JP2024041221A - エネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シート、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

エネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シート、並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な粘着力を有しながらも耐熱性に優れる粘着剤を形成し得るエネルギー線架橋性粘着剤組成物、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を用いた粘着シート、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物をエネルギー線架橋させてなる架橋粘着剤及びその製造方法、並びに、該架橋粘着剤を用いた粘着シート及びその製造方法を提供する。【解決手段】(A)一般式(1)で表されるブロック共重合体と、(B1)テルペン系粘着付与剤と、(B2)スチレン系粘着付与剤と、(C)光重合開始剤と、を含有する、エネルギー線架橋性粘着剤組成物、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を用いた粘着シート、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物をエネルギー線架橋させてなる架橋粘着剤及びその製造方法、並びに、該架橋粘着剤を用いた粘着シート及びその製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、エネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シート、並びにこれらの製造方法に関する。
粘着シートは、OA機器、家電製品、自動車、建築等の分野における部品の固定用途又は仮固定用途、各種情報を表示するためのラベル用途、マスキング用途等、幅広い産業分野で使用されている。また、粘着シートは、近年、急速に普及しているディスプレイ、タッチパネル等において、視認性の向上を目的として部材間のエアギャップを埋める、いわゆる光学透明粘着剤(OCA;Optical Clear Adhesive)等としても使用されており、その用途は一層広がりつつある。
合成ゴム系粘着剤は、分子設計、粘着付与剤等の添加剤との組み合わせによって、幅広い粘着性能の設計が可能であり、比較的安価なため、広く使用されている。また、合成ゴム系粘着剤は、基材等に塗工する際に溶媒を必要としないホットメルト粘着剤としても使用できるため、粘着シートを製造する際の環境負荷が小さいという利点がある。
合成ゴム系粘着剤のベース樹脂としては、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロック共重合体等のブロック共重合体が使用されている。該SISは、ポリイソプレンブロックからなるソフトセグメントが粘着力に寄与すると共に、常温付近では、ポリスチレンブロックからなるハードセグメントが分子間力による物理的な擬似架橋点を形成して十分な強度を発現し得るものである。一方、該擬似架橋点は、高温環境下で解かれる性質を有するため、SISを用いた粘着剤の凝集力は加熱によって著しく低下し、一定の温度を超えると溶融する。この溶融する性質は、ホットメルト粘着剤としての使用を可能にする点で利点になり得るが、反面、粘着剤としての耐熱性を低下させる要因となる。
特許文献1には、結合スチレン30重量%、結合ブタジエン21重量%、結合イソプレン49重量%である(S-B-I)-X型ブロック共重合体(1)と、結合スチレン30重量%、結合ブタジエン21重量%、結合イソプレン49重量%である(S-B-I)型ブロック共重合体(2)とを含有し、(1)および(2)の重量が、(1)/(2)=30/70(重量比)であるブロック共重合体組成物が開示されている。
特開平07-238207号公報
特許文献1の技術によると、溶融加工時の低粘度性と耐熱性に優れたブロック共重合体組成物を提供することができるとされている。
しかしながら、特許文献1の技術によっても、十分な粘着力及び耐熱性が得られているとは言えなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、良好な粘着力を有しながらも耐熱性に優れる粘着剤を形成し得るエネルギー線架橋性粘着剤組成物、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を用いた粘着シート、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物をエネルギー線架橋させてなる架橋粘着剤及びその製造方法、並びに、該架橋粘着剤を用いた粘着シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、特定の構造を有するブロック共重合体、及び、特定の粘着付与剤を用いることによって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]~[15]に関する。
[1](A)下記一般式(1)で表されるブロック共重合体と、
(ZAr-ZD1X(ZD2 (1)
(式中、ZArは、芳香族モノビニル化合物の重合体ブロックであり、ZD1及びZD2は、各々独立に、共役ジエン化合物の重合体ブロックであり、Xは、カップリング剤のm+n価の残基である。mは、Xに結合するZAr-ZD1で表される鎖の数であり、1以上の整数である。nは、Xに結合するZD2で表される鎖の数であり、0以上の整数である。m+nは3以上の整数である。)
(B1)テルペン系粘着付与剤と、
(B2)スチレン系粘着付与剤と、
(C)光重合開始剤と、
を含有する、エネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[2]前記(B2)スチレン系粘着付与剤の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、1~40質量部である、上記[1]に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[3]前記(B2)スチレン系粘着付与剤の含有量に対する前記(B1)テルペン系粘着付与剤の含有量の比〔(B1)/(B2)〕が、質量基準で、1~100である、上記[1]又は[2]に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[4]前記(B2)スチレン系粘着付与剤中におけるスチレン系化合物に由来する構成単位の含有量が、50~100質量%である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[5]前記(B2)スチレン系粘着付与剤の軟化点が、80~150℃である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[6]前記共役ジエン化合物が、イソプレンである、上記[1]~[5]のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[7]前記芳香族モノビニル化合物が、スチレン系化合物である、上記[1]~[6]のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[8]さらに、(D)23℃で液状である軟化剤を含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[9]光学材料用である、上記[1]~[8]のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
[10]基材又は剥離材上に、上記[1]~[9]のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を有する、粘着シート。
[11]上記[1]~[9]のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射してなる、架橋粘着剤。
[12]ゲル分率が、20~65質量%である、上記[11]に記載の架橋粘着剤。
[13]上記[11]又は[12]に記載の架橋粘着剤を製造する方法であって、
前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射する工程を有する、架橋粘着剤の製造方法。
[14]基材又は剥離材上に、上記[11]又は[12]に記載の架橋粘着剤からなる粘着剤層を有する、粘着シート。
[15]上記[14]に記載の粘着シートを製造する方法であって、
前記基材又は剥離材上に、前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する工程と、
該エネルギー線架橋性粘着剤組成物層にエネルギー線を照射する工程と、を含む、
粘着シートの製造方法。
本発明によると、良好な粘着力を有しながらも耐熱性に優れる粘着剤を形成し得るエネルギー線架橋性粘着剤組成物、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を用いた粘着シート、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物をエネルギー線架橋させてなる架橋粘着剤及びその製造方法、並びに、該架橋粘着剤を用いた粘着シート及びその製造方法を提供することができる。
本発明の粘着シートの構成の一例を示す模式的断面図である。 本発明の粘着シートの構成の別の例を示す模式的断面図である。 本発明の粘着シートの構成の別の例を示す模式的断面図である。
本明細書において、「有効成分」とは、対象となる組成物に含有される成分のうち、希釈溶媒を除いた成分を指す。
明細書において、数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される標準ポリスチレン換算の値であり、具体的には実施例に記載の方法に基づいて測定した値である。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10~90、より好ましくは30~60」という記載から、「好ましい下限値(10)」と「より好ましい上限値(60)」とを組み合わせて、「10~60」とすることもできる。
