JP2012207155A - アクリル系ジブロック共重合体ペレット及びそれを含有する粘着剤組成物 - Google Patents

アクリル系ジブロック共重合体ペレット及びそれを含有する粘着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】高温下での保持力を始めとする各種粘着特性に優れると共に、耐熱性及び耐候性が良好であり、ホットメルト塗工や溶融押出しにも優れる粘着剤として好適な高分子素材、これらの特長を具備した粘着剤、並びにこれらの特長を具備した粘着層を有する粘着テープ及び粘着型光学フィルムを提供する。
【解決手段】特定のアクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレット、かかるペレットを含む粘着剤組成物、並びにかかる粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着テープ及び粘着型光学フィルムを作製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定のアクリル系ジブロック共重合体からなるペレット、該ペレットを含有する粘着剤組成物、及び粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着製品に関する。
粘着剤は、粘着シート、粘着フィルム、粘着テープ等の基材の少なくとも一部の表面上に粘着層を有する粘着製品の製造などに使用される。この粘着層の形成方法としては、従来は、天然ゴム、合成ゴム等のベースポリマーを有機溶剤に溶解させて溶液型粘着剤を作製して基材に塗布し、有機溶剤を蒸発させる方法が多用されていた。近年になって、環境汚染の防止、安全性、省資源などの点から、溶液型粘着剤に代えて、溶融状態で基材に塗布して使用するホットメルト型粘着剤や水性エマルジョンの状態で基材に塗布して使用する水性エマルジョン型粘着剤が広く使用されるようになっている。
ホットメルト型粘着剤用のベースポリマーとしては、芳香族ビニル化合物重合体ブロック−共役ジエン重合体ブロック−芳香族ビニル化合物重合体ブロックよりなるスチレン系トリブロック共重合体が知られている(例えば、特許文献1参照)。このスチレン系トリブロック共重合体を用いて製造された粘着剤は、常温及び低温での粘着特性に優れ、加熱すると容易に流動して基材へ簡単に塗布できるなどの特長を有している。しかしながら、スチレン系トリブロック共重合体を用いた粘着剤は、共役ジエン重合体ブロックに由来する炭素−炭素二重結合や、芳香族ビニル化合物重合体ブロックに由来する芳香環を分子中に有しているために紫外線や熱によって劣化し易く、使用後に高温や紫外線照射に晒される用途には適しておらず、使用上の制約がある。
かかる課題に対し、アクリル系ブロック共重合体又はアクリル系ブロック共重合体組成物を粘着剤として用いることが提案されている。例えば、ガラス転移温度が30℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体ブロックの両端にガラス転移温度が110℃以上で且つシンジオタクチシチーが70%以上であるメタクリル酸アルキルエステル系重合体ブロックが結合したトリブロック共重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ジブロック共重合体を含有するブロック共重合体組成物及び該組成物からなる粘着剤が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、メタクリル酸アルキルエステル系重合体ブロックとアクリル酸アルキルエステル系重合体ブロックよりなる特定のジブロック共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系トリブロック共重合体を含有する粘着剤組成物が知られている(例えば、特許文献3参照)。さらに、重量平均分子量が12万以上、分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満である(メタ)アクリル酸エステル系トリブロック共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系ジブロック共重合体とを含有する粘着剤組成物が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特許文献2、3及び4に記載されている粘着剤及び粘着剤組成物は、高温下での保持力(例えば80℃でのクリープ試験)をはじめとする各種粘着特性、耐熱性、耐候性、耐ブリード性、ホットメルト性などにおいて従来の粘着剤や粘着剤組成物に比べて優れている。しかし、これら粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル系トリブロック共重合体を主体としてなり、柔軟性、タック、粘着性などを付与するために、さらに(メタ)アクリル酸エステル系ジブロック共重合体が配合されているが、このジブロック共重合体は液状で流動性を有している場合があるため、押出機などを用いて連続的に粘着剤組成物を製造する場合、原料の供給方法に課題があった。
米国特許第3,676,202号明細書 特開平11−323072号公報 特開2004−2736号公報 特開2005−307063号公報 特開平11−335432号公報 特公平7−25859号公報 特開平6−93060号公報
Macromol.Chem.Phys.,2000,201,p1108〜1114
本発明の目的は、高温下での保持力を始めとする各種粘着特性に優れると共に、耐熱性及び耐候性が良好であり、ホットメルト塗工や溶融押出しにも優れる粘着剤として好適な高分子素材、これら特長を具備した粘着剤組成物、及び、これら特長を具備した粘着層を有する粘着フィルム等の粘着製品を提供することである。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のアクリル系ジブロック共重合体はペレット化することが可能であり、かかるペレットと特定のアクリル系トリブロック共重合体とを含む混合物から得られる粘着剤組成物が上記特長を具備し、この粘着剤組成物より上記目的に適合した粘着製品が得られることを見いだして本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(1)
A−B (1)
(式(1)中、Aはガラス転移温度が25℃以上の反応性基を有さないメタクリル酸エステル重合体ブロックを示し、Bは反応性基を有さないアクリル酸エステル重合体ブロックを示す。)
で表され、重合体ブロックBの含有量が10〜75質量%であり、重量平均分子量(Mw)が10,000〜300,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5であるアクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレットである。
さらに、本発明は、
(2)(1)のアクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレットと、
下記式(2)
C1−D−C2 (2)
(式中、C1及びC2は、それぞれ独立して、メタクリル酸エステル重合体ブロックを示し、Dはアクリル酸エステル重合体ブロックを示す。)
で表され、重合体ブロックDの含有量が40〜90質量%であり、重量平均分子量(Mw)が50,000〜300,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5であるアクリル系トリブロック共重合体(b)を、質量比として、アクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレット/アクリル系トリブロック共重合体(b)=80/20〜5/95で混合し、溶融混練して得られる粘着剤組成物である。
そして、本発明は、
(3)アクリル系ジブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)が20,000〜200,000である上記(2)の粘着剤組成物;及び、
(4)アクリル系ジブロック共重合体(a)を構成する重合体ブロックBの含有量が、18〜49質量%である上記(2)又は(3)いずれかの粘着剤組成物である。
さらに、本発明は、
(5) アクリル系ジブロック共重合体(a)を構成する重合体ブロックAの重量平均分子量(Mw)が2,500〜150,000である(2)〜(4)のいずれか一つの粘着剤組成物。
また、本発明は、
(6)上記(2)〜(5)のいずれか1つの粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着テープ;及び、
(7)上記(2)〜(5)のいずれか1つの粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着型光学フィルム;
