JP2017190463A - 粘接着剤組成物 - Google Patents

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友裕 小野
加那予 中田
Kanayo Nakada
加那予 中田
山下 隆
Takashi Yamashita
山下  隆
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Abstract

【課題】ブリードがなく、透明性、保持力(糊残りしにくい)、および加工性に優れたアクリル系ブロック共重合体を含有する粘着剤組成物を提供する。【解決手段】メタクリル酸エステル単位からなる2つの重合体ブロック(A1)および(A2)とアクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(B)とを有し、(A1)−(B)−(A2)ブロック構造を有し、重量平均分子量(Mw)が50,000〜250,000であり、重合体ブロック(A1)および(A2)の合計含有量が35質量%以下であるアクリル系トリブロック共重合体(I)と、メタクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(C)とアクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(D)とを有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜120,000であり、重合体ブロック(C)の含有量が25質量%以下であるアクリル系ジブロック共重合体(II)とを含有し、アクリル系トリブロック共重合体(I)100質量部に対してアクリル系ジブロック共重合体(II)が1質量部以上50質量部未満である粘着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は粘接着剤などに好適なアクリル系ブロック共重合体を含む粘接着剤組成物に関する。
アクリル系ブロック共重合体またはアクリル系ブロック共重合体を含む組成物を粘接着剤に用いることは従来から知られている。
例えば、アクリル系ブロック共重合体と粘着付与樹脂と可塑剤からなる粘着剤組成物が知られている(特許文献1、2参照)。
特開2016−44203号公報 国際公開第2016/027767号
上記特許文献に記載されている粘着剤および粘着剤組成物は可塑剤を有していることから、粘着テープにした後、紙等の被着体に貼布した後、長時間保管していると被着体側に可塑剤が移行しやすいという課題があり、なお改良の余地がある。
本発明の目的は、ブリードがなく、透明性、保持力(糊残りしにくい)、および加工性に優れたアクリル系ブロック共重合体を含有する粘着剤組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねてきた結果、特定のアクリル系トリブロック共重合体と特定のアクリル系ジブロック共重合体とを特定の配合比で含む粘着剤組成物とすることで、ブリードがなく、透明性、保持力(糊残りしにくい)、および加工性に優れたアクリル系ブロック共重合体を含有する粘着剤組成物が得られることを見出した。
本発明によれば、上記目的は、
[1] メタクリル酸エステル単位からなる2つの重合体ブロック(A1)および(A2)とアクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(B)とを有し、(A1)−(B)−(A2)ブロック構造を有し、重量平均分子量(Mw)が50,000〜250,000であり、重合体ブロック(A1)および(A2)の合計含有量が35質量%以下であるアクリル系トリブロック共重合体(I)と、
メタクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(C)とアクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(D)とを有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜120,000であり、重合体ブロック(C)の含有量が25質量%以下であるアクリル系ジブロック共重合体(II)とを含有し、
アクリル系トリブロック共重合体(I)100質量部に対してアクリル系ジブロック共重合体(II)が1質量部以上50質量部未満である粘着剤組成物、
を提供することにより達成される。
本発明によれば、ブリードがなく、透明性、保持力(糊残りしにくい)、および加工性に優れたアクリル系ブロック共重合体を含有する粘着剤組成物が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸エステル」は「メタクリル酸エステル」と「アクリル酸エステル」との総称であり、また「(メタ)アクリル」は「メタクリル」と「アクリル」との総称である。
(アクリル系トリブロック共重合体(I))
本発明の粘接着剤組成物に含まれるアクリル系トリブロック共重合体(I)は、メタクリル酸エステル単位からなる2つの重合体ブロック(A1)および(A2)とアクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(B)とを有し、(A1)−(B)−(A2)ブロック構造を有し、重量平均分子量(Mw)が50,000〜250,000であり、重合体ブロック(A1)および(A2)の合計含有量が35質量%以下である。
(重合体ブロック(A1)および(A2))
アクリル系トリブロック共重合体(I)は、メタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(A1)および(A2)の2つのメタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロックを有する。
上記重合体ブロック(A1)および(A2)の構成単位となるメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジルなどの官能基を有さないメタクリル酸エステル;メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等の官能基を有するメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、得られる重合体の耐熱性、耐久性を向上させる観点から、官能基を有さないメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニルがより好ましく、重合体ブロック(A1)および(A2)と重合体ブロック(B)との相分離がより明瞭となり、凝集力が高くなる(糊残りしにくくなる)点からメタクリル酸メチルがさらに好ましい。重合体ブロック(A1)および(A2)は、これらメタクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。また、上記アクリル系トリブロック共重合体(I)は、メタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロックとして重合体ブロック(A1)および(A2)の2つを有するが、これら重合体ブロック(A1)および(A2)を構成するメタクリル酸エステルは、同一であっても異なっていてもよい。また、重合体ブロック(A1)および(A2)中に含まれるメタクリル酸エステル単位の割合は、重合体ブロック(A1)および(A2)のそれぞれの重合体ブロック中、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上がよりさらに好ましい。また、重合体ブロック(A1)および(A2)のメタクリル酸エステル単位の割合は100質量%であってもよい。
なお、メタクリル酸エステル単位からなる各重合体ブロック(A1)および(A2)に含まれるメタクリル酸エステル単位の立体規則性は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
アクリル系トリブロック共重合体(I)では、重合体ブロック(A1)および(A2)の合計含有量は35質量%以下であり、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。また、重合体ブロック(A1)および(A2)の合計含有量は4質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましい。重合体ブロック(A1)および(A2)の合計含有量が上記範囲内であると、アクリル系トリブロック共重合体(I)を粘接着剤組成物に含有させた際に、優れた凝集力を発現し、より糊残りしにくくなる傾向にある。また、該粘接着剤組成物は、耐熱接着性、保持力がより優れる傾向にある。また、アクリル系トリブロック共重合体(I)に含まれる重合体ブロック(A1)および(A2)それぞれの含有量は同一であっても異なっていてもよい。
上記重合体ブロック(A1)および(A2)それぞれのガラス転移温度(Tg)は60〜140℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましく、80〜130℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、粘接着剤の通常の使用温度においてこの重合体ブロック(A1)および(A2)は物理的な疑似架橋点として作用し凝集力が発現することになり、粘接着剤組成物に含有させた際に、接着特性、耐久性、耐熱性等に優れる。なお、本明細書におけるガラス転移温度は、DSC測定で得られた曲線の外挿開始温度である。
上記重合体ブロック(A1)および(A2)それぞれのTgは、同一でも異なっていてもよい。上記重合体ブロック(A1)および(A2)それぞれのTgが異なる場合でも、双方の重合体ブロックのTgが上記範囲であることが好ましい一態様である。
(重合体ブロック(B))
アクリル系トリブロック共重合体(I)は、アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(B)を1つ有する。
上記重合体ブロック(B)の構成単位となるアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどの、官能基を有さないアクリル酸エステル;アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸フェノキシエチルなどの、官能基を有するアクリル酸エステルなどが挙げられる。
