WO2022230027A1 - エネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シート、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

Abstract

（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂と、（Ｂ）粘着付与剤と、を含有し、前記（Ｂ）粘着付与剤が、（Ｂ１）スチレン系樹脂を含有する、エネルギー線架橋性粘着剤組成物、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を用いた粘着シート、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物をエネルギー線架橋させてなる架橋粘着剤及びその製造方法、並びに、該架橋粘着剤を用いた粘着シート及びその製造方法に関する。

Description

エネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シート、並びにこれらの製造方法

　本発明は、エネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シート、並びにこれらの製造方法に関する。

　粘着シートは、例えば、各種情報を表示するためのラベル用途、ＯＡ機器、家電製品、自動車、建築等の分野における部品の固定用途又は仮固定用途、マスキング用途等、幅広い産業分野で使用されている。
　合成ゴム系粘着剤は、分子設計、及び粘着付与剤等の添加剤との組み合わせによって、幅広い粘着性能の設計が可能であり、かつ比較的安価であるため、粘着シートの粘着剤として広く使用されている。また、合成ゴム系粘着剤は、溶剤を使用することなく加熱溶融させることによって基材等に塗工できるホットメルト粘着剤として使用できるため、粘着シートを製造する際の環境負荷を小さくできるという利点がある。

　合成ゴム系粘着剤のベース樹脂としては、例えば、スチレン－イソプレン－スチレン（ＳＩＳ）ブロック共重合体等のブロック共重合体が使用されている。該ＳＩＳは、ポリイソプレンブロックからなるソフトセグメントが粘着力に寄与すると共に、常温付近では、ポリスチレンブロックからなるハードセグメントが分子間力による物理的な擬似架橋点を形成して十分な強度を発現し得るものである。一方、該擬似架橋点は、高温環境下で解かれる性質を有するため、ＳＩＳを用いた粘着剤の凝集力は加熱によって著しく低下し、一定の温度を超えると溶融する。この溶融する性質は、ホットメルト粘着剤としての使用を可能にする点で利点になり得るが、反面、粘着剤としての耐熱性を低下させる要因ともなる。

　特許文献１には、光開始剤が結合しているアクリルポリマーと、炭素数６以上のアルキル基を含む長鎖アルキルアクリレートモノマーと、相溶性の粘着性付与剤と、多官能不飽和オリゴマーとを含む放射線硬化性ホットメルト接着剤組成物が開示されている。

国際公開第２００８／０５７４８８号

　特許文献１の接着剤組成物は、溶融塗布が可能であると共に、塗布後の塗膜に紫外線を照射することによってアクリルポリマーが架橋反応するため、粘着剤の凝集力を向上させることが可能である。しかしながら、その効果は限定的であり、より広い用途及び様々な環境下でのホットメルト粘着剤の使用を可能にするためには、更なる改善が必要である。

　本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、良好な粘着力を有し、保持力に優れる粘着剤を形成し得るエネルギー線架橋性粘着剤組成物、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を用いた粘着シート、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物をエネルギー線架橋させてなる架橋粘着剤及びその製造方法、並びに、該架橋粘着剤を用いた粘着シート及びその製造方法を提供することを目的とする。

　本発明者等は、特定の構造を有するアクリル系樹脂及び粘着付与剤を用いることによって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
　すなわち、本発明は、下記［１］～［１６］に関する。
［１］（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂と、（Ｂ）粘着付与剤と、を含有し、
　前記（Ｂ）粘着付与剤が、（Ｂ１）スチレン系樹脂を含有する、エネルギー線架橋性粘着剤組成物。
［２］前記（Ｂ１）スチレン系樹脂の含有量が、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂１００質量部に対して、１～４０質量部である、上記［１］に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
［３］前記（Ｂ）粘着付与剤が、さらに、（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂からなる群から選択される１種以上を含有する、上記［１］又は［２］に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
［４］前記（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂からなる群から選択される１種以上の含有量が、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂１００質量部に対して、１～３９質量部である、上記［３］に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
［５］前記（Ｂ）粘着付与剤の合計含有量が、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂１００質量部に対して、５～４０質量部である、上記［１］～［４］のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
［６］前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂が、側鎖に、ベンゾフェノン構造を有するアクリル系樹脂である、上記［１］～［５］のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
［７］前記（Ｂ１）スチレン系樹脂が、スチレン系モノマーの単独重合体である、上記［１］～［６］のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
［８］基材又は剥離ライナー上に、上記［１］～［７］のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を有する、粘着シート。
［９］上記［８］に記載の粘着シートを製造する方法であって、
　前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂と、前記（Ｂ）粘着付与剤と、を溶融混練することによって得て、
　該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、前記基材又は剥離ライナー上に溶融塗布することによって、前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する、粘着シートの製造方法。
［１０］上記［１］～［７］のいずれかに記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射してなる、架橋粘着剤。
［１１］ゲル分率が、３０～８５質量％である、上記［１０］に記載の架橋粘着剤。
［１２］ＪＩＳ　Ｋ　７１３６：２０００に準拠して測定されるヘイズが、８％以下である、上記［１０］又は［１１］に記載の架橋粘着剤。
［１３］上記［１０］～［１２］のいずれかに記載の架橋粘着剤を製造する方法であって、
　前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射する工程を有する、架橋粘着剤の製造方法。
［１４］基材又は剥離ライナー上に、上記［１０］～［１２］のいずれかに記載の架橋粘着剤からなる粘着剤層を有する、粘着シート。
［１５］上記［１４］に記載の粘着シートを製造する方法であって、
　前記基材又は剥離ライナー上に、前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する工程と、
　該エネルギー線架橋性粘着剤組成物層にエネルギー線を照射する工程と、を含む、
　粘着シートの製造方法。
［１６］前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂と、前記（Ｂ）粘着付与剤と、を溶融混練することによって得て、
　該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、前記基材又は剥離ライナー上に溶融塗布することによって、前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する、上記［１５］に記載の粘着シートの製造方法。

　本発明によると、良好な粘着力を有し、保持力に優れる粘着剤を形成し得るエネルギー線架橋性粘着剤組成物、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を用いた粘着シート、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物をエネルギー線架橋させてなる架橋粘着剤及びその製造方法、並びに、該架橋粘着剤を用いた粘着シート及びその製造方法を提供することができる。

