JP2004058649A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】階調数を多くした高品位の画像を、ヘッド構造を複雑にすることなく印画できるようにするとともに、ラインヘッドにも適したものを提供する。
【解決手段】ノズルを有する液体吐出部(N−1、N、・・)を複数並設したヘッド11を備える液体吐出装置であって、各液体吐出部のノズルから吐出される液滴の吐出方向を複数の方向に偏向可能であり、近隣に位置する少なくとも2つの異なる液体吐出部からそれぞれ異なる方向に液滴を吐出させて、画素列又は画素を形成する。
【選択図】    図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルを有する液体吐出部を複数並設したヘッドを備える液体吐出装置、及びノズルを有する液体吐出部を複数並設したヘッドを用いた液体吐出方法に関し、液体吐出部のノズルから吐出される液滴の吐出方向を偏向させて、近隣に位置する複数の異なる液体吐出部を用いて画素列又は画素を形成する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印刷技術の1つとして、面積階調法を用いて画像を表現する方法が知られている。ここで、面積階調法とは、画像をできる限り小さな画素に分解して各色の点画として表現する方法である。そして、この面積階調法には、網点階調法と、ディザーパターン階調法とが知られている。前者は、濃度一定のドット径を変化させる方法であり、後者は、ドット径を一定とし、単位面積内のドット密度を変化させる方法である。
【0003】
また、インクジェットプリンタにおいても、上述の面積階調法と類似の方法が用いられており、インクジェットプリンタのヘッド構造によって、以下の3種類が挙げられる。
【0004】
図18は、従来の方法の第1例である重ね打ち変調を説明する図である。図18において、ヘッドは、矢印方向(左から右に進む方向)に移動しつつ、液滴を吐出して、印画紙上にドットを形成する。先ず、最初の1回目のヘッドの移動(図18中、点線の矢印で示す)により、ドットの一部の着弾領域が重なり合うように液滴を吐出し、ドットa1及びa2を形成する。さらに、次の2回目のヘッドの移動(図18中、実線の矢印で示す)により、それぞれ1回目に形成したドットa1及びa2とそれぞれ重なり合うとともに、最初の1回目のヘッドの移動時と同様に、ヘッドの移動方向において隣接するドットの一部の領域が重なり合うように液滴を吐出して、ドットa3及びa4を形成する。
【0005】
以上のようにして、4つのドットa1、a2、a3及びa4からなる1つの画素が形成される。このように、4つのドットa1〜a4から1つの画素を形成すれば、1画素は、ドット無しを含めて5階調まで表現できるようになる。また、1回目と2回目とのドットの着弾位置精度が高ければ、高画質のものを得ることができる。
【0006】
図19は、従来の方法の第2例である液滴量変調方法を説明する図である。この例では、ヘッドは、液滴の吐出量を3段階に切替え可能に形成されている。そして、小ドットb1、中ドットb2、又は大ドットb3のいずれかにより画素を形成するものである。この方法では、印画速度を速くすることができるといわれている。
【0007】
図20は、従来の方法の第3例であるドット数変調方法を説明する図である。この方法は、ドットピッチより径の小さいドットc1、c2、・・を、連続して複数回吐出するものである。また、最初に着弾したドットが印画紙に吸収(浸透)されないうちに、少なくとも一部の領域が重なり合うように次のドットを着弾させる。図20の例では、先ずドットc1を着弾させた後、このドットc1が印画紙に部分的に吸収(浸透)されても乾燥し終わらないうちにドットc2、c3、及びc4を順次着弾させる。これにより、1つの大きなドットc5(この場合、ドットc5は1画素に対応している)を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の従来の技術では、以下の問題点があった。
第1例では、複数回(本例では4回)にわたって1つの画素形成領域内にドットa1〜a4を着弾させなければならないので、階調の多い写真等では、文書の印画の場合と比較すると、印画時間が長くなるという問題がある。また、ある程度の階調度を得ることはできるものの、繰り返し重ね打ちをしても、階調度を高めることには限界があるという問題がある。
【0009】
また、第2例では、吐出される液滴量を正確に制御することが困難であるので、ばらつきが多く、安定した画質を得ることが困難であるという問題がある。また、複数種類の液滴量を吐出できるようにするためには、ヘッド構造が複雑化し、コストが高くなるという問題がある。さらにまた、液滴量を変化させることができたとしても、おおよそ3種類程度が限界であるという問題がある。
【0010】
また、ヘッドの中に、液滴が吐出されないインク吐出部や、吐出される液滴量が不十分なインク吐出部があると、画質の低下を招くこととなるので、結局は、第1例のような重ね打ちを併用せざるを得ず、印画時間が長くなるという問題がある。
【0011】
さらにまた、第3例では、1回、液滴を吐出した後は、吐出されたインクをインク吐出部に補充するための時間が必要となるので、再度の液滴の吐出まで、ある程度の時間がかかってしまうという問題がある。すなわち、例えばドットc1を形成するための液滴の吐出から、次のドットc2を形成するための液滴の吐出までには、ある程度の時間を要するという問題がある。
【0012】
この結果、シリアル方式における1ラインでのヘッドの移動中に、1つの画素形成領域内に、着弾させたドットc1が印画紙に全く吸収(浸透)されないうちに、さらに複数のドットc2、c3及びc4を重ねて着弾させることは困難である。また、インクがインク吐出部に補充されるのを待って、1つの画素形成領域内に、着弾させたドットc1が印画紙に吸収(浸透)されないうちにさらに複数のドットc2、c3及びc4を重ねて着弾させることができるようにヘッドを移動させるのでは、ヘッドの移動速度が極めて遅くなり、実用にならないという問題がある。
【0013】
また、上述の第1例や第3例の場合のように、複数のドットa1〜a4や、c1〜c4の一部の領域を重なり合わせて1つの画素や1つのドットc5を形成する方法は、ヘッドがライン方向(印画紙の進行方向に垂直な方向)に往復移動しつつインク液滴を吐出させるシリアル方式固有の方法であり、ノズルが印画紙の幅方向に並設されてヘッドがライン方向に移動しないラインヘッドの場合には、上記の第1例や第3例のような方法を実質的に採用することはできない。その理由は、ラインヘッドは、ライン方向へ移動しないので、ノズルに不吐出等の欠陥があった場合に、上記第1例や第3例では、この欠陥を補正することが出来ないからである。
【0014】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、階調数を多くした高品位の画像を、ヘッド構造を複雑にすることなく印画できるようにするとともに、ラインヘッドにも適したものを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
本発明の1つである請求項1に記載の発明は、ノズルを有する液体吐出部を複数並設したヘッドを備える液体吐出装置であって、各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を複数の方向に偏向させる吐出方向偏向手段と、近隣に位置する少なくとも2つの異なる前記液体吐出部から、前記吐出方向偏向手段を用いてそれぞれ異なる方向に液滴を吐出することにより、同一画素列に液滴を着弾させて画素列を形成するように制御するか、又は同一画素領域に液滴を着弾させて画素を形成するように制御する吐出制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
(作用)
上記発明においては、近隣に位置する少なくとも2つの異なる液体吐出部から、それぞれ異なる方向に液滴が吐出されることにより、画素列又は画素が形成される。例えば、隣接する液滴吐出部Nと液体吐出部(N+1)とからそれぞれ液滴を吐出して、同一画素領域又は同一画素領域列に液滴を着弾させることができる。
したがって、画素又は画素列を、複数の異なる液体吐出部を用いて形成することができる。
【0017】
また、本発明の他の1つである請求項2に記載の発明は、ノズルを有する液体吐出部を複数並設したヘッドを備える液体吐出装置であって、各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、近隣に位置する他の前記液体吐出部の前記ノズルから液滴が偏向なく吐出されたときの液滴の着弾位置又はその近傍に液滴を着弾させることができるように偏向させる吐出方向偏向手段と、液滴を列状に着弾させて画素列を形成する場合、又は少なくとも一部の着弾領域が重なり合うように液滴を着弾させて画素を形成する場合に、近隣に位置する少なくとも2つの異なる前記液体吐出部を用いるとともに、その少なくとも1つの前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を前記吐出方向偏向手段により偏向させて、画素列又は画素を形成するように制御する吐出制御手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
(作用)
上記発明においては、各液体吐出部のノズルから、吐出方向を偏向させることなく液滴を吐出させることができるとともに、吐出方向を偏向させて、近隣に位置する他の液体吐出部のノズルから液滴が偏向なく吐出されたときの液滴の着弾位置又はその近傍に、液滴を着弾させることができる。例えば、隣接する液滴吐出部Nと液体吐出部(N+1)とから液滴を吐出する場合において、液滴吐出部N及び液体吐出部(N+1)からそれぞれ液滴が偏向なく吐出されたときの着弾位置を、それぞれ着弾位置N及び着弾位置(N+1)とすると、液滴吐出部Nは、液滴を偏向なく吐出して着弾位置Nに着弾させることができるとともに、液滴の吐出方向を偏向させて着弾位置(N+1)に液滴を着弾させることもできる。同様に、液滴吐出部(N+1)は、液滴を偏向なく吐出して着弾位置(N+1)に着弾させることができるとともに、液滴の吐出方向を偏向させて着弾位置Nに液滴を着弾させることもできる。
【0019】
そして、液滴を列状に着弾させて画素列を形成する場合、又は少なくとも一部の着弾領域が重なり合うように液滴を着弾させて画素を形成する場合に、近隣に位置する少なくとも2つの異なる液体吐出部を用いるとともに、その少なくとも1つの液体吐出部のノズルから吐出される液滴の吐出方向を偏向させて、画素列又は画素を形成するように制御される。例えば、液滴吐出部Nから偏向なく液滴を吐出させて着弾位置Nに着弾させた後、液体吐出部(N+1)から吐出方向を偏向させて液滴を吐出させ、着弾位置Nにさらに液滴を着弾させる。
したがって、複数の異なる液体吐出部を用いて、画素列又は画素を形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。なお、本明細書において、「インク液滴」とは、後述するインク吐出部のノズル18から吐出される微少量(例えば数ピコリットル)のインク(液体)をいう。また、「ドット」とは、1つのインク液滴が印画紙等の記録媒体に着弾して形成されたものをいう。さらにまた、「画素」とは、画像の最小単位であり、「画素領域」とは、画素を形成するための領域となるものをいう。
【0021】
そして、1つの画素領域に、所定数(0個、1個又は複数個)の液滴が着弾し、ドット無しの画素(1階調)、1つのドットからなる画素(2階調)、又は複数のドットからなる画素(3階調以上)が形成される。すなわち、1つの画素領域には、0個、1個又は複数個のドットが対応している。そして、これらの画素が記録媒体上に多数配列されることで、画像を形成する。
なお、画素に対応するドットは、その画素領域内に完全に入るものではなく、画素領域からはみ出す場合もある。
【0022】
(ヘッドの構造)
図1は、本発明による液体吐出装置を適用したインクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)のヘッド11を示す分解斜視図である。図1において、ノズルシート17は、バリア層16上に貼り合わされるが、このノズルシート17を分解して図示している。
ヘッド11において、基板部材14は、シリコン等からなる半導体基板15と、この半導体基板15の一方の面に析出形成された発熱抵抗体13(本発明におけるエネルギー発生素子又は発熱素子に相当するもの)とを備えるものである。発熱抵抗体13は、半導体基板15上に形成された導体部(図示せず)を介して外部回路と電気的に接続されている。
【0023】
また、バリア層16は、例えば、感光性環化ゴムレジストや露光硬化型のドライフィルムレジストからなり、半導体基板15の発熱抵抗体13が形成された面の全体に積層された後、フォトリソプロセスによって不要な部分が除去されることにより形成されている。
さらにまた、ノズルシート17は、複数のノズル18が形成されたものであり、例えば、ニッケルによる電鋳技術により形成され、ノズル18の位置が発熱抵抗体13の位置と合うように、すなわちノズル18が発熱抵抗体13に対向するようにバリア層16の上に貼り合わされている。
【0024】
インク液室12は、発熱抵抗体13を囲むように、基板部材14とバリア層16とノズルシート17とから構成されたものである。すなわち、基板部材14は、図中、インク液室12の底壁を構成し、バリア層16は、インク液室12の側壁を構成し、ノズルシート17は、インク液室12の天壁を構成する。これにより、インク液室12は、図1中、右側前方面に開口領域有し、この開口領域とインク流路(図示せず)とが連通される。