中でも、粘接着剤組成物とした際の透明性および柔軟性の観点から、一般式CH2=CH−COOR1(式中、R1は炭素数1〜10の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステルがより好ましく、重合体ブロック(A1)および(A2)と重合体ブロック(B)との相分離が明瞭となり粘接着剤組成物が高い凝集力を発現する点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどの、官能基を有さないアクリル酸エステルがよりさらに好ましい。さらに、粘接着剤組成物が常温で適度な粘着性を有し、かつ、広い温度範囲および広い剥離速度条件下で安定した接着力を発現する点から、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチルおよびアクリル酸イソオクチルから選ばれる少なくとも一種がより好ましく、特にアクリル酸n-ブチルが好ましい。
重合体ブロック(B)は、これらアクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロック(B)中に含まれるアクリル酸エステル単位の割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上がよりさらに好ましい。また、重合体ブロック(B)のアクリル酸エステル単位の割合は100質量%であってもよい。
アクリル系トリブロック共重合体(I)では、重合体ブロック(B)の含有量は、通常65質量%以上であり、70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。また、重合体ブロック(B)の含有量は96質量%以下であることが好ましく、92質量%以下であることがより好ましい。重合体ブロック(B)の含有量が上記範囲内であると、アクリル系トリブロック共重合体(I)を粘接着剤組成物に用いた際に、優れた凝集力を発現し、クリープ性がより向上する。
上記重合体ブロック(B)のガラス転移温度(Tg)は−100〜30℃であることが好ましく、−80〜10℃であることがより好ましく、−70〜0℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、粘接着剤組成物に用いた際に優れたタックおよび接着力を有することができる。
上記重合体ブロック(A1)および(A2)、ならびに重合体ブロック(B)には、本発明の効果を損なわない範囲で、お互いのモノマー成分が含有されていてもよい。例えば、重合体ブロック(A1)または(A2)と重合体ブロック(B)との境界でテーパード構造を有していてもよい。また、重合体ブロック(A1)または(A2)と重合体ブロック(B)とはお互いのモノマー成分を含有しないものであってもよい。
また、上記重合体ブロック(A1)および(A2)ならびに重合体ブロック(B)は、必要に応じて他の単量体単位を含有してもよい。かかる他の単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有するビニル系単量体;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の官能基を有するビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブテン、オクテン等のオレフィン系単量体;ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系単量体等が挙げられる。各重合体ブロックがこれら他の単量体を含有する場合、その含有量は、各重合体ブロックを構成する単量体の全質量に対して、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下である。
アクリル系トリブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A1)、重合体ブロック(B)、重合体ブロック(A2)の順に結合した、(A1)−(B)−(A2)ブロック構造を有する。アクリル系トリブロック共重合体(I)がこの構造をすることにより、接着力、保持力、凝集力に優れる粘接着剤組成物が得られる。
アクリル系トリブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は50,000〜250,000である。凝集力および製造時の取扱性の点からは、70,000〜250,000であることが好ましく、100,000〜250,000であることがより好ましく、130,000〜250,000であることがさらに好ましい。アクリル系トリブロック共重合体(I)のMwが50,000未満であると凝集力に劣るおそれがある。また、Mwが250,000を超えると製造時の取り扱い性や加工時の加工性に劣るおそれがある。
アクリル系トリブロック共重合体(I)の分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜1.5であることが好ましく、1.0〜1.4であることがより好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量である。
(アクリル系ジブロック共重合体(II))
本発明の粘接着剤組成物に含まれるアクリル系アクリル系ジブロック共重合体(II)は、メタクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(C)とアクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(D)とを有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜120,000であり、重合体ブロック(C)の含有量が25質量%以下である。
(重合体ブロック(C))
アクリル系ジブロック共重合体(II)は、メタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(C)を1つ有する。
上記重合体ブロック(C)の構成単位となるメタクリル酸エステルの具体例は、アクリル系トリブロック共重合体(I)の重合体ブロック(A1)および(A2)の構成単位となるメタクリル酸エステルと同様である。
これらの中でも、得られる重合体の耐熱性、耐久性を向上させる観点から、官能基を有さないメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニルがより好ましく、重合体ブロック(C)と重合体ブロック(D)との相分離がより明瞭となり、凝集力が高くなる点からメタクリル酸メチルがさらに好ましい。重合体ブロック(C)は、これらメタクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロック(C)中に含まれるメタクリル酸エステル単位の割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上がよりさらに好ましい。また、重合体ブロック(C)のメタクリル酸エステル単位の割合は100質量%であってもよい。
アクリル系ジブロック共重合体(II)では、重合体ブロック(C)の含有量は25質量%以下であり、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。また、重合体ブロック(C)の含有量は2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることが好ましい。重合体ブロック(C)の含有量が上記範囲内であると、アクリル系ジブロック共重合体(II)を粘接着剤組成物に含有させた際に、凝集力を損なわずに、タックと加工性がより向上する傾向にある。
上記重合体ブロック(C)のガラス転移温度(Tg)は60〜140℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましく、80〜130℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、粘接着剤の通常の使用温度においてこの重合体ブロック(C)は物理的な疑似架橋点として作用し凝集力が発現することになり、粘接着剤組成物に含有させた際に、接着特性、耐久性、耐熱性等に優れる。
(重合体ブロック(D))
アクリル系ジブロック共重合体(II)は、アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(D)を1つ有する。
上記重合体ブロック(D)の構成単位となるアクリル酸エステルの具体例は、アクリル系トリブロック共重合体(I)の重合体ブロック(B)の構成単位となるアクリル酸エステルと同様である。
中でも、粘接着剤組成物とした際の透明性および柔軟性の観点から、一般式CH2=CH−COOR1(式中、R1は炭素数1〜10の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステルがより好ましく、重合体ブロック(C)と重合体ブロック(D)の相分離が明瞭となり粘接着剤組成物が高い凝集力を発現する点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどの、官能基を有さないアクリル酸エステルがよりさらに好ましい。さらに、粘接着剤組成物が常温で適度な粘着性を有し、かつ、広い温度範囲および広い剥離速度条件下で安定した接着力を発現する点から、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチルおよびアクリル酸イソオクチルから選ばれる少なくとも一種がより好ましく、特にアクリル酸n-ブチルが好ましい。
重合体ブロック(D)は、これらアクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロック(D)中に含まれるアクリル酸エステル単位の割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上がよりさらに好ましい。また、重合体ブロック(D)のアクリル酸エステル単位の割合は100質量%であってもよい。
アクリル系ジブロック共重合体(II)では、重合体ブロック(D)の含有量は、通常75質量%以上であり、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。また、重合体ブロック(D)の含有量は98質量%以下であることが好ましく、96質量%以下であることがより好ましい。重合体ブロック(D)の含有量が上記範囲内であると、アクリル系ジブロック共重合体(II)を粘接着剤組成物に含有させた際に、凝集力を損なわずに、タックと加工性がより向上する。
上記重合体ブロック(D)のガラス転移温度(Tg)は−100〜30℃であることが好ましく、−80〜10℃であることがより好ましく、−70〜0℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、粘接着剤組成物に用いた際に優れたタックおよび接着力を有することができる。
上記重合体ブロック(C)および重合体ブロック(D)には、本発明の効果を損なわない範囲で、お互いのモノマー成分が含有されていてもよい。例えば、重合体ブロック(C)と重合体ブロック(D)との境界でテーパード構造を有していてもよい。また、重合体ブロック(C)と重合体ブロック(D)とはお互いのモノマー成分を含有しないものであってもよい。
