JP2006089875A - 導電性不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】 開孔を備えていることによって、従来は不可能であった用途にも適用することのできる導電性不織布を提供すること。
【解決手段】 本発明の導電性不織布は、開孔が密集した開孔群を多数備えた導電性不織布であり、前記各開孔群からその放射方向に徐々に繊維量が増加しているとともに、開孔率が2〜15%で、平均孔径が10〜25μmであり、しかも50μm以上の孔径の孔が3%未満である。なお、目付が50〜200g/mであるのが好ましく、圧縮率が30〜80%であるのが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は導電性不織布に関する。
アース接地材料や電池電極材などの導電性不織布として、炭素材料を用いたものが提案されている。例えば、「繊維密度1.36〜1.44g/cm、結節強度0.5〜1.8g/dtex、結節伸度5%以上、コア率33〜70%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートを150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理をして酸化繊維シートを得、その後前記酸化繊維シートを不活性ガス雰囲気下で熱処理して製造した、炭素繊維のX線結晶子サイズが1.3〜3.5nmの炭素繊維シート」が提案され、酸化繊維シートの製造方法として、ウオータージェット方式又はニードルパンチ方式による製造方法が開示されている(特許文献1)。
特開2002−194650号公報(請求項5、実施例など)
しかしながら、前述のような方法により製造した酸化繊維シートは均一に絡合し、ほとんど開孔の無い状態にあるため、この酸化繊維シートから製造した炭素繊維シートも均一に炭素繊維が分散した、開孔の無い状態にあり、炭素繊維の均一分散状態が用途によっては不都合な場合があった。例えば、炭素繊維シートを電極として使用した場合には、活物質の充填量を多くすることが困難で、電池容量を高めることが困難であった。
したがって、本発明は開孔を備えていることによって、従来は不可能であった用途にも適用することのできる導電性不織布を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「開孔が密集した開孔群を多数備えた導電性不織布であり、前記各開孔群からその放射方向に徐々に繊維量が増加しているとともに、開孔率が2〜15%で、平均孔径が10〜25μmであり、しかも50μm以上の孔径の孔が3%未満であることを特徴とする導電性不織布」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「目付が50〜200g/mであることを特徴とする、請求項1記載の導電性不織布」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「次の式により定義される圧縮率(Cr)が30〜80%であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の導電性不織布
Cr={(P−P155)/P}×100
ここで、Pは2kPa荷重時における導電性不織布の厚さ(mm)、P155は155kPa荷重時における導電性不織布の厚さ(mm)、をそれぞれ意味する」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、開孔群を多数備えた開孔率が2〜15%である導電性不織布は従来困難であった用途にも適用でき、特に平均孔径が10μm以上であるのが好ましいことを見出したのである。例えば、導電性不織布を電極として使用した場合には、活物質の充填量を多くすることができ、電池容量を高めることができることを見出した。なお、導電性不織布が開孔群を多数備えていると上記のような効果を奏するが、大きい孔が多いと、集電効率が下がったり、電気抵抗が上がったりするなどの弊害が生じるため、平均孔径の上限を25μmとし、50μm以上の孔径の孔を3%未満とした。また、各開孔群からその放射方向に徐々に繊維量が増加していることによって、各種物質(例えば、活物質)の保持性にも優れている。
