JP2019048972A - 粘着剤及び粘着テープ - Google Patents
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Abstract
Description
一方、携帯型の電子機器には落下等の衝撃が加わることが想定されるため、粘着テープの性能としては、衝撃が加わった場合であっても剥がれることがなく、かつ、他の部品に強い衝撃が加わらない耐衝撃性も重要である。また、粘着テープは、例えば額縁状等の形状で表示画面の周辺に配置されるようにして用いられることがあり、特に近年では狭幅化が進んでいる。このため、粘着テープには小さい面積でも剥がれないことが望まれるなど、要求される性能の水準が高くなってきている。
しかしながら、従来の粘着剤を用いた粘着テープにおいては、皮脂への耐性に着目しつつ、かつ、耐衝撃性と両立させることについては考慮されていなかった。
また、本発明は、アクリル共重合体を含有する粘着剤であって、前記アクリル共重合体は、炭素数が5以上、フッ素数が3以上のフッ素含有基をエステル末端に有するフッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を30〜80重量%含有し、前記粘着剤からなる粘着剤層のゲル分率が40重量%以下である粘着剤(「第2の本発明の粘着剤」ともいう)である。
以下、本発明を詳述する。
これに対して、本発明者は、アクリル共重合体を含有する粘着剤において、アクリル共重合体にフッ素含有(メタ)アクリレートを用いることを検討した。その結果本発明者らは、種々のフッ素含有(メタ)アクリレートのなかでも特に、炭素数が5以上、フッ素数が3以上のフッ素含有基をエステル末端に有するフッ素含有(メタ)アクリレートを用いたうえで、更に特定のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を用いることにより、皮脂への耐性と耐衝撃性との両方を向上できることを見出した。また、本発明者らは、上記炭素数が5以上、フッ素数が3以上のフッ素含有基をエステル末端に有するフッ素含有(メタ)アクリレートを用いたうえで、粘着剤からなる粘着剤層のゲル分率を特定範囲に調整することによっても、皮脂への耐性と耐衝撃性との両方を向上できることを見出した。これにより、本発明を完成させるに至った。
上記アクリル共重合体が上記フッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、フッ素自身の高い撥水撥油性と、フッ素原子の密なパッキングとにより、上記アクリル共重合体の分子鎖内へのオレイン酸(皮脂の主成分)の浸入が抑えられる。また、上記アクリル共重合体が上記フッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、粘着剤の凝集力が高くなる。これらの結果、粘着剤の皮脂への耐性が向上する。
また、上記アクリル共重合体が上記フッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、フッ素含有基の炭素数が5未満である場合と比べて、粘着剤の耐衝撃性が向上する。この理由としては、フッ素含有基の炭素数が5以上であれば、フッ素含有基の炭素鎖が長くなり、上記アクリル共重合体の分子鎖間の自由空間が大きくなることから、粘着剤に衝撃が加わった場合にも衝撃を緩和しやすいためと推測できる。
上記フッ素含有基の炭素数は5以上であればよいが、6以上が好ましく、8以上がより好ましい。
上記アクリル共重合体が、上記炭素数が8以上のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、上記アクリル共重合体の分子鎖間の自由空間が更に大きくなり、粘着剤の耐衝撃性が向上する。
上記アクリル共重合体が上記炭素数が2以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、粘着剤の極性、被着体に対する密着性及び凝集力がより高くなり、皮脂への耐性がより向上する。
上記アクリル共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有することにより、架橋剤を併用したときに上記アクリル共重合体の鎖間が架橋される。その際、架橋度を調整することにより、粘着剤からなる粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
上記水酸基を有するモノマーとして、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。上記カルボキシル基を有するモノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。上記グリシジル基を有するモノマーとして、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。上記アミド基を有するモノマーとして、例えば、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。上記ニトリル基を有するモノマーとして、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。これらの架橋性官能基を有するモノマーは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記アクリル共重合体の重量平均分子量の上限は特に限定されないが、好ましい上限は200万、より好ましい上限は120万である。
なお、重量平均分子量は、重合条件(例えば、重合開始剤の種類又は量、重合温度、モノマー濃度等)によって調整できる。
