JP2005288914A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 供給絞りの加工難易度を低減させ、加工精度を向上させる。
【解決手段】 液が充填される複数の圧力室と、各圧力室に対応して設けられた複数のノズルと、各圧力室内の液を加圧する加圧発生手段と、前記複数の圧力室に供給する液が貯留される共通液室と、前記共通液室から前記圧力室に液を供給する供給流路の少なくとも一部を構成し、液供給先となる少なくとも2つの圧力室に連通するとともに、これら少なくとも2つの圧力室の供給絞りの少なくとも一部を構成する流路口と、を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置を提供する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置に係り、特に加圧室に対する加圧によってノズルより液滴を吐出する液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置に関する。
インクジェット方式の画像形成装置(インクジェッド記録装置)は、記録ヘッドのノズルよりインクを吐出して、記録媒体に対して記録を行う。
このような記録ヘッドには、一定のパターンを有するプレート部材を複数積層接合して構成されるものがある。積層接合された記録ヘッドの内部には、インクの流れる液体流路が形成される。例えば記録ヘッド内には、インクを貯留する共通液室や圧力室等が形成される。
共通液室に貯留されたインクは、各圧力室に分配供給される。そして各圧力室に対応して設けられるアクチュエータの駆動によって、圧力室内のインクは加圧され、ノズルからインクが吐出される。
このとき、圧力室内のインクが共通液室に逆流するのを防ぐため、インクの流れを制限する微細な供給絞りが、圧力室と共通液室の間に形成されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、複数のプレート部材を積層して形成される記録ヘッドが開示されている。同文献によれば、積層方向から見て、供給絞りは各圧力室の外側に配置されるように構成される。そして各圧力室へのインク供給は、共通液室(リザーバ室)から、各圧力室毎に設けられる供給絞り、供給流路(供給連通路)を介して行われる。
特許文献2にも、特許文献1と同様に、複数のプレート部材を積層して形成される記録ヘッドが開示されている。同文献によれば、隣接する圧力室が対をなすように構成し、同じ共通液室から、各圧力室毎に設けられる供給絞りを介して、各圧力室にインク供給が行われる。
特開2002−240272号公報 特開2002−96477号公報
しかしながら、特許文献1に開示された記録ヘッドは、積層方向からみて、圧力室と供給絞りを重ねられない。そのため、記録ヘッドの高密度化が難しく、記録ヘッドの大型化につながる。
ところで高精度を要する形状加工は、加工する数が多くなればばらつきが増し、密度が上がれば加工難易度が上がる。記録ヘッドの供給絞りは、加工精度にばらつきが生じると、ノズルからのインク吐出性能にばらつきが生じ、記録媒体に印字される画像の劣化を招くため、高精度に加工されなければならない。
ところが、特許文献1に開示された記録ヘッドの供給絞りは、圧力室の数と同数必要であり、供給絞りの少数化、低密化は困難であり、加工難易度は難しく、加工精度にばらつきが生じる恐れがある。
特許文献2に開示された記録ヘッドは、圧力室の配列構成を工夫し、共通液室を共有することによって、記録ヘッドの高密化を行っているが、供給絞りの数は圧力室と同数必要である。そのため特許文献1に開示された記録ヘッドと同様に、供給絞りの少数化、低密化は困難であり、加工難易度は難しく、加工精度にばらつきが生じる恐れがある。
また各圧力室は共通液室を共有するため、各圧力室で生じた圧力波が他の圧力室に影響を及ぼす可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液滴吐出ヘッドの供給絞りの加工難易度を低減させ、加工精度を向上させることを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液が充填される複数の圧力室と、各圧力室に対応して設けられた複数のノズルと、各圧力室内の液を加圧する加圧発生手段と、前記複数の圧力室に供給する液が貯留される共通液室と、前記共通液室から前記圧力室に液を供給する供給流路の少なくとも一部を構成し、液供給先となる少なくとも2つの圧力室に連通するとともに、これら少なくとも2つの圧力室の供給絞りの少なくとも一部を構成する流路口と、を備えた液滴吐出ヘッドを提供する。
本発明によれば、共通液室と少なくとも2つの圧力室を連通する供給流路の一部を構成する流路口は、少なくとも2つの圧力室の供給絞りの少なくとも一部を構成するので、液滴吐出ヘッドの供給口の数は、圧力室の数に比べて少なく、低密化する。これにより、流路口の加工難易度が低減するとともに加工精度が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液滴吐出ヘッドであって、前記流路口は、少なくとも2つの前記圧力室の一部と重なり、それぞれの圧力室と連通するように形成された貫通穴若しくは有底穴であって、前記貫通穴若しくは有底穴は、連通する前記少なくとも2つの圧力室のそれぞれの供給絞りを構成することを特徴とする。
