JP2005302165A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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建 原澤
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Abstract

【課題】 高密度磁気記録用媒体の電磁変換特性及びエラーレートに優れた磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 支持体上に中間層、その上に強磁性粉末及び結合材を含有する磁性層を有する磁気記録媒体であって、
(i) 中間層が主成分として樹脂を含有し、
(ii) 中間層の厚みが100nm〜2000nm、
(iii) 中間層の厚みの変動が(σ/厚み)×100(%)として50%以下、
(iv) 磁性層が含有する強磁性粉末が六方晶フェライト又は強磁性金属粉末を導電性物質で被覆した強磁性粉末であり、磁性層の表面電気抵抗が109Ω/□以下、
(v) 磁性層の厚みが10nm〜200nm、
(vi) 磁性層の表面粗さRaが1.5nm以下
であることを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁性層に強磁性粉末を含む高密度記録用の磁気記録媒体に関する。
オーディオ用、ビデオ用、コンピュータ用などのテープ状磁気記録媒体及びフロッピーディスクなどのディスク状磁気記録媒体としてγ酸化鉄、Co含有酸化鉄、酸化クロム、強磁性金属微粉末などの強磁性微粉末を結合材中に分散させた磁性層を支持体上に設けた磁気記録媒体が用いられている。磁気記録媒体に用いられている支持体としては一般にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが用いられている。これらの支持体は延伸し高度に結晶化されているため機械的強度が強く耐溶剤性に優れている。
強磁性微粉末を結合材中に分散させた塗布液を支持体に塗布して得られる磁性層は強磁性微粉末の充填度が高く破断伸びが小さく脆いため下塗り層を設けずに形成された磁性層は機械的な力を加えることにより簡単に破壊され支持体から剥離することがある。そこで、支持体上に下塗り層を設けて、磁性層を支持体上に強く接着させることが行われている。
例えば、電子線などの放射線により硬化する官能基をもつ化合物、即ち放射線硬化型化合物を用いて下塗り層を形成することが知られている。
例えば、特許文献1〜4(特開昭60−133529号公報、同60−133530号公報、同60−150227号公報、特開平5−57647号公報)等には、放射線硬化型化合物として、2官能の脂肪族系化合物を用いて下塗り層を形成した磁気記録媒体を開示している。これらの脂肪族系化合物は硬化後の塗膜のガラス転移温度が高いもので40℃程度であり、下塗り層を塗布した後の塗布工程で粘着故障を起こすことがあるという問題があった。
一方、これらの脂肪族系放射線硬化型化合物は(メタ)アクリロイル官能基を増やすことで粘着故障を防止することが可能だが、多官能化すると硬化収縮が大きくなり平滑な塗膜が得られないことやポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの支持体との密着力が低くなり、十分な走行耐久性や電磁変換特性が得られないことがある。
また、特許文献5及び6(特開昭61−13430号公報及び同58−146023号公報)等では環構造をもつ電子線硬化型化合物の例を開示している。特許文献7(特開昭61−13430号公報)ではフタル酸とポリエ−テルポリオ−ルからなる電子線硬化型化合物を用いている。特許文献8(特開昭58−146023号公報)はジソシアネ−ト化合物に電子線硬化官能基とイソシネ−トと反応する基をもつ化合物を反応させたものを用いている。ジイソシアネ−ト化合物はトリレンジイソシアネ−トなどの芳香環を有するものである。これらの芳香環を用いたものは、硬化後の塗膜が脆くなりやすく、支持体との密着が不十分になり走行時の磁性塗膜が脱落しやすい欠点がある。
更に、近年MR(磁気抵抗)を動作原理とする再生ヘッドが提案され、ハード
ディスク等で使用され始め、また、特許文献9(特開平8−227517号公報)には磁気テープへの応用が提案されている。MRヘッドは誘導型磁気ヘッドに比較して数倍の再生出力が得られ、かつ誘導コイルを用いないため、インピーダンスノイズ等の機器ノイズが大幅に低下し、磁気記録媒体のノイズを下げることで大きなSN比を得ることが可能になってきた。換言すれば従来機器ノイズに隠れていた磁気記録媒体ノイズを小さくすれば良好な記録再生が行え、高密度記録特性が飛躍的に向上できることになる。
ところがMRヘッドは微小な熱の影響を受けてノイズ(サーマルノイズ)を発生するという問題があり、特に、磁性層表面にある突起に当たるとその影響で突発的に且つ持続してノイズが増大するという問題があり、ディジタル記録の場合エラー補正が不可能なほどの問題を起こすことがある。このサーマルノイズの問題は、記録密度が0.5Gbit/inch2 以上の記録信号を再生するシステムに供される磁気記録媒体において深刻となる。
特許文献10(特開2003−141713号公報)は、放射線硬化型樹脂から形成された下塗り層を有し、磁性層の表面性を制御した磁気記録媒体が開示されていが、電磁変換特性が十分でなかった。
