JP2006091036A - 投射表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成素子を対象とする固定部材に精度良く固定することができ、画像形成素子に基づく画像情報を高い解像力をもって投射することができる投射表示装置を得ること。
【解決手段】光源からの光を用いて画像形成素子で形成された画像を被投射面上に投射する投射表示装置において、プリズムと、該プリズムに固定され、該画像形成素子への入射光軸と平行な接着面を有する第1取付部材と、該画像形成素子を保持し、該画像形成素子への入射光軸と垂直な接着面を有する第2取付部材と、該第1取付部材と該第2取付部材に接着されるスペーサと、を備えること。
【選択図】図3(a)

Description

本発明は画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射表示装置(液晶プロジェクタ)において、反射型又は透過型の液晶表示素子(画像形成素子)をプリズム部材に精度良く固定することができるものである。
従来、液晶表示素子(画像形成素子)等のライトバルブを用いたプロジェクタの光学エンジンで、液晶表示素子を固定枠板に精度良く固定するライトバルブ固定手段が種々と提案されている(特許文献1)。
特開平10−010994号公報
特許文献1では、ライトバルブ40Rを固定しているライトバルブ枠板51を光学素子である光合成手段21の光入射面22Rに固定している固定枠板54にネジ56での着脱可能とした構成としている。
特許文献1は介在物が多く振動落下等の衝撃や、形而変化等の耐久性が劣る。またライトバルブの位置決め手段と称する部材57を、ライトバルブ仮止め手段の中間に設けるために、位置決め手段と称する部材が熱膨張した場合にライトバルブそのものに変形を与える可能性が高い。
また位置決め手段と称する部材が楔型をしているために、挿入時の力加減によってはライトバルブを変形させる可能性が大きい。
さらに位置決め手段と称する部材を配置する位置が、仮止め部に対して比較的遠い位置に配置されるため、仮止め部に潜む応力が開放されていくときに十分な拮抗力を発揮できない。また楔形状の部材をわずかな隙間に挿入する必要があったので組立てが困難であった。また楔部材はわずかな隙間に挿入されてしまうと光があまり当たらずUV硬化が困難であり、光を当てる方向が限定されてしまうので、UV照射治具が煩雑なものとなり、照射回数も増えてしまう等の問題があった。
本発明は、画像形成素子を対象とする固定部材に精度良く固定することができ、画像形成素子に基づく画像情報を高い解像力をもって投射することができる投射表示装置の提供を目的とする。
本発明の投射表示装置は、光源からの光を用いて画像形成素子で形成された画像を被投射面上に投射する投射表示装置において、プリズムと、該プリズムに固定され、該画像形成素子への入射光軸と平行な接着面を有する第1取付部材と、該画像形成素子を保持し、該画像形成素子への入射光軸と垂直な接着面を有する第2取付部材と、該第1取付部材と該第2取付部材に接着されるスペーサと、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、画像形成素子を対象とする固定部材に精度良く固定することができ、画像形成素子に基づく画像情報を高い解像力をもって投射することができる投射表示装置が得られる。
図1は、本発明の投射表示装置(画像表示装置)の実施例1の要部概略図である。
図2は図1の光学構成の概略図である。図1,図2において、1は光源ランプ(ランプ)、2はランプ1を保持するランプホルダー、3はランプ1の前方に配置する防爆ガラス、4は防爆ガラス3のガラス押さえ、αはランプ1からの光を画像表示用の液晶表示素子(画像形成素子)側へ入射する照明光学系、βは照明光学系αからの出射光を入射するR(赤色),G(緑色),B(青色)の3色用の液晶パネル(液晶表示素子)を備えた色分解合成光学系、5は色分解合成光学系βからの出射光を入射して図示せぬスクリーン(被投射面)に画像を投射する投射レンズ鏡筒であり投射レンズ鏡筒5内には投射レンズ光学系(投射光学系)70を収納している。
6はランプ1、照明光学系α、色分解合成光学系βを収納するとともに投射レンズ鏡筒5が固定される光学ボックスであり、該光学ボックス6にはランプ1の周囲を囲むランプ周辺部材としてのランプケース部材6aが形成されている。
7は光学ボックス6内に照明光学系α、色分解合成光学系βを収納した状態で蓋をする光学ボックス蓋、8は電源、9は電源フィルタ、10はランプ1を点灯する為のバラスト電源、11は電源8からの電力により液晶パネルの駆動、及びランプ1の点灯指令を送る為の回路基板、12は後述する外装キャビネット21の吸気口21aから空気を吸い込むことで色分解合成光学系β内の液晶パネル等の光学素子を冷却する為の光学系用の冷却ファン、13は光学冷却ファン12による風を色分解合成光学系β内の液晶パネル等の光学素子に送る為のファンダクトである。