【0025】
上記の1個のヘッド11には、通常、100個単位のインク室12と、各インク室12内にそれぞれ配置された発熱抵抗体13とを備え、プリンタの制御部からの指令によってこれら発熱抵抗体13のそれぞれを一意に選択して発熱抵抗体13に対応するインク液室12内のインクを、インク液室12に対向するノズル18から吐出させることができる。
【0026】
すなわち、ヘッド11と結合されたインクタンク(図示せず)から、インク液室12にインクが満たされる。そして、発熱抵抗体13に短時間、例えば、1〜3μsecの間パルス電流を流すことにより、発熱抵抗体13が急速に加熱され、その結果、発熱抵抗体13と接する部分に気相のインク気泡が発生し、そのインク気泡の膨張によってある体積のインクが押しのけられる(インクが沸騰する)。これによって、ノズル18に接する部分の上記押しのけられたインクと同等の体積のインクがインク液滴としてノズル18から吐出され、印画紙上に着弾され、ドット(画素)が形成される。
【0027】
なお、本明細書において、1つのインク液室12と、このインク液室12内に配置された発熱抵抗体13と、その上部に配置されたノズル18とから構成される部分を、「インク吐出部(液体吐出部)」と称する。すなわち、ヘッド11は、複数のインク吐出部を並設したものといえる。
【0028】
(吐出方向偏向手段)
ヘッド11は、吐出方向偏向手段を備える。吐出方向偏向手段は、本実施形態では、ノズル18から吐出されるインク液滴の吐出方向を、近隣に位置する他のノズル18からインク液滴が偏向なく吐出されたときのインク液滴の着弾位置又はその近傍にインク液滴を着弾させることができるように偏向させるものであり、以下のように構成されている。
【0029】
図2は、ヘッド11の発熱抵抗体13の配置をより詳細に示す平面図及び側面の断面図である。図2の平面図では、ノズル18の位置を1点鎖線で併せて示している。
図2に示すように、本実施形態のヘッド11では、1つのインク液室12内に、2つに分割された発熱抵抗体13が並設されている。さらに、分割された2つの発熱抵抗体13の並び方向は、ノズル18の並び方向(図2中、左右方向)である。
【0030】
このように、1つの発熱抵抗体13を縦割りにした2分割型のものでは、長さが同じで幅が半分になるので、発熱抵抗体13の抵抗値は、2倍の値になる。この2つに分割された発熱抵抗体13を直列に接続すれば、2倍の抵抗値を有する発熱抵抗体13が直列に接続されることとなり、抵抗値は4倍となる。
【0031】
ここで、インク液室12内のインクを沸騰させるためには、発熱抵抗体13に一定の電力を加えて発熱抵抗体13を加熱する必要がある。この沸騰時のエネルギーにより、インクを吐出させるためである。そして、抵抗値が小さいと、流す電流を大きくする必要があるが、発熱抵抗体13の抵抗値を高くすることにより、少ない電流で沸騰させることができるようになる。
【0032】
これにより、電流を流すためのトランジスタ等の大きさも小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。なお、発熱抵抗体13の厚みを薄く形成すれば抵抗値を高くすることができるが、発熱抵抗体13として選定される材料や強度(耐久性)の観点から、発熱抵抗体13の厚みを薄くするには一定の限界がある。このため、厚みを薄くすることなく、分割することで、発熱抵抗体13の抵抗値を高くしている。
【0033】
また、1つのインク液室12内に2つに分割された発熱抵抗体13を備えた場合には、各々の発熱抵抗体13がインクを沸騰させる温度に到達するまでの時間(気泡発生時間)を同時にすれば、2つの発熱抵抗体13上で同時にインクが沸騰し、インク液滴は、ノズル18の中心軸方向に吐出される。
これに対し、2つの分割した発熱抵抗体13の気泡発生時間に時間差が生じると、2つの発熱抵抗体13上で同時にインクが沸騰しない。これにより、インク液滴の吐出方向は、ノズル18の中心軸方向からずれ、偏向して吐出される。これにより、偏向なくインク液滴が吐出されたときの着弾位置からずれた位置にインク液滴が着弾されることとなる。
【0034】
図3(a)、(b)は、本実施形態のような分割した発熱抵抗体13を有する場合に、各々の発熱抵抗体13によるインクの気泡発生時間差と、インク液滴の吐出角度との関係を示すグラフである。このグラフでの値は、コンピュータによるシミュレーション結果である。このグラフにおいて、X方向(グラフ縦軸θxで示す方向。注意:グラフの横軸の意味ではない。)は、ノズル18の並び方向(発熱抵抗体13の並設方向)であり、Y方向(グラフ縦軸θyで示す方向。注意:グラフの縦軸の意味ではない。)は、X方向に垂直な方向(印画紙の搬送方向)である。また、X方向及びY方向ともに、偏向がないときの角度を0゜とし、この0゜からのずれ量を示している。
【0035】
また、図3(c)は、2分割した発熱抵抗体13のインクの気泡発生時間差として、2分割した発熱抵抗体13間の電流量の差、すなわち、偏向電流を横軸に、インクの吐出角度(X方向)として、インクの着弾位置での偏向量(ノズル18〜着弾位置間距離を約2mmとして実測)を縦軸にした場合の実測値データである。図3(c)では、発熱抵抗体13の主電流を80mAとして、片方の発熱抵抗体13に前記偏向電流を重畳し、インクの偏向吐出を行った。
【0036】
ノズル18の並び方向に2分割した発熱抵抗体13の気泡発生に時間差を有する場合には、インクの吐出角度が垂直でなくなり、ノズル18の並び方向におけるインクの吐出角度θxは、気泡発生時間差と共に大きくなる。
そこで、本実施形態では、この特性を利用し、2分割した発熱体13を設け、各発熱抵抗体13に流す電流量を変えることで、2つの発熱抵抗体13上の気泡発生時間に時間差が生じるように制御して、インクの吐出方向を偏向させるようにしている。
【0037】
さらに、例えば2分割した発熱抵抗体13の抵抗値が製造誤差等により同一値になっていない場合には、2つの発熱抵抗体13に気泡発生時間差が生じるので、インクの吐出角度が垂直でなくなり、インクの着弾位置が本来の位置からずれる。しかし、2分割した発熱抵抗体13に流す電流量を変えることにより、各発熱抵抗体13上の気泡発生時間を制御し、2つの発熱抵抗体13の気泡発生時間を同時にすれば、インクの吐出角度を垂直にすることも可能となる。
そこで、本実施形態では、この特性を利用し、2分割した発熱抵抗体13に気泡発生時間差を与えて、インク液滴の吐出角度を偏向できるようにしている。
【0038】
次に、インク液滴の吐出角度を、どの程度偏向させるかについて説明する。図4は、ノズル18と、印画紙Pとの関係を示す側面の断面図である。
図4において、ノズル18の先端と印画紙Pとの間の距離Hは、通常のインクジェットプリンタの場合、1〜2mm程度であるが、距離Hを、H=略2mmに、一定に保持すると仮定する。
ここで、距離Hを略一定に保持する必要があるのは、距離Hが変動してしまうと、インク液滴の着弾位置が変動してしまうからである。すなわち、ノズル18から、印画紙Pの面に垂直にインク液滴が吐出されたときは、距離Hが多少変動しても、インク液滴の着弾位置は変化しない。これに対し、上述のようにインク液滴を偏向吐出させた場合には、インク液滴の着弾位置は、距離Hの変動に伴い異なった位置となってしまうからである。
【0039】
また、ヘッド11の解像度を600DPIとしたときに、隣接するノズル18の間隔は、
25.40×1000/600≒42.3(μm)
となる。
【0040】
ここで、本発明では、各ノズル18から吐出されるインク液滴の吐出方向を、J(Jは、正の整数)ビットの制御信号によって、2 の異なる方向に偏向させるとともに、2 の方向のうち最も離れた位置となる2つのインク液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つのノズル18の間隔の(2 −1)倍となるように設定する。そして、ノズル18からインク液滴を吐出するときに、2 の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する。
【0041】
例えば制御信号にJ=2ビットの信号を用いる場合、制御信号数は、(0、0)、(0、1)、(1、0)及び(1、1)の4つとなり、インク液滴の吐出方向は、2 =4つとなる。また、偏向時の最も離れた位置となる2つのドット間の距離は、隣接する2つのノズル18の間隔の(2 −1)=3倍となる。そして、制御信号が(0、0)、(0、1)、(1、0)及び(1、1)と変化するごとに、それぞれ隣接するノズル18の間隔だけインク液滴の着弾位置(ドット)が移動できるようにする。
【0042】
上記の例において、隣接するノズル18の間隔(42.3μm)の3倍、すなわち126.9μmを、偏向時の最も離れた位置となる2つのドット間の距離とすれば、偏向角度θ(deg)は、
tan2θ=126.9/2000≒0.0635
となるので、
θ≒1.8(deg)
となる。
【0043】
次に、インク液滴の吐出方向を偏向させる方法について、より具体的に説明する。
図5は、2つの分割した発熱抵抗体13の気泡発生時間差を設定できるように構成したものを示す概念図である。この例では、J=2ビットの制御信号を用いて、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとに流れる電流値差を、4種類に設定できるようにしたことで、インク液滴の吐出方向を4段階に設定できるようにしたものである。
【0044】
図5において、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bは、それぞれ2分割された発熱抵抗体13の各抵抗であり、本実施形態では、抵抗Rh−Aの抵抗値は、抵抗Rh−Bの抵抗値より小さく設定されている。また、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとの接続経路中(中間点)から電流が流出可能に構成されている。さらにまた、3つの各抵抗Rdは、インク液滴の吐出方向を偏向するための抵抗である。さらに、Q1、Q2及びQ3は、それぞれ抵抗Rh−A及び抵抗Rh−Bのスイッチとして機能するトランジスタである。
【0045】
また、Cは、2値の制御入力信号(抵抗に電流を流すときのみ「1」)の入力部である。さらにまた、L1及びL2は、それぞれ2値入力のANDゲートであり、B1及びB2は、それぞれL1及びL2の各ANDゲートの2値信号(「0」又は「1」)の入力部である。なお、ANDゲートL1及びL2は、電源VHから電源が供給される。
【0046】
この場合において、C=1とともに、(B1、B2)=(0、0)を入力したときには、トランジスタQ1のみが作動し、トランジスタQ2及びQ3は作動しない状態(3つの抵抗Rdに電流が流れない状態)となる。この場合に抵抗Rh−A及びRh−Bに電流が流れたときは、抵抗Rh−AとRh−Bとにそれぞれ流れる電流値は同一である。よって、抵抗Rh−Aの抵抗値は抵抗Rh−Bの抵抗値より小さいので、抵抗Rh−Aの方が抵抗Rh−Bより少ない発熱量となる。この状態で、最も左側にインク液滴が着弾するように設定されている。そして、このときのインク液滴の着弾位置は、2つ先の左側に位置するインク吐出部のノズル18からインク液滴が偏向なく吐出されたときの着弾位置(その近傍を含む)となるように設定されている。
【0047】
また、C=1とともに、(B1、B2)=(1、0)を入力したときには、トランジスタQ3に直列接続されている2つの抵抗Rdにも電流が流れる(トランジスタQ2に接続された抵抗Rdには電流は流れない)。この結果、抵抗Rh−Bに流れる電流値は、(B1、B2)=(0、0)のときよりも小さくなる。ただし、この場合でも、抵抗Rh−Aの方が抵抗Rh−Bより少ない発熱量となるように設定されている。
【0048】
そして、この場合のインク液滴の着弾位置は、隣接して左側に位置するインク吐出部のノズル18からインク液滴が偏向なく吐出されたときの着弾位置となるように設定されている。
【0049】
次に、C=1とともに、(B1、B2)=(0、1)を入力したときには、トランジスタQ2に接続されている抵抗Rd側に電流が流れる(トランジスタQ3に直列接続された2つの抵抗Rdには電流は流れない)。この結果、抵抗Rh−Bに流れる電流値は、(B1、B2)=(1、0)を入力したときよりもさらに小さくなる。そして、この場合には、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとの発熱量が同一となるように設定されている。これにより、この場合のインク液滴は、偏向なく吐出される。
【0050】
さらに、C=1とともに、(B1、B2)=(1、1)を入力したときには、トランジスタQ2及びQ3に接続されている3つの抵抗Rdに電流が流れる。この結果、抵抗Rh−Bに流れる電流値は、(B1、B2)=(0、1)を入力したときよりもさらに小さくなる。そして、この場合には、抵抗Rh−Aの方が抵抗Rh−Bより多い発熱量となるように設定されている。
この場合のインク液滴の着弾位置は、隣接して右側に位置するインク吐出部のノズル18からインク液滴が偏向なく吐出されたときの着弾位置となるように設定されている。
【0051】
以上のように、入力値(B1、B2)が、(0、0)、(1、0)、(0、1)、及び(1、1)と変化するごとに、インク液滴の着弾位置が、ノズル18の間隔で移動するように、抵抗Rh−A、Rh−B、及びRdの各抵抗値を設定すれば良い。
【0052】
