JP2006095773A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノズル固有の着弾位置バラツキを要因とするスジムラの視認性を低減する。
【解決手段】 複数のノズルが配列された長尺の液滴吐出ヘッドと、静電吸着により記録媒体を吸着させて搬送する搬送手段と、少なくとも2つの第1のノズルが略同じ駆動タイミングで駆動すると、前記第1のノズルからの吐出液滴が、前記第1のノズル以外の第2のノズルに対向する前記記録媒体上の打滴位置に着弾する場合において、前記第2のノズルに対向する前記記録媒体上の打滴位置にドットを形成する際に、前記第1のノズルを用いて適宜打滴する打滴置換手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供することにより、前記課題を解決する。
【選択図】 図8

Description

本発明は画像形成装置に係り、特に、記録媒体に対して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置に関する。
インクジェット方式の画像形成装置には、記録媒体の幅方向に対応して複数のノズルが配列されている長尺の印字ヘッド(ラインヘッド)を備え、記録媒体を印字ヘッドに対して相対的に搬送しながら、ノズルから液滴を記録媒体に対して吐出し、記録媒体上に画像を高速で形成するものがある。
このような画像形成装置において、静電吸着を利用して、記録媒体を搬送ベルト上に吸着して搬送する場合、図13に示すように、隣接するノズル51-1、51-2から打滴された飛翔液滴はそれぞれ帯電する。そして、近くにある飛翔液滴同士は静電反発力Fにより互いに反発しあい、それぞれから離れるように飛翔しながら、記録媒体上に偏向着弾する。
特にラインヘッドは、シリアルヘッドと異なり、記録媒体の幅方向にヘッドを走査せずに、記録媒体の幅方向にヘッドを固定した状態で記録媒体に対して画像形成するので、隣接ノズルの飛翔液滴から静電反発力の影響を受けて、飛翔液滴の着弾位置がずれると、記録媒体の紙搬送方向にスジやムラが視認されやすい。その結果、印字品質を落とすことがある。
そこで、このようなスジムラの視認性を低減させるために様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2等参照)。
特許文献1では、離散的に選択したノズル群を略同時に駆動する分散吐出を行う打滴制御方法により、略同時に吐出された飛翔液滴同士の距離を大きくして、飛翔液滴間の静電反発力の影響を軽減して、着弾位置のズレを防止し、紙搬送方向のスジムラの視認性を低減している。
特許文献2に開示された記録装置は、断線やインク詰まり等によりインクを吐出できないノズル(不吐ノズル)が存在する場合には、特許文献1のような分散吐出を行わないで、ベタ部に対応する全ノズルを略同時に駆動又は特定された不吐ノズルの両近傍ノズルを略同時に吐出する打滴制御方法により、飛翔液滴間の静電反発力の影響を利用して、不吐ノズルによって生じる紙搬送方向のスジムラの視認性を低減している。
特開2001−260342号公報 特開2004−42472号公報
ところで、各ノズルの製造上のバラツキ(位置のバラツキ、吐出口の加工バラツキ等)、ノズルの吐出口付近に付着した異物(汚れ)やインクの物性(粘度等)が不均一になる等の様々な原因によって、ノズルから吐出された飛翔液滴の飛翔方向にバラツキが生じて、記録媒体上の着弾位置にズレが起こることがある。このようなノズル固有の着弾位置ズレの生じたノズルが印字ヘッドに存在する場合、特許文献1及び特許文献2に開示された打滴制御方法で印字を行うと、以下に述べるようなスジムラが視認されるようになり、印字品質の低下を招く恐れがある。
図11は、特許文献1に開示された打滴制御方法による印字結果を示した説明図である。ノズル51Cは、ノズル51D側に偏向する着弾位置ズレノズルである。以下では、各ノズル51A、51B、51C、51D、51Eの駆動タイミングについて、図11を用いて説明する。
第1番目の駆動タイミングでノズル51A、51Eが打滴を行い、第1番目の駆動タイミングから若干遅れた第2番目の駆動タイミングでノズル51Bが打滴を行う。続いて、第2番目の駆動タイミングから若干遅れた第3番目の駆動タイミングでノズル51Cが打滴を行い、さらに第3番目の駆動タイミングから若干遅れた第4番目の駆動タイミングでノズル51Dが打滴を行う。
