JP2019104776A - 粘着テープ - Google Patents

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泰志 石堂
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徳之 内田
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Abstract

【課題】皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができる粘着テープを提供する。【解決手段】粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、シランカップリング剤に由来する構造を有するアクリル共重合体を含有し、前記粘着剤層は、60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が100重量%以上、115重量%以下である粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープに関する。
従来から、電子機器において部品を固定する際、粘着テープが広く用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために粘着テープが用いられている。このような電子機器部品の固定に用いられる粘着テープは高い粘着性に加え、使用される部位の環境に応じて、耐熱性、熱伝導性、耐衝撃性等の機能が要求されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2015−052050号公報 特開2015−021067号公報 特開2015−120876号公報
近年、電子機器の小型化、軽量化及び低コスト化によって、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル端末等の常に身に着けたり、手元に置いたりするタイプの携帯型の電子機器が広く普及している。携帯型の電子機器は、頻繁に使用され、また、タッチパネル等により素手で操作が行われることから、粘着テープには、頻繁に手が触れる部分に用いられていても皮脂によって劣化しない性能が望まれる。
本発明は、皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができる粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、シランカップリング剤に由来する構造を有するアクリル共重合体を含有し、前記粘着剤層は、60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が100重量%以上、115重量%以下である粘着テープである。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、粘着剤層にシランカップリング剤に由来する構造を有するアクリル共重合体を含有させるとともに、粘着剤層の60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が特定範囲となるように調整することにより、皮脂の主成分であるオレイン酸に対する耐性を高めることができることを見出した。これにより、本発明を完成させるに至った。
粘着剤層に皮脂等が付着すると、その一部が粘着剤層内部に浸入することがある。粘着剤層内部に浸入した皮脂等が再び接着界面に染み出してくることで、界面の接着強度が低下し、被着体と粘着剤層、又は、基材と粘着剤層の界面で剥離が生じてしまう。即ち、シランカップリング剤を用いたとしても、皮脂等が付着すると充分に粘着力を維持できないことがあった。本発明者らは、60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率を特定範囲に調整した粘着剤層を用いることで、接着界面への皮脂等の染み出し量を抑えることができることを見出した。本発明の粘着テープでは、シランカップリング剤によって界面の接着強度を向上させつつ、接着界面への皮脂等の染み出し量が抑制されるため、皮脂等が付着しても接着強度を維持することができる。
本発明の粘着テープは、粘着剤層を有する粘着テープである。
上記粘着剤層は、60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率(「オレイン酸膨潤率」ともいう)が100重量%以上、115重量%以下である。
上記粘着剤層がオレイン酸に対する上記範囲の膨潤率を有することにより、上記粘着剤層内部に皮脂等が浸入しづらくなり、接着界面への皮脂等の染み出し量を抑えることができる。本発明の粘着テープでは、このような接着界面への皮脂等の染み出し量の抑制と、シランカップリング剤による界面の接着強度の向上との相乗効果により、粘着テープの皮脂への耐性が向上する。
上記粘着剤層のオレイン酸膨潤率が100重量%以上であれば、オレイン酸への粘着剤成分の溶出がないことを意味しており、粘着テープの皮脂への耐性が向上する。上記粘着剤層のオレイン酸膨潤率が115重量%以下であれば、粘着テープの皮脂への耐性が向上する。上記オレイン酸膨潤率の好ましい上限は110重量%であり、より好ましい上限は105重量%である。
なお、本明細書における「オレイン酸膨潤率」とは、下記式(A)のようにオレイン酸に浸漬する前の粘着剤層の重量に対するオレイン酸に浸漬し、乾燥した後の粘着剤層の重量の割合を百分率で表した値である。オレイン酸への粘着剤成分の溶出がある場合、オレイン酸膨潤率は100重量%を下回る。
オレイン酸膨潤率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (A)
(W:基材の重量、W:オレイン酸浸漬前の粘着テープ試験片の重量、W:オレイン酸浸漬、乾燥後の粘着テープ試験片の重量)
上記オレイン酸膨潤率を上記範囲に調整する方法としては、上記粘着剤層のオレイン酸への親和性を調整する方法が挙げられる。例えば、上記粘着剤層に含まれるアクリル共重合体に撥油性を有するモノマーを用いたり、上記粘着剤層の自己凝集性及び/又は極性を高めたりすることで、オレイン酸への親和性を低下させ、上記オレイン酸膨潤率を上記範囲に調整することができる。
