JP2006091563A - 画像形成装置 - Google Patents

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真 坂廼邉
Hideyuki Akagi
秀行 赤木
Kenichi Mishina
憲一 三品
Satoshi Shigezaki
聡 重崎
Noritaka Kuroda
能孝 黒田
Akiya Sugiura
聡哉 杉浦
Wataru Yamada
渉 山田
Noriyuki Yamashita
敬之 山下
Tatsuya Soga
達也 曽我
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Abstract

【課題】 再画像形成動作開始時において像流れを防止することのできる画像形成装置の提供。
【解決手段】 感光ドラム11と、帯電ロール12と、ROS13と、ロータリ式現像装置14と、1次転写バイアスロール26と、クリーニングブレード15aと回転ブラシ15bとで構成されるドラム用クリーナ15と、を備える画像形成装置であって、前記画像形成装置内の環境情報を検知する環境検知手段をさらに有し、再画像形成動作開始時に前記環境検知手段により検知した環境情報に基づきロータリ式現像装置14により所定量のトナーバンドを感光ドラム11表面に供給し、トナーバンド供給後感光ドラム11を1周以上回転させる画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置では帯電器で発生した放電生成物が電子写真感光体表面へ付着して低抵抗化するために、表面電荷が保持されずに像流れが生ずることがあり、その対策が講じられている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1では、像流れ防止技術としてアモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置において、メイン電源を投入後(いわゆる朝一状態)、現像剤を供給しつつ200回転以上駆動させるという技術が提案されている。この技術では、メイン電源投入後常に感光体が200回転しさらにその間トナーが消費されてしまう。これは、機械が正常に動作するまでの時間を遅らせること、また、像流れの起きない環境(高湿環境以外)でも実施される事となりトナーの消費量が多くなったり、回収トナーを再利用する(リクレイム)システムの場合はトナーの外添剤の離脱や埋没が発生しトナーの劣化が加速されるという欠点がある。
一方、ブレードのめくれ防止技術として、電源投入直後や、画像形成終了後長期間経た後の再画像形成動作開始時に環境検知手段により検知した環境に基づきトナー像の幅を制御し供給するという技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、特許文献2においては環境検知し供給トナー幅を制御しているがブレードめくれ防止という観点でのトナー供給であり感光体を研磨し像流れを防止するための方法が記述されておらず特に表面層が摩耗しにくい構造の感光体においては像流れが防止できない。
特開平7−234619号公報 特開平7−287495号公報
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、電源投入直後や、画像形成終了後長期間経た後の再画像形成動作開始時において像流れを防止することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記電子写真感光体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニングブレードと回転ブラシとで構成されるクリーニング手段と、を備える画像形成装置であって、前記画像形成装置内の環境情報を検知する環境検知手段をさらに有し、再画像形成動作開始時に前記環境検知手段により検知した環境情報に基づき前記現像手段により所定量のトナーバンドを前記電子写真感光体表面に供給し、トナーバンド供給後前記電子写真感光体を1周以上回転させる画像形成装置である。
<2> 前記環境情報は前記電子写真感光体周辺の温度及び/又は湿度であり、トナーバンドの供給量を検知された環境情報により制御する<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 画像形成終了後次の画像形成を行うまでの時間を計測する時間計測手段をさらに有し、計測された時間と計測時間内に検知した環境情報とからトナーバンドの供給量を制御する<1>又は<2>に記載の画像形成装置である。
<4> 前記トナーバンド供給後、前記電子写真感光体の回転速度を画像形成時と比較して遅くする<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<5> 前記トナーバンド供給後、前記回転ブラシの回転速度を画像形成時と比較して速くする<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<6> 前記トナーバンド供給後、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナーバンドの被転写体への転写を行わない<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<7> 前記電子写真感光体を前記帯電手段で帯電させずに前記電子写真感光体の残留電位と前記現像手段の現像電位との電位差で前記トナーバンドを形成する<1>乃至<6>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<8> 前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体表面と接触する側の面のJIS−A硬度が80度以上である<1>乃至<7>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<9> 前記トナーには研磨粒子が外添されている<1>乃至<8>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<10> 前記電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に形成された感光層と、前記感光層上に形成された表面層とを少なくとも有し、前記表面層は、電荷輸送能を有する構造単位を有し且つ架橋構造を有する樹脂を含有するものである<1>乃至<9>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<11> 前記電荷輸送能を有する構造単位を有し且つ架橋構造を有する樹脂は、シロキサン系樹脂である<10>に記載の画像形成装置である。
<12> 前記シロキサン系樹脂は、下記一般式(I−1)で表される化合物又はその誘導体の硬化物である<11>に記載の画像形成装置である。
F−[D−Si (R2(3-a)ab 一般式(I−1)
(一般式(I−1)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。)
<13> 前記シロキサン系樹脂は、下記一般式(I−2)で表される化合物又はその誘導体の硬化物である<11>に記載の画像形成装置である。
F−((X)nR1−ZH)m 一般式(I−2)
(一般式(I−2)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子、NHまたはCO2、mは1〜4の整数を表す。Xは酸素又は硫黄を表し、nは0または1を表す。)
<14> 前記表面層は、下記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物又はその加水分解縮合物を少なくとも1種さらに含有する<10>乃至<13>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
B―(Si(R2(3-a)a2 一般式(II)
(一般式(II)中、Bは2価の有機基を表わし、R2は水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を表わし、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。)
<15> 前記表面層は、下記一般式(III)で表される繰り返し構造単位を有する環状化合物又はその誘導体をさらに含有する<10>乃至<14>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
Figure 2006091563
(一般式(III)中、A1及びA2はそれぞれ独立に一価の有機基を表す。)
