JP2006092693A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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JP2006092693A JP2004279446A JP2004279446A JP2006092693A JP 2006092693 A JP2006092693 A JP 2006092693A JP 2004279446 A JP2004279446 A JP 2004279446A JP 2004279446 A JP2004279446 A JP 2004279446A JP 2006092693 A JP2006092693 A JP 2006092693A
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裕一郎 村山
Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
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Abstract

【課題】 走行耐久性、長期保存性に優れた磁気記録媒体を提供すること。また、優れた塗膜平滑性、電磁変換特性を有する磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】 非磁性支持体上に放射線硬化性化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層、及び、少なくとも1層の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記放射線硬化性化合物は環状構造を有し分子中に2つの放射線硬化官能基を有する化合物Aと、環状構造を有さず分子中に3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物Bを含むことを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた電磁変換特性及び耐久性を有する磁気記録媒体に関する。
オーディオ用、ビデオ用、コンピュータ用などのテープ状磁気記録媒体及びフレキシブルディスクなどのディスク状磁気記録媒体として、γ−酸化鉄、Co含有酸化鉄、酸化クロム、強磁性金属微粉末などの強磁性微粉末を結合剤中に分散させた磁性層を支持体上に設けた磁気記録媒体が用いられている。磁気記録媒体に用いられている支持体としては、一般にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが用いられている。これらの支持体は延伸し高度に結晶化されているため機械的強度が強く耐溶剤性に優れている。
強磁性微粉末を結合剤中に分散させた塗布液を支持体に塗布して得られる磁性層は、強磁性微粉末の充填度が高く破断伸びが小さく脆いため、機械的な力を加えることにより簡単に破壊され支持体から剥離することがある。そこで、支持体上に下塗り層を設けて、磁性層を支持体上に強く接着させることが行われている。
例えば、電子線などの放射線により硬化する官能基をもつ化合物、即ち放射線硬化性化合物として、2官能の脂肪族系化合物を用いて下塗り層を形成した磁気記録媒体が知られている(特許文献1〜4参照)。これらの脂肪族系化合物は硬化後の塗膜のガラス転移温度が高いもので40℃程度であり、下塗り層を塗布した後の塗布工程で粘着故障を起こすことがあるという問題があった。
これらの脂肪族系放射線硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル官能基を増やすことで粘着故障を防止することが可能である。しかし、多官能化すると硬化収縮が大きくなり平滑な塗膜が得られないことやポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの支持体との密着力が低くなり、十分な走行耐久性や電磁変換特性が得られないことがある。
一方、下塗り層に、環状構造を有する電子線硬化型化合物(特許文献5及び6参照)、フタル酸とポリエ−テルポリオ−ルからなる電子線硬化型化合物(特許文献7参照)を用いた例が知られている。特許文献6では、ジイソシアネ−ト化合物に電子線硬化官能基とイソシネ−トと反応する基をもつ化合物を反応させたものが用いられている。ジイソシアネ−ト化合物はトリレンジイソシアネ−トなどの芳香環を有するものである。特許文献5及び6に記載の化合物は、硬化後の塗膜が脆くなりやすく、支持体との密着が不十分になり走行時の磁性塗膜が脱落しやすい欠点がある。
また、特許文献7に記載の電子線硬化型化合物は、エステル化合物であるため加水分解する等の保存性での欠点があった。
近年、MR(磁気抵抗)を動作原理とする再生ヘッドが提案され、ハードディスク等で使用され始め、また、磁気テープへの応用が提案されている(特許文献8参照)。MRヘッドは誘導型磁気ヘッドに比較して数倍の再生出力が得られ、かつ誘導コイルを用いないため、インピーダンスノイズ等の機器ノイズが大幅に低下し、磁気記録媒体のノイズを下げることで大きなSN比を得ることが可能になってきた。換言すれば従来機器ノイズに隠れていた磁気記録媒体ノイズを小さくすれば良好な記録再生を行うことができ、高密度記録特性を飛躍的に向上させることができることになる。
ところがMRヘッドは微小な熱の影響を受けてノイズ(サーマルノイズ)を発生するという問題があり、特に、磁性層表面にある突起に当たるとその影響で突発的に且つ持続してノイズが増大するという問題があり、ディジタル記録の場合エラー補正が不可能なほどの問題を起こすことがある。このサーマルノイズの問題は、記録密度が0.5Gbit/inch2以上の記録信号を再生するシステムに供される磁気記録媒体において深刻となる。
このようなサーマルノイズを低減するには、磁性層の表面性を制御することが重要であり、そのための好適な手段が望まれていた。
特開昭60−133529号公報 特開昭60−133530号公報 特開昭60−150227号公報 特開平5−57647号公報 特開昭61−13430号公報 特開昭58−146023号公報 特開昭61−13430号公報 特開平8−227517号公報
本発明の目的は、走行耐久性、長期保存性に優れた磁気記録媒体を提供することであり、さらに、優れた塗膜平滑性、電磁変換特性を有する磁気記録媒体を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の(1)に記載の磁気記録媒体によって達成された。
(1)非磁性支持体上に放射線硬化性化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層、及び、少なくとも1層の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記放射線硬化性化合物は環状構造を有し分子中に2つの放射線硬化官能基を有する化合物Aと環状構造を有さず分子中に3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物Bを含むことを特徴とする磁気記録媒体。
本発明の磁気記録媒体の好ましい態様は、以下の通りである。
(2)化合物Aが式(1)または式(2)で示される化合物である(1)に記載の磁気記録媒体。
B1−(A1)n−X1−(A1’)n'−B1’ (1)
B2−(A2)m−X2−(A2’)m'−B2’ (2)
ここでX1は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
X2は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
A1及びA2は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