である。
本発明により得られる粘着剤組成物は、耐熱性、耐候性及び耐ブリード性が良好であり、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性に優れ、溶融時の粘度が比較的低いことから溶融塗工性に優れる。該粘着剤組成物を構成する成分の一つは、特定のアクリル系ジブロック共重合体からなるペレットであり、もう一つの成分であるアクリル系トリブロック共重合体とのドライブレンド、計量フィーダーでの自動計量が可能である。また、従来から使用されているホットメルト設備、あるいは共押出しの設備により、容易に粘着剤組成物を調製することができる。
本発明で得られる粘着剤組成物から、例えば、粘着シート、粘着フィルム、粘着テープ、マスキングテープ、電気絶縁用テープ、及び粘着型光学フィルムなどの各種粘着製品を、良好な溶融塗工性、優れた作業性で円滑に製造できる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書では、メタクリルとアクリルを総称して「(メタ)アクリル」と記載することがある。また、本明細書において「粘着剤」とは「感圧接着剤(pressure-sensitive adhesive)」を意味する。また、本発明で用いるアクリル系トリブロック共重合体、アクリル系ジブロック共重合体などの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分子量分布(Mw/Mn)は、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。
本発明のペレットは、特定のアクリル系ジブロック共重合体(a)からなる。
アクリル系ジブロック共重合体(a)は下記一般式(1)で表される。
A−B (1)
上記式(1)中、Aはガラス転移温度が25℃以上の反応性基を有さないメタクリル酸エステル重合体ブロック(重合体ブロックA)を示し、Bは反応性基を有さないアクリル酸エステル重合体ブロック(重合体ブロックB)を示す。
上記重合体ブロックAを構成するメタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル等のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メトキシエチル、及びメタクリル酸エトキシエチル等のメタクリル酸アルコキシアルキルエステルなどが挙げられる。上記メタクリル酸エステルの中でも、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、その中でもメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルが好ましい。経済的に入手容易な点、得られる重合体ブロックAが耐久性と耐候性に優れる点などから、上記メタクリル酸エステルの中でもメタクリル酸メチルが最も好ましい。
上記重合体ブロックAは、これらメタクリル酸エステル1種類のみから構成されてもよいし、又は2種類以上から構成されてもよい。
上記重合体ブロックAのガラス転移温度は25℃以上であるが、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。重合体ブロックAのガラス転移温度が上記範囲内であると、ペレットへの加工がしやすく、かつペレットとして保存する際、高温下(例えば50℃)での膠着性が低減する傾向にある。
上記重合体ブロックBを構成するアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メトキシエチル、及びアクリル酸エトキシエチル等のアクリル酸アルコキシアルキルエステルなどが挙げられる。
上記アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の主鎖炭素数が4以下の短鎖アルキル基である場合(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチルなど)には、上記アクリル系ジブロック共重合体の流動性、引張り強さが向上する傾向にある。上記アクリル酸アルキルエステルに含まれるアルキル基の主鎖炭素数が6以上の長鎖アルキル基である場合(例えば、アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、及びアクリル酸ステアリルなど)には、上記アクリル系ジブロック共重合体の低温特性及び粘着付与樹脂などとの相溶性が向上する傾向にある。
上記アクリル酸エステルがアクリル酸メトキシエチル、及びアクリル酸エトキシエチル等のアクリル酸アルコキシアルキルエステルである場合には、耐油性の向上、極性の粘着付与樹脂や可塑剤、希釈剤などと相溶性が向上する傾向にある。
これらアクリル酸エステルを共重合する場合は、所望の組み合わせで、2種以上組み合わせて用いてもよい。共重合する場合は、各アクリル酸エステルの特性を発現させるために、各成分5wt%以上ずつ含まれることが望ましい。
上記重合体ブロックBのガラス転移温度は−20℃以下が好ましく、−30℃以下がより好ましい。
重合体ブロックBのガラス転移温度が上記範囲内であると、粘着剤組成物の低温(例えば−10℃)での接着力とタックとが良好となり、しかも高速剥離時の接着力上昇及びジッピング現象を抑制できる。重合体ブロックBのガラス転移温度が上記好適範囲内となり、入手が容易である点からは、上記アクリル酸エステルの中でも、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチルが好ましい。
また、アクリル系ジブロック共重合体(a)中の重合体ブロックAと重合体ブロックBのガラス転移温度の差は、70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
アクリル系ジブロック共重合体(a)における重合体ブロックBの含有量は、10〜75質量%であるが、好ましくは15〜65質量%、より好ましくは18〜49質量%である。
アクリル系ジブロック共重合体(a)における重合体ブロックBの含有量が上記範囲内であると、例えば、二軸押出機にアンダーウォーターカッター又はセンターホットカッターなどを接続した装置によって、アクリル系ジブロック共重合(a)のペレットを容易に製造できる。また、後述するアクリル系トリブロック共重合体(b)との相容性が高くなり、得られる粘着剤組成物は透明性に優れる。さらに、粘着剤組成物の凝集力が高くなり、しかも溶融塗工性に優れる溶融粘度を有する。
重合体ブロックBの含有量が75質量%を超えると、アクリル系ジブロック共重合体(a)の流動性が高く液状であったり、アクリル系ジブロック共重合体(a)からペレットを製造する際、例えばアンダーウォーターカッターなどでカットしても膠着性の高いペレットしか得られなかったり、仮に膠着防止剤を用いてもペレット形状を維持することができない。また、後述するアクリル系トリブロック共重合体(b)との相容性が低くなり、粘着剤組成物を均一に混合できなくなったり、得られる粘着剤組成物が不透明であったり、粘着物性にムラが生じたりする場合がある。一方、重合体ブロックBの含有量が10質量%未満であると、粘着剤組成物にした際に所望のタックが得られなかったり、初期接着力が低すぎたりする傾向がある。
アクリル系ジブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの含有量は、90〜25質量%であり、好ましくは85〜35質量%、より好ましくは82〜51質量%である。
上記アクリル系ジブロック共重合体(a)における重量平均分子量(Mw)は10,000〜300,000であり、加工性、粘着性能、及びアクリル系トリブロック共重合体(b)との相溶性の観点からは、アクリル系ジブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20,000〜200,000、より好ましくは25,000〜170,000、さらに好ましくは30,000〜150,000である。アクリル系ジブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)が10,000未満であると、アクリル系ジブロック共重合体(a)を含む粘着剤組成物の凝集力が不十分となり、粘着剤組成物と被着体との貼着の際に、剥がれ易くなり、耐久性に劣ったり、所望のタックが得られなかったりする。また、表面にアクリル系ジブロック共重合体(a)がブリードするなど不具合が生じる。一方、アクリル系ジブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)が300,000を超えると、溶融粘度が高くなりすぎ生産性、加工性に劣る。また、後述するアクリル系トリブロック共重合体(b)との相容性が低くなり、得られる粘着剤組成物が不透明になったり、粘着物性にムラが生じたりする。