本発明の粘着シートの構成の一例を示す模式的断面図である。 本発明の粘着シートの構成の別の例を示す模式的断面図である。 本発明の粘着シートの構成の別の例を示す模式的断面図である。

　本明細書において、好ましい数値範囲（例えば、含有量等の範囲）について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは１０～９０、より好ましくは３０～６０」という記載から、「好ましい下限値（１０）」と「より好ましい上限値（６０）」とを組み合わせて、「１０～６０」とすることもできる。

　本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、放射線、電子線等が挙げられる。紫外線は、例えば、紫外線源として無電極ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ＵＶ－ＬＥＤ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。なお、本発明の一態様におけるエネルギー線としては上記したものの中でも、紫外線が好ましい。
　本明細書において、「エネルギー線架橋性」とは、エネルギー線を照射することにより架橋構造を形成する性質を意味する。

　本明細書に記載されている作用機序は推測であって、本発明の効果を奏する機序を限定するものではない。

［エネルギー線架橋性粘着剤組成物及び架橋粘着剤］
　本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物は、
　（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂と、（Ｂ）粘着付与剤と、を含有し、前記（Ｂ）粘着付与剤が、（Ｂ１）スチレン系樹脂を含有する、エネルギー線架橋性粘着剤組成物である。
　また、本実施形態の架橋粘着剤は、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射してなる、架橋粘着剤である。

　本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物にエネルギー線を照射してなる架橋粘着剤は、良好な粘着力を有し、保持力に優れるものである。その理由については、以下の通り推測される。
　本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物は、（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂（以下「（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂」又は「（Ａ）成分」ともいう）を含有するものである。
　（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂は、溶融塗布が可能であると共に、塗布後にエネルギー線を照射することによって架橋反応が生じ、凝集力が向上するものである。一方で、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂のみではステンレス等の高極性被着体には高い粘着力を有するが、ポリオレフィン等の低極性被着体には十分な粘着力を有するものではなかった。
　低極性被着体への粘着力向上手法として、アクリル系粘着剤に粘着付与剤を添加する方法が提案されているが、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂と共に用いる場合、粘着剤の保持力が低下する場合があった。
　本発明者等は、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂と共に用いる粘着付与剤について検討した結果、（Ｂ１）スチレン系樹脂を用いる場合に、良好な粘着力が得られながらも、粘着剤の保持力が大きく向上することを見出した。
　この理由の１つとして、（Ｂ１）スチレン系樹脂は、ロジン系又はテルペンフェノール系等の他の粘着付与剤と比べて、（Ａ）成分のラジカル反応を阻害する不飽和二重結合の含有量が少ないことが考えられる。これによって、（Ａ）成分のエネルギー線架橋反応が十分に進行し、粘着剤の凝集力及び保持力が向上したものと考えられる。

　以下、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物（以下、単に「粘着剤組成物」ともいう）、及び架橋粘着剤についてより詳細に説明する。

〔エネルギー線架橋性粘着剤組成物〕
　本実施形態の粘着剤組成物は、上記の通り、エネルギー線を照射されることによって架橋構造が形成され、保持力に優れる架橋粘着剤を形成するものである。すなわち、本実施形態の粘着剤組成物は、被着体に貼付する前又は後において、エネルギー線を照射されることが予定されている組成物である。
　本実施形態の粘着剤組成物に対しては、エネルギー線を任意の時期に照射できる。そのため、本実施形態の粘着剤組成物は、その製造方法及び使用方法における自由度が高い。
　具体的には、本実施形態の粘着剤組成物は、意図的な架橋構造が形成されていないものであるため、加熱溶融させることが可能であり、ホットメルト粘着剤として好適である。
　さらに、本実施形態の粘着剤組成物は、意図的な架橋構造が形成されていないものであるため、形状追従性に優れる。そのため、本実施形態の粘着剤組成物を、段差等を有する被着体に貼付し、その後、エネルギー線照射によって架橋粘着剤を形成することで、形状追従性と保持力とを高度に両立させることができる。
　次に、本実施形態の粘着剤組成物が含有する各成分について詳細に説明する。

＜（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂＞
　（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂は、エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂であれば特に限定されない。
　（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂は、１種を単独で用いてもよく、２種以上を併用してもよい。

　（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂としては、例えば、エネルギー線照射によって反応し、架橋構造の形成に寄与するエネルギー線反応性基を有するアクリル系樹脂が挙げられる。
　エネルギー線反応性基としては、例えば、エネルギー線の照射によって励起されて架橋反応の引き金となるラジカルを発生させるものが挙げられる。
　エネルギー線反応性基の具体例としては、ベンゾフェノン構造、ベンジル構造、ｏ－ベンゾイル安息香酸エステル構造、チオキサントン構造、３－ケトクマリン構造、２－エチルアントラキノン構造、カンファーキノン構造等を有する官能基が挙げられる。これらの中でも、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂は、側鎖にベンゾフェノン構造を有することが好ましい。
　（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂が、ベンゾフェノン構造を有する場合、例えば、エネルギー線照射によって、ベンゾフェノン構造がアクリル系樹脂の側鎖に含まれる炭化水素基から水素原子を引き抜き、そのラジカルが再結合することによって、架橋構造が形成される。
　なお、エネルギー線反応性基は、架橋構造を形成し易くする観点から、アクリル系樹脂の側鎖に導入されていることが好ましい。すなわち、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂は、側鎖に、ベンゾフェノン構造を有するアクリル系樹脂であることが好ましい。

　（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂中におけるエネルギー線反応性基の含有量は、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂全量（１００質量％）に対して、好ましくは０．１～５．０質量％、より好ましくは０．２～３．０質量％である。

　アクリル系樹脂は、アクリル系モノマーをモノマー成分として含有する重合体であれば特に限定されないが、アルキル（メタ）アクリレートに由来する構成単位を含有することが好ましい。
　アルキル（メタ）アクリレートとしては、例えば、メチル（メタ）アクリレート、エチル（メタ）アクリレート、ｎ－プロピル（メタ）アクリレート、ｎ－ブチル（メタ）アクリレート、イソブチル（メタ）アクリレート、ｓｅｃ－ブチル（メタ）アクリレート、ｎ－ヘキシル（メタ）アクリレート、２－エチルヘキシル（メタ）アクリレート、ｎ－オクチル（メタ）アクリレート、イソオクチル（メタ）アクリレート、ｎ－ノニル（メタ）アクリレート、イソノニル（メタ）アクリレート、ｎ－デシル（メタ）アクリレート、ラウリル（メタ）アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、アルキル基の炭素数が１以上８以下のアルキル（メタ）アクリレートが好ましく、２－エチルへキシル（メタ）アクリレート、メチル（メタ）アクリレート、ブチル（メタ）アクリレートがより好ましい。

