JP2006091248A - 写真処理装置及びセットアッププリント作成方法 - Google Patents
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【課題】 感光材料の幅方向(主走査方向)において発色濃度のムラが生じず、しかも適切な階調で画像データを感光材料に形成できる写真処理装置及びセットアッププリント作成方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、セットアッププリントに形成されたセットアップ画像から、所定ステップのグラデーション濃度の測定と、前記セットアッププリントの幅方向における発色濃度の測定とを測定可能に構成されてなる測色手段と、該測色手段の測定結果に基づき、所望の階調が表現されるように、且つ、感光材料の幅方向において発色濃度のムラが生じないようにプリントするためのプリントエンジンの調整データを作成する調整データ作成手段とを備え、前記調整データに従って前記プリントエンジンをセットアップすることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 本発明は、セットアッププリントに形成されたセットアップ画像から、所定ステップのグラデーション濃度の測定と、前記セットアッププリントの幅方向における発色濃度の測定とを測定可能に構成されてなる測色手段と、該測色手段の測定結果に基づき、所望の階調が表現されるように、且つ、感光材料の幅方向において発色濃度のムラが生じないようにプリントするためのプリントエンジンの調整データを作成する調整データ作成手段とを備え、前記調整データに従って前記プリントエンジンをセットアップすることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、感光材料にセットアップ画像を形成したセットアッププリントを使用してプリントエンジンのセットアップを行う写真処理装置及びそのセットアッププリントの作成方法に関する。
通常、写真処理装置においては、感光材料に画像を露光(形成)した場合に、適切な発色が得られるように、定期的(あるいは適宜)に、露光装置等のプリントエンジンを調整する、いわゆるセットアップが行われている。
上記セットアップは、先ず、図6に示すようなセットアッププリントを作成し、出力する。このセットアップ用プリントには、その幅方向(主走査方向)にグラデーションステップ(色データの0〜255の階調に対応する画像を段階的に(例えば、22ステップ)で表したもの)が形成されている。
そして、この形成されたグラデーションステップを測色装置により測定し、その測定した濃度値等から適正にプリントされているか(所望の階調が表現されているか)否かを判定し、適正でない場合には、それを適正なものに補正すべく、プリントエンジンの調整データ(画像データに対する発光強度や露光時間等の情報からなるデータ)の書き換え等を行い、かかる調整データに従って、再プリントを行う。以上の処理は、プリントが適正と判定されるまで繰り返される。
ところで、写真処理装置では、その内部における様々な変動要因(例えば、装置構成部品の経時変化や現像処理液の状態等)が、感光材料に形成される画像の発色状態に影響を与え、特に、その弊害として、感光材料の幅方向(主走査方向ともいえる)に濃度ムラを発生させてしまう場合がある。
これに対し、上記従来のセットアップは、かかる濃度ムラの調整を目的とするものでない。また、セットアップとは別に、同一濃度のデータに対してプリントエンジンの各発光素子の露光の均一化を維持するための調整、いわゆるユニフォミティ調整があるが、かかるユニフォミティ調整は、光センサ等を使用して、各発光素子の発光強度等を計測し、これに基づきプリントエンジンを調整するものである。したがって、かかる調整を行っても、例えば、現像処理液の状態等の変動要因による濃度ムラを解消することはできない。
また、このような濃度ムラが生じることに起因して、上記従来のセットアッププリントでは、その幅方向(主走査方向)にグラデーションステップを形成せざるを得ず、これはある意味、感光材料を無駄に消費していることにもなっていた。
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、感光材料の幅方向において発色濃度のムラが生じず、しかも適切な階調で画像データを形成できる写真処理装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、感光材料の消費を低減させることのできるセットアッププリント作成方法を提供することを第2の目的とする。