特開昭60−133529号公報 特開昭60−133530号公報 特開昭60−150227号公報 特開平5−57647号公報 特開昭61−13430号公報 特開昭58−146023号公報 特開昭61−13430号公報 特開昭58−146023号公報 特開平8−227517号公報 特開2003−141713号公報
本発明は、高密度磁気記録用媒体の電磁変換特性及びエラーレートに優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題は、下記構成の磁気記録媒体により解決された。
支持体上に中間層、その上に強磁性粉末及び結合材を含有する磁性層を有する磁気記録媒体であって、
(i) 中間層が主成分として樹脂を含有し、
(ii) 中間層の厚みが100nm〜2000nm、
(iii) 中間層の厚みの変動が(σ/厚み)×100(%)として50%以下、
(iv) 磁性層が含有する強磁性粉末が六方晶フェライト又は強磁性金属粉末を導電性物質で被覆した強磁性粉末であり、磁性層の表面電気抵抗が109Ω/□以下、
(v) 磁性層の厚みが10nm〜200nm、
(vi) 磁性層の表面粗さRaが1.5nm以下
であることを特徴とする磁気記録媒体。
これまで、磁性層の下層(中間層ともいう)の平滑化、成形性、マスキング効果によるテープ平滑化が進められてきたが、磁性層の処方の進歩によりこれまでの下層の表面性では、不十分になってきた。本発明においては、下層として、樹脂による層を設けることにより十分な平滑性を確保し、電磁変換特性及びエラーレートに優れた磁気記録媒体を提供する。
本発明においては、磁性層下の塗設される中間層として、樹脂を主成分とした樹脂層を使用して平滑な表面を達成し、この樹脂層の使用により導電性が低下する点については、導電性物質で被覆した強磁性粉末を使用することで磁性層に導電性を付与している。この
構成により、高密度磁気記録が可能であるとともに、電磁変換特性が優れ、エラーレートが低減された磁気記録媒体が提供される。
本発明の磁気記録媒体は、支持体の少なくとも一方の面に中間層、その上に強磁性粉末及び結合材を含有する磁性層を有する。
〔中間層〕
本発明の磁気記録媒体が有する中間層の厚みは100nm〜2000nm、好ましくは300nm〜700nmであり、中間層の厚みの変動はσ/厚み×100≦50(%)、好ましくはσ/厚み×100≦20(%)である。
分散σは、超薄切片によるTEM観察で測定した中間層厚の標準偏差として求めることができる。
厚みの変動について、(σ/厚み)×100(%)として50%以下とするためには、例えば、中間層に使用する樹脂の粘度(25℃)を10Pa・sec以下とすることが好ましい。
中間層は、主成分として樹脂を含有する。中間層は、樹脂を50〜100体積%含有することが好ましく、70〜100体積%含有することがより好ましい。
樹脂としては、例えば、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及び、電子線、紫外線等の電離放射線硬化型の各種の樹脂が挙げられ、電子線、紫外線硬化型の樹脂が好ましい。
中間層の形成に好ましく用いられる放射線硬化型樹脂からなる中間層は、放射線硬化型化合物を放射線により硬化することにより形成する。
好ましい放射線硬化型化合物は、マスキング効果の観点より固形分100%で液体状のもので原液粘度(25℃)が100Pa・sec以下、さらに好ましくは10Pa・sec以下である。
放射線硬化型化合物としては、脂環式環状構造を有し、かつ1分子中に2個以上の放射線硬化官能基を有する化合物が特に好ましい。
放射線硬化型化合物は、放射線、例えば、電子線、紫外線などによるエネルギーが与えられると重合乃至架橋して高分子化して硬化する性質を有する。そして、放射線硬化型化合物は、それらのエネルギーを与えない限り反応が進まない。そのため放射線硬化型化合物を含む塗布液は、放射線を照射しない限り粘度が安定しており、高い塗膜平滑性を得ることができる。また、放射線による高いエネルギーにより瞬時に反応が進むため、高い塗膜強度を得ることができる。
これは、放射線硬化型化合物は数mPa・s〜200mPa・sと比較的低粘度であり、中間層を塗布した後のレベリング効果により支持体の突起を遮蔽し平滑な支持体が形成されるためである。そして、その中間層上に磁性液を塗布することで塗膜表面の平滑性に優れた磁性層が得られ、ひいては優れた電磁変換特性が得られる磁気記録媒体を提供できる。特にこの効果は磁性層厚みが0.05μm〜2.0μmといった比較的薄い厚みのもので顕著であり、塗膜表面の平滑性のなかでも、近年の高記録密度化に伴い使用されているMRヘッドを用いた磁気記録においてノイズとなりやすい磁性層表面の微小突起を低減できる効果がある。
また、放射線硬化型化合物は脂環式環状構造をもつので従来の脂肪族系に比べてガラス
転移温度が高いので、中間層を塗設したあとの工程での粘着故障が発生しない特徴もある。またシクロヘキサン環やビシクロ、トリシクロ、スピロなどの脂環式系の骨格を有するので硬化による塗膜収縮が少なく、支持体との密着力も高くでき優れた走行耐久性も得ることができる。
上記放射線硬化型化合物の分子量は、200〜1000が好ましく、200〜500が更に好ましい。
また、粘度は25℃で5〜200mPa・sが好ましく、更に好ましくは5〜100mPa・sである。
放射線硬化型化合物としては、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等を挙げることができる。中でもアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類が好ましく、特に放射線硬化官能基、即ちアクリロイル基を2個有したアクリル酸エステル類が好ましい。