　本実施形態の粘着剤組成物中における（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂の含有量は、粘着剤組成物全量（１００質量％）に対して、２０～９５質量％であってもよく、４０～９０質量％であってもよく、６０～８０質量％であってもよい。

＜（Ｂ）粘着付与剤＞
　本実施形態の粘着剤組成物は、さらに（Ｂ）粘着付与剤を含有する。
　（Ｂ）粘着付与剤は、得られる架橋粘着剤の粘着特性を向上させる成分であって、本実施形態の粘着剤組成物においては、（Ｂ）粘着付与剤は（Ｂ１）スチレン系樹脂を含有する。
　（Ｂ）粘着付与剤は、１種を単独で用いてもよく、２種以上を併用してもよい。

（（Ｂ１）スチレン系樹脂）
　（Ｂ１）スチレン系樹脂は、スチレン系モノマーをモノマー成分として含有する重合体であれば特に限定されない。
　スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α－メチルスチレン、ｏ－メチルスチレン、ｍ－メチルスチレン、ｐ－メチルスチレン、ｐ－ｔ－ブチルスチレン、１，３－ジメチルスチレン、２，４－ジメチルスチレン等が挙げられる。
　（Ｂ１）スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系モノマーの単独重合体、スチレン系モノマーと脂肪族炭化水素系モノマーとの共重合体、スチレン系モノマーと芳香族炭化水素系モノマーとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、スチレン系モノマーの単独重合体が好ましい。

　本実施形態の粘着剤組成物中における（Ｂ１）スチレン系樹脂の含有量は、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂１００質量部に対して、好ましくは１～４０質量部、より好ましくは５～３５質量部、更に好ましくは１０～３０質量部である。
　（Ｂ１）スチレン系樹脂の含有量が１質量部以上であると、粘着力をより向上させ易い傾向にある。また、（Ｂ１）スチレン系樹脂の含有量が４０質量部以下であると、粘着剤の透明性に優れる。

（（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂）
　本実施形態の粘着剤組成物は、（Ｂ１）スチレン系樹脂と共に、（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂からなる群から選択される１種以上を含有することが好ましい。
　（Ｂ１）スチレン系樹脂は透明性が高い傾向にあるが、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂と混合した場合に、両者のＳＰ値の違いによって、ある程度の曇りが生じる傾向にある。これに対して、（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂を含有する場合、これらの粘着付与剤が、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂と（Ｂ１）スチレン系樹脂との相溶性を向上させる相溶化成分として機能し、粘着剤組成物及び該粘着剤組成物から得られる架橋粘着剤の透明性を向上できる傾向にある。

　（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂は、テルペンフェノール樹脂が有するテルペン由来の二重結合及びフェノール類由来の芳香族環二重結合が水素添加されてなる樹脂である。
　水素添加に供するテルペンフェノール系樹脂は、少なくともテルペン類由来の構造及びフェノール系化合物由来の構造を含む樹脂であり、テルペン類とフェノール系化合物との共重合体であってもよく、テルペン類を重合してなるテルペン樹脂をフェノール系化合物によって変性したものであってもよい。これらの中でも、テルペンフェノール系樹脂は、テルペンとフェノール系化合物との共重合体であることが好ましい。
　原料のテルペン類としては、特に制限はなく、例えば、α－ピネン、β－ピネン、リモネン等が挙げられる。
　（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂は、テルペンフェノール系樹脂を部分的に水添することにより得られる部分水添テルペンフェノール系樹脂であってもよいが、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂のラジカル反応を阻害しないという観点、及び透明性をより向上させ易いという観点から、テルペンフェノール系樹脂を実質的に完全に水添することにより得られる完全水添テルペンフェノール系樹脂が好ましい。

　（Ｂ３）水添ロジン系樹脂は、ロジン又はロジン由来の樹脂が有する二重結合が水素添加されてなる樹脂であり、例えば、水添ロジン、水添ロジンエステル系樹脂等が挙げられる。
　なお、本明細書において、「水添ロジン」とは、主成分としてアビエチン酸を含む精製ロジンに対して、触媒の存在下で水素を添加することによって得られるロジンを意味する。また、「水添ロジンエステル系樹脂」とは、水添ロジンを、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール等のアルコールとエステル化して得られた樹脂を意味する。
　（Ｂ３）水添ロジン系樹脂は、ロジン又はロジン由来の樹脂を部分的に水添することにより得られる部分水添ロジン系樹脂であってもよいが、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂のラジカル反応を阻害しないという観点、及び透明性をより向上させ易いという観点から、ロジン又はロジン由来の樹脂を実質的に完全に水添することにより得られる完全水添ロジン系樹脂が好ましい。

　本実施形態の粘着剤組成物が（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂からなる群から選択される１種以上を含有する場合、その含有量は、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂１００質量部に対して、好ましくは１～３９質量部、より好ましくは３～３５質量部、更に好ましくは５～３０質量部である。
　（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂からなる群から選択される１種以上の含有量が１質量部以上であると、透明性及び粘着力をより向上させ易い傾向にある。また、（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂からなる群から選択される１種以上の含有量が３９質量部以下であると、保持力をより向上させ易い傾向にある。

（（Ｂ）粘着付与剤の軟化点）
　（Ｂ）粘着付与剤の軟化点は、好ましくは７０～１４０℃、より好ましくは８０～１３０℃、更に好ましくは８５～１２０℃である。
　（Ｂ）粘着付与剤の軟化点が７０℃以上であると、高温下において優れた粘着力が得られ易い傾向にある。また、（Ｂ）粘着付与剤の軟化点が１４０℃以下であると、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂と混合し易い傾向にある。
　なお、本明細書において、（Ｂ）粘着付与剤の軟化点は、ＪＩＳ　Ｋ　５６０１－２－２に準拠して測定した値を意味する。

　本実施形態の粘着剤組成物中における、（Ｂ）粘着付与剤の合計含有量は、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂１００質量部に対して、好ましくは５～４０質量部、より好ましくは１０～４０質量部、更に好ましくは２０～４０質量部である。
　（Ｂ）粘着付与剤の合計含有量が５質量部以上であると、粘着力をより向上させ易い傾向にある。また、（Ｂ）粘着付与剤の含有量が４０質量部以下であると、保持力をより向上させ易い傾向にある。

