JP2006095429A - 気体清浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ホルムアルデヒド、VOCなどの汚染分子を効率的に除去することができる気体清浄装置を提供すること。
【解決手段】
本発明の気体清浄装置は、導電性基体1上に複数の導電性繊維4を設けたフィルターと、導電性基体1に電圧を加えることによって導電性繊維4の周囲に電界を形成する電界形成手段とを備えてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、気体清浄装置に関する。
近年、住宅やオフィスビルディング、学校等における高気密化・高断熱化による自然換気回数の低下や、建築工法の変化による新建材等の多用が原因となって引き起こされるシックハウス、シックビルディング、化学物質過敏症などの健康障害が社会問題となっている。これらの健康障害は、室内の比較的低濃度の化学物質による汚染に起因している。これらの化学物質の中でも、合板に多用されている接着剤又はその他建築材料等から空気中に揮発するホルムアルデヒド、VOCは、たとえ低濃度でも毒性が高く、比較的影響が長く継続する。ホルムアルデヒド、VOCなどは刺激臭を有する無色の気体が多いが、皮膚や粘膜から体内に吸収されると身体のバランスを崩し、さまざまな体調不良の原因となることが知られている。
最近、これらの室内汚染物質を除去することを目的としたフィルターや空気清浄機などの気体清浄装置が提案されている。これらの気体清浄装置では、活性炭、多孔質セラミック、光触媒、プラズマ放電などを主なフィルター手段として用いることによりホルムアルデヒド、VOCなどを除去する構成を採用している。例えば、活性炭を主とする固体吸着剤では、造粒または破砕状に加工されフィルター形状に成形されたものがホルムアルデヒド、VOC等除去用フィルターとして空気清浄ユニットや空気清浄機などに搭載されている。
ところが、従来の活性炭を採用したフィルターは、活性炭自体のホルムアルデヒド、VOCなどの吸着能力が小さく、たとえばホルムアルデヒドに対する十分な吸着性能を得るには、アミン化合物等を表面に形成し、吸着能力を高める必要があったのに加え、単位重量当たりの表面積が1000m2/gレベルと、他材料に比べて極めて大きいことを特徴として謳ってはいるものの、単位重量当たりに吸着できるホルムアルデヒドなどの重量は実効表面積に換算して高々その2〜3%程度、ホルムアルデヒドなどの重量にして10数mg以下であり、表面修飾に伴う表面不安定性や吸着容量の問題から、寿命は高々1〜3年程度と不十分であった。また、これらのフィルターはホルムアルデヒド、VOCなどをある程度吸着すると吸着サイトの飽和等に伴って、それ以上は吸着反応しなくなって寿命に達する問題があった。更に、飽和容量を超えた場合には吸着種の再放出なども問題となるなど、一定期間ごとにフィルター材料を交換する必要が生じていた。
また、これら従来の活性炭フィルターは形状が粒状もしくは粉状であり、吸着容量を増やし寿命を長くしようとすると、吸着材料の使用量を増やす必要があり、これに伴って圧力損失が大きくなるなどの問題があった。このため、フィルターや気体清浄装置のサイズが大きくなったり、フィルターに通風させるためのモーター音が大きくなったり消費電力が増大したりするという問題があった。一方では、活性炭の課題を解決する方法として光触媒やプラズマ放電が活用されるようになったが、これらの方法はフィルターを長寿命化し、圧損の問題を解決する上で有効な方法ではあるが、酸素を励起して用いるために人体に有害なオゾンなどの活性酸素が生じ、これを低減する必要があるのに加え、光触媒ではこれに用いる酸化チタン等を高密度で形成するのが難しく高効率化に課題があった。また、プラズマ放電を用いる方法では、反応種が必ずしも制御できず、オゾンなどの活性酸素以外にも人体に有害な反応種も生じる場合が見られるなど、それぞれに未解決な問題があった。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、ホルムアルデヒド、VOCなどの汚染分子を効率的に除去することができる気体清浄装置を提供するものである。
本発明の気体清浄装置は、導電性基体上に複数の導電性繊維を設けたフィルターと、導電性基体に電圧を加えることによって導電性繊維の周囲に電界を形成する電界形成手段とを備えてなることを特徴とする。
本発明によれば、導電性繊維の周囲に形成された電界によって、その周囲に存在する気体分子に対して、気体分子の有する双極子モーメントの大きさに応じた引力を発生させ、双極子モーメントの大きな一部の気体のみを導電性繊維に吸着させる。この作用により、ホルムアルデヒドのような双極子モーメントの大きな分子が選択的に導電性繊維に吸着されることとなり、その結果、汚染分子を効率的に除去することができる気体清浄装置が提供される。
