JP3843336B2 - 階調補正方法及びその方法を採用したカラー画像プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる複数のカラーパッチからなるカラーチャートのための画像データに基づいてプリントエンジンを駆動してカラーチャートをプリントするステップと、プリントされたカラーチャートのカラーパッチの濃度値を測色計を用いて測定するステップと、前記測定濃度値が所定の目標濃度値になるように前記画像データに対する階調補正関係を求めるステップと、前記階調補正関係を用いて前記画像データを補正するステップとからなるカラー画像プリンタのための階調補正方法、及びそのような階調補正方法を採用したカラー画像プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル画像データ(以後単に画像データを称する)に基づいてプリントエンジンを駆動して、例えば、印画紙などのような被記録媒体にC、M、Yの3色の色を所定の階調で作り出すことによりカラー画像を形成するカラー画像プリンタがあるが、所定の画像データから被記録媒体上に所定のカラー画像を形成するためには、予め画像データに対して階調補正を行っておく必要がある。
【0003】
一般的な階調補正では、そのカラー画像プリンタを用いて異なる複数のカラーパッチからなるカラーチャートを被記録媒体に形成した後、そのカラーパッチの濃度を測定し、その濃度が目標の濃度となるような階調補正関係が算定され、得られた階調補正関係はルックアップテーブル化され、カラー画像プリンタに構築されている階調補正部に登録される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開平11−69161号公報には、階調の異なる複数のグレーパッチのための画像データに基づいてテストチャートを作成し、各パッチを測色計により測定することで測色値を求め、その測色値から変換された濃度値を目標濃度値と比較することで階調補正関係を求める階調補正方法が開示されている。このような階調補正方法は、濃度計で直接濃度値を求めることに比べて、測色計を用いて得られた測色値を変換して濃度値を求めることで一般的に高精度に濃度値を得ることができるが、画像データの濃度値とプリント出力された画像の濃度値を一致させるための階調補正関係を正確に求めるには、測定カラーパッチの数を増やして多くの測定濃度値を得る必要があり、このことは階調補正保守作業の長時間化を導く。
【0005】
さらに、正確な階調補正関係を求めるためには、高品質の測色計を必要とするが、そのような測色計は非常に高価であり、一般的なカラー画像プリンタに組み込むことはコスト的に不可能である。このため、基準的な階調補正テーブルをカラー画像プリンタに外付け接続された高品質測色計を用いて作成し、その後の階調補正保守作業は、カラー画像プリンタに組み込まれている標準的な測色計で測定した測定値を前述の高品質の測定計の測定値に変換して階調補正関係を求めていく技術が、特開平11−331627号公報に開示されている。しかしながら、いずれにしても高品質な測色計の接続を可能にする入力ポートの実装が必要であるだけでなく、高品質測色計と標準測色計の測定値を変換する技術を実装するためにかなりのハードウエア及びソフトウエア上の負担が生じる。
【0006】
上記実状に鑑み、本発明の課題は、カラー画像プリンタに組み込まれている標準的な測色計を用いながらも正確にかつ迅速に階調補正保守作業が実施できる階調補正方法、及びそのような階調補正方法を採用したカラー画像プリンタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、異なる複数のカラーパッチからなるカラーチャートのための画像データに基づいてプリントエンジンを駆動してカラーチャートをプリントするステップと、プリントされたカラーチャートのカラーパッチの濃度値を測色計を用いて測定するステップと、前記測定濃度値が所定の目標濃度値になるように前記画像データに対する階調補正関係を求めるステップと、前記階調補正関係を用いて前記画像データを補正するステップとからなる、本発明による階調補正方法では、前記測定濃度値以外の濃度値を前記測定濃度値からシミュレートして疑似濃度値として算出するとともに、この疑似濃度値と前記測定濃度値とが目標濃度値になるように前記階調補正関係が求められ、その際前記プリントエンジンの出力階調値と前記測定濃度値との関係を示すセンシトメトリー曲線の傾きと、前記測定濃度との関係によって前記プリントエンジンの出力階調と前記測定濃度値との関係を表し、このセンシトメトリー曲線の傾きと測定濃度との関係を多項近似式で回帰することにより得られた多項近似式に基づいて、前記疑似濃度値が算出される。
【0008】