本発明に係る写真処理装置は、セットアッププリントに形成されたセットアップ画像から、所定ステップのグラデーション濃度の測定と、前記セットアッププリントの幅方向における発色濃度の測定とを測定可能に構成されてなる測色手段と、該測色手段の測定結果に基づき、所望の階調が表現されるように、且つ、感光材料の幅方向において発色濃度のムラが生じないようにプリントするためのプリントエンジンの調整データを作成する調整データ作成手段とを備え、前記調整データに従って前記プリントエンジンをセットアップすることを特徴とする。
上記構成の写真処理装置において、調整データ作成手段が作成する調整データは、具体的には、入力される画像データに対応する発光強度や露光時間等の前記プリントエンジンの出力(露光)条件に係るデータである。調整データ作成手段は、かかる調整データの作成において、測色手段によるセットアッププリントの幅方向における発色濃度の測定結果に基づく情報も加味する。具体的には、当該測定結果から幅方向(主走査方向ともいえる)における濃度ムラを検出し、それを吸収するような補正データ(ユニフォミティ補正データ)を作成し、これを調整データに反映させる。したがって、上記構成の写真処理装置によれば、このように作成された調整データに基づいて、プリントエンジンのセットアップをすることで、適切な階調表現はもとより、感光材料の幅方向に濃度ムラが生じる現象を防止することも可能になる。
また、上記セットアッププリントとして、感光材料の幅方向に同一画像データからなる帯を形成する帯形成ステップと、前記感光材料の幅方向と直交する方向に所定ステップのグラデーションを形成するグラデーション形成ステップによって作成されたセットアッププリントを使用すると、幅が広い(搬送方向に直交する方向が長い)感光材料でセットアッププリントを作成する際に、従来に比べその使用量を低減できる。
また、前記測色手段は、複数枚のセットアッププリントに形成されたセットアップ画像について前記測定を行い、前記調整データ作成手段は、前記測色手段によるそれぞれの測定結果を統合することによって前記調整データを作成する構成としてもよい。
上記構成とすれば、幅の狭い感光材料を使用する場合にも本発明を適用することが可能となる。具体的には、使用するレーン数(例えば左、中央、右の3レーン)分のセットアッププリントを作成し、それぞれのセットアップ画像について測色手段を用いて測定を行う。調整データ作成手段は、それぞれ(例えば左、中央、右の3レーンに対応するセットアップ画像)の測定結果を統合し、調整データを作成する。尚、この場合、全てのセットアッププリントにグラデーションステップを形成させる必要はなく、少なくとも1つに形成しておけばよい。
以上の如く、本発明の写真処理装置によれば、感光材料の幅方向において発色濃度のムラが生じず、しかも適切な階調で画像データを感光材料に形成できるため、プリント品質向上が図れる。
また、本発明のセットアッププリント作成方法によってセットアッププリントを作成することで、使用する感光材料の量を減らすことができる。
以下、本発明の実施形態に係る写真処理装置及びセットアッププリント作成方法について図面を参酌しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る写真処理装置の外観図であり、図2は該写真処理装置の内部構成を示すブロック図である。本写真処理装置は、顧客が持ち込んだ写真フィルムFやメディアMから画像データを読み込み、場合に応じて各種補正やトリミング等のデジタル画像処理を施して出力用の画像データを生成する画像処理装置1と、該画像処理装置1から出力された画像データを基に、感光材料PAに画像をプリントするプリント装置2とで構成されている。
画像処理装置1は、ネガフィルムやポジフィルム等の写真フィルムFから画像を読み取るスキャナ3と、CD−ROMやメモリカード等のメディアMに保存されている画像データを読み込むメディアドライブ4と、画像処理装置1の制御を含む本写真処理装置全体を制御する主制御装置5と、写真フィルムFやメディアMから読み込んだ画像を表示するモニタ6と、オペレータ(店員等や顧客)からの操作指令を受け付ける入力装置7(キーボード7a及びマウス7b)と、後述するセットアッププリントを挿入し、該セットアッププリントに形成されたセットアップ画像の濃度を測定する測色装置8を備えている。尚、本実施形態において、測色装置8は、測色手段を構成する。
