JP2002173308A - カーボンナノチューブ - Google Patents
カーボンナノチューブInfo
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- JP2002173308A JP2002173308A JP2000368406A JP2000368406A JP2002173308A JP 2002173308 A JP2002173308 A JP 2002173308A JP 2000368406 A JP2000368406 A JP 2000368406A JP 2000368406 A JP2000368406 A JP 2000368406A JP 2002173308 A JP2002173308 A JP 2002173308A
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- carbon nanotube
- spinning
- carbon
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】安価な固相法で得られ且つ大量生産可能であ
り、しかも、外径のコントロールが出来る、新規なカー
ボンナノチューブを提供する。 【解決手段】炭素前駆体樹脂を原料とし且つ500〜3
000℃にて0.5〜24時間保持することにより炭素
化され、外径が200nm未満であることを特徴とする
カーボンナノチューブ。
り、しかも、外径のコントロールが出来る、新規なカー
ボンナノチューブを提供する。 【解決手段】炭素前駆体樹脂を原料とし且つ500〜3
000℃にて0.5〜24時間保持することにより炭素
化され、外径が200nm未満であることを特徴とする
カーボンナノチューブ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーボンナノチュー
ブに関する。
ブに関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンナノチューブは、電子放出材
料、水素吸蔵用材料、吸着濾過材料などに使用される。
ここで言うカーボンナノチューブとは外径がnmサイズ
の中空状の炭素繊維である。
料、水素吸蔵用材料、吸着濾過材料などに使用される。
ここで言うカーボンナノチューブとは外径がnmサイズ
の中空状の炭素繊維である。
【0003】従来、カーボンナノチューブは、主とし
て、Fe、Co、Ni等の遷移金属触媒を使用した気相
合成法により製造されている。気相合成法には、アーク
放電法、レーザー蒸発法、熱CVD法などがある。アー
ク放電法は、例えば、特開平7−165406号公報、
特開平7−197325号公報などに提案され、レーザ
ー蒸発法は、例えば特開平10−273308号公報な
どに提案され、熱CVD法は、例えば、特公平3−64
606号公報、特公平3−77288号公報などに提案
されている。
て、Fe、Co、Ni等の遷移金属触媒を使用した気相
合成法により製造されている。気相合成法には、アーク
放電法、レーザー蒸発法、熱CVD法などがある。アー
ク放電法は、例えば、特開平7−165406号公報、
特開平7−197325号公報などに提案され、レーザ
ー蒸発法は、例えば特開平10−273308号公報な
どに提案され、熱CVD法は、例えば、特公平3−64
606号公報、特公平3−77288号公報などに提案
されている。
【0004】しかしながら、上記の気相合成法は、カー
ボンナノチューブの外径のコントロールが出来ないばか
りか大量生産に向かない。
ボンナノチューブの外径のコントロールが出来ないばか
りか大量生産に向かない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
な固相法で得られ且つ大量生産可能であり、しかも、外
径のコントロールが出来る、新規なカーボンナノチュー
ブを提供することにある。
な固相法で得られ且つ大量生産可能であり、しかも、外
