JP7160744B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物及び自己粘着性シート、フィルム及びテープ - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物及び自己粘着性シート、フィルム及びテープ Download PDF

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Description

本発明は塩化ビニル系樹脂組成物及び該組成物からなる自己粘着性シート、フィルム及びテープに関する。
接着剤や粘着剤等を使用せずに樹脂組成物自身の自己粘着力によりガラス板、金属板、光沢面を有するプラスチック板などの平滑な表面に対して粘着する塩化ビニル系樹脂組成物からなら自己粘着性シート、フィルム及びテープが使用されている。
従来から使用されている自己粘着性シートとしては、DOP(フタル酸ジ2-エチルヘキシル)、DBP(フタル酸ジ-n-ブチル)等のフタル酸エステル等の可塑剤を単独又は併用して塩化ビニル系樹脂に多量に配合し、カレンダー法又は押出法でシート化したものを利用している。しかしながら、この種の自己粘着性シートは、該シート表面に印刷して自己粘着性ラベルとする場合、印刷インキののりが悪く、印刷の鮮明さに欠け、印刷層と自己粘着性シートとの接着性が劣るという問題があった。また多量の可塑剤が配合されているため被着体表面に可塑剤が移行し、被着体表面を汚染するといった欠点を有するものであった。
このような従来の自己粘着性シートの問題点を改善するために、上記の自己粘着性シートを製造する際に特定の可塑剤を用いることが検討されている(特許文献1参照)。しかしながらこの方法では改善の効果が十分ではなく、印刷性及び被着体への可塑剤移行性に改善の余地があった。
また、可塑剤の移行性を低減するためにエポキシ系可塑剤とポリエステル系可塑剤を併用することが検討されているが(特許文献2参照)、依然として改善の効果が十分でない。
上記の自己粘着性シートを製造する際に特定のアクリル系ブロック共重合体と可塑剤を用いることが検討されている(特許文献3参照)。自己粘着性と可塑剤移行性が改良されてはいるが、アクリル系ブロック共重合体の添加により、耐皮脂性が悪くなるといった課題があったため、改善の余地があった。
特開平6-87996号公報 特開平6-136215号公報 特開2017-78137号公報 特開平11-335432号公報 特公平7-25859号公報 特開平6-93060号公報
マクロモレキュラ ケミカル フィジックス(Macromol.Chem.Phys.)201巻,1108~1114頁(2000年)
本発明は、ガラス板、金属板、光沢面を有するプラスチック板などの平滑な表面に対してシートの自己粘着力により貼り付けることができる塩化ビニル系樹脂組成物に関し、特に耐皮脂性に優れ、被着体への可塑剤の移行が少なく、高い自己粘着性を有する塩化ビニル系樹脂組成物、及び該塩化ビニル系樹脂組成物からなる自己粘着性シート、フィルム及びテープを提供することを目的とする。
本発明によれば、上記の目的は、
[1]塩化ビニル系樹脂組成物(A)、アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(b1)とメタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(b2)とを有するアクリル系ブロック共重合体(B)、及び可塑剤(C)を含有する塩化ビニル系樹脂組成物であって、アクリル系ブロック共重合体(B)の重量平均分子量が100,000~250,000の範囲であり、前記重合体ブロック(b2)のアクリル系ブロック共重合体(B)中における含有量が10~25質量%の範囲であり、前記重合体ブロック(b1)に含まれるアクリル酸エステル単位が、一般式CH=CH-COOR(1)(式中、Rは炭素数1~3の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(b1-1)単位及び一般式CH=CH-COOR(2)(式中、Rは炭素数4~12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(b1-2)単位を含み、前記アクリル酸エステル(b1-1)単位及び前記アクリル酸エステル(b1-2)単位の質量比(b1-1)/(b1-2)が30/70~85/15であり、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系ブロック共重合体(B)を20~150質量部、可塑剤(C)を0~80質量部含有する塩化ビニル系樹脂組成物;
[2]アクリル系ブロック共重合体(B)が、重合体ブロック(b1)の両端に重合体ブロック(b2)が結合したトリブロック共重合体である[1]の塩化ビニル系樹脂組成物;
[3]アクリル系ブロック共重合体(B)の分子量分布が1.0~1.4の範囲である[1]又は[2]の塩化ビニル系樹脂組成物;
[4][1]~[3]のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物からなる自己粘着性シート、フィルム及びテープ;
に関する。
本発明によれば、耐皮脂性に優れ、被着体への可塑剤の移行が少なく、高い自己粘着性を有する塩化ビニル系樹脂組成物、及び該塩化ビニル系樹脂組成物からなる自己粘着性シート、フィルム及びテープを提供することができる。
<塩化ビニル系樹脂(A)>
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の構成成分である塩化ビニル系樹脂(A)は、塩化ビニル単位を主体とする樹脂であり、塩化ビニルを含む単量体を重合することにより得られる。上記塩化ビニル系樹脂(A)は塩化ビニル単位を好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含む樹脂である。このような上記塩化ビニル系樹脂(A)としては、塩化ビニル単独重合体(ポリ塩化ビニル)、及び塩化ビニル共重合体が挙げられる。
塩化ビニル共重合体を構成する単位となる塩化ビニル単位以外の他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のα-オレフィン;酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイミド類、塩化ビニリデン、スチレンなどが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。塩化ビニル共重合体に含まれるこれら他の単量体の含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
上記塩化ビニル系樹脂(A)の重合度は、その用途等に応じて適宜設定すればよいが、通常100~1万の範囲であり、成形性等の観点からは、400~5000の範囲が好ましく、より好ましくは800~2000、さらに好ましくは1000~1300である。これら塩化ビニル系樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記塩化ビニル系樹脂には、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル共重合体、これらの混合物のほか、これらと他の樹脂との混合物も含まれる。該他の樹脂としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などが挙げられる。塩化ビニル系樹脂中のこれら他の樹脂の含有量は好ましくは10質量%以下である。
<アクリル系ブロック共重合体(B)>