(ここで、A1及びA2は酸素原子でそれぞれX1及びX2に接続する。)
A1’及びA2’は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
(ここで、A1’及びA2’は酸素原子でそれぞれX1及びX2に接続する。)
B1、B2、B1’及びB2’は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
n、n’、m及びm’はそれぞれ独立に0〜4である。
(3)化合物Bが分子中に1つ以上のエーテル基を有する化合物である(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
本発明により、塗膜平滑性に優れ、高い電磁変換特性を有する磁気記録媒体を提供することができた。本発明の磁気記録媒体は、剥離強度が向上し、ドロップアウトが低減された。また、塗布工程での粘着故障がなく、保存性にも優れている。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に放射線硬化性化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層(本発明において、「下塗り層」ともいう。)及び、少なくとも1層の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記放射線硬化性化合物は環状構造を有し分子中に2つの放射線硬化官能基をもつ化合物Aと環状構造を有さず分子中に3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物Bを含むことを特徴とする。
これらの化合物は、放射線、例えば、電子線、紫外線などによるエネルギーが与えられると重合及び/または架橋して高分子化し、硬化する性質を有する。よって、放射線を照射しない限り、反応が進まないため、これらの化合物を含む塗布液は、放射線を照射しない限り、粘度が安定しているおり、高い塗膜平滑性を得ることができる。また、放射線による高いエネルギーにより、瞬時に反応が進み、高い塗膜強度を得ることができる。
本発明の磁気記録媒体の放射線硬化層には、放射線硬化性化合物として、環状構造を有し分子中に放射線硬化官能基を2つ有する化合物と、環状構造を有さず分子中に3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物を用いたものである。前記放射線硬化性化合物は、環状構造を有するので塗膜強度に優れ、塗布工程等でパスロールに張り付く故障を起こしにくい。一方、放射線硬化性化合物が環状構造を有すると、硬化性が低下することがあったが、本発明は環状構造をもたない3官能以上の(分子中に3つ以上の放射線硬化官能基を有する)化合物を併用することで、塗膜中に環状構造を有しても十分な硬化性を得ることができる。特に未反応成分を減らすことで長期保存での磁気記録媒体の耐久性に優れる。
また本発明の磁気記録材料に上記の異なる化学構造を有する化合物を併用することで放射線硬化層に適度な伸性を持たすことができ、支持体や磁性層との密着力が高く、工程や走行での磁性層エッジの脱落を抑制できる作用もあり耐久性に優れる。
支持体上に上記のように接続部分の構造が異なる2種の放射線硬化性化合物を塗設することで、優れた電磁変換特性を得ることもできる。これは磁気記録媒体用として一般的に知られているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド等の支持体表面の突起を埋めることができ、特に電磁変換特性への影響が大きいとされる支持体に含有されているフィラーに起因する微小な突起をなくし、下層や磁性層の微小な突起を減少させることで極めて平滑な磁気記録媒体を得ることができたためである。この作用は放射線硬化性化合物の粘度が比較的に低粘度であるので塗設したときのレベリング性に優れるために支持体表面の突起を埋める効果が大きいためと考えられる。
本発明に用いることができる環状構造を有し分子中に2つの放射線硬化官能基を有する化合物Aは、分子内に芳香環、脂環式骨格、環状エ−テル等の環構造をもちアクリロイル基やメタクリロイル基等の放射線硬化官能基を2つ有するものである。
放射線硬化官能基としては、メタクリロイル基やアクリロイル基が挙げられるが、アクリロイル基が好ましい。
化合物Aとしては、例えば環構造を有するジオールにアクリル酸やメタクリル酸を付加させて得られるものが挙げられる。また環構造を有するジオールにアクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させたウレタンアクリレートや、環構造を有するジカルボン酸にヒドロキシアクリレートやヒドロキシメタクリレートを反応させたポリエステルアクリレートを用いることもできる。
化合物Aは、式(1)または式(2)で示される化合物であることが好ましい。
B1−(A1)n−X1−(A1’)n'−B1’ 式(1)
B2−(A2)m−X2−(A2’)m'−B2’ 式(2)
ここでX1は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
X2は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
A1及びA2は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
(ここで、A1及びA2は酸素原子でそれぞれX1及びX2に接続する。)
A1’及びA2’は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
(ここで、A1’及びA2’は酸素原子でそれぞれX1及びX2に接続する。)
B1、B2、B1’及びB2’は下記群より選ばれ、
Figure 2006092693
n、n’、m及びm’はそれぞれ独立に0〜4である。
化合物Aとしては、具体的には以下の化合物が例示できる。
テトラヒドロフランジメタノールジアクリレート、テトラヒドロピランジメタノールジアクリレート、1,3−ジオキソラン−2−エタノール−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−β,β−ジメチルジアクリレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンジアクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキサンジアクリレート、テトラヒドロフランジメタノールジメタクリレート、テトラヒドロピランジメタノールジメタクリレート、1,3−ジオキソラン−2−エタノール−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−β,β−ジメチルジメタクリレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンジメタクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキサンジメタクリレート及びこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物等がある。