また、上記重合体ブロック(C)および重合体ブロック(D)は、必要に応じて他の単量体単位を含有してもよい。かかる他の単量体の具体例は、アクリル系トリブロック共重合体(I)の重合体ブロック(A1)および(A2)ならびに重合体ブロック(B)に必要に応じて含有される他の単量体単位に用いられるものとして例示される他の単量体と同様である。各重合体ブロックがこれら他の単量体を含有する場合、その含有量は、各重合体ブロックを構成する単量体の全質量に対して、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下である。
アクリル系ジブロック共重合体(II)は、重合体ブロック(C)、重合体ブロック(D)の順に結合した、(C)−(D)ブロック構造を有する。このような構造のアクリル系ジブロック共重合体(II)が、粘接着剤組成物に含まれることにより、タックと加工性がより向上する傾向にある。
アクリル系ジブロック共重合体(II)の重量平均分子量(Mw)は10,000〜120,000である。凝集力および製造時の取扱性の点からは、20,000〜110,000であることが好ましく、25,000〜100,000であることがより好ましく、30,000〜90,000であることがさらに好ましい。アクリル系ジブロック共重合体(II)のMwが10,000未満であると凝集力に劣るおそれがある。また、Mwが120,000を超えると製造時の取り扱い性に劣るおそれがある。
アクリル系ジブロック共重合体(II)の分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜1.5であることが好ましく、1.0〜1.4であることがより好ましい。
本発明の粘接着剤組成物では、アクリル系トリブロック共重合体(I)100質量部に対してアクリル系ジブロック共重合体(II)が1質量部以上50質量部未満である。このような量比でアクリル系トリブロック共重合体(I)とアクリル系ジブロック共重合体(II)とが粘接着剤組成物に含まれることにより、粘接着剤に粘着付与樹脂、可塑剤が含まれない場合でも、ブリードがなく、透明性、保持力、および加工性に優れた粘接着剤組成物が得られる。なお、本発明の粘接着剤組成物では、その成分として粘着付与樹脂および可塑剤が含まれないことがブリードしにくい点から好ましい一態様である。糊残りしにくく、且つ加工性に優れる点からは、アクリル系トリブロック共重合体(I)100質量部に対してアクリル系ジブロック共重合体(II)が1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、2質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。
本発明で用いられるアクリル系トリブロック共重合体(I)およびアクリル系ジブロック共重合体(II)の製造方法は、化学構造に関する本発明の条件を満足する重合体が得られる限りにおいて特に限定されることなく、公知の手法に準じた方法を採用することができる。一般に、分子量分布の狭いブロック共重合体を得る方法としては、構成単位である単量体をリビング重合する方法が取られる。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてリビング重合する方法(特開平06−93060号公報参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩等の鉱酸塩の存在下でリビングアニオン重合する方法(特表平05−507737号公報参照)、有機アルミニウム化合物の存在下で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法(特開平11−335432号公報参照)、原子移動ラジカル重合法(ATRP)(Macromolecular Chemistry and Physics、2000年、201巻、p.1108〜1114参照)等が挙げられる。
上記製造方法のうち、有機アルミニウム化合物の存在下で有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてリビングアニオン重合する方法は、得られるブロック共重合体の透明性が高いものとなり、残存単量体が少なく臭気が抑えられ、また、粘接着剤組成物として用いる際、貼り合わせ後の気泡の発生を抑制できるため好ましい。さらに、メタクリル酸エステル重合体ブロックの分子構造が高シンジオタクチックとなり、粘接着剤組成物の耐熱性を高める効果がある点、比較的温和な温度条件下でリビング重合が可能で工業的に生産する場合に環境負荷(主に重合温度を制御するための冷凍機にかかる電力)が小さい点でも好ましい。
上記有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(1)
AlR234 (1)
(式(1)中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表すか、あるいはR2が上記したいずれかの基であり、R3およびR4が一緒になって置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を形成している。)で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
上記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物としては、重合のリビング性の高さや取り扱いの容易さ等の点から、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム等が好ましく挙げられる。
上記有機アルカリ金属化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、テトラメチレンジリチウム等のアルキルリチウムおよびアルキルジリチウム;フェニルリチウム、p−トリルリチウム、リチウムナフタレン等のアリールリチウムおよびアリールジリチウム;ベンジルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウム等のアラルキルリチウムおよびアラルキルジリチウム;リチウムジメチルアミド等のリチウムアミド;メトキシリチウム、エトキシリチウム等のリチウムアルコキシド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、重合開始効率が高いことから、アルキルリチウムが好ましく、中でもtert−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムがより好ましく、sec−ブチルリチウムがさらに好ましい。
また、上記リビングアニオン重合は、通常、重合反応に不活性な溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル等が挙げられ、トルエンが好適に用いられる。
ブロック共重合体は、例えば、単量体を重合して得た所望のリビングポリマー末端に、所望の重合体ブロック(重合体ブロック(A1)、重合体ブロック(B)等)を形成する工程を所望の回数繰り返した後、重合反応を停止させることにより製造できる。具体的には、例えば有機アルミニウム化合物の存在下、有機アルカリ金属化合物からなる重合開始剤により、第1の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第1工程、第2の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第2工程、および、必要に応じて第3の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第3工程を含む複数段階の重合工程を経て、得られた重合体の活性末端をアルコール等と反応させ、重合反応を停止させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I)およびアクリル系ジブロック共重合体(II)を製造できる。上記のような方法によれば、重合体ブロック(A1)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A2)からなるトリブロック共重合体、重合体ブロック(C)−重合体ブロック(D)からなるジブロック共重合体を製造できる。
重合温度としては、重合体ブロック(A1)、(A2)および(C)を形成する際は0〜100℃、重合体ブロック(B)および(D)を形成する際は−50〜50℃が好ましい。上記範囲より重合温度が低い場合には、反応の進行が遅くなり、反応を完結させるのに長時間必要となる。一方、上記範囲より重合温度が高い場合には、リビングポリマー末端の失活が増え、分子量分布が広くなったり、所望のブロック共重合体が得られなくなったりする。また、各重合体ブロックはそれぞれ1秒〜20時間の範囲で重合できる。
本発明の粘接着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の重合体;軟化剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、染色剤、屈折率調整剤、フィラー、硬化剤、膠着防止剤等の添加剤が含まれていても良い。これら他の重合体および添加剤は、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。なお、本発明の粘着剤組成物の添加剤として、粘着付与樹脂および可塑剤が含まれていないことが好ましい一態様である。
他の重合体としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリノルボルネン等のオレフィン系樹脂;エチレン系アイオノマー;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ポリアミドエラストマー等のポリアミド;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリビニルアルコール;エチレン−ビニルアルコール共重合体;ポリアセタール;ポリフッ化ビニリデン;ポリウレタン;変性ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド;シリコーンゴム変性樹脂;アクリル系ゴム;シリコーン系ゴム;SEPS、SEBS、SIS等のスチレン系熱可塑性エラストマー;IR、EPR、EPDM等のオレフィン系ゴム等が挙げられる。これらの中でも、上記粘接着剤組成物に含まれるアクリル系トリブロック共重合体(I)との相溶性の観点から、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、AS樹脂、ポリ乳酸、ポリフッ化ビニリデンおよびスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
