JP2005279968A - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005279968A
JP2005279968A JP2004093476A JP2004093476A JP2005279968A JP 2005279968 A JP2005279968 A JP 2005279968A JP 2004093476 A JP2004093476 A JP 2004093476A JP 2004093476 A JP2004093476 A JP 2004093476A JP 2005279968 A JP2005279968 A JP 2005279968A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
scanning direction
recording medium
main scanning
nozzles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004093476A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Yamanobe
淳 山野辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2004093476A priority Critical patent/JP2005279968A/ja
Priority to US11/087,746 priority patent/US7513600B2/en
Publication of JP2005279968A publication Critical patent/JP2005279968A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/145Arrangement thereof

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】記録媒体上で互いに重なり合うように吐出される液滴の着弾干渉を防止する。
【解決手段】2次元的かつノズルから記録媒体上に打滴した少なくとも一部のドットが主走査方向に重なるよう前記ノズルを配列し、前記記録媒体上で主走査方向に隣接するドットを打滴する第1のノズルと第2のノズル及び第1のノズルと副走査方向に隣接する第3のノズルに対し、前記第1のノズルと第2のノズル間の副走査方向距離が少なくとも前記第1のノズルと第3のノズルの副走査方向距離の2以上の整数倍となるように配置することによって第1のノズルからの吐出液滴と第2のノズルからの吐出液滴との着弾時間差を長くし、互いに重なり合うように吐出される両者の着弾干渉を防ぐとともに前記第1のノズルと第3のノズルの間の主走査方向における距離が少なくとも前記第1のノズルから前記記録媒体に吐出される液滴の最大ドット径以上の距離となるように配置する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に係り、特に、液滴を吐出するノズルを2次元マトリクス状に配列した液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
従来より、画像形成装置として、多数のノズルを配列させたインクジェットヘッド(インク吐出ヘッド)を有するインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が知られている。このインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドと記録媒体を相対的に移動させながら、ノズルからインクを液滴として吐出して、記録媒体上にドットを形成することにより、画像を形成するものである。
このようなインクジェット記録装置におけるインク吐出方法として、従来から様々な方法が知られている。例えば、圧電素子(圧電アクチュエータ)の変形によって圧力室(インク室)の一部を構成する振動板を変形させて、圧力室の容積を変化させ、圧力室の容積増大時にインク供給路から圧力室内にインクを導入し、圧力室の容積減少時に圧力室内のインクをノズルから液滴として吐出する圧電方式や、インクを加熱して気泡を発生させ、この気泡が成長する際の膨張エネルギーでインクを吐出させるサーマルインクジェット方式などが知られている。
このようにインクジェット記録装置においては、ノズルから吐出されたインクによって形成されるドットを組み合わせることによって1つの画像が表現されている。これらドットのサイズを小さくし、高密度化して、1画像あたりの画素数を多くすることによって高画質が実現されている。
例えば、図19に、ノズルを2次元マトリクス状に配列したインクジェットヘッドの例をその一部を拡大して示す。図19に示すインクジェットヘッド90は、インクジェットヘッド90に対して相対的に搬送される図示を省略した記録媒体に対してノズル91(91a、91b、91c)からインクを吐出して画像を記録するものである。インクジェットヘッド90は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と垂直な記録媒体の幅方向(主走査方向)にその長手方向を一致させて配置される。
インクジェットヘッド90の各ノズル91にはそれぞれ圧力室92が対応している。図19に示すように、ノズル91は主走査方向及び副走査方向にそれぞれ配置され、2次元マトリクス状に配列されている。このとき、副走査方向のノズル91の配列方向は、完全に副走査方向(主走査方向と垂直)と一致しているのではなく、副走査方向から斜めに少しずれて配列されている。例えば、ノズル91aとノズル91bのように副走査方向に隣接したノズル間の主走査方向の距離Pmは、ノズル91aに対し主走査方向に隣接したノズル91cとの距離L1(略圧力室92の大きさに等しい)よりもはるかに小さくすることができる。
このようにノズル91を副走査方向に斜めにずらして配列したことにより、例えばノズル91aから記録媒体にインクを吐出してドット93aを形成した後、記録媒体を副走査方向に圧力室92の大きさL2分だけ搬送してノズル91bから記録媒体に向けてインクを吐出するとノズル91aによって先に形成されたドット93aの主走査方向のすぐ横にドット93bとして形成される。このドット間の距離(中心間距離)は上で述べた副走査方向に隣接したノズル(91a及び91b)間の主走査方向の距離Pmに等しい。このように、ノズル91をマトリクス状に、しかも斜めにずらして配列することにより、ノズル(同じことであるがそのノズルによって形成されるドット)を高密度化することができる。
例えば、特許文献1には、このようにノズルをn行m列の2次元マトリクス状に配列して、各個別電極への接続を低減して高密度化を図るようにしたものが記載されている。
また、ライン型インクジェットヘッドにおいて、複数のインクノズルが1列に配列された各ヘッドチップを同一基板上にライン配列方向に対してある角度をなす傾斜状態で2列千鳥状に配列するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
特表平9−507803号公報 特開2002−273878号公報
しかし、ノズルを高密度化するとラインヘッド型の高速インクジェット印刷においては、液滴同士の打滴間隔が非常に短いため、記録媒体上に吐出された液滴が記録媒体に定着する前に互いにくっついて重なり合い、凝集して一つの大きな液滴またはドット形状が崩れて記録媒体に浸透したり、滲みや混色が発生するいわゆる着弾干渉あるいは打滴干渉と呼ばれる現象が起きる場合があり、これにより品質劣化が引き起こされる。この液滴の結合が記録媒体の搬送方向である副走査方向だけでなく、これと直交する主走査方向でも発生し、2次元的にこのような液滴の結合が起こった場合には特に大きな画像劣化となる。
更に、前述した図19に示すような従来のインクジェットヘッドにおいては、各ノズルを副走査方向に単純に斜めにずらして並べただけであるため、記録媒体上において主走査方向に隣接するインク液滴同士が記録媒体上に着弾した後、定着する前に互いに結合し、大きな液滴となって画質劣化が引き起こされるという問題がある。
また、上記特許文献1に記載のものは、単にノズルを2次元マトリクス状に配列するというだけで、そのノズル配列のしかたについては特に言及がなく、前記従来のインクジェットヘッドと同様の問題がある。