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の構成成分であるアクリル系ブロック共重合体(B)は、アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(b1)とメタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(b2)を有する。
(重合体ブロック(b1))
上記重合体ブロック(b1)は、一般式CH=CH-COOR(1)(式中、Rは炭素数1~3の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(b1-1)単位及び一般式CH=CH-COOR(2)(式中、Rは炭素数4~12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(b1-2)単位を含む。重合体ブロック(b1)にアクリル酸エステル(b1-1)単位が含まれることにより、耐衝撃性を保持したまま、塩化ビニル系樹脂との相容性が高くなるため、透明性も発現しやすい。
アクリル酸エステル(b1-1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-プロピルなどの官能基を有さないアクリル酸エステル;アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-アミノエチル、アクリル酸グリシジルなどの官能基を有するアクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、得られる塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性及び透明性を高める観点から、官能基を有さないアクリル酸エステルが好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルがより好ましく、アクリル酸メチルがさらに好ましい。これらは単独又は2種以上を併用してもよい。
アクリル酸エステル(b1-2)としては、例えば、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸n-ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどの官能基を有さないアクリル酸エステル;アクリル酸2-エトキシエチル、アクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2-フェノキシエチルなどの官能基を有するアクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、得られる塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性を高める観点から、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルが好ましい。また、塩化ビニル系樹脂との相容性を高める観点から、アクリル酸n-ブチルがより好ましい。これらは単独又は2種以上を併用してもよい。
上記重合体ブロック(b1)中のアクリル酸エステル(b1-1)単位及びアクリル酸エステル(b1-2)単位の質量比(b1-1)/(b1-2)は30/70~85/15である。質量比が上記範囲内であると、耐衝撃性と塩化ビニル系樹脂との相容性、ひいては透明性とのバランスに優れる傾向にある。よって、耐衝撃性と透明性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができる。上記の観点から、上記アクリル酸エステルの質量比(b1-1)/(b1-2)は35/65~78/22であることが好ましく、40/60~75/25であることがより好ましい。
上記重合体ブロック(b1)に用いるアクリル酸エステルの組み合わせとしては、例えば、アクリル酸メチル/アクリル酸n-ブチル、アクリル酸メチル/アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸メチル/アクリル酸n-ブチル/アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸エチル/アクリル酸n-ブチル、アクリル酸エチル/アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸エチル/アクリル酸n-ブチル/アクリル酸2-エチルヘキシルなどが挙げられる。
上記重合体ブロック(b1)は、重合体ブロック(b1)を構成するアクリル酸エステル(b1-1)及びアクリル酸エステル(b1-2)のランダム共重合体からなるものでもよいし、ブロック共重合体やグラフト共重合体からなるものでもよいし、さらにテーパー状ブロック共重合体(グラジェント共重合体)からなるものでもよい。上記アクリル系ブロック共重合体(B)に、重合体ブロック(b1)が2つ以上含まれる場合には、それら重合体ブロック(b1)の構造は、同一であっても異なっていてもよい。また、重合体ブロック(b1)中に含まれるアクリル酸エステル(b1-1)及び(b1-2)の合計単位の割合は、重合体ブロック(b1)中60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。
上記重合体ブロック(b1)には、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル酸エステル単位以外の他の単量体単位を含有していてもよい。他の単量体としては、例えば、メタクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリルアミド等のカルボキシル基を有するビニル系単量体;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の、官能基を有するビニル系単量体;スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブテン、オクテン等のオレフィン系単量体;ε-カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系単量体等が挙げられる。これら他の単量体から構成される単量体単位は、重合体ブロック(b1)の全単量体単位に対し、通常少量であり、重合体ブロック(b1)中に含まれる他の単量体単位の割合は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
上記重合体ブロック(b1)のガラス転移温度は、-45~55℃であることがより好ましく、-35~50℃であることがより好ましく、-30~45℃であることがさらに好ましく、-30~25℃であることが最も好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物及びそれからなる成形品の耐衝撃性が優れる傾向にある。なお、本発明におけるガラス転移温度は、DSC測定で得られた曲線の外挿開始温度である。
(重合体ブロック(b2))
上記重合体ブロック(b2)の構成単位となるメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸n-オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル等のメタクリル酸アルキル;メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキル以外の、官能基を有さないメタクリル酸エステル;メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチル等のメタクリル酸アルコキシアルキルエステル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-アミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等の官能基を有するメタクリル酸エステル;などが挙げられる。