上記フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、および有機繊維;炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の無機充填剤;カーボンブラック等が挙げられる。無機繊維、有機繊維が含まれていると、得られる粘接着剤組成物に耐久性が付与される。無機充填剤が含まれていると、得られる粘接着剤組成物に耐熱性、耐候性が付与される。
本発明の粘接着剤組成物に硬化剤を含ませると、硬化型粘接着剤として好適に使用できる。上記硬化剤としては、UV硬化剤等の光硬化剤、熱硬化剤等が挙げられ、例えば、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類等が挙げられる。具体的には、ベンゾイン、α−メチロールベンゾイン、α−t−ブチルベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾフェノン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、ベンジル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、ジアセチル等が挙げられる。硬化剤は、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
上記硬化剤の効果を高める観点から、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、および、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、マレイン酸エステル等のエステル;アクリルアミド;メタクリルアミド;N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−(ジヒドロキシエチル)アクリルアミド等のアクリルアミド誘導体;N−メチロールメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−(ジヒドロキシエチル)メタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体;ビニルエステル;ビニルエーテル;モノ−N−ビニル誘導体;スチレン誘導体等の単量体;前記単量体を構成成分として含むオリゴマー等がさらに本発明の粘接着剤組成物に含まれていてもよい。耐久性を高める観点からは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、マレイン酸エステル等のエステル;ビニルエーテル;スチレン誘導体;および前記単量体を構成成分として含むオリゴマーが好ましい。また、これらの単量体の他に、さらに2官能以上の単量体またはオリゴマーからなる架橋剤が含まれていてもよい。
本発明の粘接着剤組成物に膠着防止剤を含ませると、取り扱い性の向上が期待できる。上記膠着防止剤としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸金属塩;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸系ワックス等のワックス類;低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィン;アクリル系樹脂粉末;ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン;オクタデシルアミン、リン酸アルキル、脂肪酸エステル、エチレンビスステアリルアミド等のアミド系樹脂粉末、四フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン粉末、シリコーン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、シリカ等が挙げられる。
本発明の粘接着剤組成物の製造方法は特に制限されず、例えば、各成分を、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の既知の混合または混練装置を使用して、通常100〜250℃の範囲内の温度で混合することにより製造できる。また、各成分を有機溶媒に溶解して混合した後、該有機溶媒を留去することによって製造してもよい。得られた粘接着剤組成物は、加熱溶融して使用可能であり、あるいは溶媒に溶解させて溶液型粘接着剤として使用してもよい。溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、エチルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、トルエン−エタノール混合溶媒等が挙げられる。なかでもトルエン、エチルベンゼン、酢酸エチル、メチルエチルケトンが好ましい。
なお、本発明の粘接着剤組成物を加熱溶融して使用する場合、加工性・取扱性の観点から、溶融粘度が低いことが好ましい。
本発明の粘接着剤組成物は、該粘接着剤組成物からなる粘接着層や、該粘接着層を含む積層体(例えば、積層フィルムまたは積層シート)等の形態での粘接着製品に好適に用いられる。
上記粘接着層を形成するには、本発明の粘接着剤組成物を加熱溶融して用いる場合、例えば、ホットメルト塗工法、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー成形法、ラミネーション法等を用いてシート状やフィルム状等の形状に形成できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等の耐熱材料のフィルムまたはシート上に、加熱溶融した粘接着剤組成物をホットメルトコーターを用いて溶融塗工する方法を用いて粘着層を形成することができる。また、本発明の粘接着剤組成物を溶媒に溶解して用いる場合、例えば、支持体としてポリエチレンテレフタレート等の耐熱材料やスチールベルト等の平板またはロールを用い、これらの上に、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーター等を用いてアクリル系トリブロック共重合体(I)、アクリル系ジブロック共重合体(II)、および粘着付与樹脂などを含む組成物を溶媒に溶解させた溶液を塗工し、乾燥により溶媒を除去する方法(溶液キャスト法)を用いて粘接着層を形成することができる。
乾燥により溶媒を除去する方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができるが、複数の段階に分けて乾燥を行うことが好ましい。複数の段階に分けて乾燥を行う場合には、1段階目の乾燥は、溶媒の急激な揮発による発泡を抑制するために、比較的低い温度で行い、2段階目以降の乾燥は、十分に溶媒を除去するために、高温で乾燥を行う方法がより好ましい。
上記溶液中のアクリル系トリブロック共重合体(I)、アクリル系ジブロック共重合体(II)、および粘着付与樹脂などを含む組成物の濃度は、該組成物の溶媒に対する溶解度、得られる溶液の粘度等を考慮して適宜決定されるが、好ましい下限値が5質量%、好ましい上限値が70質量%である。
上記積層体は、本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着層と、紙、セロハン、プラスチック材料、布、木材、および金属等の種々の基材を積層することにより得られる。透明な材料からなる基材層であると、本発明の粘接着剤組成物は透明性や耐候性に優れることから、透明な積層体が得られるため好適である。透明な材料からなる基材層としては、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、シクロオレフィン系樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の重合体と種々のモノマーとの共重合体、これら重合体の2種以上の混合物、およびガラス等からなる基材層が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記積層体の構成としては、例えば、本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着層と基材層との2層構成、基材層2層と本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着層との3層構成(基材層/粘接着層/基材層)、基材層と本発明の粘接着剤組成物からなる異なる2層の粘接着層(a)および粘接着層(b)と基材層との4層構成(基材層/粘接着層(a)/粘接着層(b)/基材層)、基材層と本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着層(a)と他の材料からなる粘接着層(c)と基材層との4層構成(基材層/粘接着層(a)/粘接着層(c)/基材層)、基材層3層と本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着層2層との5層構成(基材層/粘接着層/基材層/粘接着層/基材層)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記積層体の厚み比としては特に制限されないが、得られる粘接着製品の粘着性、耐久性、取り扱い性から、基材層/粘接着層=1/1000〜1000/1の範囲であることが好ましく、1/200〜200/1の範囲であることがより好ましい。
上記積層体を製造する際は、粘接着層と基材層をそれぞれ形成したのちラミネーション法等によりそれらを貼り合わせてもよいし、基材層上に直接粘接着層を形成してもよい。また、粘接着層と基材層を共押出することにより層構造を一度に形成して、例えば共押出しフィルムまたは共押出しシート等として積層体を製造してもよい。
本発明の積層体においては、基材層と粘接着層との密着力を高めるために、基材層の表面にコロナ放電処理やプラズマ放電処理等の表面処理を予め施してもよい。また、上記粘接着層および基材層の少なくとも一方の表面に、接着性を有する樹脂等を用いてアンカー層を形成してもよい。
かかるアンカー層に用いる樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ブロック共重合体(例えば、SIS、SBS等のスチレン系トリブロック共重合体、およびジブロック共重合体等)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。上記アンカー層は一層であってもよく、二層以上であってもよい。
アンカー層を形成させる場合、その方法は特に制限されず、例えば、基材層に上記樹脂を含む溶液を塗工してアンカー層を形成させる方法、アンカー層となる上記樹脂等を含む組成物を加熱溶融してTダイ等により基材層表面にアンカー層を形成させる方法等が挙げられる。