さらに、上記特許文献2に記載のものは、ライン型ヘッドにおける高密度化を目標としたものであり、着弾干渉を防止するためのドット径とノズルの配置の関係等については記載されていない。したがって、特許文献2に記載のようなノズル配置のライン型ヘッドで印刷した場合には、やはり図19に示したような従来の単純なマトリクスヘッドと同様に主走査方向の距離が隣接したノズルから吐出されるドット同士が記録媒体上で定着する前に結合、凝集し、画質劣化する虞があるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、記録媒体上で互いに重なり合うように異なるノズルから吐出される液滴が結合したり、滲んだりしないように着弾干渉を防止することのできる液滴吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、記録媒体に対して液滴を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドであって、前記記録媒体が前記液滴吐出ヘッドに対して相対的に搬送される搬送方向と直交する主走査方向及び前記搬送方向である副走査方向に2次元的に、かつ前記ノズルから前記記録媒体上に打滴された少なくとも一部のドットが主走査方向に重なるように、前記ノズルが配列され、前記記録媒体上で主走査方向に隣接するドットを打滴する第1のノズルと第2のノズル及び第1のノズルと副走査方向に隣接する第3のノズルに対し、前記第1のノズルと第2のノズルとの間の副走査方向における距離が、少なくとも、前記第1のノズルと第3のノズルの副走査方向における距離の2以上の整数倍の距離となるように前記第1のノズルと第2のノズルを副走査方向に離して配置するとともに、前記第1のノズルと第3のノズルの間の主走査方向における距離が、少なくとも、前記第1のノズル及び前記第3のノズルから前記記録媒体に吐出される液滴によって形成される最大ドット径以上の距離となるように前記第1のノズルと第3のノズルを主走査方向に離して配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッドを提供する。
また、請求項2に示すように、前記第1のノズルと第3のノズルとの間の主走査方向における距離が、少なくとも、前記第1のノズルと第2のノズルの間の主走査方向の距離の2以上の整数倍の距離であることを特徴とする。
このようにノズルを配列することにより、主走査方向に隣接する液滴ドット間での着弾干渉を確実に防止することができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、記録媒体に対して液滴を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドであって、前記記録媒体が前記液滴吐出ヘッドに対して相対的に搬送される搬送方向と直交する主走査方向及び前記搬送方向である副走査方向に2次元的に、かつ前記ノズルから前記記録媒体上に打滴された少なくとも一部の液滴ドットが主走査方向に重なるように、前記ノズルが配列され、前記液滴吐出ヘッドにおけるノズル間の主走査方向における最小距離である主走査方向最小ノズル間距離をPmとし、主走査方向に1列に配列された複数個のノズル列をそれぞれ主走査方向にずらして副走査方向に隣接させて並べ、任意のノズル列に対して主走査方向に所定距離だけずらしたノズル列が必ず存在するように配置して形成された複数個のノズルブロックのうち副走査方向に隣接するノズルブロックを、副走査方向に所定の間隔ずらすとともに、主走査方向に前記主走査方向最小ノズル間距離Pmだけずらして配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッドを提供する。
また、請求項4に示すように、前記ノズル列を主走査方向にずらす前記所定距離を、前記主走査方向最小ノズル間距離Pm及び前記ノズルブロックの個数Nを用いて、N×Pmとなるように設定することが好ましい。
さらに、請求項5に示すように、前記ノズルブロック間の副走査方向の前記所定の間隔を、前記ノズル配列における副走査方向に隣接するノズル間の距離である副走査方向最小ノズル間距離Ps及び各ノズルブロックを構成する前記ノズル列の個数Mを用いて、M×Psとなるように設定することが好ましい。
これによれば、副走査方向のノズル配列ピッチが統一されるのでノズル駆動制御を簡略化することができる。
また、請求項6に示すように、前記記録媒体上で主走査方向に重なり合う液滴ドットを打滴する第1のノズルと第2のノズルをそれぞれ有する第1のノズルブロックと第2のノズルブロックとの間の副走査方向の前記所定の間隔を、少なくとも、前記第1のノズルから着弾された第1のドットが前記記録媒体に定着して前記記録媒体表面上での液滴径が小さくなり、前記第1のドットの着弾後に前記第2のノズルから着弾する第2のドットの前記記録媒体表面上での液滴と接触しない大きさになるまでの時間に前記記録媒体が相対的に搬送される距離以上となるように設定することを特徴とする。
これによれば、主走査方向に隣接して重ねて打滴されるドット間の着弾干渉を防止して、ドット高密度化を達成し高画質記録が可能となる。
また、請求項7に示すように、前記ノズル配列を構成する任意のノズルから前記記録媒体上に打滴される液滴の最大ドット径をDmax とするとき、前記主走査方向最小ノズル間距離Pmに対し、Dmax ≦N×Pmとなるように前記ノズルブロックの個数Nを設定することを特徴とする。これによれば、副走査方向において隣接して配置されているノズルから、短時間差で着弾するドット間の着弾干渉を防止することができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、記録媒体に対して液滴を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドであって、前記記録媒体が前記液滴吐出ヘッドに対して相対的に搬送される搬送方向と直交する主走査方向及び前記搬送方向である副走査方向に2次元的に、かつ前記ノズルから前記記録媒体上に打滴された少なくとも一部のドットが主走査方向に重なるように、前記ノズルが配列され、前記記録媒体上で主走査方向に隣接または重ねて打滴する第1のドットと第2のドットを打滴する第1のノズルと第2のノズルとの副走査方向の距離を、少なくとも前記第1のドットが前記記録媒体に着弾して定着して前記記録媒体表面上での液滴径が小さくなり、前記第1のドットの着弾後に打滴される前記第2のドットの前記記録媒体表面上での液滴と接触しない大きさになるまでの時間に前記記録媒体が相対的に搬送される距離以上となるように設定し、前記第1のノズルと副走査方向に隣接する第3のノズルとの主走査方向の距離が、少なくとも前記第1のノズル及び前記第3のノズルから前記記録媒体に打滴されて形成される最大ドット径以上の距離となるように前記第1のノズルと前記第3のノズルを配置することを特徴とする液滴吐出ヘッドを提供する。
これにより、効果的に隣接ドット間の着弾干渉を防止することができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
これにより、隣接ドット間での着弾干渉が防止され、高画質の画像記録を行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッド及び画像形成装置によれば、主走査方向において隣接するノズル間の副走査方向における距離を所定の距離だけ離すようにしたため、記録媒体上で互いに重なり合う異なるノズルから吐出される液滴の着弾時間間隔を長くし、着弾干渉を防止し滲みをなくすことが可能となる。
また、副走査方向において隣接するノズル間の主走査方向における距離を各ノズルから吐出される液滴の直径よりも大きくとるようにした場合には、副走査方向に隣接するノズルから吐出された液滴同士が結合し画質劣化を引き起こすのを防止することができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る液滴吐出ヘッド及び画像形成装置について詳細に説明する。
本発明の液滴吐出ヘッドは、ノズルを2次元マトリクス状に並べる際、各ノズルを従来のように単純に斜めに並べるのではなく、以下詳しく説明するように互いにずらして並べることにより、異なるノズルから吐出され記録媒体上で重なり合う液滴が打滴される時間間隔を大きくして隣接ドット間の着弾干渉を防止するようにしたものである。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。