上記有機過酸化物として、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記アクリル共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有する場合、上記架橋剤によって上記アクリル共重合体の鎖間に架橋構造を構築することができる。その際、架橋度を調整することにより、粘着剤からなる粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
第1の本発明の粘着剤において、上記架橋剤の含有量は特に限定されないが、上記アクリル共重合体100重量部に対する好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部であり、より好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記シランカップリング剤を含有することにより、粘着剤の被着体に対する密着性が向上するため、皮脂への耐性がより向上する。
なお、本明細書における「ゲル分率」とは、下記式(1)のように酢酸エチルに浸漬する前の粘着剤層の重量に対する酢酸エチルに浸漬し、乾燥した後の粘着剤層の重量の割合を百分率で表した値である。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着テープ試験片の酢酸エチル浸漬前の重量、W2:粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着テープ試験片の酢酸エチル浸漬、乾燥後の重量)
なお、本明細書における「オレイン酸膨潤率」とは、下記式(2)のようにオレイン酸に浸漬する前の粘着剤層の重量に対するオレイン酸に浸漬し、乾燥した後の粘着剤層の重量の割合を百分率で表した値である。オレイン酸への粘着剤成分の溶出がある場合、オレイン酸膨潤率は100重量%を下回る。
オレイン酸膨潤率(重量%)=100×(W5−W3)/(W4−W3) (2)
(W3:基材の重量、W4:粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着テープ試験片のオレイン酸浸漬前の重量、W5:粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着テープ試験片のオレイン酸浸漬、乾燥後の重量)
上記アクリル共重合体が上記フッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、フッ素自身の高い撥水撥油性と、フッ素原子の密なパッキングとにより、上記アクリル共重合体の分子鎖内へのオレイン酸(皮脂の主成分)の浸入が抑えられる。また、上記アクリル共重合体が上記フッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、粘着剤の凝集力が高くなる。これらの結果、粘着剤の皮脂への耐性が向上する。
また、上記アクリル共重合体が上記フッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、フッ素含有基の炭素数が5未満である場合と比べて、粘着剤の耐衝撃性が向上する。この理由としては、フッ素含有基の炭素数が5以上であれば、フッ素含有基の炭素鎖が長くなり、上記アクリル共重合体の分子鎖間の自由空間が大きくなることから、粘着剤に衝撃が加わった場合にも衝撃を緩和しやすいためと推測できる。
上記アクリル共重合体が上記炭素数が2以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することにより、粘着剤の極性、被着体に対する密着性及び凝集力がより高くなり、皮脂への耐性がより向上する。
上記アクリル共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有することにより、架橋剤を併用したときに上記アクリル共重合体の鎖間が架橋される。その際、架橋度を調整することにより、粘着剤からなる粘着剤層のゲル分率を後述するような特定範囲に調整することができる。
上記アクリル共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有する場合、上記架橋剤によって上記アクリル共重合体の鎖間に架橋構造を構築することができる。その際、架橋度を調整することにより、粘着剤からなる粘着剤層のゲル分率を後述するような特定範囲に調整することができる。
上記シランカップリング剤を含有することにより、粘着剤の被着体に対する密着性が向上するため、皮脂への耐性がより向上する。
上記ゲル分率が40重量%以下であれば、粘着剤に衝撃が加わった場合にも衝撃を緩和しやすくなり、粘着剤の耐衝撃性が向上する。上記ゲル分率の好ましい上限は35重量%、より好ましい上限は30重量%である。
上記ゲル分率の下限は特に限定されないが、好ましい下限は5重量%である。上記ゲル分率が5重量%以上であれば、粘着剤からなる粘着剤層をオレイン酸に浸漬した際にも粘着剤層が膨潤しにくく、皮脂への耐性がより向上する。上記ゲル分率のより好ましい下限は10重量%、更に好ましい下限は20重量%、特に好ましい下限は25重量%である。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は50μmである。上記粘着剤層の厚みが5μm以上であれば、粘着テープの粘着力が向上する。上記粘着剤層の厚みが50μm以下であれば、粘着テープの加工性が向上する。
また、上記基材として、光透過防止のために黒色印刷された基材、光反射性向上のために白色印刷された基材、金属蒸着された基材等も用いることができる。