また、アンカー層を形成させる場合、アンカー層となる上記樹脂と本発明の粘接着剤組成物とを共押出して基材層表面にアンカー層と粘接着層とを一体積層してもよく、基材層表面にアンカー層となる樹脂と粘接着剤組成物とを順次積層してもよく、さらに、基材層がプラスチック材料である場合には、基材層となるプラスチック材料、アンカー層となる樹脂、および粘接着剤組成物を同時に共押出してもよい。
本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着剤は、種々の用途に使用できる。また該粘接着剤組成物からなる粘接着層は、単体で粘接着シートとして使用できるし、該粘接着層を含む積層体も種々の用途に適用できる。例えば、表面保護等の保護用、マスキング用、結束用、包装用、事務用、ラベル用、装飾・表示用、接合用、ダイシングテープ用、シーリング用、防食・防水用、医療・衛生用、ガラス飛散防止用、電気絶縁用、電子機器保持固定用、半導体製造用、光学表示フィルム用、粘着型光学フィルム用、電磁波シールド用、または電気・電子部品の封止材用の粘接着剤、粘着テープ、フィルムまたはシート等が挙げられる。以下、具体例を挙げる。
表面保護用の粘接着剤、粘着テープまたはフィルム等は、金属、プラスチック、ゴム、木材等種々の材料に使用でき、具体的には塗料面、金属の塑性加工や深絞り加工時、自動車部材、光学部材の表面保護のために使用できる。該自動車部材としては、塗装外板、ホイール、ミラー、ウィンドウ、ライト、ライトカバー等が挙げられる。該光学部材としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等の各種画像表示装置;偏光フィルム、偏光板、位相差板、導光板、拡散板、DVD等の光ディスク構成フィルム;電子・光学用途向け精密ファインコート面板等が挙げられる。
マスキング用の粘接着剤、テープやフィルム等の用途としては、プリント基板やフレキシブルプリント基板の製造時のマスキング;電子機器でのメッキやハンダ処理時のマスキング;自動車等車両の製造、車両・建築物の塗装、捺染、土木工事見切り時のマスキング等が挙げられる。
結束用途としては、ワイヤーハーネス、電線、ケーブル、ファイバー、パイプ、コイル、巻線、鋼材、ダクト、ポリ袋、食品、野菜、花卉等が挙げられる。
包装用途としては、重量物梱包、輸出梱包、段ボール箱の封緘、缶シール等が挙げられる。
事務用途としては、事務汎用、封緘、書籍の補修、製図、メモ用等が挙げられる。
ラベル用途としては、価格、商品表示、荷札、POP、ステッカー、ストライプ、ネームプレート、装飾、広告用等が挙げられる。
上記ラベルとしては、紙、加工紙(アルミ蒸着加工、アルミラミネート加工、ニス加工、樹脂加工等を施された紙)、合成紙等の紙類;セロハン、プラスチック材料、布、木材および金属製のフィルム等を基材とするラベルが挙げられる。基材の具体例としては、例えば、上質紙、アート紙、キャスト紙、サーマル紙、ホイル紙;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、OPPフィルム、ポリ乳酸フィルム、合成紙、合成紙サーマル、オーバーラミフィルム等が挙げられる。中でも、本発明の粘接着剤組成物は、透明性・耐候性に優れる点で、透明な材料からなる基材を用いたラベルに好適に用いることができる。また、本発明の粘接着剤組成物は、経時的な変色が少ないため、サーマル紙や合成紙サーマルを基材とするサーマルラベルに好適に用いることができる。
上記ラベルの被着体としては、プラスチックボトル、発泡プラスチック製ケース等のプラスチック製品;ダンボール箱等の紙製・ダンボール製品;ガラス瓶等のガラス製品;金属製品;セラミックス等その他の無機材料製品等が挙げられる。
本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着層を含む積層体からなるラベルは、室温よりやや高い温度(例えば40℃)で保管時に接着亢進が少なく、使用後に糊残りなく剥がすことができる。しかも低温(−40〜+10℃)でも被着体に貼合でき、低温(−40〜+10℃)で保管しても剥がれることがない。
装飾・表示用途としては、危険表示シール、ラインテープ、配線マーキング、蓄光テープ、反射シート等が挙げられる。
粘着型光学フィルム用途としては、例えば偏光フィルム、偏光板、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、反射防止フィルム、アンチグレアフィルム、カラーフィルター、導光板、拡散フィルム、プリズムシート、電磁波シールドフィルム、近赤外線吸収フィルム、機能性複合光学フィルム、ITO貼合用フィルム、耐衝撃性付与フィルム、輝度向上フィルム、視認性向上フィルム等の片面若しくは両面の少なくとも一部または全部に粘接着層を形成した光学フィルム等が挙げられる。かかる粘着型光学フィルムは、上記光学フィルムの表面保護のために用いられる保護フィルムに本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着層を形成させたフィルムを含む。粘着型光学フィルムは、液晶表示装置、PDP、有機EL表示装置、電子ペーパー、ゲーム機、モバイル端末等の各種画像表示装置に好適に用いられる。
電気絶縁用途としては、コイルの保護被覆または絶縁、モータ・トランス等の層間絶縁等が挙げられる。
電子機器保持固定用途としては、キャリアテープ、パッケージング、ブラウン管の固定、スプライシング、リブ補強等が挙げられる。
半導体製造用としては、シリコーンウエハーの保護用等が挙げられる。
接合用途としては、各種接着分野、自動車、電車、電気機器、印刷版固定、建築、銘板固定、一般家庭用、粗面、凹凸面、曲面への接着用等が挙げられる。
シーリング用途としては、断熱、防振、防水、防湿、防音または防塵用のシーリング等が挙げられる。
防食・防水用途としては、ガス、水道管の防食、大口径管の防食、土木建築物の防食等が挙げられる。
医療・衛生用途としては、鎮痛消炎剤(プラスター、パップ)、虚血性心疾患治療剤、女性ホルモン補充剤、気管支拡張剤、癌性疼痛緩和剤、禁煙補助剤、感冒用貼付剤、鎮痒パッチ、角質軟化剤等の経皮吸収薬用途;救急絆創膏(殺菌剤入り)、サージカルドレッシング・サージカルテープ、絆創膏、止血絆、ヒト排泄物処理装着具用テープ(人工肛門固定テープ)、縫合用テープ、抗菌テープ、固定テーピング、自着性包帯、口腔粘膜貼付テープ、スポーツ用テープ、脱毛用テープ等種々のテープ用途;フェイスパック、目元潤いシート、角質剥離パック等の美容用途;冷却シート、温熱カイロ、防塵、防水、害虫捕獲用等が挙げられる。
電子・電気部品の封止材用途としては、液晶モニター、太陽電池等が挙げられる。
以下に本発明を実施例、比較例などにより具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。なお、以下に示す製造例1〜14では、モノマーやその他の化合物は、常法により乾燥精製し、窒素にて脱気して使用した。また、モノマーや他の化合物の反応系への移送および供給は窒素雰囲気下で行った。
以下の例において、重合体(ブロックを形成する重合体)およびブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)はGPCによりポリスチレン換算分子量で求めた。GPCで用いた測定装置および条件は次のとおりである。
[GPC測定の装置および条件]
・装置:東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8020」
・分離カラム:東ソー株式会社製「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結
・溶離剤:テトラヒドロフラン
・溶離剤流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
また、以下の例において、ブロック共重合体における各重合体ブロックの含有量は、1H−NMR測定によって求めた。1H−NMR測定で用いた測定装置および条件は次のとおりである。
1H−NMR測定の装置および条件]
・装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「JNM−LA400」
・重溶媒:重水素化クロロホルム
1H−NMRスペクトルにおいて、3.6ppmおよび4.0ppm付近のシグナルは、それぞれ、メタクリル酸メチル単位のエステル基(−O−CH3)およびアクリル酸エステル単位のエステル基(−O−C 2−CH2−CH2−CH3)に帰属され、その積分値の比によって各重合体ブロックの含有量を求めた。
粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着テープの評価は、以下の方法により行った。
[相溶性]
後述の方法により作製した厚さ25μmの粘着層を有する粘着テープ作製24時間後の外観により相溶性を評価した。粘着テープが無色透明で全く白濁が見られないものは「A」(相溶性 良)、ムラや白濁が見られるものは「B」(相溶性 悪)とした。
[紙に貼った後のブリード状況、糊残り]
後述の方法により作製した厚さ25μmの粘着層を有する粘着テープを作製し、紙に貼り合わせた。60℃下で1週間保持した後、粘着テープを剥がした際の紙表面を観察し、液状物のにじみ出しの有無、及び糊残りの有無を評価した。
[加工性]
加工性は、以下のようにして評価した。160℃に設定したニーダーにトリブロック共重合体を投入して均一に溶融させた後、ニーダーの温度を145℃に設定し、ジブロック共重合体または可塑剤をニーダーに投入してこれら混合物が均一になるように溶融混練した際の加工のしやすさを2段階(i,ii)で評価し加工性の指標とした。加工性が良好な場合は「i」、配合物の粘度が高い場合、及び粘度低減効果が小さく加工性が改善されない場合は「ii」として評価した。
《製造例1》[アクリル系トリブロック共重合体(I−1)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1408gと1,2−ジメトキシエタン32.7gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム24.5mmolを含有するトルエン溶液48.6gを加え、さらにsec−ブチルリチウム4.08mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液2.39gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル32.6gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル410gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル45.3gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノ−ル15gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−1)445gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−1)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(I−1)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。