15はランプ1に対して吹き付け風を送り、ランプ1を冷却する為のランプ冷却用のファン(軸流ファン)であり、ランプ1と投射レンズ鏡筒5との間隙に所定間隔を持って配置されている。
14はランプ冷却用のファン15を保持するファン保持台(ファンホルダ)、16はファン押さえ板、17は後述する外装キャビネット21に設けた吸気口21bから空気を吸い込むことで電源8内に風を流通させ、かつバラスト電源10に吹き付け力による風を流通させることで電源8、及びバラスト電源10を同時に冷却する為の電源用の冷却ファンである。
18は排気ファンであり、排気ファン18はランプ冷却ファン15によるランプ1を通過した後の熱風、およびバラスト電源10を通過した熱風を後述する外装を構成する側板、24に設けた排気口24aより投射表示装置外に排出する。
19はランプ放熱板、20はランプ排気遮光マスクであり、ランプ1の放熱機能およびランプ1を通過した後の熱風を通過させる為の通風ダクトの機能を有するとともに、ランプ1からの光が装置外部に漏れないような遮光機能を有している。
21は光学ボックス6等を収納する為の外装キャビネット(外装ケース下部)、22は外装キャビネット21に光学ボックス6等を収納した状態で蓋をする為の外装キャビネット蓋(外装ケース上部)、23は側板である。
外装キャビネット21には上述した吸気口21a、21bが形成されており、側板24には上述した排気口24aが形成されている。
25は色分解合成光学系β内の偏光素子等の光学素子を冷却するための冷却ファンであり、冷却ファン25は外装キャビネット21の図示を省略した吸気口からの空気を外装キャビネット21に形成されたダクト部(図示省略)を介して色分解合成光学系β内の偏光素子等の光学素子に吹き付ける構成となっている。
26は側板23の内側に取り付けられたインターフェース補強板、27は外装放熱板でランプケース部材6aに取り付けられており、ランプ1からの熱を放熱する。
28はランプ蓋で、ランプ蓋28は外装キャビネット21の底面に着脱自在に設けられており、図示を省略したビスにより固定されている。29はセット調整脚で、セット調整脚29は外装キャビネット21に固定されており、その脚部29aの高さを調整可能となっている。脚部29aの高さ調整により、装置本体のスクリーンに対する傾斜角度を調整できるように構成されている。
次に、前述したランプ1、照明光学系α、色分解合成光学系β、投射レンズ鏡筒5内の投射レンズ光学系70(図2参照)にて構成される反射型液晶表示素子(反射型液晶パネル等の画像形成素子)を搭載した投射表示装置の光学構成について図2にて説明する。
図2において、41は連続スペクトルで白色光を発光する発光管、42は発光管41からの光を所定の方向に集光するリフレクタであり、発光管41とリフレクタ42はランプ1の一要素を形成する。
43aは垂直方向(ランプ1からの光の進行方向における垂直方向(紙面垂直方向))において屈折力を有する複数のシリンドリカルレンズを配列したレンズアレイで構成された第1のシリンダアレイ、43bは第1のシリンダアレイ43aの個々のシリンドリカルレンズに対応したシリンドリカルレンズより成るレンズアレイで構成される第2のシリンダアレイ、44は紫外線吸収フィルタ、45は無偏光光を所定の偏光光に揃えて射出する偏光変換素子である。
46は水平方向において(紙面内)屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたフロントコンプレッサ、47は光軸を90度変換する為のミラー、48はコンデンサーレンズ、49は水平方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたリアコンプレッサである。
以上の各要素は照明光学系αの一要素を構成している。
58は青色(B)と赤色(R)の波長領域の光を反射し、緑色(G)の波長領域の光を透過するダイクロイックミラーである。59は透明基板に偏光素子を貼着したG用の入射側偏光板であり、S偏光光のみを透過する。60はP偏光光を透過し、S偏光光を反射する第1の偏光ビームスプリッターであり、偏光分離面60aを有する。
61R,61G,61Bはそれぞれ入射した光を反射するとともに画像変調する赤(R)用の反射型の液晶表示素子、緑(G)用の反射型の液晶表示素子、青(B)用の反射型の液晶表示素子である。