本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、放射線、電子線等が挙げられる。紫外線は、無電極ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ブラックライト、LEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。なお、本発明の一態様におけるエネルギー線としては上記したものの中でも、紫外線が好ましい。
本明細書において、「エネルギー線架橋性」とは、エネルギー線を照射することにより架橋構造を形成する性質を意味する。
本明細書に記載されている作用機序は推測であって、本発明の効果を奏する機序を限定するものではない。
[エネルギー線架橋性粘着剤組成物及び架橋粘着剤]
本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物は、
(A)下記一般式(1)で表されるブロック共重合体(以下、単に「(A)ブロック共重合体」ともいう)と、
(ZAr-ZD1X(ZD2 (1)
(式中、ZArは、芳香族モノビニル化合物の重合体ブロックであり、ZD1及びZD2は、各々独立に、共役ジエン化合物の重合体ブロックであり、Xは、カップリング剤のm+n価の残基である。mは、Xに結合するZAr-ZD1で表される鎖の数であり、1以上の整数である。nは、Xに結合するZD2で表される鎖の数であり、0以上の整数である。m+nは3以上の整数である。)
(B1)テルペン系粘着付与剤と、
(B2)スチレン系粘着付与剤と、
(C)光重合開始剤と、
を含有する、エネルギー線架橋性粘着剤組成物である。
また、本実施形態の架橋粘着剤は、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射してなる、架橋粘着剤である。
以下の説明において、(A)ブロック共重合体を「(A)成分」と略称する場合があり、他の成分についても同様の略し方をすることがある。
本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物にエネルギー線を照射してなる架橋粘着剤は、良好な粘着力を有しながらも、優れた耐熱性を有するものである。その理由については、以下の通り推測される。
本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物は、上記一般式(1)で表される(A)ブロック共重合体を含有するものである。
(A)ブロック共重合体は、従来のSIS等と同様に相分離構造を形成し、芳香族モノビニル化合物ブロックが物理的な擬似架橋点を形成することに加え、(C)光重合開始剤の存在下でエネルギー線を照射されることによって、高温環境下でも解かれることがない化学的架橋点を形成する。さらに、該(A)ブロック共重合体自体がラジアル(放射)構造を有するため、形成される架橋粘着剤は、より高い凝集力を有し、これによって高温における耐熱性が向上したと考えられる。
さらに、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物は、(B1)テルペン系粘着付与剤及び(B2)スチレン系粘着付与剤を含有する。
(B1)テルペン系粘着付与剤は、粘着力を付与する効果が高いものの、(A)成分の芳香族モノビニル化合物ブロックからなるドメイン同士の擬似架橋を弱めると考えられ、通常、(B1)テルペン系粘着付与剤の添加による粘着力と耐熱性はトレードオフの関係になる。一方、(B1)テルペン系粘着付与剤に加えて、(B2)スチレン系粘着付与剤を含有する本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物は、(B2)スチレン系粘着付与剤が、(A)成分の芳香族モノビニル化合物ブロックからなるドメイン同士の擬似架橋を補強又はその形成を促進することによって、(B1)テルペン系粘着付与剤による粘着力向上の効果が得られながらも、耐熱性をより一層向上できたと考えられる。
以下、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」ともいう)、及び架橋粘着剤についてより詳細に説明する。
〔エネルギー線架橋性粘着剤組成物〕
本実施形態の粘着剤組成物は、上記の通り、エネルギー線が射されることによって架橋構造が形成され、耐熱性に優れる架橋粘着剤を形成するものである。すなわち、本実施形態の粘着剤組成物は、被着体に貼付する前又は後において、エネルギー線を照射されることが予定されている組成物である。
本実施形態の粘着剤組成物に対しては、エネルギー線を任意の時期に照射できる。そのため、本実施形態の粘着剤組成物は、その製造方法及び使用方法における自由度が高い。
具体的には、本実施形態の粘着剤組成物は、意図的な架橋構造が形成されていないものであるため、加熱溶融させることが可能であり、ホットメルト粘着剤として好適である。
さらに、本実施形態の粘着剤組成物は、意図的な架橋構造が形成されていないものであるため、凹凸段差追従性に優れる。そのため、本実施形態の粘着剤組成物を、段差等を有する被着体に貼付し、その後、エネルギー線照射によって架橋粘着剤を形成することで、凹凸段差追従性、保持力及び耐熱性を高度に両立させることができる。
一方、被着体に貼付する前に、本実施形態の粘着剤組成物に対してエネルギー線を照射する場合は、形状維持性に優れる架橋粘着剤を形成できる。形状維持性に優れる架橋粘着剤を粘着剤層として有する粘着シートは、ロール状にする場合においても、巻圧による粘着剤層の変形が抑制されるため、搬送、後加工等が容易になる。
次に、本実施形態の粘着剤組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
<(A)ブロック共重合体>
(A)ブロック共重合体は、下記一般式(1)で表される。
(ZAr-ZD1X(ZD2 (1)
(式中、ZArは、芳香族モノビニル化合物の重合体ブロックであり、ZD1及びZD2は、各々独立に、共役ジエン化合物の重合体ブロックであり、Xは、カップリング剤のm+n価の残基である。mは、Xに結合するZAr-ZD1で表される鎖の数であり、1以上の整数である。nは、Xに結合するZD2で表される鎖の数であり、0以上の整数である。m+nは3以上の整数である。)
(A)ブロック共重合体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、以下の説明において、ZArで表される芳香族モノビニル化合物の重合体ブロックを「芳香族ブロックZAr」と称し、ZD1で表される共役ジエン化合物の重合体ブロックを「ジエンブロックZD1」と称し、ZD2で表される共役ジエン化合物の重合体ブロックを「ジエンブロックZD2」と称し、Xで表されるカップリング剤のm+n価の残基を「カップリング剤残基X」と称し、ZAr-ZD1で表される鎖を「ジブロックZAr-ZD1」と称する場合がある。
(芳香族ブロックZAr
上記一般式(1)中、芳香族ブロックZArは、芳香族モノビニル化合物の重合体ブロックである。複数の芳香族ブロックZArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
芳香族ブロックZArの構成単位を形成するための芳香族モノビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、5-t-ブチル-2-メチルスチレン、2-クロロスチレン、3-クロロスチレン、4-クロロスチレン、4-ブロモスチレン、2-メチル-4,6-ジクロロスチレン、2,4-ジブロモスチレン等のスチレン系化合物;ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性及び汎用性の観点から、スチレン系化合物が好ましく、スチレンがより好ましい。
芳香族ブロックZArに含有される芳香族モノビニル化合物由来の構成単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
芳香族ブロックZArは、芳香族モノビニル化合物由来の構成単位以外の構成単位を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
芳香族ブロックZAr中における芳香族モノビニル化合物由来の構成単位の含有量は、特に限定されないが、芳香族ブロックZAr全量(100質量%)に対して、好ましくは80~100質量%、より好ましくは90~100質量%、さらに好ましくは95~100質量%である。
芳香族ブロックZArの質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは7,000~18,000、より好ましくは7,500~17,000、さらに好ましくは8,000~16,000である。
芳香族ブロックZArの質量平均分子量(Mw)が上記範囲であると、粘着力及び耐熱性のバランスにより優れる架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
(ジエンブロックZD1
上記一般式(1)中、ジエンブロックZD1は、共役ジエン化合物の重合体ブロックである。複数のジエンブロックZD1は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ジエンブロックZD1の構成単位を形成するためのジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましく、イソプレンがより好ましい。ジエンブロックZD1の構成単位をイソプレンで形成することによって、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
ジエンブロックZD1に含有される共役ジエン化合物由来の構成単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。また、ジエンブロックZD1の不飽和結合の一部に対して、水素添加反応を行ってもよい。
ジエンブロックZD1は、共役ジエン化合物由来の構成単位以外の構成単位を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