シクロヘキサンジメタノ−ルエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレ−ト、、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ヒドロキシビフェニルエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、水素化ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、水素化ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールPエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、水素化ビスフェノールPエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ジフェニルビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ジフェニルビスフェノールSエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ジフェニルビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、5,5”−(1−メチルエチリデン)ビス[(1、1’ビシクロヘキシル)−2オール]エチレンオキサイド付加物ジアクリレート、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルシクロヘキサノール)エチレンオキサイド付加物ジアクリレート、5,5”−シクロヘキシリデンビス[(1,1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]エチレンオキサイド付加物ジアクリレート、5,5”−シクロヘキシルメチレンビス[(1,1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]エチレンオキサイド付加物ジアクリレート、シクロヘキサンジメタノ−ルプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジアクリレ−ト、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ヒドロキシビフェニルプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、水素化ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、水素化ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールPプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、水素化ビスフェノールPプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ジフェニルビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ジフェニルビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ジフェニルビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、5,5”−(1−メチルエチリデン)ビス[(1、1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]プロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルシクロヘキサノール)プロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、5,5”−シクロヘキシリデンビス[(1,1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]プロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、5,5”−シクロヘキシルメチレンビス[(1,1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]プロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、シクロヘキサンジメタノ−ルエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジメタクリレ−ト、、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ヒドロキシビフェニルエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、水素化ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、水素化ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールPエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、水素化ビスフェノールPエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ジフェニルビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ジフェニルビスフェノールSエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ジフェニルビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、5,5”−(1−メチルエチリデン)ビス[(1、1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]エチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルシクロヘキサノール)エチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、5,5”−シクロヘキシリデンビス[(1,1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]エチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、5,5”−シクロヘキシルメチレンビス[(1,1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]エチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、シクロヘキサンジメタノ−ルプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレ−ト、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ヒドロキシビフェニルプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、水素化ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、水素化ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールPプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、水素化ビスフェノールPプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ジフェニルビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ジフェニルビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ジフェニルビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、5,5”−(1−メチルエチリデン)ビス[(1、1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]プロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルシクロヘキサノール)プロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、5,5”−シクロヘキシリデンビス[(1,1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]プロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、5,5”−シクロヘキシルメチレンビス[(1,1’−ビシクロヘキシル)−2−オール]プロピレンオキサイド付加物ジメタクリレートが挙げられる。