62R,62G,62Bはそれぞれ、赤用の1/4波長板、緑用の1/4波長板、青用の1/4波長板である。64は透明基板に偏光素子を貼着したR,B用の入射側偏光板であり、S偏光のみを透過する。65はB光の偏光方向を90度変換し、R光の偏光方向は変換しない第1の色選択性位相差板である。66はP偏光を透過し、S偏光を反射する第2の偏光ビームスプリッターであり、偏光分離面66aを有する。
67はR光の偏光方向を90度変換し、B光の偏光方向は変換しない第2の色選択性位相差板である。
68はR,B用の出射側偏光板(偏光素子)であり、S偏光のみを透過する。69はP偏光を透過し、S偏光を反射する第3の偏光ビームスプリッター(色合成手段)であり、偏光分離面69aを有する。
以上のダイクロイックミラー58から第3の偏光ビームスプリッター69に至る部材は、色分解合成光学系βの一要素を構成している。
70は投射レンズ光学系である。上記照明光学系α,色分解合成光学系βおよび投射レンズ光学系70により画像表示光学系が構成される。
次に光学的な作用を説明する。
発光管41から発した光は、リフレクタ42により所定の方向に集光される。リフレクタ42の反射面は放物面形状を有しており、放物面の焦点位置からの光は放物面の対称軸(光軸)に平行な光束となる。但し、発光管41からの光束は理想的な点光源からの光束ではなく有限の大きさの発光部を有しているので、集光する光束には放物面の対称軸に平行でない光の成分も多く含まれている。
これらの光束は、第1のシリンダアレイ43aに入射する。第1のシリンダアレイ43aに入射した光束はそれぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束に分割、集光され(水平方向に帯状の複数の光束)、紫外線吸収フィルタ44を介して、第2のシリンダアレイ43bを経て、複数の光束(水平方向に帯状の複数の光束)を偏光変換素子45の近傍に形成する。
偏光変換素子45は、垂直方向に配列した複数の偏光分離面と反射面と1/2波長板とからなり、複数の光束は、その列に対応した偏光分離面に入射し、透過するP偏光成分の光と反射するS偏光成分の光に分割される。
反射されたS偏光成分の光は反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に出射する。一方、透過したP偏光成分の光は、1/2波長板を透過してS偏光成分と同じ偏光成分に変換され、偏光方向が揃った光として出射する。偏光変換された複数の光束(水平方向に帯状の複数の光束)は、偏光変換素子45を出射した後、フロントコンプレッサ46を介して、反射ミラー47にて90度反射し、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49に至る。
ここで、フロントコンプレッサ46、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49の光学的作用を適切に設定している。そして複数の光束は矩形形状の像が重なった形となり矩形の均一な照明エリアを形成している。
この照明エリアに後述の反射型液晶表示素子61R、61G、61Bを配置する。次に、偏光変換素子45によりS偏光とされた光は、ダイクロイックミラー58に入射する。尚、ダイクロイックミラー58は、B光(波長430〜495nm)とR光(波長590〜650nm)の光は反射し、G光(波長505〜580nm)の光は透過する。
次に、G光の光路について説明する。
ダイクロイックミラー58を透過したG光は入射側偏光板59に入射する。尚、G光はダイクロイックミラー58によって分解された後もS偏光となっている。そしてG光は、入射側偏光板59から出射した後、第1の偏光ビームスプリッター60に対してS偏光として入射して偏光分離面で反射され、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。G用の反射型液晶表示素子61Gにおいては、G光が画像変調されて反射される。画像変調されたGの反射光のうちS偏光成分は、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面60aで反射し、光源1側に戻され、投射光から除去される。
一方、画像変調されたG光の反射光のうちP偏光成分は、第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面60aを透過し、投射光として第3の偏光ビームスプリッター69に向かう。
このとき、すべての偏光成分をS偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において、第1の偏光ビームスプリッター60とG光用の反射型液晶表示素子61Gとの間に設けられた1/4波長板62Gの遅相軸を所定の方向に調整することにより、第1の偏光ビームスプリッター60とG用の反射型液晶表示素子61Gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。