この階調補正方法では、プリント出力されたカラーチャートを測色計によって測定することによって得られた測定濃度値(一般的には測色値から変換して得られる)からシミュレートして算出される疑似濃度値を実際に測定によって得られた測定濃度値とともに、階調補正関係を求める際に利用する。これにより、階調補正関係を求める際に利用される測定濃度値の数が増大し、より精度の高い階調補正関係が得られることになる。
疑似濃度値を測定済み濃度値からシミュレートして算出する際、プリントエンジンの出力階調値と前記測定濃度値の関係を示すセンシトメトリー曲線を多項近似式で回帰することにより得られた多項式に基づいて疑似濃度値を算出するやり方では、多項近似式を求める際、その近似多項式の次数が大きくなるほど近似式を特定することが困難になるので、本発明では、プリントエンジンの出力階調と前記測定濃度値の関係を前記測定濃度と前記センシトメトリー曲線の傾きの関係に置き換えて多項近似式に回帰して、前記疑似濃度値領域を含むセンシトメトリー曲線を求めている。つまり、近似しようとする多項式を微分することによりその次数を1つ減らした多項式で近似するのである。例えば、露光エンジンの出力階調値である露光量と測定濃度の関係を示すセンシトメトリー曲線は3次多項式でよく表現することができるので、濃度とその傾きで置き換えるならば、近似しようとする多項式は2次式となり、簡単かつ正確な近似式が得られることになった。
【0009】
特にこのシミレートして算出される疑似濃度値の利用が大きな利点をもたらす実施形態として、疑似濃度値として算出される濃度値が組み込み測色計の有効測定濃度範囲外の濃度値である場合が挙げられる。つまり、一般的なカラー画像プリンタに組み込まれている標準的な測色計の有効測定濃度範囲は2.2D程度であり、それ以上の濃度値を測定できない。しかしながら、プリントエンジンないしは被記録媒体の性能向上により、被記録媒体に形成される画像濃度値は大きくなっており、例えば、写真プリントで利用されている特殊な印画紙では2.5D程度の濃度値までの表現が可能となっている。このような高い濃度まで表現できる被記録媒体の表現能力を生かすためには、そのような高い濃度範囲を含む階調補正関係を求めて、画像データを適切に補正する必要がある。2.5D程度までの濃度値を測定するには非常に高価な高品質な測色計を使用しなければならないが、そのような測色計を一般的なカラー画像プリンタに組み込むことはコスト的に不可能である。この問題は、2.2Dまでの濃度値を組み込みの測色計で測定し、2.2D〜2.5Dの濃度値はその測色計から得られた測定値からシミュレートして擬似的に算定する本発明の方法によって解決することができる。
【0012】
上述したような本発明による階調補正方法を実施するカラー画像プリンタとして、本発明では、異なる複数のカラーパッチからなるカラーチャートのための画像データを格納する格納部と、前記画像データを補正する階調補正部と、前記画像データに基づいてカラーチャートをプリントするプリントエンジンと、プリントされたカラーチャートの各カラーパッチの濃度値を測定する測色計と、前記測色計から得られた測定濃度値以外の濃度値をこの測定濃度値からシミュレートして疑似濃度値として算出する濃度値シミュレート部と、前記測定濃度値と前記疑似濃度値が所定の目標濃度値になるように前記階調補正部を調整する階調補正調整部が備えられたものが提案される。
【0013】
前述したように本発明による階調補正方法は、プリントエンジンの出力階調値と前記測定濃度値の関係を示すセンシトメトリー曲線に対して特によい結果をもたらすので、プリントエンジンが画像データに基づいた露光量で印画紙を露光する露光エンジンであるカラー画像プリンタが特に好適な実施形態である。さらには、一般的にリーズナブルな価格で入手できる測色計の性能と最新の印画紙の表現能力を考慮するならば、このカラー画像プリントに組み込まれる測色計の有効測定濃度範囲は約2.2D以下であり、前記疑似濃度値は2.2Dを越えて2.5Dの範囲であることが特に好適な形態として推奨される。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による階調補正方法を採用したカラー画像プリンタとしての写真プリント装置の外観図であり、この写真プリント装置は、銀塩印画紙P(以下、印画紙Pと称する)に対して露光処理と現像処理とを行う写真プリンタとしてのプリントステーション1Bと、このプリントステーション1Bで使用されるプリントデータの生成・転送などを行う操作ステーション1Aとから構成されている。この写真プリント装置はデジタルミニラボとも称せられるものであり、図2からよく理解できるように、プリントステーション1Bは2つの印画紙マガジン11に納めたロール状の印画紙Pを該ステーション1Bの内部に搬送してプリントサイズに切断すると共に、このように切断された印画紙Pに対し、プリントエンジンとしての露光エンジン12で露光を行い、この露光後の印画紙Pを複数の現像処理槽を有した現像処理部13に送って現像する。