また、本発明によれば、活性炭のように、材料内部の微細孔まで吸着すべき気体をしみ込ませて固定する必要がないので、応答性のよいフィルター作用ができる。さらに本発明によれば、例えば従来の活性炭を用いたホルムアルデヒド、VOCなどの除去用フィルターを備える装置では、除去用フィルターの頻繁な廃棄が必要であり、除去材をウレタンフォームに添着したり、セルに入れたり、別途保持部材が必要であったが、本発明の気体清浄装置はそのような必要がなくなる。さらに、本発明をホルムアルデヒド、VOC等を検知する公知のセンサーと組み合わせることにより、空気中にホルムアルデヒド、VOC等を検知した時のみ、基体に電圧印加して装置を動作させることが可能であり、低消費電力化、長寿命化が可能で制御性の高い装置を構成することができる。
本発明の気体清浄装置は、導電性基体上に複数の導電性繊維を設けたフィルターと、導電性基体に電圧を加えることによって導電性繊維の周囲に電界を形成する電界形成手段とを備えてなることを特徴とする。
1.作用
本発明では、導電性繊維の周囲に空間的に変化する電界を存在せしめ、該電界が存在する領域を通過する気体分子がその影響を受けることを利用して、異なる分子間の分離を行なう。
具体的には、電界中に置かれた分子は、その双極子モーメントp、分極率α、電界強度Fとすると、E=−pF−αF2/2の静電エネルギーを付与される。電界強度が場所によって変化する場合、静電エネルギーも場所によって変化し、その結果、電界中に存在する分子には静電エネルギーの位置微分に相当する力が働き、その影響が大きい場合には電界強度の強い導電性繊維表面に引き寄せられる。
特に、ホルムアルデヒドなどの分子は軌道電子の対称性が低い有極性分子であり大きな双極子モーメントを有するために、酸素や窒素など対称性の高い軌道電子を有し双極子モーメントを持たない無極性分子に比べて、その影響が非常に大きい。この結果、強い電界下においては導電性繊維に引き付けられ、電界吸着が起る。
このような効果を利用することにより、酸素や窒素のような無極性分子と区別して、有極性分子を選択的に導電性繊維表面に吸着して分離することができる。
無極性分子の方は、電界の影響で僅かな分極は経験するが、これに伴う静電エネルギーαF2/2は非常に弱く、電界が著しく強くない限り、電界の効果によって導電性繊維表面に固定されることは極めて少なく、フィルターの排気側に到達する。このような原理を用いて導電性繊維表面に固定される有極性分子はホルムアルデヒドに限られるものではなく、アセトアルデヒド、トルエン、キシレンのo−及びm−異性体、エチルベンゼン、ジクロルベンゼンのo−及びm−異性体、スチレン、ノナナール、クロルピリホス、ダイアジノン、フェノルカルブなど厚生労働省によって室内濃度の指針値が示されている気体などに適用できる。このような効果を利用するには有極性分子である必要があるが、その双極子モーメントは低いもの、例えばフィルターによる除去が望まれる一酸化炭素などでも電界強度を選べば効果を得ることができるため、これらに限られるものではない。
2.導電性基体、導電性繊維
本発明の気体清浄装置は、導電性繊維の周囲に存在する電界を用いて分子間の分離を行うので、導電性繊維近傍に十分強い電界を発生させることが望ましい。導電性繊維には、従来の金属繊維や金属コートされたポリマー繊維などを用いることも出来るが、これらは通常数100μm程度の太さを有するため、強い電界を発生させるには数kVから数10kVといった高圧用電源が必要となる。家庭用電源などの比較的電圧の低い電源で強い電界を発生させるには、上記の繊維に比べて極めて細いカーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤーなどの炭素系繊維を使うことができ、また、金属ナノ繊維など炭素系繊維以外の繊維も用いることができる。カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤーなどは、導電性基体上に化学気相成長法などで形成できる。その成長位置や成長密度を制御する必要がある場合には、Ni、Fe、Co等の金属微粒子を基体表面に予め分散させ、その触媒作用を利用することにより、これら微粒子上に該導電性繊維を高密度で形成できる。導電性基体としては、グラファイト、金属、又は、ガラスやセラミックスなど絶縁体表面上に予めAl、Ag等の金属薄膜などを設けて導電性を付与したものを用いてもよい。