第1の偏光ビームスプリッター60から出射したG光は、第3の偏光ビームスプリッター69に対してP偏光として入射し、第3の偏光ビームスプリッター69の偏光分離面69aを透過して投射レンズ70へと至る。
一方、ダイクロイックミラー58を反射したR光とB光は、入射側偏光板64に入射する。尚、R光とB光はダイクロイックミラー58によって分解された後もS偏光となっている。そしてR光とB光は、入射側偏光板64から出射した後、第1の色選択性位相差板65に入射する。第1の色選択性位相差板65は、B光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりB光はP偏光として、R光はS偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射する。S偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したR光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射され、R光用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したB光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aを透過してB光用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。
R光用の反射型液晶表示素子61Rに入射したR光は画像変調されて反射される。画像変調されたR光の反射光のうちS偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aで反射されて光源1側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたR光の反射光のうちP偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aを透過して投射光として第2の色選択性位相板67に向かう。
また、B光用の反射型液晶表示素子61Bに入射したB光は画像変調されて反射される。画像変調されたB光の反射光のうちP偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aを透過して光源1側に戻され、投射光から除去される。
一方、画像変調されたB光の反射光のうちS偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aで反射して投射光として第2の色選択性位相板67に向かう。
このとき、第2の偏光ビームスプリッター66とR光用,B光用の反射型液晶表示素子61R,61Bの間に設けられた1/4波長板62R,62Bの遅相軸を調整することにより、G光の場合と同じようにR光,B光それぞれの黒の表示の調整を行うことができる。
こうして1つの光束に合成され、第2の偏光ビームスプリッター66から出射したR光とB光の投射光のうちR光は、第2の色選択性位相板67によって偏光方向が90度回転されてS偏光成分となり、さらに出射側偏光板68で検光されて第3の偏光ビームスプリッター69に入射する。
また、B光はS偏光のまま第2の色選択性位相板67をそのまま透過し、さらに出射側偏光板68で検光されて第3の偏光ビームスプリッター69に入射する。尚、出射側偏光板68で検光されることにより、R光とB光の投射光は第2の偏光ビームスプリッター66とR光用,B光用の反射型液晶表示素子61R,61B、1/4波長板62R、62Bを通ることによって生じた無効な成分をカットされた光となる。
そして、第3の偏光ビームスプリッター69に入射したR光とB光の投射光は第3の偏光ビームスプリッター69の偏光分離面69aを反射し、前述した該偏光分離面69aにて透過したG光と合成されて投射レンズ70に至る。
そして、合成されたR光,G光,B光の投射光は、投射レンズ70によってスクリーンなどの被投射面に拡大投影される。
以上説明した光路は反射型液晶表示素子が白表示の場合である為、以下に反射型液晶表示素子が黒表示の場合での光路を説明する。
まず、G光の光路について説明する。
ダイクロイックミラー58を透過したG光のS偏光光は入射側偏光板59に入射し、その後、第1の偏光ビームスプリッター60に入射して偏光分離面60aで反射され、G光用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。しかし、反射型液晶表示素子61Gが黒表示の為、G光は画像変調されないまま反射される。