好ましくは、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキサンジアクリレート、テトラヒドロフランジメタノールジアクリレート、レート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンジアクリレート、シクロヘキサンジメタノ−ルエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレ−ト、、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ヒドロキシビフェニルエチレンオキサイド付加物ジアクリレートが挙げられる。
本発明に用いることができる環状構造を有さず、分子中に3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物Bは、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールやこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物にアクリル酸やメタクリル酸等の放射線硬化官能基及び有し多価アルコールと反応する基を有する化合物を反応させて得られる。
また、必要に応じて酢酸やプロピオン酸等を反応させることにより分子中の放射線硬化官能基数を調整することもできる。
化合物Bは3つ以上の放射線硬化官能基を有するが、放射線硬化官能基を3〜6つ有することが好ましい。3〜6つの放射線官能基を有すると、硬化時の体積収縮が少なく、十分な平滑性が得られるので好ましい。
また、放射線硬化官能基としては、メタクリロイル基やアクリロイル基が挙げられるが、アクリロイル基であることが好ましい。
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートにペンタエリスリトールトリアクリレート等のイソシアネート基と反応する基及び3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物を反応させたウレタンアクリレートを用いることもできる。またアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸にペンタエリスリトールトリアクリレート等のカルボン酸と反応する基及び3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物を反応させたポリエステルアクリレートを用いることもできる。
化合物Bは分子中に1つ以上のエーテル基を有する化合物であることが好ましい。
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロピオン酸変性ジトリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールペンタアクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラペンタエリスリトールデカアクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールノナアクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールオクタアクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールヘプタアクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールヘプタアクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールヘキサアクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールペンタアクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。
ポリエステルアクリレートに用いることのできる脂肪族ジカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸等がある。ポリウレタンアクリレートに用いることのできる脂肪族ジイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネートがある。
中でも好ましいものはトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
環状構造を有し、分子中に2つの放射線硬化官能基を有する化合物Aと環状構造を有さず、分子中に3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物Bは、重量比で3/7〜7/3で使用することが好ましい。上記範囲内であると、十分な硬化性と塗膜強度が得られるので好ましい。
化合物A及び化合物Bの粘度は、25℃において20,000mPa・sec以下が好ましい。5〜20,000mPa・secがより好ましく、更に好ましくは5〜10,000mPa・secである。粘度が20,000mPa・sec以下であると、十分な平滑性が得られるので好ましい。
上記の化合物を含む放射線硬化層用組成物は、必要により溶媒に溶解して用いることができる。放射線硬化層用組成物の粘度は、25℃において5〜200mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは5〜100mPa・sである。上記範囲内の粘度であれば、放射線硬化層を塗布した後のレベリング効果により、支持体の突起を遮断して、平滑な磁性層を得ることができる。溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、エタノール、トルエン等が好ましい。
放射線硬化層用組成物は、支持体上に塗布、乾燥後に放射線照射され、硬化する。その放射線硬化層の硬化後のガラス転移温度Tgは、80〜150℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜130℃である。80℃以上であれば、塗布工程で粘着故障を起こすことがなく、150℃以下であれば、塗膜強度が高く好ましい。
上記放射線硬化層の厚みは、0.1〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.5〜0.7μmである。0.1μm以上であれば、十分な平滑性を得ることができ、1.0μm以下であれば、支持体との密着性が良好であるので好ましい。
放射線硬化層の弾性率は、1.5GPa〜4GPaであることが好ましい。上記範囲内であると、塗膜が粘着故障を起こさず、また良好な塗膜強度が得られるので好ましい。