主制御装置5は、当該制御、演算の主体であるCPU9、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)用のプログラム等が記憶されるROM10a、処理用のワークエリア等として使用されるRAM10b及び各種外部装置(スキャナ3、メディアドライブ4、モニタ6、入力装置7及び測色装置8)とのI/O処理を行うI/O処理部11をその内部に備えている。
プリント装置2は、画像処理装置1によって画像処理された画像データを基に感光材料PAに対して露光処理する露光処理部12と、露光処理された感光材料PAを現像処理する現像処理部13と、現像処理された感光材料PAを乾燥処理する乾燥処理部14と、乾燥処理されて写真となった感光材料PAを仕分処理する仕分処理部15とで構成されている。
露光処理部12は、感光材料PAを一対のマガジン16a、16bから引き出し、搬送用ローラ対17によって下流側に搬送する。そして、ハロゲンランプ等からなる光源18aと、該光源18aに光ファイバー束18bを介して接続された光シャッター18cとで構成されるPLZT方式の露光装置18(プリントエンジン)によって、感光材料PAを露光する。尚、露光装置18は、PLZT方式に限らず、例えば、レーザー方式やCRT方式等であっても構わない。
現像処理部13は、感光材料PAに対して、現像、漂白、定着、安定化等の処理を行う。
乾燥処理部14は、現像処理部13から送られてくる感光材料PAに熱風装置19からの熱風を吹き付け、感光材料PAを乾燥させる処理を行う。
仕分処理部15は、露光処理、現像処理及び乾燥処理が施された感光材料PAを大小別に仕分けるサイズ仕分部20と、該サイズ仕分部20で仕分けされた小さなサイズの感光材料PAをオーダ毎に仕分けるオーダ仕分部21を有している。
サイズ仕分部20は、大きなサイズの感光材料PAをトレー22に排出し、小さなサイズの感光材料PAをコンベア23に搬送する。オーダ仕分部21は、コンベア23によって搬送されてくる感光材料PAを各受皿24に対してオーダ毎に振り分ける。
以上の構成からなる本実施形態の写真処理装置は、定期的(例えば、毎日の始動時)にセットアップを行い入力画像データが所望の濃度で感光材料にプリントされるように調整を行っている。
以下、本実施形態のセットアップについて説明する。
先ず、始動時において、主制御装置5は、図示しないハードディスク等の補助記憶装置から現在の調整データ(具体的には、入力される画像データに対する露光装置18の発光強度や露光時間等のデータの集合体(LUT:ルックアップテーブル)となる。)を読み込み、RAM10bに展開する。そして、かかる調整データに従って露光装置18を制御し、所定のセットアップ画像データを基に感光材料PAを露光する。
そして、上記露光の結果、図3に示すようなセットアッププリント31が出力される。セットアッププリント31には、その幅方向(主走査方向)にそれぞれ濃度が異なる3つの単色(濃いグレー、中間のグレー、薄いグレー)の帯からなる組が、その前後に形成されている。また、それらに挟み込まれるように22ステップからなるグラデーションステップが主走査方向と直交する方向に形成されている。
続いて、かかるセットアッププリント31を測色装置8に挿入し、グラデーションステップの測定及び3つの単色帯の測定を行う。ここで、単色帯については、前後の何れかの組のみを測定してもよし、両方の組を測定してもよい。また、測色装置8は、セットアッププリント31の1回の挿入で、グラデーションステップの測定及び3つの単色帯の測定を同時にできる構成としてもよいし、挿入方向を変えることで両者の測定を可能にする構成であってもよい。
主制御装置5(調整データ作成手段)は、現調整データと上記グラデーションステップの測定結果を基にして、新しい調整データの作成(調整データの更新ともいえる。)を行う。この点に関しては従来と同様である。本発明の特徴は、上記単色帯の測定結果から、主走査方向における濃度ムラを検出し、それを吸収するような補正データ(ユニフォミティ補正データ)を作成し、これを調整データに反映させることにある。以下、かかる特徴について説明する。