図1に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、4色(KCMY)に対応する印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからなり、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、それぞれ複数の吐出口(ノズル)を有し、記録紙16の全幅を担うように、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの長手方向を紙搬送方向(副走査方向)と直交する記録紙16の幅方向(主走査方向)に並べて配置され、最大紙幅に対応する長さを有する、いわゆるフルライン型ヘッドとなっている(図2参照)。
図2に示すように、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が、その長手方向に複数配列されたライン型ヘッドとして構成されている。
また詳しくは後述するが、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、インクの吐出を検出するための検出手段や検出のための光束を所定の形状に形成するための光学系や、その他インク吐出状態やインク滴サイズ、インク吐出速度等の検出に関わる様々な手段を備えている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
なお、本実施形態では図2に示したように印字ヘッド12K、12C、12M、12Yはインクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたフルライン型ヘッドとして説明するが、さらに図3に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録媒体の全幅に対応する長さとするようにしてもよい。なお、この場合には各短尺ヘッド50’に対して本実施形態のノズル配列が適用される。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているため、以下、これらを一つの印字ヘッド50で代表させて説明する事とする。
図4は、印字ヘッド50を構成する一つの圧力室ユニット54を拡大して示す平面図である。図4に示すように圧力室ユニット54は、インクを吐出するノズル51とインク供給口53を有する圧力室52で構成されている。各ノズル51に対して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、その対角線上の両隅部にノズル51とインク供給口53が設けられている。各圧力室52はインク供給口53を介して共通流路(図4では図示省略)と連通されている。
図5に、図4中のV-V 線に沿った圧力室ユニット54の断面図を示す。図5に示すように、圧力室52の天面を構成している振動板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されている。個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形して圧力室52に連通したノズル51からインクが吐出される。
一方、圧力室52はインク供給口53を通じて共通流路55と連通しており、インクが吐出されると共通流路55からインク供給口53を介して新しいインクが圧力室52に供給されるようになっている。
なお、上で記録媒体の搬送方向を副走査方向とし、それに直交する記録媒体の幅方向(印字ヘッド長手方向)を主走査方向としたが、ノズルの駆動制御方法である主走査及び副走査の概念についてここで説明しておく。
記録媒体(記録紙16)の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドでノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動、(3)ノズルをブロックに分割してブロック毎にそのブロック内のノズルを片方から他方に向かって順次駆動、等の駆動方法があり、記録媒体の幅方向(記録媒体の搬送方向と直交する方向)に1ラインまたは1個の帯状を印字するようなノズルの駆動方法を主走査と定義する。
また、上述したフルラインヘッドと記録媒体とを相対的に移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うようなノズルの駆動方法を副走査と定義する。
図6は、本実施形態のインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yのアクチュエータ58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでもよい。
以下に、本発明のポイントである印字ヘッド50におけるノズル配列について詳細に説明する。
図7に、本実施形態の印字ヘッド50におけるノズル配列をその一部を拡大した平面図で示す。前にも述べたように、本実施形態の印字ヘッド50は、その長手方向を記録紙16の幅方向に合わせて配置され、印字ヘッド50の長手方向に垂直な方向(短手方向)に記録紙16が搬送されるようになっている。したがって、印字ヘッド50の長手方向が主走査方向、短手方向が副走査方向である。印字ヘッド50は、主走査方向及び副走査方向に以下説明するような方法でノズル51を有する圧力室52を2次元マトリクス状に並べることにより、ノズル51の2次元マトリクス配列を実現している。なお、図7においては、表示の関係から副走査方向に20個の圧力室52のみが配列されているが、実際の印字ヘッド50にはもっとたくさんの圧力室52が主走査方向に繰り返し配列されている。
また、図4に示したように圧力室52は略正方形状であるが、図7においては、各圧力室52の副走査方向の大きさを主走査方向に対して1/20に縮小して表示している。なお、図7中の左下の部分を図8に拡大して(圧力室52の縦横のサイズを)正規の縮尺で表示している。
図7では主走査方向の最も左側の圧力室52のみを表示している。図7に表示する例では、印字ヘッド50は、副走査方向に20個の圧力室52(52−11A、52−12A、・・・、52−21A、・・・等)が並んでおり、各圧力室52はそれぞれ左下隅の一定の場所にノズル51(51−11A、51−12A、・・・等)を有している。
したがって、印字ヘッド50は副走査方向に20個のノズル51(51−11A、51−12A、・・・、51−21A、・・・等)が並んでいる。また、図8に示すように、主走査方向にも多数の圧力室52及びノズル51が並んでいる。例えば、図8において、最下段の主走査方向の列には左側から圧力室52が圧力室52−11A、52−11B、52−11C、・・・と並んでおり、また、その上の主走査方向の列には圧力室52が圧力室52−12A、52−12B、52−12C、・・・と並んでいる。
また、これと同様にノズル51も最下段の主走査方向の列には、左側からノズル51−11A、51−11B、51−11C、・・・と並び、その上の段の主走査方向の列には、左側からノズル51−12A、51−12B、51−12C、・・・と並んでいる。
このように、主走査方向に多数ノズル51が1列に並んだノズル51の列、例えばノズル51−11A、51−11B、51−11C、・・・の列等を本実施形態では、ノズル列という。
図7に示す例では、このような主走査方向に多数のノズル51が並んだノズル列が、副走査方向に20列並んでおり、これら副走査方向に20列並んだノズル列を副走査方向に隣接して並ぶ4列のノズル列毎に分ける。そして、副走査方向に隣接して並ぶ4列のノズル列(例えば、最左端のノズル51がそれぞれ51−11A、51−12A、51−13A、51−14Aであるような4つのノズル列を1つのノズルブロックとする。したがって、図7に示す例では、図7に表示されている全ノズルが5つのノズルブロックに分けられることになる。