これらの中でも、メタクリル酸アルキルが好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルがより好ましく、経済的に入手容易な点、得られる重合体ブロック(b2)が耐久性と耐候性に優れる点などから、メタクリル酸メチルがさらに好ましい。
上記重合体ブロック(b2)のメタクリル酸エステル単位は、メタクリル酸エステル1種のみから得られたものであってもよく、メタクリル酸エステル2種以上から得られたものであってもよい。重合体ブロック(b2)中に含まれるメタクリル酸エステル単位の割合は、重合体ブロック(b2)中60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。また、重合体ブロック(b2)はメタクリル酸エステル単位100質量%で構成されるもの、すなわちメタクリル酸エステル単位のみからなるもの、であってもよい。
上記重合体ブロック(b2)には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の単量体単位が含まれていてもよい。他の単量体としては、例えば、アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリルアミド等のカルボキシル基を有するビニル系単量体;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の、官能基を有するビニル系単量体;スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブテン、オクテン等のオレフィン系単量体;ε-カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系単量体等が挙げられる。これら他の単量体から構成される単量体単位は、重合体ブロック(b2)の全単量体単位に対し、通常少量であり、重合体ブロック(b2)中に含まれる他の単量体単位の割合は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
上記重合体ブロック(b2)のガラス転移温度は50~150℃であることが好ましく、60~140℃であることがより好ましく、70~130℃であることがさらに好ましい。重合体ブロック(b2)のガラス転移温度が上記範囲内であると、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物及びそれからなる成形品の耐熱性(高温での力学物性保持)が優れる傾向にある。
上記アクリル系ブロック共重合体(B)には、重合体ブロック(b2)が2つ以上含まれてもよいが、その場合、それら重合体ブロック(b2)を構成するメタクリル酸エステル単位及び他の単量体は、同一であっても異なっていてもよい。
重合体ブロック(b2)の重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000~50,000の範囲にあることが好ましく、4,000~30,000の範囲にあることがより好ましい。重合体ブロック(b2)の重量平均分子量が1,000より小さい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(B)の凝集力が不足する場合がある。また、重合体ブロック(b2)の重量平均分子量が50,000より大きい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(B)の溶融粘度が高くなり、上記塩化ビニル系樹脂(A)との溶融混練性が悪化し、生産性、加工性に劣る場合がある。なお、本明細書において重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定された標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
また、アクリル系ブロック共重合体(B)中の重合体ブロック(b1)と重合体ブロック(b2)とのガラス転移温度の差は、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましい。
上記アクリル系ブロック共重合体(B)は、重合体ブロック(b1)を「b1」;重合体ブロック(b2)を「b2」;としたときに、一般式:
(b2-b1)
(b2-b1)-b2
(b2-b1)-Z
(式中、nは1~30の整数、Zはカップリング部位(カップリング剤がポリマー末端と反応して化学結合を形成した後のカップリング部位)を表す)で表されるものであることが好ましい。また、上記nの値は、1~15であることが好ましく、1~8であることがより好ましく、1~4であることがさらに好ましい。
上記構造の中でも、(b2-b1)、(b2-b1)-b2で表される直鎖状のブロック共重合体がより好ましく、b2-b1で表されるジブロック共重合体、及びb2-b1-b2で表されるトリブロック共重合体がさらに好ましく、b2-b1-b2で表されるトリブロック共重合体が特に好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
上記アクリル系ブロック共重合体(B)における重合体ブロック(b2)の含有量は10~25質量%である。
重合体ブロック(b2)の含有量が10質量%未満であると、アクリル系ブロック共重合体(B)の流動性が高く液状となりやすい傾向にある。重合体ブロック(b2)の含有量が25質量%を超えると、柔軟性が損なわれ、耐衝撃性が得られにくい傾向にある。
アクリル系ブロック共重合体(B)における重合体ブロック(b2)の含有量は、耐衝撃性と透明性のバランスの観点からは、11~23質量%であることが好ましく、12~21質量%であることがより好ましい。
アクリル系ブロック共重合体(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)測定により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量は、本発明の透明塩化ビニル系
樹脂組成物の耐衝撃性及び透明性のバランスの観点から、100,000~250,000であり、110,000~240,000であることがより好ましく、120,000~230,000であることがさらに好ましく、130,000~220,000であることがよりさらに好ましい。アクリル系ブロック共重合体(B)の重量平均分子量が100,000未満であると、溶融粘度が低下して、上記塩化ビニル系樹脂(A)との溶融混練性が悪化し、得られる成形品の力学強度が劣る傾向となる。一方、アクリル系ブロック共重合体(B)の重量平均分子量が250,000を超えると、溶融粘度が高くなりすぎ生産性、加工性に劣る場合がある。
上記アクリル系ブロック共重合体(B)は、分子量分布は1.0~1.4であることがより好ましく、1.0~1.3であることがさらに好ましい。分子量分布が上記範囲であると、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を溶融成形する際の成形加工性を安定化できる。なお、本明細書において数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定された標準ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量を意味する。