《製造例2》[アクリル系トリブロック共重合体(I−2)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1409gと1,2−ジメトキシエタン32.7gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム24.5mmolを含有するトルエン溶液48.6gを加え、さらにsec−ブチルリチウム3.15mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液1.85gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル32.6gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル410gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル45.3gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノ−ル15gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−2)445gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−2)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(I−2)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。
《製造例3》[アクリル系トリブロック共重合体(I−3)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1409gと1,2−ジメトキシエタン32.7gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム24.5mmolを含有するトルエン溶液48.6gを加え、さらにsec−ブチルリチウム2.55mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液1.50gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル22.7gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル434gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル29.4gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノ−ル15gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−3)440gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−3)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(I−3)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。
《製造例4》[アクリル系トリブロック共重合体(I−4)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1409gと1,2−ジメトキシエタン32.7gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム24.5mmolを含有するトルエン溶液48.6gを加え、さらにsec−ブチルリチウム4.35mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液2.55gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル43.5gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル360gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル61.5gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノ−ル15gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−4)450gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−4)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(I−4)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。
《製造例5》[アクリル系トリブロック共重合体(I−5)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1302gと1,2−ジメトキシエタン65.1gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム60.3mmolを含有するトルエン溶液120.0gを加え、さらにsec−ブチルリチウム7.50mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液4.34gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル53.9gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル360gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル53.9gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノ−ル20gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−5)440gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−5)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(I−5)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。
《製造例6》[アクリル系トリブロック共重合体(I−6)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1302gと1,2−ジメトキシエタン65.1gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム60.3mmolを含有するトルエン溶液120.0gを加え、さらにsec−ブチルリチウム7.50mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液4.34gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル69.3gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル315gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル65.9gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノ−ル20gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−6)440gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−6)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(I−6)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。
《製造例7》[アクリル系トリブロック共重合体(I−7)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1302gと1,2−ジメトキシエタン65.1gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム120.6mmolを含有するトルエン溶液240.0gを加え、さらにsec−ブチルリチウム15.0mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液8.67gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル45.0gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル360gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル45.0gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノ−ル20gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−7)440gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−7)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(I−7)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。
《製造例8》[アクリル系トリブロック共重合体(I−8)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1302gと1,2−ジメトキシエタン65.1gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム24.5mmolを含有するトルエン溶液48.6gを加え、さらにsec−ブチルリチウム1.58mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液0.92gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル21.6gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル415gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)さらに、これにメタクリル酸メチル28.2gを加え、一晩室温にて攪拌した。