なお図11では、異なる駆動タイミングで打滴された飛翔液滴同士は、静電反発力の影響を受けず、同じ駆動タイミングで打滴された飛翔液滴のうち、隣接するノズルから打滴された場合は静電反発力の影響を受け、隣接するノズル以外のノズルから打滴された場合は静電反発力の影響を受けないように構成されている。
第1番目の駆動タイミングで打滴するノズル51A、51Eは隣接していないので、それらの飛翔液滴同士は静電反発力の影響を受けずに、主走査方向の本来の着弾位置(図11中ノズル51A、51Eの真下位置)にドット101A、101Eがそれぞれ形成される。なおノズル51A、51Eは略同じ駆動タイミングで打滴を行うため、ドット101A、101Eの副走査方向の位置は略同じとなる。
同様に、第2番目乃至第4番目の駆動タイミングでそれぞれ打滴されたノズル51B、51C、51Dの飛翔液滴も静電反発力の影響を受けない。このときノズル51Cは着弾位置ズレノズルであるため、その飛翔液滴は着弾位置ズレ方向であるノズル51D側に偏向する。従って、ノズル51B、51Dによって、主走査方向の本来の着弾位置(図11中ノズル51B、51Dの真下位置)にドット101B、101Dがそれぞれ形成されると共に、着弾位置ズレノズル51Cによって、主走査方向の本来の着弾位置(図11中ノズル51Cの真下位置)からノズル51D側に偏向した位置にドット101Cが形成される。なおドット101B、101C、101Dの副走査方向の形成位置は、各ノズルの駆動タイミングの時間的なズレに応じて、ドット101A、101Eから副走査方向(紙搬送方向)上流側に若干量ずれた位置となる。
このようにして主走査方向に配列されたドット列130-1が形成される。続いて、ドット列130-1と同様にして、ドット列130-2、…、130-10 が順次形成される。
なお図11中、各ドットの中に記載された数字は、主走査方向に配列された各ドット列130-1、…、130-10 における各ドットの駆動タイミングの順序を表しており、主走査方向で同じ数字が記載されたドット(例えば、ドット101Aとドット101E等)は同じ駆動タイミングで打滴されたことを表している。
この結果、ノズル51A、51B、51D、51Eによって副走査方向のドット列120A、120B、120D、120Eがそれぞれ主走査方向の本来の着弾位置にそれぞれ形成され、着弾位置ズレノズル51Cによって副走査方向のドット列120Cがノズル51D側にシフトした位置に形成される。このため、副走査方向のドット列120Bとドット列120Cとの間に、ノズル固有の着弾位置ズレノズル51Cを要因とする副走査方向のスジムラ140が視認されるようになる。
図12は、特許文献2に開示された打滴制御方法による印字結果を示した説明図である。ノズル51Cは、ノズル51D側に偏向する着弾位置ズレノズルである。以下では、各ノズル51A、51B、51C、51D、51Eの駆動タイミングについて、図12を用いて説明する。
第1番目の駆動タイミングでノズル51A、51B、51C、51D、51Eが打滴を行う。そして第2番目の駆動タイミング以降も、第1番目の駆動タイミングと同様に各ノズル51A、51B、51C、51D、51Eが打滴を行う。
ところで、図13に示したように、隣接するノズル51-1、51-2が略同時に打滴する場合、ノズル51-1、51-2の飛翔液滴は静電反発力Fの影響を受け、それぞれ離れるようにして記録媒体上に偏向着弾する。また図14に示すように、隣接する3つのノズル51-1、51-2、51-3が略同時に打滴する場合、真ん中のノズル51-2の飛翔液滴は、両側のノズル51-1、51-3の飛翔液滴から受ける静電反発力Fの影響は相殺されるので、ノズル51-2の真下の本来の着弾位置に着弾する。
第1番目の駆動タイミングにおいて、略同時に打滴するノズル群端部に位置するノズル51A、51Eの飛翔液滴は、それぞれ隣接するノズル51B、51Dの飛翔液滴から静電反発力の影響を受けるので、主走査方向の本来の着弾位置(図12中ノズル51A、51Eの真下位置)からドット101B、101Dから離れた位置にドット101A、101Eが形成される。
また略同時に打滴するノズル群端部以外に位置するノズル51B、51C、51Dのうち、着弾位置ズレノズル51Cを除いたノズル51B、51Dの飛翔液滴は、前述のとおり、静電反発力の影響が相殺される。従って、ノズル51B、51Dによって、主走査方向の本来の着弾位置(図12中ノズル51B、51Dの真下位置)にドット101B、101Dがそれぞれ形成される。