本発明の請求項2にかかる発明は、導電性不織布の目付が50〜200g/mであるため、導電性不織布として満足し得る電気抵抗値や機械的強度を備えていることができ、各種用途へ適用しやすい。つまり、50g/mより少ない目付であると、後加工に耐え得る十分な機械的強度や低電気抵抗値を得るのが難しい傾向があり、200g/mよりも大きい目付であると、開口率が2〜15%、平均孔径が10〜25μm、かつ50μm以上の孔径の孔が3%未満である導電性不織布を効率よく、安定して製造するのが難しくなる傾向がある。
本発明の請求項3にかかる発明は、導電性不織布の圧縮率が30〜80%であるため、他の材料との接触面積が広く、他の材料との間において、接触抵抗が低い状態で導電することができる。
本発明の導電性不織布は開孔が密集した各開孔群からその放射方向に徐々に繊維量が増加している、つまり、開孔群においては繊維量が少ないものの繊維が存在しているため、各種物質(例えば、活物質)の保持性に優れており、しかも開孔群においては繊維量が少ないため各種物質(例えば、活物質)の浸透性や充填性に優れている。なお、本発明の導電性不織布の各開孔群を円状又は楕円状に取り囲むように繊維が配置していると、各開孔群の形態安定性に優れ、導電性不織布の機械的強度が優れているため、好適な態様である。このような開孔群は規則正しく、又は不規則に存在することができるが、規則正しい方が各種物質の充填性等に優れているため好ましい。なお、繊維量は各開孔群からその放射方向に徐々に繊維量が増加するが、無限に増加するのではなく、繊維量が一定量となった領域を備えている場合もあるし、隣接する開孔群との関係から徐々に繊維量が増加した後に徐々に繊維量が減少する場合もある。
このような本発明の導電性不織布は開孔率が2〜15%であり、平均孔径が10μm以上であるため、従来困難であった用途にも適用できる。例えば、電極として使用した場合には、活物質の充填量を多くすることができ、電池容量を高めることができる。他方で、孔径の大きい孔が多すぎると、集電効率が下がったり、電気抵抗が上がったり、充填材料を保持できなかったりするなどの弊害が生じるため、平均孔径の上限を25μmとし、50μm以上の孔径の孔を3%未満とした。
本発明における「開孔」とは、導電性不織布の背後から光を照射し、光の漏洩する孔、つまり貫通孔を意味する。このような導電性不織布における開孔率は上述の通り、2〜15%である。開孔率が2%未満であると、導電性不織布構成繊維の分散状態が比較的均一で、従来の導電性不織布と大差なく、各種用途に適用することが困難な場合があるため、2%以上であり、好ましくは2.5%以上であり、より好ましくは3%以上である。一方、開孔率が15%を超えると、導電性不織布の電気抵抗が上がったり、場合によっては開孔の直径が大きくなりすぎて、充填材料を保持できないなど、各種用途に適用できない場合があるため、15%以下であり、好ましくは14%以下であり、より好ましくは13.5%以下である。
なお、本発明における「開孔率」は次の方法により得られる値をいう。
(1)導電性不織布の背後から光を照射し、光の漏洩する部分を実体顕微鏡により面積(Sl)を測定する。
(2)前記光の漏洩する部分の面積(Sl)を開孔の面積(So:単位=cm)とみなして、1cmあたりにおける全開孔の総面積の百分率を算出し、開孔率{=(So/1)×100=100So}とする。
本発明の導電性不織布の平均孔径は前述の通り、10〜25μmであるが、12μm以上であるのが好ましく、18μm以上であるのがより好ましい。他方で、23μm以下であるのが好ましく、21μm以下であるのがより好ましい。なお、本発明における「平均孔径」は、ASTM−F316に規定されている方法により得られる「平均流量孔径」の値をいい、前述のような「開孔(貫通孔)」以外の直線状の貫通状態にない孔も含んでいる。このように、本発明の「孔」は開孔(貫通孔)以外の孔も含む、開孔よりも広い概念である。なお、平均孔径は、例えば、ポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いてミーンフローポイント法により測定できる。
また、本発明の導電性不織布は50μm以上の孔径の孔が3%未満である。50μm以上の孔径の孔が3%以上であると、集電効率が悪くなったり、電気抵抗が高くなる傾向があるためで、好ましくは2.8%以下であり、より好ましくは2.4%以下である。なお、「50μm以上の孔径の孔の比率」は、ASTM−F316に規定されている方法により孔径分布を測定し、その結果、50μm以上の孔径の孔の全孔径の孔に占める百分率をいう。例えば、ポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いてミーンフローポイント法により孔径分布を測定し、50μm以上の孔径の孔の全孔径の孔に占める百分率を算出して求めることができる。