また、これら基体上に、まず、たとえば0.1ミクロン以上の太さの導電性カーボンファイバーなどからなる第1の導電性繊維を配置し、更に、その表面に触媒微粒子を上記と同様の方法で分散させた後、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤーなどを形成してもよい。このような方法においてもカーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤーなどの表面近傍に強い電界を生じさせることが可能であり、本発明による気体清浄装置を有効に構成することができる。たとえば0.1ミクロン以上の太さのカーボンファイバーは、CVD法などによるものを基体上に成長させてもよいし、また、例えば市販の活性炭シートなどに、導電性ペーストなどを用いて基体上に接着して被覆させたものを用いてもよい。この場合、平板又は円筒状などの基体表面にカーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤーなどを形成するのに比べて、これらナノ繊維の成長に利用できる表面積が桁違いに大きくできるため、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤーの成長により実現できる実効的な表面積もそれに比例して大きくできる。この結果、電界によって有極性分子を引き寄せる効果や、表面積が大きなカーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー構造に気体を接触させる効果により、活性炭のように大きな圧損を与えることなく、フィルター性能を大幅に向上させることができる。なお、第1の導電性繊維はその上に上記第2の導電性繊維を形成できればよく、その太さは0.1ミクロン以下でも構わない。このように、導電性繊維は、複数種の繊維を含むことが好ましく、その太さは、それぞれ異なっていることが好ましい。
また、導電性繊維を含む空間に強い電界を生じせしめるには、細い導電性繊維を用いることが望ましい。カーボンナノチューブやカーボンナノワイヤーを用いることにより、半径R0=5ナノメーター程度であって、導電性を有するものが容易に得られるが、これら細い導電性繊維を形成した導電性基体に、一例として電圧V=30Vを印加した場合、導電性繊維近傍にはおよそF=V/(RlnR/R0)の電界が得られる。但し、Rは繊維の中心軸から半径方向に計った距離を示す。この結果、導電性繊維表面ではF=2×107V/cmレベルの強い電界を発生させることができ、ホルムアルデヒドなど有極性分子は0.1eVレベルの静電エネルギーで導電性繊維表面に引き付けられる。
導電性繊維の周囲に存在する電界を用いて有極性分子を導電性繊維表面に滞在せしめるには、電界によって付与される静電エネルギーは、フィルター使用温度における熱エネルギー(室温の場合は、約30meV)と比べ、少なくとも同等以上の大きさであることが望ましい。なお、有極性分子の双極子モーメントは分子によって異なり、例えば、一酸化炭素の双極子モーメントはホルムアルデヒドの約20分の1であるために、一酸化炭素の分離を行なうには、半径R0=5ナノメーター程度のカーボンナノチューブやカーボンナノワイヤーを用いる場合でも、少なくとも200V程度の電圧を印加する必要がある。これらの記述から明らかなように、本発明の導電性繊維は、太さが0.1ミクロン以下の繊維を含むことが望ましい。
3.表面修飾
導電性繊維の周囲に存在する電界により導電性繊維に引き寄せられるホルムアルデヒドなどの分子の吸着性を促進するためには、導電性繊維に表面修飾を行ってもよい。たとえば、ホルムアルデヒドを炭素系導電性繊維表面に吸着させるには、シフ反応を促進するためにアミノ系材料等で表面修飾を施してもよい。炭素系導電性繊維表面をアミノ基で修飾するには、p−フタル酸エステル水溶液に浸漬して表面に−COOC64COOH基を形成したのち、−COOHを、SOCl2を用いて−Cl基に置換し、オクタデシルジアミンNH2(CH217NH2に浸漬することで−COOC64CONH(CH217NH2を固定する等の方法を用いることができる。
4.電界形成手段
これら導電性繊維の周囲に電界を形成するには、例えば、導電性繊維を形成した導電性基体を非接触で取り囲む外枠又は配管等と、導電性基体の間に電圧を印加すればよい。具体的には、外枠又は配管等は接地電位とし、導電性基体を正電位として用いることができる。また、導電性繊維と外枠又は配管等が電気的に接触し、直流放電等が発生するのを避けるために、これらが近接する配管内面にシリカ、アルミナなどの絶縁性薄膜を設けてもよい。上記のような方法で、導電性繊維の周囲に電界を形成する場合、導電性基体に印加する電圧を消失させることにより、フィルターの周囲の電界を一時的に消失させることができる。本発明の装置を長時間使用すると、導電性繊維の周りにホルムアルデヒド、VOC等の分子が多数付着してフィルター機能が低下する場合があるが、上記方法で導電性繊維の周囲の電界を一時的に消失させることによって、導電性繊維の周りに付着したホルムアルデヒド、VOC等の分子を容易に除去する(すなわち、導電性繊維から脱離させる)ことができる。すなわち、この場合、本発明の装置は、フィルターを再生させる機能を有する。