乾燥の後に装置上部の横送りコンベア14からソータ15に送られた印画紙P、つまり写真プリントPは、このソータ15の複数のトレイ15aに対してオーダ単位で仕分けられた状態で集積される。印画紙マガジン11が装着される装着部には印画紙マガジン11に付与されている印画紙IDコードを読み取るIDコードリーダ11aが設けられている。この印画紙IDコードは印画紙Pの種別を一義的に特定するものであり、この印画紙IDコードを認識することにより、印画紙マガジン11に収納されている印画紙Pの種別、つまりプリントに使用される印画紙Pの種別が認識されることになる。
【0015】
露光エンジン12は、操作ステーション1Aから送られてくるプリントデータに基づいて印画紙Pを送りながらR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の光線の照射を印画紙Pに対して行うものであり、露光時には印画紙Pを副走査方向に搬送しながら、この搬送速度と同期して主走査方向に沿ったライン状に露光を行うよう構成されている。尚、露光ヘッドとしては、露光仕様に応じて、レーザビーム方式、蛍光ビーム方式、液晶シャッター方式、DMD方式などの採用が可能であるが、ここではレーザビーム方式が採用されている。又、前記現像処理部13は露光後の印画紙Pを複数の現像処理槽に対して連続的に送るよう多数の圧着ローラ(図示せず)を有した搬送系を備えている。
【0016】
前記操作ステーション1Aは、操作テーブル16を設けたデスク状コンソールの上部位置に写真フィルムFから撮影画像データを取得するフィルムスキャナ2Aと、各種情報を表示するモニタ17とを備えている。さらに操作テーブル16にはこの写真プリント装置の操作入力部18として機能するキーボードやマウスや、この写真プリント装置で出力されたセットアップ用カラーチャートのカラーパッチなどの濃度を測定するための測色計19が備えられている。この測色計19はその有効測定濃度範囲が約2.2D程度の標準的な製品である。
【0017】
また、この操作テーブル16の下方には、フィルムスキャナ2Aを通じて写真フィルムFから読み取られた画像データの処理やプリントデータの生成、プリントステーション1Bの制御を行うコントローラ4として機能する汎用コンピュータ(以後単にパソコンと称する)が備えられている。この汎用コンピュータ4にはデジタルカメラの撮影画像メモリとして用いられているスマートメディアやコンパクトフラッシュなどから撮影画像データを取得するメディアリーダ2Bも備えられており、前述したフィルムスキャナ2Aとこのメディアリーダ2B、さらには通信回線を利用して送られてくる画像データを受信するここでは図示されていない画像データ受信部などを総称して画像データ取得部2と称する。
【0018】
フィルムスキャナ2Aは、図2に模式的に示されているように、フィルム搬送ラインの上方に位置する光源20と、フィルム搬送ラインの下側でこれに対して直交する方向に延びたスリット21の下方に位置する光学レンズ22とこの光学レンズ22によって結像されたフィルムFの透過光を光電変換するCCD型のセンサユニット23を備えている。センサユニット23はパソコンに装着された画像入力ボードと接続されており、センサユニット23によって変換されたデジタル画像データは画像入力ボードを介してコントローラ4のメモリに送り込まれる。
【0019】
デジタルカメラによる撮影画像をコントローラ4に転送する場合は、使用されている撮影画像記録メモリに適したメディアリーダ2Bを通じて撮影画像データがコントローラ4のメモリに送り込まれる。
【0020】
この写真プリント装置のコントローラ4としても用いられているパソコン4は、CPUを中核部材として、写真プリント装置の種々の動作を行うための機能部がハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方で実装されているが、図3に示されているように、本発明に特に関係する機能部として、カラーチャートデータ格納部40、色調補正やフィルタリング(ぼかしやシャープネスなど)やトリミングなどの各種フォトレタッチ処理をユーザフレンドリーなユーザインターフェースの環境下で行う画像処理部41、画像データが表現しているカラーとこの写真プリント装置によって出力される写真プリントPのカラーをマッチングさせるためにフォトレタッチ処理を完了した画像データに対してルックアップテーブル42aから取り出した補正係数に基づいて補正を行う階調補正部42、補正済みの画像データから露光エンジン12のためのプリントデータを生成するプリントデータ生成部43、この写真プリント装置によって出力されたカラーチャートPc(印画紙Pに異なる複数の濃度をもつカラーパッチが形成されたもの)から得られる測色計19による測定濃度値から疑似濃度値を算出する濃度値シミュレート部45、測定濃度値又は測定濃度値と疑似濃度値から画像データに対する階調補正関係を求めるとともにその階調補正関係からルックアップテーブル42aの補正係数を調整する階調補正調整部44、IDコードリーダ11aによって読み取られた印画紙IDコードから現在装填されている印画紙マガジン11に収納されている印画紙の種類を特定する印画紙種別認識部46が挙げられる。