着弾位置ズレノズル51Cの飛翔液滴は、両側に隣接するノズル51B、51Dの飛翔液滴から静電反発力の影響を受けるが、着弾位置ズレ方向のノズル51Dの飛翔液滴との距離の方が短いので、ノズル51Dの飛翔液滴からの静電反発力の方がノズル51Bの飛翔液滴に比べて大きくなる。従って、着弾位置ズレノズル51Cにより形成されるドット101Cの主走査方向の形成位置は、静電反発力の影響がないように打滴した場合の図11に示したドット101Cの形成位置に比べて、図12に示すように、ドット101B側にシフトした位置にとなる。
このようにして、第1の駆動タイミングで主走査方向に配列されたドット101A、101B、101C、101D、101Eから成るドット列130-1が形成される。続いて、ドット列130-1と同様にして、ドット列130-2、…、130-10 が順次形成される。この結果、図12に示すように、副走査方向に配列されたドット列120A、120B、120C、120D、120Eが形成される。
このとき着弾位置ズレノズル51Cにより形成された副走査方向のドット列120Cと隣接する副走査方向のドット列120Bとの間のスジムラ140の主走査方向の幅は、図11に示した場合と比べて狭くなるので、着弾位置ズレノズル51Cを要因とする副走査方向のスジムラ140の視認性が低減するが、ノズル51A、…、51Eが略同時に打滴した場合の静電反発力の影響によって、副走査方向のドット列120Aとドット列120Bとの間、及びドット列120Dとドット列120Eとの間にそれぞれ副走査方向のスジムラ150が新たに視認されようになり、印字品質の低下を招く恐れがある。
なお特許文献2では、特定された不吐ノズルの両近傍ノズルを略同時に吐出することも提案しているが、不吐ノズルの場合とは異なり、ノズル固有の着弾位置ズレが生じているノズルをリアルタイムで特定することは困難であるため適用することが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ノズル固有の着弾位置バラツキを要因とするスジムラの視認性を低減する画像形成装置を提供する。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のノズルが配列された長尺の液滴吐出ヘッドと、静電吸着により記録媒体を吸着させて搬送する搬送手段と、少なくとも2つの第1のノズルが略同じ駆動タイミングで駆動すると、前記第1のノズルからの吐出液滴が、前記第1のノズル以外の第2のノズルに対向する前記記録媒体上の打滴位置に着弾する場合において、前記第2のノズルに対向する前記記録媒体上の打滴位置にドットを形成する際に、前記第1のノズルを用いて適宜打滴する打滴置換手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明によれば、少なくとも2つの第1のノズルから略同時に打滴された飛翔液滴が、第1のノズル以外の第2のノズルに対向する記録媒体上の打滴位置に偏向して着弾することにより、第2のノズルに対向する記録媒体上の打滴位置には副走査方向に複数のノズルによる打滴が混合される。従って、着弾位置ズレノズルが存在する場合であっても、着弾位置ズレノズルを要因とするスジムラの視認性を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、前記第2のノズルの打滴を、前記第1のノズルの打滴に置き換える複数の打滴パターンを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記複数の打滴パターンから、画像データに応じて任意の打滴パターンを選択する選択手段と、を備え、前記打滴置換手段は、前記選択手段により選択された打滴パターンに基づいて、前記第2のノズルの打滴を前記第1のノズルの打滴に置き換えることを特徴とする。
請求項2の態様によれば、画像データに応じて選択された任意の打滴パターンに基づいて、少なくとも2つの第1のノズルから略同時に打滴された飛翔液滴は、第2のノズルに対向する記録媒体上の打滴位置に偏向着弾する。これにより、第2のノズルに対向する記録媒体上の打滴位置には複数のノズルによる打滴が混合される。従って、着弾位置ズレノズルが存在する場合であっても、着弾位置ズレノズルを要因とするスジムラの視認性を低減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置であって、前記選択手段は、紙搬送時間に伴って、前記打滴パターンをランダムに選択することを特徴とする。
請求項3の態様によれば、紙搬送時間に伴って打滴パターンがランダムに変化するので、紙搬送方向のスジムラの視認性をより低減することができる。