従って、反射型液晶表示素子61Gで反射された後もG光はS偏光光のままである為、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面60aで反射し、入射側偏光板59を透過して光源1側に戻され、投射光から除去される。
次に、R光とB光の光路について説明する。
ダイクロイックミラー58を反射したR光とB光のS偏光光は、入射側偏光板64に入射する。そしてR光とB光は、入射側偏光板64から出射した後、第1の色選択性位相差板65に入射する。第1の色選択性位相差板65は、Bの光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりB光はP偏光として、R光はS偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射する。
S偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したR光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aで反射され、R光用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したB光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aを透過してB光用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。
ここでR光用の反射型液晶表示素子61Rは黒表示の為、R光用の反射型液晶表示素子61Rに入射したR光は画像変調されないまま反射される。従って、R光用の反射型液晶表示素子61Rで反射された後もR光はS偏光光のままである為、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aで反射し、入射側偏光板64を通過して光源1側に戻され、投射光から除去される為、黒表示となる。
一方、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したB光はB光用の反射型液晶表示素子61Bが黒表示の為、画像変調されないまま反射される。従って、B光用の反射型液晶表示素子61Bで反射された後もB光はP偏光光のままである為、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面66aを透過し、第1の色選択性位相差板65により、S偏光に変換され、入射側偏光板64を透過して光源1側に戻されて投射光から除去される。
以上が、反射型液晶表示素子(反射型液晶パネル)を使用した投射表示装置での光学構成である。
次に図3(a),(b),(c)を用いて、本実施例の特徴を示す色分離合成光学系β周辺の保持構造の説明を行う。70は第1の偏光ビームスプリッター60の上面に接着されるガラス片小、71は第3の偏光ビームスプリッター69の上面の接着保持とガラス片小70を接着することで第1の偏光ビームスプリッター60を接着保持するガラス片大である。
72はプリズムベースで、偏光ビームスプリッター60,66,69をガラス片大71を介して保持し、ダイクロイックミラー58と、G用の入射側偏光板59と、RB用の入射側偏光板64と、第2の色選択性位相差板67とを直接保持する。73はパネル保持板上(第1保持部材)、74はパネル保持板下(第1保持部材)で、第1の偏光ビームスプリッター60の上下面におのおの1個と、色分解合成系の一部である第2の偏光ビームスプリッター66におのおの2個接着固定されている。
75は1/4波長板62を保持する1/4波長板ホルダで、ビス76によりプリズムベース72に固定されるものである。77はパネル固定枠板(第2保持部材)で、反射型液晶表示素子61を直接保持している。78は本固定部材であるところのアクリルスペーサーである。
本実施例では、プリズム60,66に固定され、画像形成素子61R,61G,61Bへの入射光軸と平行な接着面78H1を有する第1取付部材73,74と、画像形成素子への入射光軸と垂直な接着面78V1,78V2を有し、画像形成素子を保持する第2取付部材77Gと、第1取付部材73,74と第2取付部材77Gに接着されるスペーサ78と、を利用して本固定をしている。
以下にG光用の反射型液晶表示素子61Gを用いて、仮止めと本固定の構成を説明する。
G光用の反射型液晶表示素子61Gは、G光用のパネル固定枠板(第2保持部材)77Gに予め信頼性高く保持されているもので、液晶表示素子61Gとパネル固定部材77GにてG用のパネルユニットとして構築されている。
第1の偏光ビームスプリッター60に、G用のパネルユニット61G,77Gを所定の位置に6軸調整後固定するためには、接着剤硬化時間や設備の簡便さ、6軸の自由度を考慮して、UV接着を行う。
