JP5133280B2 - スチレン系樹脂組成物、それからなるシート及びエンボスキャリアテープ - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載の技術は、耐折強度が向上しない。
[1]
(A)スチレン系単量体を主体とするスチレンブロックと、共役ジエン単量体を主体とする共役ジエンブロックと含み、スチレンブロックのピーク分子量が30000〜80000であり、スチレンブロックの分子量分布曲線の半値幅が1.3〜3.0である、スチレン−共役ジエンブロック共重合体と、
(B)スチレン系単量体を主体とするスチレンブロックと、共役ジエン単量体を主体とする共役ジエンブロックと含み、スチレンブロックのピーク分子量が30000〜80000であり、スチレンブロックの分子量分布曲線の半値幅が3.1〜4.5である、スチレン−共役ジエンブロック共重合体と、
(C)ポリスチレン樹脂と、
(D)耐衝撃性ポリスチレン樹脂と、を含有するスチレン系樹脂組成物。
[2]
(A)成分は、共役ジエンブロック中における共役ジエン単量体の含有量が75〜100質量%以下であり、(A)成分中におけるスチレン系単量体の含有量が65〜85質量%である、[1]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[3]
(B)成分は、共役ジエンブロック中における共役ジエン単量体の含有量が50質量%以上75質量%未満であり、(B)成分中におけるスチレン系単量体の含有量が65〜85質量%である、[1]又は[2]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[4]
ポリスチレン系樹脂組成物中における(A)成分の含有量が5〜85質量%であり、
ポリスチレン系樹脂組成物中における(B)成分の含有量が5〜85質量%である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
[5]
ポリスチレン系樹脂組成物中における(C)成分の含有量が5〜60質量%である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
[6]
ポリスチレン系樹脂組成物中における(D)成分の含有量が5〜25質量%である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
[7]
[1]〜[6]のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物からなるシート。
[8]
[7]に記載のシートを成形してなるエンボスキャリアテープ。
これらは1種のみならず2種以上併用してもよい。
65〜85質量%とすることでより優れた剛性と耐衝撃性を付与でき、70〜80質量%では、より優れた成形加工性を付与できる。
この場合、ピークトップの高さは横軸に垂直であり、高さの50%でのピークの幅は横軸に水平であることが必要である。
(C)成分の配合量を5〜60質量%とすることで、透明性とシートの剛性が優れ、ポケット部とした際の強度等が優れたポリスチレン系樹脂とすることができる。(C)成分の配合量を30〜50質量%とすることで、耐折強度や耐衝撃性を更に向上させることができる。
具体的には、スチレン重合体とスチレン−ブタジエン共重合体とのグラフト共重合体が特に好ましい。
エンボスキャリアテープの製造方法は、特に限定されず、例えば、真空成形、圧空成形、プレス成形、ロータリー成形(高速、低速)等を用いることができる。
このようなシリコーンオイル等を含有する表面層を有するシートは、エンボス成形機の金型との離型性が良好であるため、エンボス成形性が更に向上し、かつエンボスキャリアテープとその蓋材であるカバーテープとのシール性が安定するため好ましい。
塗布方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えば、グラビアロールコータ方式、噴霧方式等が挙げられる。
(1)ブロック共重合体(A−1)
撹拌機付きオートクレーブを用い、(i)スチレン36質量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウム0.080質量部を添加し、窒素ガス雰囲気下、80℃で20分間重合した。
次に、(ii)スチレン4質量部と1,3−ブタジエン24質量部を含むシクロヘキサン溶液を60分間連続的に添加して80℃で重合した。
続いて、(iii)スチレン36質量部を含むシクロヘキサン溶液を25分間連続的に添加して80℃で重合した後、80℃で10分間保持した。その後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して0.9倍モル添加して重合を停止し、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートをブロック共重合体100質量部に対して0.5質量部加えた後、脱溶媒してブロック共重合体(A−1)を得た。
共重合体中における各成分の質量比は、四酸化オスミウムを触媒としてジ−tert−ブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(ただし、平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を定量した値をもとに計算した。
ピーク分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC,装置:「HLC−8220(東ソー社製)」、移動相:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)によって測定した。