上記放射線硬化型化合物が有する脂環式環状構造とはシクロ骨格、ビシクロ骨格、トリシクロ骨格、スピロ骨格、ジスピロ骨格等の骨格を有するものである。中でも原子を共有している複数の環からなる構造であるもの、例えば、ビシクロ骨格、トリシクロ骨格、スピロ骨格、ジスピロ骨格等の骨格を有するものが好ましい。これら骨格としては、エステル類、アミド類等の放射線硬化型化合物を形成するためのポリオール、ポリアミン等の残基となるものが挙げられる。放射線硬化型化合物はその残基に放射線硬化官能基を各々結合してなるものである。
放射線硬化型化合物の具体例としては以下のようなものが挙げられる。
シクロプロパンジアクリレート、シクロペンタンジアクリレート、シクロヘキサンジアクリレート、シクロブタンジアクリレート、ジメチロールシクロプロパンジアクリレート、ジメチロールシクロペンタンジアクリレート、ジメチロールシクロヘキサンジアクリレート、ジメチロ−ルシクロブタンジアクリレート、シクロプロパンジメタクリレート、シクロペンタンジメタクリレート、シクロヘキサンジメタクリレート、シクロブタンジメタクリレート、ジメチロールシクロプロパンジメタクリレート、ジメチロールシクロペンタンジメタクリレート、ジメチロールシクロヘキサンジメタクリレート、ジメチロ−ルシクロブタンジメタクリレート、ビシクロブタンジアクリレート、ビシクロオクタンジアクリレート、ビシクロノナンジアクリレート、ビシクロウンデカンジアクリレート、ジメチロ−ルビシクロブタンジアクリレート、ジメチロールビシクロオクタンジアクリレート、ジメチロールビシクロノナンジアクリレート、ジメチロールビシクロウンデカンジアクリレート、ビシクロブタンジメタクリレート、ビシクロオクタンジメタクリレート、ビシクロノナンジメタクリレート、ビシクロウンデカンジメタクリレート、ジメチロ−ルビシクロブタンジメタクリレート、ジメチロールビシクロオクタンジメタクリレート、ジメチロールビシクロノナンジメタクリレート、ジメチロールビシクロウンデカンジメタクリレート、
トリシクロヘプタンジアクリレート、トリシクロデカンジアクリレート、トリシクロドデカンジアクリレート、トリシクロウンデカンジアクリレート、トリシクロテトラデカンジアクリレート、トリシクロデカントリデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロヘプタンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロドデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロウンデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロテトラデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカントリデカンジアクリレート、トリシクロヘプタンジジメタクリレート、トリシクロデカンジメタクリレート、トリシクロドデカンジメタクリレート、トリシクロウンデカンジメタクリレート、トリシクロテトラデカンジメタクリレート、トリシクロデカントリデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロヘプタンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロドデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロウンデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロテトラデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカントリデカンジメタクリレート、
スピロオクタンジアクリレート、スピロヘプタンジアクリレート、スピロデカンジアクリレート、シクロペンタンスピロシクロブタンジアクリレート、シクロヘキサンスピロシクロペンタンジアクリレート、スピロビシクロヘキサンジアクリレート、ジスピロヘプタデカンジアクリレート、ジメチロールスピロオクタンジアクリレート、ジメチロールスピロヘプタンジアクリレート、ジメチロールスピロデカンジアクリレート、ジメチロールシクロペンタンスピロシクロブタンジアクリレート、ジメチロールシクロヘキサンスピロシクロペンタンジアクリレート、ジメチロールスピロビシクロヘキサンジアクリレート、ジメチロールジスピロヘプタデカンジアクリレート、スピロオクタンジメタクリレート、スピロヘプタンジメタクリレート、スピロデカンジメタクリレート、シクロペンタンスピロシクロブタンジメタクリレート、シクロヘキサンスピロシクロペンタンジメタクリレート、スピロビシクロヘキサンジメタクリレート、ジスピロヘプタデカンジメタクリレート、ジメチロールスピロオクタンジメタクリレート、ジメチロールスピロヘプタンジメタクリレート、ジメチロールスピロデカンジメタクリレート、ジメチロールシクロペンタンスピロシクロブタンジメタクリレート、ジメチロールシクロヘキサンスピロシクロペンタンジメタクリレート、ジメチロールスピロビシクロヘキサンジメタクリレート、ジメチロールジスピロヘプタデカンジメタクリレート。
なかでも好ましいものはジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールビシクロオクタンジアクリレート、ジメチロールスピロオクタンジアクリレートである。