本発明によれば、少なくとも2つの第1のノズルから略同時に打滴された飛翔液滴が、第1のノズル以外の第2のノズルに対向する記録媒体上の打滴位置に偏向して着弾することにより、第2のノズルに対向する記録媒体上の打滴位置には副走査方向に複数のノズルによる打滴が混合される。従って、着弾位置ズレノズルが存在する場合であっても、着弾位置ズレノズルを要因とするスジムラの視認性を低減することができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状の静電吸着ベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
静電吸着ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、不図示の電極が内設されており、該電極はローラ31と接触するように構成されている。またローラ31には、直流高圧発生器46が接続されており、直流高圧発生器46からローラ31に対して直流高電圧が印加されると、ローラ31に巻き掛けられている静電吸着ベルト33は帯電し、静電吸着効果によって、記録紙16は静電吸着ベルト33上に吸着保持される。
静電吸着ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、静電吸着ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、静電吸着ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字すると静電吸着ベルト33上にもインクが付着するので、静電吸着ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。
図2に示すように、印字部12を構成する各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
なおインク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを表すものとする。
〔制御系の説明〕
図3は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒーター89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示に従って後乾燥部42等のヒーター89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50の液滴(インク滴)の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。本発明の特徴である打滴パターンの記憶手段、選択手段、打滴置換手段も、このプリント制御部80で行われる。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図3において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50の発熱素子(図3中不図示、図5中符号58として記載)を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサー(不図示)を含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴の大きさのばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供するものである。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行うようになっている。
〔印字ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッド50の構造について説明する。
図4は、印字ヘッド50をノズル面から見た場合の平面図である。図4に示すように、印字ヘッド50には、インク滴を吐出するノズル51が長手方向に沿って多数形成されている。なお、このようなノズル列は1列に限定されず、複数のノズル列として記録密度の向上を図ることも可能である。
図5は、図4中5−5線に沿う断面図である。図5に示すように、印字ヘッド50には、インク供給路53を介して、各ノズル51と連通する共通液室55が設けられている。共通液室55は、インク供給タンク(不図示)と接続されており、各ノズル51に対して供給するインクを貯留する。