これにより、ノズル18からインク液滴が偏向なく(印画紙等のインク液滴の着弾対象物の面に対して垂直に)吐出されたときのインク液滴の着弾位置に加え、2つ先の左側に位置するノズル18からインク液滴が偏向なく吐出されたときの着弾位置、隣接して左側に位置するノズル18からインク液滴が偏向なく吐出されたときの着弾位置、及び隣接して右側に位置するノズル18からインク液滴が偏向なく吐出されたときの着弾位置、の4箇所にインク液滴の着弾位置を変化させることができる。そして、B1及びB2の入力値に応じて、これらの4つの位置のうち、任意の位置にインク液滴を着弾させることができる。
【0053】
(吐出制御手段)
本実施形態では、さらに、吐出制御手段を備える。吐出制御手段は、上述の吐出方向偏向手段を用いて、インク液滴(ドット)を列状(ほぼ同列上)に着弾させて画素列を形成する場合、又は少なくとも一部の着弾領域が重なり合うようにインク液滴を着弾させて1つの画素を形成する場合に、近隣に位置する少なくとも2つの異なるインク吐出部を用いるとともに、その少なくとも1つのインク吐出部から吐出されるインク液滴の吐出方向を吐出方向偏向手段により偏向させて、画素列又は画素を形成するように制御するものである。
【0054】
図6は、本発明における吐出制御手段の2つの方式例(方式1及び方式2)と、従来方式とを併せて示す説明図であり、複数のインク液滴の少なくとも一部の領域が主走査方向に重なり合うようにドットを列状に並べて1つの画素を形成する場合の例を示すものである。
先ず、方式2は、上述したように、各インク吐出部から吐出されるインク液滴の着弾位置を4つの間で選択できるようにしたものの例である。すなわち、インク液滴の着弾位置をJ=2ビットで制御することにより、各インク吐出部は、2 =4つの着弾位置のいずれかに、インク液滴を着弾できるようにしたものである。尚、図6の方式1及び方式2において、ドットの並びが、真っ直ぐに描かれていないのは、各ドットが複数のインク吐出部からの吐出によるものであることを表現している。
【0055】
図6において、インク吐出部(ノズル18)の並び方向における画素番号を、N、(N+1)、(N+2)、及び(N+3)で表している。また、インク液滴が偏向なく吐出されたときに画素番号N、(N+1)、(N+2)、及び(N+3)にインク液滴を着弾させるインク吐出部を、それぞれN、(N+1)、(N+2)、及び(N+3)とする。
先ず、階調数が2のときには、それぞれ、各インク吐出部N、(N+1)、(N+2)、及び(N+3)からそれぞれ偏向なくインク液滴を吐出し、各画素番号N、(N+1)、(N+2)、及び(N+3)にそれぞれインク液滴を着弾させ、各画素に対するドットを形成する。尚、インク液滴の吐出が無い場合が階調数1に相当する。
【0056】
また、階調数が3になると、上記階調数2のときのインク液滴に加えて、さらに画素番号Nには、インク吐出部(N+3)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。また、画素番号(N+1)には、インク吐出部Nからインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。さらにまた、画素番号(N+2)には、インク吐出部(N+1)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。さらに、画素番号(N+3)には、インク吐出部(N+2)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。
つまり、階調数3のときは、各画素領域に、2つのインク液滴が着弾する。その結果、階調数2のときより、画素領域内におけるドットの占有面積が大きくなる。
【0057】
さらにまた、階調数が4になると、上記階調数3のときのインク液滴に加えて、さらに画素番号Nには、インク吐出部(N+2)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。また、画素番号(N+1)には、インク吐出部(N+3)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。さらにまた、画素番号(N+2)には、インク吐出部Nからインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。さらに、画素番号(N+3)には、インク吐出部(N+1)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。
つまり、階調数4のときは、階調数3のときより画素領域内におけるドットの占有面積が大きくなる。
【0058】
さらに階調数が5になると、上記階調数4のときのインク液滴に加えて、さらに画素番号Nには、インク吐出部(N+1)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。また、画素番号(N+1)には、インク吐出部(N+2)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。さらにまた、画素番号(N+2)には、インク吐出部(N+3)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。さらに、画素番号(N+3)には、インク吐出部Nからインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。
つまり、階調数5のときは、階調数4のときより画素領域内におけるドットの占有面積が大きくなる。
【0059】
以上のようにすれば、階調数が3、4及び5のいずれのときでも、同一画素番号の画素領域には、同一のインク吐出部からのインク液滴が着弾されないので、例えばいずれかのインク吐出部からのインク液滴の吐出量が不十分であっても、各画素ごとのドットによる占有面積のばらつきを少なくすることができる。
【0060】
また、方式1は、1ビットの例を示すものである。すなわち、インク液滴の着弾位置をJ=1ビットで制御することにより、各インク吐出部が、2 =2つの着弾位置にインク液滴を着弾できるようにしたものである。この場合には、各インク吐出部は、偏向なくインク液滴を吐出できるとともに、隣接するインク吐出部から偏向なくインク液滴が吐出されたときのインク液滴の着弾位置にインク液滴を着弾させることができる。本実施形態では、インク吐出部Nからインク液滴を偏向させて吐出し、インク吐出部(N+1)から偏向なくインク液滴が吐出されたときの着弾位置にインク液滴を着弾させることができるように形成されている。
【0061】
上記と同様に、インク吐出部(ノズル18)の並び方向における画素番号を、N、及びN+1で表している。また、インク液滴が偏向なく吐出されたときに画素番号N、及び(N+1)にインク液滴を着弾させるインク吐出部を、それぞれN、及び(N+1)とする。
先ず、階調数が2であるときには、それぞれ、各インク吐出部N、及び(N+1)からそれぞれ偏向なくインク液滴を吐出し、各画素番号N、及びN+1にそれぞれインク液滴を着弾させ、階調数2に対応する画素(ドット)を形成する。
【0062】
また、階調数が3になると、画素番号Nには、インク吐出部(N+1)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。また、画素番号(N+1)には、インク吐出部Nからインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。
さらにまた、階調数が4になると、画素番号Nには、インク吐出部Nからインク液滴が偏向なく吐出され、着弾される。また、画素番号(N+1)には、インク吐出部(N+1)からインク液滴が偏向なく吐出され、着弾される。
【0063】
さらに階調数が5になると、画素番号Nには、インク吐出部(N+1)からインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。また、画素番号(N+1)には、インク吐出部Nからインク液滴が偏向されて吐出され、着弾される。
【0064】
以上のようにすれば、階調数がいずれのときでも、1つの画素番号に対応する画素領域には、同一のインク吐出部によって連続して(2回続けて)インク液滴が着弾し、画素が形成されることがないので、インク吐出部ごとのばらつきを少なくすることができる。また、例えばいずれかのインク吐出部からのインク液滴の吐出量が不十分であっても、各画素のドットによる占有面積のばらつきを少なくすることができる。
【0065】
これに対し、従来方式では、画素番号N及びN+1のいずれにおいても、階調数が増加しても、常に、同一のインク吐出部から吐出されたインク液滴が着弾する(同一のインク吐出部からのドットにより、各画素が形成される)。これにより、例えばいずれかのインク吐出部からのインク液滴の吐出量が不十分であると、階調数が増加するごとに、そのばらつきが大きくなる。
【0066】
次に、印画が行われる際の画素位置とインク液滴の吐出実行タイミングに関する画像形成方法について説明する。
図7は、縦軸方向に任意の時間軸を、横軸方向に任意の距離を表しており、任意の時間軸は、階調数に応じて吐出されるインク液滴の吐出実行タイミングに相当し、任意の距離は、ノズル18の並び方向に対応する画素位置に相当する。すなわち、図7は、各画素位置における画素を形成するために要するインク液滴の吐出回数(すなわち、各画素の形成のための必要時間)を示している。図7においては、各画素のノズル18の並び方向へのラインを画素ラインと定義して、画素ラインのうち、Mライン及び(M+1)ラインを縦軸に示している。各画素に対して、例として、最大P個のインク液滴の吐出を可能とした。したがって、各画素は、1〜Pまでのインク液滴の吐出タイミングを有し、これをタイムスロットとして図7に示している。つまり、各画素は、最大P個のインク液滴(ドット)から形成される(いいかえれば、最大階調数P+1ということになる)。一方、横軸には、1〜N番目までの画素位置が示されている。したがって、ノズル18の並び方向への個数もN個となる。
【0067】
図7中、第Mラインの画素番号1には、インク液滴が4回吐出され、第Mラインの画素番号1に対する画素領域内に、4つのドット占有領域が形成される。また、次の第(M+1)ラインの画素番号1には、インク液滴が3回吐出され、第(M+1)ラインの画素番号1に対する画素領域内に、3つのドット占有領域が形成される。
ここで、第Mラインの画素番号1と、第(M+1)ラインの画素番号1とは、それぞれほぼ同列上に並ぶ。他の画素番号の画素も同様である。
【0068】
このように、画素番号1に対して、第Mラインで1又は2以上のインク吐出により形成された画素と、第(M+1)ラインで1又は2以上のインク吐出により形成された画素とが、ほぼ同列上に並ぶ場合においては、本実施形態では、第Mラインの前記画素を形成するために用いられたインク吐出部又は第Mラインの前記画素を形成するために最初のインク液滴の吐出に用いられたインク吐出部と、第(M+1)ラインの前記画素を形成するために用いるインク吐出部又は第(M+1)ラインの前記画素を形成するために最初のインク液滴の吐出に用いるインク吐出部とが異なるインク吐出部となるように制御する。
【0069】
このようにすれば、例えば1つのインク液滴から画素を形成する場合に、同一のインク吐出部により形成された画素が同列上に並ぶことがなくなる。あるいは、少ないインク液滴数で画素を形成する場合に、画素を形成するのに最初に用いられるインク吐出部が同列上で常に同じになることがなくなる。
これにより、例えば1つのインク液滴から形成された画素がほぼ同列上に並ぶ場合に、その画素を形成するインク吐出部に目詰まり等が生じてインク液滴が吐出されなくなってしまうと、同一のインク吐出部を用いたのでは、その画素列にはずっと画素が形成されなくなってしまう。しかし、上記のような方法を採ることで、そのような事態を回避することができる。
【0070】
また、上記のような方法以外に、ランダムにインク吐出部を選定するようにしても良い。そして、第Mラインの前記画素を形成するために用いられたインク吐出部又は第Mラインの前記画素を形成するために最初のインク液滴の吐出に用いられたインク吐出部と、第(M+1)ラインの前記画素を形成するために用いるインク吐出部又は第(M+1)ラインの前記画素を形成するために最初のインク液滴の吐出に用いるインク吐出部とが常に同一のインク吐出部とならないようにすれば良い。
【0071】
(インク吐出部選択手段、吐出方向決定手段)
また、本実施形態の吐出制御手段は、インク吐出部選択手段と、吐出方向決定手段とを備える。
インク吐出部選択手段は、予め設定されたフォーマット(パターン)に基づいて、複数のインク吐出部の中から、インク液滴の吐出に用いる1又は2以上のインク吐出部を選択するものである。
また、吐出方向決定手段は、インク吐出部選択手段によるインク吐出部選択のために設定されている上記フォーマットに対応するフォーマットに基づいて、インク液滴の吐出方向を決定するものである。
【0072】
ここで、上記インク吐出部選択手段を制御する「予め設定されたフォーマット」、及び上記吐出方向決定手段を制御する「インク吐出部選択のために設定されているフォーマットに対応するフォーマット」について、図8を用いて説明する。図8中、上段の図は、吐出実行信号である画像信号をどのようにインク吐出部に送出するかを説明する図である。例えば、画素Nを形成するための吐出実行信号は、インク吐出部N(インク吐出に偏向制御がなされなければ画素Nを形成する領域にインク液滴を吐出することになるインク吐出部)の他、このインク吐出部Nに近隣するインク吐出部(N−1)、(N+1)、及び(N+2)に、図8中、上段の図に示されるように、例えば、abcdの周期で振り分けられる。なお、この場合、abcdの周期で1画素を形成することとなる。図8中、上段の図の例では、吐出実行信号は、最大階調数5の画像信号に対応していることとなる。以上が上記インク吐出部選択手段を制御する「予め設定されたフォーマット」の概念である。