ジエンブロックZD1中における共役ジエン化合物由来の構成単位の含有量は、特に限定されないが、ジエンブロックZD1全量(100質量%)に対して、好ましくは80~100質量%、より好ましくは90~100質量%、さらに好ましくは95~100質量%である。
ジエンブロックZD1の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは20,000~140,000、より好ましくは25,000~120,000、さらに好ましくは30,000~100,000である。
ジエンブロックZD1の質量平均分子量(Mw)が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
(ジエンブロックZD2
上記一般式(1)中、ジエンブロックZD2は、共役ジエン化合物の重合体ブロックである。
ジエンブロックZD2に関する説明は、ジエンブロックZD1に関する説明と同じであり、好適な態様も同じである。
上記一般式(1)中のnは、Xに結合するZD2で表される鎖の数を示し、0以上の整数であり、1~19の整数であってもよい。nが2以上の整数である場合、複数のジエンブロックZD2は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
(A)ブロック共重合体がジエンブロックZD2を有する場合、ジエンブロックZD2の質量平均分子量(Mw)に対する、ジエンブロックZD1の質量平均分子量(Mw)の比率[ZD1/ZD2]は、特に限定されないが、好ましくは1.0/0.3~1.0/1.1、より好ましくは1.0/0.45~1.0/1.03である。
質量平均分子量(Mw)の比率[ZD1/ZD2]が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
(ジブロックZAr-ZD1
ジブロックZAr-ZD1は、各重合体ブロック間にカップリング剤の残基を含むものであってもよいが、透明性の観点から、カップリング剤の残基を含まないものが好ましい。
ジブロックZAr-ZD1の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは30,000~150,000、より好ましくは35,000~130,000、さらに好ましくは40,000~110,000である。
ジブロックZAr-ZD1の質量平均分子量(Mw)が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
ジブロックZAr-ZD1の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.00以上であり、また、好ましくは1.20以下、より好ましくは1.18以下、さらに好ましくは1.13以下、特に好ましくは1.10以下である。
ジブロックZAr-ZD1の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
上記一般式(1)中のmは、Xに結合するZAr-ZD1で表される鎖の数であって、1以上の整数であり、好ましくは2~20の整数である。
(カップリング剤残基X)
上記一般式(1)中、Xは、カップリング剤のm+n価の残基を表す。
カップリング剤としては、ジブロックZAr-ZD1、ジエンブロックZD2等と結合し、合計で3以上の分岐鎖を有するブロック共重合体を与えることができるものであればよい。
カップリング剤としては、例えば、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等のハロゲン化シラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン;等のシラン化合物;テトラクロロすず等のハロゲン化すず等のすず化合物;ポリカルボン酸エステル;エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物;分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物;等が挙げられる。
分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物としては、例えば、2個以上のラジカル重合性基及び芳香族環を有するラジカル重合性芳香族化合物、2個以上のラジカル重合性基及び脂肪族基を有するラジカル重合性脂肪族化合物等が挙げられる。
ラジカル重合性基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
2個以上のラジカル重合性基及び芳香族環を有するラジカル重合性芳香族化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルアントラセン、ジビニルナフタレン、ジビニルズレン、1,2-ビス(4-ビニルフェニル)エタン等の芳香族ジビニル化合物;トリビニルベンゼン等の芳香族トリビニル化合物;テトラビニルベンゼン等の芳香族テトラビニル化合物;等が挙げられる。
2個以上のラジカル重合性基及び脂肪族基を有するラジカル重合性脂肪族化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
上記の選択肢の中でも、カップリング剤は、(A)ブロック共重合体の合成が容易であるという観点から、分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物が好ましく、ラジカル重合性芳香族化合物がより好ましく、芳香族ジビニル化合物がさらに好ましく、ジビニルベンゼンがよりさらに好ましい。
上記一般式(1)中、m+nは3以上の整数であり、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い観点から、好ましくは4~20の整数である。
なお、(A)ブロック共重合体が2種以上の混合物である場合、上記一般式(1)中のm、n及びm+nは必ずしも整数にならない場合があるが、その場合、当該値に最も近似する整数を、m、n及びm+nと特定してもよい。
((A)ブロック共重合体の分子量等)
(A)ブロック共重合体の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは300,000~800,000、より好ましくは330,000~750,000、さらに好ましくは350,000~700,000である。
(A)ブロック共重合体の質量平均分子量(Mw)が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
(A)ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、好ましくは300,000~800,000、より好ましくは330,000~750,000、さらに好ましくは350,000~700,000である。
(A)ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
(A)ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.00以上であり、また、好ましくは1.40以下、より好ましくは1.30以下、さらに好ましくは1.20以下、特に好ましくは1.18以下、最も好ましくは1.16以下である。
(A)ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
((A)ブロック共重合体中の各構成単位の含有量)
(A)ブロック共重合体中における芳香族モノビニル化合物由来の構成単位の含有量は、特に限定されないが、(A)ブロック共重合体に含まれる全構成単位(100質量%)中、好ましくは5~35質量%、より好ましくは6~32質量%、さらに好ましくは7~30質量%、特に好ましくは8~28質量%、最も好ましくは9~26質量%である。
芳香族モノビニル化合物由来の構成単位の含有量が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
なお、「(A)ブロック共重合体に含まれる全構成単位」には、カップリング剤残基Xは含まれないものとする。
(A)ブロック共重合体中における共役ジエン化合物由来の構成単位の含有量は、特に限定されないが、(A)ブロック共重合体に含まれる全構成単位(100質量%)中、好ましくは65~95質量%、より好ましくは68~94質量%、さらに好ましくは70~93質量%、特に好ましくは72~92質量%、最も好ましくは74~91質量%である。
共役ジエン化合物由来の構成単位の含有量が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
(A)ブロック共重合体に含まれる共役ジエン化合物由来の構成単位の合計量(100質量%)中における、1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合の含有量は、特に限定されないが、好ましくは1~20質量%、より好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは1~10質量%である。
1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合の含有量が上記範囲であると、より良好な粘着力及び耐熱性を有する架橋粘着剤が得られ易い傾向にある。
(A)ブロック共重合体中におけるカップリング剤残基Xの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.000001~0.1質量%、より好ましくは0.00001~0.01質量%、さらに好ましくは0.0001~0.001質量%である。
((A)ブロック共重合体のメルトフローレート)
(A)ブロック共重合体のメルトフローレートは、特に限定されないが、好ましくは0.5~50g/10分、より好ましくは1~35g/10分、さらに好ましくは2~25g/10分である。
(A)ブロック共重合体のメルトフローレートが上記下限値以上であると、良好なホットメルトコーティング適性が得られ易い傾向にある。また、(A)ブロック共重合体のメルトフローレートが上記上限値以下であると、耐熱性がより良好になる傾向にある。