なお、ホルムアルデヒド、VOC等が導電性繊維表面との化学結合などの相互作用により静電エネルギーより大きなエネルギーで吸着された場合、例えば、導電性基体に印加する電圧を一層高めて電界強度を10の8乗V/cmオーダーとし、電子のトンネル効果を誘起せしめて、電界脱離を行うことによりフィルターの再生が可能である。
5.水分子の吸着、加熱手段
本発明の装置は、通常は、導電性繊維に水分子を吸着可能である。なぜなら、水分子は、有極性分子であり、また、導電性繊維と化学結合を形成して、導電性繊維表面に吸着されることがあるからである。
導電性繊維表面に吸着した水は、水酸基OH−、又はそこから正電圧が印加された導電性繊維に電子を引き抜かれたヒドロキシラジカルOH・の状態で存在する。その結果、ホルムアルデヒドが共存する場合にこれに作用し、酸化作用により蟻酸を生じる。蟻酸は最終的に二酸化炭素と水に分解するが、160℃以上に熱した蟻酸は二酸化炭素と水素に分解することがよく知られており、導電性繊維を当該温度以上に熱しておくことにより、ホルムアルデヒドの分解過程をより効率的に行なうことができる。導電性繊維を加熱するために、本発明の装置は、フィルター(又は導電性繊維)を加熱する加熱手段をさらに備えることが好ましい。
これらの反応過程は、ホルムアルデヒド以外のVOCにも適用することができる。更に、これらの反応過程は、上述のホルムアルデヒドが二酸化炭素と水素に分解されるように、オゾンなどの活性酸素や有害なプラズマ反応で生成されるガスを発生させることがない点に特徴がある。
6.触媒薄膜、触媒微粒子
導電性繊維は、触媒薄膜又は触媒微粒子を表面に備えることが好ましい。この場合、電界の効果で繊維表面に引き寄せられた有極性分子が、繊維表面に存在する触媒薄膜又は触媒微粒子と効果的に接触することができ、酸化・乖離等の作用を効率的に受けることができるからである。
触媒薄膜又は触媒微粒子は、金属(例えば、Pt、Pd、Co、Ni、Fe、Cr、Ag、Mn、Ru等)を含むことが好ましい。この場合、空気中の酸素などが触媒表面で活性化されて、導電性繊維に吸着されたホルムアルデヒド、VOCなどの有極性分子などの酸化を促進する。一例としてAgを用いた場合には、酸素との接触によりその表面に酸化銀が生じ、ホルムアルデヒドが電界吸着されると、強電界下でAgが還元される一方、ホルムアルデヒドは酸素と結合して、二酸化炭素と水に分解される。また、その他の金属性酸化触媒を用いた場合でも類似の反応過程によりホルムアルデヒドの分解に利用することができる。また、同様の反応過程は、ホルムアルデヒド以外のVOCにも適用することができる。導電性繊維近傍に有効に電界を生じせしめる細い導電性繊維として、半径R0=5ナノメーター程度のカーボンナノチューブやカーボンナノワイヤーを用いる場合、このようなナノサイズの細線の上に、Pt、Pd、Co、Ni、Fe、Cr、Ag、Mn、Ruなどの金属薄膜又は金属微粒子を設けるには、W.Q.Han and A.Zettl,Nano Letters, vol.3, 681-683, 2003などの文献に見られるように、電子ビーム蒸着法、無電解メッキ法、金属塩還元法などの方法を用いることができる。また、特開2004−74116号公報にはナノ細線に触媒微粒子を担持させた触媒体が開示されている。
また、触媒薄膜又は触媒微粒子は、酸化物(例えば、酸化チタン等の光触媒)を含むことが好ましい。この場合であっても、金属の場合と同様に触媒表面に電界が作用し電界吸着が誘起される。空気中の酸素などが触媒表面で活性化されて、導電性繊維上の触媒に吸着されたホルムアルデヒド、VOCなどの有極性分子などの酸化を促進するからである。
光触媒材料である酸化チタンの薄膜又は微粒子は、TIPT(titanium tetra-isopropoxide)、TiCl4等を原料とするCVD法、ゾルゲル法、あるいは、酸化チタン蒸着源を用いた電子ビーム蒸着法、スパッター法等で形成できる。また、光触媒にN等他元素ドーピング、又は酸素欠損量制御などの方法により紫外線だけでなく可視光に対して有効に作用する光触媒を用いることもできる。
1.構造
図1は、実施例1に係る本発明の気体清浄装置の構造を示す図である。本実施例において、符号1は導電性繊維4の下地となる基板、符号2は基板1上に必要に応じて設けられる導電層、符号3は導電性繊維の成長位置、成長密度などを制御するために必要に応じて設けられた微粒子触媒層、符号4は導電性繊維、符号5は導電性繊維4を形成した基板1を非接触で取り囲む外枠又は配管、符号6は導電性繊維と外枠又は配管5との電気的な接触やDC電界下での放電を防ぐために設けられた絶縁層、符号7は気体の導入側、符号7aは排気側を示す。また、符号13は基板1に電圧を印加するためのDC電源、符号14は接地電位を示す。
2.製造方法