<16> 前記表面層は、活性水素を有する基を複数有し且つフッ素原子を有するポリマーをさらに含有する<10>乃至<15>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<17> 前記活性水素を有する基は、水酸基及び/又はカルボキシル基である<16>に記載の画像形成装置である。
<18> 前記表面層は、フェノール樹脂をさらに含有する<10>乃至<17>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<19> 前記表面層は、アルコール系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも一種に可溶な樹脂から形成されたものである<10>乃至<18>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<20> 前記感光層は、電荷発生材料としてCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有する<10>乃至<19>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
本発明の画像形成装置によれば、電源投入直後や、画像形成終了後長期間経た後の再画像形成動作開始時において像流れを防止することができる。
以下、本発明の画像形成装置について詳細に説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係るフルカラーの画像形成装置を示す概略構成図である。図中の符号10はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像を形成することができる作像装置としての作像ユニット、20は作像ユニット10で形成されるトナー像を無端ベルトにより所定位置まで搬送する中間転写ベルトモジュール、Pは記録用紙を示す。
この画像形成装置は、まず、その作像ユニット10において、矢線A方向に所定の速度で回転駆動される電子写真感光体としての感光ドラム11の表面が、帯電手段である帯電ロール12により所定の電位に一様に帯電され、しかる後、その帯電された感光ドラム11の表面に潜像形成手段としてのROS(RasterOutputScanner)13から画像情報に応じて変調されたレーザービームBmが走査露光されて静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像は、その潜像の色に対応するトナーを含有する現像剤が収容された現像手段であるロータリ式現像装置14の現像器14(Y,M,C,K)によって現像される。この結果、感光ドラム11上に静電潜像に対応した色のトナー像Tが形成される。感光ドラム11上に形成されたトナー像Tは、感光ドラム11が中間転写ベルト21と当接する一次転写位置N1にて、中間転写ベルト21外周面に転写される。
なお、この転写後の感光ドラム11の表面はクリーニングブレード15aと回転ブラシ15bとで構成されるクリーニング手段であるドラム用クリーナ15によって清掃される。上記画像情報は、原稿読取装置や外部接続機器(パーソナルコンピュータなど)等から得られる画像情報である。
このように作像ユニット10の感光ドラム11上で形成されたトナー像Tは、中間転写ベルトモジュール20の中間転写ベルト21に転写される。
ここで、中間転写ベルト21は、合成樹脂フィルム又はゴム製の無端ベルトからなり、中間転写ベルト21の内周面に、駆動ロール22、テンションロール23、バックアップロール24及び従動ロール25が、この順に時計周り方向に配置されることにより張架されており、矢線B方向へ所定の速度で回転駆動されるようになっている。また、この中間転写ベルト21の感光ドラム11と対向する内周面側(一次転写位置N1)には、感光ドラム11上のトナーの帯電極性とは逆極性の1次バイアスが印加される1次転写バイアスロール26が配設されている。
また、中間転写ベルト21の従動ロール25と対向する外周面側には、中間転写ベルト21に対して接離可能なベルト用クリーナ27が配設されている。さらに、この中間転写ベルト21のバックアップロール24と対向する外周面側(二次転写位置N2)には、中間転写ベルト21に対して接離可能な二次転写ロール30が配設されている。また、そのバックアップロール24には、そのロール24に対して中間写ベルト21上のトナーの帯電極性と逆極性の2次転写バイアスを印加するための給電ロール31が配設されている。
このような中間転写ベルトモジュール20においては、前記した感光ドラム11上のトナー像Tが一次転写位置N1で中間転写ベルト21に静電的に1次転写され、しかる後、その中間転写ベルト21の回転に伴なって2次転写位置N2まで搬送される。そして、この中間転写ベルト21上のトナー像は、二次転写位置N2に供給される記録用紙Pに対して静電的に2次転写される。ここで、記録用紙Pは、用紙収容カセット35に収容されており、フィードロール36によりそのカセット内から送り出された後、複数の搬送ロール37等にて構成される用紙搬送路を経由してレジストロール38まで搬送され、最後に2次転写タイミングに合わせてレジストロール38により二次転写位置N2に送り込まれるようになっている。図中の矢付一点鎖線は記録用紙Pの搬送経路を示す。
また、この中間転写ベルトモジュール20においては、単色画像を形成する場合には、中間転写ベルト21に1次転写された当該単色のトナー像Tが直ちに記録シートPに2次転写されるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、前記した感光ドラム11上での当該各トナー像の形成並びにそのトナー像の1次転写の工程が色数分だけ繰り返されるようになっている。
例えば、4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合、感光ドラム11ではイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像が順次形成され、その形成順で中間転写ベルト21に1次転写される。また、カラー画像を形成する場合には、上記したように複数のトナー像を中間転写ベルト21上で重ね合わせるように多重転写するため、前記ベルト用クリーナ27及び2次転写ロール30は、少なくとも中間転写ベルト21に先に1次転写されたトナー像をそのベルト用クリーナ27や2次転写ロール30が触れることによって乱してしまわないような所定のタイミングで中間転写ベルト21に対して当接したり又は離間するようになっている。
次いで、トナー像Tが2次転写された後の記録用紙Pは、定着装置40に送り込まれて定着処理される。この定着装置40は、加熱ロール41と加圧ロール(加熱機能を兼備していてもよい)42が圧接された状態で回転するように配設されたものであり、この両ロール41、42の圧接部である定着用ニップ部に記録用紙Pを導入して通過させるようになっている。
したがって、2次転写後に中間転写ベルト21から剥離した記録用紙Pは、定着装置40の定着用ニップ部に送りこまれて通過することにより、トナー像が加熱加圧されて記録用紙Pの片面に定着される。そして、この定着終了後の記録用紙Pは、定着装置40から排出された後に排出ロール43等により機外又は後処理装置(又は両面プリントの場合には両面用搬送路)に搬送排出される。
以上の工程を経ることにより、このカラー画像形成装置による基本的な画像形成プロセスが完了する。
画像形成装置の使用状況によっては、画像形成プロセスの時間的間隔が開くことがある。高温高湿の環境下に画像形成装置が設置される場合、画像形成プロセスの時間的間隔が開くことにより感光ドラム11表面に放電生成物が付着しやすくなる。この放電生成物が像流れ原因になると考えられている。本発明の画像形成装置は、画像形成装置内の環境情報を検知する環境検知手段を有する。この環境検知手段より検知された環境情報に基づき、再画像形成動作開始時に所定量のトナーバンドを感光ドラム11に供給し、トナーバンド供給後感光ドラム11を1周以上回転させる。トナーバンドの供給量としては、回転ブラシ15bの表面全体にトナーが行き渡る程度が好ましい。具体的には、例えば、感光ドラム11の1周分のトナーバンドを供給することにより、回転ブラシ15bの表面全体にトナーを行き渡らせることができる。
トナーバンドの供給量は、例えば、トナーバンドの濃度及び/又は幅を調整することにより制御できる。
トナーバンド供給後すなわち回転ブラシ15bの表面全体にトナーを行き渡らせた後、感光ドラム11を1周以上回転させることにより表面にトナーの供給された回転ブラシ15bによって感光ドラム11の表面全体がクリーニングされる。これにより、感光ドラム11表面に付着した放電生成物を除去することができる。その後、上述した画像形成プロセスを開始することにより像流れの発生を防ぐことができる。