また印字ヘッド50には、ノズル51と1対1に対応して発熱素子58が設けられている。発熱素子58は、その真上(図5中上方)にノズル51が配置され、発熱素子58に対して略垂直方向がノズル51の液滴飛翔方向と一致するように構成されている。発熱素子58は、印字ヘッド50に配設される不図示の給電配線と電気的に接続されており、画像データに応じた駆動信号が発熱素子58に供給されると、発熱素子58が発熱するように構成されている。
なお本発明の実施に際して、発熱素子58の配置構成は図示の例に限定されない。例えば、図6に示した印字ヘッド50の他の構造例のように、発熱素子58に対して略平行方向がノズル51の液滴飛翔方向となるような形態でもよい。
次に、上記のように構成された印字ヘッド50の作用を図5を用いて説明する。
共通液室55に貯留されたインクは、インク供給路53を通って、ノズル流路60内に充填される。画像データに応じた駆動信号がヘッドドライバ84(図3参照)から発熱素子58に対して送られると、その駆動信号は不図示の給電配線を通って、発熱素子58に供給され、発熱素子58が発熱する。発熱素子58からの熱エネルギーによってインク中に気泡が発生すると、気泡発生時の圧力によってインクの一部がノズル51よりインク滴となって印字ヘッド50外部に吐出され、記録紙16上にドットが形成される。このようなことが繰り返されることにより、記録紙16上に所定の画像が形成される。
なお本実施形態では、発熱素子58によってノズル内に気泡を発生させ、その圧力でインク滴を吐出するサーマルジェット方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出する方式は限定されず、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータの変形によって、圧力室内のインクに圧力を加えて、ノズルからインク滴を吐出するピエゾ方式など、各種方式を適用できる。
〔打滴制御の方法〕
次に、印字ヘッドの打滴制御方法について説明する。
図7(a)〜(d)は、本発明に係る印字ヘッドの打滴制御方法の打滴パターンを表した説明図である。図7(a)は、通常の打滴パターンを表す。また図7(b)、(c)、(d)はそれぞれ、第1、第2、第3の打滴パターンを表す。
図7(a)に示した通常の打滴パターンは、後述する偏向ノズル群への置き換えを行う前の初期状態で設定されている打滴パターンである。通常の打滴パターンでは、ノズル51A、51B、51C、51D、51E、51F、51G、51Hが順番に打滴を行い、ドット100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100Hが主走査方向に順番に形成される。なお各ドット100A、…、100Hの中に記載された数字は、対応するノズル51A、…、51Hの打滴順序を表している。例えば、ドット100A中に記載された数字1は、ドット100Aに対応するノズル51Aの打滴順序が第1番目であることを表し、ドット100H中に記載された数字8は、ドット100Hに対応するドット51Hの打滴順序が第8番目であることを表している。
本実施形態では、通常は、自ノズルの飛翔液滴が他ノズルの飛翔液滴から静電反発力の影響を受けない程度となるように各ノズル51A、…、51Hの駆動タイミングが設定されている。
従って、各ノズル51A、…、51Hの飛翔液滴はそれぞれ静電反発力の影響を受けないので、ドット100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100Hは主走査方向の本来の打滴位置(図7(a)の各ノズル51A、…、51Hの真下位置)にそれぞれ形成される。
また各ドット100A、…、100Hは、各ノズル51A、…、51Hの駆動タイミングの違いに応じて、それぞれ副走査方向(紙搬送方向)にずれて形成される。なお図7(a)では、各ノズル51A、…、51Hの駆動タイミングの違いを説明する関係上、副走査方向のずれを大きく表現したが、実際の副走査方向のずれは各ドットの大きさに比べて十分小さく、実質的には主走査方向の1ラインとして表現される。以下に説明する図7(b)〜(d)についても同様である。
図7(b)に示した第1の打滴パターンは、第2番目乃至第7番目の駆動タイミングでそれぞれノズル51B、…、51Gが打滴を行う点は図7(a)に示した通常の打滴パターンと共通するが、ノズル51A、51Hの打滴が、ノズル51D、51Eの略同時の打滴に置き換えられている点で異なる。
本実施形態では、ノズル51Dと、隣接するノズル51Eとが略同時に打滴した場合に、静電反発力の影響を受けた飛翔液滴の偏向距離が主走査方向のドットピッチPの3倍となるように、ノズル間ピッチやノズル面から印字面までの距離等が構成されている。