まず、基板1としては半径3mm、長さ3cmの円筒形状のグラファイトを用いた。基板1上に、日本ペイント製のNiコロイドペーストを、アセトン溶媒を用いて超音波洗浄装置により展開し、粒径3〜5nmのNi微粒子が1cm2当たり約1010個程度分散された表面を形成した。その後、この基板1をマイクロ波プラズマCVD装置の真空チャンバーに導入、1×10-5Paまで排気し、さらに600℃で10分間熱処理を行った。その後、基板温度を600℃に維持し、チャンバーの真空度を15Torr程度になるように圧力コントロールバルブを調整しながら、マスフローコントロールを通じてH2ガスを流量80sccmで導入し、5分程度の表面クリーニングを行った。次に、H2ガスを流量80sccm、およびCH4ガスを流量20sccm、トータル圧力15Torrの条件の下に導入し、更にバイアス電圧100Vを印加して、電力500W、周波数2.45GHzの高周波プラズマ励起により、カーボンナノワイヤーを気相成長させた。成長したカーボンナノワイヤーは、平均的な寸法は半径約6nm、長さ約30ミクロンで、電子線回折評価によれば多層カーボンナノチューブと非晶質ファイバーが混在しており、ほぼ触媒微粒子の密度に相当する数のこれらカーボンナノワイヤーが形成された。カーボンナノワイヤーを全面に成長させた基板1の任意の2点にテスターのプローブを当てたところ、MΩオーダーの抵抗を示し、形成されたカーボンナノワイヤーは導電性を有していた。また、成長前後の重量の比較から、形成されたカーボンナノワイヤーの重量は0.8mgであった。
更に、カーボンナノワイヤーを成長させた基板1を真空チャンバーから取り出した後、ステンレス製の外枠又は配管5を同心円状に配置した。外枠又は配管の基板1を被う部分の内半径は4.5mmであり、導電性繊維との電気的な接触やDC放電を避けるために、基板1と対向する部分には約1ミクロン厚のアルミナ皮膜を施した。
3.フィルター動作の評価
配管のガス導入側7からホルムアルデヒド8を0.1ppm、酸素9、及び図1には示さないが窒素を含むドライエアーを1cc/minの流量で供給し、基板1にはDC電源13により正電圧を印加し、外枠又は配管5は接地電位14としてフィルター動作を評価した。排気側7aにおいて気体を10分間捕集管に捕集し液体クロマトグラフィーを用いた公知の方法によりホルムアルデヒド濃度を測定したところ、表1に示す結果が得られた。
Figure 2006095429
基板1とこれと対抗する導電性の外枠又は配管4の間に電圧を印加することにより、カーボンナノワイヤー近傍に強い電界が誘起され、ホルムアルデヒド8が引き寄せられて静電吸着し、酸素9及び窒素は補足されることなくフィルターを通過し、排気側のホルムアルデヒドが減少することが観測された。ホルムアルデヒドが減少する度合いは、印加する電圧に敏感に依存し、表1に示すように、10Vに比べて30Vではより大きな減少が見られた。しかし、本実施例はホルムアルデヒドの分解機能を持たないため、30Vの電圧を印加したまま10時間使用を継続した後は、カーボンナノワイヤー表面がホルムアルデヒドによって飽和する程度にまで覆われて吸着・脱離反応が熱的な平衡に達した結果、排気側のホルムアルデヒド濃度は再び増加する傾向を示した。また、本発明の気体清浄装置のフィルターは、静電的な作用を用いているため、電界を除去すれば静電吸着された分子の脱離が起り、導電性繊維表面は清浄さを回復できるため、セルフクリーニング機能を有する。本実施例では、電界を除去した時、脱離の影響で排気側のホルムアルデヒドは増加したが、セルフクリーニングが行われた結果、30Vを再度印加した時には、最初の電圧印加直後と同様のホルムアルデヒドの減少が見られ、セルフリフレッシュ効果が確認できた。
本実施例では比較的低い電圧で強い電界を発生できるカーボンナノワイヤーを利用したが、導電性繊維はこれに限られるものではない。太い導電性繊維を用いる場合には、その太さに比例した電圧を供給できる電源装置を用いればよい。
図2は、実施例2に係る本発明の気体清浄装置の構成を示す図である。本実施例の気体清浄装置の構造と製造方法は実施例1と同様である。実施例1との違いは、導入ガスが飽和濃度に対して10%の水分子10を含むこと、フィルターを200℃に昇温して使用している点である。なお、実施例2の装置は、フィルターを加熱するヒーターなどの加熱手段を備えている。表2は、実施例1と同様な方法で行なったフィルター動作の評価の結果を示す。
Figure 2006095429
本実施例では水分子が多量に存在するが有極性分子であるため、その一部はホルムアルデヒド8と同様に導電性繊維表面に捕捉され、残りは補足されずに酸素分子9などとともに排気側7aに達する。強電界下において、導電性繊維表面に電界吸着した水は、水酸基OH−、又はヒドロキシラジカルOH・の状態でホルムアルデヒドに作用し、ホルムアルデヒドを酸化する作用により蟻酸を生じる。発生した蟻酸は強電界の効果とともに、フィルターを200℃に昇温したことによる効果により二酸化炭素11と水素12に分解する。本実施例においては、導電性繊維表面におけるホルムアルデヒドは、酸化反応により分解が進むため吸着サイトが飽和することはなく、長時間経過後も初期の性能を維持できた。