【0073】
次に、上記吐出方向決定手段を制御する「インク吐出部選択のために設定されているフォーマットに対応するフォーマット」に関して説明する。上記abcdの周期にあわせて、吐出方向決定手段は、図8中、中段の図に示すように、abcdの周期で、インク吐出方向を偏向させる。すなわち、abcdの周期中、aのタイミングで入力された吐出実行信号は、図8中、上段の図に示すインク吐出部(N−1)に送出され、このインク吐出部(N−1)から、図8中、中段の図に示すa方向にインク液滴が偏向吐出されることになる、よって、インク吐出部(N−1)から、画素Nの領域にインク液滴が偏向吐出される。
また、同タイミングで、インク吐出部Nに送出される吐出実行信号により、インク吐出部Nからは、図8中、中段の図に示すように画素(N+1)の領域にインク液滴が偏向吐出されることになる。これらの制御は、上述した図5中、B1及びB2の信号に基づき制御される。B1、B2の2ビット信号とabcdとの対応を、図8中、下段の図に示す。
【0074】
次に、上記フォーマットに基づき、どのようにして印画紙上の各画素が形成されるかを、図9を用いて説明する。図9は、ヘッド11にパラレルに送出される吐出実行信号を、インク吐出部によって、印画紙上に、各画素を形成する過程を示している。吐出実行信号は、画像信号に対応するものである。
図9の例では、画素Nの吐出実行信号の階調数を5、画素(N+1)の吐出実行信号の階調数を2、画素(N+2)の吐出実行信号の階調数を4、画素(N+3)の吐出実行信号の階調数を3としている。
上述したように、各画素の吐出信号は、abcdの周期で、所定のインク吐出部に送出され、かつ、同周期で、各インク吐出部からは、上記abcd周期の偏向されたインク液滴が吐出される。ここで、abcd周期は、タイムスロットabcdに対応し、abcd1周期で1画素領域内に吐出実行信号の階調数に対する複数のドットが形成される。例えば、周期aでは、画素Nの吐出実行信号はインク吐出部(N−1)に送出され、画素(N+1)の吐出実行信号はインク吐出部Nに送出され、画素(N+2)の吐出実行信号はインク吐出部(N+1)に送出され、画素(N+3)の吐出実行信号はインク吐出部(N+2)に送出される。
【0075】
そして、インク吐出部(N−1)からは、a方向にインク液滴が偏向吐出され、印画紙上の画素Nの位置に着弾する。インク吐出部Nからも、a方向にインク液滴が偏向吐出され、印画紙上の画素(N+1)の位置に着弾する。インク吐出部(N+1)からも、a方向にインク液滴が偏向吐出され、印画紙上の画素(N+2)の位置に着弾する。インク吐出部(N+2)からも、a方向にインク液滴が偏向吐出され、印画紙上の画素(N+3)の位置に着弾する。
【0076】
これにより、タイムスロットaにおける印画紙上の各画素位置に、階調2に相当するインク液滴が着弾する。画素(N+1)の吐出実行信号の階調数は2であるので、これで、画素(N+1)が形成されることになる。同様の工程を、以下タイムスロットbcd分だけ繰り返す。
この結果、画素Nは階調数5に相当する数のドットから形成され、画素(N+1)は階調数2、画素(N+2)は階調数4、画素(N+3)は階調数3に相当する数のドットからそれぞれ形成される。そして、これら形成工程においては、上述したように、1画素ライン内においては、同一のインク吐出部を複数回使用することはない。
【0077】
(偏向可否設定手段)
さらにまた、本実施形態の吐出制御手段は、吐出方向偏向手段によりインク吐出部のノズル18から吐出するインク液滴の吐出方向を偏向するか否かを設定する偏向可否設定手段を備える。
すなわち、常にインク吐出部からインク液滴を偏向させて吐出するのではなく、印画対象や印画速度等の印画条件によって、偏向させるか否かを設定することが可能に形成されている。例えば、プリンタの操作部等に偏向可否設定手段を設け、プリンタの使用者が目的によって切替え可能にする。
【0078】
例えば、文書部分と写真(画像)部分との双方を印画する場合に、文書部分については黒インクのみで階調を必要とせずに印画する場合等には、通常モードに設定して、従来のようにインク液滴の着弾位置と1つのインク吐出部とが対応するようにインク液滴を吐出する(すなわち、偏向なくインク液滴を吐出する)。これに対し、写真モードでは、本実施形態で示したように、1つの画素を形成するのに複数の異なるインク吐出部を用いるとともに、少なくとも1つのインク吐出部からはインク液滴を偏向して吐出して画素を形成するように制御する。
以上のように制御すれば、効率の良い印画を行うことができる。
【0079】
なお、本発明は、単体のヘッド11を備え、そのヘッド11がライン方向に移動しつつ印画を行うシリアルヘッドに対して適用可能であるとともに、ヘッド11を、インク吐出部の方向に複数並設したラインヘッドに対しても適用可能である。
【0080】
図10は、ラインヘッド10の実施形態を示す平面図である。図10では、4つのヘッド11(N−1、N、N+1、N+2)を図示している。ラインヘッド10を形成する場合には、図1中、ヘッド11からノズルシート17を除く部分(チップ)を図10に示すように複数並設する。
そして、これらのチップの上部に、全てのチップの各インク吐出部に対応する位置にノズル18が形成された1つのノズルシート17を貼り合わせることにより、ラインヘッド10を形成する。
【0081】
ラインヘッド10の場合には、各ヘッド11はライン方向に移動しないため、例えば複数階調からなる画素を形成する場合には、従来は同一のインク吐出部からインクを吐出して画素を形成するしかなかった。しかし、本発明を適用すれば、近隣に位置する複数の異なるインク吐出部を用いて複数階調からなる1つの画素を形成することができる。
【0082】
また、ラインヘッド10の場合には、インク液滴を吐出することができないか、又は吐出が不十分なインク吐出部があると、そのインク吐出部に対応する画素列には、インク液滴が全く吐出されないか、又はほとんど吐出されないため、画素が形成されなくなり、縦の白スジとなって現れ、印画品位を低下させていた。しかし、本発明を用いれば、近隣に位置する他のインク吐出部によって、インク液滴を十分に吐出することができないインク吐出部の代わりにインク液滴を吐出することが可能となるので、ラインヘッド10に本発明を適用したときの効果は、シリアルヘッド以上に大きいといえる。
【0083】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の吐出方向偏向手段をより具体的な例として開示すると共に、ノズル18からのインク液滴の吐出方向を第1実施形態よりも多彩に設定可能とするものである。すなわち、第1実施形態では、ノズル18から吐出されるインク液滴の吐出方向が図8に示すような4方向であったが、本発明は、第1実施形態で示した吐出方向に限られるものではない。そこで第2実施形態では、後述するように、ノズル18(インク吐出部)の中心軸に対し、ノズル18の並設方向に左右均等に8方向にインク液滴を吐出可能とした例を挙げる。なお、以下の第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一箇所は、説明を適宜省略する。
【0084】
図11は、第2実施形態における吐出方向偏向手段を含む吐出制御回路50を示す図である。
第2実施形態では、インク液室12内の2分割された発熱抵抗体13(図11中、抵抗Rh−A及びRh−B)が直列に接続されている。ここで、各発熱抵抗体13の電気抵抗値は、略同一に設定されている。したがって、この直列に接続された複数の発熱抵抗体13に同一量の電流を流すことで、ノズル18からインク液滴を偏向なく吐出することができる。
【0085】
一方、直列に接続された2つの発熱抵抗体13間には、カレントミラー回路(以下、「CM回路」という。)が接続されている。このCM回路を介して発熱抵抗体13間に電流を流入するか又は発熱抵抗体13間から電流を流出させることにより、各発熱抵抗体13に流れる電流量に差異を設け、その差異によって、ノズル18より吐出されるインク液滴の吐出方向をノズル18(インク吐出部)の並び方向に偏向させるように制御することができる。
このような構成を用いることで、第2実施形態では、第1実施形態より、インク液滴の吐出方向を柔軟に設定することが可能となる。
【0086】
図11において、抵抗電源Vhは、抵抗Rh−A及びRh−Bに電圧を与えるための電源である。また、吐出制御回路50は、トランジスタとしてM1〜M21を備えている。トランジスタM4、M6、M9、M11、M14、M16、M19及びM21はPMOSトランジスタであり、その他はNMOSトランジスタである。トランジスタM4及びM6、トランジスタM9及びM11、トランジスタM14及びM16、並びにトランジスタM19及びM21が、それぞれCM回路を構成するものである。よって、吐出制御回路50は、4組のCM回路を備えている。
【0087】
例えばトランジスタM4及びM6からなるCM回路では、トランジスタM6のゲートとドレイン、及びトランジスタM4のゲートが接続されているので、トランジスタM4とM6には常に同じ電圧がかかり、ほぼ同じ電流が流れるように構成されている。他のCM回路も同様である。
また、トランジスタM3及びM5は、トランジスタM4及びM6からなるCM回路を介して抵抗Rh−A及びRh−B間に電流を流入するか又は抵抗Rh−A及びRh−B間から電流を流出させるためのもの、すなわちトランジスタM4及びM6からなるCM回路のスイッチング素子として機能するものである。
【0088】
同様に、トランジスタM8及びM10、トランジスタM13及びM15、並びにトランジスタM18及びM20は、それぞれ、トランジスタM9及びM11、トランジスタM14及びM16、並びにトランジスタM19及びM21からなるCM回路のスイッチング素子である。
トランジスタM4及びM6からなるCM回路と、スイッチング素子であるトランジスタM3及びM5において、トランジスタM4とM3、及びトランジスタM6とM5のドレイン同士が接続されている。他のスイッチング素子も同様である。
【0089】
さらにまた、CM回路の一部を構成するトランジスタM4、M9、M14及びM19のドレイン、並びにトランジスタM3、M8、M13及びM18のドレインは、抵抗Rh−AとRh−Bとの中点に接続されている。
また、トランジスタM2、M7、M12及びM17は、それぞれ、各CM回路の定電流源となるものであり、そのドレインがそれぞれトランジスタM3、M8、M13及びM18のソース及びバックゲートに接続されている。
さらにまた、トランジスタM1は、そのドレインが抵抗Rh−Bと直列に接続され、吐出実行入力スイッチAが1(ON)になったときにONになり、抵抗Rh−A及びRh−Bに電流を流すように構成されている。すなわち、トランジスタM1は、抵抗Rh−A及びRh−Bへの電流の供給をON/OFFするものである。
【0090】
また、ANDゲートX1〜X9の出力端子は、それぞれトランジスタM1、M3、M5、・・のゲートに接続されている。なお、ANDゲートX1〜X7は、2入力タイプのものであるが、ANDゲートX8及びX9は、3入力タイプのものである。ANDゲートX1〜X9の入力端子の少なくとも1つは、吐出実行入力スイッチAと接続されている。
さらにまた、XNORゲートX10、X12、X14及びX16のうち、1つの入力端子は、偏向方向切替えスイッチCと接続されており、他の1つの入力端子は、偏向制御スイッチJ1〜J3、又は吐出角補正スイッチSと接続されている。
【0091】
偏向方向切替えスイッチCは、インク液滴の吐出方向を、ノズル18の並び方向において、どちら側に偏向させるかを切り替えるためのスイッチである。偏向方向切替えスイッチCが1(ON)になると、XNORゲートX10の一方の入力が1になる。
また、偏向制御スイッチJ1〜J3は、それぞれ、インク液滴の吐出方向を偏向させるときの偏向量を決定するためのスイッチであり、例えば入力端子J3が1(ON)になると、XNORゲートX10の入力の1つが1になる。
【0092】
さらに、XNORゲートX10〜X16の各出力端子は、ANDゲートX2、X4、・・の1つの入力端子に接続されるとともに、NOTゲートX11、X13、・・を介してANDゲートX3、X5、・・の1つの入力端子に接続されている。また、ANDゲートX8及びX9の入力端子の1つは、吐出角補正スイッチKと接続されている。
【0093】
さらにまた、偏向振幅制御端子Bは、各CM回路の定電流源となるトランジスタM2、M7、・・の電流値を決める端子であり、トランジスタM2、M7、・・のゲートにそれぞれ接続されている。偏向振幅制御端子Bに適当な電圧(Vx)が印加されると、トランジスタM2、M7、・・のゲートに、ゲート−ソース間電圧が与えられるので、トランジスタM2、M7、・・に電流が流れる。ここで、トランジスタM2、M7、・・は各々並列に接続されているトランジスタ数が異なるので、図11中、各トランジスタM2、M7、・・の括弧内に示された数の比率で、それぞれ、トランジスタM3からM2、トランジスタM8からM7、・・に電流が流れるようになる。
また、抵抗Rh−Bに接続されたトランジスタM1のソース、及び各CM回路の定電流源となるトランジスタM2、M7、・・のソースは、グラウンド(GND)に接地されている。
【0094】