(5)メタノ−ル20gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系トリブロック共重合体(I−8)440gを得た。得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−8)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系トリブロック共重合体(I−8)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの合計含有量を求めた。
《製造例9》[アクリル系ジブロック共重合体(II−1)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1204gと1,2−ジメトキシエタン87.5gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム27.3mmolを含有するトルエン溶液54.3gを加え、さらにsec−ブチルリチウム10.9mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液6.41gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル40.2gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル567gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)メタノ−ル20.0gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系ジブロック共重合体(II−1)580gを得た。得られたアクリル系ジブロック共重合体(II−1)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系ジブロック共重合体(II−1)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの含有量を求めた。
《製造例10》[アクリル系ジブロック共重合体(II−2)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1204gと1,2−ジメトキシエタン87.5gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム27.3mmolを含有するトルエン溶液54.3gを加え、さらにsec−ブチルリチウム10.0mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液5.90gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル40.2gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル593gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)メタノ−ル20.0gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系ジブロック共重合体(II−2)605gを得た。得られたアクリル系ジブロック共重合体(II−2)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系ジブロック共重合体(II−2)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの含有量を求めた。
《製造例11》[アクリル系ジブロック共重合体(II−3)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1204gと1,2−ジメトキシエタン87.5gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム27.3mmolを含有するトルエン溶液54.3gを加え、さらにsec−ブチルリチウム12.3mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液7.20gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル43.5gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル567gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)メタノ−ル20.0gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系ジブロック共重合体(II−3)590gを得た。得られたアクリル系ジブロック共重合体(II−3)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系ジブロック共重合体(II−3)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの含有量を求めた。
《製造例12》[アクリル系ジブロック共重合体(II−4)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1204gと1,2−ジメトキシエタン87.5gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム27.3mmolを含有するトルエン溶液54.3gを加え、さらにsec−ブチルリチウム11.5mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液6.75gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル300gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル300gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)メタノ−ル20.0gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系ジブロック共重合体(II−4)580gを得た。得られたアクリル系ジブロック共重合体(II−4)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系ジブロック共重合体(II−4)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの含有量を求めた。
《製造例13》[アクリル系ジブロック共重合体(II−5)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1204gと1,2−ジメトキシエタン87.5gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム27.3mmolを含有するトルエン溶液54.3gを加え、さらにsec−ブチルリチウム4.50mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液2.63gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル180gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル420gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)メタノ−ル20.0gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系ジブロック共重合体(II−5)590gを得た。得られたアクリル系ジブロック共重合体(II−5)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系ジブロック共重合体(II−5)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの含有量を求めた。
《製造例14》[アクリル系ジブロック共重合体(II−6)の製造]
(1)3Lの三口フラスコに三方コックを付け内部を窒素で置換した後、室温にて攪拌しながら、トルエン1204gと1,2−ジメトキシエタン87.5gを加え、続いて、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム27.3mmolを含有するトルエン溶液54.3gを加え、さらにsec−ブチルリチウム4.50mmolを含有するsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液2.63gを加えた。
(2)続いて、これにメタクリル酸メチル43.5gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。
(3)引き続き、重合液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル567gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間攪拌した。
(4)メタノ−ル20.0gを添加して重合反応を停止した後、得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、沈殿物を析出させた。その後、沈殿物を回収し、乾燥させることにより、アクリル系ジブロック共重合体(II−6)590gを得た。得られたアクリル系ジブロック共重合体(II−6)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法でGPC測定により求めた。また、上述した1H−NMR測定により、アクリル系ジブロック共重合体(II−6)中のメタクリル酸メチル単位からなる重合体ブロックの含有量を求めた。
上記製造例1〜14で得たアクリル系トリブロック共重合体(I−1)〜(I−8)、アクリル系ジブロック共重合体(II−1)〜(II−6)のブロック構造、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、PMMA重合体ブロック(メタクリル酸メチル単位100質量%からなる重合体ブロック)の合計含有量を表1に示す。なお、表1中、PMMAはメタクリル酸メチル単位100質量%からなる重合体ブロック、PnBAはアクリル酸n−ブチル単位100質量%からなるブロックを意味する。