径のコントロールが出来る、新規なカーボンナノチュー
ブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、炭素前駆体樹脂を原料とし且つ500〜3000℃
にて0.5〜24時間保持することにより炭素化され、
外径が200nm未満であることを特徴とするカーボン
ナノチューブに存する。
は、炭素前駆体樹脂を原料とし且つ500〜3000℃
にて0.5〜24時間保持することにより炭素化され、
外径が200nm未満であることを特徴とするカーボン
ナノチューブに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のカーボンナノチューブは
次の様にして製造することが出来る。
次の様にして製造することが出来る。
【0008】先ず、炭素前駆体樹脂を熱処理により分解
消失するポリマーから成るコア粒子に被覆させる。
消失するポリマーから成るコア粒子に被覆させる。
【0009】上記の炭素前駆体樹脂としては、例えば、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニ
トリル、ポリイミド、ポリアミド、フェノール樹脂など
が挙げられ、更に、フェノール樹脂としては、レゾール
型、ノボラック型などが挙げられる。
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニ
トリル、ポリイミド、ポリアミド、フェノール樹脂など
が挙げられ、更に、フェノール樹脂としては、レゾール
型、ノボラック型などが挙げられる。
【0010】上記の熱処理により分解消失するポリマー
とは、後述する炭素化の熱処理条件において、昇温と共
に分解してガス化するポリマーを意味する。すなわち、
分解温度が炭素化の熱処理温度より低いポリマーであれ
ばよい。斯かるポリマーの具体例としては、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン等のオレフィン
系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のポリアルキ
ルアクリレート、ポリオキシメチレン等の異原子分子を
含むポリマー等が挙げられ、好ましくは高密度ポリエチ
レン樹脂である。
とは、後述する炭素化の熱処理条件において、昇温と共
に分解してガス化するポリマーを意味する。すなわち、
分解温度が炭素化の熱処理温度より低いポリマーであれ
ばよい。斯かるポリマーの具体例としては、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン等のオレフィン
系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のポリアルキ
ルアクリレート、ポリオキシメチレン等の異原子分子を
含むポリマー等が挙げられ、好ましくは高密度ポリエチ
レン樹脂である。
【0011】前記のコア粒子は上記の様なポリマーから
形成され、コア粒子の製造には公知の方法を適用するこ
とが出来る。例えば、ポリマーを溶媒に溶解させてスプ
レードライヤーで処理して粒子化する方法、高速気流中
で行なわれる衝撃法などが挙げられる。コア粒子の直径
を制御することにより、カーボンナノチューブの外径を
コントロールすることが出来る。
形成され、コア粒子の製造には公知の方法を適用するこ
とが出来る。例えば、ポリマーを溶媒に溶解させてスプ
レードライヤーで処理して粒子化する方法、高速気流中
で行なわれる衝撃法などが挙げられる。コア粒子の直径
を制御することにより、カーボンナノチューブの外径を
コントロールすることが出来る。
【0012】コア粒子の製造の際、ポリマーを溶解させ
るのに使用する溶媒は、ポリマーの種類により適宣選択
される。上記のポリマーの場合は、例えば、トルエン、
キシレン、テトラヒドロフラン、DMSO、n-メチル
ピロリドン等が使用される。これらの中ではトルエンが
好適である。また、カーボンナノチューブの細径化の観
点からコア粒子を小径化するのが好ましい。具体的に