　本実施形態の粘着剤組成物は、（Ｂ１）スチレン系樹脂、（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂以外のその他の粘着付与剤を含有していてもよいが、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂のラジカル反応を阻害しないという観点、及び透明性をより向上させ易いという観点から、上記その他の粘着付与剤を含有しないことが好ましい。
　本実施形態の粘着剤組成物が含有する（Ｂ）粘着付与剤中における、（Ｂ１）スチレン系樹脂、（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂の合計含有量は、上記と同様の観点から、（Ｂ）粘着付与剤全量（１００質量％）に対して、好ましくは９０～１００質量％、より好ましくは９５～１００質量％、更に好ましくは９８～１００質量％である。

＜その他の成分＞
　本実施形態の粘着剤組成物は、上記各成分以外のその他の成分を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
　その他の成分としては、例えば、軟化剤；酸化防止剤；一般的な粘着剤に使用される粘着剤用添加剤等が挙げられる。
　これらのその他の成分は、各々について、１種を単独で用いてもよく、２種以上を併用してもよい。

　酸化防止剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、２，６－ジ－ｔｅｒｔ－ブチル－４－（４，６－ビス（オクチルチオ）－１，３，５－トリアジン－２－イルアミノ）フェノール、２，６－ジ－ｔ－ブチル－４－メチルフェノール、ｎ－オクタデシル－３－（４’－ヒドロキシ－３’，５’－ジ－ｔ－ブチルフェニル）プロピオネート、２，２’－メチレンビス（４－メチル－６－ｔ－ブチルフェノール）、２，２’－メチレンビス（４－エチル－６－ｔ－ブチルフェノール）、２，４－ビス（オクチルチオメチル）－ｏ－クレゾール、２－ｔ－ブチル－６－（３－ｔ－ブチル－２－ヒドロキシ－５－メチルベンジル）－４－メチルフェニルアクリレート、２，４－ジ－ｔ－アミル－６－〔１－（３，５－ジ－ｔ－アミル－２－ヒドロキシフェニル）エチル〕フェニルアクリレート、２－［１－（２－ヒドロキシ－３，５－ジ－ｔｅｒｔ－ぺンチルフェニル）］アクリレート、テトラキス〔メチレン－３－（３，５－ジ－ｔ－ブチル－４－ヒドロキシフェニル）プロピオネート〕メタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤；ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス（３－ラウリルチオプロピオネート）等のイオウ系酸化防止剤；トリス（ノニルフェニル）ホスファイト、トリス（２，４－ジ－ｔ－ブチルフェニル）ホスファイト等のリン系酸化防止剤；等が挙げられる。

　上記一般的な粘着剤に使用される粘着剤用添加剤としては、例えば、ワックス、充填剤、増量剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤（顔料、染料等）、難燃剤、帯電防止剤、糸引き抑制剤、レベリング剤、架橋剤、架橋助剤、老化防止剤、無機粒子、有機粒子、軽量化剤等が挙げられる。
　これらの粘着剤用添加剤は、各々について、単独で用いてもよく、２種以上を併用してもよい。
　これらの粘着剤用添加剤を含有する場合、粘着剤用添加剤の含有量は、それぞれ独立して、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂１００質量部に対して、好ましくは０．０００１～２０質量部、より好ましくは０．００１～１０質量部である。

＜粘着剤組成物の製造方法＞
　本実施形態の粘着剤組成物は、例えば、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂、（Ｂ）粘着付与剤、及び必要に応じて使用する任意の成分を溶融混練する方法によって製造することができる。
　なお、以下の説明において、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂、（Ｂ）粘着付与剤等を溶融混練する工程を「溶融混練工程」と称する場合がある。

　溶融混練工程は、例えば、各成分を、加熱ニーダー等の加熱装置を備えた混合装置に投入し、各成分を溶融させた状態で混合する工程である。
　加熱装置を備えた混合装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロールミル、プラストミル、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧ニーダー等が挙げられる。
　減圧可能な混合装置を用いる場合は、必要に応じて、混合装置の内部を減圧して、減圧下で溶融混練してもよい。

　溶融混練工程における混練温度は、特に限定されず、各成分が溶融状態で十分に混合される温度条件を適宜選択すればよいが、好ましくは８０～１８０℃、より好ましくは１００～１７０℃、更に好ましくは１２０～１５０℃である。

　なお、本実施形態の粘着剤組成物を溶融混練によって製造する場合、本実施形態の粘着剤組成物は溶媒を含む必要がなく、環境負荷を小さくするという観点から、溶媒を含まないことが好ましい。溶媒を含有する場合においては、溶媒の含有量は、本実施形態の粘着剤組成物全量（１００質量％）に対して、好ましくは１０質量％以下、より好ましくは５質量％以下、更に好ましくは１質量％以下である。

　溶融混練を終えて得られた粘着剤組成物は、加熱溶融された状態のまま、押出機等によって基材又は剥離ライナー上に塗布し、後述する本実施形態の粘着シートの製造に供してもよく、所望に応じて、例えば、成形工程を経ずに各種容器等に充填してもよい。

〔架橋粘着剤〕
　本実施形態の架橋粘着剤は、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射してなる、架橋粘着剤である。
　すなわち、本実施形態の架橋粘着剤は、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物が含有する（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂のエネルギー線架橋反応によって形成された架橋構造を有するものである。
　本実施形態の架橋粘着剤自体も良好な粘着力を有し、被着体に対して優れた接着力を発揮するものである。そのため、被着体に貼付した後のエネルギー線照射工程を不要にするという観点からは、粘着剤組成物を被着体に貼付する前にエネルギー線を照射して本実施形態の架橋粘着剤を形成しておき、架橋粘着剤として被着体に貼付する態様が好ましい。

　本実施形態の架橋粘着剤の２３℃におけるポリエチレン板に対する粘着力は、好ましくは３Ｎ／２５ｍｍ以上、より好ましくは５Ｎ／２５ｍｍ以上、更に好ましくは６Ｎ／２５ｍｍ以上である。
　架橋粘着剤の粘着力が３Ｎ／２５ｍｍ以上であると、被着体からの浮き、剥がれ等が発生し難い傾向にある。
　架橋粘着剤の２３℃におけるポリエチレン板に対する粘着力の上限値は特に限定されないが、製造容易性及び他の性能とのバランスを良好に保つ観点から、５０Ｎ／２５ｍｍ以下であってもよく、３０Ｎ／２５ｍｍ以下であってもよい。
　架橋粘着剤の２３℃におけるポリエチレン板に対する粘着力は、実施例に記載の方法によって測定することができる。