上記粘着剤層は、シランカップリング剤に由来する構造を有するアクリル共重合体を含有する。
上記粘着剤層が、上記シランカップリング剤に由来する構造を有するアクリル共重合体を含有することにより、上記粘着剤層の界面の接着強度が高くなるため、粘着テープが剥離しにくくなる。
上記アクリル共重合体中に上記シランカップリング剤に由来する構造が存在していることを確認する方法として、例えば、上記粘着剤層についてNMR測定を行う方法が挙げられる。NMR測定としては、H NMR、13C NMR、29Si NMR等が有効である。上記アクリル共重合体を含有する粘着剤層全体を適切な重溶媒で膨潤させ、上記粘着剤層全体の測定を行ってもよい。その際、重溶媒に対する可溶部と不溶部とを分けて別々に測定してもよい。
また、上記アクリル共重合体中に上記シランカップリング剤に由来する構造が存在していることは、飛行時間型二次イオン質量分析法、X線光電子分光分析法、エネルギー分散型X線分光法を用いた走査型電子顕微鏡分析等の方法により、Si元素の状態を特定することで確認することもできる。この場合、上記アクリル共重合体中に含まれない遊離のシランカップリング剤及びそのオリゴマーについては、適当な溶媒を用いて抽出、除去することが好ましい。
上記シランカップリング剤は、通常、アルコキシシリル基を有するものである。上記アルコキシシリル基が有するアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。なかでも、メトキシ基が好ましい。また、上記アルコキシシリル基が有するアルコキシ基の数は特に限定されず、上記アルコキシシリル基はトリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、モノアルコキシシリル基のいずれであってもよい。なかでも、トリアルコキシシリル基が好ましい。
上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、エポキシ基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。また、ビニル基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、スチリル基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤等が挙げられる。なかでも、反応性が高く、上記シランカップリング剤に由来する構造を上記アクリル共重合体中に導入しやすいことから、エポキシ基含有シランカップリング剤が好ましい。
上記エポキシ基含有シランカップリング剤として、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記イソシアネート基含有シランカップリング剤として、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記ビニル基含有シランカップリング剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤として、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記スチリル基含有シランカップリング剤として、例えば、p−スチリルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基含有シランカップリング剤として、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記メルカプト基含有シランカップリング剤として、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトブチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。なかでも、反応性が高く、上記シランカップリング剤に由来する構造を上記アクリル共重合体中に導入しやすいことから、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
上記アクリル共重合体中に上記シランカップリング剤に由来する構造を導入するための方法として、例えば、下記方法(a)、方法(b)等を用いることができる。
予め作製した架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位を有するアクリル共重合体(「架橋性官能基含有アクリル共重合体ともいう」)の架橋性官能基と、シランカップリング剤とを反応させる方法(方法(a))。上記アクリル共重合体の構成単位の由来となるモノマーと、シランカップリング剤とを光重合開始剤の存在下にてエネルギー線(例えば、紫外線)照射により共重合させる方法(方法(b))。
上記方法(a)において用いられるシランカップリング剤は、上記架橋性官能基含有アクリル共重合体における架橋性官能基と反応可能なシランカップリング剤であればよく、架橋性官能基に応じて適宜選択される。
上記方法(a)において用いられるシランカップリング剤として、上述したもののなかでは、例えば、架橋性官能基がカルボキシル基である場合、エポキシ基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤等を用いることができる。例えば、架橋性官能基が水酸基である場合、イソシアネート基含有シランカップリング剤を用いることができる。
上記方法(a)を採用した場合、上記シランカップリング剤に由来する構造は、下記一般式(1)〜(4)で表されるシランカップリング剤に由来する構造のいずれかであることが好ましい。
Figure 2019104776
一般式(1)〜(4)中、Rはアルキレン基を表し、R及びRはアルキル基を表し、nは0又は1〜3の整数を表す。
上記Rは特に限定されず、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン等が挙げられる。上記Rは直鎖構造であってもよいし、分岐構造を有していてもよい。