以上の構成において、各トランジスタM1〜M21にかっこ書で付した「×N(N=1、2、4、又は50)」の数字は、素子の並列状態を示し、例えば「×1」(M12〜M21)は、標準の素子を有することを示し、「×2」(M7〜M11)は、標準の素子2個を並列に接続したものと等価な素子を有することを示す。以下、「×N」は、標準の素子N個を並列に接続したものと等価な素子を有することを示している。
これにより、トランジスタM2、M7、M12、及びM17は、それぞれ「×4」、「×2」、「×1」、「×1」であるので、これらのトランジスタのゲートとグラウンド間に適当な電圧を与えると、それぞれのドレイン電流Idは、4:2:1:1の比率になる。
【0095】
次に、吐出制御回路50の動作について説明するが、最初に、トランジスタM4及びM6からなるCM回路と、そのスイッチング素子であるトランジスタM3及びM5のみに着目して説明する。
吐出実行入力スイッチAは、インク液滴を吐出するときだけ1(ON)になる。また、本実施形態では、1つのノズル18からインク液滴を吐出するときには、1.5μs(1/64)の期間のみ吐出実行入力スイッチAが1(ON)にされ、抵抗電源Vh(9V前後)から抵抗Rh−A及びRh−Bに電力が供給される。また、94.5μs(63/64)は、吐出実行入力スイッチAは0(OFF)にされて、インク液滴を吐出したインク吐出部のインク液室12へのインクの補充期間に当てられる。
【0096】
例えば、A=1、B=Vx(アナログ電圧)、C=1の条件において、J3=1であるとき、XNORゲートX10の出力は1になるので、この出力1と、A=1がANDゲートX2に入力され、ANDゲートX2の出力は1になる。よって、トランジスタM3はONになる。
また、XNORゲートX10の出力が1であるときには、NOTゲートX11の出力は0であるので、この出力0と、A=1がANDゲートX3の入力となるので、ANDゲートX3の出力は0になり、トランジスタM5はOFFとなる。
【0097】
よって、トランジスタM4とM3のドレイン同士、及びトランジスタM6とM5のドレイン同士が接続されているので、上述のようにトランジスタM3がON、かつM5がOFFであるときには、抵抗Rh−AからM3に電流が流れるが、トランジスタM6は、トランジスタM5がOFFなので電流は流れない。さらに、CM回路の特性により、トランジスタM6に電流が流れないときには、トランジスタM4にも電流は流れない。また、トランジスタM2はONであるので、上述の場合には、トランジスタM3、M4、M5、及びM6のうち、トランジスタM3からM2にのみ電流が流れる。
【0098】
この状態において、抵抗電源Vhの電圧がかかると、トランジスタM4及びM6には電流は流れず、抵抗Rh−Aに電流が流れる。また、トランジスタM3には電流が流れるので、電流は抵抗Rh−Aを流れた後、トランジスタM3側と抵抗Rh−B側とに分岐する。トランジスタM3側に流れた電流は、流れる電流値を決めているトランジスタM2を流れた後、グラウンドに送られる。また、抵抗Rh−Bを流れた電流は、ONであるトランジスタM1を流れた後、グラウンドに送られる。よって、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとに流れる電流Iは、I(Rh−A)>I(Rh−B)となる(注:I(**)で、**に流れる電流を表す)。
【0099】
以上はJ3=1の場合であるが、上記条件の下、J3=0としたとき、すなわち偏向制御スイッチJ3の入力のみを異ならせた場合(その他のスイッチA、Cは、上記と同様に1とする)は、以下のようになる。
この場合、XNORゲートX10の出力は0となる。これにより、ANDゲートX2の入力は、(0、1(A=1))となるので、その出力は0になる。よって、トランジスタM3はOFFとなる。
また、XNORゲートX10の出力が0となれば、NOTゲートX11の出力は1になるので、ANDゲートX3の入力は、(1、1(A=1))となり、トランジスタM5はONになる。
【0100】
トランジスタM5がONであるとき、トランジスタM6には電流が流れるが、これとCM回路の特性から、トランジスタM4にも電流が流れる。
よって、抵抗電源Vhにより、抵抗Rh−A、トランジスタM4、及びトランジスタM6に電流が流れる。そして、抵抗Rh−Aに流れた電流は、全て抵抗Rh−Bに流れる(トランジスタM3はOFFであるので、抵抗Rh−Aを流れ出た電流はトランジスタM3側には分岐しない)。また、トランジスタM4を流れた電流は、トランジスタM3がOFFであるので、全て抵抗Rh−B側に流入する。さらにまた、トランジスタM6に流れた電流は、トランジスタM5に流れる。
【0101】
以上より、J3=1であるときには、抵抗Rh−Aを流れた電流は、抵抗Rh−B側とトランジスタM3側とに分岐して流れ出たが、J3=0であるときには、抵抗Rh−Bには、抵抗Rh−Aを流れた電流の他、トランジスタM4を流れた電流が入り込む。その結果、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとに流れる電流は、I(Rh−A)<I(Rh−B)となる。そして、その比率は、J3=1とJ3=0とで対称となる。
以上のようにして、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとに流れる電流量を異ならせることで、2分割した発熱抵抗体13上の気泡発生時間差を設けることができる。これにより、インク液滴の吐出方向を偏向させることができる。
【0102】
さらに、J3=1とJ3=0とで、インク液滴の吐出方向を、ノズル18の並び方向において左右対称方向にインク液滴を偏向させることができる。
これにより、偏向振幅制御端子Bの電圧値Vxを調整して、J3=1とJ3=0とのときのインク液滴の着弾位置間隔が、隣接するインク吐出部(ノズル18)間の距離と同一にすれば、図12に示すように、1画素領域に、隣接するインク吐出部のノズル18からそれぞれインク液滴を着弾させることができる。
なお、この場合は、第1実施形態と異なり、インク液滴の着弾位置は、ノズル18間に位置することになる。
【0103】
なお、以上の説明は、偏向制御スイッチJ3のみをON/OFFさせたときであるが、偏向制御スイッチJ2及びJ1をさらにON/OFFさせれば、さらに細かく抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとに流す電流量を設定することができる。
すなわち、偏向制御スイッチJ3により、トランジスタM4及びM6に流す電流を制御することができるが、偏向制御スイッチJ2により、トランジスタM9及びM11に流す電流を制御することができる。さらにまた、偏向制御スイッチJ1により、トランジスタM14及びM16に流す電流を制御することができる。
【0104】
そして、各トランジスタには、トランジスタM4及びM6:トランジスタM9及びM11:トランジスタM14及びM16=4:2:1の比率のドレイン電流を流すことができるので、インク液滴の吐出方向を、全ての偏向制御スイッチを使用した場合、偏向制御スイッチJ1〜J3の3ビットを用いて、(J1、J2、J3)=(0、0、0)、(0、0、1)、(0、1、0)、(0、1、1)、(1、0、0)、(1、0、1)、(1、1、0)、及び(1、1、1)の最大8ステップに変化させることができる。
【0105】
さらに、トランジスタM2、M7、M12及びM17のゲートとグラウンド間に与える電圧を変えれば、電流量を変えることができるので、各トランジスタに流れるドレイン電流の比率は、4:2:1のままで、1ステップ当たりの偏向量を変えることができる。
したがって、Jビット(第2実施形態ではJ=3(J1、J2、J3)ビット)の制御信号によって、2 の異なる偶数方向にインク液滴の吐出方向を偏向させる場合において、2 の方向のうち最も離れた位置となる2つのインク液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つのインク吐出部(ノズル18)の間隔(図12中、x)の(2 −1)倍となるように設定すれば(図12中、(2 −1)×x)、インク液滴の吐出方向の2 の方向のうち、いずれか1つの方向を選択し、ノズル18の並び方向の8つの画素領域のうち、いずれか1つの画素領域にインク液滴を着弾させることができる。
【0106】
また、吐出角補正スイッチS及びKは、インク液滴の吐出方向を偏向させるためのスイッチである点で偏向制御スイッチJ1〜J3と同様であるが、インク液滴の吐出角の補正のために用いられるスイッチである。本実施形態では、S及びKの2ビットにより補正できるようにしている。
【0107】
先ず、吐出角補正スイッチKは、補正を行うか否かを定めるためのスイッチであり、K=1で補正を行い、K=0で補正を行わないように設定される。
また、吐出角補正スイッチSは、ノズル18の並び方向に対していずれの方向に補正を行うかを定めるためのスイッチである。
例えば、K=0(補正を行わない場合)であるとき、ANDゲートX8及びX9の3入力のうち、1入力が0になるので、ANDゲートX8及びX9の出力は、ともに0になる。よって、トランジスタM18及びM20はOFFになるので、トランジスタM19及びM21もまた、OFFになる。これにより、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとに流れる電流に変化はない。
【0108】
これに対し、K=1であるときに、例えばS=0、及びC=0であるとすると、XNORゲートX16の出力は1になる。よって、ANDゲートX8には、(1、1、1)が入力されるので、その出力は1になり、トランジスタM18はONになる。また、ANDゲートX9の入力の1つは、NOTゲートX17を介して0となるので、ANDゲートX9の出力は0になり、トランジスタM20はOFFになる。よって、トランジスタM20がOFFであるので、トランジスタM21には電流は流れない。
【0109】
また、CM回路の特性より、トランジスタM19にも電流は流れない。しかし、トランジスタM18はONであるので、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとの中点から電流が流出し、トランジスタM18に電流が流れ込む。よって、抵抗Rh−Aに対して抵抗Rh−Bに流れる電流量を少なくすることができる。これにより、インク液滴の吐出角度の補正を行い、インク液滴の着弾位置をノズル18の並び方向に所定量だけ補正することができる。
【0110】
なお、以上の補正は、インク吐出部単位、又はヘッド11単位で行う。すなわち、1つのヘッド11の各インク吐出部によるインク液滴の吐出方向は、物理的に完全同一ではなく、多少の誤差があるのが一般的である。そして、通常は、その誤差の範囲を規定し、インク液滴の吐出方向(着弾位置)が所定範囲内にあれば、正常なものとして取り扱う。しかし、例えば一部のインク吐出部のインク液滴の吐出方向のズレが、他のインク吐出部に対して大きい場合には、インク液滴の着弾ピッチの一様性が損なわれ、スジとなって現れる。このような位置ずれを軽減するために、インク吐出部ごとに補正を行う(吐出方向を偏向する)。
【0111】
また、インクの吐出方向の補正を行う場合には、一度有効な補正を行い、規定値内の着弾位置が確保できれば、その後は、吐出方向の特性が経時変化等しない限りは、補正量を変更する必要はない。
したがって、ヘッド11のどのインク吐出部について補正が必要であるか、又はどのヘッド11について補正が必要であるか、及び補正が必要である場合にはどの程度の量の補正が必要であるかを決定し、それに見合った補正となるように、吐出角補正スイッチS及びKのON/OFFを決定すれば良い。
【0112】
また、偏向方向切替えスイッチCの入力値をC=1又はC=0に設定することで、インク液滴の偏向方向を、ノズル18の並び方向において対称位置に切り替えることができる。
第2実施形態のラインヘッド10は、図10で示したものと同様に、複数のヘッド11を印画紙の幅方向に並べるとともに、隣同士のヘッド11が対向するように(隣のヘッド11に対して180度回転させて配置し)、いわゆる千鳥配列をしている。この場合には、隣同士にある2つのヘッド11に対して、偏向制御スイッチJ1〜J3から共通の信号を送ると、隣同士にある2つのヘッド11で偏向方向が逆転してしまう。このため、本実施形態では、偏向方向切替えスイッチCを設けて、1つのヘッド11全体の偏向方向を対称に切り替えることができるようにしている。
【0113】
これにより、図10に示すように、複数のヘッド11をいわゆる千鳥配列してラインヘッドを形成した場合、ヘッド11のうち、偶数位置にあるヘッドN、N+2、N+4、・・についてはC=0に設定し、奇数位置にあるヘッドN+1、N+3、N+5、・・についてはC=1に設定すれば、ラインヘッドにおける各ヘッド11の偏向方向を一定方向にすることができる。
【0114】
図13は、千鳥配列の隣同士にあるヘッド11からのインク液滴の吐出方向を示す正面図である。千鳥配列の複数のヘッド11において、隣同士にあるヘッド11をそれぞれN、及びN+1とする。この場合に、偏向方向切替えスイッチCを設けないときには、ヘッドNとN+1とが180度回転した位置関係にあるため、図13に示すように、ヘッドN及びN+1の双方について、例えば垂直方向からθだけインク液滴の吐出方向を偏向させた場合には、ヘッドNについてはZ1方向に、ヘッドN+1についてはZ2方向になり、左右対称方向に偏向してしまう。
【0115】
しかし、本実施形態のように、偏向方向切替えスイッチCを設け、隣同士になるヘッドNとN+1とで、例えばヘッドNについてはC=0に設定し、ヘッドN+1についてはC=1に設定すれば、ヘッドNについてはZ1方向に、ヘッドN+1についてはZ2’方向に偏向させ、ノズル18の並び方向で偏向方向を一定にすることができる。