従って、他ノズルと異なる第8番目の駆動タイミングでノズル51D、51Eが略同時に打滴を行うと、それらの飛翔液滴は偏向して、それぞれノズル51A、51Hの主走査方向の本来の打滴位置(図7(b)中ノズル51A、51Hの真下位置)にドット100D’、100E’が形成される。
なお、少なくとも2つのノズルから成るノズル群が略同時に打滴した場合に、それらの飛翔液滴が静電反発力の影響を受けて偏向するようなノズル群を偏向ノズル群という。
第1の打滴パターンでは、ノズル51D、51Eが偏向ノズル群を構成する。
図7(c)に示した第2の打滴パターンは、第2番目乃至第6番目、及び第8番目の駆動タイミングでそれぞれノズル51B、…、51F及び51Hが打滴を行う点は図7(a)に示した通常の打滴パターンと共通するが、ノズル51A、51Gの打滴が、ノズル51C、51Eから成る偏向ノズル群の打滴に置き換えられている点で異なる。
本実施形態では、ノズル51Cと、ノズル51Cから2つ隣りに位置するノズル51Eとが略同時に打滴した場合に、静電反発力の影響を受けた飛翔液滴の偏向距離が主走査方向のドットピッチPの2倍となるように、ノズル間ピッチやノズル面から印字面までの距離等が構成されている。
従って、他ノズルと異なる第1番目の駆動タイミングで、ノズル51C、51Eが略同時に打滴を行うと、それらの飛翔液滴は偏向して、それぞれノズル51A、51Gの主走査方向の本来の打滴位置(図7(c)中ノズル51A、51Gの真下位置)にドット100C’、100E’が形成される。
図7(d)に示した第3の打滴パターンは、ノズル51A、51E、51Iの打滴が、ノズル51D、51E、51Fから成る偏向ノズル群の打滴に置き換えられている。
本実施形態では、前述したように、隣接する2つのノズルの飛翔液滴の偏向距離は、主走査方向のドットピッチPの3倍となるように構成されている。また隣接する3つのノズルが略同時に打滴する場合、図14で説明したように、真ん中のノズルの飛翔液滴に対する静電反発力の影響は相殺される。
従って、第1番目の駆動タイミングでノズル51D、51E、51Fから成る偏向ノズル群が略同時に打滴を行うと、図7(d)に示すように、真ん中に位置するノズル51Eの飛翔液滴に対する静電反発力の影響は相殺されるので、主走査方向の本来の着弾位置(図7(d)中ノズル51Eの真下位置)にドット100E’が形成される。またノズル51Eの両側に位置するノズル51D、51Fの飛翔液滴は偏向して、ノズル51A、51Iの真下位置にそれぞれドット100D’、100F’が形成される。
ノズル51Bと、ノズル51Bから9ノズル離れたノズル51Jは、第2番目の駆動タイミングで略同時に打滴を行うが、それらの飛翔液滴は静電反発力の影響を受けないように構成されている。従って、それぞれ主走査方向の本来の着弾位置(図7(d)中ノズル51B、51Jの真下位置)にドット100B、100Jが形成される。
なお、ノズル51B、51C、51G、51Hの打滴については、図7(a)〜(c)と同様であるので、その説明を省略する。
このように偏向ノズル群が略同時に打滴した場合に、それらの飛翔液滴が静電反発力の影響を受けて偏向し、置換対象ノズルの主走査方向の本来の打滴位置にドットが形成される場合、適宜、置換対象ノズルの打滴を、偏向ノズル群の打滴に置き換えることが可能となる。
特に、着弾位置ズレノズルが存在する場合であっても、着弾位置ズレノズルの打滴は偏向ノズル群の打滴に適宜置き換えられるので、着弾位置ズレノズルを要因とする副走査方向のスジムラの視認性を低減することができる。
なお置換対象ノズルの打滴の偏向ノズル群の打滴への置き換えは、図7(a)〜(d)に示したように全ノズルが打滴を行う場合に限定されるものでなく、少なくとも置換対象ノズルが打滴を行う場合であればよい。例えば、図7(b)では、ノズル51B、51Cが打滴を行わなくても、置換対象ノズル51A、51Hの打滴が存在する場合であれば、ノズル51C、51Eから成る偏向ノズル群の打滴に置き換え可能である。
また打滴パターンは、図7(b)〜(d)に示した第1乃至第3の打滴パターンに限定されるものでなく、略同時に打滴する偏向ノズル群の偏向距離等に応じて任意の打滴パターンを構成することが可能である。
また説明の便宜上、図7(a)〜(c)ではノズル数が8、図7(d)ではノズル数が10の場合の打滴パターンを示したが、本発明の実施に際してはこれに限定されるものでない。