アクリル系ジブロック共重合体(a)における重合体ブロックBの含有量が上述した範囲内であり、かつ重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であることにより、アクリル系ジブロック共重合体(a)の溶融粘度が、後述するアクリル系トリブロック共重合体(b)の溶融粘度と近い値となり、溶融押出しが安定的にでき、一軸のミックススクリューを用いた場合であっても十分に混合でき、均一性に優れる粘着剤組成物が容易に得られる。また、アクリル系ジブロック共重合体(a)をアクリル系トリブロック共重合体(b)に対して多く配合したとしても、得られる粘着剤組成物の粘度が大きく低下しないため、粘着剤組成物の配合設計の自由度が増す。
アクリル系ジブロック共重合体(a)の分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜1.5であり、粘着剤組成物の凝集力を向上し、被着体汚染性(糊残り、低分子量成分の付着など)を低減する点からは、好ましくは1.0〜1.4、より好ましくは1.0〜1.3、さらに好ましくは1.0〜1.2である。アクリル系ジブロック共重合体(a)の分子量分布(Mw/Mn)が1.5を超えると、低分子量成分の影響が無視できなくなり、凝集力の低下やリワーク時の糊残りなどの不具合が生じ易くなる。
また、アクリル系ジブロック共重合体(a)の重合体ブロックAの重量平均分子量(Mw)は好ましくは2,500〜150,000、より好ましくは5,000〜120,000であり、さらに好ましくは、8,000〜100,000である。重合体ブロックAの重量平均分子量が上記範囲にあると、アクリル系ジブロック共重合体(a)を、ペレットとしやすく、得られたペレットが耐熱性及び粘着剤組成物としたときの粘着性能が優れる傾向にある。
アクリル系ジブロック共重合体(a)の重合体ブロックBの重量平均分子量(Mw)は好ましくは2,500〜150,000、より好ましくは5,000〜120,000である。
本発明のペレットは、上記アクリル系ジブロック共重合体(a)を、例えば溶融押出ししてストランドとし、アンダーウォーターカッター、センターホットカッター、ストランドカッターなどによりカットして、ペレットとすることにより製造できる。なお、上記ペレットは、他の粘着剤成分、例えば後述するアクリル系トリブロック共重合体(b)とドライブレンドできる形態である限り、その形態については特に制限はないが、通常、略円柱状又は略球状の形態を有し、通常1mm〜20mm程度の大きさを有する。
上記ペレット中に含まれるアクリル系ジブロック共重合体(a)の質量比は、ペレット中、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
さらに、上記ペレットを作製する際には、ペレットとしての特性が損なわれない範囲で、上記アクリル系ジブロック共重合体(a)に加えて粘着剤組成物に必要に応じて配合する添加剤、例えば後述する粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤なども配合し、これら混合物からペレットを作製してもよい。
本発明のアクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレットは、その他の成分と事前にドライブレンドにより混合物にしたり、ドライブレンドしたのちに溶融混練して再ペレット化したりして保存しておいてもよく、使用直前にその他の成分と混合して使用してもよい。
本発明のアクリル系ジブロック共重合体からなるペレットに膠着が見られる場合は、膠着性を緩和するために、一般的な膠着防止剤を必要に応じて少量添加してもよい。上記膠着防止剤としては、特に制限なく使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、シリカ、クレー、アルミナ、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、金属石鹸、アクリル系高分子微粒子、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。これら膠着防止剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。膠着防止剤の付着量は、アクリル系ジブロック共重合体からなるペレットに対して、0〜999ppmが好ましく、0〜99ppmがより好ましく、0〜9ppmがより好ましい。膠着防止剤の付着量がこの範囲であると、該ジブロック共重合体を粘着剤組成物として用いた粘着製品の透明性が優れる。
ホットメルト、溶融押出しなどに用いられるアクリル系ブロック共重合体を含む粘着剤組成物では、アクリル系トリブロック共重合体に加えて、柔軟化、タック、粘着性などを付与するためにアクリル系ジブロック共重合体が用いられることがある。しかし、アクリル系ジブロック共重合体は通常液状であり、押出機などを用いて連続的に粘着剤組成物を製造する場合、原料の供給方法に課題がある。一方、本発明で用いる上記アクリル系ジブロック共重合体(a)はペレット化が可能である。そして、該ペレットはアクリル系トリブロック共重合体のペレットとのドライブレンドが可能であり、また、計量フィーダーで自動計量も可能となるため、生産性が向上する。しかも上記アクリル系ジブロック共重合体(a)の溶融粘度は、後述するアクリル系トリブロック共重合体(b)の溶融粘度と近いため、押出しが安定的にでき、一軸のミックススクリューを用いた場合であっても、これら共重合体を十分に混合することが可能である。また、ホットメルト、共押出しなどの製造工程で通常使用される回転翼式高速ミキサー、スクリュー式ミキサー、加圧型高速ニーダー、ニーダーロール、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロ−ル、バンバリーミキサーなどの設備で、本発明のペレットは使用できる。
従来良く知られているスチレン系エラストマーを原料としたホットメルト粘着剤は、粘着性能を発揮させるためには、粘着付与樹脂や軟化剤が必須である。粘着付与樹脂や軟化剤を使用する場合、計量フィーダーによる自動計量は難しいため、スチレン系ジブロック共重合体をペレット化したとしても、計量フィーダーを使って粘着剤の作製はできない。
一方、アクリル系ブロック共重合体を用いた粘着剤の場合、粘着付与樹脂や軟化剤を含有しなくとも粘着性能を発揮することができ、従来ペレットとして用いることができなかった粘着剤用のアクリル系ジブロック共重合体をペレットとすることで、粘着剤配合の際、計量フィーダー等を用いて、自動計量することができるようになる。
本発明のアクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレットに、アクリル系トリブロック共重合体(b)を配合することにより、優れた特性の粘着剤組成物が得られる。アクリル系トリブロック共重合体(b)は下記の一般式(2)で表される。
C1−D−C2 (2)
上記式(2)中、C1及びC2は、それぞれ独立して、メタクリル酸エステル重合体ブロックを示し、Dは、アクリル酸エステル重合体ブロックを示す。アクリル系トリブロック共重合体(b)は上記アクリル系ジブロック共重合体(a)との溶融粘度が近いため、一軸のミックススクリューでも溶融混練が容易であり、これら混合物の溶融押出し安定性は高く、容易に粘着剤組成物を得られる。
重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2を構成するメタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニルなどのメタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチルなどのメタクリル酸アルコキシアルキルエステルなどが挙げられる。上記メタクリル酸エステルの中でも、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、その中でもメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルが好ましい。経済的に入手容易な点、得られる重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2が優れた耐久性と耐候性に優れることなどから、上記メタクリル酸エステルの中でも、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
上記重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2は、これらのメタクリル酸エステル1種類のみから構成されてもよいし、2種類以上から構成されてもよい。また、上記重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2の分子量、重合体ブロックを形成する単量体組成は同一でも異なってもよい。