請求項2の態様によれば、少なくとも2つの圧力室の一部と重なり、それぞれの圧力室と連通するように形成された貫通穴若しくは有底穴が、2つの圧力室のそれぞれの供給絞りとして構成されるので、液滴吐出ヘッドの貫通穴若しくは有底穴の数は圧力室の数より少なく、低密化する。従って請求項1の態様と同様に、貫通穴若しくは有底穴の加工難易度が低減するとともに加工精度が向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の液滴吐出ヘッドであって、前記流路口は、前記少なくとも2つの圧力室と連通する貫通穴であって、前記貫通穴は、前記少なくとも2つの圧力室の共用の供給絞りを構成することを特徴とする。
請求項3の態様によれば、貫通穴が連通する少なくとも2つの圧力室の共用の絞りとなるので、液滴吐出ヘッドの貫通穴の数は圧力室の数より少なく、低密化する。従って、請求項1の態様と同様に、貫通穴の加工難易度が低減するとともに加工精度が向上する。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドであって、前記流路口は、前記液滴吐出ヘッドのノズル面から見て、前記共通液室を挟んだ前記少なくとも2つの圧力室と連通することを特徴とする。
請求項4の態様によれば、請求項1の態様と同様の効果を奏するとともに、液滴吐出ヘッドのノズルを高密度化することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドに、さらに、前記流路口に連通する前記圧力室に対応する前記加圧発生手段を制御する圧力室制御手段を備えた液滴吐出装置を提供する。
請求項5の態様によれば、流路口に連通する少なくとも2つの圧力室に対応する加圧発生手段を制御し、それぞれの圧力室内に生じる圧力波を組み合わせることによって、圧力室内に生じた気泡の消滅、排除性能を向上させることができる。
また、クロストークの防止やリフィル動作時間の短縮を図ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の液滴吐出装置であって、前記圧力室制御手段は、前記流路口に連通する第1の前記圧力室に対応する前記ノズルから液滴を吐出するために、前記第1の圧力室の前記加圧発生手段を制御するとともに、前記流路口に連通する第2の圧力室の前記加圧発生手段を制御することを特徴とする。
請求項6の態様によれば、圧力室制御手段による第2の圧力室の制御によって、第1の圧力室の液滴吐出動作によって生じる圧力波の影響が第2の圧力室に及ぶのを低減することができる。すなわち、流路口に連通する少なくとも2つの圧力室間で生ずるクロストークを低減することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の液滴吐出装置であって、前記圧力室制御手段は、前記第2の圧力室に対応する前記ノズルからインクを吐出しない程度に前記加圧発生手段を制御することを特徴とする。
請求項7の態様によれば、請求項6に記載の液滴吐出装置と同様の効果を奏するとともに、さらに第2の圧力室に連通するノズルからインク吐出を行わないので、画質の劣化を防止するとともに、無駄なインク消費を防止する。
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の液滴吐出装置であって、前記圧力室制御手段は、前記流路口に連通する第1の前記圧力室に前記共通液室から液の供給を行うリフィル動作を制御するとともに、前記流路口に連通する第2の圧力室の前記加圧発生手段を制御することを特徴とする。
請求項8の態様によれば、流路口に連通する少なくとも2つの圧力室に生ずる圧力波を組み合わせていることにより、圧力室のリフィル動作時間を短縮することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の前記液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
請求項10に記載の発明は、請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の前記液滴吐出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明によれば、液滴吐出ヘッドの供給絞りが少数、低密するので、供給絞りの加工難易度が低減するとともに加工精度が向上する。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、給水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラーが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを、記録紙16の搬送方向(副走査方向)に対して直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが(図3乃至図5)、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンダなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を通知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサー(ラインセンサー等)を含み、該イメージセンサーによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサーで構成される。