図8で一番下から副走査方向に隣接して連続して斜め上方に並んだ4列のノズル列、それぞれ(51−11A、51−11B、51−11C、・・・)、(51−12A、51−12B、51−12C、・・・)、(51−13A、51−13B、51−13C、・・・)、(51−14A、51−14B、51−14C、・・・)からなるノズルブロックをノズルブロック1とし、その上に斜めに副走査方向に隣接して並ぶ4列のノズル列からなるノズルブロックをノズルブロック2とする。以下同様に、4列ずつのノズル列を有する5つのノズルブロックによって印字ヘッド50が構成される。
図7に示すように、ノズルブロック1内の各ノズル列は、各ノズル列を代表する最左端側のノズル51−11A、51−12A、51−13A、51−14Aが示すように、主走査方向に距離Lmの間隔だけずれて副走査方向に隣接して斜めに配置されている。他のノズルブロック2等においても同様である。また、ノズルブロック1とノズルブロック2は、それぞれの対応するノズル51−11A及び51−21Aが示すように、主走査方向に距離Pmだけずらして、また副走査方向に距離Lsだけずらして配置されている。
この主走査方向の距離Pmは、本実施形態の印字ヘッド50におけるノズル配列の主走査方向の最小ノズル間距離である。本実施形態においては、記録紙16上で主走査方向に隣接するドットは主走査方向に隣接して配置されたノズル51(例えばノズル51−11Aと51−21A等)によって打滴され、主走査方向の最小ノズル間距離Pmと記録紙16上での最小ドット間距離Pdとは等しい。
一般的に、図9(a)に示すように、主走査方向に隣接した2つのノズルN100、N102の最小ノズル間距離Pmは、記録紙16上における主走査方向に隣合った2つのドットD100、D102の最小ドット間距離(ドットピッチ)Pdに等しい。しかし、常に最小ノズル間距離Pmと最小ドット間距離Pdは等しいとは限らない。すなわち、図9(b)に示すように、2つのノズルN100とN102の主走査方向の最小ノズル間距離Pmを2つのドットD100とD102の主走査方向の最小ドット間距離Pdよりも大きく、例えば、Pm=2×Pdとして、ノズル数を削減して印字ヘッドを構成し、プリント時に印字ヘッドを間欠的に主走査方向にコマ送りして移動してノズル位置を記録すべきドット位置までずらして打滴することも可能である。このようにすると、まず記録媒体上の第1のドットD100を記録すべき位置がノズルN100の位置に搬送された時にそのままノズルN100から打滴して第1のドットD100を形成する。次に記録媒体上の第2のドットD102を記録すべき位置がノズルN102の主走査方向に搬送されるタイミングで、印字ヘッドをPdの距離だけ図9(b)の左方向にステップ移動して第2のドットD102を第2のノズルN102から打滴することにより、図9(a)と同様の重なったドットD100、D102を形成することができる。この場合、最小ノズル間距離Pmと最小ドット間距離Pdは等しくない。
本実施形態におけるノズル配置についてさらに詳しく説明するために、図7の左下の部分を拡大して図8に示す。図8では、各圧力室52(52−11A、・・・等)の大きさは縦横(主走査方向及び副走査方向)について同じ縮尺で表されている。
各ノズルブロックにおいて副走査方向に隣接したノズル間の距離、例えば図8でノズルブロック1のノズル51−11Aとノズル51−12Aとの副走査方向の距離Psは、副走査方向の最小ノズル間距離(副走査方向のノズルピッチ)である。これは、正確には圧力室間の隔壁の厚さ等を考慮しなければならないが、ここでは略圧力室52−11Aの副走査方向の長さL2に等しいとする。
また、圧力室52−11Aの主走査方向の長さをL1とすると、各ノズル列内でのノズルの主走査方向の最小配列間隔(例えば、ノズル51−11Aとノズル51−11Bとの間の距離)は略L1である。なお、前述したように、圧力室52は概略正方形であるので、L1=L2と考えてよい。
ノズルブロック1とノズルブロック2の副走査方向の距離Lsは、本実施形態におけるノズル配列における副走査方向の最小ノズル間距離Psの、ノズルブロックを構成するノズル列数(正の整数M)倍である。すなわちLs=M×Psとなる。図8に示すように、この例では各ノズルブロックは副走査方向に4個のノズル列で構成されている(例えばノズルブロック1は、最左端のノズル51がそれぞれノズル51−11A、51−12A、51−13A、51−14Aである4列のノズル列によって構成される。)。したがって、M=4であり、Ls=4×Psとなる。
ノズルブロック1のノズル51−11Aとノズルブロック2のノズル51−21Aは、主走査方向の距離が本例のノズル配列における最小ノズル間距離Pmであり、ノズル51−11Aによって打滴された記録紙16上のドットと、記録紙16を上述した副走査方向のノズルブロック間距離である距離Ls分だけ搬送してノズル51−21Aで打滴したドットとが重なることになる。したがって、記録紙16上で主走査方向に隣接して重なったドットを打滴するノズル51−11A及びノズル51−21A間の距離が図19に示す従来のノズル配列に比較して4倍となる。よって記録紙16の搬送速度が従来の場合と同じであれば、記録紙16上の主走査方向に隣接する液滴が着弾する時間間隔は図19に示す単純にノズルを斜めに配置した従来の場合の4倍となり、液滴を重ねて打滴しても着弾干渉を起こすことはない。
また、ノズルブロック内の副走査方向に隣接したノズル間の主走査方向の距離Lmについては、本例のノズル配列における主走査方向の最小ノズル間距離Pmの整数N倍となるように設定される。すなわち、Lm=N×Pmとなる。具体的には、本実施形態では図7に示すように、ノズル51−11Aで打滴された記録紙16上のドットに対して、主走査方向に隣接して4個のドットがそれぞれノズル51−21A、51−31A、51−41A、51−51Aによって打滴される。したがって、ノズルブロック1内の副走査方向に隣接したノズル51−11Aとノズル51−12Aとは、主走査方向にそれぞれ5つのノズルブロックに属する5ノズル分だけ離れて配置されることになる。よってNはノズルブロックの個数である。図7に示す例では、N=5であり、Lm=5×Pmとなる。これにより最大ドット径Dmax に対し、Dmax ≦Lmとなっている。これはノズルブロック1内の他のノズル、他のノズルブロックについても同様である。
本実施形態ではノズルをこのように配置して着弾干渉を防止するようにしているが、一般的に記録媒体の搬送速度をV[μm/μsec ]とし、圧力室52の副走査方向の長さをL2[μm](L2≒Ps)としたとき、副走査方向においてMノズルだけ離れているノズルから記録媒体上の副走査方向の同じ位置に吐出される液滴ドットの着弾時間差は、Δt=(M×L2)/V[μsec ]で与えられる。よって、吐出されたドットが記録媒体に定着するまでの時間をt0 [μsec ]とすると、Δt>t0 となれば、これら2つのドットは互いに干渉せずに定着することとなる。
図19に示す従来の単純なマトリクス配置の場合はM=1であるが、このΔt>t0 の条件を満たすようにMの値を設定することにより着弾干渉が防止される。上述したように、本実施形態ではM=4として、隣接する液滴が着弾する時間間隔を従来の4倍とすることにより着弾時間差を大きくしてこれを満たすようにしている。
また、副走査方向のノズル密度(本ノズル配列における副走査方向の最小ノズル間距離Ps)が、副走査方向において同一位置に存在するノズル(例えば、図8においてノズル51−11Aとノズル51−11B)の主走査方向の間隔に等しいとする。すなわち、図8において、圧力室52の大きさが主走査方向(横)と副走査方向(縦)で等しい(L1=L2)とする。L1=L2(またはL1≒L2)とすることで、アクチュエータの変位量の確保と圧力室内の気泡滞流防止をすることが可能となる。
例えば、いまL1=L2=200[μm]とする。また、副走査方向に20個のノズル(ノズル列)が並んでいる図8の場合において、主走査方向ノズル密度を2400[dpi]、吐出周波数を10[kHz]、すなわち記録媒体の搬送速度を100[mm/sec ]とすると、主走査方向に隣接したノズルから吐出される記録媒体上において、主走査方向に隣接する液滴の着弾時間間隔を算出すると、従来のように単にノズルを斜めに並べただけの場合には、0.2116[mm]/100[mm/sec ]=2.116[msec] であるのに対して、図7あるいは図8に示すような本実施形態の配列の場合には、0.2116×4[mm]/100[mm/sec ]=8.464[msec] となる。