　本実施形態の架橋粘着剤のゲル分率は、好ましくは３０～８５質量％、より好ましくは３５～８０質量％、更に好ましくは４０～７５質量％である。
　架橋粘着剤のゲル分率が３０質量％以上であると、保持力をより向上させ易い傾向にある。また、架橋粘着剤のゲル分率が８５質量％以下であると、粘着力をより向上させ易い傾向にある。
　本実施形態において、架橋粘着剤のゲル分率は、実施例に記載の方法によって測定することができる。

　本実施形態の架橋粘着剤のヘイズは、好ましくは１５％以下、より好ましくは８％以下、更に好ましくは４％以下である。
　架橋粘着剤のヘイズが１５％以下であると、本実施形態の架橋粘着剤が、透明性が要求される用途に対して好適になる傾向にある。
　本実施形態において、架橋粘着剤のヘイズは、実施例に記載の方法によって測定することができる。

　本実施形態の架橋粘着剤は、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射する方法によって製造することができる。
　なお、以下の説明において、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物にエネルギー線を照射する工程を「エネルギー線照射工程」と称する場合がある。

［粘着シート］
　本発明は、下記の第１の粘着シート及び第２の粘着シートを提供する。
　第１の粘着シートは、基材又は剥離ライナー上に、本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を有する、粘着シートである。
　第２の粘着シートは、基材又は剥離ライナー上に、本実施形態の架橋粘着剤からなる粘着剤層を有する、粘着シートである。
　以下の説明において、単に「粘着シート」と称する場合は、第１の粘着シート及び第２の粘着シートの双方を意味する。

　次に、本実施形態の粘着シートの構成の一例を、図面を用いて説明するが、本実施形態の粘着シートは、本実施形態の効果が発現する限り、以下の例に限定されるものではない。

　図１（ａ）には、第１の粘着シートの一例として、粘着剤組成物層１の一方の面側に剥離ライナー２を有し、粘着剤組成物層１の他方の面側に基材４を有する粘着シート１０ａが示されている。
　また、図１（ｂ）には、第２の粘着シートの一例として、粘着剤層３の一方の面側に剥離ライナー２を有し、粘着剤層３の他方の面側に基材４を有する粘着シート１０ｂが示されている。
　粘着シート１０ａ及び１０ｂは、例えば、剥離ライナー２を剥離除去してから、表出した粘着剤組成物層１又は粘着剤層３の面を被着体に貼付する用途等に好適である。このような用途としては、例えば、ラベル用途等が挙げられる。
　なお、被着体に貼付する粘着シートが第１の粘着シートである場合、被着体に貼付した後に、粘着剤組成物層に対してエネルギー線を照射して粘着剤層を形成する。

　図２（ａ）には、第１の粘着シートの別の例として、基材４の両面に粘着剤組成物層１を有し、一方の粘着剤組成物層１の基材４とは反対側の面に剥離ライナー２ａを有し、他方の粘着剤組成物層１の基材４とは反対側の面に剥離ライナー２ｂを有する両面粘着シート２０ａが示されている。
　また、図２（ｂ）には、第２の粘着シートの別の例として、基材４の両面に粘着剤層３を有し、一方の粘着剤層３の基材４とは反対側の面に剥離ライナー２ａを有し、他方の粘着剤層３の基材４とは反対側の面に剥離ライナー２ｂを有する両面粘着シート２０ｂが示されている。

　図３（ａ）には、第１の粘着シートの別の例として、粘着剤組成物層１の両面に剥離ライナー２ａ及び２ｂを有する、基材レスの粘着シート３０ａが示されている。
　また、図３（ｂ）には、第２の粘着シートの別の例として、粘着剤層３の両面に剥離ライナー２ａ及び２ｂを有する、基材レスの粘着シート３０ｂが示されている。

　粘着シート２０ａ、２０ｂ、３０ａ及び３０ｂは、例えば、一方の面側の剥離ライナー２ａを剥離除去してから、表出した粘着剤組成物層１又は粘着剤層３の面を被着体に貼付し、その後、さらに、剥離ライナー２ｂを剥離除去してから、表出した粘着剤組成物層１又は粘着剤層３の面を別の被着体に貼付する、被着体同士の貼り合わせに好適である。このような用途としては、例えば、各種部品の固定又は仮固定用途等が挙げられる。
　なお、粘着シート３０ａ及び３０ｂにおいて、剥離ライナー２ａを粘着剤組成物層１又は粘着剤層３から剥がす際の剥離力と、剥離ライナー２ｂを粘着剤組成物層１又は粘着剤層３から剥がす際の剥離力とが同程度である場合、双方の剥離ライナーを外側へ引っ張って剥がそうとすると、粘着剤組成物層１又は粘着剤層３が、２つの剥離ライナーに伴って分断されて引き剥がされる現象が生じることがある。このような現象を抑制する観点から、２つの剥離ライナー２ａ、２ｂは剥離力が異なるように設計された２種の剥離ライナーを用いることが好ましい。

　第１の粘着シートにおける粘着剤組成物層の厚さ及び第２の粘着シートにおける粘着剤層の厚さは、好ましくは５～１００μｍ、より好ましくは１０～６０μｍ、更に好ましくは１５～３０μｍである。
　粘着剤組成物層及び粘着剤層の厚さが５μｍ以上であると、粘着力をより向上させ易い傾向にある。また、粘着剤組成物層及び粘着剤層の厚さが１００μｍ以下であると、取り扱い性がより良好になり易い傾向にある。

＜基材＞
　基材の形成材料としては、例えば、樹脂、金属、紙材等が挙げられる。
　樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂；ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン－酢酸ビニル共重合体、エチレン－ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂；ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂；ポリスチレン；アクリロニトリル－ブタジエン－スチレン共重合体；三酢酸セルロース；ポリカーボネート；ポリウレタン、アクリル変性ポリウレタン等のウレタン樹脂；ポリメチルペンテン；ポリスルホン；ポリエーテルエーテルケトン；ポリエーテルスルホン；ポリフェニレンスルフィド；ポリエーテルイミド、ポリイミド等のポリイミド系樹脂；ポリアミド系樹脂；アクリル樹脂；フッ素系樹脂等が挙げられる。
　金属としては、例えば、アルミニウム、スズ、クロム、チタン等が挙げられる。
　紙材としては、例えば、薄葉紙、中質紙、上質紙、含浸紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙等が挙げられる。