放電生成物は感光ドラム11表面に強固に付着していることがある。この場合、表面にトナーの付着していない回転ブラシとクリーニングブレードとでは放電生成物を十分に除去することが困難である。回転ブラシの表面にトナーを付着させることにより、回転ブラシのクリーニング能力を向上させることができる。回転ブラシのクリーニング能力をさらに向上させるため、トナーには研磨粒子が外添されていることが好ましい。研磨粒子の具体例としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化セリウム、酸化鉄などの金属酸化物、窒化チタンなどの窒化物、酸化ケイ素、チタン化合物などが挙げられる。外添剤の添加量としては、トナー100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部であり、より好ましくは0.1〜8質量部である。
前記環境検知手段が検知する環境情報としては、感光ドラム11周辺の温度及び/又は湿度であり、トナーバンドの供給量を検知された環境情報(この場合、温度及び/又は湿度)により制御することが好ましい。放電生成物の感光ドラム11表面への付着量は、温度及び/又は湿度により変化することが知られている。感光ドラム11周辺の温度及び/又は湿度に基づいてトナーバンドの供給量を制御することにより、放電生成物を効率的に除去することができる。
放電生成物の感光ドラム11表面への付着量は、画像形成終了後次の画像形成を行うまでの時間の長短により変化する。そのため、本発明の画像形成装置は、画像形成終了後次の画像形成を行うまでの時間を計測する時間計測手段をさらに有し、計測された時間と計測時間内に検知した環境情報とからトナーバンドの供給量を制御することが好ましい。これにより、回転ブラシ15bに適切な量のトナーを供給することができるようになる。
感光ドラム11の表面にトナーバンド供給後、感光ドラム11の回転速度を画像形成時(画像形成プロセスの実行時)と比較して遅くすることが好ましい。これにより、ドラム用クリーナ15による感光ドラム11表面のクリーニング時間を長くすることができ、その結果として感光ドラム11表面の放電生成物をより確実に除去することができる。
感光ドラム11の表面にトナーバンド供給後、回転ブラシ15bの回転速度を画像形成時(画像形成プロセスの実行時)と比較して速くすることが好ましい。これにより、感光ドラム11表面の放電生成物をより確実に除去することができる。
感光ドラム11の表面にトナーバンド供給後、感光ドラム11の表面に形成されたトナーバンドの、被転写体である中間転写ベルト21への転写を行わないことが好ましい。トナーバンドの中間転写ベルト21への転写を行わないことにより、一次転写位置N1の感光ドラム回転方向下流に位置する回転ブラシ15bにより多くのトナーを供給することができる。
中間転写ベルト21にトナーバンドを転写させないためには、例えば、(1)感光ドラム11と中間転写ベルト21とを離間させる、(2)1次転写バイアスロール26が1次バイアスを印加しないようにする、(3)1次転写バイアスロール26がトナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加する、等の方法が挙げられる。
本発明の第一実施形態に係る画像形成装置は、感光ドラム11上に形成されたトナー像Tを一旦中間転写ベルト21外周面に転写(一次転写)し、その後記録用紙Pに転写(二次転写)するものであるが、感光ドラム上に形成されたトナー像を直接記録用紙に転写する態様の画像形成装置である場合、感光ドラムの表面にトナーバンド供給後、感光ドラムの表面に形成されたトナーバンドの記録用紙への転写を行わないことが好ましい。
感光ドラム11へのトナーバンドの形成は、感光ドラム11を帯電ロール12で帯電させずに感光ドラム11の残留電位と現像器14の現像電位との電位差(いわゆるバイアス現像)で行うことが好ましい。バイアス現像でトナーバンドを形成することにより、トナーバンド形成の際の放電生成物の発生を抑えることができる。
クリーニングブレード15aの感光ドラム11表面と接触する側の面のJIS−A硬度は、80度以上であることが好ましい。JIS−A硬度を80度以上にすることにより、感光ドラム11に付着する放電生成物をより確実に除去することができる。なお、本発明においてクリーニングブレードの硬度とは、JISK7311に示される硬さ試験法に従い、JISK7215に規定されるタイプAデュプロメータを用いて測定された値をいう。
本発明の画像形成装置に用いられる各部材は特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることが可能である。
感光ドラム11は、導電性基体と、前記導電性基体上に形成された感光層と、前記感光層上に形成された表面層とを少なくとも有し、前記表面層は、電荷輸送能を有する構造単位を有し且つ架橋構造を有する樹脂(以下、電荷輸送性架橋樹脂と称することがある。)を含有するものであることが好ましい。このような感光ドラムを用いることにより、感光ドラムの寿命を延長することができる。
前記導電性基体としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅、インジウム等の金属を蒸着したものや酸化インジウム、酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着したもの;上記基材に金属箔をラミネートしたもの又はカーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等を結着樹脂に分散し、それを塗布することによって導電処理したもの等が用いられる。
感光ドラム11は、ドラム状を示すが、導電性基体の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。尚、導電性基体を金属パイプとした場合、表面は素管のままであってもよいし、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング等の処理が行われていてもよい。
導電性基体と感光層との間には、下引層を設けてもよい。下引層は、樹脂、有機或いは無機の粉末、電子輸送性物質等から任意に選択されて構成される。樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子樹脂化合物、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。そして、これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。更にこれらの中でも、ジルコニウムキレート化合物、シランカップリング剤は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
上記のシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピル-トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。また、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
下引層中には、電気特性の向上や光散乱性の向上などの目的により、各種の有機化合物の微粉末もしくは無機化合物の微粉末を添加することができる。特に、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やテフロン(登録商標)樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子などが有効である。添加微粉末の粒径は0.01〜2μmのものが用いられる。微粉末は必要に応じて添加されるが、その添加量は下引層の固形分の総質量に対して、質量比で10〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
また、下引層中には、電子輸送性物質、電子輸送性顔料等を含有させることも低残留電位化や環境安定性の観点から有効である。更に、下引層の厚みは0.01〜30μm、好ましくは0.05〜25μmが好ましい。また、下引層を形成するための塗布液を調製する際に、微粉末状の物質を添加する場合には樹脂成分を溶解した溶液中に添加して分散処理が行われる。この分散処理方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。この下引層は導電性基体上に下引層を形成するための塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成することができる。このときの塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