なお、本明細書において、(A)ブロック共重合体のメルトフローレートは、ASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して、温度200℃、荷重5kgの条件にて測定された値を意味する。
((A)ブロック共重合体の含有量)
本実施形態の粘着剤組成物中における(A)ブロック共重合体の含有量は、特に限定されないが、粘着剤組成物全量(100質量%)に対して、好ましくは10~70質量%、より好ましくは20~60質量%、さらに好ましくは25~50質量%である。
(A)ブロック共重合体の含有量が上記下限値以上であると、得られる架橋粘着剤の凝集力が良好になり、より優れた耐熱性が得られ易い傾向にある。また、(A)ブロック共重合体の含有量が上記上限値以下であると、被着体に対する粘着力がより向上すると共に、溶融粘度が高くなりすぎず、より良好なホットメルトコーティング適性が得られ易い傾向にある。
(A)ブロック共重合体は、芳香族モノビニル化合物、共役ジエン化合物及びカップリング剤を用いて、公知の方法によって製造することができる。具体的には、例えば、芳香族モノビニル化合物を重合して、芳香族ブロックZArを得る重合工程、該芳香族ブロックZArの存在下で、有機リチウム開始剤を用いて、共役ジエン化合物を重合して、ジブロックZAr-ZD1を得る重合工程、該ジブロックZAr-ZD1にカップリング剤を反応させるカップリング工程と、を備える製造方法によって製造することができる。上記ジブロックZAr-ZD1を得る重合工程において、ジエンブロックZD2が形成されてもよい。
なお、(A)ブロック共重合体は、(A)ブロック共重合体の製造時に生成される副生成物として、上記一般式(1)で表されるブロック共重合体以外のその他の重合体を含有していてもよい。
当該その他の重合体の含有量を含有する場合、その含有量は少ないことが好ましく、上記一般式(1)で表されるブロック共重合体及びその他の重合体の合計量(100質量%)に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
なお、副生成物としてのその他の重合体の含有量が、上記一般式(1)で表されるブロック共重合体及びその他の重合体の合計量(100質量%)に対して、20質量%以下である場合、本明細書における(A)成分の分子量、メルトフローレート及び含有量の記載は、上記一般式(1)で表される化合物と副生成物とを含む混合物の分子量、メルトフローレート及び含有量と読むことができるものとする。
<(B1)テルペン系粘着付与剤>
(B1)テルペン系粘着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;これらを水素化した水素化テルペン系樹脂;等が挙げられる。
(B1)テルペン系粘着付与剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B1)テルペン系粘着付与剤の軟化点は、特に限定されないが、好ましくは70~150℃、より好ましくは80~140℃、さらに好ましくは90~135℃である。
(B1)テルペン系粘着付与剤の軟化点が上記下限値以上であると、より優れた耐熱性が得られ易い傾向にある。また、(B1)テルペン系粘着付与剤の軟化点が上記上限値以下であると、常温付近においてより優れた粘着力が得られ易い傾向にある。
なお、本明細書において、粘着付与剤の軟化点は、JIS K 2531に準拠して測定した値を意味する。なお、2種以上の粘着付与剤を用いる場合、それら複数の粘着付与剤の軟化点の加重平均が、上記範囲に属することが好ましい。
(B1)テルペン系粘着付与剤の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、好ましくは200~10,000、より好ましくは500~5,000、さらに好ましくは700~2,000である。
(B1)テルペン系粘着付与剤の数平均分子量(Mn)が上記下限値以上であると、粘着剤組成物及び架橋粘着剤の形状維持性がより向上し易い傾向にある。また、(B1)テルペン系粘着付与剤の数平均分子量(Mn)が上記上限値以下であると、常温付近においてより優れた粘着力が得られ易い傾向にある。
本実施形態の粘着剤組成物中における(B1)テルペン系粘着付与剤の含有量は、特に限定されないが、(A)ブロック共重合体100質量部に対して、好ましくは50~200質量部、より好ましくは60~150質量部、さらに好ましくは80~120質量部である。
(B1)テルペン系粘着付与剤の含有量が上記下限値以上であると、常温付近においてより優れた粘着力が得られ易い傾向にある。また、(B1)テルペン系粘着付与剤の含有量が上記上限値以下であると、耐熱性がより良好になる傾向にある。
<(B2)スチレン系粘着付与剤>
(B2)スチレン系粘着付与剤としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン等のスチレン系化合物の単独重合体;スチレン系化合物と脂肪族炭化水素系モノマーとの共重合体;これらの重合体を水素化したもの等が挙げられる。
(B2)スチレン系粘着付与剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B2)スチレン系粘着付与剤中におけるスチレン系化合物に由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは50~100質量%、より好ましくは70~100質量%、さらに好ましくは80~100質量%である。
(B2)スチレン系粘着付与剤の軟化点は、特に限定されないが、好ましくは80~150℃、より好ましくは85~130℃、さらに好ましくは90~110℃である。
(B2)スチレン系粘着付与剤の軟化点が上記下限値以上であると、より優れた耐熱性が得られ易い傾向にある。また、(B2)スチレン系粘着付与剤の軟化点が上記上限値以下であると、常温付近においてより優れた粘着力が得られ易い傾向にある。
(B2)スチレン系粘着付与剤の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、好ましくは200~10,000、より好ましくは500~5,000、さらに好ましくは700~2,000である。
(B2)スチレン系粘着付与剤の数平均分子量(Mn)が上記下限値以上であると、粘着剤組成物及び架橋粘着剤の形状維持性がより向上し易い傾向にある。また、(B2)スチレン系粘着付与剤の数平均分子量(Mn)が上記上限値以下であると、常温付近においてより優れた粘着力が得られ易い傾向にある。
本実施形態の粘着剤組成物中における(B2)スチレン系粘着付与剤の含有量は、特に限定されないが、(A)ブロック共重合体100質量部に対して、好ましくは1~40質量部、より好ましくは2~35質量部、さらに好ましくは3~30質量部である。
(B2)スチレン系粘着付与剤の含有量が上記範囲内であると、耐熱性がより良好になる傾向にある。
(B2)スチレン系粘着付与剤の含有量に対する(B1)テルペン系粘着付与剤の含有量の比〔(B1)/(B2)〕は、特に限定されないが、質量基準で、好ましくは1~100、より好ましくは2~50、さらに好ましくは3~30である。
上記含有量比〔(B1)/(B2)〕が上記範囲内であると、粘着力と耐熱性のバランスがより一層優れる傾向にある。
<(C)光重合開始剤>
本実施形態の粘着剤組成物は、さらに(C)光重合開始剤を含有する。
本実施形態の粘着剤組成物が(C)光重合開始剤を含有することによって、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線でも、粘着剤組成物の架橋が促進される。
(C)光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)光重合開始剤としては、例えば、1-ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β-クロロアンスラキノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン等が挙げられる。これらの中でも、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンが好ましい。
本実施形態の粘着剤組成物中における(C)光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、(A)ブロック共重合体100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部、より好ましくは0.03~8質量部、さらに好ましくは0.05~5質量部である。
(C)光重合開始剤の含有量が上記下限値以上であると、エネルギー線架橋反応を十分に進行させ易い傾向にある。また、(C)光重合開始剤の含有量が上記上限値以下であると、エネルギー線架橋反応を均質に進行させ易い傾向にある。
<(D)23℃で液状である軟化剤>
本実施形態の粘着剤組成物は、さらに、(D)23℃で液状である軟化剤(以下、「(D)軟化剤」又は「(D)成分」ともいう)を含有することが好ましい。
(D)軟化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)軟化剤は、23℃において液状である。ここで、本明細書において、23℃において液状であるとは、流動点が23℃以下であることを意味する。
(D)軟化剤の流動点は、特に限定されないが、好ましくは-60~0℃、より好ましくは-50~-10℃、さらに好ましくは-40~-20℃である。
(D)軟化剤の流動点が上記下限値以上であると、得られる架橋粘着剤の耐熱性がより良好になり易い傾向にある。また、(D)軟化剤の流動点が上記上限値以下であると、被着体への濡れ性及び粘着力がより良好になり易い傾向にある。
(D)軟化剤の流動点は、JIS K 2269:1987に準拠して測定した値を意味する。
(D)軟化剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等の石油系プロセスオイル;ひまし油、トール油等の天然油;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル等の二塩基酸ジアルキル;液状ポリブテン、液状ポリイソプレン等の低分子量液状ポリマー;等が挙げられる。これらの中でも、ナフテン系プロセスオイルが好ましい。