特に好ましくはジメチロールトリシクロデカンジアクリレートであり、市販されている具体的化合物としては日本化薬製KAYARAD R−684、共栄社化学製ライトアクリレートDCP−A、大日本インキ化学工業製LUMICURE DCA−200などがある。
上記放射線硬化型化合物に加えて他の放射線硬化型化合物を併用することもできる。
また、上記放射線硬化型化合物に対応する1官能のアクリレート化合物やメタクリレート化合物を反応性希釈剤として用いることができる。反応性希釈剤は下塗り剤の物性や下塗り剤の硬化反応を調整する機能を有する。
反応性希釈剤としては、上記放射線硬化型化合物において、1分子中に放射線硬化官能基が1個である1官能基アクリレート化合物が挙げられ、具体的な例としてはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートはメタクリレート及びアクリレートを包含することを意味する。
反応性希釈剤の配合量は放射線硬化型化合物に対して10〜100質量%が好ましい。
中間層が樹脂以外に有していても良い成分としては、無機酸化物、有機フィラー、カーボンなど各種添加剤を挙げることができる。
なお、中間層は特に潤滑剤を含有することが好ましい。潤滑剤としては、例えば、脂肪酸エステル、脂肪酸など後述する磁性層についての潤滑剤と同様のものが挙げられる。潤滑剤の添加量は、樹脂100質量部に対して、通常0〜20質量部、好ましくは1〜5質量部である。
中間層形成のための放射線硬化型化合物などの上記成分は、必要により溶媒に溶解して、塗布液とすることができる。溶媒としてはメチルエチルケトン(MEK)、メタノール、エタノール、トルエン等が好ましい。塗布液の粘度は、5〜200mPa・sが好ましい。
中間層が塗設される支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド(芳香族、脂肪族など)、ポリアミドイミド(芳香族、脂肪族など)等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドである。支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。支持体の中心面平均表面粗さはカットオフ値0.25mmにおいて3〜10nmが好ましい。
放射線硬化型化合物を含有する中間層用塗布液は、支持体上に塗布、乾燥された後、放射線照射により硬化し、中間層を形成する。
使用される放射線は、電子線や紫外線などを用いることができる。紫外線を使用する場合には下塗り剤に光重合開始剤を添加することが必要となる。電子線硬化の場合は重合開始剤が不要であり、透過深さも深いので好ましい。
電子線加速器としてはスキャニング方式、ダブルスキャニング方式あるいはカーテンビーム方式が採用できるが、好ましいのは比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、加速電圧が通常、30〜1000kV、好ましくは50〜300kVであり、吸収線量として通常、0.5〜20Mrad、好ましくは2〜10Mradである。加速電圧が30kV未満の場合はエネルギーの透過量が不足し、300kVを超えると重合に使われるエネルギーの効率が低下し経済的でない。
電子線を照射する雰囲気は窒素パージにより酸素濃度を200ppm以下にすることが好ましい。酸素濃度が高いと表面近傍の架橋、硬化反応が阻害される。
紫外線光源としては、水銀灯が用いられる。水銀灯は20〜240W/cmのランプを用い、速度0.3m/分〜20m/分で使用される。基体と水銀灯との距離は一般に1〜30cmであることが好ましい。
紫外線硬化に用いる光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤が用いられる。詳細は例えば「新高分子実験学第2巻 第6章 光・放射線重合」(共立出版1995発行、高分子学会編)記載されているものを使用できる。具体例としては、アセトフエノン、ベンゾフエノン、アントラキノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフエニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン、2−2ジエトキシアセトフエノン、などがある。
光重合開始剤の混合比率は、放射線硬化型化合物100質量部に対し通常、0.5〜20質量部、好ましくは2〜15質量部、さらに好ましくは3〜10質量部である。
放射線硬化装置、条件などについては「UV・EB硬化技術」((株)総合技術センタ−発行)や「低エネルギー電子線照射の応用技術」(2000、(株)シーエムシー発行)などに記載されている公知のものを用いることができる。
硬化後の中間層のガラス転移温度Tgは、80〜150℃が好ましく、更に好ましくは100〜130℃である。Tgが80℃未満では、塗布工程で粘着故障を起こすことがあり、Tgが150℃を超えると塗膜がもろくなることがある。
〔磁性層〕
本発明の磁気記録媒体は、上述の中間層上に磁性層を有する。
本発明の磁気記録媒体が有する磁性層は、六方晶フェライト(好ましくは板径10〜40nm)又は強磁性金属粉末(好ましくは長軸長25〜100nm)を導電性物質で被覆した磁性粉体を含有する。
導電性物質で被覆した強磁性粉末を用いることで、磁性層の表面電気抵抗を109Ω/□以下とすることができる。磁性層の表面電気抵抗は、好ましくは107Ω/□以下、より好ましくは105Ω/□以下である。