【0021】
次に、測色計19の有効測定濃度範囲が約2.2D以下にもかかわらず濃度表現能力が2.5Dに達する印画紙Pを対象とするケースでのセットアップを例として、この写真プリント装置における階調補正方法を、図4のフローチャートと図5の模式図を用いて説明する。
まず、カラーチャートデータ格納部40からカラーチャート用画像データを読み出して階調補正部42に送り込む(#1)。このカラーチャート用画像データは、種々のグレー階調を表すことになる複数のパッチを作り出すものである。各パッチのための画像データにおいて基本的にはR・G・Bの濃度値は同じであるとともに、パッチ毎にその濃度値が段階的に変化しており、このパッチセットは白から黒までを表している。階調補正部42で標準に設定されたLUT42aを用いて濃度変換されたカラーチャート用画像データはプリントデータ生成部43によってプリントデータに変換され(#2)、露光エンジン12を駆動制御して印画紙Pを露光する。露光された印画紙Pは現像処理部13で現像された後乾燥され、カラーチャートPcとして横送りコンベア14上に排出される(#3)。
【0022】
このようにして作成されたカラーチャートPcを測色計19に投入することにより、カラーチャートPcの各カラーパッチの測色値が得られ、直ちにこの測色値は予め求められている測色値と濃度値との変換関係を用いて、C・M・Yの濃度値に変換される。この濃度値が測定濃度値となる(#4)。図6には、その際のセンシトメトリー曲線と呼ばれる測定濃度値と出力階調(露光量)の関係を表すグラフが示されている。このグラフから明らかなように、測色計の有効測定濃度範囲が約2.2D以下なので、測定濃度値は2.2Dまでとなっている。なお、このグラフはC(シアン)に関するものであるが他の色に関しても実質的に同様である。それ故、以下の説明ではシアンについての説明だけで、他の色の説明は省略する。
【0023】
得られたセンシトメトリーから各測定濃度値での傾きを算出して、測定濃度値と傾きの関係をプロットするとともに、このプロットされた点を2次式で回帰する。図7に示された例では、回帰された2次式は、
y=4.085x*x+11.617x-0.94
であり、そのR二乗は0.9967となっており、測定濃度値と傾きの関係はこの2次関数によって十分に近似されることが理解できる。このようにして算定された2次関数を利用することにより、2.2Dを越える濃度値、ここではこれを疑似濃度値と称することにするが、これと傾きとの関係、結果的には疑似濃度値と出力階調(露光量)の関係が得られ、図8に示すような2.2Dを越える濃度領域を含む濃度値と出力階調(露光量)との関係が得られた(#5)。なお、ここで得られた濃度値と出力階調の関係を示すグラフと、実験的に2.5Dまでの濃度を測定可能な高性能測色計を用いて得られたグラフはほぼ一致しており、本発明の有効性が実証された。
【0024】
図8に示すような濃度値と出力階調(露光量)との関係が得られると、直接測色計19から得られた測定濃度値と濃度値シミュレート部45で算定された疑似濃度値がカラーチャート画像データにおける目標濃度値となるように露光エンジン12が駆動するべく、従来から行われていたやり方で階調補正関係を求め(#6)、その階調補正関係に基づいて階調補正調整部44が階調補正部42のLUT42aの補正係数を修正する(#7)。
【0025】
なお、このようなセットアップは使用する印画紙P、つまり装着された印画紙マガジン11毎に行われるが、使用する印画紙Pの濃度表現能力が2.2D程度であるか、あるいは出力濃度が2.2D程度で十分な場合には、従来通りの測定濃度値だけを用いたセットアップで済ますことができる。疑似測定濃度値を用いたセットアップを行うかどうかは使用する印画紙Pの種別によって決定されるので、印画紙種別認識部46による印画紙種別の認識結果に応じて自動的に2つのセットアップ方法を切り替えるような構成を採用することも利点のある実施形態となる。
【0026】