アクリル系ブロック共重合体(B)の製造方法は特に制限されず、これらアクリル系ブロック共重合体は、公知の方法に準じた製造方法により製造できる。一般に、分子量分布の狭いブロック共重合体を得る方法としては、構成単位であるモノマーをリビング重合する方法が採用される。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてリビング重合する方法(例えば、特許文献4)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩等の鉱酸塩の存在下でリビングアニオン重合する方法(例えば、特許文献5)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし有機アルミニウム化合物の存在下でリビングアニオン重合する方法(例えば、特許文献6)、原子移動ラジカル重合方法(ATRP)(例えば、非特許文献1)等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル系ブロック共重合体(B)が狭い分子量分布且つ高純度で得られること、すなわち本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性を低下させる要因となるオリゴマーや、流動性を低下させる要因となる高分子量体の副生を抑制できることから、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし、有機アルミニウム化合物の存在下で、リビングアニオン重合する方法が好ましい。
上記有機アルミニウム化合物の存在下でのリビングアニオン重合方法としては、例えば、有機リチウム化合物、及び下記一般式(3)
AlR (3)
(式(3)中、R、R及びRはそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基又はN,N-二置換アミノ基を表すか、或いはRが上記したいずれかの基であり、R及びRが一緒になって置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を形成している。)で表される有機アルミニウム化合物の存在下に、必要に応じて、反応系内に、ジメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、12-クラウン-4等のエーテル化合物;トリエチルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ピリジン、2,2’-ジピリジル等の含窒素化合物をさらに添加して、(メタ)アクリル酸エステルを重合させる方法が採用できる。
上記有機リチウム化合物としては、例えば、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、テトラメチレンジリチウム等のアルキルリチウム又はアルキルジリチウム;フェニルリチウム、キシリルリチウム等のアリールリチウム又はアリールジリチウム;ベンジルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウム等のアラルキルリチウム又はアラルキルジリチウム;リチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド;メトキシリチウム等のリチウムアルコキシドが挙げられる。
また、上記一般式(3)で表される有機アルミニウム化合物としては、重合のリビング性の高さや取扱いの容易さ等の点から、イソブチルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノキシ)〕アルミニウム等が好ましい。
<可塑剤(C)>
本発明における可塑剤としては、エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を使用でき、好ましくはエステル系高分子量可塑剤が良い。可塑剤の具体例としては、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)、n-DOP(フタル酸ジ-n-オクチル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(ベンジルブチルフタレート)、DOTP(テレフタル酸ジ-2-エチルヘキシル)、TOTM(トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル)、DOA(アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル)、TCP(トリクレジルフォスフェート)、BOA(ベンジルオクチルアジペート)、DPCP(ジフェニルクレジルフォスフェート)若しくはアジピン酸ジイソデシル等、及びこれらの混合物が挙げられる。
<塩化ビニル系樹脂組成物>
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、前記塩化ビニル系樹脂(A)、前記アクリル系ブロック共重合体(B)、及び必要に応じて前記可塑剤(C)を含有する。
アクリル系ブロック共重合体(B)の本発明の塩化ビニル系樹脂組成物における含有量は、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して20~150質量部である。衝撃強度、流動性の観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して20~100質量部であることが好ましく、30~90質量部であることがより好ましく、40~80質量部であることがさらに好ましい。アクリル系ブロック共重合体(B)の含有量が、上記範囲より少ないと自己粘着性の改良効果が十分でなく、一方上記範囲を超えると、本発明の自己粘着性塩化ビニル系樹脂組成物から得られるシート、フィルム及びテープにおいて、十分な機械的強度が得られない傾向となる。
可塑剤(C)の本発明の塩化ビニル系樹脂組成物における含有量は、衝撃強度、流動性の観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して0~80質量部であることが重要であり、0~60質量部であることが好ましく、10~40質量部であることがより好ましい。可塑剤(C)の含有量が上記範囲内であると柔軟性に優れ、一方、上記範囲を超えると、十分な機械的強度が得られない傾向となり、また被着体への可塑剤の移行が問題となる場合がある。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて滑剤、難燃剤、充填剤及び加工助剤を添加することができる。さらに、一般的に塩化ビニル系樹脂に使用される各種の添加剤、例えば、安定剤、非イオン系界面活性剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、光安定剤などを添加することもできる。
滑剤としては、炭酸水素C12~C30系、脂肪酸(ワックス)系、エステル(ワックス)系、脂肪酸エステル系、C12~C30脂肪酸金属石鹸系、C12~C30脂肪アルコール(ワックス)系等がある。難燃剤としては三酸化アンチモン等がある。充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、シリカ等の無機充填剤等が挙げられる。