また、本実施例でのフィルター動作の評価において、排気側に市販の半導体薄膜式オゾンセンサー、測定レンジ0.10〜100ppm、を配置し、30分放置後オゾン発生の有無を評価したところ、検出限界以下であった。
図3は、実施例3に係る本発明の気体清浄装置の構成を示す図である。本実施例の気体清浄装置の構造と製造方法は実施例1とほとんど同様であるが、導電性繊維がその表面に金属からなる酸化触媒としてAgの微粒子4aを担持して構成されている点が異なっている。酸化触媒の微粒子は、Agを公知の方法により無電解メッキして形成した。すなわち、カーボンナノワイヤーを全面に成長させた基板1を実施例1と同様な方法で形成したのち、湿度30%以上を含む大気圧下で、Xe2誘電体バリア放電エキシマーランプ装置を用い、中心波長146nmの紫外線を放射照度10mW/cm2で10分間照射し、カーボンナノワイヤーの表面処理を行った。該基板は赤外吸収法による−OH、=C=O振動ピークの増加が見られ、表面が活性化していることが確認された。
表面処理したカーボンナノワイヤー上へのAg微粒子の形成は公知の方法により行なった。すなわち、硝酸銀3.5gに純水を60cc加え、さらに沈殿が消えるまでアンモニア水を加えた第1液、苛性カリ2.5gに純水60ccを加えた第2液、ぶどう糖54.5gを純水1リッターに溶かし、硝酸0.5cc加えて煮沸し、冷却後エタノール54ccを加えた第3液を用意した。次に、第1液に第2液を加えたのち、アンモニア水を液が透明になるまで液化したのち、硝酸銀を10mg含む水溶液10ccを加え、基板1を10秒間浸漬して、Ag微粒子を形成した。カーボンナノワイヤー上に形成されたAg粒子は、カーボンナノワイヤーをほぼ全面的に被うように形成され、その平均半径は約8nmであった。表3は、実施例1と同様な方法で行なったフィルター動作の評価の結果を示す。
Figure 2006095429
実施例1と同様に、電圧30Vを印加した場合、Ag微粒子で被われたカーボンナノワイヤーには有極性分子のホルムアルデヒド8が電界吸着されるが、熱的なエネルギーと付加的な小さな静電エネルギーをもった酸素9も、その存在量が多いために頻繁に到来し、酸化触媒との作用によりホルムアルデヒドの酸化による反応が促進され、最終的に二酸化炭素11と水10に分解される。分解反応を促進するために、実施例2と同様にフィルター温度を200℃程度に昇温しておいてもよい。本実施例においても、ホルムアルデヒドは酸化分解されるため、長時間使用後も吸着能力の低下が生じていない。また、本実施例においても、排気側でオゾンは検出されなかった。
なお、カーボンナノワイヤー上への半径10nm程度のAg微粒子の形成は、以下に述べる気相成長法でも可能であった。すなわち、上流に蒸発部、下流に反応部を有する石英製反応管の反応部側に基板1を配置し、あらかじめAr流量2リットル/minを流しながら、蒸発部と反応部をそれぞれ、1000℃と600℃に加熱した。次に、市販のAgCl原料を搭載した石英ボートを該蒸発部側に挿入すると微粒子が煤状に発生し、反応部に到達するのが観察された。なお、AgClの搭載量は反応部において得られるAgの実効的な蒸着厚が10nmとなるように設定した。AgClの蒸発が終了したのち、H2ガス2リットル/minのガス流に切り替え、反応部を700℃に加熱することにより、粒径10nm程度のAg微粒子が得られた。
実施例4に係る本発明の気体清浄装置の構成を図3により説明する。本実施例の気体清浄装置の構造と製造方法は実施例1とほとんど同様であるが、導電性繊維がその表面に金属からなる酸化触媒としてPtの微粒子を担持して構成されており、かつ導入ガスがホルムアルデヒド8を0.1ppm、酸素9、図3には示さないが窒素、同じく図には示さないがトルエン0.2ppm、及び一酸化炭素を0.1ppm含む点、更に、フィルター動作の評価実験において基板1を300℃に設定した点が異なっている。カーボンナノワイヤーを全面に成長させた基板1の形成、および紫外線照射による表面処理は実施例1と同様に行った。酸化触媒の微粒子は、Ptを公知の方法により金属塩を還元する方法で形成した。濃度5mMのNa2PtCl4溶液500ccと同量のエタノールを加えた処理液に表面処理後の基板1を3分間浸漬したのち、エタノール水で洗浄し、更に窒素ガス中で乾燥し500℃で熱処理することにより、Pt微粒子を形成した。カーボンナノワイヤー上に形成されたPt微粒子は、カーボンナノワイヤーをほぼ全面的に被うように形成され、その平均半径は約4nmであった。表4は、実施例1と同様な方法で行なったフィルター動作の評価の結果を示す。但し、双極子モーメントの小さい一酸化炭素も対象となるため、印加電圧は200Vに高めた。また、トルエン、及び一酸化炭素の濃度はガスクロマトグラフィー法で評価した。