主制御装置5は、測色装置8で測定された1つの単色帯における複数のポイントデータ(図4の(イ))を基に、それらが滑らかに結ばれるような多項(例えば6次)近似式を求める(図4の(ロ))。そして、かかる近似式に基づく曲線を反転させ(図4の(ハ)のA)、それに所定の補正率を乗じたものが(図4の(ハ)のB)、ユニフォミティ補正データとなる。
そして、主制御装置5は、先の調整データにかかるユニフォミティ補正データを反映させる。その際、グラデーションの各ステップ毎に、それに近い濃度の単色帯(濃いグレー、中間のグレー、薄いグレー)のユニフォミティ補正データが使用される。
以上の調整データは各色(RGB)毎に作成され、それに基づいてセットアップが行われる。
以上のように本発明の本実施形態に係る写真処理装置によれば、ユニフォミティ補正データを加味した調整データに従い露光装置(プリントエンジン)をセットアップするので、感光材料の主走査方向において発色濃度のムラが発生しない高品質のプリントを提供することができる。
また、本発明の本実施形態に係るセットアッププリント作成方法によれば、主走査方向と直交する方向にグラデーションステップを形成できるので、従来に比べ感光材料の使用量を減らすことができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態のセットアッププリント31には、3つの単色帯の組が前後に形成されていたが、何れか1つの組のみが形成されるようにしてもよい。また、単色帯の濃度種類は3つ(濃いグレー、中間のグレー、薄いグレー)に限定されず、例えば、中間のグレー1つのみの形成であっても構わない。
また、単色帯とグラデーションステップは、必ずしも同一のセットアッププリントに形成する必要はなく、それぞれ別々に形成してもよい。
また、単色帯はグレーに限定せず、例えば、R,G,Bと補色関係にある、C(シアン),M(マゼンダ),Y(イエロー)の帯を形成してもよい。
また、上記実施形態では、主として幅の広い感光材料を想定していたが、幅の狭い感光材料を使用する場合でも本発明の適用は可能である。具体的には、使用するレーン数(例えば左端、中央、右端の3レーン)分のセットアッププリントを作成し、それぞれのセットアップ画像について測定装置を用いて測定を行い、主制御装置(調整データ作成手段)は、それぞれレーンに対応したセットアップ画像の測定結果を統合し、調整データを作成する。図5は、3レーン分のセットアッププリント51A,51B,51Cを作成する場合の一例を示している。尚、この例では、左端のレーンに対応するセットアッププリントのみにグラデーションステップが形成されているが、中央あるいは左端のレーン対応するセットアッププリントのみにグラデーションステップが形成されていてもよい。
1…画像処理装置、2…プリント装置、3…スキャナ、4…メディアドライブ、5…主制御装置、6…モニタ、7…入力装置、8…測色装置、9…CPU、10a…ROM、10b…RAM、11…I/O処理部、12…露光処理部、13…現像処理部、14…乾燥処理部、15…仕分処理部、16a,16b…マガジン、17…搬送用ローラ対、18…露光装置、18a…光源、18b…光ファイバー束、18c…光シャッター、19…熱風装置、20…サイズ仕分部、21…オーダ仕分部、22…トレー、23…コンベア、24…受皿、31…セットアッププリント
Claims (3)
- セットアッププリントに形成されたセットアップ画像から、所定ステップのグラデーション濃度の測定と、前記セットアッププリントの幅方向における発色濃度の測定とを測定可能に構成されてなる測色手段と、
該測色手段の測定結果に基づき、所望の階調が表現されるように、且つ、感光材料の幅方向において発色濃度のムラが生じないようにプリントするためのプリントエンジンの調整データを作成する調整データ作成手段とを備え、
前記調整データに従って前記プリントエンジンをセットアップすることを特徴とする写真処理装置。 - 前記測色手段は、複数枚のセットアッププリントに形成されたセットアップ画像について前記測定を行い、前記調整データ作成手段は、前記測色手段によるそれぞれの測定結果を統合することによって前記調整データを作成することを特徴とする請求項1に記載の写真処理装置。
- 感光材料の幅方向に同一画像データからなる帯を形成する帯形成ステップと、
前記感光材料の幅方向と直交する方向に所定ステップのグラデーションを形成するグラデーション形成ステップと、を備えることを特徴とするセットアッププリント作成方法。
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