は、コア粒子の直径は、通常0.01〜100μm、好
ましくは0.05〜50μmである。斯かる小径化され
たコア粒子は、上記の溶液から粒子化する際に溶液濃度
を調節することにより得ることが出来る。溶液濃度は、
通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下とされ
る。通常、その下限は0.001重量%である。
るのに使用する溶媒は、ポリマーの種類により適宣選択
される。上記のポリマーの場合は、例えば、トルエン、
キシレン、テトラヒドロフラン、DMSO、n-メチル
ピロリドン等が使用される。これらの中ではトルエンが
好適である。また、カーボンナノチューブの細径化の観
点からコア粒子を小径化するのが好ましい。具体的に
は、コア粒子の直径は、通常0.01〜100μm、好
ましくは0.05〜50μmである。斯かる小径化され
たコア粒子は、上記の溶液から粒子化する際に溶液濃度
を調節することにより得ることが出来る。溶液濃度は、
通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下とされ
る。通常、その下限は0.001重量%である。
【0013】炭素前駆体樹脂をコア粒子に被覆させる方
法としては、公知の被覆方法を適用すればよく、例え
ば、炭素前駆体樹脂の溶液中にコア粒子を分散させてス
プレードライヤーで処理して溶媒を乾燥除去する方法な
どが挙げられる。この際、炭素前駆体樹脂とコア粒子の
配合量を制御することによりカーボンナノチューブの壁
厚をコントロールすることが出来る。なお、炭素前駆体
樹脂の溶液の調製の際に使用する溶媒は、炭素前駆体樹
脂の種類により適宣選択される。上記の炭素前駆体樹脂
の場合は、メタノール、エタノール、エチレングリコー
ル等のアルコール類、アセトン、ジオキサン等のケトン
類が使用される。これらの中ではメタノールが好適であ
る。
法としては、公知の被覆方法を適用すればよく、例え
ば、炭素前駆体樹脂の溶液中にコア粒子を分散させてス
プレードライヤーで処理して溶媒を乾燥除去する方法な
どが挙げられる。この際、炭素前駆体樹脂とコア粒子の
配合量を制御することによりカーボンナノチューブの壁
厚をコントロールすることが出来る。なお、炭素前駆体
樹脂の溶液の調製の際に使用する溶媒は、炭素前駆体樹
脂の種類により適宣選択される。上記の炭素前駆体樹脂
の場合は、メタノール、エタノール、エチレングリコー
ル等のアルコール類、アセトン、ジオキサン等のケトン
類が使用される。これらの中ではメタノールが好適であ
る。
【0014】次いで、炭素前駆体樹脂が被覆されたコア
粒子(マイクロカプセル)を加熱により分解消失するマ
トリックス用ポリマー中に分散させて溶融紡糸する。
粒子(マイクロカプセル)を加熱により分解消失するマ
トリックス用ポリマー中に分散させて溶融紡糸する。
【0015】上記の加熱により分解消失するマトリック
ス用ポリマーとは、後述する炭素化の熱処理条件におい
て分解消失するポリマーを意味する。すなわち、分解温
度が炭素化温度より低いポリマーであればよい。斯かる
ポリマーの代表例としてはポリエチレン樹脂が挙げら
れ、紡糸性などを考慮すると、高密度ポリエチレン等の
側鎖の少ない直鎖タイプの高分子量のポリエチレン樹脂
が好ましい。
ス用ポリマーとは、後述する炭素化の熱処理条件におい
て分解消失するポリマーを意味する。すなわち、分解温
度が炭素化温度より低いポリマーであればよい。斯かる
ポリマーの代表例としてはポリエチレン樹脂が挙げら
れ、紡糸性などを考慮すると、高密度ポリエチレン等の
側鎖の少ない直鎖タイプの高分子量のポリエチレン樹脂
が好ましい。
【0016】マトリックス用ポリマー中へのマイクロカ
プセルの分散割合は、マトリックス用ポリマー100重
量部に対し、通常10〜80重量部、好ましくは20〜
70重量部とされる。通常、上記の分散処理にはドライ
ブレンド法が採用される。
プセルの分散割合は、マトリックス用ポリマー100重
量部に対し、通常10〜80重量部、好ましくは20〜