磁性層の表面電気抵抗は、絶縁抵抗測定機、例えば、デジタル超絶縁抵抗測定機(タケダ理研TR−811A)により測定することができる。
(六方晶フェライト)
導電性物質で被覆する六方晶フェライトとしては、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、コバルトフェライト、及びそれらのCoなどの置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V,Cr、Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P,Co,Mn,Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。 一般にはCo−Zn、Co−Ti,Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn,Ni−Ti−Zn,Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
(強磁性金属粉末)
導電性物質で被覆する強磁性金属粉末としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
強磁性金属粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末でBET法による比表面積(SBET)が通常、40〜80m2/g 、好ましくは50〜70m2/g である。結晶子サイズは通常、12〜25nm、好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等が挙げられ、金属成分の20質量%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造することができる。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
本発明においては、Feを主成分として、Co,Ni,Mn,Zn,Ndなどを合金成分として含むものが好ましい。特にFe−Co合金は、高い抗磁力Hcが得られる。
上記のような六方晶フェライト又は強磁性金属粉末を被覆する導電性物質としては、カーボン、金属、In23などの半導体等が挙げられる。
上記のような六方晶フェライト又は強磁性金属粉末を表面電気抵抗109Ω/□以下とするため導電性物質での被覆は、導電性物質が磁性体表面に物理的に吸着されていてもよいし、導電性物質が磁性体の表面に共有結合にて結合されていてもよい。導電性物質を磁性体に被覆する前に、磁性体の無機表面を予め前処理しておくことが好ましい。この前処理としては、特に制限はなく従来公知の方法が用いられる。
磁性層は、上記導電性物質で被覆した強磁性粉末を50〜90質量%含有することが好ましく、70〜80質量%含有することがより好ましい。
磁性層は、例えば、上記磁性粉末を結合材中に分散した組成物を塗布することによって形成される。
(結合材)
結合材としてはポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいのはポリウレタン樹脂、塩ビ系樹脂、アクリル系樹脂である。結合材には磁性体、非磁性粉体の分散性を向上させるためこれらの粉体表面に吸着する官能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2 、−COOM、R12NSO3M、R12NRSO3M、−NR12 、−N+123 などがある。ここでMは水素又はNa、K等のアルカリ金属、Rはアルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基又はヒドロキシアルキル基又は水素を表し、R1とR2は一緒になって環を形成してもよい。XはCl、Br等のハロゲンである。結合材中の官能基の量は10μeq/g〜200μeq/gが好ましく、更には30μeq/g〜120μeq/gが好ましい。この範囲を超えても少なくても分散性が低下する。
結合材には吸着官能基のほかにイソシアネート硬化剤と反応して架橋構造を形成し塗膜強度を向上させるために−OH基などの活性水素を持つ官能基を付与することが好ましい。好ましい量は0.1meq/g〜2meq/gである。結合剤の分子量は質量平均分子量で10000〜200000が好ましく、更に好ましくは20000〜100000である。この範囲より小さいと塗膜強度が不足し耐久性が低下する。大きいと分散性が低下する。
好ましい結合材であるポリウレタン樹脂は例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治 編、1986年 日刊工業新聞社)に詳しく記載されているが、通常、長鎖ジオール、短鎖ジオール(鎖延長剤と呼ばれることもある)とジイソシアネート化合物の付加重合によって得られる。長鎖ジオールは分子量500〜5000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレフィンジオールなどが用いられる。この長鎖ポリオールの種類によりポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、ポリカーボネートウレタン等と呼ばれる。
ポリエステルジオールとしてはアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族二塩基酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸とグリコールとの縮重合によって得られる。グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどがある。またポリエステルジオールにはこのほかε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合したポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールなども用いることができる。ポリエステルジオールは耐加水分解性の観点で分岐側鎖をもつもの、芳香族、脂環族の原料から得られるものが好ましい。
ポリエーテルジオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、やビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノールAなどの芳香族グリコールや脂環族ジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合したものなどがある。
これらの長鎖ジオールは複数の種類のものを併用、混合して用いることもできる。短鎖ジオールとしては上記ポリエステルジオールのグリコール成分に例示したものと同じ化合物群の中から選ぶことができる。また3官能以上の多価アルコール例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどを少量併用すると分岐構造のポリウレタン樹脂が得られ溶液粘度を低下させたり、ポリウレタンの末端のOH基を増やすことでイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めることができる。
ジイソシアネート化合物としてはMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、2,4−TDI(トリレンジイソシアネート)、2,6−TDI、1,5−NDI(ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、XDI(キシリレンジイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、H6XDI(水素添加キシリレンジイソシアネート)、H12MDI(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)などの脂肪族、脂環族ジイソシアネートなどが用いられる。
ポリウレタン樹脂中の長鎖ジオール/短鎖ジオール/ジイソシアネートの好ましい組成は(80〜15質量%)/(5〜40質量%)/(15〜50質量%)である。ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度は1meq/g〜5meq/gが好ましい。更には1.5〜4.5である。この範囲より少ないと力学強度が小さく、多すぎると溶液粘度が高く分散性が低下する。ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は0℃〜200℃が好ましく、更には40℃〜160℃である。この範囲より低いと耐久性が低下し、高すぎるとカレンダー成形性が低下し電磁変換特性が低下する。ポリウレタン樹脂に前述した吸着官能基(極性基)を導入する方法としては官能基を長鎖ジオールのモノマーの一部に用いる方法、短鎖ジオールの一部に用いる方法やポリウレタンを重合した後、高分子反応で極性基を導入する方法などがある。
塩化ビニル系樹脂としては塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合したものが用いられる。共重合モノマーとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテルなどのアルキルアリルエーテル類 その他スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p−スチレンスルホン酸、及びこれらのNa塩、K塩などが用いられる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの少なくともいずれか一方を含有するものを意味する。
塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマーの組成は60〜95質量%が好ましい。これより少ないと力学強度が低下し、多すぎると溶剤溶解性が低下し、溶液粘度が高く分散性が低下する。吸着官能基(極性基)、ポリイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めるための官能基の好ましい量は前述したとおりである。これらの官能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合しても良いし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子反応で官能基を導入しても良い。好ましい重合度は200〜600、更に好ましくは240〜450である。この範囲より小さいと力学強度が低下し、高すぎると溶液粘度が高く分散性が低下する。