放射線硬化層の平均粗さ(Ra)は1〜3nmが好ましい。前記範囲内であるとパスロールに張り付き故障を起こすことがなく、また、十分な磁性層平滑性が得られるので好ましい。
本発明の磁気記録媒体において、支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものを使用することができる。好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドである。これらの支持体には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。支持体の粗さはカットオフ値0.25mmにおいて3〜10nmであることが好ましい。
上記支持体上に塗布、乾燥された放射線硬化層には、放射線が照射され、前記化合物を硬化させる。
本発明において使用される放射線としては、電子線や紫外線を用いることができる。紫外線を使用する場合には、前記の化合物に光重合開始剤を添加することが必要となる。電子線硬化の場合は重合開始剤が不要であり、透過深さも深いので好ましい。
電子線加速器としては、スキャニング方式、ダブルスキャニング方式又はカーテンビーム方式を採用することができる。好ましくは、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、加速電圧が30〜1,000kVであることが好ましく、より好ましくは50〜300kVであり、吸収線量として0.5〜20Mradであることが好ましく、より好ましくは2〜10Mradである。加速電圧が30kV以上であれば十分なエネルギーの透過量が得られ、1,000kV以下であれば重合に使われるエネルギーの効率が高く経済的であるので好ましい。電子線を照射する雰囲気は窒素パージにより酸素濃度を200ppm以下にすることが好ましい。酸素濃度が低いと、表面近傍の架橋・硬化反応が阻害されることがないので好ましい。
紫外線光源としては、水銀灯を用いることができる。水銀灯としては、例えば20〜240W/cmのランプを用いることができ、速度0.3〜20m/分で使用することができる。基体と水銀灯との距離は一般に1〜30cmであることが好ましい。
紫外線硬化に用いる光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤を用いることができる。詳細は例えば「新高分子実験学第2巻 第6章 光・放射線重合」(共立出版1995発行、高分子学会編)に記載されている。具体例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−2ジエトキシアセトフェノンなどが挙げられる。芳香族ケトンの混合比率は、放射線硬化性化合物100質量部に対し0.5〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜15質量部、さらに好ましくは3〜10質量部である。
放射線硬化装置、条件などについては、「UV・EB硬化技術」(株)総合技術センタ−発行)や「低エネルギー電子線照射の応用技術」(2000、(株)シーエムシー発行)などに記載されている公知のものを用いることができる。
本発明の磁気記録媒体は、原子間力顕微鏡(AFM)によって測定される高さが10〜20nmである突起数が、磁性層表面100μm2当たり5〜1000個であることが好ましい。上記放射線硬化層を設けることにより、磁性層表面突起数を上記範囲内に制御することができる。
原子間力顕微鏡(AFM)で測定される高さとは、原子間力顕微鏡にて求められる中心面(平面と磁性層表面の粗さ曲面で囲まれた体積が平面に対し上下で等しくかつ最小になる平面)を基準面とした高さと定義する。
従って、磁性層表面100μm2当たりの高さが10〜20nmの突起数(以下、PNとも記す)とは、この基準面以上の高さが10〜20nmである突起の10μm角当りの総数で突起密度を示す。PNは5〜100個/100μm2であることが更に好ましい。このPNが5以上であれば、摩擦係数が低く、1000個以下であれば、出力が高く、ドロップアウト(DO)個数も少なくなる傾向がある。
本発明の磁気記録媒体は、上記放射線硬化層を形成し、次いで、放射線硬化層上に非磁性下層または磁性下層を形成した後に磁性層を形成するか、あるいは放射線硬化層上に直接に磁性層を形成して作製することができる。放射線硬化層は支持体の少なくとも一方に設けられ、両方に設けることもできる。非磁性層、磁性下層、又は磁性層は、非磁性粉末、磁性粉末を結合剤中に分散した組成物を塗布することによって形成することができる。
結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものは、ポリウレタン樹脂、塩ビ系樹脂、アクリル系樹脂である。結合剤には磁性体、非磁性粉体の分散性を向上させるため、これらの粉体表面に吸着する官能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、−COOM、R12NSO3M、R12NRSO3M、−NR12、−N+123X などが挙げられる。ここでMは水素又はNa、K等のアルカリ金属、Rはアルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基又はヒドロキシアルキル基又は水素を表し、R1とR2は一緒になって環を形成してもよい。XはCl、Br等のハロゲンである。結合剤中の官能基の量は10〜200μeq/gであることが好ましく、更には30〜120μeq/gであることが好ましい。この範囲内であれば、分散性が良好であるので好ましい。
結合剤には、吸着官能基のほかにイソシアネート硬化剤と反応して架橋構造を形成し、塗膜強度を向上させるために−OH基などの活性水素を持つ官能基を付与することが好ましい。好ましい量は0.1〜2meq/gである。結合剤の分子量は質量平均分子量で10,000〜200,000であることが好ましく、更に好ましくは20,000〜100,000である。質量平均分子量が10,000以上であれば、塗膜強度が高く耐久性が良好であり、また、200,000以下であれば、分散性が良好であるので好ましい。
好ましい結合剤であるポリウレタン樹脂は、例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治 編、1986年 日刊工業新聞社)に詳しく記載されており、通常、長鎖ジオール、短鎖ジオール(鎖延長剤と呼ばれることもある)とジイソシアネート化合物との付加重合によって得ることができる。長鎖ジオールとしては、分子量500〜5000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレフィンジオールなどを用いることができる。この長鎖ポリオールの種類によりポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、ポリカーボネートウレタン等と呼ばれる。
ポリエステルジオールは、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族二塩基酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸とグリコールとの縮重合によって得ることができる。グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどを用いることができる。またポリエステルジオールには、このほかε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合したポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールなども用いることができる。ポリエステルジオールは耐加水分解性の観点で分岐側鎖をもつもの、芳香族、脂環族の原料から得られるものであることが好ましい。
ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、やビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノールAなどの芳香族グリコールや脂環族ジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合したものなどを用いることができる。
これらの長鎖ジオールは、複数の種類のものを併用、混合して用いることもできる。短鎖ジオールとしては、上記ポリエステルジオールのグリコール成分に例示したものと同じ化合物群の中から選ぶことができる。また3官能以上の多価アルコール、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどを少量併用すると分岐構造のポリウレタン樹脂が得られ溶液粘度を低下させたり、ポリウレタンの末端のOH基を増やすことでイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めることができる。
ジイソシアネート化合物としては、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、2,4−TDI(トリレンジイソシアネート)、2,6−TDI、1,5−NDI(ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、XDI(キシリレンジイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、H6XDI(水素添加キシリレンジイソシアネート)、H12MDI(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)などの脂肪族、脂環族ジイソシアネートなどを用いることができる。
ポリウレタン樹脂中の長鎖ジオール/短鎖ジオール/ジイソシアネートの好ましい組成は、(80〜15質量%)/(5〜40質量%)/(15〜50質量%)である。ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度は1〜5meq/gであることが好ましい。更には1.5〜4.5meq/gであることが好ましい。ウレタン基濃度が1meq/g以上であれば、力学強度が高く、5meq/g以下であれば、溶液粘度が低く分散性が良好である。ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は0〜200℃であることが好ましく、更には40〜160℃であることが好ましい。0℃以上であれば耐久性が高く、200℃以下であればカレンダー成形性が良好で電磁変換特性が向上するので好ましい。ポリウレタン樹脂に前述した吸着官能基(極性基)を導入する方法としては、官能基を長鎖ジオールのモノマーの一部に用いる方法、短鎖ジオールの一部に用いる方法やポリウレタンを重合した後、高分子反応で極性基を導入する方法などがある。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合したものを用いることができる。共重合モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテルなどのアルキルアリルエーテル類 その他スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p−スチレンスルホン酸、及びこれらのNa塩、K塩などを用いることができる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの少なくともいずれか一方を含有するものを意味する。
塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマーの組成は60〜95質量%であることが好ましい。60質量%以上であれば力学強度が高く、95質量%いかであれば溶剤溶解性が高く、溶液粘度が低く分散性が良好である。吸着官能基(極性基)、ポリイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めるための官能基の好ましい量は前述したとおりである。これらの官能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合しても良いし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子反応で官能基を導入しても良い。好ましい重合度は200〜600、更に好ましくは240〜450である。重合度が200以上であれば力学強度が高く、600以下であれば溶液粘度が低く分散性が良好である。
本発明において、結合剤を架橋、硬化させ塗膜の力学強度や耐熱性高めるために硬化剤を用いることができる。好ましい硬化剤としてポリイソシアネート化合物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、3官能以上のポリイソシアネートが好ましい。具体的にはトリメチロールプロパン(TMP)にTDI(トリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、などアダクト型ポリイソシアネート化合物、TDIの縮合イソシアヌレート型3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDIの縮合イソシアヌレート7量体、及びこれらの混合物、HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイソシアヌレート型縮合物、さらにクルードMDIなどが挙げられる。これらの中で好ましいものは、TMPにTDIを3モル付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体などである。
イソシアネート系硬化剤以外に電子線又は紫外線などの放射線硬化型の硬化剤を用いても良い。この場合、放射線硬化官能基としてアクリロイル基またはメタクリロイル基を分子内に2個以上、好ましくは3個以上有する硬化剤を用いることができる。例えばTMP(トリメチロールプロパン)のトリアクリレート、ペンタエリスリトールのテトラアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。この場合、硬化剤のほかに結合剤にも(メタ)アクリロイル基を導入することが好ましい。紫外線硬化の場合は、このほかに光増感剤が併用される。硬化剤は結合剤100質量部に対して0〜80質量部添加するのが好ましい。多すぎると分散性が低下する。
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末としては、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末を用いることができる。BET法による比表面積(SBET)は、通常、40〜80m2/gであり、好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは通常、好ましくは12〜25nmであり、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は通常、0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。強磁性金属粉末としては、Fe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等が挙げられ、金属成分の20質量%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げることができる。また、強磁性金属粉末は、少量の水、水酸化物または酸化物を含むこともできる。これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造することができる。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用される。特に針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末を、通常磁性層塗布液の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗布液を調製することができる。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。本発明の磁気記録媒体は、非磁性粉末または磁性粉末を含む非磁性下層塗布層、磁性下層塗布層を有していても良い。非磁性粉末は、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどを、単独または組合せで使用することができる。特に好ましいものは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、さらに好ましいものは二酸化チタン、酸化鉄である。これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmであることが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましくは、非磁性粉末の平均粒径は0.01〜0.2μmである。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は通常、1〜100m2/gであり、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.01〜2μmであることが好ましい。DBPを用いた吸油量は通常、5〜100ml/100gであり、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は通常、1〜12であり、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。
これらの非磁性粉末の表面には、表面処理が施されてAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいものはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であり、更に好ましいものはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組合せて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
下層塗布層に用いることが可能な磁性粉末としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−Feを主成分とする合金、CrO2等が挙げられる。特に、Co変性γ−Fe23が好ましい。本発明において、下層に用いられる強磁性粉末は上層磁性層に用いられる強磁性粉末と異なる組成、性能を有することが好ましい。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下層磁性層のHcは上層磁性層のそれより低く設定することが望ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層のそれより高くすることが有効である。それ以外にも、公知の重層構成をとることによる利点を付与させることができる。
本発明において、磁性層又は下層塗布層に使用されるその他の添加剤としては、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などを持つものを使用することができる。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラフアイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良いアルコキシアルコール、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などを使用することができる。これらの具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、ラウリルアルコールが挙げられる。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は、非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層又は下層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
本発明で使用されるこれら潤滑剤としては、具体的には日本油脂製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エルカ酸、関東化学製:オレイン酸、竹本油脂製:FAL−205、FAL−123、新日本理化製:エヌジェルブOL、信越化学製:TA−3、ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清製油製:BA−41G、三洋化成製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400などが挙げられる。
以上の材料により調製した塗布液を支持体上の放射線硬化層表面に塗布することにより、下層塗布層又は磁性層を形成することができる。本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある支持体上の放射線硬化層表面に磁性層塗布液を磁性層の乾燥後の層厚が0.05μm〜2.0μmの範囲内、より好ましくは0.07〜1μmになるように塗布する。ここで複数の磁性層塗布液を逐次又は同時に重層塗布してもよく、下層塗布液と磁性層塗布液とを逐次又は同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗布液又は下層塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。
これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にすることができる。
本発明を下層(非磁性層または磁性層)を有する構成の磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層を塗布する。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
本発明で用いる支持体の磁性塗布液が塗布されていない面にバック層が設けられていてもよい。バック層は、支持体の磁性塗布液が塗布されていない面に、研磨剤、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバック層形成塗料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。なお、支持体上のバック層形成塗料の塗布面に本発明の放射線硬化層又は公知の放射線硬化層が設けられていてもよい。