上記Rは特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。なかでも、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Rは特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
上記nは0又は1〜3の整数であればよいが、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
なお、上記一般式(1)で表される構造は、カルボキシル基とエポキシ基含有シランカップリング剤との結合に由来する構造である。上記一般式(2)及び(4)で表される構造は、カルボキシル基とイソシアネート基含有シランカップリング剤との結合に由来する構造である。上記一般式(3)で表される構造は、水酸基とイソシアネート基含有シランカップリング剤との結合に由来する構造である。
上記方法(b)において用いられるシランカップリング剤は、上記アクリル共重合体の構成単位の由来となるモノマーと共重合可能なシランカップリング剤であればよく、例えば(メタ)アクリル基、ビニル基等の重合性官能基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記方法(b)において用いられるシランカップリング剤として、上述したもののなかでは、例えば、ビニル基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、スチリル基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
上記方法(b)を採用した場合、上記シランカップリング剤に由来する構造は、下記一般式(5)〜(7)で表されるシランカップリング剤に由来する構造のいずれかであることが好ましい。
Figure 2019104776
一般式(5)〜(7)中、Rはアルキレン基を表し、R及びRはアルキル基を表し、nは0又は1〜3の整数を表す。
上記一般式(5)〜(7)におけるR、R、R及びnとしては、上記一般式(1)〜(4)の場合と同様のものを好ましく用いることができる。
なお、上記一般式(5)で表される構造は、ビニル基含有シランカップリング剤に由来する構造である。上記一般式(6)で表される構造は、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤に由来する構造である。上記一般式(7)で表される構造は、スチリル基含有シランカップリング剤に由来する構造である。
上記アクリル共重合体における上記シランカップリング剤に由来する構造の含有量は特に限定されないが、上記アクリル共重合体の構成単位の由来となるモノマー100重量部に対する好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が9重量部である。上記含有量が0.1重量部以上であれば、上記粘着剤層の界面の接着強度がより高くなり、粘着テープの皮脂への耐性が向上する。上記含有量が9重量部以下であれば、粘着テープを剥離した際の糊残りを抑えることができ、粘着テープのリワーク性が向上する。上記含有量の上記アクリル共重合体の構成単位の由来となるモノマー100重量部に対するより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は6重量部である。
上記アクリル共重合体は、フッ素含有モノマーに由来する構成単位を30重量%以上含有することが好ましい。
上記フッ素含有モノマーは特に限定されず、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートであってもメタクリレートであってもよいことを意味する。これらのフッ素含有モノマーは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。なかでも、より高い粘着力を発揮できることから、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートが好ましい。
上記フッ素含有モノマーに由来する構成単位の含有量が30重量%以上であれば、フッ素自身の高い撥水撥油性と、フッ素原子の密なパッキングとにより、上記粘着剤層のオレイン酸に対する膨潤率を低い値に調整しやすい。このため、接着界面への皮脂等の染み出し量を抑えて、粘着テープの皮脂への耐性を向上させることができる。同様に、フッ素自身の高い撥水撥油性と、フッ素原子の密なパッキングとにより、上記粘着剤層において、後述するイソプロパノール膨潤率を低い値に調整しやすい。このため、粘着テープのアルコールに対する耐性が向上する。即ち、上記アクリル共重合体が、上記フッ素含有モノマーに由来する構成単位を30重量%以上含有することで、皮脂への耐性とアルコール耐性とを両立する粘着テープを提供することができる。上記含有量のより好ましい下限は40重量%、更に好ましい下限は50重量%である。
上記フッ素含有モノマーに由来する構成単位の含有量の上限は特に限定されないが、好ましい上限は80重量%である。上記フッ素含有モノマーに由来する構成単位の含有量が80重量%以下であれば、上記粘着剤層が固くなり過ぎず、充分な粘着力を発揮することができる。上記含有量のより好ましい上限は70重量%である。
なお、本明細書における「アルコール」とは、炭素数4以下の低級アルコールを単一成分とするもの、又は、その混合物を意味する。炭素数4以下の低級アルコール又はその混合物を主成分(含有量が50重量%以上)としていれば、水やより炭素数の多いアルコール等の他の溶媒、添加剤等を含んでいてもよい。
また、上記アクリル共重合体は、ニトリル基含有モノマーに由来する構成単位を10重量%以上含有することも好ましい。