また図10に、本実施形態の液滴吐出ヘッド(印字ヘッド)におけるノズル配列の他の例を示す。図10も図7と同様に圧力室の副走査方向の大きさを主走査方向に対して1/20に縮小して表している。図10に示すように、このノズル配置は図7に示すノズル配置において、各ノズルブロックの副走査方向の2段目と3段目のノズル列を入れ替えたものである。例えば、図10のノズルブロック1は、図7に示すノズルブロック1においてノズル51−12Aを含むノズル列とノズル51−13Aを含むノズル列とを入れ替えたものである。またこのとき、他のノズルブロックにおいても同様にノズル列の配置を入れ替えるようにする。
このノズル列の入れ替えは、それぞれ各ノズルブロック内でのみ行われ、各ノズルブロック間の関係は図7の場合と全く同じである。例えば、ノズルブロック1のノズル51−11Aとこれに対応するノズルブロック2内のノズル51−21Aとの関係(主走査方向、副走査方向の距離)は、図7あるいは図8で説明したものと全く同じである。
また、ノズルブロック内の各ノズルの主走査方向における隣のノズルとは同一ノズルブロック内でそのノズルに対し主走査方向における距離が最小となるノズルを言うものとする。例えば、図10において、ノズルブロック1のノズル51−11Aに対しては、主走査方向の距離が最小となるノズルは51−12Aであるので、ノズル51−11Aのノズルブロック1における隣のノズルはノズル51−13Aではなくノズル51−12Aである。
同様にノズルブロック1内において、ノズル51−12Aに対してノズル51−13Aは主走査方向における隣のノズルであり、ノズル51−13Aに対しノズル51−14Aは主走査方向における隣のノズルである。図10に示すように、これら主走査方向における隣同士のノズル間の主走査方向の距離は前述した図7の場合と同様Lmである。
この同一ノズルブロック内での主走査方向の隣のノズルとの距離Lmは、本ノズル配列における主走査方向の最小ノズル間距離Pmの正の整数N倍、すなわちLm=N×Pmとなるように設定される。図10の場合、図7と同様に、5個のノズルブロックから形成されており、N=5であるから、Lm=5×Pmとなる。
図7に示す例では、各ノズルブロックを構成する複数のノズル列をそれぞれ主走査方向に所定距離Lmずつずらしながら副走査方向に隣接させて並べたが、これに対して図10に示す例では、各ノズルブロックを構成する複数のノズル列が副走査方向に隣接するか否かに関係なく、主走査方向に所定距離Lmで隣り合うように並べられる。このように、図10では、各ノズルブロック内のノズル列が図7のように階段状に並んでいるのではなく、主走査方向に交互にずらしながら、副走査方向に並べて配置されてノズルブロックを構成している。
また図10に示すノズル配列について別の見方をすることもできる。すなわち、図11に示すノズル配列は図10のノズル配列と同じであるが、図10のように各ノズルを4つのノズル列で形成されるノズルブロックへ分けるのではなく、主走査方向に関して最も左側にあるノズル51−11A、51−21A、51−31A、51−41A、51−51Aで形成されるノズルの集まりを、図10のノズルブロックと区別してノズル群と呼ぶことにする。例えば、ノズル51−11A、51−21A、51−31A、51−41A、51−51Aで形成されるノズル群をノズル群B1とし、ノズル51−13A、51−23A、51−33A、51−43A、51−53Aの5つのノズルからなる群をノズル群B2とし、以下同様にノズル群B3・・・等とする。
そして図11においては、これらの5つずつのノズルからなるノズル群B1、B2、・・・を図11に示すように副走査方向に交互にずらして互い違いに配置する。
具体的には、ノズル群間の主走査方向の間隔Lmはいままでと同様にこの配列における主走査方向の最小ノズル間距離Pmに対し、正の整数N(各ノズル群のノズル数、この場合は5)によりLm=N×Pmとなる。
また、ノズル群間の副走査方向の間隔Lsは、例えばノズル群B1とノズル群B2については、ノズル51−11Aとノズル51−13Aを比較して、副走査方向の最小ノズル間距離Ps(略、圧力室52の副走査方向の大きさL2と等しい)の2倍、Ls=2×Ps(=2×L2)となる。
また、ノズル群B2と次のノズル群B3についての副走査方向の間隔Lsは丁度副走査方向の最小ノズル間隔Psとなっている。以下、これの繰り返しである。
また、図7においてノズル51−11Aと51−12Aのように副走査方向において互いに隣接したノズルあるいは近傍に配置されるノズルは、それらの主走査方向における距離を各ノズルから吐出される液滴の直径より大きく設定するものとする。
ここでは例えばノズルの直径は30[μm]と仮定しており、液滴の直径も略これと同じである。具体的には、ノズルから記録媒体上に打滴される液滴の最大ドット径をDmax とするとき、主走査方向の最小ノズル間距離Pmに対し、Dmax ≦N×Pmが成り立つような正の整数Nをとることにより、主走査方向の各ノズルブロックのずれをN×Pmと設定する。
このように、Nを設定して距離N×Pmだけノズルを主走査方向に離すようにすれば、各ノズルから吐出される液滴が吐出直後だけでなく、その後記録媒体が搬送されても互いに永久に重なることがなく、画像劣化を防止することができる。前述したように、この整数Nは、ノズルブロックの個数Nが用いられる。
また、図7において、各ノズルブロック間の副走査方向の間隔Lsを設定する際、上記では副走査方向の最小ノズル間距離Psの整数倍としていた。具体的には、この整数Mはノズルブロック内の副走査方向に並ぶノズル列の個数Mが用いられた。
これに対し、この副走査方向に隣接するノズルブロック間の間隔Lsを次のように設定するようにしてもよい。すなわち、図7においてノズルブロック1のノズル51−11Aで打滴した後その液滴の一部が記録紙16に浸透して記録紙16の表面上の液滴径が小さくなった場合には、記録紙16を搬送してノズルブロック2のノズル51−21Aから上記液滴に重ねて液滴を吐出することができる。詳しくは後述するが、すでに液滴が記録紙16の中に浸透した領域上に重ねて液滴を吐出しても浸透した液滴は定着しているので、その記録紙16の表面上に後から吐出された液滴が混ざり合い滲むことはないからである。
すなわち、最初に打滴された液滴の一部(周囲)が記録紙16に浸透して記録紙16表面に残った液滴の半径と後から打滴された液滴の記録紙16表面での半径との和がドット間ピッチ(主走査方向の最小ノズル間距離Pm)より小であるという条件を満たせば、着弾干渉は発生しない。したがって、上記各ノズルブロック間の副走査方向の間隔Lsを、最初に打滴された液滴の記録紙16表面での半径が打滴後上記条件を満たす大きさとなるまでの時間(着弾干渉を発生させない打滴インターバル)内に記録紙16が搬送される距離となるように設定し、各ノズルブロックをこの距離の分だけ副走査方向に離して配置するようにしてもよい。
このように、主走査方向に隣接して重ねて打滴される液滴ドットが干渉しないようにするための打滴インターバルについて以下説明する。
主走査方向に隣接した液滴ドットを打滴するノズルとして図7あるいは図8のノズルブロック1のノズル51−11Aとノズルブロック2のノズル51−21Aを例にとって説明する。図12に、先にノズル51−11Aによって打滴されたインク滴100が示されている。インク滴100の記録紙16表面上の液滴直径をD1aとする。
染料系インクを用いると、記録紙16の表面に着弾したインク滴100は、時間の経過と共に記録紙16の受像層(図示省略)内に浸透し、その浸透はインク滴100の外側から内側に向かって完了するのでインク滴の直径は中心に向かって除々に小さくなる。
所定の時間Tが経過すると、記録紙16表面の溶媒がなくなり、インク滴100は記録紙16に完全に浸透される。ここで、所定の大きさ(本実施形態では、着弾時のインク滴直径と同じ直径)を有するドットが形成される。この時間Tを完全浸透時間とする。
図13は、図12中XIII-XIII 線に沿う断面図であり、記録紙16にインク滴100が着弾した直後の状態を示している。図14には、インク滴100が記録紙16に着弾した後、完全浸透時間T未満の所定の時間が経過して記録紙16表面のインク滴100の直径がD1bになった状態を示している。
なお、図14中破線で示した円は、インク滴100によって形成されるドット102を示し、その大きさはインク滴100が記録紙16に着弾したときのインク滴の大きさとほぼ同一である。すなわち、インク滴100により直径D1aのドット102が形成される。