Figure 2006095429
電圧200Vを印加した場合、Pt微粒子で被われたカーボンナノワイヤーには有極性分子のホルムアルデヒド8、トルエン、及び一酸化炭素が電界吸着されるが、熱的なエネルギーと付加的な小さな静電エネルギーをもった酸素9も、その存在量が多いために頻繁に到来し、酸化触媒との作用によりホルムアルデヒド、トルエン、及び一酸化炭素の酸化による反応が促進され、最終的に二酸化炭素11と水10に分解される。フィルター温度を300℃程度に昇温しているために、分解反応が促進される。本実施例の構成により、ホルムアルデヒド、トルエンに加え、その他のVOC、COなども分離が可能であった。本実施例においても、ホルムアルデヒド、およびVOCは酸化分解され、また一酸化炭素は二酸化炭素に酸化されるため、長時間使用後も吸着能力の低下が生じていない。また、本実施例においても、排気側でオゾンは検出されなかった。
実施例5に係る本発明の気体清浄装置の構成は図3と同様である。本実施例の気体清浄装置の構造と製造方法は実施例1とほとんど同様であるが、導電性繊維がその表面に実施例3、4とは違った酸化触媒として酸化物微粒子を担持して構成されている点が異なっている。本実施例では光触媒であるアナターゼ型酸化チタンをカーボンナノワイヤーの上に公知のCVD方法により形成した。
すなわち、カーボンナノワイヤーを全面に成長させた基板1を実施例1と同様な方法で形成したのち、実施例3と同様に、大気圧下で紫外線を照射し、カーボンナノワイヤーの表面処理を行った。その後、該基板をCVDチャンバーに導入し真空に排気したのち、流量100cc/minの窒素ガスを流しながら、300℃に昇温し10分間熱処理を行なった。CVD原料にはTTIP(titanium tetra−isopropoxide)を用いた。TTIP容器を80℃に加熱し、キャリアーガスとして用いる流量100cc/minの窒素ガスをバブリングさせることにより原料をCVDチャンバーに導入し、室温で5分間のCVD成長を行った。その後、雰囲気を大気圧のドライエアーに切り替え、500℃で15分間の焼成を行った。カーボンナノワイヤー上に形成された酸化チタン微粒子は、カーボンナノワイヤーをほぼ全面的に被うように形成され、その平均半径は約6nmであった。表5は、実施例1と同様な方法で行なったフィルター動作の評価の結果を示す。本実施例においては、形成された酸化チタン微粒子の光触媒効果を見るために、フィルターの外枠又は配管に図3には示さないが、紫外線を外部から導入するための石英窓を設けた。紫外線光源はPhilips製,8WのUV蛍光管を用い、波長356nm、照射量100mW/cm2の紫外光を、光導入窓から照射した。
Figure 2006095429
実施例1と同様に、電圧30Vを印加した場合、酸化チタン微粒子で被われたカーボンナノワイヤーには有極性分子のホルムアルデヒド8が電界吸着されるが、熱的なエネルギーと付加的な小さな静電エネルギーをもった酸素9も、その存在量が多いために、これに頻繁に到来し、紫外線照射下では光触媒との作用によりホルムアルデヒドの酸化による反応が促進され、最終的に二酸化炭素11と水10に分解される。分解反応を促進するために、実施例と同様にフィルター温度を200℃程度に昇温しておいてもよい。本実施例ではホルムアルデヒドは酸化分解されるため、長時間使用後も吸着能力の低下が生じていない。
なお、カーボンファイバー上への酸化チタン微粒子の形成はゾルゲル法によっても可能である。すなわち、TTIP1mL、硝酸0.5mL、純水0.1mL量、イソプロパノール32.7mLからなる溶液を窒素雰囲気中で2時間攪拌後、しばらく放置したのち、基板1を浸漬し、およそ0.5mm/secの速度で溶液から取り出し、その後、大気中で400℃・2時間程度焼成する方法によっても形成できる。
図4は、実施例6に係る本発明の気体清浄装置の構成を示す図である。本実施例の気体清浄装置の構造と製造方法は実施例2とほとんど同様であるが、以下の点が異なっている。すなわち、第1の導電性繊維として予め、導電性を有する太さ60ミクロンの活性炭繊維12を不織布状にした厚さ約1mmの市販シートを基板1上にAgペーストなどを用いて接着・乾燥させた後、実施例1と同様な方法で、日本ペイント製のNiコロイドペーストを、アセトン溶媒を用いて展開し、粒径3〜5nmのNi微粒子が高密度で分散された活性炭繊維表面を形成した。その後、実施例1で示したプラズマCVD法によりカーボンナノワイヤー4を形成した。本実施例でのフィルター動作の評価は、導入ガスに飽和濃度に対して10%の水分子10を含ませ、かつフィルターを200℃に昇温して使用するなど、実施例2と同様な方法で行なった。フィルター動作の評価の結果を表6に示す。
Figure 2006095429