仮止めはパネル保持板73上のピン形状を呈するピン部73aと、G用パネル固定枠板77Gの穴形状を呈する穴部77GaにUV接着剤を多量に介して接着するものである。また、パネル保持板74上のピン形状を呈するピン部74aと、G用パネル固定枠77Gの穴形状を呈する穴部77GaにUV接着剤を多量に介して接着するものである。
これらによりG用のパネルユニット61G,77Gは第1の偏光ビームスプリッター60に仮止めされるものである。
以上のように本実施例では、第1取付部材(73,74)と第2取付部材77Gには双方を仮止めする仮止め手段73a,74a,77Gaを設けている。
本状態においては、パネル保持板73,74のピン形状部73a,74aと穴形状部77Gに多量の接着剤を介しているので、接着剤硬化収縮時の応力が残留している。また温度条件が変化することにより、比較的柔らかな接着剤の塊を介しているので、G用のパネルユニット61G,77Gの位置保持精度が不安定となる。
そこで次に本固定としてアクリルスペーサー78をピン形状部73a,74aの近傍に隣接させて隙間なく接着固定して信頼性と強度を確保するものである。G用パネル固定枠板77Gの上部77Gbに、アクリルスペーサー78の一面(液晶表示素子への入射光軸と垂直な面)78V1を押し当て、パネル保持板上73の下部の73bにアクリルスペーサー78の別の一面(液晶表示素子への入射光軸と垂直な面)78V2を押し当てて接着固定し、同様にG用パネル固定枠板77Gの77Gcに、アクリルスペーサー78の一面(液晶表示素子への入射光軸と垂直な面)78V3を押し当て、パネル保持板下74の液晶表示素子への入射光軸と平行な面74cにアクリルスペーサー78の別の一面(液晶表示素子への入射光軸と平行な面)78H1を押し当てて接着固定する。
これにより、強固なアクリルスペーサ78と、おのおのの強固な薄い接着層により、仮止め部を上回る強度と信頼性にて本固定するものである。
本実施例において、スペーサ78は第2保持部材77G上であって画像形成素子61の外周部の3又は4箇所に設けている。
又スペーサ78及び仮止め手段73a,74a,77Gaは、第2保持部材77G上であって、画像形成素子61の外形状を決める上辺と下辺の外側に配置している。
そしてスペーサ78は複数有し、このうち1以上のスペーサは仮止め手段74a,77Gaに隣接して配置している。
接着強度と精度信頼性を高めるためには、接着層は薄い方が吸湿性等の特性から有利とされている。また仮止め部近傍に本固定部を設けることで、仮止め部と本固定部を結ぶ直線方向以外の力により発生するモーメント成分の腕長さを極力少なく設定でき、強固な本固定を実現するものである。
この本固定部を仮に少なくするために、仮止め部の半分の個所に限定しようとすると、仮止め部の中間位置に配するのが有利と考えられるが、この場合アクリルスペーサー78の膨張により、パネル固定枠板77が変形されやすい構成となってしまう。これらを回避するために、光軸方向の入力には比較的強固な仮止め部近傍に本固定部を配置することで、パネル固定枠板77への変形入力を極力押えるものである。
また、アクリルスペーサー78を直方体とすることで、2つの略直交する面に綺麗に押し当て可能なので、本接着面の接着剤層が極めて薄くできる。またアクリルスペーサー78が直方体なので、型成形や切削加工による両方の作成が容易であり、場合によってはガラスなどの低線膨張材への置き換えも非常に容易とするものである。
またアクリルスペーサー78は、仮止め後に開放された上下方向から簡単に挿入接着が可能なので、光学系の自由度をもたらし、特殊な設備を必要としない面での利点も備えている。
反射型液晶表示素子61R,61Bを第2の偏光ビームスプリッター66に固定するのも、前記同様の仮止めと、アクリルスペーサー78にて本固定を行うものである。
尚、液晶表示素子61R,61G,61Bは透過型のものであっても良い。
以上のように本実施例によれば、画像形成素子61からの出射光を合成する手段60,66に取り付けられた液晶表示素子保持板73,74に、液晶表示素子61が固定されている固定枠板77を直接仮止めと本固定をすることで、介在物を極力廃して、振動落下等の信頼性を高めることができる。
また本固定は、仮止め位置近傍に仮止め個所同数を設けている。これにより、仮止め部に内在する応力が形而変化にて開放されるときには、モーメントによる力の増幅作用を極力押えることができ、また力の分散効果も望めるので、高い信頼性が期待できる。
さらに本固定部材78が熱による線膨張を起こした場合は、仮止め部が拮抗した反力を発生して、液晶表示素子61が固定されている液晶表示素子固定枠板77に対する変形を極力押えることができる。これは液晶表示素子固定枠板77の変形により液晶表示素子61が変形して、コントラスト低下や、液晶表示素子の局所的な光量調整不良発生を防止することができる。