上述したセットアップ、つまり階調補正作業では、測色計19の有効測定濃度範囲外の濃度値を疑似濃度値として算出してより広い濃度範囲のセットアップを可能にする方法を説明したが、測色計19の有効測定濃度範囲内でのセットアップにおいて、測定濃度値を少なくし、それらの間の濃度値を疑似濃度値で代用することにより、測色計19による測色点数を減らし、セットアップを迅速化することも、本発明の好適な実施形態である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による階調補正方法を採用したカラー画像プリンタとしての写真プリント装置の外観図
【図2】図1による写真プリント装置の模式図
【図3】写真プリント装置に組み込まれたパソコンに構築される本発明に関係する主な機能を示す機能ブロック図
【図4】疑似濃度値を用いた階調補正方法の手順を示すフローチャート
【図5】疑似濃度値を用いた階調補正方法の手順を示す模式図
【図6】測定濃度値と出力階調(露光量)の関係を表すグラフ
【図7】測定濃度値と濃度値の傾きの関係とその近似式を表すグラフ
【図8】最終的な算定された測定濃度値及び疑似濃度値と出力階調(露光量)の関係を表すグラフ
【符号の説明】
1A 操作ステーション
1B プリントステーション
2A フィルムスキャナ
2B メディアリーダ
4 パソコン(コントローラ)
12 露光エンジン(プリントエンジン)
19 測色計
40 カラーチャートデータ格納部
41 画像処理部
42 階調補正部
42a LUT
43 プリントデータ生成部
44 階調補正調整部
45 濃度値シミュレート部
46 印画紙種別認識部
Claims (7)
- 異なる複数のカラーパッチからなるカラーチャートのための画像データに基づいてプリントエンジンを駆動してカラーチャートをプリントするステップと、プリントされたカラーチャートのカラーパッチの濃度値を測色計を用いて測定するステップと、前記測定濃度値が所定の目標濃度値になるように前記画像データに対する階調補正関係を求めるステップと、前記階調補正関係を用いて前記画像データを補正するステップとからなるカラー画像プリンタのための階調補正方法において、
前記測定濃度値以外の濃度値を前記測定濃度値からシミュレートして疑似濃度値として算出するとともに、この疑似濃度値と前記測定濃度値とが目標濃度値になるように前記階調補正関係が求められ、その際前記プリントエンジンの出力階調値と前記測定濃度値との関係を示すセンシトメトリー曲線の傾きと、前記測定濃度との関係によって前記プリントエンジンの出力階調と前記測定濃度値との関係を表し、このセンシトメトリー曲線の傾きと測定濃度との関係を多項近似式で回帰することにより得られた多項近似式に基づいて、前記疑似濃度値が算出されることを特徴とするカラー画像プリンタのための階調補正方法。 - 前記疑似濃度値として算出される濃度値は前記測色計の有効測定濃度範囲外の濃度値であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像プリンタのための階調補正方法。
- 前記多項近似式は2次式であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー画像プリンタのための階調補正方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の階調補正方法を実施するカラー画像プリンタにおいて、
異なる複数のカラーパッチからなるカラーチャートのための画像データを格納する格納部と、前記画像データを補正する階調補正部と、前記画像データに基づいてカラーチャートをプリントするプリントエンジンと、プリントされたカラーチャートの各カラーパッチの濃度値を測定する測色計と、前記測色計から得られた測定濃度値以外の濃度値をこの測定濃度値からシミュレートして疑似濃度値として算出する濃度値シミュレート部と、前記測定濃度値と前記疑似濃度値が所定の目標濃度値になるように前記階調補正部を調整する階調補正調整部が備えられているカラー画像プリンタ。 - 前記プリントエンジンは画像データに基づいた露光量で印画紙を露光する露光エンジンであることを特徴とする請求項4に記載のカラー画像プリンタ。
- 前記測色計の有効測定濃度範囲は約2.2D以下であり、前記疑似濃度値は2を越えて2.5Dの範囲であることを特徴とする請求項5に記載のカラー画像プリンタ。
- 使用される印画紙種別を認識する印画紙種別認識部が備えられており、前記測色計の有効測定濃度範囲を越えた濃度範囲で表現される印画紙が認識された場合階調補正作業時に前記濃度値シミュレート部が起動されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のカラー画像プリンタ。
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JP2004064534A (ja) | 2004-02-26 |
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