Figure 2017190463
また、比較例では可塑剤として、以下のものを使用した。
(可塑剤)
・商品名「DOP」新日本理化株式会社製、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート
・商品名「Eastman 168SG」Eastman製、ビス(2−エチルヘキシル)テレフタレート
・商品名「Micryl 105」Polychem製、ポリn−ブチルアクリレートオリゴマー
[実施例1]
上記製造例1で得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−1)と製造例9で得られたアクリル系ジブロック共重合体(II−1)とを下記表2Aに示す質量比で、かつこれらの合計が40質量%になるようにトルエンに溶解し、40質量%の粘着剤組成物を含有するトルエン溶液を作製した。得られたトルエン溶液をコーターによってポリエチレンテレフタレート製フィルム(東洋紡エステルフィルムE5000、厚さ50μm)上に乾燥後の粘着層の厚さが25μmになるようにコーティングした後、該フィルムを100℃、3分熱処理して、乾燥した粘着層がポリエチレンテレフタレート製フィルム上に形成された粘着テープを作製した。粘着テープ作製24時間後の外観は透明であり、相溶性は良好「A」であった。また、粘着テープを紙に貼り合わせた後、60℃下で1週間保持した後、粘着テープを剥がした際の紙表面を観察したところ、液状物のにじみ出しは無く、紙側への糊残りも無かった。
加工性については、160℃に設定したニーダーに製造例1で得られたアクリル系トリブロック共重合体(I−1)を投入して均一に溶融させた。その後、そのニーダーの温度を145℃に設定し、下記表2Aに示す質量比になるように、製造例9で得られたアクリル系ジブロック共重合体(II−1)をニーダーに投入してこれら混合物が均一になるように溶融混練した。溶融混練した際の加工性は良好「i」であり、すぐに均一な粘着剤組成物が得られた。
評価結果を表2Aに記載した。
[実施例2〜16]
粘着剤組成物の配合を表2A、表2Bに記載の配合(A−2〜16)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様に、粘着剤組成物の作製、および厚さが25μmの粘着テープの作製を行い、得られた粘着テープを評価した。評価結果を表2A、表2Bに記載した。また、加工性の評価は粘着剤組成物の配合を表2A、表2Bに記載の配合(A−2〜16)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様にニーダーを用いて行い、評価結果を表2A、表2Bに記載した。
[比較例1、2]
粘着剤組成物の配合を表2Aに記載の配合(B−1、2)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様に40質量%の粘着剤組成物を含有するトルエン溶液の作製、および厚さが25μmの粘着層がポリエチレンテレフタレート製フィルム上に形成された粘着テープの作製を行い、得られた粘着テープを評価した。得られた粘着テープ作製24時間後の外観はムラが見られ、相溶性は好ましくなく「B」であった。また、粘着テープを紙に貼り合わせた後、60℃下で1週間保持した後、粘着テープを剥がした際の紙表面を観察したところ、液状物のにじみ出しは無く、紙側への糊残りも無かった。評価結果を表2Aに記載した。
また、加工性の評価は粘着剤組成物の配合を表2Aに記載の配合(B−1、2)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様にニーダーを用いて行ったが、配合物の粘度が高く加工性は悪く「ii」であった。評価結果を表2Aに記載した。
[比較例3]
粘着剤組成物の配合を表2Aに記載の配合(B−3)に変更する以外は実施例1と同様に40質量%の粘着剤組成物を含有するトルエン溶液の作製、および厚さが25μmの粘着層がポリエチレンテレフタレート製フィルム上に形成された粘着テープの作製を行い、得られた粘着テープを評価した。得られた粘着テープ作製24時間後の外観はムラが見られ、相溶性は好ましくなく「B」であった。また、粘着テープを紙に貼り合わせた後、60℃下で1週間保持した後、粘着テープを剥がした際の紙表面を観察したところ、液状物のにじみ出しは無く、紙側への糊残りも無かった。評価結果を表2Aに記載した。
また、加工性の評価は粘着剤組成物の配合を表2Aに記載の配合(B−3)に変更する以外は実施例1と同様にニーダーを用いて行ったところ、加工性は良好「i」であり、すぐに均一な粘着剤組成物が得られた。評価結果を表2Aに記載した。
[比較例4、5]
粘着剤組成物の配合を表2Cに記載の配合(B−4、5)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様に40質量%の粘着剤組成物を含有するトルエン溶液の作製、および厚さが25μmの粘着層がポリエチレンテレフタレート製フィルム上に形成された粘着テープの作製を行い、得られた粘着テープを評価した。得られた粘着テープの作製24時間後の外観は透明であり、相溶性は良好「A」であった。また、粘着テープを紙に貼り合わせた後、60℃下で1週間保持した後、粘着テープを剥がした際の紙表面を観察したところ、液状物のにじみ出しは無かったが、紙側への糊残りがわずかに見られた。評価結果を表2Cに記載した。
また、加工性の評価は粘着剤組成物の配合を表2Cに記載の配合(B−4、5)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様にニーダーを用いて行ったところ、加工性は良好「i」であり、すぐに均一な粘着剤組成物が得られた。評価結果を表2Cに記載した。
[比較例6]
粘着剤組成物の配合を表2Cに記載の配合(B−6)に変更する以外は実施例1と同様に40質量%の粘着剤組成物を含有するトルエン溶液の作製、および厚さが25μmの粘着層がポリエチレンテレフタレート製フィルム上に形成された粘着テープの作製を行い、得られた粘着テープを評価した。得られた粘着テープ作製24時間後の外観は透明であり、相溶性は良好「A」であった。また、粘着テープを紙に貼り合わせた後、60℃下で1週間保持した後、粘着テープを剥がした際の紙表面を観察したところ、液状物のにじみ出しは無く、紙側への糊残りも無かった。評価結果を表2Cに記載した。
また、加工性の評価は粘着剤組成物の配合を表2Cに記載の配合(B−6)に変更する以外は実施例1と同様にニーダーを用いて行ったが、配合物の粘度が高く加工性は悪く「ii」であった。評価結果を表2Cに記載した。
[比較例7〜11]
粘着剤組成物の配合を表2Cに記載の配合(B−7〜11)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様に40質量%の粘着剤組成物を含有するトルエン溶液の作製、および厚さが25μmの粘着層がポリエチレンテレフタレート製フィルム上に形成された粘着テープの作製を行い、得られた粘着テープを評価した。得られた粘着テープ作製24時間後の外観は透明であり、相溶性は良好「A」であった。また、粘着テープを紙に貼り合わせた後、60℃下で1週間保持した後、粘着テープを剥がした際の紙表面を観察したところ、紙側への糊残りは無かったが、紙側への液状物のにじみ出しが有った。評価結果を表2Cに記載した。
また、加工性の評価は粘着剤組成物の配合を表2Cに記載の配合(B−7〜11)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様にニーダーを用いて行ったところ、加工性は良好「i」であり、すぐに均一な粘着剤組成物が得られた。評価結果を表2Cに記載した。なお、可塑剤は「加工性」の項に記載されるように、160℃に設定したニーダーにトリブロック共重合体を投入して均一に溶融させた後、ニーダーの温度を145℃に設定してから可塑剤をニーダーに投入している。
Figure 2017190463
Figure 2017190463
Figure 2017190463
上記実施例において示したように、本発明の粘接着剤組成物は作製する段階での加工性が良好であり、その粘着剤組成物からなる粘着テープの外観は透明であり、紙基材へのブリードや糊残りがなく粘着特性も良好であった。
一方、比較例1、2のように、本発明の範囲外の大きい分子量からなるジブロック共重合体を用いた場合は、配合物の粘度が高く、粘接着剤組成物を作製する段階での加工性が悪く、粘着テープの外観も悪くなりやすいことがわかる。
また、比較例3のように本発明の範囲外の組成からなるジブロック共重合体を用いた場合は、粘接着剤組成物を作製する段階での加工性は良好であるが、粘着テープの外観が悪くなりやすいことがわかる。
また、比較例4のように、本発明の範囲外の小さい分子量からなるトリブロック共重合体を用いた場合は、粘着テープを紙に貼り合わせた後、60℃下で1週間保持した後の紙側への糊残りが起きやすいことがわかる。
また、比較例5のように、本発明の範囲内のトリブロック共重合体、ジブロック共重合体を用いたとしても、ジブロック共重合体の量が多い場合は、紙側への糊残りが起きやすいことがわかる。
また、比較例6のように、本発明の範囲外の大きい分子量からなるトリブロック共重合体を用いた場合は、配合物の粘度が高く、粘接着剤組成物を作製する段階での加工性が悪くなりやすいことがわかる。
また、比較例7〜11のように、本発明の必須構成成分であるジブロック共重合体を用いずに可塑剤を用いた場合は、紙側への液状物のにじみ出しが起きやすいことがわかる。
以上から、本発明の粘接着剤組成物は加工性が良好であり、その粘着剤組成物からなる粘着テープの外観は透明であり、ブリードもしにくく、糊残りもしにくい(保持力に優れている)ことがわかる。

Claims (1)

  1. メタクリル酸エステル単位からなる2つの重合体ブロック(A1)および(A2)とアクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(B)とを有し、(A1)−(B)−(A2)ブロック構造を有し、重量平均分子量(Mw)が50,000〜250,000であり、重合体ブロック(A1)および(A2)の合計含有量が35質量%以下であるアクリル系トリブロック共重合体(I)と、
    メタクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(C)とアクリル酸エステル単位からなる1つの重合体ブロック(D)とを有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜120,000であり、重合体ブロック(C)の含有量が25質量%以下であるアクリル系ジブロック共重合体(II)とを含有し、
    アクリル系トリブロック共重合体(I)100質量部に対してアクリル系ジブロック共重合体(II)が1質量部以上50質量部未満である粘着剤組成物。
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