　上記基材の形成材料は、１種から構成されていてもよく、２種以上を併用してもよい。
　２種以上の形成材料を併用した基材としては、紙材をポリエチレン等の熱可塑性樹脂でラミネートしたもの、樹脂を含む樹脂フィルム又はシートの表面に金属膜を形成したもの等が挙げられる。なお、金属層の形成方法としては、例えば、上記金属を真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のＰＶＤ法により蒸着する方法、又は、上記金属からなる金属箔を一般的な粘着剤を用いて貼付する方法等が挙げられる。

　なお、基材と積層する他の層との層間密着性を向上させる観点から、基材が樹脂を含む場合、基材の表面に対して、酸化法、凹凸化法等による表面処理、易接着処理、あるいはプライマー処理を施してもよい。

　基材は、粘着シートの用途に応じて、例えば、印刷を容易にするための易接着層；熱転写記録、インキジェット記録等の記録を可能にするための記録層；これらの表面を保護するためにオーバーコートフィルム又はオーバーラミネートフィルム；磁気記録、バーコード、マイクロ半導体素子等の情報領域；等を有していてもよい。
　一方、本実施形態の粘着シートを、透明性を有する透明粘着シートとする場合には、基材は透明性を有するものが好ましい。本実施形態の架橋粘着剤は、透明性を高く設計することが可能であるため、透明性を有する基材と組み合わせて透明粘着シートを製造するのに好適である。

　基材は、必要に応じて、基材用添加剤を含有してもよい。基材用添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤等が挙げられる。なお、これらの基材用添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、２種以上を併用してもよい。

　基材の厚さは、好ましくは５～１，０００μｍ、より好ましくは１５～５００μｍ、更に好ましくは２０～２００μｍである。
　基材の厚さが５μｍ以上であると、粘着シートの耐変形性を向上させ易い傾向にある。一方、基材の厚さが１，０００μｍ以下であると、粘着シートの取り扱い性を向上させ易くなる傾向にある。
　なお、「基材の厚さ」とは、基材全体の厚さを意味し、基材が複数層からなる基材である場合は、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。

＜剥離ライナー＞
　剥離ライナーとしては、両面剥離処理をされた剥離ライナー；片面剥離処理をされた剥離ライナー；等が用いられ、剥離ライナー用の基材上に剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
　剥離ライナー用基材としては、例えば、上質紙、グラシン紙、クラフト紙等の紙類；ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム；等が挙げられる。
　剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー；長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
　剥離ライナーの厚さは、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されないが、好ましくは１０～２００μｍ、より好ましくは２０～１８０μｍ、更に好ましくは３０～１５０μｍである。

［第１の粘着シートの製造方法］
　第１の粘着シートの製造方法は、本実施形態の粘着剤組成物を、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂と、（Ｂ）粘着付与剤と、を溶融混練することによって得て、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、基材又は剥離ライナー上に溶融塗布することによって、エネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する方法である。
　なお、以下の説明において、エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、基材又は剥離ライナー上に溶融塗布することによって、エネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する工程を「粘着剤組成物層形成工程」と称する場合がある。
　また、本実施形態において、「剥離ライナー上」とは、剥離ライナーが片面剥離処理されたものである場合、剥離処理された面上を意味する。

　第１の粘着シートの製造方法において、（Ａ）エネルギー線架橋性アクリル系樹脂と、（Ｂ）粘着付与剤と、を溶融混練する工程の説明は、本実施形態の粘着剤組成物の製造方法における溶融混練工程の説明の通りである。

　粘着剤組成物層形成工程は、溶融混練を終えて得られた粘着剤組成物を、加熱溶融された状態のまま、押出機及びＴダイ等を使用して、基材又は剥離ライナー上に塗布して層形成する方法であってもよい。その後、必要に応じて、粘着剤組成物層を冷却する工程を有していてもよい。

　上記の粘着剤組成物層形成工程によって、基材又は剥離ライナー上に粘着剤組成物層を形成することができる。
　該基材又は剥離ライナーと粘着剤組成物層とを有するシートを、そのまま本実施形態の第１の粘着シートとして用いてもよいし、必要に応じて、他の工程を施すことによって、所望する粘着シートの構成にしてもよい。
　例えば、基材上に形成された粘着剤組成物層の露出面に対して、剥離ライナーの剥離処理面を貼付することによって、図１（ａ）に示した粘着シート１０ａのように、粘着剤組成物層の一方の面側に剥離ライナーを有し、粘着剤組成物層の他方の面側に基材を有する粘着シートを製造することができる。
　また、剥離ライナー上に形成された粘着剤組成物層の露出面に対して、粘着シート１０ａの基材面を貼付することによって、図２（ａ）に示した粘着シート２０ａのように、基材の両面に粘着剤組成物層を有し、各々の粘着剤組成物層の基材とは反対側の面に剥離ライナーを有する両面粘着シートを製造することができる。
　また、剥離ライナー上に形成された粘着剤組成物層の露出面に対して、別の剥離ライナーの剥離処理面を貼付することによって、図３（ａ）に示した粘着シート３０ａのように、粘着剤組成物層の両面に剥離ライナーを有する、基材レスの粘着シートを製造することができる。

［第２の粘着シートの製造方法］
　第２の粘着シートの製造方法は、基材又は剥離ライナー上に、エネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する工程と、該エネルギー線架橋性粘着剤組成物層にエネルギー線を照射する工程と、を含む、粘着シートの製造方法である。

　第２の粘着シートの製造方法において、エネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する工程の説明は、第１の粘着シートの製造方法における粘着剤組成物層形成工程の説明の通りである。

　第２の粘着シートの製造方法において、エネルギー線照射を行う時期は特に限定されず、粘着シートの製造方法、所望する物性等を考慮して適宜決定すればよい。
　例えば、粘着剤組成物層の一方の面が露出した状態において、粘着剤組成物層に対して、直接又は基材若しくは剥離ライナーを介して、エネルギー線を照射してもよいし、粘着剤組成物層の一方の面に基材又は剥離ライナー、他方の面に剥離ライナーを有する状態において、基材又は剥離ライナーを介して、エネルギー線を照射してもよい。