上記ニトリル基含有モノマーとして、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。なお、(メタ)アクリロニトリルとは、アクリロニトリルであってもメタクリロニトリルであってもよいことを意味する。なかでも、より優れた粘着力を発揮できることから、アクリロニトリルが好ましい。これらのニトリル基含有モノマーは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記ニトリル基含有モノマーに由来する構成単位の含有量が10重量%以上であれば、上記アクリル共重合体の極性及び凝集力が高くなる。このため、上記粘着剤層のオレイン酸に対する膨潤率を低い値に調整しやすくなり、接着界面への皮脂等の染み出し量を抑えて、粘着テープの皮脂への耐性を向上させることができる。また、上記アクリル共重合体の凝集力が高くなる。このため、上記粘着剤層において、後述するイソプロパノール膨潤率を低い値に調整しやすく、粘着テープのアルコール耐性が向上する。上記含有量のより好ましい下限は13重量%である。
上記ニトリル基含有モノマーに由来する構成単位の含有量の上限は特に限定されないが、好ましい上限は20重量%である。上記ニトリル基含有モノマーに由来する構成単位の含有量が20重量%以下であれば、上記粘着剤層が充分な粘着力を発揮することができる。上記含有量のより好ましい上限は17重量%である。
また、上記アクリル共重合体は、炭素数2以下のアルキル基をエステル末端に有するモノマー(「炭素数2以下のアルキル基含有モノマー」ともいう)に由来する構成単位を50重量%以上含有することも好ましい。
上記炭素数2以下のアルキル基をエステル末端に有するモノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの炭素数2以下のアルキル基をエステル末端に有するモノマーは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。なかでも、上記粘着剤層が固くなり過ぎず、より充分な粘着力を発揮できることから、エチルアクリレートが好ましい。
上記炭素数2以下のアルキル基をエステル末端に有するモノマーに由来する構成単位の含有量が50重量%以上であれば、上記アクリル共重合体の極性及び凝集力が高くなる。このため、上記粘着剤層のオレイン酸に対する膨潤率を低い値に調整しやすくなり、接着界面への皮脂等の染み出し量を抑えて、粘着テープの皮脂への耐性を向上させることができる。上記含有量のより好ましい下限は55重量%、更に好ましい下限は60重量%である。
上記炭素数2以下のアルキル基をエステル末端に有するモノマーに由来する構成単位の含有量の上限は特に限定されないが、好ましい上限は99重量%である。上記炭素数2以下のアルキル基をエステル末端に有するモノマーに由来する構成単位の含有量が99重量%以下であれば、上記粘着剤層が固くなり過ぎず、充分な粘着力を発揮することができる。上記含有量のより好ましい上限は97重量%である。
上記アクリル共重合体は、更に、架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位を含有することが好ましい。
上記アクリル共重合体が上記架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位を含有することにより、上述した方法(a)のようにシランカップリング剤を併用して架橋性官能基とシランカップリング剤とを反応させることで、上記アクリル共重合体中に上記シランカップリング剤に由来する構造を導入することができる。また、架橋剤を併用したときに上記アクリル共重合体の鎖間が架橋される。その際、架橋度を調整することにより、上記粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
上記架橋性官能基は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びエポキシ基からなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調整が容易であることから、水酸基又はカルボキシル基がより好ましい。
上記水酸基を有するモノマーとして、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。上記カルボキシル基を有するモノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。上記エポキシ基を有するモノマーとして、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの架橋性官能基含有モノマーは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記アクリル共重合体において、上記架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は10重量%であり、より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は5重量%である。上記含有量が上記範囲内であることで、上記シランカップリング剤に由来する構造の含有量を上記範囲に調整しやすくなり、また、上記粘着剤層のゲル分率を調整しやすくなる。
なお、本明細書において、上記アクリル共重合体における水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びエポキシ基からなる群より選択される少なくとも一つを有するモノマーに由来する構成単位の含有量を「極性官能基価」ともいう。モノマーが2価以上である(モノマーが上記官能基を2つ以上有する)場合には、上記官能基1価相当に換算した含有量を意味する。水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びエポキシ基には、シランカップリング剤由来のものは含まない。
上記極性官能基価の好ましい下限は0.05、好ましい上限は10である。上記極性官能基価が0.05以上であれば、上記アクリル共重合体の極性及び凝集力が高くなる。このため、上記粘着剤層のオレイン酸に対する膨潤率を低い値に調整しやすく、接着界面への皮脂等の染み出し量を抑えて、粘着テープの皮脂への耐性を向上させることができる。上記極性官能基価が10以下であれば、上記粘着剤層が固くなり過ぎず、充分な粘着力を発揮することができる。上記極性官能基価のより好ましい下限は0.1、より好ましい上限は5であり、更に好ましい下限は0.5、更に好ましい上限は3.5である。