前記感光層は、一層のみからなっていてもよいし、電荷発生層と電荷輸送層とから構成される機能分離型の感光層であってもよい。前記感光層が機能分離型である場合、前記導電性基体側から電荷発生層と電荷輸送層とがこの順に積層されている態様が好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質を真空蒸着により形成するか、有機溶剤及び結着樹脂とともに分散し塗布することにより形成される。
分散塗布により電荷発生層を形成する場合、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹脂、添加剤等とともに分散し、得られた分散液を塗布することにより形成される。
本発明において、電荷発生材料としては、公知の電荷発生物質なら何でも使用できる。
赤外光用ではフタロシアニン系顔料、スクアリリウム、ビスアゾ、トリスアゾ、ペリレン、ジチオケトピロロピロール、可視光用としては縮合多環顔料、ビスアゾ、ペリレン、トリゴナルセレン、色素増感した酸化亜鉛微粒子等を用いる。
これらの中で、特に優れた性能が得られ、好ましく使用される電荷発生物質として、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料が用いられる。フタロシアニン系顔料を用いることにより、特に高感度で、繰り返し安定性の優れる電子写真感光体を得ることができる。
フタロシアニン系顔料やアゾ系顔料は一般に数種の結晶型を有しており、目的にあった電子写真特性が得られる結晶型であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。特に好ましく用いられるフタロシアニン系顔料としては、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、オキシチタニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン等が挙げられる。
本発明においては、前記感光層が前記電荷発生材料としてCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有することが好ましい。前記特定のヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いることにより、光感度が上昇するため、高速度で感光体を回転させることが可能となり、高速度適性が向上し、さらに感光体の小径化が可能となる。また、使用される環境に対しても変動が少なく安定するという効果がある。
フタロシアニン顔料結晶は、公知の方法で製造されるフタロシアニン顔料を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
上記の処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系があげられる。
使用される溶剤は、顔料結晶1質量部に対して、1〜200質量部、好ましくは10〜100質量部の範囲で用いる。処理温度は、−20℃〜溶剤の沸点以下、好ましくは−10〜60℃の範囲で行う。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍用いればよい。
また、公知の方法で製造されるフタロシアニン系顔料結晶は、アシッドペースティングあるいはアシッドペースティングと前述したような乾式粉砕あるいは湿式粉砕を組み合わせることにより、結晶制御することもできる。アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ましく、濃度70〜100%、好ましくは95〜100%のものが使用され、溶解温度は、−20〜100℃好ましくは−10〜60℃の範囲に設定される。濃硫酸の量は、フタロシアニン顔料結晶の質量に対して、1〜100倍、好ましくは3〜50倍の範囲に設定される。析出させる溶剤としては、水あるいは、水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用いられる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択することもできる。
好ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。これらの中で特にポリビニルアセタール樹脂が好ましく用いられる。
電荷発生層形成用塗布液において、電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。塗布液を調整するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の方法を用いることができる。さらにこの電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることは高感度・高安定性に対して有効である。
さらに、電荷発生材料は電気特性の安定性向上、画質欠陥防止などのために表面処理を施すことができる。表面処理剤としてはカップリング剤などを用いることができるがこれに限定されるものではない。
表面処理に用いるカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
これらのなかでも特に好ましく用いられるシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が上げられる。
また、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等の有機ジルコニウム化合物も用いることができる。
また、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等の有機チタン化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物も用いることができる。
さらに、この電荷発生層用塗布液には電気特性向上、画質向上などのために種々の添加剤を添加することもできる。添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。
シランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等である。
ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
電荷輸送層に含有される電荷輸送物質としては、公知のものならいかなるものでも使用可能であるが、下記に示すものを例示することができる。2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体等の正孔輸送物質。クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送物質、あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等があげられる。
これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
電荷輸送層の結着樹脂は公知のものであればいかなるものでも使用することが出来るが、電気絶縁性のフィルム形成可能な樹脂が好ましい。
例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレンーアルキッド樹脂、ポリ−N−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリアクリルアミド、カルボキシーメチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。
これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混合して用いられるが、特にポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が電荷輸送材との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れ好ましく用いられる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合比(質量比)はいずれの場合も任意に設定することができるが、電気特性低下、膜強度低下に注意しなくてはならない。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