　また、エネルギー線照射は１回で行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。エネルギー線照射を複数回に分けて行う場合、例えば、粘着剤組成物層の一方の面が露出した状態において、第１のエネルギー線照射を行い、その後、当該面に基材又は剥離ライナーを貼付した後に、基材又は剥離ライナーを介して、第２のエネルギー線照射を行ってもよい。
　さらには、被着体に貼付する前のいずれかの時期において、第１のエネルギー線照射を行い、被着体に貼付した後に、第２のエネルギー線照射を行ってもよい。

＜エネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シートの用途＞
　本実施形態のエネルギー線架橋性粘着剤組成物、架橋粘着剤及び粘着シートは、種々の用途に使用することができる。
　具体的には、例えば、ラベル用途；各種部品の固定又は仮固定用途；表面保護用途；シーリング材用途；装飾、表示用途；等が挙げられる。
　これらの中でも、ラベル用途、各種部品の固定又は仮固定用途が好ましい。

　ラベル用途の粘着シートは各種製品に直接貼着してもよく、各種製品の包装フィルム、包装容器等に貼着してもよい。包装フィルム及び包装容器の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂；ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂；ガラス、紙、金属；等が挙げられる。
　これらの中でも、本実施形態の粘着シートは、オレフィン系樹脂に対して高い粘着力を示すため、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂製の包装フィルム、包装容器等に貼付する使用態様に好適である。
　固定又は仮固定用途の粘着シートとしては、例えば、電子部材、光学部材、自動車部品、機構部品、建築部材、装飾部材等の固定又は仮固定に好適である。

　本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例における物性値は、以下の方法により測定した値である。

［各層の厚さ］
　株式会社テクロック製の定圧厚さ測定器（型番：「ＰＧ－０２Ｊ」、標準規格：ＪＩＳ　Ｋ　６７８３、Ｚ　１７０２、Ｚ　１７０９に準拠）を用いて、２３℃にて測定した。

　以下の実施例及び比較例において使用した材料の詳細は以下の通りである。

＜（Ａ）成分＞
・エネルギー線架橋性アクリル系樹脂：側鎖にベンゾフェノン構造を有するアクリル系樹脂、ＢＡＳＦ社製、商品名「ａｃＲｅｓｉｎ　Ａ２０４ＵＶ」

＜（Ｂ）成分＞
・（Ｂ１）スチレン系樹脂：スチレン系モノマーの単独重合体、ヤスハラケミカル社製、商品名「ＳＸ１００」、軟化点１００℃
・（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂：ヤスハラケミカル社製、商品名「ＵＨ１１５」、軟化点１１５℃
・（Ｂ３）水添ロジン系樹脂：水添ロジンエステル系樹脂、荒川化学工業社製、商品名「ＫＥ－３１１」、軟化点９０～１００℃（環球法）
・非水添テルペンフェノール系樹脂：ヤスハラケミカル社製、商品名「Ｔ１１５」、軟化点１１５℃
・非水添ロジン系樹脂：重合ロジンエステル、ハリマ化成社製、商品名「ＰＣＪ」、軟化点１１８～１２８℃

実施例１～５、比較例１～５
（エネルギー線架橋性粘着剤組成物の製造）
　各成分を表１に示す組成（単位：質量部）にて配合し、加熱型ニーダーを用いて、窒素パージ下において、１３０℃で２０分間混練して、エネルギー線架橋性粘着剤組成物を得た。

（第１の粘着シートの製造）
　上記で得られたエネルギー線架橋性粘着剤組成物を、加熱溶融された状態のまま、基材である透明のポリエチレンテレフタレートフィルム（厚さ：５０μｍ）上にダイコーターを用いて塗工した。これによって、基材上に、エネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を有する第１の粘着シートを得た。

（第２の粘着シートの製造）
　上記で得られた第１の粘着シートのエネルギー線架橋性粘着剤組成物層に対して、露出している面側から、高圧水銀ランプ（アイグラフィックス社製）を用いて、ＵＶ－Ｃ領域の積算光量３０ｍＪ／ｃｍ^２の条件で紫外線を照射した。これによって、第１の粘着シートが有するエネルギー線架橋性粘着剤組成物層をエネルギー線架橋させてなる粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層の基材とは反対側の面に、剥離ライナー（厚さ：３８μｍ）の剥離処理面を貼り合わせて、基材、粘着剤層及び剥離ライナーをこの順で有する第２の粘着シートを得た。

（基材レスの粘着シートの製造）
　上記第１の粘着シートの製造時の基材を剥離ライナー（厚さ：３８μｍ）に変更したこと以外は、上記第１の粘着シートの製造及び第２の粘着シートの製造と同じ方法によって、第２の粘着シートである、剥離ライナー、粘着剤層及び剥離ライナーをこの順で有する基材レスの粘着シートを得た。

［評価方法］
　各例で得られた第２の粘着シート及び基材レスの粘着シートを、以下に示す方法によって評価した。なお、以下の説明において単に「粘着シート」と記載する場合、第２の粘着シートを意味する。

［ゲル分率の測定］
　各例で得た基材レスの粘着シートにおける粘着剤層のゲル分率を以下に示す方法によって測定した。
　各例で得た基材レスの粘着シートから、両側の剥離ライナーを除去し、粘着剤層のみを取り出した。以下、取り出した粘着剤層を「測定対象物」と称する。
　次に、取り出した測定対象物を、予め質量を測定したポリエステル製メッシュ（メッシュサイズ２００）に包み込み、試験サンプルを作製した。当該試験サンプルの質量を精密天秤にて秤量し、測定値から、ポリエステル製メッシュの質量を除き、浸漬前の測定対象物のみの質量を算出した。この測定した測定対象物の質量をＭ１とした。
　次に、試験サンプルを、室温（２３℃）下で酢酸エチルに７２時間浸漬させた。浸漬後、試験サンプルを取り出し、当該試験サンプルを、１２０℃のオーブン中にて２時間乾燥させた後、温度２３℃、相対湿度５０％の環境下で、２４時間静置した。乾燥後の試験サンプルの質量を精密天秤にて秤量し、測定値から、ポリエステル製メッシュの質量を除き、浸漬及び乾燥後の測定対象物のみの質量を算出した。この測定した測定対象物の質量をＭ２とした。
　浸漬前の測定対象物の質量Ｍ１の値、及び、浸漬及び乾燥後の測定対象物の質量Ｍ２の値から、下記式によりゲル分率を算出した。
・ゲル分率（質量％）＝（Ｍ２／Ｍ１）×１００