上記エラストマーを含有する層を有するシートにおけるエラストマーは特に限定されず、例えば、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、アミド系エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマーは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。なかでも、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、アクリル系エラストマー又はウレタン系エラストマーが好ましく、オレフィン系エラストマーがより好ましい。
上記ソフトセグメントとして、例えば、エチレン−ブチレン、エチレン−プロピレン、エチレン−ブタジエン等が挙げられる。
上記スチレン系エラストマーとして、具体的には例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン(SBBS)ブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、水添スチレン−ブチレンゴム(HSBR)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)ブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマー等が挙げられる。なかでも、分子構造の中に2重結合をもたず、熱及び光に比較的安定であることから、SEBS、SEPSがより好ましい。
上記不完全熱可塑性タイプのウレタン系エラストマーは、耐熱性、耐薬品性、機械的強度等に優れている。
上記ウレタン系エラストマーとして、例えば、(1)カプロラクトンを開環して得られたポリラクトンエステルポリオールに、短鎖ポリオールの存在下、ポリソシアネートを付加重合させたカプロラクトン型のエステル系のウレタン系エラストマーが挙げられる。また、(2)アジピン酸とグリコールとのアジピン酸エステルポリオールに、短鎖ポリオールの存在下、ポリソシアネートを付加重合させたアジピン酸型(アジペート型)のエステル系のウレタン系エラストマーが挙げられる。また、(3)テトラヒドロフランの開環重合で得たポリテトラメチレングリコール(PTMG)に、短鎖ポリオールの存在下、ポリソシアネートを付加重合させたPTMG型(エーテル型)のウレタン系エラストマーが挙げられる。
まず、アクリル共重合体、必要に応じて架橋剤及びシランカップリング剤等に溶剤を加えてアクリル粘着剤aの溶液を作製する。得られたアクリル粘着剤aの溶液を基材の表面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して粘着剤層aを形成する。次に、形成された粘着剤層aの上に離型フィルムをその離型処理面が粘着剤層aに対向した状態に重ね合わせる。次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面にアクリル粘着剤bの溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面に粘着剤層bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを粘着剤層aが形成された基材の裏面に、粘着剤層bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた粘着テープを得ることができる。
また、第1及び第2の本発明の粘着剤、並びに、本発明の粘着テープは、光学用透明粘着剤及び光学用透明粘着テープとしても好ましく用いることができる。このような光学用途として、例えば、偏光板等を製造する際の構成部材の貼り合わせや、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の画像表示装置を製造する際における画像表示装置の表面を保護するための保護板とディスプレイパネルとの貼り合わせ等が挙げられる。更に、タッチパネルのガラス板、ポリカーボネート板又はアクリル板と、ディスプレイパネルとの貼り合わせ等も挙げられる。
(1)アクリル共重合体の製造
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入した。続いて、2−エチルヘキシルアクリレート(エステル末端のアルキル基の炭素数=8)47重量部、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(エステル末端のフッ素含有基の炭素数=8、フッ素数=13)50重量部、アクリル酸3重量部を2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、固形分30%のアクリル共重合体含有溶液を得た。
得られたアクリル共重合体をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、測定サンプルを調製した。この測定サンプルをゲルパーミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、アクリル共重合体のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)を求めた。カラムとしてはGPC LF−804(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