本実施例では、実施例2と同様に、水分子が多量に存在するが有極性分子であるため、その一部はホルムアルデヒド8と同様に、図4の水分子10のように導電性繊維表面に捕捉され、残りは補足されずに水分子10のように、酸素分子9などとともに排気側に達する。強電界下において、導電性繊維表面に電界吸着した水分子10は、水酸基OH−、又はヒドロキシラジカルOH・の状態でホルムアルデヒドに作用し、ホルムアルデヒドを酸化する作用により蟻酸を生じる。発生した蟻酸は200℃のフィルター温度により二酸化炭素11と水素12に分解する。本実施例においては、導電性繊維表面におけるホルムアルデヒドは、分解が進むため吸着サイトが飽和することはなく、長時間経過後も初期の性能を維持できた。本実施例は、カーボンナノワイヤーの比表面積が遥かに大きいため、実施例2に比べて高いフィルター能力が得られる。また、本実施例においても、排気側でオゾンは検出されなかった。
なお、以上の実施例では、主にホルムアルデヒド、トルエン等の減少を液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーで調べているが、他のVOCについてもガスクロマトグラフィー等公知の方法でフィルター性能を検証することができる。また、フィルター反応に伴って発生する二酸化炭素については、試験ガスとしてホルムアルデヒドを含む高純度ドライエアーと質量分析などの方法を組み合わせることにより反応を検証できることは言うまでもない。
また、上記の実施例では基板として単純な円筒構造を用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、数μm〜数100μm径の微小な円筒状空洞が多数、平行に配列されたハニカム構造体の空洞内面にカーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー、又は種々の材質又はサイズの金属ワイヤーなどを形成し、電圧を印加することにより、本発明の導電性繊維を含む空間に存在する電界を用いるフィルターを構成することができる。
更に、本発明の気体清浄装置は、kVといった高い電圧を必要とせず、また、基板の選択によりフレキシブルな形状を取ることができ、また圧損が少ない特徴がある。更に、ホルムアルデヒドなどの除去性能に優れ、長寿命の使用が可能であり、空気清浄機、エアコンなどに有効に適用できる性能を有している。
本発明の実施例1の気体清浄装置の構成を示す。 本発明の実施例2の気体清浄装置の構成を示す。 本発明の実施例3、4、5の気体清浄装置の構成を示す。 本発明の実施例6の気体清浄装置の構成を示す。
符号の説明
1.基板
2.導電性薄膜
3.触媒微粒子
4.導電性ナノワイヤー又はナノチューブ
5.フィルターの外枠又は配管
6.絶縁層
7.ガス導入側
7a.ガス排気側
8.酸素分子
9.ホルムアルデヒド分子
10.水分子
11.二酸化炭素
12.水素
13.DC電源
14.接地電位

Claims (13)

  1. 導電性基体上に複数の導電性繊維を設けたフィルターと、導電性基体に電圧を加えることによって導電性繊維の周囲に電界を形成する電界形成手段とを備えてなることを特徴とする気体清浄装置。
  2. 導電性繊維が、炭素系繊維からなる請求項1に記載の装置。
  3. 炭素系繊維は、カーボンナノチューブ又はカーボンナノワイヤーからなる請求項2に記載の装置。
  4. 炭素系繊維は、カーボンナノチューブ又はカーボンナノワイヤーが表面に形成されたカーボンファイバーからなることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  5. 導電性繊維は、太さが0.1ミクロン以下の繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 導電性繊維は、太さが異なる複数種の繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の装 置。
  7. 電界形成手段は、フィルターの周囲の電界を一時的に消失させる機能を有する請求項1に記載の装置。
  8. フィルターを再生させる機能を有する請求項1に記載の装置。
  9. 導電性繊維に水分子を吸着可能である請求項1に記載の装置。
  10. フィルターを加熱する加熱手段をさらに備える請求項1に記載の装置。
  11. 導電性繊維は、触媒薄膜又は触媒微粒子を表面に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  12. 触媒薄膜又は触媒微粒子は、金属を含むことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 触媒薄膜又は触媒微粒子は、酸化物を含むことを特徴とする請求項11に記載の装置。
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