このラインセンサーは、赤(R)の色フィルターが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサー列と、緑(G)の色フィルターが設けられたGセンサー列と、青(B)の色フィルターが設けられたBセンサー列と、からなる色分解ラインCCDセンサーで構成されている。なお、ラインセンサーに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサーを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソータが設けられている。
〔印字ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a)は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)はその一部の拡大図である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。図3(a)、(b)に示すように、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と個別供給口519が設けられている。
図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3中4−4線に沿う断面図)である。同図に示すように、印字ヘッド50は、複数枚のプレート部材(501〜506)を積層接合して作製されており、その内部において圧力室52、共通液室514、供給口516、供給流路517及びノズル流路518等が形成されている。
ノズルプレート501には、液が吐出する最後の絞り部分となるノズル51が穿設されている。ノズル51は、機械加工やエッチング等により形成される。
またヘッド内流路を形成するプレート部材502〜506は、SUS板等の薄い板材にエッチングやプレス加工等で穴や溝を形成したものであり、これらプレート部材502〜506を複数枚接合して所要の流路が構成される。
ノズル51はノズル流路518を介して圧力室52と連通しており、圧力室52は供給流路517、供給口516を介して共通液室514と連通している。また共通液室514はインク供給源たるインクタンク(図4中不図示、図5中符号60として記載)と連通している。インクタンク60から供給されるインクは共通液室514を介してヘッド内の各圧力室52に分配供給される。
ところで、共通液室514から各圧力室52に連通する液体流路には、供給絞り520が備えられる。供給絞り520は、微細な形状を有し、圧力室52内に供給されたインクが共通液室514に逆流するのを防ぐための流路抵抗として設けられる。なお、供給絞り520と圧力室52等の構成については後述する。
圧力室52の天面を構成している加圧板(共通電極)506には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57と共通電極506に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通液室514から供給口516、供給絞り520を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方法が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾ方式に代えて、ヒーター等の発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式等、各種方式を適用できる。
〔インク供給系の構成〕
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60は印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を代える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図5に示したように、インクタンク60と印字ヘッド50を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ64で覆う。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル面50A)に摺動可能である。ノズル面50Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面50Aに摺動させることでノズル面50Aを拭き取り、ノズル面50Aを清浄する。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。