図8は、任意のノズルの打滴を偏向ノズル群の打滴に置き換えるためのフロー図である。以下では、画像データに応じて主走査方向のドット列を形成する場合に、偏向ノズル群に置き換えられていない置換候補のノズルを任意に選択して、その置換候補のノズルの打滴を偏向ノズル群の打滴に置き換える方法について図8を用いて説明する。
まずS10において、検索打滴パターン表の中から初めに検索を行う任意の打滴パターンを選択する。検索打滴パターン表は、複数の打滴パターンから構成されている。なお各打滴パターンは、ノズルピッチ、打滴間隔等、液滴の飛翔距離等に応じて決定される。
図9に、検索打滴パターン表の一例を示す。同図は、図7(a)〜(d)に示した打滴パターンに対応するものであり、各打滴パターン番号毎に、自ノズルと共に打滴のあるノズルの相対位置を表している。
打滴パターン番号が0の場合は、図7(a)に示した通常の打滴パターンに相当し、自ノズルは偏向ノズル群に置換されないため、相対位置は空欄となっている。
打滴パターン番号が1の場合は、図7(b)に示した第1の打滴パターンに相当する。すなわち自ノズルと共に、自ノズルから7ノズル隣りのノズルの打滴も存在する打滴パターンである。同様に、打滴パターン番号が2の打滴パターンは、図7(c)に示した第2の打滴パターンに相当し、自ノズルと共に、自ノズルから6ノズル隣りのノズルの打滴も存在する打滴パターンである。
打滴パターン番号が3の場合は、図7(d)に示した第3の打滴パターンに相当し、自ノズルと共に、自ノズルから4ノズル隣りのノズル及び8ノズル隣りのノズルの打滴も存在する打滴パターンである。
S14では、画像データに応じた置換候補のノズルの打滴及び他ノズルの打滴が、S10(又は後述するS24)において選択された打滴パターンと一致するか否かを判断する。
例えば、画像データに応じて、置換候補のノズル51A及びノズル51Aから7ノズル隣りのノズル51Hの打滴が行われるようなとき、図9の打滴パターン番号1が選択されている場合には、検索打滴パターン表の中から選択された打滴パターンと一致する。
一方、画像データに応じて、置換候補のノズル51A及びノズル51Hの打滴だけが行われるときに、図9の打滴パターン番号2が選択されている場合には、検索打滴パターンの中から選択された打滴パターンと一致しない。
画像データに応じた置換候補のノズルの打滴及び他ノズルの打滴が、S10(又は後述するS24)において選択された打滴パターンと一致する場合はS15に移行し、検索打滴パターンと一致しない場合はS24に移行する。
ここで置換候補のノズルを偏向ノズル群に置き換える際に用いる置き換えノズル表について説明する。図10は、置き換えノズル表の一例を表す。同図は、図7(a)〜(d)に示した各打滴パターンに相当し、自ノズルから偏向ノズル群の相対位置をそれぞれ表している。
打滴パターン番号が0の場合は、図7(a)に示した通常の打滴パターンに相当し、偏向ノズル群への置き換えは行われないため、偏向ノズル群の相対位置は空欄となっている。
打滴パターン番号が1の場合は、図7(b)に示した第1の打滴パターンに相当し、自ノズル及び自ノズルから7ノズル隣りのノズルの打滴が存在する場合である(図9参照)。この場合、図10に示すように、自ノズルから3ノズル隣りのノズル及び自ノズルから4ノズル隣りのノズルから成る偏向ノズル群の打滴に置き換えられる。
同様に、打滴パターンが2の場合、自ノズル及び自ノズルから6ノズル隣りのノズルの打滴は(図9参照)、自ノズルから2ノズル隣りのノズル及び4ノズル隣りのノズルから成る偏向ノズル群の打滴に置き換えられる。
打滴パターンが3の場合、自ノズル、自ノズルから4ノズル隣りのノズル及び自ノズルから8ノズル隣りのノズルの打滴は、自ノズルから3ノズル隣りのノズル、自ノズルから4ノズル隣りのノズル、自ノズルから5ノズル隣りのノズルから成る偏向ノズル群の打滴に置き換えられる。
このように図10に示した置き換えノズル表を利用して、置換候補のノズルを偏向ノズル群の打滴に置き換えが行われる。
なお、ノズルの置き換えを実施しない打滴パターン番号0が、検索打滴パターン表(図9参照)及び置き換えノズル表(図10参照)に加えられているのは、一定の確率でノズルの置き換えを発生させないためである。これにより、置き換えノズルばかりで打滴が構成されることを防ぐことができる。
図8において、S15では、ノズルの置き換えを実施しない打滴パターンがセットされたか否か判断され、ノズルの置き換えを実施しない打滴パターン番号がセットされた場合には、ノズルの置き換えを実施しないで処理を終了する。