70重量部とされる。通常、上記の分散処理にはドライ
ブレンド法が採用される。
【0017】溶融紡糸は常法に従って行なわれる。溶融
紡糸により、マトリックス用ポリマーが繊維軸方向に延
伸されるため、マトリックス用ポリマー中のマイクロカ
プセル(炭素前駆体樹脂)も細い繊維状に引き延ばされ
る。この際、延伸率を制御することにより、カーボンナ
ノチューブの外径や壁厚をコントロールすることが出来
る。溶融紡糸の条件は特に制限されないが、通常の条件
として、ノズル口径は0.01〜5mm程度、紡糸速度
は20〜5000m/分程度、紡糸温度は40〜400
℃程度である。そして、これらの紡糸条件は、後述する
原料成分の紡糸特性を考慮して適宜決定される。
紡糸により、マトリックス用ポリマーが繊維軸方向に延
伸されるため、マトリックス用ポリマー中のマイクロカ
プセル(炭素前駆体樹脂)も細い繊維状に引き延ばされ
る。この際、延伸率を制御することにより、カーボンナ
ノチューブの外径や壁厚をコントロールすることが出来
る。溶融紡糸の条件は特に制限されないが、通常の条件
として、ノズル口径は0.01〜5mm程度、紡糸速度
は20〜5000m/分程度、紡糸温度は40〜400
℃程度である。そして、これらの紡糸条件は、後述する
原料成分の紡糸特性を考慮して適宜決定される。
【0018】次いで、上記で得られた繊維を不融化処理
する。不融化処理としては、特に制限されずに一般的な
方法を採用し得る。例えばフェノール樹脂の場合の不融
化処理としては、未硬化の繊維を酸性触媒とアルデヒド
類(硬化溶液)で硬化する一般的方法でよい。斯かる方
法は、炭素前駆体樹脂がフェノール樹脂(フェノール樹
脂ブレンドポリマー繊維)の場合に好適であり、上記の
酸性触媒としては、例えば、塩酸、りん酸、硫酸など、
上記のアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、テトラオキ
サン等が使用される。
する。不融化処理としては、特に制限されずに一般的な
方法を採用し得る。例えばフェノール樹脂の場合の不融
化処理としては、未硬化の繊維を酸性触媒とアルデヒド
類(硬化溶液)で硬化する一般的方法でよい。斯かる方
法は、炭素前駆体樹脂がフェノール樹脂(フェノール樹
脂ブレンドポリマー繊維)の場合に好適であり、上記の
酸性触媒としては、例えば、塩酸、りん酸、硫酸など、
上記のアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、テトラオキ
サン等が使用される。
【0019】具体的には、例えば、フェノール樹脂ブレ
ンドポリマー繊維をホルマリンと塩酸を主成分とする溶
液に浸漬し、アンモニアで中和してから十分に水洗し、
加熱乾燥すればよい。また、アルデヒド類の混合水溶液
中で未硬化のフェノール樹脂ブレンドポリマー繊維の外
層部分を予備硬化後、アンモニア、ヘキサメチレンテト
ラミン、尿素、水酸化カリウム等の塩基性触媒と上記の
アルデヒド類との混合水溶液に浸漬して繊維の内部まで
に更に硬化を行ってもよい。
ンドポリマー繊維をホルマリンと塩酸を主成分とする溶
液に浸漬し、アンモニアで中和してから十分に水洗し、
加熱乾燥すればよい。また、アルデヒド類の混合水溶液
中で未硬化のフェノール樹脂ブレンドポリマー繊維の外
層部分を予備硬化後、アンモニア、ヘキサメチレンテト
ラミン、尿素、水酸化カリウム等の塩基性触媒と上記の
アルデヒド類との混合水溶液に浸漬して繊維の内部まで
に更に硬化を行ってもよい。
【0020】次いで、上記の不融化処理された繊維を高
温で焼成することにより炭素化処理する。一般に炭素化
処理は窒素雰囲気下にて行われ、通常500〜3000
℃(好ましくは600〜2500℃)にて通常0.5〜
24時間(好ましくは0.5〜10時間)保持して行な
われる。焼成時の昇温速度は、通常0.1〜20℃/m
in(好ましくは1〜10℃/min)である。
温で焼成することにより炭素化処理する。一般に炭素化
処理は窒素雰囲気下にて行われ、通常500〜3000