［粘着力の測定］
　各例で得た粘着シートから、剥離ライナーを剥離した後、表出した粘着表面を、室温（２３℃）にて、被着体であるポリエチレン板に対し、ＪＩＳ　Ｚ　０２３７：２００９に基づき、重さ２ｋｇのローラーを１往復させて圧着した。圧着後、２３℃、５０％ＲＨ（相対湿度）の環境下で、３０分間静置したものを粘着力測定試料とした。
　上記で作製した粘着力測定試料を、２３℃、５０％ＲＨ（相対湿度）の環境下で、引張試験機（株式会社エー・アンド・デイ製、製品名「テンシロン（登録商標）」）を用いて、ＪＩＳ　Ｚ　０２３７：２００９に基づき、１８０°引き剥がし法により、引っ張り速度３００ｍｍ／ｍｉｎにて粘着力を測定した。

［保持力の評価］
　粘着シートの保持力は、ＪＩＳ　Ｚ　０２３７：２００９に準拠して、以下の手順で測定した。
　各例で得た粘着シートを幅２５ｍｍの短冊状に切り出し、剥離ライナーを剥離し、表出した粘着シートの粘着表面を、被着体であるステンレス板に対し、ＪＩＳ　Ｚ　０２３７：２００９に基づき、重さ２ｋｇのローラーを５往復させて圧着した。圧着後、２３℃、５０％ＲＨ（相対湿度）の環境下で１５分間静置したものを保持力測定試料とした。
　上記で作製した保持力測定試料を、４０℃の恒温層内に移し、１ｋｇｆの一定荷重が垂直方向にかかるように重しを粘着シートに取り付けて、最大で３０，０００秒試験し、下記基準にて粘着シートの保持力を評価した。
　Ａ：試験開始３０，０００秒後に粘着シートのズレ及び落下が発生しなかった。
　Ｆ：試験開始３０，０００秒以内に、粘着剤層が凝集破壊して、粘着シートが落下した。

［ヘイズの測定］
　各例で得られた粘着シートから剥離ライナーを剥離し、表出した粘着剤層をガラスに貼合して、これを測定用サンプルとした。上記測定用サンプルについて、ＪＩＳ　Ｋ７１３６：２０００に準じて、ヘイズメーター（日本電色工業社製、製品名「ＮＤＨ５０００」）を用いてヘイズ（％）を測定した。

　表１から、実施例１～５で得られた粘着シートは、良好な粘着力を有しながらも、保持力試験においてズレ及び落下が発生しておらず、高い保持力を有していることが分かる。
　一方、粘着付与剤を添加していない比較例１は、十分な粘着力が得られなかった。粘着付与剤として、（Ｂ１）スチレン系樹脂を用いなかった比較例２～５の粘着シートは、いずれも保持力が劣っていた。

１　エネルギー線架橋性粘着剤組成物層
２、２ａ、２ｂ　剥離ライナー
３　粘着剤層
４　基材
１０ａ、２０ａ、３０ａ　第１の粘着シート
１０ｂ、２０ｂ、３０ｂ　第２の粘着シート

 

Claims (16)

1. 　（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂と、（Ｂ）粘着付与剤と、を含有し、
   　前記（Ｂ）粘着付与剤が、（Ｂ１）スチレン系樹脂を含有する、エネルギー線架橋性粘着剤組成物。
2. 　前記（Ｂ１）スチレン系樹脂の含有量が、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂１００質量部に対して、１～４０質量部である、請求項１に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
3. 　前記（Ｂ）粘着付与剤が、さらに、（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂からなる群から選択される１種以上を含有する、請求項１又は２に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
4. 　前記（Ｂ２）水添テルペンフェノール系樹脂及び（Ｂ３）水添ロジン系樹脂からなる群から選択される１種以上の含有量が、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂１００質量部に対して、１～３９質量部である、請求項３に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
5. 　前記（Ｂ）粘着付与剤の合計含有量が、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂１００質量部に対して、５～４０質量部である、請求項１～４のいずれか１項に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
6. 　前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂が、側鎖に、ベンゾフェノン構造を有するアクリル系樹脂である、請求項１～５のいずれか１項に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
7. 　前記（Ｂ１）スチレン系樹脂が、スチレン系モノマーの単独重合体である、請求項１～６のいずれか１項に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物。
8. 　基材又は剥離ライナー上に、請求項１～７のいずれか１項に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を有する、粘着シート。
9. 　請求項８に記載の粘着シートを製造する方法であって、
   　前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂と、前記（Ｂ）粘着付与剤と、を溶融混練することによって得て、
   　該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、前記基材又は剥離ライナー上に溶融塗布することによって、前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する、粘着シートの製造方法。
10. 　請求項１～７のいずれか１項に記載のエネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射してなる、架橋粘着剤。
11. 　ゲル分率が、３０～８５質量％である、請求項１０に記載の架橋粘着剤。
12. 　ＪＩＳ　Ｋ　７１３６：２０００に準拠して測定されるヘイズが、８％以下である、請求項１０又は１１に記載の架橋粘着剤。
13. 　請求項１０～１２のいずれか１項に記載の架橋粘着剤を製造する方法であって、
    　前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物に、エネルギー線を照射する工程を有する、架橋粘着剤の製造方法。
14. 　基材又は剥離ライナー上に、請求項１０～１２のいずれか１項に記載の架橋粘着剤からなる粘着剤層を有する、粘着シート。
15. 　請求項１４に記載の粘着シートを製造する方法であって、
    　前記基材又は剥離ライナー上に、前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物からなるエネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する工程と、
    　該エネルギー線架橋性粘着剤組成物層にエネルギー線を照射する工程と、を含む、
    　粘着シートの製造方法。
16. 　前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、前記（Ａ）エネルギー線架橋性を有するアクリル系樹脂と、前記（Ｂ）粘着付与剤と、を溶融混練することによって得て、
    　該エネルギー線架橋性粘着剤組成物を、前記基材又は剥離ライナー上に溶融塗布することによって、前記エネルギー線架橋性粘着剤組成物層を形成する、請求項１５に記載の粘着シートの製造方法。
    
     

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