以上のように、他のスイッチでは同一の偏向信号を与えて、偏向方向切替えスイッチCのみの入力を変えることで、いわゆる千鳥配列の各ヘッド11の偏向方向を統一することができる。
【0116】
以上は、インク液滴の吐出方向を2 の異なる偶数個の方向に設定する場合であるが、吐出制御回路50では、偏向振幅制御端子Bの値を0及びVxの双方の値にすることにより、ノズル18からの液滴の吐出方向を奇数個の方向にすることができる。すなわち、B=Vxに設定することにより、上述したように、インク液滴の吐出方向を、ノズル18の並び方向において左右対称に偶数個の方向に設定することができるが、さらにB=0に設定することにより、ノズル18からインク液滴を直下に吐出させることができる。したがって、インク液滴の左右対称方向への偏向吐出と、直下への吐出方向との双方により、奇数の吐出方向に設定することができる(図14参照)。
【0117】
この場合、制御信号は、Jビット(2 )+1となり、吐出方向数は、(2 +1)の異なる奇数個の方向となる。またここで、B=Vxの値を調整して、(2 +1)の方向のうち、最も離れた位置となる2つのインク液滴の着弾位置間隔が、隣接する2つのインク吐出部(ノズル18)の間隔(図14中、x)の2 倍となるように設定し(図14中、2 ×x)、インク液滴の吐出時に、(2 +1)の方向のうち、いずれか1つの方向を選択するようにすれば良い。
このようにすれば、図14に示すように、ノズルNの真下に位置する画素領域Nの他、その両側に位置する画素領域N−1、及びN+1にインク液滴を着弾させることができる。
また、インク液滴の着弾位置は、ノズル18に対向する位置となる。
【0118】
以上の吐出方向偏向手段を、第1実施形態において示した吐出方向偏向手段に代えて用いることで、吐出方向の設定が第1実施形態と比較して容易となり、また、吐出方向のバリエーションをより多彩なものにすることができる。
【0119】
図15及び図16は、それぞれ、上記した2方向吐出(吐出方向数が偶数)の場合及び3方向吐出(吐出方向数が奇数)の場合において、ヘッド11に送出される吐出実行信号に基づき、インク吐出部によって印画紙上に各画素を形成する過程を示す図であり、第1実施形態の図9に対応する図である。図15及び図16に示す画素の形成過程は、上述した図9のものと同様であるので、説明を省略する。
このように、第2実施形態における吐出方向偏向手段を用いることで、図15、図16に示したように、ヘッドに送出される吐出実行信号を、インク吐出部によって印画紙上の各画素を形成する過程として、様々な形態を容易に設定することが可能となる。
【0120】
(第3実施形態)
以上の第2実施形態では、インク液滴の偏向なしの吐出を偏向振幅制御端子Bへの入力値を0に設定することで行ったが、これをさらに容易にしたものが、図17に示す吐出制御回路50Aである。
図11の吐出制御回路50では4組のCM回路を設けたが、図17の吐出制御回路50Aは、1組のCM回路(トランジスタM31及びM32からなるもの)のみを設け、回路全体の簡略化を図ったものである。ここで、図11の4組のCM回路において、トランジスタM4及びM6は「×4」、トランジスタM9及びM11は「×2」、トランジスタM14及びM16、並びにトランジスタM19及びM21はそれぞれ「×1」であるが、図17の吐出制御回路50Aでは、これらの全てのトランジスタと容量を等しくするため、トランジスタM31及びM32には「×8」のものが用いられている。
【0121】
ここで、トランジスタM31及びM32として「×8」のものを用いると、その大きさも大きくなる。
しかし、トランジスタを回路配置する場合には、各トランジスタの配線端子は、ドレインやソース等により8つ必要となる。このため、多数のトランジスタを配置して、各トランジスタから8つの配線を出すよりも、トランジスタ自体が大きくても、1つのトランジスタから8つの配線を出した方が、全体に必要な面積は大幅に小さくなる。
したがって、図17の吐出制御回路50AのようにCM回路を一組のみとすれば、図11の吐出制御回路50と同様の機能を果たしつつ、回路を簡略化することができる。
【0122】
また、CM回路のスイッチング素子となるトランジスタは、トランジスタM33及びM34のみから構成されている。すなわち、図11のように4組設けられておらず、一組のみである。ただし、図11では、トランジスタM3及びM5は「×4」、トランジスタM8及びM10は「×2」、トランジスタM13及びM15、並びにトランジスタM18及びM20はそれぞれ「×1」であるが、これらの全てのトランジスタと容量を等しくするため、トランジスタM33及びM34には「×8」のものが用いられている。
【0123】
また、トランジスタM1のソース及びバックゲートは、グラウンドに接地されている。さらにまた、トランジスタM33及びM34の各ソースは、後述する電流源に接続されており、各バックゲートは、グラウンドに接地されている。さらに、トランジスタM1、M33及びM34のゲートには、NORゲートX21、X22及びX23が接続されている。
【0124】
また、吐出制御回路50Aでは、トランジスタM33及びM34に電流を供給する電流源素子群を含む回路が設けられている。その回路は、第1制御端子Z、第2制御端子D1、D2及びD3、並びにトランジスタM61〜M66から構成されている。
電流源素子群は、3つの電流源素子から構成されている。すなわち、(1)「×4」の容量を有するトランジスタM62からなる電流源素子、(2)「×2」の容量を有するトランジスタM64からなる電流源素子、、及び(3)「×1」の容量を有するトランジスタM66からなる電流源素子の3つの電流源素子が並列接続されることにより、電流源素子群が形成されている。
【0125】
さらにまた、各電流源素子のスイッチング素子として、各電流源素子を構成する各トランジスタに、そのトランジスタと同一の電流容量を有するトランジスタ(トランジスタM61、M63、及びM65)が接続されており、そのスイッチング素子となる各トランジスタのゲートにそれぞれ第2制御端子D3〜D1が接続されている。
なお、抵抗Rh−A、抵抗Rh−B、トランジスタM1、及び吐出実行入力スイッチAは、図11で示したものと同一である。
【0126】
なお、図17の吐出制御回路50Aでは、吐出実行入力スイッチAは、本実施形態ではIC設計の都合上、ネガティブロジックとなっており、駆動時にはAに0を入力する。この点、図11の吐出制御回路50とは逆の関係にある。
【0127】
よって、駆動時には、A=0が入力され、NORゲートX21への入力は(0、0)となるので、その出力は1になり、トランジスタM1がONになる。
また、A=0である場合に、Dp=0が入力されると、NORゲートX22への入力は、(0、0)となるので、その出力は1になり、トランジスタM33はONになる。さらにまた、上記の場合(A=0、Dp=0)には、NORゲートX23への入力は、(1、0)となるので、その出力は0となり、トランジスタM34はOFFになる。
【0128】
この場合には、トランジスタM31からM33に電流が流れるが、トランジスタM32からM34には電流は流れない。さらに、CM回路の特性により、トランジスタM32に電流が流れないときには、トランジスタM31にも電流は流れない。
【0129】
この状態において、抵抗電源Vhの電圧がかかると、トランジスタM31及びM32には電流は流れず、抵抗Rh−Aに電流が流れる。また、トランジスタM33には電流が流れるので、電流は、抵抗Rh−Aを流れた後、トランジスタM33側と抵抗Rh−B側とに分岐する。トランジスタM33側に流れた電流は、グラウンドに送られる。また、抵抗Rh−Bを流れた電流は、ONであるトランジスタM1を流れた後、グラウンドに送られる。よって、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとに流れる電流Iは、I(Rh−A)>I(Rh−B)となる。
【0130】
一方、A=0かつDp=1が入力されたときは、上記と同様にNORゲートX21への入力は(0、0)となるので、その出力は1になり、トランジスタM1がONになる。
また、NORゲートX22への入力は、(1、0)となるので、その出力は0になり、トランジスタM33はOFFになる。さらにまた、NORゲートX23への入力は、(0、0)となるので、その出力は1となり、トランジスタM34はONになる。トランジスタM34がONであるとき、トランジスタM32には電流が流れるが、これとCM回路の特性から、トランジスタM31にも電流が流れる。
【0131】
よって、抵抗電源Vhの電圧がかかると、抵抗Rh−A、トランジスタM31及びM32に電流が流れる。そして、抵抗Rh−Aに流れた電流は、全て抵抗Rh−Bに流れる(トランジスタM33はOFFであるので、抵抗Rh−Aを流れ出た電流はトランジスタM33側には分岐しない)。また、トランジスタM31を流れた電流は、トランジスタM33がOFFであるので、全て抵抗Rh−B側に流入する。さらにまた、トランジスタM32に流れた電流は、トランジスタM34に流れる。
【0132】
よって、抵抗Rh−Bには、抵抗Rh−Aを流れた電流の他、トランジスタM31を流れた電流が入り込む。その結果、抵抗Rh−Aと抵抗Rh−Bとに流れる電流Iは、I(Rh−A)<I(Rh−B)となる。
以上より、図11で示した吐出制御回路50と同様に、抵抗Rh−A及びRh−Bとの間から電流を流出させることができ、かつ抵抗Rh−A及びRh−Bとの間に電流を流入させることもできる。
【0133】
また、図17の吐出制御回路50Aは、以下の点で、図11の吐出制御回路50と異なる。
吐出制御回路50Aでは、各第2制御端子D1、D2及びD3に1又は0を入力することによって、電流源素子群を含む回路からの出力電流値を変化させることができるように構成されている。さらに、第1制御端子Zに加わる電圧Vxを変化させることによって、出力電流値を任意にスケーリングすることができるように構成されている。
【0134】
したがって、第1制御端子Zとグラウンド間に適当な電圧Vxを加え、第2制御端子D1〜D3を独立して操作することで、ドレイン電流Idを1ステップとして、出力電流値を、0(Id)〜7(Id)の8段階で制御することができる(Dpの値を固定して考えた場合)。さらに、Vxに加える電圧を変えれば、ドレイン電流Idの値を変えることができるので、全体の電流値も比例的に変化させることができる。
さらには、3つの第2制御端子D1、D2及びD3に加えて、極性変換スイッチDpを有するので、全体としては4ビットとなる。
【0135】
したがって、図17の吐出制御回路50Aでは、出力電流値は、−7〜+7(×Id)までを、1ずつ15値とることになり、図11の吐出制御回路50とは異なる変化をすることとなる。
これは、第2制御端子D1〜D3の入力が全て0になるために生ずることである。よって、設定できる出力電流値の数は、0を含めて奇数個となる。
これにより、第2実施形態では、偏向振幅制御端子Bのアナログ入力値を0にすることで、インク液滴を偏向なく吐出する状態を作り出したが、第3実施形態では、第1制御端子Zの入力値をそのままにして、第2制御端子D1、D2及びD3、並びに極性変換スイッチDpの制御により、インク液滴を偏向なく吐出させることができる。
【0136】
さらに、第3実施形態の吐出制御回路50Aでは、常に第2制御端子D1に入力1を与える(D1=0の場合をなくす)ことにより、出力電流値を、0を含まない偶数個に設定することも可能となる。
【0137】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)例えば第1実施形態では、Jビットの制御信号を用いて、2 の異なる偶数個の方向にインク液滴を偏向させるとともに、2 の方向のうち最も離れた位置となる2つのインク液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つのノズル18の間隔の(2 −1)倍となるように設定した。
【0138】
しかし、これに限らず、J+Kビットの制御信号を用いて、2(J+K) の異なる偶数個の方向に偏向させるとともに、2 の方向のうち最も離れた位置となる2つのインク液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つのノズル18の間隔の(2 −1)倍となるように設定し、かつ隣接する2つのノズル18の間隔の1/2 の間隔でインク液滴の着弾位置を変えることができるように設定することも可能である。
【0139】
このようにすれば、Kビットについては、補正のための制御信号として用いることができる。すなわち、本来のインク液滴の着弾位置からの位置ずれを補正するために、例えばK=2に設定した場合には、隣接する2つのノズル18の間隔の1/2 =1/4の間隔でインク液滴の着弾位置を変えることができる。そして、各インク吐出部に対し、例えば電源投入時に、Kビットの制御信号を与えるようにすれば、各インク吐出部は、予め与えられたKビットの制御信号と、インク液滴の吐出時に与えられるJビットの制御信号とに基づいて、インク液滴を吐出することができる。
【0140】
(2)また、第1実施形態では、Jビットの制御信号として、J=2(図6ではJ=1及び2)の例を挙げ、第2実施形態ではJ=3の例を挙げたが、これ以上のビット数を用いても良い。上述したKビットの制御信号についても同様である。
【0141】