得られたアクリル共重合体含有溶液に、アクリル共重合体100重量部に対して架橋剤(イソシアネート系架橋剤、コロネートL−45、東ソー社製)を1.5重量部、シランカップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)を3重量部加え、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を厚み75μmの離型処理したPETフィルムに、乾燥後の粘着剤層の厚みが35μmとなるように塗工した後、110℃で5分間乾燥させた。この粘着剤層を、基材となる厚み50μmのコロナ処理したPETフィルムに転着させた。更にPETフィルムのもう一方の面に同様の粘着剤層を転着させ、40℃で48時間養生し、両面粘着テープを得た。
得られた両面粘着テープを20mm×40mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、重量を測定した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、試験片を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:酢酸エチル浸漬前の試験片の重量、W2:酢酸エチル浸漬、乾燥後の試験片の重量)
アクリル共重合体の組成、架橋剤の量、シランカップリング剤の量を表1〜3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
実施例及び比較例で得られた両面粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
得られた両面粘着テープを10mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製し、一方の離型フィルムを剥離除去して粘着剤層を露出させた。この試験片をステンレス板に、その粘着剤層がステンレス板に対向した状態となるように載せた後、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラを一往復させることにより、試験片とステンレス板とを貼り合わせ、その後、23℃で24時間静置して試験サンプルを作製した。
オレイン酸浸漬前の180°引きはがし粘着力(N/mm)に対するオレイン酸浸漬後の180°引きはがし粘着力(N/mm)の割合の百分率として、残留粘着力比率を算出した。
(判定基準)
残留粘着力比率が10%未満であった場合を×、10%以上50%未満であった場合を○、50%以上であった場合を◎とした。
図1に、実施例及び比較例で得られた両面粘着テープの落下衝撃試験の模式図を示す。得られた両面粘着テープを外径が幅46mm、長さ61mm、内径が幅42mm、長さ57mmに打ち抜き、幅2mmの枠状の試験片を作製した。次いで、図1(a)に示すように、中央部分に幅38mm、長さ50mmの四角い穴のあいた厚さ2mmのポリカーボネート板43に対して離型フィルムを剥がした試験片41を四角い穴がほぼ中央に位置するように貼り付けた。その後、試験片41の上面から幅55mm、長さ65mm、厚さ1mmのポリカーボネート板42を試験片41がほぼ中央に位置するように貼り付け、試験装置を組み立てた。その後、試験装置の上面に位置するポリカーボネート板側から5kgfの圧力を10秒間加えて上下に位置するポリカーボネート板と試験片とを圧着し、常温で24時間放置した。
(判定基準)
測定結果が30cm未満であった場合を×、30cm以上35cm未満であった場合を○、35cm以上であった場合を◎とした。
42 ポリカーボネート板(厚さ1mm)
43 ポリカーボネート板(厚さ2mm)
44 鉄球(300g)
Claims (8)
- アクリル共重合体を含有する粘着剤であって、
前記アクリル共重合体は、炭素数が5以上、フッ素数が3以上のフッ素含有基をエステル末端に有するフッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を30〜80重量%含有し、更に、炭素数が8以上のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有する
ことを特徴とする粘着剤。 - アクリル共重合体を含有する粘着剤であって、
前記アクリル共重合体は、炭素数が5以上、フッ素数が3以上のフッ素含有基をエステル末端に有するフッ素含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を30〜80重量%含有し、
前記粘着剤からなる粘着剤層のゲル分率が40重量%以下である
ことを特徴とする粘着剤。 - 炭素数が5以上、フッ素数が3以上のフッ素含有基をエステル末端に有するフッ素含有(メタ)アクリレートは、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート及び2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着剤。
- アクリル共重合体は、更に、炭素数が2以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着剤。
- 更に、シランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粘着剤。
- 基材と、請求項1、2、3、4又は5記載の粘着剤からなる粘着剤層とを有することを特徴とする粘着テープ。
- 基材は、発泡体シート、又は、エラストマーを含有する層を有するシートであることを特徴とする請求項6記載の粘着テープ。
- 電子機器の部品を固定するために用いられることを特徴とする請求項6又は7記載の粘着テープ。
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