上記重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2のガラス転移温度は50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2のガラス転移温度が上記範囲内であると、ペレットへの加工がしやすく、かつペレットとして保存する際、高温下(例えば50℃)での膠着性が低減する傾向にあり、また、得られる粘着剤組成物の耐熱性が優れる傾向にある。
上記重合体ブロックDを構成するアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メトキシエチル、及びアクリル酸エトキシエチル等のアクリル酸アルコキシアルキルエステルなどが挙げられる。
上記アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の主鎖炭素数が4以下の短鎖アルキル基である場合(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチルなど)には、上記アクリル系ジブロック共重合体の流動性、引張り強さが向上する傾向にある。上記アクリル酸アルキルエステルに含まれるアルキル基の主鎖炭素数が6以上の長鎖アルキル基である場合(例えば、アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、及びアクリル酸ステアリルなど)には、上記アクリル系ジブロック共重合体の低温特性及び粘着付与樹脂などとの相溶性が向上する傾向にある。
上記アクリル酸エステルがアクリル酸メトキシエチル、及びアクリル酸エトキシエチル等のアクリル酸アルコキシアルキルエステルである場合には、耐油性の向上、極性の粘着付与樹脂や可塑剤、希釈剤などと相溶性が向上する傾向にある。
これらアクリル酸エステルを共重合する場合は、所望の組み合わせで、2種以上組み合わせて用いてもよい。共重合する場合は、各アクリル酸エステルの特性を発現させるために、各成分5wt%以上ずつ含まれることが望ましい。
上記重合体ブロックDのガラス転移温度は−20℃以下であるのが好ましい。重合体ブロックDのガラス転移温度が−20℃以下であると、アクリル系ジブロック共重合体(a)及びアクリル系トリブロック共重合体(b)を含有する本発明の粘着剤組成物の通常の使用温度では、該粘着剤組成物中に重合体ブロックDを少なくとも一成分とするミクロ相分離構造が形成され、該粘着剤組成物に優れた柔軟性と濡れ性とが付与され、さらに、適度な接着力と良好なリワーク性が発現される。
低温(例えば−10℃)条件下での耐久性に優れる点などから、上記重合体ブロックDのガラス転移温度は、好ましくは−30℃以下、より好ましくは−40℃〜−80℃である。
重合体ブロックDのガラス転移温度が上記範囲で、得られる粘着剤組成物の低温での接着力とタックが良好となり、しかも高速剥離時の接着力上昇及びジッピング現象を抑制できる点から、上記重合体ブロックDを構成するアクリル酸エステルの中でも、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチルが好ましい。
重合体ブロックDは、これらアクリル酸エステル1種類のみから構成されてもよいし、2種類以上から構成されてもよい。
アクリル系トリブロック共重合体(b)における重合体ブロックDの含有量は40〜90質量%であり、好ましくは50〜85質量%であり、より好ましくは60〜80質量%である。重合体ブロックDの含有量が上記範囲にあると、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性に優れる粘着剤組成物を得ることができ、アクリル系ジブロック共重合体(a)との相容性にも優れる。重合体ブロックDの含有量が比較的多いアクリル系トリブロック共重合体(b)をアクリル系ジブロック共重合体(a)と併せて用いることで、接着力、凝集力、タックなどがより高性能で、特に加工性の優れた粘着剤組成物を得ることができる。
アクリル系トリブロック共重合体(b)における重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2の合計含有量は、10〜60質量%であり、15〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
アクリル系トリブロック共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)は50,000〜300,000であり、耐久性及びリワーク性を両立する観点から、アクリル系トリブロック共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは60,000〜250,000であり、より好ましくは70,000〜200,000である。アクリル系トリブロック共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)が50,000よりも小さいと、粘着剤組成物の凝集力が不十分となり、粘着剤組成物による被着体との貼着の際に、剥がれ易くなり、耐久性に劣る。一方、300,000よりも大きいと、溶融粘度が高くなって加工性に劣る。
上記アクリル系トリブロック共重合体(b)の分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜1.5であり、粘着剤組成物の高温での凝集力を向上し、耐久性により優れたものとする点から、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜1.4、より好ましくは1.0〜1.3、さらに好ましくは1.0〜1.2である。アクリル系トリブロック共重合体(b)の分子量分布(Mw/Mn)が1.5よりも大きいと、低分子量成分の影響が無視できなくなり、凝集力の低下やリワーク時の糊残りなどの不具合が生じ易くなる。
粘着剤組成物に含まれるアクリル系トリブロック共重合体(b)は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上の混合物で用いられてもよい。
アクリル系ジブロック共重合体(a)及びアクリル系トリブロック共重合体(b)の製造方法は特に制限されず、公知の方法に準じた製造方法により製造できる。一般に、分子量分布の狭いブロック共重合体を得る方法としては、構成単位であるモノマーをリビング重合する方法が採用される。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてリビング重合する方法(例えば、特許文献5を参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩などの鉱酸塩の存在下でリビングアニオン重合する方法(例えば、特許文献6参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし有機アルミニウム化合物の存在下でリビングアニオン重合する方法(例えば、特許文献7を参照)、原子移動ラジカル重合方法(ATRP)(例えば、非特許文献1参照)などが挙げられる。
上記製造方法のうち、有機アルミニウム化合物の存在下でリビングアニオン重合する方法は、重合途中の失活が少ないのでホモポリマーの混入が少なく、得られるブロック共重合体の透明性が高い。また、モノマーの重合転化率が高いので、ブロック共重合体中の残存モノマーが少なく、粘着剤組成物として用いる際、貼り合わせ後の気泡の発生を抑制できる。さらに、メタクリル酸アルキルエステル重合体ブロックの分子構造が高シンジオタクチックとなり、粘着剤組成物に用いた場合に耐久性を高める効果がある。そして、比較的温和な温度条件下でリビングアニオン重合が可能なことから、工業的に生産する場合に、環境負荷(主に重合温度を制御するための冷凍機にかかる電力)が少なくて済む利点がある。以上の点から、アクリル系ジブロック共重合体(a)及びアクリル系トリブロック共重合体(b)は、有機アルミニウム化合物の存在下で有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてリビングアニオン重合する方法によって好ましく製造される。
上記した有機アルミニウム化合物の存在下でのリビングアニオン重合方法としては、例えば、有機リチウム化合物、及び下記一般式(3)
AlR123 (3)
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基又はN,N−二置換アミノ基を表すか、或いはR1が上記したいずれかの基であり、R2及びR3が一緒になって置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を形成している。)