安定剤としては、金属石鹸、エポキシ化合物、有機ホスファイト系安定剤等の通常使用される安定剤が使用でき、金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、リシノール酸バリウム、オレイン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、オクトイン酸亜鉛等が挙げられ、エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリン酸、エポキシステアリン酸エチルヘキシル、エポキシステアリン酸ステアリル、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、3-(2-キセノキシ)-1,2-エポキシプロパン、エポキシビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルジシクロヘキセンジエポキサイド、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンとエピクロルヒドリンの重縮合物が挙げられ、有機ホスファイト系安定剤としては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル) ホスファイト、トリステアリルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト等が挙げられる。またジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、有機錫メルカプチド、有機錫スルホンアミド等の錫系安定剤なども用いることができる。これらの安定剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができ、特にバリウム-亜鉛系、カルシウム-亜鉛系、バリウム-カドミウム系等の複合安定剤とエポキシ化合物を使用するのが好ましい。安定剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して0.1~10質量部が好ましく、1~7質量部がより好ましく、2~5質量部がさらに好ましい。
非イオン系界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル等の多価アルコールと脂肪酸とのエステル、多価アルコールと脂肪酸及び二塩基酸とのエステル、或いはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加された化合物等が挙げられ、具体的には、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンステアレート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールステアレート、ソルビトールステアレート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ジグリセリンパルミテート、ジグリセリンステアレート、グリセリンステアレート、グリセリンパルミテート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレートアジペート・エチレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールステアレートアジペート・エチレンオキサイド2モル付加物、ジグリセリンパルミテートセバケート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールパルミテートアジペートエチレンオキサイド3モル付加物等が挙げられる。これらの非イオン系界面活性剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
紫外線吸収剤としては、ハイドロキノンジサリチレート等のハイドロキノン系紫外線吸収剤、フェニルサリチレート、パラオクチルフェニルサリチレート等のサリチリ酸系紫外線吸収剤、2,2’-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ヒドロキシ4,4’-ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5,6-ジクロルベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
抗酸化剤としては、フェノール系、チオジプロピオン酸エステル系、脂肪族サルファイト系等の抗酸化剤を単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光安定剤としては、4-(フェニルアセトキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、トリス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)トリアジン-2,4,6-トリカルボキシレート等のヒンダードアミン等の一般に使用されている光安定剤を、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、塩化ビニル系樹脂組成物の粘着力を調節する目的で粘着付与樹脂を添加することができる。粘着付与樹脂としては、軟化点20~120℃のものが好ましく、軟化点80~110℃のものがより好ましい。軟化点はあまりに低いと高い粘着力が得られず、あまりに高いと高い粘着力を得るためにアニール温度を高くする必要が生じるためにかかる範囲に限定される。具体的には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、クロマン樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂等を使用できるが、好ましくはテルペン系樹脂や脂肪族系石油樹脂がよく、具体例としては、テルペン樹脂であるYSレジン(ヤスハラケミカル株式会社製)、エスコレッツ(エクソンモービル社製)がよい。
ここで、粘着付与樹脂の添加量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して20質量部以下が好ましい。20質量部を超えると粘着力が高くなりすぎて剥離粘着力をも高くしてしまい、粘着付与樹脂が被着体に移行するという問題が顕在化する傾向にある。
本発明においては、塩化ビニル系樹脂のゲル化速度を促進すると同時に、添加された加工助剤の分散不良に起因する未ゲル物の発生を抑制する方法として、ポリメタクリル酸メチルと、アクリル酸エステル及びメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルよりなる群より選ばれた優位量のモノマーと劣位量のメタクリル酸メチルとの共重合体からなる多段共重合体、あるいはこれらをラテックス状態で混合させた重合体混合物、あるいは、メタクリル酸メチルの優位量とアクリル酸エステル及びメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルよりなる群より選ばれた劣位量のモノマーより得られた共重合体と、劣位量のメタクリル酸メチルとアクリル酸エステル及びメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルよりなる群より選ばれた優位量のモノマーより得られた共重合体からなる多段共重合体、あるいはこれらをラテックス状態で混合させた重合体混合物を用いる事ができる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法は特に制限されず、該樹脂組成物を構成する各成分の分散性を高める観点から、溶融混練する方法が好ましい。例えば、塩化ビニル系樹脂(A)、アクリル系ブロック共重合体(B)及び可塑剤(C)を、必要に応じて上記した他の重合体又は添加剤と同時に溶融混練する方法;塩化ビニル系樹脂(A)及び可塑剤(C)を、上記した他の重合体又は添加剤とともに混合した後、アクリル系ブロック共重合体(B)を混合して溶融混練する方法などが挙げられる。