分子量分布曲線の半値幅は、スチレンブロックのピーク分子量を求めた分子量分布チャートから求めた。GPCで測定した分子量を、対数表示で横軸の1000〜1000000の範囲を15cmとして、縦軸に濃度(質量比)をとってプロットし、ピークトップ高さの50%でのピークの横軸の幅(cm)を半値幅とした。この場合、ピークトップの高さは横軸に垂直であり、高さの50%でのピークの幅は横軸に水平であった。
ブロック共重合体(A−1)と同様の手法を用い、(A−1)の(i)、(ii)、(iii)にて添加するスチレン、1,3−ブタジエンの添加量、n−ブチルリチウムの添加量、重合時間、溶液の添加時間を適宜コントロールすることで、ブロック共重合体(A−2〜A−4、B−1〜B−5)を作成した。
なお、n−ブチルリチウムの添加量を少なくすると分子量は大きくなった。また、重合時間、溶液の添加時間を長くすると、スチレンブロック分子量分布曲線の半値幅は大きくなった。得られたブロック共重合体(A−1〜A−4、B−1〜B−5)の性状を表1に示す。
(C)成分として以下の樹脂を使用した。
・ポリスチレン樹脂(C):「SGP10」(PSジャパン社製、MFR1.9g/10分、曲げ弾性率3300MPa)
(D)成分として以下の樹脂を使用した。
・耐衝撃性ポリスチレン樹脂(D):HT478(PSジャパン社製、MFR3.3g/10分、曲げ弾性率2050MPa)
表2に示した組成の樹脂組成物を押出機(ユニオンプラスチックス社製、Tダイ装着押し出し機、USV型/バレル径40mmΦ、L/D=28、幅400mmTダイ装着)で溶融混練し、Tダイから吐出した後、ロール冷却し、幅350mm、厚さ0.4mmのシートを得た。
このようにして得られた各実施例・比較例について以下の試験を行った。
JIS K7105−1981に準拠し、シートのヘイズを測定した。
また上記と同様な試験方法でシートの全光線透過率を測定した。
上記で製造したシートを成形してエンボスキャリアテープを製造した。
成形性及び得られたエンボスキャリアテープの特性評価を以下のように行った。
JIS K6734−1995に準拠し、1号ダンベル形試験片を使用し、試験速度50mm/分として、シートの縦方向(MD方向)と横方向(TD方向)それぞれの引張弾性率を測定した。
また、上記と同様な試験方法でシートの縦方向と横方向の引張降伏点強度を測定した。
シートの耐折り曲げ性の試験値は、JIS P8115−2001に準拠し、荷重1.0kgf、折り曲げ角度135°の条件で測定された耐折回数の値(単位:回)を計測した。
温度23℃、湿度50%RHの恒温室で72時間保管(常温保管)したシートのMD方向について耐折強度を測定した。またシートを40℃、50%RHで2ヶ月保管した後のシートの耐折り曲げ試験も同様に測定した。
得られたエンボスキャリアテープのφ1.5mm打ち抜き孔(位置決めのための送り孔)を目視で確認し、ヒゲバリが発生していない場合を「○」、ヒゲバリが発生している場合を「×」と評価した。
得られたエンボスキャリアテープに、50万個の穴を打ち抜き、打ち抜き型に付着した粉バリの発生状態を目視で観察した。
粉バリが発生していない場合を「◎」、粉バリがほとんどない場合を「○」、粉バリが発生している場合を「×」と評価した。
特に、実施例3〜6は、ヘイズが4%以下であった。実施例1〜4、7〜9は23℃、72時間後の耐折り曲げ性が500回以上であった。
一方、比較例1〜6は、全て、粉バリ発生試験に劣り、かつ透明性、剛性、打ち抜き性及び耐折り曲げ試験の少なくともいずれかにおいて劣る結果であった。
以上より、本実施例によれば、本実施形態に係るスチレン系樹脂組成物は、透明性、剛性、耐折強度及び成形性が優れていることが示された。
Claims (5)
- (A)スチレン系単量体からなるスチレンブロックと、共役ジエン単量体として1,3−ブタジエンを主体とする共役ジエンブロックと、スチレン系単量体からなるスチレンブロックとからなり、前記スチレンブロックのピーク分子量が30000〜80000であり、前記スチレンブロックの分子量分布曲線の半値幅が1.3〜3.0である、スチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体と、
(B)スチレン系単量体からなるスチレンブロックと、共役ジエン単量体として1,3−ブタジエンを主体とする共役ジエンブロックと、スチレン系単量体からなるスチレンブロックとからなり、前記スチレンブロックのピーク分子量が30000〜80000であり、前記スチレンブロックの分子量分布曲線の半値幅が3.1〜4.5である、スチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体と、
(C)ポリスチレン樹脂と、
(D)耐衝撃性ポリスチレン樹脂と、を含有するポリスチレン系樹脂組成物であり、
前記ポリスチレン系樹脂組成物中における前記(A)成分の含有量が5〜85質量%であり、
前記ポリスチレン系樹脂組成物中における前記(B)成分の含有量が5〜85質量%であり、
前記ポリスチレン系樹脂組成物中における前記(C)成分の含有量が5〜60質量%であり、
前記ポリスチレン系樹脂組成物中における前記(D)成分の含有量が5〜25質量%である、
スチレン系樹脂組成物。 - 前記(A)成分は、前記共役ジエンブロック中における前記共役ジエン単量体の含有量が75〜100質量%以下であり、(A)成分中における前記スチレン系単量体の含有量が65〜85質量%である、請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記(B)成分は、前記共役ジエンブロック中における前記共役ジエン単量体の含有量が50質量%以上75質量%未満であり、(B)成分中における前記スチレン系単量体の含有量が65〜85質量%である、請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物からなるシート。
- 請求項4に記載のシートを成形してなるエンボスキャリアテープ。
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