(3)本実施形態では、2分割した発熱抵抗体13のそれぞれに流れる電流値を変えて、2分割した発熱抵抗体13上でインク液滴が沸騰するに至る時間(気泡発生時間)に時間差を設けるようにしたが、これに限らず、同一の抵抗値を有する2分割した発熱抵抗体13を並設し、電流を流す時間のタイミングに差異を設けるものであっても良い。例えば2つの発熱抵抗体13ごとに、それぞれ独立したスイッチを設け、各スイッチを時間差をもってオンにすれば、各発熱抵抗体13上のインクに気泡が発生するに至る時間に時間差を設けることができる。さらには、発熱抵抗体13に流れる電流値を変えることと、電流を流す時間に時間差を設けたものとを組み合わせて用いても良い。
【0142】
(4)本実施形態では、1つのインク液室12内で発熱抵抗体13を2つ並設した例を示したが、2分割としたのは、耐久性を有することが十分に実証されており、かつ回路構成も簡素化できるからである。しかし、これに限らず、1つのインク液室12内において3つ以上の発熱抵抗体13(エネルギー発生素子)を並設したものを用いることも可能である。
【0143】
(5)本実施形態では、サーマル方式のエネルギー発生素子として発熱抵抗体13を例に挙げたが、抵抗以外のものから構成した発熱素子を用いても良い。また、発熱素子に限らず、他の方式のエネルギー発生素子を用いたものでも良い。例えば、静電吐出方式やピエゾ方式のエネルギー発生素子が挙げられる。
静電吐出方式のエネルギー発生素子は、振動板と、この振動板の下側に、空気層を介した2つの電極を設けたものである。そして、両電極間に電圧を印加し、振動板を下側にたわませ、その後、電圧を0Vにして静電気力を開放する。このとき、振動板が元の状態に戻るときの弾性力を利用してインク液滴を吐出するものである。
【0144】
この場合には、各エネルギー発生素子のエネルギーの発生に差異を設けるため、例えば振動板を元に戻す(電圧を0Vにして静電気力を開放する)ときに2つのエネルギー発生素子間に時間差を設けるか、又は印加する電圧値を2つのエネルギー発生素子で異なる値にすれば良い。
また、ピエゾ方式のエネルギー発生素子は、両面に電極を有するピエゾ素子と振動板との積層体を設けたものである。そして、ピエゾ素子の両面の電極に電圧を印加すると、圧電効果により振動板に曲げモーメントが発生し、振動板がたわみ、変形する。この変形を利用してインク液滴を吐出するものである。
【0145】
この場合にも、上記と同様に、各エネルギー発生素子のエネルギーの発生に差異を設けるため、ピエゾ素子の両面の電極に電圧を印加するときに2つのピエゾ素子間に時間差を設けるか、又は印加する電圧値を2つのピエゾ素子で異なる値にすれば良い。
【0146】
(6)上記実施形態では、ノズル18の並び方向にインク液滴の吐出方向を偏向できるようにした。これは、ノズル18の並び方向に分割した発熱抵抗体13を並設したからである。しかし、ノズル18の並び方向とインク液滴の偏向方向とは、必ずしも完全に一致している必要はなく、多少のずれがあっても、ノズル18の並び方向とインク液滴の偏向方向とが完全に一致しているときと略同一の効果が期待できる。したがって、この程度のずれがあっても差し支えない。
【0147】
(7)上記実施形態ではヘッド11をプリンタに適用した例に挙げたが、本発明のヘッド11は、プリンタに限ることなく、種々の液体吐出装置に適用することができる。例えば、生体試料を検出するためのDNA含有溶液を吐出するための装置に適用することも可能である。
【発明の効果】
本発明によれば、複数の異なる液体吐出部を用いて、画素又は画素列を形成することができるので、液体吐出部ごとの液滴の吐出量のばらつきを最小限に抑え、印画品位の低下を防止することができる。
また、例えば液滴の吐出が不十分な、あるいはゴミやホコリ等によって液滴が吐出されない液体吐出部があったとしても、その影響を最小限にすることができる。これにより、本来であれば不良とされてしまうヘッドを、不良とならない程度にまで印画品位を高めることができる。
【0148】
さらにまた、バックアップ用ヘッドを別個に備えることなく、液滴を吐出することができない液体吐出部が存在したとしても、その液体吐出部に近隣する別の液体吐出部が、液滴を吐出することができない液体吐出部を補い、その液体吐出部の代わりに液滴を吐出することができる。
さらに、複数の液滴によって1画素を形成する場合に、ヘッドを複数回移動させることなく(複数回スキャンすることなく)、液滴が重なるように着弾させることができるので、印画速度を速くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体吐出装置を適用したインクジェットプリンタのヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】ヘッドの発熱抵抗体の配置をより詳細に示す平面図及び側面の断面図である。
【図3】分割した発熱抵抗体を有する場合に、各々の発熱抵抗体によるインクの気泡発生時間差と、インク液滴の吐出角度との関係を示すグラフである。
【図4】ノズルと、印画紙との関係を示す側面の断面図である。
【図5】2つの分割した発熱抵抗体の気泡発生時間差を設定できるように構成したものを示す概念図である。
【図6】本発明における吐出制御手段の2つの方式例(方式1及び方式2)と、従来方式とを併せて示す説明図である。
【図7】各画素位置における画素を形成するために要するインク液滴の吐出回数(各画素の形成のための必要時間)を説明する図である。
【図8】インク吐出部選択手段を制御する「予め設定されたフォーマット」、及び吐出方向決定手段を制御する「インク吐出部選択のために設定されているフォーマットに対応するフォーマット」について説明する図である。
【図9】ヘッドに送出される吐出実行信号を、インク吐出部によって、印画紙上に、各画素を形成する過程を示す図である。
【図10】ラインヘッドの実施形態を示す平面図である。
【図11】第2実施形態における吐出方向偏向手段を含む吐出制御回路を示す図である。
【図12】1画素に隣接するインク吐出部からそれぞれインク液滴を着弾させた例を示す図である。
【図13】千鳥配列の隣同士にあるヘッドからのインク液滴の吐出方向を示す正面図である。
【図14】インク液滴の左右対称方向への偏向吐出と、直下への吐出方向との双方により、奇数の吐出方向に設定した例を示す図である。
【図15】2方向吐出(吐出方向数が偶数)の場合において、吐出実行信号に基づき、インク吐出部によって印画紙上に各画素を形成する過程を示す図である。
【図16】3方向吐出(吐出方向数が奇数)の場合において、吐出実行信号に基づき、インク吐出部によって印画紙上に各画素を形成する過程を示す図である。
【図17】第3実施形態の吐出制御回路を示す図である。
【図18】従来の方法の第1例である重ね打ち変調を説明する図である。
【図19】従来の方法の第2例である液滴量変調方法を説明する図である。
【図20】従来の方法の第3例であるドット数変調方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 ラインヘッド
11 ヘッド
12 インク液室
13 発熱抵抗体(発熱素子)
18 ノズル

Claims (28)

  1. ノズルを有する液体吐出部を複数並設したヘッドを備える液体吐出装置であって、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を複数の方向に偏向させる吐出方向偏向手段と、
    近隣に位置する少なくとも2つの異なる前記液体吐出部から、前記吐出方向偏向手段を用いてそれぞれ異なる方向に液滴を吐出することにより、同一画素列に液滴を着弾させて画素列を形成するように制御するか、又は同一画素領域に液滴を着弾させて画素を形成するように制御する吐出制御手段と
    を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. ノズルを有する液体吐出部を複数並設したヘッドを備える液体吐出装置であって、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、近隣に位置する他の前記液体吐出部の前記ノズルから液滴が偏向なく吐出されたときの液滴の着弾位置又はその近傍に液滴を着弾させることができるように偏向させる吐出方向偏向手段と、
    画素列を形成する場合、又は少なくとも一部の着弾領域が重なり合うように複数の液滴を着弾させて画素を形成する場合に、近隣に位置する少なくとも2つの異なる前記液体吐出部を用いるとともに、その少なくとも1つの前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を前記吐出方向偏向手段により偏向させて、画素列又は画素を形成するように制御する吐出制御手段と
    を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出方向偏向手段は、複数の前記液体吐出部の前記ノズルの並設方向に液滴の吐出方向を偏向させる
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出方向偏向手段は、各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、J(Jは、正の整数)ビットの制御信号によって2 の異なる偶数個の方向に偏向させるとともに、2 の方向のうち最も離れた位置となる2つの液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つの前記ノズルの間隔の(2 −1)倍となるように設定されており、
    前記吐出制御手段は、各前記液体吐出部の前記ノズルから液滴を吐出するときに、2 の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出方向偏向手段は、各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、J(Jは、正の整数)ビット+1の制御信号によって(2 +1)の異なる奇数個の方向に偏向させるとともに、(2 +1)の方向のうち最も離れた位置となる2つの液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つの前記ノズルの間隔の2 倍となるように設定されており、
    前記吐出制御手段は、各前記液体吐出部の前記ノズルから液滴を吐出するときに、(2 +1)の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出方向偏向手段は、各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、J+K(J及びKは、それぞれ正の整数)ビットの制御信号によって2(J+K) の異なる偶数個の方向に偏向させるとともに、2 の方向のうち最も離れた位置となる2つの液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つの前記ノズルの間隔の(2 −1)倍となるように設定されており、かつ隣接する2つの前記ノズルの間隔の1/2 の間隔で液滴の着弾位置を変えることができるように設定されており、
    前記吐出制御手段は、各前記液体吐出部の前記ノズルから液滴を吐出するときに、2(J+K) の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  7. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出方向偏向手段は、各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、J+K(J及びKは、それぞれ正の整数)ビット+1の制御信号によって2(J+K) +1の異なる奇数個の方向に偏向させるとともに、2 +1の方向のうち最も離れた位置となる2つの液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つの前記ノズルの間隔の2 倍となるように設定されており、かつ隣接する2つの前記ノズルの間隔の1/2 の間隔で液滴の着弾位置を変えることができるように設定されており、
    前記吐出制御手段は、各前記液体吐出部の前記ノズルから液滴を吐出するときに、2(J+K) +1の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  8. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出制御手段は、前記液体吐出部の並び方向における第Mライン(Mは、正の整数)で1又は2以上の液滴を着弾させて形成した画素と、第(M+1)ラインで1又は2以上の液滴を着弾させて形成した画素とが同列上に並ぶ場合において、前記第Mラインの前記画素を形成するために用いられた前記液体吐出部又は前記第Mラインの前記画素を形成するために最初の液滴の吐出に用いられた前記液体吐出部と、前記第(M+1)ラインの前記画素を形成するために用いる前記液体吐出部又は前記第(M+1)ラインの前記画素を形成するために最初の液滴の吐出に用いる前記液体吐出部とが異なる前記液体吐出部となるように制御する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  9. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出制御手段は、前記液体吐出部の並び方向における第Mライン(Mは、正の整数)で1又は2以上の液滴を着弾させて形成した画素と、第(M+1)ラインで1又は2以上の液滴を着弾させて形成した画素とが同列上に並ぶ場合において、前記第Mラインの前記画素を形成するために用いられた前記液体吐出部又は前記第Mラインの前記画素を形成するために最初の液滴の吐出に用いられた前記液体吐出部と、前記第(M+1)ラインの前記画素を形成するために用いる前記液体吐出部又は前記第(M+1)ラインの前記画素を形成するために最初の液滴の吐出に用いる前記液体吐出部とが、常に同一の前記液体吐出部とならないように制御する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  10. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出制御手段は、予め設定されたフォーマットに基づいて、複数の前記液体吐出部の中から、液滴の吐出に用いる1又は2以上の前記液体吐出部を選択する液体吐出部選択手段と、