上記アクリル共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に、その他のモノマーに由来する構成単位を含んでいてもよい。上記その他のモノマーとして、例えば、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等が挙げられる。
また、上述した方法(b)のように上記アクリル共重合体をエネルギー線(例えば、紫外線)重合法により調製する場合には、上記アクリル共重合体は、更に、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーに由来する構成単位を含むことが好ましい。
上記アクリル共重合体は、架橋剤に由来する構造を有することが好ましい。
上記アクリル共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有する場合、架橋剤を併用して架橋性官能基と架橋剤とを反応させることで、上記アクリル共重合体の鎖間に架橋構造を構築することができる。その際、架橋度を調整することにより、上記粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。
上記アクリル共重合体における上記架橋剤に由来する構造の含有量は特に限定されないが、上記アクリル共重合体の構成単位の由来となるモノマー100重量部に対する好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部であり、より好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記アクリル共重合体は、重量平均分子量の好ましい下限が20万、好ましい上限が200万である。上記アクリル共重合体の重量平均分子量が上記範囲であることによって、粘着テープの粘着力が向上する。上記アクリル共重合体の重量平均分子量のより好ましい下限は50万、より好ましい上限は150万である。
なお、重量平均分子量は、重合条件(例えば、重合開始剤の種類又は量、重合温度、モノマー濃度等)によって調整できる。
上記アクリル共重合体を合成するには、上述した方法(a)、即ち、予め作製した架橋性官能基含有アクリル共重合体の架橋性官能基と、シランカップリング剤とを反応させる方法が好ましい。
上記架橋性官能基含有アクリル共重合体を合成するには、上記架橋性官能基含有アクリル共重合体の構成単位の由来となるモノマーを重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。重合方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、エマルジョン重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。なかでも、合成が簡便であることから、溶液重合が好ましい。また、特にアクリロニトリルに由来する構成単位の含有量を多くする場合には、エマルジョン重合が好ましい。
重合方法として溶液重合を用いる場合、反応溶剤として、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル等が挙げられる。これらの反応溶剤は単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物として、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
また、上記アクリル共重合体を合成するには、上述した方法(b)、即ち、上記アクリル共重合体の構成単位の由来となるモノマーと、シランカップリング剤とを光重合開始剤の存在下にてエネルギー線(例えば、紫外線)照射により共重合させる方法も好ましい。
上記光重合開始剤は特に限定されず、例えば、アセトフェノン、4,4’−ジメトキシベンジル、ジベンゾイル、ベンゾイルフェニルカルビノール、ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記粘着剤層は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等の添加剤、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の粘着付与剤、その他の樹脂等を含有していてもよい。
上記粘着剤層は、ゲル分率が10重量%以上であることが好ましい。上記ゲル分率が10重量%以上であれば、上記粘着剤層の60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率を上記範囲に調整しやすくなり、粘着テープの皮脂への耐性が向上する。上記ゲル分率のより好ましい下限は20重量%である。
上記ゲル分率の上限は特に限定されないが、好ましい上限は99重量%、より好ましい上限は95重量%である。
なお、本明細書における「ゲル分率」とは、下記式(a)のように酢酸エチルに浸漬する前の粘着剤層の重量に対する酢酸エチルに浸漬し、乾燥した後の粘着剤層の重量の割合を百分率で表した値である。
ゲル分率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (a)
(W:基材の重量、W:酢酸エチル浸漬前の粘着テープ試験片の重量、W:酢酸エチル浸漬、乾燥後の粘着テープ試験片の重量)
上記粘着剤層は、60℃、湿度90%の条件でイソプロパノール80重量%と水20重量%との混合液に24時間浸漬した後の膨潤率(「イソプロパノール膨潤率」ともいう)が100重量%以上、150重量%以下であることが好ましい。
上記粘着剤層のイソプロパノール膨潤率が100重量%以上であれば、上記混合液への粘着剤成分の溶出がないことを意味しており、粘着テープのアルコール耐性が向上する。上記粘着剤層のイソプロパノール膨潤率が150重量%以下であれば、粘着テープのアルコール耐性が向上する。上記イソプロパノール膨潤率のより好ましい上限は140重量%であり、更に好ましい上限は130重量%である。