また、図14には、続いてノズルブロック2のノズル51−21Aにより、直径D2aのインク滴110を打滴した状態を示している。先にインク滴100を打滴したノズル51−11Aとこのノズル51−21Aとの主走査方向の距離は、本ノズル配列における主走査方向最小ノズル間距離Pmであり、インク液滴110とドット102との中心間の間隔(ドットピッチ間隔)Ptは、この主走査方向最小ノズル間距離Pmとなる。
先にノズル51−11Aによって打滴されたインク滴100が記録紙16に着弾してからの時間δTが経過した後の直径D1bと、記録紙16に着弾したときのインク滴110の直径D2a、インク滴100とインク滴110との間隔(インク滴100及びインク滴110より形成されるドットのピッチに相当)Ptの関係が次式(1)
Pt>(D1b/2)+(D2a/2) ・・・(1)
を満たす場合には、各インク液滴100、110の半径(それぞれ(D1b/2)及び(D2a/2)である。)の和がドット間ピッチPtより小となり、記録紙16の表面においてこれらインク滴100とインク滴110とは混合しないので、インク滴100及びインク滴110から形成されるドット102及びドット112(図14ではインク滴110と同じ大きさで同じ位置に形成)の形状が崩れない。したがって、所望のドット形状を得ることができる。
なお、上記式(1)は、次の式(2)のように表現することもできる。
D1b < 2×Pt − D2a ・・・(2)
すなわち、ノズル51−11から記録紙16上へ吐出されたインク滴100の直径D1aが、この式(2)を満たす直径D1bになるまでの時間を、着弾干渉が発生しないための打滴インターバルとすればよい。
ここで、ドット102とドット112とが重なる条件は、式(1)とは逆に、Pt<(D1b/2)+(D2a/2)となる。すなわち、ドット102とドット112とが重なる条件は、ドット102の半径とドット112の半径との合計がドット間ピッチPtより大きい場合である。
図14に示したドット102は、インク滴100が記録紙16に浸透していない領域(インク滴100として示されている領域)と、インク滴100の記録紙16への浸透が終了し、記録紙16の受像層内部にインク色素(溶質)が保持されている領域(破線で示されたドット102の領域からインク滴100として示した領域を除いた領域)と、が存在し、上述した2つの領域のうち、インク滴100の記録紙16への浸透が終了した領域には、他のインク滴110を着弾させることができる。
図15は、図14中XV-XV 線に沿う、インク滴100及びインク滴110の断面を示す断面図である。インク滴110が記録紙16に浸透する際に、ドット102とインク滴110が重なる部分では、記録紙16の受像層内においてインク滴100とインク滴110との混合が発生しても、インク滴100は既に受像層内に浸透しておりインク色素(溶質)が受像層内で保持されているので、受像層内部でのドット102の形状はほとんど変化することがない。
インク滴110が記録紙16に着弾してから前述した完全浸透時間Tが経過すると、インク滴110の記録紙16への浸透が終了し、図16に示すように、直径D1aのドット102と直径D2aのドット112が形成される。
図17は、図16中XVII-XVII 線に沿うドット102及びドット112の断面を示す断面図である。
このように、2つのドットが重なる場合に、先に打滴されたインク滴の浸透が終了する完全浸透時間Tを待たずに(D1b>0の状態において)、次のインクを打滴することができる。
すなわち、先に着弾したインク滴100と次に着弾するインク滴110との間隔Pt、インク滴110の着弾時の直径D2a、からインク滴110着弾時に上記式(2)を満足するインク滴100の直径D1bを求め、求められたインク滴100の直径D1bと、インク滴100の着弾時の直径D1aと、から浸透時間δTが求められる。このように求められた浸透時間δTを打滴インターバルとしてノズル51−11Aから吐出されるインク滴100と、ノズル51−21Aから吐出されるインク滴110との打滴タイミングが制御される。
また、このようにして求められた時間δTと記録紙16の搬送速度Vとの積、δT×Vを副走査方向の前記所定の間隔として、この距離の分だけノズル51−11Aとノズル51−21Aの副走査方向の距離を離すようにしてノズルブロック1とノズルブロック2を配置するようにすればよい。
図18は、このような打滴制御を行うシステム(打滴制御部)を示すブロック図である。なお、この打滴制御部は図6に示したシステム(プリント制御部80)に含まれている。
図6に示したホストコンピュータ86から画像データ202を取得すると、ドットデータ生成部210において、RGBデータからCMYデータへの変換、濃淡インクの振り分け、CMYKドットデータの生成が行われる。
次に、不等式演算部212において、2つのドット(例えば、図16に示したインク滴100及びインク滴110)のピッチPt、後に打滴されるインク滴(図16のインク滴110)の直径D2aから、先に打滴されたインク滴(図16のインク滴100)の直径D1bが求められる。一方、ドット径演算・記憶部214に記憶されている使用するインク滴サイズの時間変化に関する情報が参照され、タイミング演算部216において、先に打滴されるドットを形成するインク滴における着弾時の液滴直径D1aから前述したD1bになるまでの浸透時間δT(打滴インターバル)が求められる。更に、該浸透時間δTから副走査方向のタイミング制御パラメータ(記録紙搬送速度等)、主走査方向のタイミング制御パラメータ等が決定される。
このようにして求められた浸透時間δT、副走査方向のタイミング制御パラメータ、主走査方向のタイミング制御パラメータに基づいて、ノズル駆動信号生成部218において、各ノズル51−11A、51−21Aの駆動信号220が生成される。
ここで、インク滴が記録紙16に浸透する速さは、主としてインクの種類、記録紙16の種類、環境温度、湿度等に依存する。ドット径演算・記憶部214ではこれらの情報をデータテーブル化して記憶すると共に、演算により算出された浸透時間δTを求める際のパラメータをタイミング演算部216に提供している。
なお、前記直径D1a及び前記直径D2a及びドット間隔Ptより前記直径D1bが予め計算されて登録されているデータベースから前記直径D1bのデータを参照して浸透時間δTを求めてもよい。このデータべースはインクジェット記録装置10内部に備えられてもよいし、外部に備えられていてもよい。
上述したように、このようにして求められた浸透時間δTの間に記録紙16が搬送される距離(記録紙16の搬送速度Vにより、V×δTで計算される)の分だけノズルブロックを副走査方向にずらして図7あるいは図10のようにノズルを配置することにより、記録媒体上で互いに重なり合う、異なるノズルから吐出されるインク液滴の着弾時間間隔を長くして着弾した液滴の滲みを防止することができる。
以上、記録媒体上に打滴されたドットの記録媒体表面上の液滴が浸透によって定着する系を記載したが、記録媒体上に打滴されたドットの記録媒体表面上の液滴が乾燥または硬化によって記録媒体表面上で固化することによって定着する系でも、浸透の場合と同様に打滴インターバルを制御することが可能である。
また、主走査方向に隣接あるいは近傍に存在するノズル間の副走査方向距離をこのように液滴ドットが記録媒体に定着するだけの時間を稼げる距離だけ離して各ノズルを配置するようにしたことにより、確実に着弾干渉を防止して、高画質な画像記録を実現することができる。