また本固定部に使用する固定部材78の接着面は、光軸と平行な面78Hと直交する面78Vを使用している。これにより液晶表示素子の光軸と平行な方向の自由度と直交する方向の自由度を積極的に許容しつつ、液晶表示素子の光軸と平行な方向の固定精度を強力に保っている。
その他の方向の応力開放は比較的少なく、拮抗力を生じさせる必要は比較的少ないものである。それと、本固定部の固定部材78の接着面には接着剤の塊が最小となるように面接着形態を取っているので、本固定部の接着剤硬化収縮が極めて少なく、仮止め状態を極めて高いレベルで維持して本接着での硬化ができる。
また本硬化の接着剤の形而変化による応力開放や劣化も、極めて少量の接着剤で固定が完了しているので影響が非常に少なくて済む。これらにより、今まで発生していた本固定の接着剤硬化時の副作用を排除している。
また本固定部に使用する固定部材78は、アクリルやポリカーボネート、ガラス等の光透過性の部材を使用することで、UV接着剤を用いての硬化接着を可能としている。これにより作業性を高め生産時間を短縮するとともに、初期の形而変化発生前にしっかり本固定をすることで、高い精度での液晶表示素子調整取り付け精度を維持している。
また本固定部に使用する固定部材78の接着面は、光軸と平行な面78Hと直交する面78Vを使用している。
光軸と平行な面78Hは、プリズムに貼り付けられた部材の90°曲げ面や、プリズム天面に貼り付けられた部材のそのままの延長面を利用することで、高精度に形成可能である。光軸と直交する面78Vはパネル61の表示面なので、パネル61を取り付ける部材には曲げ加工をすることなく形成でき、比較的容易に割り当てられる面である。
また本固定部に使用する固定部材の接着面は、光軸と平行な面と直交する面を使用することにより、90°開放された面であり組立てと、光照射を容易としている。
本発明の反射型の液晶表示素子を搭載した投射表示装置の実施例1の分解斜視図 本発明の反射型の液晶表示素子を搭載した投射表示装置の実施例1の光学構成図 本発明の実施例1の要部概略図 本発明の実施例1の要部概略図 本発明の実施例1の要部概略図
符号の説明
1 光源ランプ
2 ランプホルダー
3 防爆ガラス
4 ガラス押さえ
5 投射レンズ鏡筒
6 光学ボックス
6a ランプケース部材
6b及び6c 開口部
7 光学ボックス蓋
8 電源
9 電源フィルタ
10 バラスト電源
11 回路基板
12 光学冷却ファン
13 ファンダクト
14 ランプ冷却ファン(吹き付けファン)
15 ファン保持台
16 ファン押さえ板
17 電源用冷却ファン
18 排気ファン
19 ランプ放熱板(遮熱部材)
20 ランプ排気遮光マスク
21 外装キャビネット
22 外装キャビネット蓋(外装ケース)
23 側板A
24 側板B
24a 排気口
25 光学素子冷却ファン
26 インターフェース補強板
27 外装放熱板
28 ランプ蓋
29 セット調整脚

Claims (7)

  1. 光源からの光を用いて画像形成素子で形成された画像を被投射面上に投射する投射表示装置において、
    プリズムと、
    該プリズムに固定され、該画像形成素子への入射光軸と平行な接着面を有する第1取付部材と、
    該画像形成素子を保持し、該画像形成素子への入射光軸と垂直な接着面を有する第2取付部材と、
    該第1取付部材と該第2取付部材に接着されるスペーサと、
    を備えることを特徴とする投射表示装置。
  2. 前記第1取付部材と前記第2取付部材を仮止めする仮止め手段をさらに備えることを特徴とする請求項1の投射表示装置。
  3. 前記スペーサは、前記第2取付部材上であって前記画像形成素子の外周部の3又は4箇所に設けられていることを特徴とする請求項1又は2の投射表示装置。
  4. 前記スペーサは、前記第2取付部材上であって前記画像形成素子の外形状を決める上辺と下辺の外側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の投射表示装置。
  5. 前記スペーサは複数備えられており、少なくとも1つの前記スペーサは前記仮止め手段に隣接していることを特徴とする請求項2の投射表示装置。
  6. 前記プリズムは、色分解合成光学系の一部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項の投射表示装置。
  7. 前記画像形成素子は、反射型の液晶表示素子であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項の投射表示装置。
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