(D)軟化剤の40℃動粘度は、特に限定されないが、好ましくは50~150mm/s、より好ましくは70~120mm/s、さらに好ましくは80~100mm/sである。
(D)軟化剤の40℃動粘度が上記下限値以上であると、耐熱性を悪化させずに粘着シートを適度に軟化させ易い傾向にある。また、(D)軟化剤の40℃動粘度が上記上限値以下であると、被着体への濡れ性及び粘着力がより良好になり易い傾向にある。
本実施形態における(D)軟化剤の40℃動粘度は、JIS K 2283:2000に準拠して測定することができる。
(D)軟化剤の100℃動粘度は、特に限定されないが、好ましくは1~20mm/s、より好ましくは3~15mm/s、さらに好ましくは6~10mm/sである。
(D)軟化剤の100℃動粘度が上記下限値以上であると、得られる架橋粘着剤の耐熱性がより良好になり易い傾向にある。また、(D)軟化剤の100℃動粘度が上記上限値以下であると、被着体への濡れ性及び粘着力がより良好になり易い傾向にある。
本実施形態における(D)軟化剤の100℃動粘度は、JIS K 2283:2000に準拠して測定することができる。
本実施形態の粘着剤組成物が(D)軟化剤を含有する場合、(D)軟化剤の含有量は、特に限定されないが、(A)ブロック共重合体100質量部に対して、好ましくは5~150質量部、より好ましくは10~80質量部、さらに好ましくは15~40質量部である。
(D)軟化剤の含有量が上記下限値以上であると、ホットメルトコーティング適性及び常温付近における粘着力がより良好になり易い傾向にある。また、(D)軟化剤の含有量が上記上限値以下であると、耐熱性がより良好になり易い傾向にある。
((E)酸化防止剤)
本実施形態の粘着剤組成物は、さらに、(E)酸化防止剤(以下、「(E)成分」ともいう)を含有することが好ましい。
(E)酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)酸化防止剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
(E)酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,4-ジ-t-アミル-6-〔1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ぺンチルフェニル)]アクリレート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤;等が挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤が好ましい。
本実施形態の粘着剤組成物が(E)酸化防止剤を含有する場合、(E)酸化防止剤の含有量は、特に限定されないが、粘着剤組成物全量(100質量%)に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.5~7質量%、さらに好ましくは1~5質量%である。
(E)酸化防止剤の含有量が上記下限値以上であると、良好な酸化防止効果が得られ易い傾向にある。また、(E)酸化防止剤の含有量が上記上限値以下であると、エネルギー線架橋反応の進行が阻害され難く、より優れた耐熱性が得られ易い傾向にある。
<その他の成分>
本実施形態の粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、一般的な粘着剤に使用される粘着剤用添加剤を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
このような粘着剤用添加剤としては、例えば、(A)成分以外のゴム状ポリマー、(B1)成分及び(B2)成分以外の粘着付与剤、ワックス、シランカップリング剤、充填剤、増量剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤(顔料、染料等)、難燃剤、帯電防止剤、糸引き抑制剤、レベリング剤、架橋剤、架橋助剤、老化防止剤、無機粒子、有機粒子、軽量化剤等が挙げられる。
これらの粘着剤用添加剤は、各々について、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの粘着剤用添加剤を含有する場合、粘着剤用添加剤の含有量は、特に限定されないが、それぞれ独立して、(A)ブロック共重合体100質量部に対して、好ましくは0.0001~20質量部、より好ましくは0.001~10質量部である。
本実施形態の粘着剤組成物中における(A)~(E)成分の総量は、特に限定されないが、粘着剤組成物全量(100質量%)に対して、好ましくは80~100質量%、より好ましくは90~100質量%、さらに好ましくは95~100質量%である。
本実施形態の粘着剤組成物の23℃におけるポリプロピレンに対する粘着力は、特に限定されないが、好ましくは5N/25mm以上、より好ましくは10N/25mm以上、さらに好ましくは13N/25mm以上である。
本実施形態の粘着剤組成物の23℃における無アルカリガラスに対する粘着力は、特に限定されないが、好ましくは5N/25mm以上、より好ましくは10N/25mm以上、さらに好ましくは13N/25mm以上である。
本実施形態の粘着剤組成物の23℃におけるステンレス板(SUS304、360番研磨)に対する粘着力は、特に限定されないが、好ましくは5N/25mm以上、より好ましくは10N/25mm以上、さらに好ましくは13N/25mm以上である。
各々の被着体に対する粘着剤組成物の粘着力が上記下限値以上であると、被着体からのズレ、剥がれ等が発生し難い傾向にある。
各々の被着体に対する、粘着剤組成物の粘着力の上限値は特に限定されないが、製造容易性及び他の性能とのバランスを良好に保つ観点から、70N/25mm以下であってもよく、50N/25mm以下であってもよい。
粘着剤組成物の23℃における粘着力は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態の粘着剤組成物は、エネルギー線照射前の組成物であり、未だ意図的な架橋構造が形成されていないため、通常ゲル分率は低く、ホットメルトコーティング適性、凹凸段差追従性及び粘着力の観点からは、ゲル分率は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
粘着剤組成物のゲル分率の下限値は特に限定されないが、製造容易性の観点から、0.1質量%以上であってもよく、1質量%以上であってもよい。
本実施形態において、粘着剤組成物のゲル分率は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
<粘着剤組成物の製造方法>
本実施形態の粘着剤組成物の製造方法としては、例えば、(A)ブロック共重合体、(B1)テルペン系粘着付与剤、(B2)スチレン系粘着付与剤(C)光重合開始剤、及び必要に応じて使用する任意の成分を、溶融混練する方法(以下、「溶融混練法」ともいう);上記各成分を溶媒中で混合する方法(以下、「溶媒混合法」ともいう);等が挙げられる。
溶融混練法は、例えば、各成分を、加熱ニーダー等の加熱装置を備えた混合装置に投入し、各成分を溶融させた状態で混合する方法である。加熱装置を備えた混合装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロールミル、プラストミル、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧ニーダー等が挙げられる。減圧可能な混合装置を用いる場合は、必要に応じて、混合装置の内部を減圧して、減圧下で溶融混練してもよい。
溶融混練法における混練温度は特に限定されず、各成分が溶融状態で十分に混合される温度条件を適宜選択すればよいが、好ましくは100~250℃、より好ましくは120~220℃である。
なお、本実施形態の粘着剤組成物を溶融混練法によって製造する場合、本実施形態の粘着剤組成物は溶媒を含む必要がなく、環境負荷を小さくするという観点から、溶媒を含まないことが好ましい。
溶融混練を終えて得られた粘着剤組成物は、加熱溶融された状態のまま、押出機等によって基材又は剥離材上に押し出して、後述する本実施形態の粘着シートの製造に供してもよく、所望に応じて、成形工程を経ず、各種容器等に充填してもよい。
溶媒混合法は、例えば、各成分を溶媒に溶解及び分散させた状態で、混合する方法である。
溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、トルエン、キシレン、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。これらの中でも、トルエンが好ましい。なお、溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒中で混合されて得られた粘着剤組成物は、その後、基材上に塗布された後、乾燥させることによって、後述する本実施形態のエネルギー線架橋性粘着シートの製造に供してもよく、所望に応じて、塗布工程を経ず、各種容器等に充填してもよい。
〔架橋粘着剤〕
本実施形態の架橋粘着剤は、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射してなる、架橋粘着剤である。
すなわち、本実施形態の架橋粘着剤は、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物が含有する(A)ブロック共重合体の反応によって形成された架橋構造を有するものである。
本実施形態の架橋粘着剤自体も良好な粘着力を有し、被着体に対して優れた接着力を発揮するものである。そのため、被着体に貼付した後のエネルギー線照射工程を不要にするという観点からは、粘着剤組成物を被着体に貼付する前に、粘着剤組成物に対してエネルギー線を照射して本実施形態の架橋粘着剤を形成しておき、架橋粘着剤として被着体に貼付する態様も好ましい。
本実施形態の架橋粘着剤の23℃におけるポリプロピレンに対する粘着力は、特に限定されないが、好ましくは5N/25mm以上、より好ましくは10N/25mm以上、さらに好ましくは13N/25mm以上である。
本実施形態の架橋粘着剤の23℃における無アルカリガラスに対する粘着力は、特に限定されないが、好ましくは5N/25mm以上、より好ましくは10N/25mm以上、さらに好ましくは13N/25mm以上である。