すなわち、印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ58が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(アクチュエータ58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かってアクチュエータ58を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面50Aの汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、アクチュエータ58を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面50Aに、キャップ64を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクをポンプ67で吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図5で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
また、好ましくは、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とする。
〔制御系の説明〕
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒーター89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒーター89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50のアクチュエータ58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサー(不図示)を含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
〔圧力室と供給絞り等の構成〕
図7は、本発明に係る第1の実施形態の印字ヘッドの要部平面透視図である。
本実施形態は、図7のX方向に配列される圧力室52、52、・・・の圧力室列61A、61BがY方向に一定の距離だけ離れて構成される。圧力室列61Bは、圧力室列61Aから図7のX方向にピッチPだけずれて配置される。また圧力室列61A、61Bの間には、共通液室514が圧力室列61A、61Bと平行に構成される。
供給流路517は、図7に示すように幅狭な流路であり、共通液室514に対して斜め方向に構成される。そして供給流路517の中央部は、共通液室514と重なり、その重なり部には供給口516が形成される。
また供給流路517の両端部は、共通液室514を挟んで対角位置にある圧力室52A、52Bの隅部とそれぞれ重なるように構成される。
各圧力室52には、供給流路517と圧力室52との重なり部に個別供給口519が形成され、個別供給口519と対角する隅部にはノズル51が形成される。
図8は、図7中8−8線に沿う断面図である。同図に示すように、個別供給口519A、519Bは、圧力室52A、52Bを備えたプレート部材505と、供給流路517を備えたプレート部材504を積層し、圧力室52A、52Bと供給流路517との接合部に形成される連通口である。従って供給流路517は、個別供給口519A、519Bを介して、圧力室52A、52Bと連通する。
また供給流路517を備えたプレート部材504と、供給口516を備えたプレート部材503と、共通液室514を備えたプレート部材502との積層により、供給流路517は、供給口516を介して共通液室514と連通する。
本実施形態において、供給流路517の断面積S1若しくは個別供給口519A、519Bの断面積S2は、供給口516の断面積S3より小さく、またはノズル51A、51Bの断面積S4より小さくなるように構成される。これにより、供給流路517若しくは個別供給口519A、519Bが、圧力室52A、52Bに対する供給絞り520として機能する。供給絞り520は、前述のとおり、圧力室52A、52Bに供給されたインクが共通液室514に逆流するのを防止する。
供給流路517若しくは個別供給口519A、519Bの断面積S1、S2を上述のように構成するためには、プレート部材504に供給流路517を微細に加工することが必要である。
本実施形態では、供給流路517は2つの圧力室52A、52Bによって共有されるため、プレート部材504上に形成される供給流路517の数は、圧力室52の数の1/2となる。そのためプレート部材504上の供給流路517は、圧力室52と同数の供給流路517を構成する場合に比べて、少数化、低密化する。
従って、供給流路517の加工難易度が低減するとともに加工精度が向上する。
ところで、共通液室514に貯留されたインクは、供給口516を介して、供給流路517に送られる。そして供給流路517に送られたインクは、供給流路517の両端部に構成される供給絞り520を介して、圧力室52A、52Bに分配供給される。
圧力室制御手段59は、前述したヘッドドライバ84(図6参照)に相当し、供給流路517を共有する圧力室52A、52Bに対応するアクチュエータ58A、58Bの駆動を制御する。