℃(好ましくは600〜2500℃)にて通常0.5〜
24時間(好ましくは0.5〜10時間)保持して行な
われる。焼成時の昇温速度は、通常0.1〜20℃/m
in(好ましくは1〜10℃/min)である。
【0021】本発明のカーボンナノチューブは、上記の
様に、炭素前駆体樹脂(a)を熱処理により分解消失す
るポリマー(b)から成るコア粒子に被覆させ、加熱に
より分解消失するマトリックス用ポリマー(c)中に分
散させて溶融紡糸し、次いで、得られた繊維を必要に応
じて不融化した後に炭素化して得られるが、上記の各原
料成分(a)〜(c)のそれぞれが上記の溶融紡糸で採
用するのと同一条件(実際の溶融紡糸条件)で溶融紡糸
した際に5cm以上の長さに紡糸可能な紡糸特性を備え
ていることが好ましい。
様に、炭素前駆体樹脂(a)を熱処理により分解消失す
るポリマー(b)から成るコア粒子に被覆させ、加熱に
より分解消失するマトリックス用ポリマー(c)中に分
散させて溶融紡糸し、次いで、得られた繊維を必要に応
じて不融化した後に炭素化して得られるが、上記の各原
料成分(a)〜(c)のそれぞれが上記の溶融紡糸で採
用するのと同一条件(実際の溶融紡糸条件)で溶融紡糸
した際に5cm以上の長さに紡糸可能な紡糸特性を備え
ていることが好ましい。
【0022】すなわち、カーボンナノチューブの細径化
を図り、得られるカーボンナノチューブの外径を200
nm未満にするには、3つの原料成分(a)〜(c)と
して、上記で規定する良好な紡糸特性を有する各原料成
分を選択的して使用するのが好ましい。これにより、溶
融紡糸の際、マトリックス用ポリマー及びその中のマイ
クロカプセル(炭素前駆体樹脂およびコア粒子)の全て
が繊維軸方向へ極めて良好に延伸されて細径化が図られ
る。上記の紡糸特性における紡糸長さは好ましくは10
cm以上である。
を図り、得られるカーボンナノチューブの外径を200
nm未満にするには、3つの原料成分(a)〜(c)と
して、上記で規定する良好な紡糸特性を有する各原料成
分を選択的して使用するのが好ましい。これにより、溶
融紡糸の際、マトリックス用ポリマー及びその中のマイ
クロカプセル(炭素前駆体樹脂およびコア粒子)の全て
が繊維軸方向へ極めて良好に延伸されて細径化が図られ
る。上記の紡糸特性における紡糸長さは好ましくは10
cm以上である。
【0023】そして、上記の実際の溶融紡糸条件は、各
原料成分の紡糸特性を考慮して決定される。具体的に
は、前述した実際の溶融紡糸条件(ノズル口径、紡糸速
度、紡糸温度など)の範囲から、各原料成分の紡糸特性
を測定し、各原料成分が上記の紡糸特性(5cm以上の
紡糸長さ)を達成し得る共通の範囲が実際の溶融紡糸条
件として選択される。上記の条件を満足する原料成分の
組み合せの一例は、原料成分(a):レゾール型フェノ
ール樹脂、原料成分(b)及び(c):高密度ポリエチ
レンである。なお、フェノール樹脂についての上記の紡
糸長さは、未硬化で使用する場合は、未硬化フェノール
樹脂についての測定値である。
原料成分の紡糸特性を考慮して決定される。具体的に
は、前述した実際の溶融紡糸条件(ノズル口径、紡糸速
度、紡糸温度など)の範囲から、各原料成分の紡糸特性
を測定し、各原料成分が上記の紡糸特性(5cm以上の
紡糸長さ)を達成し得る共通の範囲が実際の溶融紡糸条
件として選択される。上記の条件を満足する原料成分の
組み合せの一例は、原料成分(a):レゾール型フェノ
ール樹脂、原料成分(b)及び(c):高密度ポリエチ
レンである。なお、フェノール樹脂についての上記の紡
糸長さは、未硬化で使用する場合は、未硬化フェノール
樹脂についての測定値である。
【0024】本発明のカーボンナノチューブは、例えば
前記製造方法で得られるが、炭素前駆体樹脂を原料とし
且つ500〜3000℃にて0.5〜24時間、好まし
くは1〜10時間保持することにより炭素化され、そし
て、外径が200nm未満であることを特徴とする。
前記製造方法で得られるが、炭素前駆体樹脂を原料とし
且つ500〜3000℃にて0.5〜24時間、好まし