以上、本発明の液滴吐出ヘッド及び画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。 図1のインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。 印字ヘッドの他の構造例を示す平面透視図である。 印字ヘッドを構成する圧力室ユニットを示す拡大図である。 図4のV-V 線に沿う断面図である。 図1のインクジェット記録装置のシステム構成図である。 本実施形態の印字ヘッドにおけるノズル配置を示す要部平面図である。 図7のノズル配置の一部を拡大して示す平面図である。 (a)、(b)はノズル配置とドット位置の関係を示す説明図である。 本実施形態の印字ヘッドにおける他のノズル配置を示す要部平面図である。 図10のノズル配置においてノズルブロックの他の分け方を示す平面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の打滴制御の説明図である。 図12中のXIII-XIII 線に沿う断面図である。 打滴制御の要部を説明するための平面図である。 図14中のXV-XV 線に沿う断面図である。 打滴制御の結果を説明する平面図である。 図16中のXVII-XVII 線に沿う断面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の打滴制御部のブロック図である。 従来のマトリクス状に配列されたノズルを示す要部平面図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…印字部、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラ、33…ベルト、34…吸着チャンバ、35…ファン、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラ、48…カッター、50…印字ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、53…インク供給口、54…圧力室ユニット、55…インク共通流路、56…振動板、58…アクチュエータ

Claims (9)

  1. 記録媒体に対して液滴を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドであって、
    前記記録媒体が前記液滴吐出ヘッドに対して相対的に搬送される搬送方向と直交する主走査方向及び前記搬送方向である副走査方向に2次元的に、かつ前記ノズルから前記記録媒体上に打滴された少なくとも一部のドットが主走査方向に重なるように、前記ノズルが配列され、
    前記記録媒体上で主走査方向に隣接するドットを打滴する第1のノズルと第2のノズル及び第1のノズルと副走査方向に隣接する第3のノズルに対し、
    前記第1のノズルと第2のノズルとの間の副走査方向における距離が、少なくとも、前記第1のノズルと第3のノズルの副走査方向における距離の2以上の整数倍の距離となるように前記第1のノズルと第2のノズルを副走査方向に離して配置するとともに、
    前記第1のノズルと第3のノズルの間の主走査方向における距離が、少なくとも、前記第1のノズル及び前記第3のノズルから前記記録媒体に吐出される液滴によって形成される最大ドット径以上の距離となるように前記第1のノズルと第3のノズルを主走査方向に離して配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記第1のノズルと第3のノズルとの間の主走査方向における距離が、少なくとも、前記第1のノズルと第2のノズルの間の主走査方向の距離の2以上の整数倍の距離であることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 記録媒体に対して液滴を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドであって、
    前記記録媒体が前記液滴吐出ヘッドに対して相対的に搬送される搬送方向と直交する主走査方向及び前記搬送方向である副走査方向に2次元的に、かつ前記ノズルから前記記録媒体上に打滴された少なくとも一部の液滴ドットが主走査方向に重なるように、前記ノズルが配列され、
    前記液滴吐出ヘッドにおけるノズル間の主走査方向における最小距離である主走査方向最小ノズル間距離をPmとし、
    主走査方向に1列に配列された複数個のノズル列をそれぞれ主走査方向にずらして副走査方向に隣接させて並べ、任意のノズル列に対して主走査方向に所定距離だけずらしたノズル列が必ず存在するように配置して形成された複数個のノズルブロックのうち副走査方向に隣接するノズルブロックを、副走査方向に所定の間隔ずらすとともに、主走査方向に前記主走査方向最小ノズル間距離Pmだけずらして配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 前記ノズル列を主走査方向にずらす前記所定距離を、前記主走査方向最小ノズル間距離Pm及び前記ノズルブロックの個数Nを用いて、N×Pmとなるように設定することを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記ノズルブロック間の副走査方向の前記所定の間隔を、前記ノズル配列における副走査方向に隣接するノズル間の距離である副走査方向最小ノズル間距離Ps及び各ノズルブロックを構成する前記ノズル列の個数Mを用いて、M×Psとなるように設定することを特徴とする請求項3または4に記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記記録媒体上で主走査方向に重なり合う液滴ドットを打滴する第1のノズルと第2のノズルをそれぞれ有する第1のノズルブロックと第2のノズルブロックとの間の副走査方向の前記所定の間隔を、少なくとも、前記第1のノズルから着弾された第1のドットが前記記録媒体に定着して前記記録媒体表面上での液滴径が小さくなり、前記第1のドットの着弾後に前記第2のノズルから着弾する第2のドットの前記記録媒体表面上での液滴と接触しない大きさになるまでの時間に前記記録媒体が相対的に搬送される距離以上となるように設定することを特徴とする請求項3または4に記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 前記ノズル配列を構成する任意のノズルから前記記録媒体上に打滴される液滴の最大ドット径をDmax とするとき、前記主走査方向最小ノズル間距離Pmに対し、Dmax ≦N×Pmとなるように前記ノズルブロックの個数Nを設定することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
  8. 記録媒体に対して液滴を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドであって、
    前記記録媒体が前記液滴吐出ヘッドに対して相対的に搬送される搬送方向と直交する主走査方向及び前記搬送方向である副走査方向に2次元的に、かつ前記ノズルから前記記録媒体上に打滴された少なくとも一部のドットが主走査方向に重なるように、前記ノズルが配列され、
    前記記録媒体上で主走査方向に隣接または重ねて打滴する第1のドットと第2のドットを打滴する第1のノズルと第2のノズルとの副走査方向の距離を、少なくとも前記第1のドットが前記記録媒体に着弾して定着して前記記録媒体表面上での液滴径が小さくなり、前記第1のドットの着弾後に打滴される前記第2のドットの前記記録媒体表面上での液滴と接触しない大きさになるまでの時間に前記記録媒体が相対的に搬送される距離以上となるように設定し、
    前記第1のノズルと副走査方向に隣接する第3のノズルとの主走査方向の距離が、少なくとも前記第1のノズル及び前記第3のノズルから前記記録媒体に打滴されて形成される最大ドット径以上の距離となるように前記第1のノズルと前記第3のノズルを配置することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP2004093476A 2004-03-26 2004-03-26 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 Pending JP2005279968A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004093476A JP2005279968A (ja) 2004-03-26 2004-03-26 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置
US11/087,746 US7513600B2 (en) 2004-03-26 2005-03-24 Liquid droplet discharge head and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004093476A JP2005279968A (ja) 2004-03-26 2004-03-26 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005279968A true JP2005279968A (ja) 2005-10-13

Family