例えば、圧力室制御手段59が圧力室52Aに対応する印字データをプリント制御部(図6参照)より受信し、次に圧力室52Bに対応する印字データを受信した場合、圧力室制御手段59は、圧力室52Aに対応するアクチュエータ58Aを駆動し、ノズル51Aからインクを吐出し、圧力室52Bに対応するアクチュエータ58Bを駆動し、ノズル51Bからインクを吐出する。
アクチュエータ58Aの駆動によって、圧力室52Aには図8の矢印Aで示す方向に圧力波が生じる。圧力室52Aに生じた圧力波は、供給流路517を介して圧力室52Bに影響を及ぼし、圧力室52Bからのインク吐出量を増加させる場合がある。このような圧力室同士の圧力波ノイズ現象をクロストークといい、クロストークは、ノズル51Bの吐出性能に影響を及ぼす。
本実施形態ではクロストークを防止するため、圧力室制御手段59は、アクチュエータ58Aの駆動に対応して、アクチュエータ58Bも同時に駆動する。これにより、圧力室52Bに図8の矢印Bの方向に圧力波が生じ、供給流路517を共有する圧力室58Aからの圧力波を相殺することができる。
以上のような圧力室制御手段59による制御は、圧力室52Bに対応する印字データを受信した場合にも同様に行われる。
また圧力室制御手段59は、受信した印字データに対応する圧力室52と供給流路517を共有する他の圧力室52に対する制御を、他の圧力室52と連通するノズル51からインクを吐出しない程度に行うことが望ましい。
この場合、クロストークを防止するとともに、印字データとは関係ないノズル51からのインク吐出によって生ずる画質の劣化や、インクの無駄な消費を抑えることができる。
圧力室制御手段59は、供給流路517を共有する一方の圧力室52がリフィル動作を行う場合にその圧力室52に対応するアクチュエータ58を駆動するとともに、他方の圧力室52に対応するアクチュエータ58も駆動して制御を行う。
例えば、ノズル51Aからインクが吐出され、圧力室52A内に再びインクが供給される場合、圧力制御手段は、アクチュエータ58Aを駆動するとともに、アクチュエータ58Bも駆動する。
アクチュエータ58Aをインク供給駆動し、アクチュエータ58Bを同時に加圧駆動することによって、共通液室514から圧力室52Aの方向の圧力が増加し、圧力室52Aに対するインク供給が容易となる。この結果、圧力室52Aに対するリフィル動作時間を短くすることができる。
また圧力室制御手段59は、供給流路517を共有する一方の圧力室52の内部に気泡が発生した場合、その圧力室52に対応するアクチュエータ58を駆動するとともに、他方の圧力室52に対応するアクチュエータ58も駆動して制御を行う。
例えば、圧力室52Aの内部に気泡が生じた場合、圧力室制御手段59は、アクチュエータ58Aを駆動するとともに、アクチュエータ58Bも駆動する。また圧力室制御手段59は、アクチュエータ58A、58Bに対する駆動電圧をそれぞれ変化させる。これにより、各圧力室52A、52Bに生じた圧力波を供給流路517を介して組み合わせることによって、圧力室52Aの内部に生じた気泡を粉砕し、効率良く短時間で消滅することができる。また圧力波を組み合わせることによって、気泡を共通液室514へ効率良く短時間で排除することができる。
このように圧力室制御手段59によるアクチュエータ58A、58Bの駆動により、いずれか一方のアクチュエータ58のみを駆動する場合に比べて、気泡消滅、排除性能が向上し、無駄なインク消費を低減することができる。
なお本実施形態において、供給流路517を共有する圧力室52の数は2つであるが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、供給流路517の平面形状を、図7に示すような共通液室514に対して斜め棒状の形状でなく、X字状の形状として4つの圧力室52と供給絞り520を介して連通する構成でもよい。この場合、供給流路517の数は減り、プレート部材504上に形成される供給流路517は低密化するので、さらに加工難易度が低減するとともに加工精度が向上する。
さらに本実施形態では、図7に示したように、共通液室514を挟んで対角位置の圧力室52、52を供給流路517で共有しているが、本発明はこれに限定されるものでない。
例えば、打滴干渉が懸念される圧力室52、52、・・・(例えば、隣接する圧力室52同士等)を供給流路517で連通するように構成してもよい。そして、いずれか一方の圧力室52に連通するノズル51からインク吐出が行われる場合には、他の圧力室52、52、・・・に連通するノズル51はインク吐出を行わないように、圧力室制御手段59が制御することによって、打滴干渉を防止することができる。さらに前述のとおり、圧力室52に連通するノズル51からインク吐出が行われる場合に、他の圧力室52、52、・・・に連通するノズル51からインクを吐出しない程度に、圧力室制御手段59が他の圧力室52、52、・・・を制御することによって、クロストークを防止することができる。
図9は、本発明に係る第2の実施形態の印字ヘッドの要部平面透視図である。図9中、図7と共通又は類似する部材等については同一符号を付し、説明を省略する。
本実施形態は、図9のX方向に配列される圧力室52A1、52A2、・・・の圧力室列61A,61B、61CがY方向に等間隔で構成される。また各圧力室列61A、61B、61Cは、それぞれピッチPだけX方向にずれて配置される。