で表される有機アルミニウム化合物の存在下に、必要に応じて、反応系内に、ジメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、12−クラウン−4などのエーテル化合物;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ピリジン、2,2’−ジピリジルなどの含窒素化合物をさらに添加して、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合させる方法を採用することができる。
上記した有機リチウム化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、テトラメチレンジリチウムなどのアルキルリチウム又はアルキルジリチウム;フェニルリチウム、キシリルリチウムなどのアリールリチウム又はアリールジリチウム;ベンジルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウムなどのアラルキルリチウム又はアラルキルジリチウム;リチウムジイソプロピルアミドなどのリチウムアミド;メトキシリチウム、などのリチウムアルコキシドを挙げることができる。
また、上記の一般式(3)で表される有機アルミニウム化合物としては、重合のリビング性の高さや取扱いの容易さなどの点から、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウムなどが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレットと、他の重合体、例えば、上述のアクリル系トリブロック共重合体(b)とを溶融混練して作製することができる。
アクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレットとアクリル系トリブロック共重合体(b)混合比は、質量比としてアクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレット/アクリル系トリブロック共重合体(b)=80/20〜5/95、好ましくは70/30〜10/90、より好ましくは60/40〜10/90である。質量比が80/20を超えた場合には、得られる粘着剤組成物の凝集力が低下して、耐久性が低下する。一方、質量比が5/95未満の場合には、タックや濡れ性が低下する。
粘着剤組成物には、粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤、膠着防止剤、その他の添加剤などが含まれていてもよい。
例えば、粘着付与樹脂を本発明の粘着剤組成物に配合した場合には、タック、接着力、保持力などを向上させたり、これら粘着物性のバランスを調節したりできる。粘着付与樹脂としては、アクリル系ジブロック共重合体(a)及びアクリル系トリブロック共重合体(b)との相容性が高く、安定した接着力を発現する点で、水素添加テルペン樹脂、テルペンフェノールなどのテルペン系樹脂;水添ロジンエステル、不均化ロジンエステル、重合ロジンなどのロジン系樹脂;C5/C9系石油樹脂、芳香族系石油樹脂などの石油樹脂;αメチルスチレン重合体、スチレン/αメチルスチレン共重合体などのスチレン系樹脂などの粘着付与樹脂が挙げられる。
高い接着力を発現する点からは、上記粘着付与樹脂の軟化点は50℃〜150℃であることが好ましい。
粘着付与樹脂を配合する場合、その量は、粘着剤組成物の用途、被着体の種類などに応じて適宜設定できるが、粘着剤組成物の固形分の質量に基づいて、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは1〜15質量%の割合である。配合量が上記範囲を超えると凝集力が低下し、剥離時あるいはリワーク時に糊残りが起こるなどの不都合を生じやすくなる。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレ−ト、ジn−オクチルフタレ−ト、ビス2−エチルヘキシルフタレ−ト、ジn−デシルフタレ−ト、ジイソデシルフタレ−トなどのフタル酸エステル類、ビス2−エチルヘキシルアジペ−ト、ジn−オクチルアジペ−トなどのアジピン酸エステル類などの脂肪酸エステル類;塩素化パラフィンなどのパラフィン類;ポリプロピレングリコ−ルなどのグリコ−ル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ系高分子可塑剤;トリオクチルホスフェ−ト、トリフェニルホスフェ−トなどのリン酸エステル類;ビス2−エチルヘキシルセバケ−ト、ジn−ブチルセバケ−トなどのセバシン酸エステル類、ビス2−エチルヘキシルアゼレ−トなどのアゼライン酸エステル類などの脂肪酸エステル類;トトリフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;ポリ(メタ)アクリル酸n−ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル系オリゴマー;ポリブテン;ポリイソブチレン;ポリイソプレン;プロセスオイル;ナフテン系オイルなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、または2種以上を併用してもよい。
可塑剤を配合する場合、その量は、粘着剤組成物の固形分の合計質量に基づいて、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは1〜10質量%である。可塑剤の配合量が上記範囲を超えると凝集力が低下し、剥離時やリワーク時に糊残りが起こるなどの不都合を生じ易くなる。
本発明の粘着剤組成物では、粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤を多く配合すると、凝集力、耐候性、耐熱安定性、基材汚染性などが劣る傾向にある。かかる観点からは、粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤の配合量はできるだけ少ないのが好ましく、これらを配合しないことがより好ましい。
本発明のアクリル系ジブロック共重合体(a)とアクリル系トリブロック共重合体(b)とを含む粘着剤組成物は、例えば、アクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレット、アクリル系トリブロック共重合体(b)からなるペレット、及びその他成分とを混合した後、押出機中で溶融混練することにより調製できる。
本発明の粘着剤組成物は、かかる硬質相において物理的架橋が形成されるため、凝集力が発現されて、優れた粘着特性及び耐久性が発揮される。アクリル系ジブロック共重合体(a)及びアクリル系トリブロック共重合体(b)、具体的にはアクリル系ジブロック共重合体(a)の重合体ブロックA、及びアクリル系トリブロック共重合体(b)の重合体ブロックC1とC2により形成される硬質相及びアクリル系ジブロック共重合体(a)の重合体ブロックB及びアクリル系トリブロック共重合体(b)の重合体ブロックDにより形成される軟質相によってミクロ相分離構造が形成される。
また、軟質相の存在により、粘着剤組成物は、優れた柔軟性と濡れ性とを有する。
本発明の粘着剤組成物は、例えばシート状、フィルム状、テープ状など種々の形状を有する粘着製品、例えば粘着テープ、粘着フィルムなどの製造に用いることができる。また、本発明の粘着剤組成物は、以下詳述のとおり、加熱溶融して使用可能であり、あるいはトルエンなどの溶剤に溶解させて溶液型粘着剤として使用してもよい。
粘着製品の製造方法は特に制限されず、例えば、本発明の粘着剤組成物を加熱溶融して、共押出Tダイ法、インフレーション法、ラミネーション法などにより、粘着剤組成物からなる粘着層を、紙、セロハン、プラスチック材料、布、木材、及び金属などの基材に積層して一体化することで製造できる。
上記共押出Tダイ法又はラミネート法によって、Tダイより加熱溶融した粘着剤組成物又は基材を押出する方法としては、フィードブロック法(シングルマニホールド法)と、マルチマニホールド法などが挙げられる。
本発明の粘着製品においては、基材と本発明の粘着剤組成物を用いた粘着層との密着力を高めるために、基材層の表面にコロナ放電処理やプラズマ放電処理などの表面処理を施してもよい。また、上記粘着層及び上記基材層の少なくとも一方の表面に、接着性を有する樹脂などを用いてアンカー層を形成してもよい。
かかるアンカー層に用いる樹脂としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ブロック共重合体(例えば、SIS、SBSなどスチレン系トリブロック共重合体及びジブロック共重合体など)、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。上記アンカー層は一層であってもよく、二層以上であってもよい。