ID=34989279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004093476A Pending JP2005279968A (ja) 2004-03-26 2004-03-26 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7513600B2 (ja)
JP (1) JP2005279968A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010194857A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Kyocera Corp 印刷装置
JP2015182237A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 セーレン株式会社 インクジェット記録方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4784233B2 (ja) * 2005-09-28 2011-10-05 ブラザー工業株式会社 インクジェットプリンタ
CN102026814A (zh) * 2008-05-23 2011-04-20 富士胶片株式会社 用于流体液滴喷射的喷嘴布置
JP6274221B2 (ja) * 2013-12-12 2018-02-07 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0278558A (ja) * 1988-09-14 1990-03-19 Seiko Epson Corp インクジェット式プリンタ
JPH11240158A (ja) * 1998-02-26 1999-09-07 Toshiba Tec Corp 記録ヘッドの駆動方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06183033A (ja) 1992-12-18 1994-07-05 Canon Inc インクジェット記録装置
CN1141612A (zh) 1994-11-14 1997-01-29 菲利浦电子有限公司 喷墨记录装置
IL117278A (en) * 1996-02-27 2000-02-17 Idanit Tech Ltd Method for operating an ink jet printer
US5923348A (en) * 1997-02-26 1999-07-13 Lexmark International, Inc. Method of printing using a printhead having multiple rows of ink emitting orifices
US6328418B1 (en) * 1999-08-11 2001-12-11 Hitachi Koki Co., Ltd Print head having array of printing elements for printer
IL131830A0 (en) * 1999-09-09 2001-03-19 Scitex Corp Ltd Print head arrangement
JP2001180544A (ja) 1999-12-24 2001-07-03 Komatsu Ltd 弾性体履板
JP4205849B2 (ja) * 2000-11-01 2009-01-07 東芝テック株式会社 カラーインクジェットヘッド
JP2002273878A (ja) 2001-03-19 2002-09-25 Ricoh Co Ltd ライン型インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
US7090331B2 (en) * 2003-05-15 2006-08-15 Seiko Epson Corporation Printing method, printing apparatus, and computer-readable storage medium

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0278558A (ja) * 1988-09-14 1990-03-19 Seiko Epson Corp インクジェット式プリンタ
JPH11240158A (ja) * 1998-02-26 1999-09-07 Toshiba Tec Corp 記録ヘッドの駆動方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010194857A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Kyocera Corp 印刷装置
JP2015182237A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 セーレン株式会社 インクジェット記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20050212872A1 (en) 2005-09-29
US7513600B2 (en) 2009-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4800803B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP4085429B2 (ja) 画像形成方法及び装置
JP2007237607A (ja) 画像形成装置
JP4719944B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
US7513600B2 (en) Liquid droplet discharge head and image forming apparatus
JP5364286B2 (ja) 画像記録装置および画像記録方法
JP2005313635A (ja) 打滴制御方法及び液吐出装置
JP2005313625A (ja) インクジェット記録装置
JP4768553B2 (ja) 液体吐出装置、液体吐出方法、及び画像形成装置
JP3991279B2 (ja) 画像形成装置及び吐出検出方法
JP4042123B2 (ja) 画像形成装置並びに打滴制御方法
JP5000903B2 (ja) 画像形成装置
JP4487826B2 (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、及び画像記録方法
JP3807429B2 (ja) 画像形成装置並びに打滴制御方法
JP2005313636A (ja) 打滴制御方法及び液吐出装置
JP4609648B2 (ja) 液滴吐出装置及び画像記録方法
JP3969429B2 (ja) 液吐出装置及び打滴制御方法
JP2008100526A (ja) 画像形成方法及び装置
JP3791532B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP3969428B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP3956393B2 (ja) 液滴吐出装置及び画像形成装置
JP2006264168A (ja) 液滴吐出装置
JP4122520B2 (ja) 画像形成装置
JP2005153501A (ja) 液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置
JP2005288914A (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051121

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20060302

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20060316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060914

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070409