本発明の結合材を架橋、硬化させ塗膜の力学強度や耐熱性高めるために硬化剤を用いることができる。好ましい硬化剤としてポリイソシアネート化合物がある。ポリイソシアネート化合物は3官能以上のポリイソシアネートが好ましい。具体的にはトリメチロールプロパン(TMP)にTDI(トリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、などアダクト型ポリイソシアネート化合物、TDIの縮合イソシアヌレート型3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDIの縮合イソシアヌレート7量体、及びこれらの混合物。HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイソシアヌレート型縮合物。 さらにクルードMDIなど
がある。これらの中で好ましいのはTMPにTDIを3モル付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体などである。
イソシアネート系硬化剤以外に電子線あるいは紫外線などの放射線硬化型の硬化剤を用いても良い。この場合、放射線硬化官能基としてアクリロイル基またはメタクリロイル基を分子内に2個以上、好ましくは3個以上有する硬化剤を用いることができる。例えばTMP(トリメチロールプロパン)のトリアクリレート、ペンタエリスリトールのテトラアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマーなどがある。この場合、硬化剤のほかに結合材にも(メタ)アクリロイル基を導入するのが好ましい。紫外線硬化の場合はこのほかに光増感剤が併用される。硬化剤は結合材100質量部に対して0〜80質量部添加するのが好ましい。多すぎると分散性が低下する。
(他の添加剤)
磁性層に使用されるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などを持つものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラフアイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良いアルコキシアルコール、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用できる。これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、ラウリルアルコールがあげられる。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書(株)発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
また、添加剤のすべてまたはその一部は、中間層あるいは磁性層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合材と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
潤滑剤としては、具体的には日本油脂製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エルカ酸、関東化学製:オレイン酸、竹本油脂製:FAL−205、FAL−123、新日本理化製:エヌジエルブOL、信越化学製:TA−3,ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製、デュオミンTDO、日清製油製:BA−41G、三洋化成製:プロフアン2012E,ニューポールPE61,イオネットMS−400などがあげられる。
磁性層は、特に潤滑剤を含有することが好ましい。潤滑剤としては、脂肪酸エステル、脂肪酸など上記のものを挙げることができる。
潤滑剤の添加量は、樹脂100質量部に対して、通常1〜100質量部、好ましくは10〜20質量部である。
上記の樹脂または樹脂を構成するための成分、強磁性粉末、その他の添加剤を、通常の磁性層形成用塗布液の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性層用塗布液とする。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。
磁性層は、例えば、走行下にある支持体の中間層表面に塗布液を塗布して形成する。
上記中間層形成用塗布液もしくは磁性層形成用塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、コイルバー、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。 これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
本発明を中間層の上に二層以上の塗布層を設けた磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層を塗布する。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
(4)下層を塗布し乾燥させたのち、その上に上層を塗布する(逐次重層塗布)。
磁性層の厚みは10nm〜200nm、好ましくは50〜100nmであり、磁性層の表面粗さRaは1.5nm以下、好ましくは0.8〜1.2nmである。
磁性層の表面粗さRaを1.5nm以下とするためには、例えば、中間層に使用する樹脂の粘度を100Pa・s以下(25℃)にして、中間層表面のRaを1.5nm以下にして、カレンダー処理を行えばよい。