溶融混練操作は、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサーなどの既知の混合又は混練装置を使用して行なうことができる。特に、塩化ビニル系樹脂(A)とアクリル系ブロック共重合体(B)の混練性、相容性を向上させる観点から、二軸押出機を使用することが好ましい。溶融混練時の温度は、使用する塩化ビニル系樹脂(A)、アクリル系ブロック共重合体(B)などの溶融温度などに応じて適宜調節することができ、通常110℃~300℃の範囲の温度で行う。このようにして、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を、ペレット、粉末などの任意の形態で得ることができる。ペレット、粉末などの形態の樹脂組成物は、成形材料として使用するのに好適である。
また、アクリル系ブロック共重合体(B)は、後述するアクリル系ブロック共重合体(B’)と混合してペレットを製造した後、塩化ビニル系樹脂(A)及び必要に応じて可塑剤(C)、他の重合体又は添加剤とともに溶融混練してもよい。アクリル系ブロック共重合体(B)とアクリル系ブロック共重合体(B’)との質量比(B)/(B’)は90/10~40/60が好ましく、85/15~50/50がより好ましく、80/20~55/45がさらに好ましい。上記の質量比でペレット化することで、十分に膠着防止され、アクリル系ブロック共重合体(B)が有する優れた特性を損なわない成形体を提供することができる。
上記アクリル系ブロック共重合体(B’)は、アクリル系ブロック共重合体(B)とは異なる重合体である。アクリル系ブロック共重合体(B’)は、アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(b1’)とメタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(b2’)とを有することが好ましい。また、アクリル系ブロック共重合体(B’)の重量平均分子量は、20,000~250,000であることが好ましく、30,000~200,000であることがより好ましく、40,000~150,000であることがさらに好ましく、45,000~100,000であることがよりさらに好ましい。さらに、アクリル系ブロック共重合体(B’)の重合体ブロック(b1’)に含まれるアクリル酸エステル単位が、一般式CH=CH-COOR(4)(式中、Rは炭素数4~12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル単位のみからなることが好ましい。
<自己粘着性シート、フィルム及びテープ>
自己粘着性シート、フィルム及びテープは、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を慣用の成形方法であるカレンダー法、Tダイ法、インフレーション法等により未延伸フィルムに成形して得られる。成形機はカレンダー成形機が好ましい。カレンダー成形におけるロール配列方式は、例えば、L型、逆L型、Z型などの公知の方式を採用でき、また、ロール温度は通常150~200℃、好ましくは160~190℃に設定される。
上記のようにして成形された自己粘着性シート、フィルム及びテープは、一方の面に印刷を施し、非印刷面には剥離性を有する離型シートを貼着してラベルや広告シートとすることも可能である。
自己粘着性シート、フィルム及びテープへの印刷は、通常塩化ビニル系樹脂シートの印刷に使用されている油性インク、水性インク、アルコール性インクなどの印刷インクが使用できるが、環境汚染、作業者の健康などの点から水性又はアルコール性のインクが好ましく、特に水性インクが好ましい。印刷方法も通常使用されている印刷方法が使用でき、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などが使用できる。
自己粘着性シート、フィルム及びテープの非印刷面に貼着する離型シートとしては、自己粘着性シート、フィルム及びテープをガラス板等に貼着させるときに、容易に剥離できるものであれば、いずれのものでも使用でき、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、シリコン処理もしくはテフロン(登録商標)処理した離型紙などが挙げられる。
本発明において、例えば、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部、アクリル系ブロック重合体(B)20~150質量部、可塑剤(C)0~80質量部、及び粘着付与樹脂3~20質量部を混合した塩化ビニル系樹脂組成物をシート状に成形し、該シートをアニールした自己粘着性シートにおいて、該アニールの設定温度を前記粘着付与樹脂の軟化点~該軟化点+55℃にすることにより、30gf/10mm以上、好ましくは50gf/10mm以上の粘着力を有する自己粘着性シートを得ることができる。
以下、本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例及び比較例の各種物性は以下の方法により測定又は評価した。
(1)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定
後述する製造例において得られたアクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)はGPCによりポリスチレン換算分子量で求め、分子量分布(Mw/Mn)はこれらの値から算出した。GPCで用いた測定装置及び条件は次のとおりである。
[GPC測定の装置及び条件]
・装置:東ソー株式会社製GPC装置「HLC-8020」
・分離カラム:東ソー株式会社製「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」及び「G5000HXL」を直列に連結
・溶離剤:テトラヒドロフラン
・溶離剤流量:1.0mL/分
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
(2)各アクリル系ブロック共重合体における各重合体ブロックの構成割合
後述する製造例において得られたアクリル系ブロック共重合体における各重合体ブロックの含有量は、H-NMR測定によって求めた。H-NMR測定で用いた測定装置及び条件は次のとおりである。
H-NMR測定の装置及び条件]
・装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「JNM-ECX400」
・重溶媒:重水素化クロロホルム
H-NMRスペクトルにおいて、3.6ppm、3.7ppm付近のシグナルは、それぞれ、メタクリル酸メチル単位のエステル基(-O-C )、アクリル酸メチル単位のエステル基(-O-C )に帰属され、4.0ppm付近のシグナルは、アクリル酸n-ブチル単位のエステル基(-O-C -CH-CH-CH)又は(-O-C -CH(-C -CH)-CH-CH-CH-CH)に帰属され、これらの積分値の比から各単量体単位のモル比を求め、これを単量体単位の分子量をもとに質量比に換算することによって各重合体ブロックの含有量を求めた。
(3)耐皮脂性
得られた自己粘着性シートを、オレイン酸を浸した綿布にて表面を8回払い拭きし、室温で24時間放置後、80℃オーブンに1時間放置した後の外観変化を目視で確認し、下記の基準で評価した。
○:ほぼ外観変化なし
△:わずかに外観変化あり
×:外観変化あり
(4)自己粘着性
得られた自己粘着性シートをステンレス板及びガラス板に貼着したときの自己粘着性について、下記の基準で評価した。
◎:自己粘着性が良好
△:自己粘着性にやや劣る
▲:自己粘着性が強すぎる
×:自己粘着性に劣る
(5)展開性