本実施形態の架橋粘着剤の23℃におけるステンレス板(SUS304、360番研磨)に対する粘着力は、特に限定されないが、好ましくは5N/25mm以上、より好ましくは10N/25mm以上、さらに好ましくは13N/25mm以上である。
各々の被着体に対する架橋粘着剤の粘着力の上限値は特に限定されないが、製造容易性及び他の性能とのバランスを良好に保つ観点から、70N/25mm以下であってもよく、50N/25mm以下であってもよい。
架橋粘着剤の23℃における粘着力は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態の架橋粘着剤のゲル分率は、特に限定されないが、好ましくは20~65質量%、より好ましくは25~60質量%、さらに好ましくは30~50質量%である。
架橋粘着剤のゲル分率が上記下限値以上であると、より優れた耐熱性が得られ易い傾向にある。また、架橋粘着剤のゲル分率が上記上限値以下であると、より優れた粘着力が得られ易い傾向にある。
本実施形態において、架橋粘着剤のゲル分率は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態の架橋粘着剤は、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射する工程(以下、「エネルギー線照射工程」ともいう)を有する方法によって製造することができる。
エネルギー線照射工程に紫外線を用いる場合、紫外線の照度は、特に限定されないが、好ましくは50~400mW/cm、より好ましくは100~300mW/cm、さらに好ましくは150~250mW/cmである。
エネルギー線照射工程に紫外線を用いる場合、紫外線の光量は、特に限定されないが、好ましくは100~2,000mJ/cm、より好ましくは400~1,500mJ/cm、さらに好ましくは600~1,000mJ/cmである。
但し、エネルギー線の照射条件は、上記範囲に限定されるものではなく、(A)ブロック共重合体、(C)光重合開始剤等の種類及び使用量に応じて、所望する性能が得られる範囲に適宜調整すればよい。
[粘着シート]
本発明は、下記の第1形態の粘着シート及び第2形態の粘着シートを提供する。
第1形態の粘着シートは、基材又は剥離材上に、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層(以下、単に「粘着剤組成物層」ともいう)を有する、粘着シートである。
第2形態の粘着シートは、基材又は剥離材上に、本実施形態の架橋粘着剤からなる粘着剤層(以下、単に「粘着剤層」ともいう)を有する、粘着シートである。
以下の説明において、単に「粘着シート」と称する場合は、第1形態の粘着シート及び第2形態の粘着シートの双方を意味する。
次に、本実施形態の粘着シートの構成の一例を、図面を用いて説明するが、本実施形態の粘着シートは、本実施形態の効果が発現する限り、以下の例に限定されるものではない。
図1(a)には、第1形態の粘着シートの一例として、粘着剤組成物層1の両面に剥離材2a及び2bを有する基材レスの粘着シート10aが示されており、図1(b)には、第2形態の粘着シートの一例として、粘着剤層3の両面に剥離材2a及び2bを有する基材レスの粘着シート10bが示されている。
粘着シート10a及び10bは、例えば、一方の面側の剥離材2aを剥離除去してから、表出した粘着剤組成物層1又は粘着剤層3の面を被着体に貼付し、その後、さらに、他方の面側の剥離材2bを剥離除去してから、表出した粘着剤組成物層1又は粘着剤層3の面を別の被着体に貼付する、被着体同士の貼り合わせに好適である。このような用途としては、例えば、視認性を向上させることを目的に部材間のエアギャップを埋める光学材料用途等が挙げられる。
被着体に貼付する粘着シートが第1形態の粘着シートである場合、被着体に貼付した後に、粘着剤組成物層に対してエネルギー線を照射して粘着剤層を形成する。
図2(a)には、第1形態の粘着シートの別の例として、粘着剤組成物層1の一方の面側に剥離材2を有し、他方の面側に基材4を有する粘着シート20aが示されており、図2(b)には、第2形態の粘着シートの別の例として、粘着剤層3の一方の面側に剥離材2を有し、他方の面側に基材4を有する粘着シート20bが示されている。
粘着シート20a及び20bは、例えば、剥離材2を剥離除去してから、表出した粘着剤組成物層1又は粘着剤層3の面を被着体に貼付する使用方法に好適である。このような用途としては、例えば、ラベル用途等が挙げられる。
被着体に貼付する粘着シートが第1形態の粘着シートである場合、被着体に貼付した後に、粘着剤組成物層に対してエネルギー線を照射して粘着剤層を形成する。
図3(a)には、第1形態の粘着シートの別の例として、基材4の両面に粘着剤組成物層1を有し、一方の粘着剤組成物層1の基材4とは反対側の面に剥離材2aを有し、他方の粘着剤組成物層1の基材4とは反対側の面に剥離材2bを有する両面粘着シート30aが示されている。また、図3(b)には、第2形態の粘着シートの別の例として、基材4の両面に粘着剤層3を有し、一方の粘着剤層3の基材4とは反対側の面に剥離材2aを有し、他方の粘着剤層3の基材4とは反対側の面に剥離材2bを有する両面粘着シート30bが示されている。
両面粘着シート30a及び30bも、粘着シート10a及び10bと同様に被着体同士の貼り合わせに好適であり、中でも、各種部品の固定又は仮固定用途に好適である。
第1形態の粘着シートにおける粘着剤組成物層の厚さ及び第2形態の粘着シートにおける粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは5~100μm、より好ましくは10~70μm、さらに好ましくは15~40μmである。
粘着剤組成物層及び粘着剤層の厚さが上記下限値以上であると、より優れた粘着力が得られ易い傾向にある。また、粘着剤組成物層及び粘着剤層の厚さが上記上限値以下であると、取り扱い性がより良好になり易い傾向にある。
<基材>
基材の形成材料としては、例えば、樹脂、金属、紙材等が挙げられる。
樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体;三酢酸セルロース;ポリカーボネート;ポリウレタン、アクリル変性ポリウレタン等のウレタン樹脂;ポリメチルペンテン;ポリスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルホン;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルイミド、ポリイミド等のポリイミド系樹脂;ポリアミド系樹脂;アクリル系樹脂;フッ素系樹脂等が挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、スズ、クロム、チタン等が挙げられる。
紙材としては、例えば、薄葉紙、中質紙、上質紙、含浸紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。
これらの形成材料は、1種から構成されていてもよく、2種以上を併用してもよい。
2種以上の形成材料を併用した基材としては、紙材をポリエチレン等の熱可塑性樹脂でラミネートしたもの、樹脂を含む樹脂フィルム又はシートの表面に金属膜を形成したもの等が挙げられる。なお、金属層の形成方法としては、例えば、上記金属を真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD法により蒸着する方法、又は、上記金属からなる金属箔を一般的な粘着剤を用いて貼付する方法等が挙げられる。
なお、基材と積層する他の層との層間密着性を向上させる観点から、基材が樹脂を含む場合、基材の表面に対して、酸化法、凹凸化法等による表面処理、易接着処理、あるいはプライマー処理を施してもよい。
基材は、必要に応じて、基材用添加剤を含有してもよい。基材用添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤等が挙げられる。なお、これらの基材用添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
基材は、印刷を容易にするための易接着層;熱転写記録、インキジェット記録等の記録を可能にするための記録層;これらの表面を保護するためのオーバーコートフィルム又はオーバーラミネートフィルム;磁気記録、バーコード、マイクロ半導体素子等の情報領域;等を有していてもよい。
また、本実施形態の粘着シートを、光学材料用粘着シートとして用いる場合、基材として、ガラス板、プラスチック板等の保護パネル;飛散防止フィルム、偏光板(偏光フィルム)、偏光子、位相差板(位相差フィルム)、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、液晶ポリマーフィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム、透明導電性フィルム等を用いてもよい。
基材の厚さは、特に限定されないが、好ましくは5~500μm、より好ましくは15~300μm、さらに好ましくは20~200μmである。
基材の厚さが上記下限値以上であると、粘着シートの耐変形性を向上させ易い傾向にある。一方、基材の厚さが上記上限値以下であると、粘着シートの取り扱い性を向上させ易い傾向にある。
なお、「基材の厚さ」とは、基材全体の厚さを意味し、基材が複数層からなる基材である場合は、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<剥離材>
剥離材としては、両面剥離処理をされた剥離シート;片面剥離処理をされた剥離シート;等が用いられ、剥離材用の基材上に剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
剥離材用基材としては、例えば、紙類、プラスチックフィルム等が挙げられる。
紙類としては、例えば、上質紙、グラシン紙、クラフト紙等が挙げられる。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム;ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂フィルム;等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー;長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
