共重合体組成物VIについて実施例1と同様にして評価した。その結果を表1および2に示す。
(比較例2)
ブロック共重合体組成物Iの代わりに、シンジオタクチック 1,2−ポリブタジエン(以下、Syn PBDと略記する場合がある。)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価し、その結果を表1および2に示す。Syn PBDを用いたシートの耐熱性試験を実施すると、シートが収縮して形態を保持できず、ヘイズは測定できなかった。
ブロック共重合体組成物Iの代わりに、シンジオタクチック 1,2−ポリブタジエン(以下、Syn PBDと略記する場合がある。)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価し、その結果を表1および2に示す。Syn PBDを用いたシートの耐熱性試験を実施すると、シートが収縮して形態を保持できず、ヘイズは測定できなかった。
得られたエラストマー評価用サンプルを用い、硬度、全光線透過率、ヘイズ、および耐熱性について測定した。その結果を表2に示す。
ハロゲン系カップリング剤を使用したブロック共重合体組成物VIは式(5)を満足せず、4分岐体の生成量が多い。ブロック共重合体組成物VIを用いて得られた熱可塑性エラストマーは全光線透過率とヘイズの値が本発明規定の範囲に無く、不透明である(比較例1)。
シンジオタクチック 1,2−ポリブタジエン(Syn PBD)は硬度が高く、本発明の耐熱性を有さない(比較例2)。
これに対し本発明規定の範囲にある透明積層シートは、硬度およびヘイズが低く、耐熱性があるため、被保護面の検査性を損なわず、加熱工程があっても密着性および透明性を保持し、さらには被保護面の凹凸にも十分に追従できる(実施例1〜8)。
Claims (8)
- 透明樹脂層および熱可塑性エラストマー層の2層を含んでなる透明積層シートであって、
前記熱可塑性エラストマーは、硬度が50以下、厚さ1mmのヘイズ値が10%以下、耐熱性が80℃以上であることを特徴とする透明積層シート。 - 前記熱可塑性エラストマーが、芳香族ビニル単量体の重合体ブロック(A)と共役ジエン単量体の重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体組成物、または前記ブロック共重合体組成物の水素添加物を含んでなるものであることを特徴とする請求項1記載の透明積層シート。
- 前記ブロック共重合体組成物が、
芳香族ビニル単量体の重合体ブロック(A)および共役ジエン単量体の重合体ブロック(B)を逐次で重合したブロック共重合体組成物、もしくは、
重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とのブロック共重合体(A−B)をアルコキシル基、エステル基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を2以上有するカップリング剤でカップリングして得られたブロック共重合体組成物、
であることを特徴とする請求項2に記載の透明積層シート。 - 前記ブロック共重合体組成物が、下記一般式(a2)、(a3)および(a4)で示されるブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)並びに下記一般式(b)で示されるブロック共重合体(b)からなり、ブロック共重合体組成物の全量に対するブロック共重合体(a)およびブロック共重合体(b)の割合が、それぞれ(a)50〜100重量%、(b)0〜50重量%
であることを特徴とする請求項3に記載の透明積層シート。
(A−B)2X (a2)
(A−B)3X (a3)
(A−B)4X (a4)
A−B (b)
(但し、一般式a2、a3、a4およびbにおいては、Aは芳香族ビニル単量体の重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体の重合体ブロックであり、Xはアルコキシル基、エステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2以上有するカップリング剤の残基である。) - 前記ブロック共重合体(a)について、
一つのカップリング剤Xに結合した、ブロック共重合体(A−B)の平均数が2.5〜3.8であることを特徴とする請求項4記載の透明積層シート。 - 前記熱可塑性エラストマーが、共役ジエン系単量体の重合体を含有することを特徴とする請求項1〜5に記載の透明積層シート。
- 前記熱可塑性エラストマーが、石油系軟化剤を含有することを特徴とする請求項1〜6に記載の透明積層シート。
- 保護シートである、請求項1〜7に記載の透明積層シート。
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KR20150072901A (ko) * | 2013-12-20 | 2015-06-30 | 엘지이노텍 주식회사 | 커버 윈도우 |
JP2018513247A (ja) * | 2015-03-30 | 2018-05-24 | クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー | 硬化性透明ゴム組成物、これから製造した硬化透明ゴム組成物およびこれの製造方法 |
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2004
- 2004-09-30 JP JP2004286937A patent/JP2006095966A/ja active Pending
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