アンカー層を形成させる場合、その方法は特に制限されず、例えば、基材に上記樹脂を含む溶液を塗工してアンカー層を形成させる方法、アンカー層となる上記樹脂などを含む組成物を加熱溶融してTダイなどにより基材表面にアンカー層を形成させる方法などが挙げられる。
また、アンカー層を形成させる場合、アンカー層となる上記樹脂と本発明の粘着剤組成物とを共押出しして基材表面にアンカー層と粘着層とを一体積層してもよく、基材表面にアンカー層となる樹脂と粘着剤組成物とを順次積層してもよく、さらに、基材がプラスチック材料である場合には、基材となるプラスチック材料、アンカー層となる樹脂、及び粘着剤組成物を同時に共押出ししてもよい。
上記粘着製品の好適な用途として、上記基材と本発明の粘着剤組成物からなる粘着層とを含む粘着型光学フィルムが挙げられる。
本発明の粘着型光学フィルムとは、光学用途で用いられる、例えば偏光フィルム、偏光板、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、反射防止フィルム、アンチグレアフィルム、カラーフィルター、導光板、拡散フィルム、プリズムシート、電磁波シールドフィルム、近赤外線吸収フィルム、複数の光学機能を複合させた機能性複合光学フィルムなど各種フィルムの片面若しくは両面の少なくとも一部又は全部に粘着層を形成した光学フィルムである。かかる粘着型光学フィルムは、上記光学フィルムの表面保護のために用いられる保護フィルムに本発明の粘着剤組成物からなる粘着層が形成されたフィルムを含む。
上記粘着型光学フィルム用途の基材は、透明性などに優れることからプラスチック材料が好ましい。
粘着型光学フィルム用途の基材に用いるプラスチック材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)、シクロオレフィン系樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂(MS樹脂)、などが挙げられる。光学フィルム用保護フィルム基材に用いられるプラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニアポリエチレン(L―LDPE)などのポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの重合体と種々のモノマーとの共重合体、及びこれら重合体の2種以上の混合物などが挙げられる。
上記基材は、粘着型光学フィルムの機能に応じて使い分けされる。例えば、偏光板として用いる場合には、PVAに二色性色素(主にヨウ素)を吸着配向させたフィルムの両側に、フィルム強度を向上し、湿熱・熱環境下での伸縮を抑制することなどを目的に、保護フィルムの役割を有するTACフィルムを貼り合わせた複層フィルムなどが一般的に使用される。
位相差機能を付与した偏光板として用いる場合には、TAC上にディスコティック液晶をコーティングした複層フィルムを保護フィルムとしてPVAフィルムに張り合わせた積層フィルムなどが使用される。
プリズムシートとして用いる場合には、例えば、PETフィルム上に光硬化性アクリル樹脂などでプリズムを形成させたフィルムなどが使用され、拡散板として用いる場合には、MS樹脂などから製造されたフィルムが使用される。
拡散フィルムとして用いる場合には、例えばPETフィルムの上に表面加工を施したフィルム、又はフィルム中に内部拡散剤を含むフィルムなどが使用される。
導光板として用いる場合には、例えば、アクリル樹脂から製造された板(フィルム)の表面に特殊な加工を行い、さらに場合によってはその板の下側にPETフィルムから作製された反射シートが積層されているフィルムが用いられている。
これらプラスチック材料からなる基材層は、単層でもよく、複層でもよい。
上記粘着型光学フィルムは、液晶表示装置、PDP、有機EL表示装置、電子ペーパーなどの各種画像表示装置に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例、比較例などにより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されない。
まず、下記の実施例及び比較例で用いたアクリル系ジブロック共重合体(a)[アクリル系ジブロック共重合体(a−1)〜(a−19)]及びアクリル系トリブロック共重合体(b)[アクリル系トリブロック共重合体(b−1)〜(b−5)]の合成例を記載する。
各合成例で得たブロック共重合体の分子量、分子量分布、組成、各重合体ブロックのガラス転移温度、重合転化率の測定は、以下の方法によって行った。
(1)ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)の測定:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によった。
・装置:東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフ(HLC−8020)
・カラム:東ソー社製「TSKgel GMHXL、G4000HXL」及び「G5000HXL」を直列に連結
・溶離液:テトラヒドロフラン
・溶離液流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
・検量線:標準ポリスチレンを用いて作成
(2)ブロック共重合体における各共重合成分の含有量の測定:プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)分光法によった。
・装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置(JNM−LA400)
・溶媒:重クロロホルム
1H−NMRスペクトルにおいて、3.6ppm及び4.0ppm付近のシグナルは、それぞれ、メタクリル酸メチル単位のエステル基(−O−C 3 )及びアクリル酸n−ブチル単位のエステル基(−O−C 2−CH2−CH2−CH3)に帰属され、その積分値の比によって共重合成分の含有量を求めた。
(4)ブロック共重合体の各ブロックのガラス転移温度(Tg)の測定:
示差走査熱量計(DSC)測定で得られた曲線において、外挿開始温度(Tgi)をガラス転移温度(Tg)とした。
・装置:メトラー社製DSC−822
・条件:昇温速度10℃/分
(5)仕込みモノマーの転化率(重合転化率)の測定:ガスクロマトグラフィー(GC)によった。
・機器:島津製作所製ガスクロマトグラフ GC−14A
・カラム:GL Sciences Inc.製「INERT CAP 1」(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)
・分析条件:injection300℃、detecter300℃、60℃(0分保持)→5℃/分で昇温→100℃(0分保持)→15℃/分で昇温→300℃(2分保持)
以下の合成例においては、常法により乾燥精製した薬品を、窒素にて脱気して使用して各ブロック共重合体を製造した。また、モノマーや他の化合物の反応系への移送及び供給は窒素雰囲気下で行った。
《合成例a−5》[アクリル系ジブロック共重合体(a−5)の合成]
(1) 2Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温(25℃)にてトルエン950g及び1,2−ジメトキシエタン47.5gを入れ、次いで、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム16.0mmolを含有するトルエン溶液23.8gを加え、さらにsec−ブチルリチウム7.99mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液4.69gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル275.4gを加えた。反応混合液は当初、黄色に呈色していたが、30℃で30分間攪拌後には無色となった。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応混合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル269.8gを1時間かけて滴下し、滴下終了後、−30℃にて5分間攪拌した後、メタノ−ル15.0gを添加して重合反応を停止した。このときのアクリル酸n−ブチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応混合液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。その後、濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、「アクリル系ジブロック共重合体(a−5)」と称する。]330gを得た。