本発明における「展開性」とは、塩化ビニル系樹脂組成物からなるロール状フィルムの巻きほぐしやすさを示す指標であり、下記の基準で評価した。
◎:巻きほぐすことができる(展開できる)
△:膠着感が強いが、巻きほぐすことができる
×:巻きほぐすことができない(展開できない)
(6)インクの裏移り性
印刷済みの自己粘着性シートを10枚重ね、24時間放置した後のインクの裏写りの有無を下記の基準で評価した。
◎:裏移りが全くない
△:裏移りがわずかに認められる
×:裏移りが認められる
(7)可塑剤移行性
得られた自己粘着性シートをきれいに磨いたステンレス板に貼着して室温(24℃)で1週間放置し、剥がした時の被貼着面(ステンレス板表面)を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:ステンレス表面への移行が全く無い
△:ステンレス表面がわずかに曇った
×:ステンレス表面が曇った
《製造例1》[アクリル系トリブロック共重合体(B-1)の製造]
(1)2Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温で撹拌しながら、トルエン938gと1,2-ジメトキシエタン20.2gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム20.8mmolを含有するトルエン溶液41.4gを加え、さらにsec-ブチルリチウム2.60mmolを含有するsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液1.53gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル21.8gを撹拌下室温で加えさらに60分間撹拌を続けた。反応液は当初、黄色に着色していたが、60分間撹拌後には無色となった。
(3)その後、重合液の内部温度を-30℃に冷却し、撹拌下アクリル酸メチルとアクリル酸n-ブチルの混合液(質量比50/50)246gを2時間かけて滴下し、滴下終了後-30℃でさらに5分間撹拌を続けた。
(4)その後、これにメタクリル酸メチル25.2gを加え、一晩室温にて撹拌した。
(5)メタノール12.2gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を撹拌下15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。得られた白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(B-1)280gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(B-1)の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を上述の方法でGPC測定により求め、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。また、上述したH-NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(B-1)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。アクリル系トリブロック共重合体(B-1)の性状を表1に示す。
≪製造例2~12≫
工程(1)におけるsec-ブチルリチウムの添加量、工程(2)及び(3)における単量体の添加量、工程(2)における単量体の種類及び添加量を表1に示す通りに変更した以外は、製造例1と同様に、アクリル系ブロック共重合体(B-1)~(B-6)、(B’-1)~(B’-6)をそれぞれ製造した。なお、表1中、MMAはメタクリル酸メチル、nBAはアクリル酸n-ブチル、2EHAはアクリル酸2-エチルヘキシル、MAはアクリル酸メチルを意味する。
Figure 0007160744000001
《製造例13》
得られたアクリル系トリブロック共重合体(B-1)とアクリル系トリブロック共重合体(B’-5)を質量比60/40の割合で事前にドライブレンドした後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製「JSW-JBaII」)にて溶融混練した後、アンダーウォーターカット方式によりペレット化した後、アエロジルR972をペレットに1000ppm打粉し、ペレット(D-1)を得た。
《製造例14》
得られたアクリル系トリブロック共重合体(B-1)とアクリル系トリブロック共重合体(B’-5)を質量比70/30の割合で事前にドライブレンドした後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製「JSW-JBaII」)にて溶融混練した後、アンダーウォーターカット方式によりペレット化した後、アエロジルR972をペレットに1000ppm打粉し、ペレット(D-2)を得た。
実施例及び比較例では、以下のものを使用した。
・塩化ビニル系樹脂(A):信越化学工業株式会社製「TK-800」(平均重合度800)
・可塑剤(C-1):新日本理化株式会社製「DOP」
・可塑剤(C-2):Eastman製「DOTP」
・加工助剤:三菱ケミカル株式会社製「メタブレンP-530A」
・安定剤:株式会社ADEKA製「アデカスタブ593」
[実施例1]
表2に示すように、塩化ビニル系樹脂100質量部に、表1に示したアクリル系ブロック共重合体(B-1)80質量部ならびに加工助剤3質量部、安定剤3質量部をヘンシェルミキサーで7分間撹拌混合し、引き続きバンバリーミキサーで4分間混練する。次に140℃~170℃に加熱された第1混練ロールで混練し、次いで90℃~160℃に加熱されたストレーナーを通してスクリーニングし、スクリーニングされた混練物は140℃~170℃に加熱された第2混練ロールで混練され、この混練物を160℃~190℃に加熱されたカレンダーに投入し圧延して厚み0.2mmの塩化ビニル系樹脂組成物からなる自己粘着性シートを作成した。得られたシートの耐皮脂性、自己粘着性、展開性、インクの裏移り性、及び可塑剤移行性を上述した方法により測定した。結果を表2に示す。
[実施例2~7]
アクリル系ブロック共重合体(B)の種類及び添加量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に塩化ビニル系樹脂組成物を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
[実施例8、9]
アクリル系ブロック共重合体(B-1)の代わりに、ペレット(D-1)、(D-2)を使用した以外は、実施例1と同様に塩化ビニル系樹脂組成物を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
[実施例10]
表2に示すように、塩化ビニル系樹脂100質量部に、アクリル系ブロック共重合体(B-1)60質量部ならびに可塑剤(C-1)20質量部、加工助剤3質量部、安定剤3質量部をヘンシェルミキサーで7分間撹拌混合し、引続きバンバリーミキサーで4分間混練する。次に140℃~170℃に加熱された第1混練ロールで混練し、次いで90℃~160℃に加熱されたストレーナーを通してスクリーニングし、スクリーニングされた混練物は140℃~170℃に加熱された第2混練ロールで混練され、この混練物を160℃~190℃に加熱されたカレンダーに投入し圧延して厚み0.2mmの塩化ビニル系樹脂組成物からなる自己粘着性シートを作成し、得られたシートの物性を測定した。結果を表2に示す。
[実施例11~17]