各圧力室列61A、61B、61Cの間には、共通液室514A、514Bが各圧力室列61A、61B、61Cと平行に構成される。
各圧力室列61A、61B、61Cをそれぞれ構成する圧力室52A1、52A2、・・・は、図9のX方向に、ノズル51、個別供給口519の配置を交互に変えて構成される。
例えば、圧力室52A1は、共通液室514Aに近い隅部にノズル51A1が設けられ、その対角の隅部に個別供給口519A1が設けられる。そして、X方向に隣接する圧力室52A2は、共通液室514Aに近い隅部に個別供給口519A2が設けられ、その対角の隅部にノズル51A2が設けられる。
供給流路517は、共通液室514を挟んで対角位置に構成される圧力室52、52の個別供給口519が共通液室514に近設される場合に形成される。
例えば図9において、共通液室514Aを挟んで対角位置に構成される圧力室52A2、52B1の個別供給口519A2、519B1は共通液室514Aに近設されるため、供給流路517A1が形成される。一方、X方向に隣接する圧力室52A3、52B2の個別供給口519A3、519B2は共通液室514Aから離れた位置にあるため、圧力室52A3、52B2間には供給流路517は形成されない。
このように圧力室52や供給流路517等を構成することにより、共通液室514上の供給流路517の間隔が、第1の実施形態に比べて2倍となる。
本実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏するとともに、次のような効果も奏する。すなわち、共通液室514上に形成される供給流路517の間隔を拡げことによって、圧力室制御手段59によって圧力室52内に生じる圧力波が、共通液室514を介して他の供給流路517に連通する圧力室52に及ぼす影響を低減することができる。
例えば、圧力室52A2内に生じた圧力波が、供給流路517A1から共通液室514A、供給流路517A2を介して圧力室52A4、52B3に及ぼす影響を低減することができる。
このように供給流路517を共有する圧力室52、52間で生じるクロストークを防止するだけでなく、さらに共通液室514を介して他の供給流路517と連通する圧力室52、52に対するクロストークを防止する。
図10は、本発明に係る第3の実施形態の印字ヘッドの要部平面透視図である。図10中、図7と共通又は類似する部材等については同一符号を付し、説明を省略する。
本実施形態は、図10に示すように、圧力室52、供給流路517、共通液室514の平面配置は第1の実施形態と共通するが、供給流路517の略中央部に位置する供給口516が微細に形成されている点が異なる。
図11は、図10中11−11線に沿う断面図である。同図に示すように、供給口516は、プレート部材503に形成されている。プレート部材503が、供給流路517を備えたプレート部材504と、共通液室514を備えたプレート部材502に挟まれるように積層されることにより、供給口516の上端は供給流路517と連通し、供給口516の下端は共通液室514と連通する。
共通液室514に貯留されるインクは、供給絞り520として機能する供給口516を通り、さらに供給流路517、個別供給口519A、519Bを介して各圧力室52A、52Bに供給される。
本実施形態において、供給口516が圧力室52A、52Bに対する供給絞り520として機能する。
供給口516が供給絞り520として機能するためには、供給口516の断面積S3が、供給流路517の断面積S1若しくは個別供給口519A、519Bの断面積S2より小さく、またはノズル51A、51Bの断面積S4より小さくなるように微細に形成される必要がある。
本実施形態では、圧力室52A、52Bが供給絞り520(供給口516)を共有するため、供給絞り520の数は圧力室52の数の1/2となり、プレート部材503上の供給絞り520は低密化する。この結果、微細な供給絞り520の加工難易度が低減するとともに加工精度が向上する。
なお本実施形態では、2つの圧力室52A、52Bが供給絞り520を共有する構成を示したが、本発明はこれに限定されるものでない。さらに多くの圧力室52、52、52、・・・で供給絞り520を共有することも可能である。
この場合、プレート部材503に形成される供給絞り520(供給口516)をさらに低密化することができるので、微細な供給絞り520の加工難易度がさらに低減するとともに加工精度も向上する。
図12は、本発明に係る第4の実施形態の印字ヘッドの要部平面透視図である。図12中、図7と共通又は類似する部材等については同一符号を付し、説明を省略する。
本実施形態において、共通液室514は、図12のY方向の両端部に凸部521を備え、X方向に等間隔で配置される。そして凸部521の端部は、共通液室514を挟んで、対角位置にある圧力室52A、52Bと重なるように構成される。そして、その重なり部に個別供給口519A、519Bが構成される。
図13は、図12中13−13線に沿う断面図である。同図に示すように、圧力室52A、52Bを備えるプレート部材505と、共通液室514を備えるプレート部材502が積層され、幅狭の個別共有口519A、519Bが形成される。