前記表面層に用いられる電荷輸送性架橋樹脂としては、例えば、シロキサン系樹脂が挙げられる。
前記シロキサン系樹脂としては、例えば、シロキサン、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、その他必要な成分等を3次元的に架橋した樹脂であってもよいが、下記一般式(I−1)若しくは一般式(I−2)で表される化合物又はその誘導体の硬化物であることが好ましい。
F−[D−Si (R2(3-a)ab 一般式(I−1)
(一般式(I−1)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。)
F−((X)nR1−ZH)m 一般式(I−2)
(一般式(I−2)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子、NHまたはCO2、mは1〜4の整数を表す。Xは酸素又は硫黄を表し、nは0または1を表す。)
一般式(I−1)、(I−2)中、Fは、正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基であり、従来、電荷輸送物質として知られている構造をそのまま用いることができる。具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、等の正孔輸送性を有する化合物骨格を有する有機基を用いることができる。
一般式(I−1)中、−Si(R2(3-a)aは加水分解性基を有する置換ケイ素基を表すが、この置換ケイ素は、Si基により、互いに架橋反応を起こして、3次元的なSi−O−Si結合を形成する。即ち、この置換ケイ素基は、表面層中にいわゆる無機ガラス質ネットワークを形成する役割を担う。
一般式(I−1)中、Dは、可とう性サブユニットを示すが、具体的には、光電特性を付与するためのF部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークに直接結合で結びつく置換ケイ素基とを結びつける働きを担い、かつ、堅さの反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜としての強靱さを向上させるという働きを担う有機基を表す。
Dとして具体的には、−Cn2n−、−Cn(2n-2)−、−Cn(2n-4)−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、nは1〜15の整数を表す。)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−(C64)−(C64)−、および、これらを任意に組み合わせた特性基、更にはこれらの特性基の構造原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。
一般式(I−1)中、bは、2以上であることが好ましい。bは2以上であると、一般式(I−1)で表される光機能性有機ケイ素化合物中にSi原子を2つ以上含むことになり、無機ガラス質ネットワークを形成し易くなり、機械的強度が向上する。
一般式(I−1)、(I−2)で表される化合物としては、有機基Fが特に下記一般式(I−3)で表される化合物が好ましい。下記一般式(I−3)で表わされる化合物は、正孔輸送能を有する化合物(正孔輸送物資)であり、これを表面層に含有させることは、特に表面層における光電特性及び機械特性の向上の観点から好ましい。
Figure 2006091563
一般式(I−3)中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に置換あるいは未置換のアリール基を表す。Ar5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は、アリーレン基を表す。但し、Ar1〜Ar5のうち2〜4個は、−D−Si(R2(3-a)aで表される結合手を有する。Dは可とう性サブユニットを表す。R2は水素、アルキル基、又は、置換若しくは未置換のアリール基を表す。Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表す。kは0又は1を示す。
一般式(I−3)中、Ar1〜Ar5として具体的には、下記式(I−4)〜(I−10)に示すものが好ましい。
Figure 2006091563
ここで、式(I−4)〜(I−10)中、R5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、及び、炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選ばれる1種を表す。また、R6は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表す。また、Xは前述の−D−Si(R2(3-a)aで表される構造を有する特性基を表し、m及びsはそれぞれ0又は1を表し、tは1〜3の整数を表す。
式(I−10)中、Arは、下記式(I−11)〜(I−12)に示されるものが好ましい。
Figure 2006091563
式(I−11)、(I−12)中、R6はそれぞれ先に述べたR6と同義である。また、tは1〜3の整数を表す。
式(I−10)中、Z’は、下記式(I−13)〜(I−14)に示されるものが好ましい。
また、先に述べたように、式(I−4)〜(I−10)中、Xは前述の−D−Si(R2(3-a)aで表される構造を有する特性基を表す。その特性基中のDとしては、先に述べた−Cl2l−、−Cm2m-2−、−Cn2n-4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、lは1〜15の整数を表し、mは2〜15の整数を表し、nは3〜15の整数を表す)、−N=CH−、−O−、−COO−の他に、−S−、−(CH)β−(βは1〜10の整数を表す)、先に述べた一般式(I−11)、先に述べた一般式(I−12)、下記一般式(I−13)及び(I−14)で表される特性基が挙げられる。
Figure 2006091563
ここで、式(I−14)中、y及びzはそれぞれ1〜5の整数を表し、tは1〜3の整数を表し、先に述べたようにR6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表す。
一般式(I−3)中、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基、又は、アリーレン基を表わすが、k=0のときには表4に示す式(I−15)〜(I−19)のいずれかに当てはまるものが好ましく、更には、k=1のとき表5に示す式(I−20)〜(I−24)のいずれかに当てはまるものが好ましい。
Figure 2006091563
Figure 2006091563
また、式(I−3)中のAr5が、表4に示す式(I−15)〜(I−19)の何れか、更には、表5に示す式(I−20)〜(I−24)の何れかの構造をとる場合には、式(I−19)及び(I−24)中のZは、下記一般式(I−25)〜(I−32)からなる群より選択される1種であることが好ましい。
Figure 2006091563
ここで、式(I−25)〜(I−32)中、R7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、Wは2価の基を表し、q及びrはそれぞれ1〜10の整数を表し、t’は1〜2の整数、をそれぞれ表す。
上記式(I−31)及び(I−32)中のWとしては、下記(I−33)〜(I−41)で表される2価の基のうちのいずれかであることが好ましい。なお、式(I−40)中、s’は0〜3の整数を表す。
−CH2− ・・・(I−33)
−C(CH32− ・・・(I−34)
−O− ・・・(I−35)
−S− ・・・(I−36)
−C(CF32− ・・・(I−37)
−Si(CH32− ・・・(I−38)
Figure 2006091563
また、一般式(I−3)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2001−83728号公報における表1〜表55に記載の化合物番号1〜274のものが使用できる。
一般式(I−1)で表される化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
前記表面層は、下記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物又はその加水分解縮合物を少なくとも1種さらに含有することが好ましい。これにより、表面層の機械的強度をさらに向上させることができる。