なお、本明細書における「イソプロパノール膨潤率」とは、下記式(B)のようにイソプロパノール80重量%と水20重量%との混合液に浸漬する前の粘着剤層の重量に対するイソプロパノール80重量%と水20重量%との混合液に浸漬し、乾燥した後の粘着剤層の重量の割合を百分率で表した値である。混合液への粘着剤成分の溶出がある場合、イソプロパノール膨潤率は100重量%を下回る。
イソプロパノール膨潤率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (B)
(W:基材の重量、W:イソプロパノール80重量%と水20重量%との混合液浸漬前の粘着テープ試験片の重量、W:イソプロパノール80重量%と水20重量%との混合液浸漬、乾燥後の粘着テープ試験片の重量)
上記イソプロパノール膨潤率を上記範囲に調整するためには、上記アクリル共重合体の組成を調整したり、上記粘着剤層のゲル分率を調整したりすることが好ましい。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記粘着剤層の厚みが5μm以上であれば、粘着テープの粘着力が向上する。上記粘着剤層の厚みが100μm以下であれば、粘着テープの加工性が向上する。
本発明の粘着テープは、基材を有するサポートタイプであってもよいし、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。サポートタイプの場合には、基材の片面に上記粘着剤層が形成されていてもよいし、両面に上記粘着剤層が形成されていてもよい。
上記基材は特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、PETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム等が挙げられる。更に、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエチレン発泡体シート、ポリプロピレン発泡体シート等のポリオレフィン発泡体シート、ポリウレタン発泡体シート等が挙げられる。なかでも、PETフィルムが好ましい。また、耐衝撃性の観点からはポリオレフィン発泡体シートが好ましい。
また、上記基材として、光透過防止のために黒色印刷された基材、光反射性向上のために白色印刷された基材、金属蒸着された基材等も用いることができる。
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、本発明の粘着テープが基材を有する両面粘着テープである場合は以下のような方法が挙げられる。
まず、架橋性官能基含有アクリル共重合体、シランカップリング剤及び必要に応じて架橋剤等に溶剤を加えてアクリル粘着剤aの溶液を作製する。得られたアクリル粘着剤aの溶液を基材の表面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して粘着剤層aを形成する。次に、形成された粘着剤層aの上に離型フィルムをその離型処理面が粘着剤層aに対向した状態に重ね合わせる。次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面にアクリル粘着剤bの溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面に粘着剤層bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを粘着剤層aが形成された基材の裏面に、粘着剤層bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた粘着テープを得ることができる。
また、同様の要領で積層フィルムを2組作製し、これらの積層フィルムを基材の両面のそれぞれに、積層フィルムの粘着剤層を基材に対向させた状態に重ね合わせて積層体を作製し、この積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた粘着テープを得てもよい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、皮脂への耐性に優れているため、人の手が頻繁に触れる電子機器の部品を固定するために特に好ましく用いることができる。具体的には、スマートフォンやタブレット端末等の携帯電子機器のタッチパネル部分を固定したり、カーナビ等の車載電子機器のディスプレイパネル部分を固定したりするのに本発明の粘着テープを好ましく用いることができる。
本発明の粘着テープの形状は特に限定されず、長方形等であってもよいし、シート状であってもよい。上述のようにタッチパネル部分又はディスプレイパネル部分の固定に好適であることから、額縁状が好ましい。本発明の粘着テープは、皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持できるため、粘着テープの幅が狭くても好ましく用いることができ、粘着テープの幅が5mm以下の場合に特に好ましく用いることができる。
本発明によれば、皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができる粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)架橋性官能基含有アクリル共重合体の製造(溶液重合)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチルを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、アクリロニトリル14重量部、ブチルアクリレート83重量部、アクリル酸3重量部を2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、架橋性官能基含有アクリル共重合体含有溶液を得た。
(2)架橋性官能基含有アクリル共重合体の重量平均分子量測定