本実施形態では、第1乃至第3の実施形態における供給流路517、供給口516が共通液室514と一体に形成されており、共通液室514に貯留されたインクは、個別供給口519A、519Bを介して直接圧力室52A、52Bに供給される。
また個別供給口519A、519Bが供給絞り520として機能する。2つの圧力室52A、52Bによって共有される共通液室514は微細に加工する必要はない。
よって第1乃至第3の実施形態と同様に、本実施形態においても、供給絞り520の
微細な供給絞り520の加工難易度が低減するとともに加工精度も向上する。
以上、本発明の液滴吐出ヘッド及び画像形成装置について詳説に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってよいのはもちろんである。
本発明の実施形態に係る液滴吐出ヘッドを用いたインクジェット記録装置の全体構成図である。 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。 印字ヘッドを吐出面(ノズル面)側から見たときの平面透視図である。 印字ヘッドに備えられる圧力室ユニットの断面図(図3中4−4線に沿う断面図)である。 インクジェット記録装置のインク供給系の構成を示した概略図である。 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 第1の実施形態に係る印字ヘッドの要部平面透視図である。 図7中8−8線に沿う断面図である。 第2の実施形態に係る印字ヘッドの要部平面透視図である。 第3の実施形態に係る印字ヘッドの要部平面透視図である。 図10中11−11線に沿う断面図である。 第3の実施形態に係る印字ヘッドの要部平面透視図である。 図12中13−13線に沿う断面図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、53…圧力室ユニット、58…アクチュエータ、59…圧力室制御手段、514…共通液室、516…供給口、517…供給流路、519…個別供給口、520…供給絞り

Claims (10)

  1. 液が充填される複数の圧力室と、
    各圧力室に対応して設けられた複数のノズルと、
    各圧力室内の液を加圧する加圧発生手段と、
    前記複数の圧力室に供給する液が貯留される共通液室と、
    前記共通液室から前記圧力室に液を供給する供給流路の少なくとも一部を構成し、液供給先となる少なくとも2つの圧力室に連通するとともに、これら少なくとも2つの圧力室の供給絞りの少なくとも一部を構成する流路口と、を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記流路口は、少なくとも2つの前記圧力室の一部と重なり、それぞれの圧力室と連通するように形成された貫通穴若しくは有底穴であって、
    前記貫通穴若しくは有底穴は、連通する前記少なくとも2つの圧力室のそれぞれの供給絞りを構成することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記流路口は、前記少なくとも2つの圧力室と連通する貫通穴であって、
    前記貫通穴は、前記少なくとも2つの圧力室の共用の供給絞りを構成することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記流路口は、前記液滴吐出ヘッドのノズル面から見て、前記共通液室を挟んだ前記少なくとも2つの圧力室と連通することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドに、さらに、前記流路口に連通する前記圧力室に対応する前記加圧発生手段を制御する圧力室制御手段を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 前記圧力室制御手段は、前記流路口に連通する第1の前記圧力室に対応する前記ノズルから液滴を吐出するために、前記第1の圧力室の前記加圧発生手段を制御するとともに、前記流路口に連通する第2の圧力室の前記加圧発生手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記圧力室制御手段は、前記第2の圧力室に対応する前記ノズルからインクを吐出しない程度に前記加圧発生手段を制御することを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記圧力室制御手段は、前記流路口に連通する第1の前記圧力室に前記共通液室から液の供給を行うリフィル動作を制御するとともに、前記流路口に連通する第2の圧力室の前記加圧発生手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。
  9. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の前記液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の前記液滴吐出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

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