磁性層塗布液の塗布層は、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末に磁場配向処理を施した後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施すことができる。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどを利用することができる。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用することができる。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜5nm、好ましくは1〜4nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが高密度記録用の磁気記録媒体として好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層に、上記カレンダー処理を施すことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度が60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲、圧力が100〜500kg/cm(98〜490kN/m)の範囲、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)の範囲、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)の範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下、本発明を具体的に実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるべきものではない。なお、以下の「部」とは「質量部」のことである。
〔実施例1〕
(磁性層塗布液の調製)
強磁性合金粉末(組成:Fe 89atm%、Co 5atm%、Y 6atm%、Hc:158kA/m(2000Oe)、結晶子サイズ:15nm、BET比表面積:59m2/g、長軸径:0.04μm、針状比:7、σs:150A・m2/kg(emu/g))100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いでSO3Na含有ポリウレタン溶液(固形分30%、SO3Na含量70μeq/g、重量平均分子量8万)を10部(固形分)加え、更にシクロヘキサノン30部を加えで60分間混練した。
次いで
研磨剤(Al23、粒子サイズ:0.3μm) 2部
カーボンブラック(粒子サイズ:40μm) 2部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調製した。
(下層用非磁性塗布液の調製)
α−Fe23(平均粒径:0.15μm、SBET:52m2/g、表面処理:Al23、SiO2、pH6.5〜8.0)100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いでSO3Na含有ポリウレタン溶液(固形分30%、SO3Na含量70μeq/g、重量平均分子量8万)15部(固形分)を加え、更にシクロヘキサノンを30部を加えて60分間混練した。
次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用塗料を調製した。
次いで表1に示した放射線硬化性化合物A及びBを1/1重量比で30重量%溶液(MEK溶液)に調整したものを乾燥後の厚さが0.5μmになるようにコイルバーを用いて厚さ7μm、中心平均表面粗さRa6.2nmのポリエチレンテレフタレ−ト支持体の表面に塗布したのち乾燥させ、塗膜表面に加速電圧150kVの電子線を吸収線量が2Mradになるように照射し硬化させた。
その後、放射線硬化層の上に非磁性塗料を、さらにその上に磁性塗料を乾燥後の厚みがそれぞれ0.5μm、0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性塗料が未乾燥の状態で5000ガウスのCo磁石と4000ガウスのソレノイド磁石で磁場配向を行ない、溶剤を乾燥したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属 ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90゜C)で行なった後1/2インチ幅にスリットした。
[実施例2〜11、比較例1〜8]
放射線硬化性化合物A及びBを表1に示したものに変更した以外は実施例1と同様の方法で作成した。
測定方法は以下の方法で行った。
(1)粘着故障
放射線硬化層を塗布したのち、パスロ−ルへの粘着性を目視で以下のように判定した。
不良・・・パスロ−ルにはりつきハンドリングできないもの
良好・・・ハンドリングはできるがパスロールにはりつき気味なもの
優秀・・・パスロールへのはりつきがなくハンドリングできたもの
(2)保存性
テ−プをリール状態で60℃90%RH環境下に1ヶ月間保存したのちに40℃80%RH環境下で磁性層面をSUS420部材に接触させて荷重100gをかけ、100mm/secで繰り返し10000パスまで行ったのちの摩擦係数を測定し、保存前の摩擦係数を1としたときの相対値で示した。
(3)ドロップアウト個数
23℃70%RH環境下でDDS4ドライブを用いてテ−プを走行させながらドロップアウトカウンタ−で1分間測定し、1sec以上初期出力に対して−5dB低下したものをドロップアウトとし、その個数を調べた。
(4)電磁変換特性
記録ヘッド(MIGギャップ0.15μm、1.8T)と再生用MRヘッドをドラムテスタ−にとりつけて測定した。
ヘッドとメディアの相対速度1〜3m/min、面記録密度0.57Gbit/インチ2で測定した時の再生出力を測定し比較例1を0dBとした相対値で示した。
実施例1〜11及び比較例1〜8で作製した磁気記録テープについて測定した結果を表1に示す。
Figure 2006092693
Figure 2006092693
Figure 2006092693
Figure 2006092693
Figure 2006092693
Figure 2006092693

Claims (3)

  1. 非磁性支持体上に
    放射線硬化性化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層及び、
    少なくとも1層の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    前記放射線硬化性化合物は環状構造を有し分子中に2つの放射線硬化官能基を有する化合物Aと、環状構造を有さず分子中に3つ以上の放射線硬化官能基を有する化合物Bを含むことを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 化合物Aが式(1)または式(2)で示される化合物である請求項1に記載の磁気記録媒体。
    B1−(A1)n−X1−(A1’)n'−B1’ (1)
    B2−(A2)m−X2−(A2’)m'−B2’ (2)
    ここでX1は下記群より選ばれ、
    Figure 2006092693
    X2は下記群より選ばれ、
    Figure 2006092693
    A1及びA2は下記群より選ばれ、
    Figure 2006092693
    (ここで、A1及びA2は酸素原子でそれぞれX1及びX2に接続する。)
    A1’及びA2’は下記群より選ばれ、
    Figure 2006092693
    (ここで、A1’及びA2’は酸素原子でそれぞれX1及びX2に接続する。)
    B1、B2、B1’及びB2’は下記群より選ばれ、
    Figure 2006092693
    n、n'、m及びm’はそれぞれ独立に0〜4である。
  3. 化合物Bが分子中に1つ以上のエーテル基を有する化合物である請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
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