B―(Si(R2(3-a)a2 一般式(II)
(一般式(II)中、Bは2価の有機基を表わし、R2は水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を表わし、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。)
一般式(II)で表される化合物としては、下記式(II−1)〜(II−5)で表されるものが好ましい物としてあげることができるが本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
なお、式(II−1)〜(II−5)中、T1、T2はそれぞれ独立に枝分かれしていてもよい2価あるいは3価の炭化水素基を表す。Aは先に述べた加水分解性を有する置換ケイ素基を表す。h、i、jはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。また、式(II−1)〜(II−5)で表される化合物は、分子内のAの数が2以上となるように選ばれる。
Figure 2006091563
以下に、一般式(II)で表される化合物の好ましい具体例を表9および表10に示す。なお、表9、10中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Prはプロピル基を表す。
Figure 2006091563
Figure 2006091563
一般式(I−1)や(I−2)で表される化合物と共に、さらに架橋反応可能な他の化合物を併用しても良い。このような化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコン系ハードコート剤を用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、CR−39、X−12−2208、X−40−9740、X−41−1007、KNS−5300、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、およびAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)、などが挙げられる。
前記表面層は、フェノール樹脂をさらに含有してもよい。フェノール樹脂について以下に説明する。
一般的にフェノール樹脂は、フェノール類に対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ触媒で反応させて得られるレゾールタイプと、ホルムアルデヒドに対しフェノール類を過剰にして酸触媒で反応させて得られるノボラックタイプにわけられる。
本発明における結着樹脂として利用されるフェノール樹脂は上記のレゾールタイプ及びノボラックタイプのどちらでも利用可能であるが、強度、塗料としての取り扱い安さ、特性の安定性などの面からレゾールタイプが好ましい。また、フェノール樹脂のほかエポキシ樹脂などと混合して用いる場合はレゾールタイプ及びノボラックタイプいずれも良好な特性のものが得られる。用いるフェノール樹脂は上記のような方法で合成したものを用いることができ、その際に用いられる主たるフェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシン及びビスフェノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール及びアセトアルデヒド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、市販のフェノール樹脂としては、住友ベークライト社(スミライトシリーズ)、群栄化学社(レヂトップシリーズ)、昭和高分子社(ショウノールシリーズ)などがあげられる。
前記表面層は、下記一般式(III)で表される繰り返し構造単位を有する環状化合物又はその誘導体をさらに含有することが塗布液のポットライフの延長、膜特性のコントロールの観点から好ましい。
Figure 2006091563
(一般式(III)中、A1及びA2はそれぞれ独立に一価の有機基を表す。)
一般式(III)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンを挙げることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
前記表面層は、活性水素を有する基を複数有し且つフッ素原子を有するポリマー(以下、フッ素原子含有ポリマーと称することがある。)をさらに含有することが好ましい。
表面層にフッ素原子含有ポリマーを含有させることにより、表面潤滑性を付与することができる。表面潤滑性を向上させることによりクリーニング部材との摩擦係数が低下し、耐摩耗性を向上させることができる。また、電子写真感光体表面に対する放電生成物、現像剤および紙粉などの付着を防止する効果も有し、電子写真感光体の寿命向上に役立つ。
フッ素原子含有ポリマーについて説明する。活性水素基としては、水酸基(−OH)、カルボキシル基(一COOH)、チオール基(一SH)、アミノ基(一NH2、−NH−)等が挙げられる。この中でも、活性水素を有する基としては、水酸基及び/又はカルボキシル基が電気特性上好ましい。また、活性水素を有する基は、フッ素原子含有ポリマーに複数個含まれている。
上記フッ素原子含有ポリマーとしては、下記一般式(IV)で示される構造単位と、下記一般式(V)で示される構造単位と、を有することが好ましい。
Figure 2006091563
ここで、上記式(IV)中、Rl及びR2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数1〜10のアルキル基が好ましい)、又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数6〜10のアリール基が好ましい)を示す。なお、アルキル基又はアリール基の置換基としてはハロゲン原子が好ましく、1個又は複数個置換されたものが挙げられる。
Figure 2006091563
ここで、上記式(V)中、R3は水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数1〜10のアルキル基が好ましい)、又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数6〜10のアリール基が好ましい)を示す。なお、アルキル基又はアリール基の置換基としてはハロゲン原子が好ましく、1個又は複数個置換されたものが挙げられる。また、R4は、−OR5−、−CH26−又は−COOR7−で示される2価の基であり、R5、R6及びR7はそれぞれ独立にアルキレン基(炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい)、シクロアルキレン基(炭素数6〜10のシクロアルキレン基が好ましい)、アルキリデン基(炭素数2〜10のアルキリデン基が好ましい)又はアリーレン基(炭素数6〜10のアリーレン基が好ましい)を、Yは水酸基又はカルボキシル基を示す。
なお、上記フッ素原子含有ポリマーにおける上記構造単位の含有比は、上記一般式(IV)で示される構造単位1モルに対して、上記一般式(V)で示される構造単位が0.01〜1000モル含有されていることが好ましく、0.1〜100モル含有されていることがより好ましい。
上記フッ素原子含有ポリマーとしては、活性水素基が水酸基であり、フッ素原子含有ポリマーの水酸基価が10〜250mg−KOH/gであることが好ましく、20〜200mg−KOH/gであることがより好ましい。かかる水酸基価が10mg−KOH/g未満であると、架橋構造を有する樹脂との相溶性、反応性が不十分となり、塗布液の白濁や分離が生じ、得られる表面層の強度が低下する傾向がある。他方、250mg−KOH/gを超えると、表面層の特性の環境変動が大きくなる傾向がある。
ここで、上記水酸基価は、JIS K 0070に記載の方法に準拠して、又はその方法に準拠する測定機器により測定される値である。
上記特定の水酸基のフッ素原子含有ポリマーは、上記一般式(IV)で示される構造単位と、下記一般式(VI)で示される構造単位とを有することが好ましい。
Figure 2006091563