(2) 上記(1)で得られたアクリル系ジブロック共重合体(a−5)について、1H−NMR測定とGPC測定を行った結果、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチルからなるアクリル系ジブロック共重合体であり、重量平均分子量(Mw)は53,000、数平均分子量(Mn)は49,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。また、アクリル系ジブロック共重合体(a−5)における各重合体ブロックの含有量は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(重合体ブロックA)が80.5質量%で、アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(重合体ブロックB)が19.5質量%であった。また、上記で得られたアクリル系ジブロック共重合体(a−5)の各重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)は、重合体ブロックA109℃、重合体ブロックB−45℃であった。
《合成例(a−1)〜(a−4)、(a−6)〜(a−19)》
合成例a−5と同様にして、表1に示すジブロック共重合体(a−1)〜(a−4)、(a−6)〜(a−19)を得た。なお、合成例(a−12)、(a−13)及び(a−19)で使用したn−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの混合物の質量比は、(n−ブチルアクリレート)/(2−エチルヘキシルアクリレート)=80/20である。
得られた上記の各ジブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、ジブロック共重合体中の重合体ブロックAの含有量及びジブロック共重合体中の重合体ブロックBの含有量を表1に示す。また、(a−1)〜(a−4)、(a−6)〜(a−19)の重合体ブロックAのTgは90℃以上、重合体ブロックBのTgは−40℃以下である。(a−14)、(a−17)、(a−18)、および(a−19)の重合体ブロックAのTgは含有量が少ないため、DSC測定で確認することはできなかった。
《合成例b−1》[アクリル系トリブロック共重合体(b−1)の合成]
(1) 2Lの三口フラスコ内部を窒素で置換した後、室温(25℃)にてトルエン868g及び1,2−ジメトキシエタン43.4gを入れ、次いで、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0gを加え、さらにsec−ブチルリチウム3.54mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.07gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル36.6gを加えた。反応混合液は当初、黄色に呈色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。引き続き、反応混合液を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル251.9gを2時間かけて滴下し、滴下終了後、−30℃にて5分間攪拌した。このときのアクリル酸n−ブチルの重合転化率は99.9%以上であった。さらに、これにメタクリル酸メチル36.6gを加え、8時間25℃にて攪拌した後、メタノ−ル3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応混合液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。その後、濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、アクリル系トリブロック共重合体(b−1)と称する]320gを得た。
(2) 上記(1)で得られたアクリル系トリブロック共重合体(b−1)について、1H−NMR測定とGPC測定を行った結果、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチル−ポリメタクリル酸メチルからなるアクリル系トリブロック共重合体であり、重量平均分子量(Mw)は115,000、数平均分子量(Mn)は105,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。また、アクリル系トリブロック共重合体(b−1)における各重合体ブロックの含有量は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2の合計)が22.5質量%で、アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(重合体ブロックD)が77.5質量%であった。また、上記で得られたアクリル系トリブロック共重合体(b−1)の各重合体ブロックのガラス転移温度は、重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2はいずれも104℃、重合体ブロックDは−46℃であった。
《合成例(b−2)〜(b−5)》
合成例(b−1)と同様にして、表2に示すトリブロック共重合体(b−2)〜(b−5)を得た。なお、合成例(b−5)で使用したn−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの混合物の質量比は、(n−ブチルアクリレート)/(2−エチルヘキシルアクリレート)=80/20である。得られた前記各トリブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、トリブロック共重合体中の重合体ブロックC1とC2の合計の含有量及びトリブロック共重合体中の重合体ブロックDの含有量を表2に示す。また、トリブロック共重合体(b−2)〜(b−5)の各重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2のTgは、90℃以上、重合体ブロックDのTgは、−40℃以下である。
以下の実施例及び比較例において、得られた粘着剤組成物の溶融粘度、該粘着剤組成物から作製した粘着フィルムの接着耐久性及びタック(ボールタック)は以下のようにして測定した。
[クリープ試験(保持力試験)]
以下の実施例及び比較例で作製した粘着フィルムを、25mm(横方向:荷重の向きに対して垂直方向)×10mm(縦方向:荷重の向きと同方向)のサイズにカットして試験片を作製し、この試験片を被着体であるガラス板に貼り付けた。この試験片に1kgの重りを取り付けて、温度90℃の条件下にて、JIS Z0237に準拠してクリープ試験を行った。
試験結果は、落下時間が1000分未満である場合及び落下はしないが1000分以上で貼り付け位置にずれがある場合を×、また、1000分以上で落下せず、且つずれがない場合を○とした。
[タック試験(初期接着力試験、実施例14〜31)]
下記実施例及び比較例で作製した粘着フィルムを200mm×200mmのサイズにカットして、試験片を作製した。
温度23℃の条件下にて、JIS Z0237ボールタック法に準拠したボール(No.3〜No.10)を使用し、傾斜角5°の斜面を7.5cm通過させた後、水平の粘着面を通過する距離を測定した。この試験は、粘着剤としての初期接着力を調べるための試験であり、通過距離が短いほど、初期接着力が高いことを示す。
《実施例1〜13、比較例1−6》
上記の合成例a−1〜a−19で製造したアクリル系ジブロック共重合体を一軸押出機で溶融押出ししてストランドを作製し、アンダーウォーターカッターを用いて、ペレットに加工した。ペレット化可否を以下の基準で判定した。結果を表1に示す。
○:ペレット化が可能であり、一部膠着した場合でも容易に剥離できる
△:ペレット化が可能であるが、室温(25℃)で1週間放置すると膠着が起こり、膠着部が合一して剥離できなかったり、剥離するときにペレットがちぎれたり、ペレットに痕跡が残る
×:室温(25℃)で液状・餅状でありペレット化が不可能
なお、合成例b−1〜b−5で得られたトリブロック共重合体も同様に溶融押出ししてストランドを作製し、アンダーウォーターカッターを用いてペレットに加工した。
表1に示すように、実施例1〜13ではペレットが得られた。得られたペレットは、いずれも略楕円状の形状であり、長軸にあたる部分が1mm〜20mmの範囲内となる大きさであった。一方、比較例のジブロック共重合体は、ペレットとすることができた場合でも、室温(25℃)で1週間放置すると膠着が起こり、膠着部が合一して剥離できなかったり、剥離するときにペレットが千切れたり、ペレットに痕跡が残るものや、室温(25℃)で液状・餅状でありペレット化が不可能なものであった。
実施例1〜13で得られたペレットは、粘着剤組成物の製造時に自動計量が可能であり、種々のペレットとドライブレンドが可能である。