剥離材の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10~200μm、より好ましくは20~180μm、さらに好ましくは30~150μmである。
[第1形態の粘着シートの製造方法]
第1形態の粘着シートは、例えば、基材又は剥離材上に粘着剤組成物層を形成する工程(以下、「粘着剤組成物層形成工程」ともいう)を含む方法によって製造することができる。なお、本実施形態において、「剥離材上」とは、剥離材が片面剥離処理されたものである場合、剥離処理された面上を意味する。
粘着剤組成物層形成工程は、例えば、本実施形態の粘着剤組成物を上記した溶融混練法によって製造する場合、溶融混練を終えて得られた粘着剤組成物を、加熱溶融された状態のまま、押出機及びTダイを使用して、基材又は剥離材上に押し出して層形成する方法であってもよい。その後、必要に応じて、粘着剤組成物層を冷却する工程を有していてもよい。
また、粘着剤組成物層形成工程は、例えば、本実施形態の粘着剤組成物を上記した溶媒混合法によって製造する場合、得られた溶液を粘着剤組成物の塗工液として、基材又は剥離材上に塗工してから乾燥させる方法であってもよい。粘着剤組成物の塗工液を塗工する方法としては、例えば、ロールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。塗工後の乾燥条件は、溶媒の種類等に応じて適宜決定すればよい。
上記の粘着剤組成物層形成工程によって、基材又は剥離材上に粘着剤組成物層が形成される。その後、必要に応じて、基材又は剥離材上に形成された粘着剤組成物層の表出面に剥離材を貼付してもよいし、剥離材上に形成された粘着剤組成物層を基材の一方又は両方の面に貼付する工程を行ってもよい。
[第2形態の粘着シートの製造方法]
第2形態の粘着シートの製造方法は、基材又は剥離材上に、エネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する工程と、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物層にエネルギー線を照射する工程と、を含む、粘着シートの製造方法である。
第2形態の粘着シートの製造方法において、粘着剤組成物層を形成する工程は、第1形態の粘着シートの製造方法における粘着剤組成物層形成工程と同様である。
第2形態の粘着シートの製造方法の、粘着剤組成物層にエネルギー線を照射する工程におけるエネルギー線照射の好ましい条件は、上記架橋粘着剤の製造方法におけるエネルギー線照射工程に記載の条件と同様である。
第2形態の粘着シートの製造方法において、エネルギー線照射を行う時期は特に限定されず、粘着シートの製造方法、所望する物性等を考慮して適宜決定すればよい。
具体的には、例えば、基材又は剥離材上に粘着剤組成物層が形成され、該粘着剤組成物層の基材又は剥離材とは反対側の面が露出した状態において、粘着剤組成物層に対して、直接又は基材若しくは剥離材を介して、エネルギー線を照射してもよい。
また、粘着剤組成物層の一方の面に基材又は剥離材、他方の面に剥離材を有する状態において、基材又は剥離材を介して、エネルギー線を照射してもよい。
また、エネルギー線照射は1回で行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。エネルギー線照射を複数回に分けて行う場合、例えば、粘着剤組成物層の一方の面が露出した状態において、第1のエネルギー線照射を行い、その後、当該露出した面に基材又は剥離材を貼付した後に、第2のエネルギー線を照射してもよい。さらには、被着体に貼付する前のいずれかの時期において第1のエネルギー線照射を行い、被着体に貼付した後に、第2のエネルギー線を照射してもよい。
<エネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シートの用途>
本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シートは、種々の用途に使用することができる。
具体的には、例えば、光学材料用途、ラベル用途、表面保護用途、マスキング用途、装飾・表示用途、接合用途、シーリング材用途、医療衛生用途、電気絶縁用途、電子機器保持固定用途、半導体製造用途等が挙げられる。これらの中でも、光学材料用途又はラベル用途として好適である。
光学材料用途としては、例えば、液晶(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネル等の表示体において、一の光学部材と、他の光学部材と、を貼合する用途が好適である。
光学部材としては、例えば、ガラス板、プラスチック板等の保護パネル;飛散防止フィルム、偏光板(偏光フィルム)、偏光子、位相差板(位相差フィルム)、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、液晶ポリマーフィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム、透明導電性フィルム等が挙げられる。
ラベル用の粘着シートは各種製品に直接貼着してもよく、各種製品の包装フィルム、包装容器等に貼着してもよい。包装フィルム及び包装容器の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂;ガラス、紙、金属;等が挙げられる。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例における物性値は、以下の方法により測定した値である。
[数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)]
ゲル浸透クロマトグラフ装置(東ソー株式会社製、製品名「HLC-8320GPC」)を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレン換算にて測定した値を用いた。
(測定条件)
・カラム:「TSK guard column SuperH-H」「TSK gel SuperHM-H」「TSK gel SuperHM-H」「TSK gel SuperH2000」(いずれも東ソー株式会社製)を順次連結したもの
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:テトラヒドロフラン
・流量:1.0mL/min
[各層の厚さ]
株式会社テクロック製の定圧厚さ測定器(型番:「PG-02J」、標準規格:JIS K 6783、Z 1702、Z 1709に準拠)を用いて、23℃にて、任意の5箇所において厚さを測定し、測定値の平均値を算出した。
以下の実施例及び比較例において使用した材料の詳細は以下の通りである。
<(A)ブロック共重合体>
・スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)〔日本ゼオン株式会社製、商品名「SL-177」、上記一般式(1)で表される化合物、数平均分子量(Mn)391,000、質量平均分子量(Mw)443,000、スチレン由来の構成単位の含有量が19質量%、温度200℃、荷重5kgの条件にて測定されたメルトフローレート11g/10分〕
<(B1)テルペン系粘着付与剤>
・(B1-1):テルペン系樹脂、軟化点125℃、数平均分子量(Mn)1,100
・(B1-2):テルペン系樹脂、軟化点100℃、数平均分子量(Mn)800
<(B2)スチレン系粘着付与剤>
・(B2-1):スチレン系樹脂(スチレン系モノマーの単独重合体)、軟化点100℃、数平均分子量(Mn)1,200
・(B2-2):スチレン系樹脂、軟化点100℃、数平均分子量(Mn)800
<(B3)比較用粘着付与剤>
・(B3-1):脂肪族系石油樹脂、軟化点96℃、数平均分子量(Mn)1,100
・(B3-2):水添ロジンエステル系樹脂、軟化点95℃、数平均分子量(Mn):885
<(C)光重合開始剤>
・2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン
<(D)23℃で液状の軟化剤>
・ナフテン系プロセスオイル、NYNAS社製、商品名「NYFLEX 223」、40℃動粘度88mm/s、100℃動粘度8.4mm/s、流動点-33℃
<(E)酸化防止剤>
ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを質量比1:1で併用
実施例1~4、比較例1~12
(第1形態の粘着シートの作製)
表1に示す各成分を、表1に示す配合量でトルエンに溶解させることによってエネルギー線架橋性粘着剤組成物を調製した。なお、表1に示す配合組成は有効成分の配合量(単位:質量部)を意味する。
次に、このエネルギー線架橋性粘着剤組成物を、重剥離シート(リンテック株式会社製、商品名「SP-PET382150」)の剥離処理面上に塗工し、得られた塗膜を100℃で2分間乾燥することによって、重剥離シート上に、厚さ25μmのエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成した。このエネルギー線架橋性粘着剤組成物層の表出面に、軽剥離シート(リンテック株式会社製、商品名「SP-PET381031」)の剥離処理面を貼り合わせて、エネルギー線架橋性粘着剤組成物層の両面に剥離シートを有する、第1形態の粘着シートを作製した。
(架橋粘着シートの作製)
上記で得られた第1形態の粘着シートに対して、重剥離シート側から、コンベア式UV照射装置(ヘレウス社製、無電極UVランプ)を用いて、照度200mW/cm、光量800mJ/cmの条件で紫外線を照射することによって、第1形態の粘着シートが有するエネルギー線架橋性粘着剤組成物層をエネルギー線架橋させてなる粘着剤層を形成し、第2形態の粘着シートを得た。
[評価方法]
各例で得られた第1形態の粘着シート及び第2形態の粘着シートを、以下に示す方法によって評価した。なお、以下の説明において単に「粘着シート」と記載する場合、第1形態の粘着シート及び第2形態の粘着シートの双方を意味するものとする。