ここで、上記式(VI)中、R3は水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数1〜10のアルキル基が好ましい)、又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数6〜10のアリール基が好ましい)を示す。なお、アルキル基又はアリール基の置換基としてはハロゲン原子が好ましく、1個又は複数個置換されたものが挙げられる。また、R4は、−OR5−、−CH26−又は−COOR7−で示される2価の基であり、R5、R6及びR7はそれぞれ独立にアルキレン基(炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい)、シクロアルキレン基(炭素数6〜10のシクロアルキレン基が好ましい)、アルキリデン基(炭素数2〜10のアルキリデン基が好ましい)又はアリーレン基(炭素数6〜10のアリーレン基が好ましい)を示す。
なお、上記特定の水酸基のフッ素原子含有ポリマーにおける上記構造単位の含有比は、上記一般式(IV)で示される構造単位1モルに対して、上記一般式(VI)で示される構造単位が0.01〜1000モル含有されていることが好ましく、0.1〜100モル含有されていることがより好ましい。
また、上記フッ素原子含有ポリマーは、さらに下記一般式(VII)で示される構造単位を有することが好ましい。上記フッ素原子含有ポリマーにおける上記構造単位の含有比は、上記一般式(IV)で示される構造単位1モルに対して、上記一般式(VII)で示される構造単位が0.0001〜1モル含有されていることが好ましく、0.001〜0.1モル含有されていることがより好ましい。
Figure 2006091563
ここで、上記式(VII)中、R8は水素原子又は炭化水素基(炭素数1〜10の炭化水素基が好ましい)を、R9、R10、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基(炭素数1〜10の炭化水素基が好ましい)を、pは0〜10の整数を、qは2以上の整数を示す。
また、上記フッ素原子含有ポリマーは、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。分岐鎖状のフッ素原子含有ポリマーとしては、例えば、主鎖に上記一般式(IV)で示される構造単位を有し、側鎖にポリシロキサン及び/又はパーフルオロアルキル基を有するものなどが挙げられる。
上記フッ素原子含有ポリマーの分子量は、2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。分子量が2000未満であると、所望の効果が得られなくなる傾向がある。他方、100000を越えると、溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする傾向がある。
上記フッ素原子含有ポリマーとしては、より具体的には、ZX−001、ZX−007C、ZX022、ZX022H、ZX022G(以上、富士化成工業社製)、セフラルコートシリーズ(セントラル硝子社製)、ルミフロンシリーズ(旭硝子社製)等が挙げられる。また、上記フッ素原子含有ポリマーは、目的に応じ適宜合成することも可能である。
また、前記表面層は、アルコール系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも一種に可溶な樹脂から形成されたものであることが樹脂の均一分散性、塗布液安定性、塗布性等の点で好ましい。
以下、本発明を下記実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
<感光ドラムの製造>
酸化亜鉛(SMZ−017N:テイカ製)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(A1100:日本ユニカー社製)2質量部を添加し、5時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で2時間焼き付けを行った。得られた表面処理酸化亜鉛を蛍光X線により分析した結果、Si元素強度は亜鉛元素強度の1.8×10-4であった。
前記表面処理を施した酸化亜鉛35質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175;住友バイエルンウレタン社製)15質量部とブチラール樹脂 BM−1 (積水化学社製)6質量部とメチルエチルケトン44質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、トスパール130(GE東芝シリコン社製)17質量部を添加し、下引層塗布液を得た。
この塗布液を浸漬塗布法にて直径84mm、長さ330mmのドラム形状のAl基体上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引層を得た。表面粗さは、東京精密社製表面粗さ形状測定器サーフコム570Aを使用し、測定距離2.5mm、走査速度0.3mm/secで測定し、Rz値0.24であった。
ついで、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部をポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1質量部、および酢酸n−ブチル100質量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布液を前記下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
下記構造(a)のベンジジン化合物2質量部と(b)の繰り返し単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量39,000)3質量部とをクロロベンゼン20質量部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚22μmの電荷輸送層を形成することにより感光ドラムAを得た。
Figure 2006091563
下記に示す構成材料に、メチルアルコール5質量部、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E:ローム・アンド・ハース社製)0.3質量部を加え、室温で攪拌することにより24時間保護基の交換反応を行った。
−構成材料−
化合物1 2質量部
化合物2 1質量部
コロイダルシリカ 0.3質量部
Me(MeO)2−Si−(CH24−Si−Me(OMe)2 2質量部
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)メチルジメトキシシラン 0.1質量部
ヘキサメチルシクロトリシロキサン 0.3質量部
ZX−022(富士化成工業社製) 0.25質量部
Figure 2006091563
Figure 2006091563
その後、n−ブタノール10質量部、蒸留水0.25質量部を添加し、5分加水分解を行なった。加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1質量部、アセチルアセトン0.1質量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4質量部を加え、このコーティング液を感光体ドラムAの電荷輸送層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、130℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3μmの表面層を形成することにより感光ドラムBを得た。
[実施例1]
富士ゼロックス Docu Centre Color500の感光ドラムを感光ドラムBに変更し、帯電器とドラム用クリーナとを以下のように改造し実験を行った。
帯電器: BCR(東海ゴム社製BCR)
[クリーナ]
クリーニングブラシ:ポリプロピレン樹脂17デニール50000本/inch2、外径:φ19mm
クリーニングブラシの回転方向:感光ドラムBの回転方向とは逆方向に170rpm
クリーニングブラシのニップ量:1.5mm
クリーニングブレード:ウレタン製2層構造 感光ドラムBへの接触面:JIS−A硬度90°(厚さ0.3mm)クリーニングブレードの取り付け板金側:JIS−A硬度77°(厚さ1.7mm)
クリーニングブレードの押し付け圧力:4.5gf/mm
[使用トナー]
富士ゼロックスDocu CenterColor500に使用しているもの(形状係数132 EA法にて製造)に研磨剤として酸化セリウム0.2%(重量比)を外添したものをトナーとして用いた。
なお、富士ゼロックスDocuCentreColor500は図1に示す構成を有する画像形成装置である。
下記マトリックスの環境下にて画像密度5%(A4サイズ)の原稿を10000枚プリントし、所定時間画像形成装置のメイン電源をOffしその後画像密度20% A3サイズ全面ハーフトーンの画像をプリントし画像の再現性を確認するという実験を実施した。