    前記フォーマットに対応するフォーマットに基づいて、前記液体吐出部の液滴の吐出方向を決定する吐出方向決定手段とを備える
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  11. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出制御手段は、前記吐出方向偏向手段により前記液体吐出部の前記ノズルから吐出する液滴の吐出方向を偏向するか否かを設定可能な偏向可否設定手段を備える
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  12. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記液体吐出部は、
    吐出すべき液体を収容する液室と、
    前記液室内に配置されるとともに、前記液室内の液体を前記ノズルから吐出させるためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子とを備え、
    前記エネルギー発生素子は、1つの前記液室内において、前記液体吐出部の並設方向に複数並設されており、
    前記吐出方向偏向手段は、1つの前記液室内の複数の前記エネルギー発生素子のうち、少なくとも1つの前記エネルギー発生素子と、他の少なくとも1つの前記エネルギー発生素子とのエネルギーの発生に差異を設け、その差異によって前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を偏向させる
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  13. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記液体吐出部は、
    吐出すべき液体を収容する液室と、
    前記液室内に配置されるとともにエネルギーの供給により前記液室内の液体に気泡を発生させ、その気泡の発生に伴って前記液室内の液体を前記ノズルから吐出させる発熱素子とを備え、
    前記発熱素子は、1つの前記液室内において、前記液体吐出部の並設方向に複数並設されており、
    前記吐出方向偏向手段は、1つの前記液室内の複数の前記発熱素子のうち、少なくとも1つの前記発熱素子と、他の少なくとも1つの前記発熱素子とにエネルギーを供給するときのエネルギーの与え方に差異を設け、その差異によって前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を偏向させる
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  14. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記ヘッドは、前記液体吐出部の並設方向に複数配置されてラインヘッドを構成している
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  15. ノズルを有する液体吐出部を複数並設したヘッドを用いた液体吐出方法であって、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を複数の方向に偏向可能とし、
    近隣に位置する少なくとも2つの異なる前記液体吐出部からそれぞれ異なる方向に液滴を吐出することにより、同一画素列に液滴を着弾させて画素列を形成するか、又は同一画素領域に液滴を着弾させて画素を形成する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  16. ノズルを有する液体吐出部を複数並設したヘッドを用いた液体吐出方法であって、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、近隣に位置する他の前記液体吐出部の前記ノズルから液滴が偏向なく吐出されたときの液滴の着弾位置又はその近傍に液滴を着弾させることができるように偏向可能とし、
    画素列を形成する場合、又は少なくとも一部の着弾領域が重なり合うように液滴を着弾させて画素を形成する場合に、近隣に位置する少なくとも2つの異なる前記液体吐出部を用いるとともに、その少なくとも1つの前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を偏向させて、画素列又は画素を形成する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  17. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    複数の前記液体吐出部の前記ノズルの並設方向に液滴の吐出方向を偏向させる
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  18. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、J(Jは、正の整数)ビットの制御信号によって2 の異なる偶数個の方向に偏向させるとともに、2 の方向のうち最も離れた位置となる2つの液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つの前記ノズルの間隔の(2 −1)倍となるように設定し、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから液滴を吐出するときに、2 の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  19. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、J(Jは、正の整数)ビット+1の制御信号によって(2 +1)の異なる奇数個の方向に偏向させるとともに、(2 +1)の方向のうち最も離れた位置となる2つの液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つの前記ノズルの間隔の2 倍となるように設定し、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから液滴を吐出するときに、(2 +1)の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  20. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、J+K(J及びKは、それぞれ正の整数)ビットの制御信号によって2(J+K) の異なる偶数個の方向に偏向させるとともに、2 の方向のうち最も離れた位置となる2つの液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つの前記ノズルの間隔の(2 −1)倍となるように設定し、かつ隣接する2つの前記ノズルの間隔の1/2の間隔で液滴の着弾位置を変えることができるように設定し、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから液滴を吐出するときに、2(J+K) の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  21. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を、J+K(J及びKは、それぞれ正の整数)ビット+1の制御信号によって2(J+K) +1の異なる奇数個の方向に偏向させるとともに、2 +1の方向のうち最も離れた位置となる2つの液滴の着弾位置の間隔が、隣接する2つの前記ノズルの間隔の2 倍となるように設定し、かつ隣接する2つの前記ノズルの間隔の1/2 の間隔で液滴の着弾位置を変えることができるように設定し、
    各前記液体吐出部の前記ノズルから液滴を吐出するときに、2(J+K) +1の方向のうち、いずれか1つの方向を選択する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  22. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    前記液体吐出部の並び方向における第Mライン(Mは、正の整数)で1又は2以上の液滴を着弾させて形成した画素と、第(M+1)ラインで1又は2以上の液滴を着弾させて形成した画素とが同列上に並ぶ場合において、前記第Mラインの前記画素を形成するために用いられた前記液体吐出部又は前記第Mラインの前記画素を形成するために最初の液滴の吐出に用いられた前記液体吐出部と、前記第(M+1)ラインの前記画素を形成するために用いる前記液体吐出部又は前記第(M+1)ラインの前記画素を形成するために最初の液滴の吐出に用いる前記液体吐出部とが異なる前記液体吐出部となるように制御する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  23. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    前記液体吐出部の並び方向における第Mライン(Mは、正の整数)で1又は2以上の液滴を着弾させて形成した画素と、第(M+1)ラインで1又は2以上の液滴を着弾させて形成した画素とが同列上に並ぶ場合において、前記第Mラインの前記画素を形成するために用いられた前記液体吐出部又は前記第Mラインの前記画素を形成するために最初の液滴の吐出に用いられた前記液体吐出部と、前記第(M+1)ラインの前記画素を形成するために用いる前記液体吐出部又は前記第(M+1)ラインの前記画素を形成するために最初の液滴の吐出に用いる前記液体吐出部とが、常に同一の前記液体吐出部とならないように制御する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  24. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    予め設定されたフォーマットに基づいて、複数の前記液体吐出部の中から、液滴の吐出に用いる1又は2以上の前記液体吐出部を選択し、
    前記フォーマットに対応するフォーマットに基づいて、前記液体吐出部の液滴の吐出方向を決定する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  25. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    前記液体吐出部の前記ノズルから吐出する液滴の吐出方向を偏向するか否かを設定可能である
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  26. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    前記液体吐出部は、
    吐出すべき液体を収容する液室と、
    前記液室内に配置されるとともに、前記液室内の液体を前記ノズルから吐出させるためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子とを備え、
    前記エネルギー発生素子は、1つの前記液室内において、前記液体吐出部の並設方向に複数並設されており、
    1つの前記液室内の複数の前記エネルギー発生素子のうち、少なくとも1つの前記エネルギー発生素子と、他の少なくとも1つの前記エネルギー発生素子とのエネルギーの発生に差異を設け、その差異によって前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を偏向させる
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  27. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    前記液体吐出部は、
    吐出すべき液体を収容する液室と、
    前記液室内に配置されるとともにエネルギーの供給により前記液室内の液体に気泡を発生させ、その気泡の発生に伴って前記液室内の液体を前記ノズルから吐出させる発熱素子とを備え、
    前記発熱素子は、1つの前記液室内において、前記液体吐出部の並設方向に複数並設されており、
    1つの前記液室内の複数の前記発熱素子のうち、少なくとも1つの前記発熱素子と、他の少なくとも1つの前記発熱素子とにエネルギーを供給するときのエネルギーの与え方に差異を設け、その差異によって前記ノズルから吐出される液滴の吐出方向を偏向させる
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  28. 請求項15に記載の液体吐出方法において、
    前記ヘッドは、前記液体吐出部の並設方向に複数配置されてラインヘッドを構成している
    ことを特徴とする液体吐出方法。
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