アクリル系ブロック共重合体(B)の種類及び添加量を表2に示す通りに変更し、可塑剤(C)の種類及び添加量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例10と同様に塩化ビニル系樹脂組成物を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
[比較例1]
アクリル系ブロック共重合体(B-1)の代わりに、アクリル系ブロック共重合体(B’-1)を使用した以外は、実施例1と同様に塩化ビニル系樹脂組成物を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
[比較例2~6]
アクリル系ブロック共重合体(B-1)の代わりに、アクリル系ブロック共重合体(B’-2)~(B’-6)を使用し、添加量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に塩化ビニル系樹脂組成物を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
[比較例7、8]
アクリル系ブロック共重合体(B-1)の代わりに、アクリル系ブロック共重合体(B’-2)を使用して添加量を表2に示す通りに変更し、可塑剤(C-1)の添加量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例9と同様に塩化ビニル系樹脂組成物を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
[比較例9、10]
アクリル系ブロック共重合体(B-1)の添加量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に塩化ビニル系樹脂組成物を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
[比較例11]
可塑剤(C-1)の添加量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例9と同様に塩化ビニル系樹脂組成物を作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0007160744000002
表2より、実施例1~17の本発明の塩化ビニル系樹脂組成物からなる自己粘着性シートは、耐皮脂性、自己粘着性、展開性等の特性に優れおり、且つインクの裏移りもなく、被着体への可塑剤の移行も少ない結果となっており、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物が、自己粘着性シート、フィルム及びテープに求められる物性のバランスに優れていることは明らかである。
比較例1では、アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック(b1)に含まれるアクリル酸エステル(b1-1)単位の割合が本発明の範囲よりも少ないため、耐皮脂性に劣り、アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック(b2)の含有量が25質量%超であるため、自己粘着性に劣るものとなった。
比較例2、3、6では、アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック(b1)にアクリル酸エステル(b1-1)単位を有さないため、耐皮脂性に劣り、且つ自己粘着性が強すぎるものとなり、展開性も悪く、インクの裏移りもしやすいものであった。
比較例4、5では、アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック(b1)にアクリル酸エステル(b1-1)単位を有さないため、耐皮脂性に劣り、アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック(b2)の含有量が25質量%超であるため、自己粘着性に劣るものとなった。
比較例7、8では、アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック(b1)にアクリル酸エステル(b1-1)単位を有さないため、耐皮脂性に劣り、且つ自己粘着性が強すぎるものとなり、展開性も悪く、インクの裏移りもしやすいものであった。また、被着体への可塑剤の移行も大きいものとなった。
比較例9では、本発明のアクリル系ブロック共重合体(B)の含有量が、20質量部未満であるため、自己粘着性にやや劣るものとなった。
比較例10では、本発明のアクリル系ブロック共重合体(B)の含有量が、150質量部超であるため、自己粘着性が強すぎるものとなり、展開性も悪く、インクの裏移りもしやすいものであった。
比較例11では、可塑剤(C)の含有量が、80質量部超であるため、自己粘着性が強すぎるものとなり、展開性も悪く、インクの裏移りもしやすいものであった。また、被着体への可塑剤の移行も大きいものとなった。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物及び該塩化ビニル系樹脂組成物からなる自己粘着性シート、フィルム及びテープは、印刷性に優れ、被着体への可塑剤の移行が少なく、ガラス板、金属板、光沢面を有するプラスチック板などの平滑な表面に対して良好な自己粘着性を有しているため、包装結束テープ、包帯や止血テープ、写真等の仮止め、冷暖房設備の配線結束用シート、配管保温材止め用シート、防食用シート等として有用である。

Claims (4)

  1. 塩化ビニル系樹脂(A)、
    アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(b1)とメタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(b2)とを有するアクリル系ブロック共重合体(B)、及び
    可塑剤(C)を含有する塩化ビニル系樹脂組成物であって、
    アクリル系ブロック共重合体(B)の重量平均分子量が100,000~250,000の範囲であり、
    前記重合体ブロック(b2)のアクリル系ブロック共重合体(B)中における含有量が10~25質量%の範囲であり、
    前記重合体ブロック(b1)に含まれるアクリル酸エステル単位が、一般式CH=CH-COOR(1)(式中、Rは炭素数1~3の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(b1-1)単位及び一般式CH=CH-COOR(2)(式中、Rは炭素数4~12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(b1-2)単位を含み、
    前記アクリル酸エステル(b1-1)単位及び前記アクリル酸エステル(b1-2)単位の質量比(b1-1)/(b1-2)が30/70~85/15であり、
    塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系ブロック共重合体(B)を20~150質量部、可塑剤(C)を0~80質量部含有する塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. アクリル系ブロック共重合体(B)が、重合体ブロック(b1)の両端に重合体ブロック(b2)が結合したトリブロック共重合体である請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. アクリル系ブロック共重合体(B)の分子量分布が1.0~1.4の範囲である請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物からなる自己粘着性シート、フィルム及びテープ。
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