S16では、置換候補のノズルの打滴が、既に決定された副走査方向に同一ノズルで3連続続くか否かを判断する。副走査方向に同一ノズルの打滴が連続すると、そのノズルの打滴位置ばらつきや吐出量ばらつきの影響が強くなり、スジムラとして視認されやすくなるためである。同一ノズルが3連続続く場合はS24に移行し、3連続続かない場合はS18に移行する。
S18では、置換候補のノズル及び他ノズルの打滴を偏向ノズル群の打滴に置き換えた場合、偏向ノズル群と略同時に打滴した場合に静電反発力の影響が及ぶような偏向ノズル群以外のノズルと異なる駆動タイミングが存在するか否かを判断する。駆動タイミングが存在する場合は、その駆動タイミングを選択してS20に移行し、駆動タイミングが存在しない場合はS24に移行する。
S20では、図10に示した置き換えノズル表を用いて、置換候補のノズル及び他ノズルの打滴を、S10(又はS24)において選択されている打滴パターン番号に該当する偏向ノズル群の打滴に置き換える。置き換えられた偏向ノズル群の駆動タイミングは、S18で選択された駆動タイミングとなる。そして置換候補のノズルに対する処理を終了し、隣りのノズルが偏向ノズル群に置き換えられていない場合は前述と同様の処理を行う。
S24では、検索打滴パターン表の中から、まだ検索されていない打滴パターン番号を選択し、S14に移行する。
以上、画像データに応じて主走査方向に沿ったドット列を形成する場合について説明したが、このような処理は紙搬送時間に伴って順次繰り返される。
このときS10又はS24において選択される打滴パターン番号は、紙搬送時間に伴って(すなわち紙搬送方向に沿って)、ランダムに選択されることが望ましい。副走査方向のドット列を、特定の偏向ノズル群でなく、ランダムに選択された偏向ノズル群によって形成することにより、偏向ノズル群に着弾位置ズレノズルが含まれているような場合であっても、副走査方向のスジムラの視認性を低減することが可能となる。
以上、本発明の画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 印字ヘッドをノズル面から見た場合の平面図である。 図4中5−5線に沿う断面図である。 印字ヘッドの他の構造例を示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明に係る印字ヘッドの打滴制御方法の打滴パターンを表した説明図である。 任意のノズルの打滴を偏向ノズル群の打滴に置き換えるためのフロー図である。 検索打滴パターン表の一例である。 ノズル置き換え表の一例である。 従来の打滴制御方法による印字結果を示した説明図である。 従来の打滴制御方法による印字結果を示した説明図である。 2つの隣接ノズルから同時に液滴が吐出された場合の説明図である。 3つの隣接ノズルから同時に液滴が吐出された場合の説明図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、50A…ノズル面、51…ノズル、53…インク供給路、55…共通液室、58…発熱素子

Claims (3)

  1. 複数のノズルが配列された長尺の液滴吐出ヘッドと、
    静電吸着により記録媒体を吸着させて搬送する搬送手段と、
    少なくとも2つの第1のノズルが略同じ駆動タイミングで駆動すると、前記第1のノズルからの吐出液滴が、前記第1のノズル以外の第2のノズルに対向する前記記録媒体上の打滴位置に着弾する場合において、前記第2のノズルに対向する前記記録媒体上の打滴位置にドットを形成する際に、前記第1のノズルを用いて適宜打滴する打滴置換手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、
    前記第2のノズルの打滴を、前記第1のノズルの打滴に置き換える複数の打滴パターンを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記複数の打滴パターンから、画像データに応じて任意の打滴パターンを選択する選択手段と、を備え、
    前記打滴置換手段は、前記選択手段により選択された打滴パターンに基づいて、前記第2のノズルの打滴を前記第1のノズルの打滴に置き換えることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記選択手段は、紙搬送時間に伴って、前記打滴パターンをランダムに選択することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

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