くは1〜10時間保持することにより炭素化され、そし
て、外径が200nm未満であることを特徴とする。
【0025】すなわち、本発明のカーボンナノチューブ
は、従来の気相合成法により製造されたカーボンナノチ
ューブに比し、原料と処理温度によって結晶化度の制御
が可能であるという特徴を有する。そして、斯かる結晶
化度は上記の焼成条件によって規定される。
は、従来の気相合成法により製造されたカーボンナノチ
ューブに比し、原料と処理温度によって結晶化度の制御
が可能であるという特徴を有する。そして、斯かる結晶
化度は上記の焼成条件によって規定される。
【0026】本発明のカーボンナノチューブは炭素前駆
体であるフェノール樹脂またはポリアクリロニトリルを
焼成したものであることが好ましい。そして、前述の製
造方法による場合は、適切な原料の組み合せによってカ
ーボンナノチューブの細径化を図った上、更に、コア粒
子の粒子径や炭素前駆体樹脂とコア粒子の配合量を制御
することにより、カーボンナノチューブの外径をコント
ロールすることが出来る。
体であるフェノール樹脂またはポリアクリロニトリルを
焼成したものであることが好ましい。そして、前述の製
造方法による場合は、適切な原料の組み合せによってカ
ーボンナノチューブの細径化を図った上、更に、コア粒
子の粒子径や炭素前駆体樹脂とコア粒子の配合量を制御
することにより、カーボンナノチューブの外径をコント
ロールすることが出来る。
【0027】すなわち、本発明のカーボンナノチューブ
の外径は1〜100nmであることが好ましく、斯かる
外径のカーボンナノチューブは、ポリマブレンド法では
得られておらずに新規であり、しかも、容易に大量生産
が可能である。
の外径は1〜100nmであることが好ましく、斯かる
外径のカーボンナノチューブは、ポリマブレンド法では
得られておらずに新規であり、しかも、容易に大量生産
が可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
【0029】実施例1 <コア粒子の調製>沸騰したトルエン中に高密度ポリエ
チレン樹脂を0.3重量%濃度となる様に溶解した後、
スプレードライヤーを使用して粒子化した。得られたコ
ア粒子の直径は約0.5〜5μmであった。
チレン樹脂を0.3重量%濃度となる様に溶解した後、
スプレードライヤーを使用して粒子化した。得られたコ
ア粒子の直径は約0.5〜5μmであった。
【0030】<マイクロカプセルの調製>炭素前駆体樹
脂としてレゾール型フェノール樹脂を使用した。レゾー
ル型フェノール樹脂を室温でメタノールに2.4g/L
となる様に溶解し、次いで、3.7g/Lとなる様にコ
ア粒子を室温で添加して1時間超音波分散処理した。そ
の後、20時間強力攪拌した後、スプレードライヤーで
処理し、レゾール型フェノール樹脂で被覆されたコア粒
子(マイクロカプセル)を得た。
脂としてレゾール型フェノール樹脂を使用した。レゾー
ル型フェノール樹脂を室温でメタノールに2.4g/L
となる様に溶解し、次いで、3.7g/Lとなる様にコ
ア粒子を室温で添加して1時間超音波分散処理した。そ
の後、20時間強力攪拌した後、スプレードライヤーで
処理し、レゾール型フェノール樹脂で被覆されたコア粒
子(マイクロカプセル)を得た。
【0031】<マイクロカプセルのマトリックス用ポリ
マー中への分散>マトリックス用ポリマーとして高密度
ポリエチレン樹脂を使用した。上記のマイクロカプセル
と高密度ポリエチレン樹脂とを4:6重量比で混合し
た。混合は125℃でドライブレンド法で行い、その
際、通常の粉体混合機を使用した。
マー中への分散>マトリックス用ポリマーとして高密度
ポリエチレン樹脂を使用した。上記のマイクロカプセル
と高密度ポリエチレン樹脂とを4:6重量比で混合し
た。混合は125℃でドライブレンド法で行い、その
際、通常の粉体混合機を使用した。
【0032】<溶融紡糸>上記で得られたマイクロカプ
セルとマトリックス用ポリマー(高密度ポリエチレン樹
脂)との混合物を溶融紡糸した。紡糸装置のノズル口径