この実験で、10000枚のプリント中に放出されるオゾンが空気中で窒素酸化物に変化し、更に空気中の水分と反応し硝酸塩等がイオン化して感光ドラムBの表面に付着する事で画像欠陥が発生すると考えられる。
画像形成装置のメイン電源をOffするということは、定着装置の電源をOffすることとなり、画像形成装置内の環境が実験室内の環境と等しくなり実験室内の環境によっては、生成した硝酸塩などが水分と反応しやすくなる。
初めに、10000枚プリント後放置時間を2時間、4時間、8時間と変化させ、放置時間経過後、再画像形成動作を開始させることにより各環境において画像欠陥(像流れ)の発生状況を把握した。結果を表11乃至表13に示す。この結果より、実験室の環境と、放置時間とにより画質欠陥の発生状態が変化していることがわかった。なお、像流れの評価基準を表14に示す。表14において、画像密度20%のハーフトーン(以下「20%CinH/T」という)一部濃度低下とは、X−Rite社製X−Rite404A濃度計にて測定した値が20%CinH/T部の濃度に対して30%以上低下して印刷された状態をいう。
また、20%H/T未再現面積とは、A3サイズ全面に20%CinH/Tパターンを印刷したときに白紙部として現れた面積を示す。
Figure 2006091563
Figure 2006091563
Figure 2006091563
Figure 2006091563
次に、前記実験で画像欠陥が発生した感光体に対して、画像形成動作開始時に感光ドラムB1周分のトナーバンドを供給すると同時にクリーニングブラシにてかきとる動作を入れた。この時、トナー像の最後の部分がクリーニング部に突入後に感光体を2周分空回転させ、その後前記画像欠陥評価チャートのサンプリング(A3サイズ全面ハーフトーンの画像形成)を実施し画像流れの回復程度を確認した。
その際の転写ロールのバイアス値は0Vで、中間転写ベルトは感光体に対して離間させた状態とした。感光ドラムBのプロセススピードは110mm/s(従来の半分)感光ドラムBへのトナー供給量は画像密度50%(50%Cin)(全面)ハーフトーンと同等量をバイアス現像方式にて供給した(バイアス現像:感光体の表面を帯電装置で帯電させずに現像器のバイアス電圧による電位差にて現像する方法。)。なお、この回復実験も、像流れが発生した環境下で行った。
得られた結果を表15乃至17に示す。
Figure 2006091563
Figure 2006091563
Figure 2006091563
次に、転写ロールのバイアス値は0Vで、中間転写ベルトは感光体に対して離間させた状態とし、感光ドラムBのプロセススピードは110mm/s(従来の半分)とし、感光ドラムBへトナーをバイアス現像方式にて供給することにより像流れが回復するのに必要なトナーバンドの供給量(画像密度;Cin)を求めた。この実験も像流れが発生した環境下で行った。得られた結果を表18に示す。
Figure 2006091563
以上の実験結果より、画像形成装置のレストタイム(最後の画像形成が終わってから再画像形成動作開始までの間、放置時間)と、レスト中の環境(温度、湿度)に対して像流れが回復するために必要なトナー量をまとめると表19のようになる。
また、得られた実験結果をフローチャートとして表したものを図2乃至4に示す。なおこれらの条件は、本実施例の構成での結果である。
Figure 2006091563
次に、上記した富士ゼロックス製Docu Centre Color500改造機を用いて、図2乃至図4のフローチャートに基づく制御を行い、プリントテストを行ったところ、最後のプリント終了からの時間、レスト時間における環境(温度、湿度)に影響なく像流れのない良好な画像が得られた。
本実施例の構成に対して下記条件を変更すると、効果は現われるが効果の程度が少なくなる。その結果は以下のとおりである。
前記回復実験中の感光ドラムBの回転速度を通常のプリント時の速度(今回は220mm/s)で行った場合は、回復のグレードが平均1段階程度悪化する結果が得られた。付着している放電生成物(イオン)が、回転ブラシ先端近傍に付着したトナーや外添剤(特に研磨剤)によりかきとられると考えられているが、感光ドラムBの回転速度を上げる事で感光ドラムBとブラシとの単位時間あたりの接触面積、回数が短くなるため回復のグレードが悪化したものと考えられる。その場合は、回転ブラシの回転数を上昇させたり、感光ドラムB上に供給するトナーの量を増やす事で回避できる。また中間転写ベルトを接触させて行った場合も同様に回復グレードが平均1〜2程度悪化した。転写のバイアスを0Vとしても機械的な圧力である程度のトナーは中間転写ベルト側に転写されるためで、この場合は、感光ドラムBに供給するトナー量を増加させる事で回避できる。しかし、結果的には、トナーの消費量が多くなるため始めに示した感光ドラムBの速度を落とし、転写装置を離間させる方法が理想的である。
使用するクリーニングブレードに対しても、従来型のJIS−A硬度77度までのたとえば、北辰工業製238778、バンドー化学製C1−77などを試したが、シロキサン系樹脂を含有する表面層を有する感光ドラムBを使用した場合は、クリーニングブレードのエッジ部分が微小に欠落してしまったり、エッジ部分の摩耗が多くなったりしてクリーニングブレードとしての耐久性に問題があり使用はできなかった。
今回使用した表面のJIS−A硬度が80度のクリーニングブレードでは、そのような欠落、摩耗は発生せず感光ドラムBの200000回転分の耐久性は確認できた。しかし、従来の有機感光体(シロキサン系樹脂を含有する表面層を有さない)においては、硬度77°以下のブレードも使用可能である。
[実施例2]
感光ドラムBを感光ドラムAに変更した以外は実施例1と同様にして画像欠陥(像流れ)の発生状況を確認したところ、像流れは発生しなかった。しかし、感光ドラムAの表面の摩耗が従来の機械構成と比較すると1.4倍と多くなってしまった。そのためクリーニングブレード及び回転ブラシの構成、設定値を見直した。その結果表20に示す機械構成・設定値で従来の摩耗量に対して10%程度の増加におさえられ、かつ像流れも発生しなかった。富士ゼロックスDocu Centre Color500の平均的な感光体摩耗量は35nm/kcy(kサイクル)である。感光体摩耗量は、下記方法により測定した。
フィッシャー社製渦電流式膜厚測定装置フィッシャースコープMMSを用いて初期状態に対して100000回転後の膜厚を測定し、初期状態からの減少分を1000回転あたりに換算する。尚、測定は長手方向、周方向合わせて40ポイント(初期状態測定時と同じ場所)の平均値とした。
尚、画像欠陥(像流れ)の発生状況は、トナーバンドとしてCin50%相当の感光体1周分のトナーバンドを突入させたのち2回転分感光体を空回しした後に確認した。
Figure 2006091563
第一実施形態に係るフルカラーの画像形成装置を示す概略構成図である。 実施例1の実験結果から得られたフローチャートを示す図である。 実施例1の実験結果から得られたフローチャートを示す図である。 実施例1の実験結果から得られたフローチャートを示す図である。
符号の説明
10・・・作像ユニット、
11・・・感光ドラム、
12・・・帯電ロール、
13・・・ROS、
14・・・ロータリ式現像装置、
14Y、14M、14C、14B・・・現像器、
15・・・ドラム用クリーナ、
15a・・・クリーニングブレード、
15b・・・回転ブラシ、
20・・・中間転写ベルトモジュール、
21・・・中間転写ベルト、
22・・・駆動ロール、
23・・・テンションロール、
24・・・バックアップロール、
25・・・従動ロール、
26・・・1次転写バイアスロール、
27・・・ベルト用クリーナ、
30・・・二次転写ロール、
31・・・給電ロール、
35・・・用紙収容カセット、
36・・・フィードロール、
37・・・搬送ロール、
38・・・レジストロール、
40・・・定着装置、
41・・・加熱ロール、
42・・・加圧ロール、
43・・・排出ロール

Claims (1)

  1. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記電子写真感光体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニングブレードと回転ブラシとで構成されるクリーニング手段と、を備える画像形成装置であって、
    前記画像形成装置内の環境情報を検知する環境検知手段をさらに有し、再画像形成動作開始時に前記環境検知手段により検知した環境情報に基づき前記現像手段により所定量のトナーバンドを前記電子写真感光体表面に供給し、トナーバンド供給後前記電子写真感光体を1周以上回転させる画像形成装置。
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