得られた架橋性官能基含有アクリル共重合体をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、測定サンプルを調製した。この測定サンプルをゲルパーミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、架橋性官能基含有アクリル共重合体のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)を求めた。カラムとしてはGPC LF−804(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(3)片面粘着テープの製造
得られた架橋性官能基含有アクリル共重合体含有溶液に、架橋性官能基含有アクリル共重合体100重量部に対してエポキシ系架橋剤(テトラッドC、三菱ガス化学社製)を0.3重量部、エポキシ基含有シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を3重量部加え、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を厚み75μmの離型処理したPETフィルムに、乾燥後の粘着剤層の厚みが35μmとなるように塗工した後、110℃で5分間乾燥させた。この粘着剤層を、基材となる厚み50μmのコロナ処理したPETフィルムに転着させ、40℃で48時間養生し、片面粘着テープを得た。
得られた片面粘着テープの粘着剤層についてNMR測定を行い、粘着剤層中のアクリル共重合体中にシランカップリング剤に由来する構造が存在していることを確認した。
(4)ゲル分率の測定
得られた片面粘着テープを20mm×40mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、重量を測定した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、試験片を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(a)を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (a)
(W:基材の重量、W:酢酸エチル浸漬前の試験片の重量、W:酢酸エチル浸漬、乾燥後の試験片の重量)
(実施例2〜13、比較例1〜10)
アクリル共重合体の組成を表1又は2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、片面粘着テープを得た。なお、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、コロネートL、東ソー社製)を用いた。
なお、実施例2〜13、比較例2〜6及び10で得られた片面粘着テープでは、粘着剤層中のアクリル共重合体中にシランカップリング剤に由来する構造が存在していることを確認した。一方、比較例1、7、8及び9で得られた片面粘着テープでは、粘着剤層中のアクリル共重合体中にシランカップリング剤に由来する構造が存在していることは確認できなかった。
(実施例14)
(1)片面粘着テープの製造(紫外線照射重合)
反応容器内に、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート30重量部、ブチルアクリレート41.8重量部、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部、アクリル酸3重量部、ビニル基含有シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン)3重量部を加えた。更に、光重合触媒としてイルガキュア651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、BASF社製)0.1重量部を加えた。窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら、反応液の粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度23℃)が約8000mPa.sになるまで紫外線を照射した。その後、反応液にトリメチロールプロパントリアクリレートを0.2重量部加え、シロップを作製した。
作製したシロップを厚み75μmの離型処理したPETフィルムに、乾燥後の粘着剤層の厚みが35μmとなるように塗工した後、基材となる厚み50μmのコロナ処理したPETフィルムに貼り合わせた。この積層シートのPETフィルム面からブラックライト(東芝社製)にて、照度5mW/cmの紫外線を5分照射することで、片面粘着テープを得た。
得られた片面粘着テープの粘着剤層についてNMR測定を行い、粘着剤層中のアクリル共重合体中にシランカップリング剤に由来する構造が存在していることを確認した。
(2)ゲル分率の測定
得られた片面粘着テープを20mm×40mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、重量を測定した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、試験片を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(a)を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (a)
(W:基材の重量、W:酢酸エチル浸漬前の試験片の重量、W:酢酸エチル浸漬、乾燥後の試験片の重量)
(実施例15〜17、比較例11)
アクリル共重合体の組成を表1又は2に示すように変更したこと以外は実施例14と同様にして、片面粘着テープを得た。
なお、実施例15〜17で得られた片面粘着テープでは、粘着剤層中のアクリル共重合体中にシランカップリング剤に由来する構造が存在していることを確認した。一方、比較例11で得られた片面粘着テープでは、粘着剤層中のアクリル共重合体中にシランカップリング剤に由来する構造が存在していることは確認できなかった。
<評価>
実施例及び比較例で得られた片面粘着テープについて、下記の評価を行った。イソプロパノール(IPA水)膨潤率の測定、及び、IPA水浸漬後の180°引きはがし粘着力の測定は、実施例で得られた片面粘着テープについてのみ行った。結果を表1又は2に示した。
(1)オレイン酸膨潤率の測定