カレンダー処理条件は、カレンダーロールの温度を通常60〜100℃、好ましくは70〜100℃、特に好ましくは80〜100℃、圧力は通常100〜500Kg/cm(98〜490kN/m)、好ましくは200〜450Kg/cm(196〜441kN/m)、特に好ましくは300〜400Kg/cm(294〜392kN/m)である。
磁性層が塗設されない支持体面にはバック層が設けられていてもよい。バック層は、支持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨剤、帯電防止剤などの粒状成分と結合材とを有機溶剤に分散したバック層形成塗料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合材としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。なお、支持体上のバック層形成塗料の塗布面に本発明の下塗り層あるいは公知の下塗り層が設けられていてもよい。
磁性層塗布液による塗布層の乾燥は、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した後に行われる。乾燥後には表面平滑化処理を施すことが好ましい。表面平滑化処理には、たとえばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。 カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下、本発明を具体的に実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるべきものではない。なお、以下の「部」とは「質量部」のことである。
<磁性塗料の作製>
磁性塗料
磁性粉(BaFe:平均板径30nmまたはMP:平均長軸長50nm)
100部
塩化ビニル共重合体 −SO3Na、エポキシ含有 5部
ポリウレタン樹脂 −SO3Na含有 3部
硬化剤 ポリイソシアネート 5部
αアルミナ 粒径0.2μm 10部
カーボンブラック 粒径100nm 1部
フェニルホスホン酸 2部
ブチルステアレート 10部
ブトキシエチルステアレート 5部
イソヘキサデシルステアレート 3部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 125部
シクロヘキサノン 125部
上記塗料、各成分をニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液に、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。得られた液を厚さ6μmの中心線平均表面粗さ3nmのポリエチレンテレフタレート(PET)支持体上に電子線(EB)硬化系樹脂を0.5μm厚みで塗布した後、EB照射装置で吸収線量5Mradで処理する。
磁性粉(BaFeまたはMP)は、導電性物質としてカーボンを使用し被覆した。
MPは、強磁性酸化鉄(Co/Fe:5原子%、Al/Fe:7原子%、Y/Fe:2原子%)であり、平均長軸長50nm、飽和磁化量(σs)110Am2/kgである。
磁性層の表面電気抵抗は、IEC式Rs測定治具(1/2インチ幅)を使用し、デジタル超絶縁抵抗測定機(タケダ理研TR−811A)により電圧50Vで測定した。
その後磁性塗料を塗布し、湿潤状態のうちに塗布磁場強度3000Gの中を通過させて長手配向処理を行い乾燥させる。
カレンダで温度90℃、線圧300kg/cmにて処理を行った。
次いで該ロールを1/2インチ幅にスリットした後、3000Gの磁束密度を持つソレノイド中を通過させて消磁した。
上記のようにして、表1に示す条件にて実施例1〜8及び比較例1〜6の磁気記録媒体を得た。
各磁気記録媒体(テープ)の性能を下記の測定法により評価した。
〔電磁変換特性C/N及びD.O.測定〕
リニアテスターで1/2インチテープを速度は3m/secで走行させヘッドを押し当て記録、再生を行なった。記録は飽和磁化1.4TのMIGヘッド(g)=0.2μm、トラック幅14μを使い記録電流は、各テープの最適記録電流に設定。再生ヘッドには素子厚み25nm、シールド間隔0.2μm(トラック幅7μm)の異方性型MRヘッド(A−MR)を用いた。
上記評価系で記録波長0.3μmのC/N測定及び平均出力の50%以下のテープ欠陥をD.O.数とした測定を行なった。
Figure 2005302165
本発明の磁気記録媒体は、高密度磁気記録用として、電磁変換特性に優れ、エラーレートが低減されており優れた性能を有することができる。

Claims (1)

  1. 支持体上に中間層、その上に強磁性粉末及び結合材を含有する磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    (i) 中間層が主成分として樹脂を含有し、
    (ii) 中間層の厚みが100nm〜2000nm、
    (iii) 中間層の厚みの変動が(σ/厚み)×100(%)として50%以下、
    (iv) 磁性層が含有する強磁性粉末が六方晶フェライト又は強磁性金属粉末を導電性物質で被覆した強磁性粉末であり、磁性層の表面電気抵抗が109Ω/□以下、
    (v) 磁性層の厚みが10nm〜200nm、
    (vi) 磁性層の表面粗さRaが1.5nm以下
    であることを特徴とする磁気記録媒体。
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