Figure 2012207155
Figure 2012207155
《実施例14〜30、比較例7〜12》
(1) 上記実施例1〜13で製造した、アクリル系ジブロック共重合体からなるペレット及びアクリル系トリブロック共重合体のペレットを、以下の表3に示す質量比でドライブレンドした後、溶融混練し、粘着剤組成物を得た。
比較例7〜12では、ジブロック共重合体が液状であったり、膠着性が強かったりして、取扱い性が悪く、アクリル系トリブロック共重合体のペレットとドライブレンドすることができなかった。また、溶融押出し機にフィーダーを用いて自動計量で供給することもできないため、上記と同様の方法では、粘着剤組成物は得ることができず、工業的に不向きである。
比較例12については、別途、表3に示す質量比で各成分を電子天秤を用いて計量した後、トルエンを用いて溶液にして混合後、トルエンを蒸発させて、粘着剤組成物を作製した。比較例12においては、ドライブレンドで混合したり、フィーダーを用いた自動計量したりすることができないため、実施例に比べ、混合のために多くの工程が必要であり、粘着剤組成物の作製に多くの時間がかかる。また、溶媒(トルエン)を使用して粘着剤組成物を作製する場合、より多くのエネルギー、コストがかかり、環境負荷も高い。
(2) 上記(1)で得られた実施例14〜30、及び比較例12の粘着剤組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)上に220℃の条件で、ホットメルトコーターを使用して25μmの厚さにホットメルト塗工し、粘着剤組成物層/ポリエチレンテレフタレートフィルムよりなる粘着フィルムを製造した。また、得られた粘着フィルムの粘着剤組成物層は透明だった。
(3) 上記(2)で得られた粘着フィルムについて、クリープ試験及びタック試験を行った。結果を表3に示す。なお、表中のハンドリング性は、フィーダーを用いて本発明のアクリル系ジブロック共重合体を自動計量で溶融押出し機やホットメルトアプリケーターに供給することが可能である場合、あるいは、アクリル系トリブロック共重合体のペレットとドライブレンドが容易に可能である場合を○、そのいずれもが不可能である場合を×とした。
なお、本実施例では、粘着剤組成物中のアクリル系ジブロック共重合体とアクリル系トリブロック共重合体の合計質量中に占める重合体ブロックA、重合体ブロックC1及び重合体ブロックC2(以下、これらをハードブロックと総称する)の合計質量の割合(ハード含有量、質量%)を統一して試験を行った。合計したハード含有量の多寡は、粘着剤組成物のモルフォロジーに直接的に影響を与える。例えば、10%であれば、ハードブロックは球状のモルフォロジーをとり、タック性は優れるが、耐久性に劣る結果となる。逆に70%であれば、ハードブロックが連続相(海相)となり、ほとんどタック性を示さなくなる。かかる理由から、条件を揃えるために粘着剤組成物の合計したハード含有量を揃えて試験した。
Figure 2012207155
実施例14〜30で得られた粘着剤組成物では、クリープ試験の結果が良好であり、タック性及び相溶性も良好であった。また、実施例14〜26では、実施例27〜30に比較して、よりタック性に優れる。比較例12で得られた粘着剤組成物は、タック性は良好だが、クリープ試験結果が劣る。
アクリル系ジブロック共重合体(a)において、重合体ブロックAの含有量を増加すると、ペレット化しやすい傾向にあった。通常は、重合体ブロックAの含有量が増加すると、ジブロック共重合体が硬くなり、タックが減少する傾向にある。しかし、重合体ブロックAの含有量を増加しても、本発明の重量平均分子量の規定を満たすアクリル系ジブロック共重合体は、良好なタック性を維持していた。理由は必ずしも明らかではないが、アクリル系ジブロック共重合体の重量平均分子量が本発明の規定をみたすことで、重合体ブロックA、重合体ブロックC1などのハードブロックと、重合体ブロックB、重合体ブロックDなどのソフトブロックのミクロ相分離がより明瞭になり、ソフトブロックの機能が発現しやすくなるためだと推定される。
《比較例13》
また、合成例a−5と同様にして、重量平均分子量(Mw)が380,000、重合体ブロックBの含有量が55質量%であるポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチルからなるアクリル系ジブロック共重合体(a−20)を製造した。このアクリル系ジブロック共重合体(a−20)は、溶融時の流動性が極めて低く、溶融成形できず、ホットメルト塗工ができなかった。
《実施例31》
合成例a−5と同様にして、重量平均分子量(Mw)が250,000、重合体ブロックBの含有量が55質量%であるポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチルからなるアクリル系ジブロック共重合体(a−21)を作製した。このアクリル系ジブロック共重合体(a−21)を実施例12と同様の操作でペレット化し、このペレットと上記アクリル系トリブロック共重合体(b−2)のペレットをドライブレンドした後溶融混練して粘着剤組成物を作製し、この粘着剤組成物をポリエチレンテレフタレートフィルムにホットメルト塗工したところ、耐久性、タックに優れる粘着フィルムが得られた。しかし、粘着剤組成物の流動性が低いため粘着フィルムの表面平滑性が若干劣っていた。
《実施例32〜35》
実施例14〜30と同様にして、表4に記載の配合に従い粘着剤組成物を作製した。いずれの配合においても、実施例14〜30と同様、ドライブレンドでき、粘着剤として使用できることを確認した。
Figure 2012207155
本発明のペレットを構成するアクリル系ジブロック共重合体(a)は、重量平均分子量及び重合体ブロックBの含有量が所定範囲にあるため、容易にペレット化が可能であり、粘着剤組成物のタックを向上することが可能となる。また上記アクリル系ジブロック共重合体はペレットとなるため、粘着剤組成物を作製する際にドライブレンドが可能であり、計量フィーダーでの自動計量が可能である。また、アクリル系トリブロック共重合体と混合して粘着剤組成物を作製する際には、従来から使用されているホットメルト設備、あるいは共押出しの設備を用いて、溶融混練のみにより、粘着剤組成物を容易に作製できる。しかも得られた粘着剤組成物からは、ホットメルト塗工により粘着フィルム等の粘着材を種々作製することができる。

Claims (7)

  1. 一般式(1)
    A−B (1)
    (式(1)中、Aはガラス転移温度が25℃以上の反応性基を有さないメタクリル酸エステル重合体ブロックを示し、Bは反応性基を有さないアクリル酸エステル重合体ブロックを示す。)
    で表され、重合体ブロックBの含有量が10〜75質量%であり、重量平均分子量(Mw)が10,000〜300,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5であるアクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレット。
  2. 請求項1記載のアクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレットと、
    下記式(2)
    C1−D−C2 (2)
    (式中、C1及びC2は、それぞれ独立して、メタクリル酸エステル重合体ブロックを示し、Dはアクリル酸エステル重合体ブロックを示す。)
    で表され、重合体ブロックDの含有量が40〜90質量%であり、重量平均分子量(Mw)が50,000〜300,000であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5であるアクリル系トリブロック共重合体(b)を、質量比として、アクリル系ジブロック共重合体(a)からなるペレット/アクリル系トリブロック共重合体(b)=80/20〜5/95で混合し、溶融混練して得られる粘着剤組成物。
  3. アクリル系ジブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)が20,000〜200,000である請求項2に記載の粘着剤組成物。
  4. アクリル系ジブロック共重合体(a)を構成する重合体ブロックBの含有量が、18〜49質量%である請求項2又は請求項3に記載の粘着剤組成物。
  5. アクリル系ジブロック共重合体(a)を構成する重合体ブロックAの重量平均分子量(Mw)が2,500〜150,000である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着製品。
  7. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着型光学フィルム。
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