得られた片面粘着テープを20mm×40mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、重量を測定した。試験片をオレイン酸中に60℃、湿度90%の条件下にて24時間浸漬した後、試験片をオレイン酸から取り出し、エタノールで表面を洗浄後、110℃にて3時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(A)を用いてオレイン酸膨潤率を算出した。
オレイン酸膨潤率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (A)
(W:基材の重量、W:オレイン酸浸漬前の試験片の重量、W:オレイン酸浸漬、乾燥後の試験片の重量)
(2)イソプロパノール(IPA水)膨潤率の測定
得られた片面粘着テープを20mm×40mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、重量を測定した。試験片をイソプロパノール(IPA水:より詳細にはイソプロパノール80重量%と水20重量%との混合液)中に60℃、湿度90%の条件下にて24時間浸漬した後、試験片をIPA水から取り出し、エタノールで表面を洗浄後、110℃にて3時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(B)を用いてイソプロパノール膨潤率を算出した。
IPA水膨潤率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (B)
(W:基材の重量、W:イソプロパノール80重量%と水20重量%との混合液浸漬前の試験片の重量、W:イソプロパノール80重量%と水20重量%との混合液浸漬、乾燥後の試験片の重量)
(3)180°引きはがし粘着力の測定
得られた片面粘着テープを10mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製し、離型フィルムを剥離除去して粘着剤層を露出させた。この試験片をステンレス板に、その粘着剤層がステンレス板に対向した状態となるように載せた後、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラを一往復させることにより、試験片とステンレス板とを貼り合わせ、その後、23℃で24時間静置して試験サンプルを作製した。
この試験サンプルを60℃、湿度90%のオーブンで100時間加熱し、23℃で24時間静置した。
上記試験サンプルをオレイン酸又はIPA水のバスに60℃、湿度90%の条件で100時間浸漬し、取り出した後水で洗浄し、24時間静置した。その後、JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、オレイン酸又はIPA水浸漬後の180°引きはがし粘着力を測定した。なお、180°引きはがし粘着力が機器の測定限界値未満であった場合は0とした。
(判定基準)
オレイン酸浸漬後の180°引きはがし粘着力が0.05N/5mm未満であった場合を×、0.05N/5mm以上1.0N/5mm未満であった場合を○、1.0N/5mm以上であった場合を◎とした。
IPA水浸漬後の180°引きはがし粘着力が0.2N/5mm未満であった場合を×、0.2N/5mm以上1.0N/5mm未満であった場合を○、1.0N/5mm以上であった場合を◎とした。
Figure 2019104776
Figure 2019104776
本発明によれば、皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができる粘着テープを提供することができる。

Claims (7)

  1. 粘着剤層を有する粘着テープであって、
    前記粘着剤層は、シランカップリング剤に由来する構造を有するアクリル共重合体を含有し、
    前記粘着剤層は、60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が100重量%以上、115重量%以下である
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. シランカップリング剤に由来する構造は、下記一般式(1)〜(4)で表されるシランカップリング剤に由来する構造のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
    Figure 2019104776
    一般式(1)〜(4)中、Rはアルキレン基を表し、R及びRはアルキル基を表し、nは0又は1〜3の整数を表す。
  3. シランカップリング剤に由来する構造は、下記一般式(5)〜(7)で表されるシランカップリング剤に由来する構造のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
    Figure 2019104776
    一般式(5)〜(7)中、Rはアルキレン基を表し、R及びRはアルキル基を表し、nは0又は1〜3の整数を表す。
  4. シランカップリング剤に由来する構造の含有量は、アクリル共重合体の構成単位の由来となるモノマー100重量部に対して0.1〜9重量部であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着テープ。
  5. アクリル共重合体は、フッ素含有モノマーに由来する構成単位を30重量%以上含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粘着テープ。
  6. アクリル共重合体は、ニトリル基含有モノマーに由来する構成単位を10重量%以上含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粘着テープ。
  7. アクリル共重合体は、炭素数2以下のアルキル基をエステル末端に有するモノマーに由来する構成単位を50重量%以上含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粘着テープ。
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