[ゲル分率の測定]
各例で得た第1形態の粘着シートにおけるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層、及び、第2形態の粘着シートにおける粘着剤層のゲル分率を以下の方法に従って測定した。
各例で得た粘着シートを縦100mm×横100mmの大きさに切断した後、軽剥離シートを除去し、予め質量を測定した縦120mm×横120mmの大きさのポリエステル製メッシュ(メッシュサイズ200)に貼付した。その後、重剥離シートを除去し、ポリエステル製メッシュによって粘着剤組成物層又は粘着剤層を包み込み、試験サンプルを作製した。なお、以下、剥離シートを除去した粘着剤組成物層又は粘着剤層を「測定対象物」と称する。
当該試験サンプルを、温度23℃、相対湿度50%の環境下に24時間静置した後、当該試験サンプルの質量を精密天秤にて秤量し、測定値から、ポリエステル製メッシュの質量を除き、浸漬前の測定対象物のみの質量を算出した。この算出された測定対象物の質量をM1とした。
次に、試験サンプルを、室温下(23℃)でトルエンに168時間浸漬させた。浸漬後、試験サンプルを取り出し、当該試験サンプルを、100℃のオーブン中にて2時間乾燥させた後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、24時間静置した。乾燥後の試験サンプルの質量を精密天秤にて秤量し、測定値から、ポリエステル製メッシュの質量を除き、浸漬及び乾燥後の測定対象物のみの質量を算出した。この算出された測定対象物の質量をM2とした。
浸漬前の測定対象物の質量M1の値、及び、浸漬及び乾燥後の測定対象物の質量M2の値から、下記式によりゲル分率を算出した。
・ゲル分率(質量%)=(M2/M1)×100
[粘着力の測定]
各例で得た粘着シートから、軽剥離シートを剥離した後、表出した粘着表面を、室温(23℃)にて、ラミネーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)に貼付した。これを、25mm×250mmの大きさに切り出した後、重剥離シートを剥離し、表出した粘着シートの粘着表面を、表1に記載の被着体に対し、JIS Z 0237:2000に基づき、重さ2kgのローラーを1往復させて圧着した。圧着後、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、24時間静置したものを粘着力測定試料とした。
上記で作製した粘着力測定試料を測定試料として、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、製品名「テンシロン(登録商標)」)を用いて、JIS Z 0237:2000に基づき、180°引き剥がし法により、引っ張り速度300mm/minにて粘着力を測定した。
なお、粘着力の測定に用いた表1に記載の被着体の詳細は以下の通りである。
・SUS:ステンレス板(SUS304、360番研磨)
・ガラス:無アルカリガラス
・PP:ポリプロピレン
また、ジッピングが生じた試験片は表1中に「(Zip)」と記載し、粘着力は、「最小値-最大値」と表記した。
[剪断接着破壊温度(SAFT)の測定]
粘着シートの剪断接着破壊温度(SAFT)は、以下の手順で測定した。
各例で得た粘着シートから、軽剥離シートを剥離した後、表出した粘着表面を、室温(23℃)にて、ラミネーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)に貼付した。
これを25mm×100mmの大きさに裁断し、重剥離シートを剥離し、表出した粘着シートの粘着表面のうち、端の25mm×25mmの領域を、被着体であるステンレス板(SUS304、360番研磨)に対して、JIS Z 0237:2000に基づき重さ2kgのローラーを5往復させて圧着した。圧着後、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で15分間静置したものをSAFT測定試料とした。
上記で作製したSAFT測定試料を、40℃の恒温層内に移し、15分間予熱してから、1kgfの一定荷重が垂直方向にかかるように重しを粘着シートに取り付けて、昇温速度0.5℃/分にて、最高220℃まで昇温させて、粘着シートが凝集破壊することによって重しが落ちた温度を剪断接着破壊温度(SAFT)とした。前述で特定した以外の測定条件についてはASTM D4498に準拠して測定した。
[80℃保持力の評価]
粘着シートの80℃保持力は、JIS Z 0237:2000に準拠して、以下の手順で測定した。
各例で得た粘着シートから、軽剥離シートを剥離した後、表出した粘着シートの粘着表面を、室温(23℃)にて、ラミネーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)に貼付した。これを25mm×100mmの大きさに切り出し、重剥離シートを剥離し、表出した粘着シートの粘着表面のうち、端の25mm×25mmの領域を、被着体であるステンレス板(SUS304、360番研磨)に対し、JIS Z 0237:2000に基づき重さ2kgのローラーを5往復させて圧着した。圧着後、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で30分間静置したものを保持力測定試料とした。
上記で作製した保持力測定試料を、80℃の恒温層内に移し、1kgfの一定荷重が垂直方向にかかるように重しを粘着シートに取り付けて、最大で70,000秒、粘着シートが落下するまでの時間を計測した。また、試験開始70,000秒後に粘着シートが落下しなかったものについては、70,000秒後における粘着シートのずれた距離を測定した。なお、表1において「70000<」は、試験開始70,000秒後に粘着シートが落下しなかったことを意味する。
表1から、実施例1~4で得られた第2形態の粘着シートは、良好な粘着力を有しながらも、SAFT及び80℃の保持力が高く、耐熱性に優れていることが分かる。
一方、(B1)成分又は(B2)成分を使用しなかった比較例1~12の第2形態の粘着シートは、耐熱性に劣っていた。
1 エネルギー線架橋性粘着剤組成物層
2、2a、2b 剥離材
3 粘着剤層
4 基材
10a、20a、30a 第1形態の粘着シート
10b、20b、30b 第2形態の粘着シート

Claims (15)

  1. (A)下記一般式(1)で表されるブロック共重合体と、
    (ZAr-ZD1X(ZD2 (1)
    (式中、ZArは、芳香族モノビニル化合物の重合体ブロックであり、ZD1及びZD2は、各々独立に、共役ジエン化合物の重合体ブロックであり、Xは、カップリング剤のm+n価の残基である。mは、Xに結合するZAr-ZD1で表される鎖の数であり、1以上の整数である。nは、Xに結合するZD2で表される鎖の数であり、0以上の整数である。m+nは3以上の整数である。)
    (B1)テルペン系粘着付与剤と、
    (B2)スチレン系粘着付与剤と、
    (C)光重合開始剤と、
    を含有する、エネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  2. 前記(B2)スチレン系粘着付与剤の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、1~40質量部である、請求項1に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  3. 前記(B2)スチレン系粘着付与剤の含有量に対する前記(B1)テルペン系粘着付与剤の含有量の比〔(B1)/(B2)〕が、質量基準で、1~100である、請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  4. 前記(B2)スチレン系粘着付与剤中におけるスチレン系化合物に由来する構成単位の含有量が、50~100質量%である、請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  5. 前記(B2)スチレン系粘着付与剤の軟化点が、80~150℃である、請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  6. 前記共役ジエン化合物が、イソプレンである、請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  7. 前記芳香族モノビニル化合物が、スチレン系化合物である、請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  8. さらに、(D)23℃で液状である軟化剤を含有する、請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  9. 光学材料用である、請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
  10. 基材又は剥離材上に、請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を有する、粘着シート。
  11. 請求項1又は2に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射してなる、架橋粘着剤。
  12. ゲル分率が、20~65質量%である、請求項11に記載の架橋粘着剤。
  13. 請求項11に記載の架橋粘着剤を製造する方法であって、
    前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射する工程を有する、架橋粘着剤の製造方法。
  14. 基材又は剥離材上に、請求項11に記載の架橋粘着剤からなる粘着剤層を有する、粘着シート。
  15. 請求項14に記載の粘着シートを製造する方法であって、
    前記基材又は剥離材上に、前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する工程と、
    該エネルギー線架橋性粘着剤組成物層にエネルギー線を照射する工程と、を含む、
    粘着シートの製造方法。
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