は1mm、紡糸温度は130〜135℃であった。
セルとマトリックス用ポリマー(高密度ポリエチレン樹
脂)との混合物を溶融紡糸した。紡糸装置のノズル口径
は1mm、紡糸温度は130〜135℃であった。
【0033】<不融化>上記で得られた繊維を硬化溶液
(ホルマリン:50重量%、塩酸:50重量%の水溶
液)に0.5℃/min.の速度で通過させた後、10
5℃で24時間保持して不融化し、アンモニアで中和し
てから十分に水洗し、60℃で24時間乾燥した。
(ホルマリン:50重量%、塩酸:50重量%の水溶
液)に0.5℃/min.の速度で通過させた後、10
5℃で24時間保持して不融化し、アンモニアで中和し
てから十分に水洗し、60℃で24時間乾燥した。
【0034】<炭素化>上記で得られた不融化繊維を窒
素雰囲気下において5℃/min.で昇温して900℃
で1時間保持して炭素化した。その結果、コア粒子(高
密度ポリエチレン樹脂)及びマトリックス用ポリマー
(高密度ポリエチレン樹脂)の何れもが分解して消失
し、フェノール樹脂から形成されたカーボンナノチュー
ブが得られた。カーボンナノチューブの平均サイズは、
直径が40nm、口径が20nm、壁厚が10nm、全
長は長いものが1.7μmであった。図1に平均的なー
ボンナノチューブのTEM写真(倍率9万倍)を示す。
なお、直径が約10nmの細いカーボンナノチューブも
観察された。図2に細いカーボンナノチューブのTEM
写真(倍率30万倍)を示す。
素雰囲気下において5℃/min.で昇温して900℃
で1時間保持して炭素化した。その結果、コア粒子(高
密度ポリエチレン樹脂)及びマトリックス用ポリマー
(高密度ポリエチレン樹脂)の何れもが分解して消失
し、フェノール樹脂から形成されたカーボンナノチュー
ブが得られた。カーボンナノチューブの平均サイズは、
直径が40nm、口径が20nm、壁厚が10nm、全
長は長いものが1.7μmであった。図1に平均的なー
ボンナノチューブのTEM写真(倍率9万倍)を示す。
なお、直径が約10nmの細いカーボンナノチューブも
観察された。図2に細いカーボンナノチューブのTEM
写真(倍率30万倍)を示す。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、安価な固相法で得られ
且つ大量生産可能であり、しかも、外径のコントロール
が出来る、新規なカーボンナノチューブが提供され、本
発明の工業的価値は大きい。
且つ大量生産可能であり、しかも、外径のコントロール
が出来る、新規なカーボンナノチューブが提供され、本
発明の工業的価値は大きい。
【図1】実施例1で得られた平均的なーボンナノチュー
ブの図面代用TEM写真(倍率9万倍)
ブの図面代用TEM写真(倍率9万倍)
【図2】実施例1で得られた細いカーボンナノチューブ
の図面代用TEM写真(倍率30万倍)
の図面代用TEM写真(倍率30万倍)
Claims (3)
- 【請求項1】 炭素前駆体樹脂を原料とし且つ500〜
3000℃にて0.5〜24時間保持することにより炭
素化され、外径が200nm未満であることを特徴とす
るカーボンナノチューブ。 - 【請求項2】 炭素前駆体樹脂がフェノール樹脂である
請求項1記載のカーボンナノチューブ。 - 【請求項3】 外径が1〜100nmである請求項1又
は2に記載のカーボンナノチューブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000368406A JP2002173308A (ja) | 2000-12-04 | 2000-12-04 | カーボンナノチューブ |
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- 2000-12-04 JP JP2000368406A patent/JP2002173308A/ja not_active Withdrawn
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