本発明の導電性不織布の目付は50〜200g/mであるのが好ましい。目付が50g/m未満であると、後加工に耐え得る十分な機械的強度や低電気抵抗値が得られない傾向があるためで、60g/m以上であるのがより好ましく、70g/m以上であるのが更に好ましい。一方、目付が200g/mを超えると、開孔群を有する導電性不織布を効率良く、安定して製造するのが難しくなる傾向があるためで、180g/m以下であるのがより好ましく、150g/m以下であるのが更に好ましい。なお、本発明における「目付」は導電性不織布を20cm角に打ち抜いたときの質量をもとに、1mあたりの質量に換算して求めた値である。
本発明の導電性不織布の厚さは特に限定するものではないが、0.1〜2mmであるのが好ましく、0.1〜0.5mmであるのがより好ましい。また、導電性不織布の見掛密度も特に限定するものではないが、0.1〜0.9g/cmであるのが好ましく、0.3〜0.7g/cmであるのがより好ましい。本発明における「厚さ」は155kPa荷重時の厚さを意味し、「見掛密度」は目付を厚さで除した商をそれぞれ意味する。
また、本発明の導電性不織布は圧縮率が30〜80%であるのが好ましい。圧縮率が30%未満であると、他の材料との接触面積を広くすることが困難で、他の材料との間において、接触抵抗が高くなってしまう傾向があるためで、45%以上であるのがより好ましく、50%以上であるのが更に好ましい。一方、圧縮率が80%を超えると、形態が不安定となりやすく、導電性不織布加工時の収率が低下したり、圧縮変形により強度の低下が生じる可能性があるためで、75%以下であるのがより好ましく、70%以下であるのが更に好ましい。なお、圧縮率は次の式により定義される値をいう。
Cr={(P−P155)/P}×100
ここで、Pは2kPa荷重時における導電性不織布の厚さ(mm)、P155は155kPa荷重時における導電性不織布の厚さ(mm)、をそれぞれ意味する。
更に、本発明の導電性不織布の空隙率は50〜90%であるのが好ましく、65〜85%であるのがより好ましい。空隙率が50%未満であると、例えば電極として使用した場合には、活物質を充填できる空間が少なくなり、活物質の充填量を多くすることが困難となる傾向があり、他方、空隙率が90%を超えると、導電性不織布を構成する導電性繊維間の接点が減り電気抵抗が上昇する傾向、すなわち、電気抵抗が高くなる傾向があるためである。なお、「空隙率(P)」は次の式によって得られる値をいう。
空隙率(P)={1−W/(T×d)}×100
ここで、Wは導電性不織布の目付(g/m)を意味し、Tは導電性不織布の厚さ(μm)を意味し、dは導電性不織布構成繊維の密度(g/cm)を意味する。
本発明の導電性不織布は各種用途に適合する導電性があれば良く、その電気抵抗は特に限定するものではないが、例えば、通電材料として用いる場合は、導電性に優れているように、10mΩ以下であるのが好ましく、6mΩ以下であるのがより好ましい。なお、電気抵抗は次の方法により測定した値をいう。まず、導電性不織布を標準状態(温度22℃、相対湿度65%)で2時間以上放置する。次いで、導電性不織布を1対の真鍮製電極(直径:4cm)で挟み、前記電極に圧縮試験機(オリエンテック製)によって荷重(155kPa)をかけた状態で、LCRテスター(日置製)で導電性不織布の電気抵抗を測定する。なお、測定の際には直流10mAの定電流を印加する。
本発明の導電性不織布は各種用途に適合する導電性があれば良く、その構成繊維も特に限定するものではないが、例えば、炭素繊維、金属繊維、金属メッキ繊維、導電性ポリマー被覆繊維など、単独で又は混在していることができる。なお、導電性不織布の導電性を妨げない範囲内で非導電性繊維を含んでいても良い。
本発明の導電性不織布の引張り強度は加工性に優れているように、1N/cm以上であるのが好ましく、2N/cm以上であるのがより好ましい。なお、「引張り強度」は次の方法により測定した値をいう。長手方向と直交する方向(つまり幅方向)に1.5cm、長手方向に7cmに裁断した導電性不織布を、引張り強さ試験機(ミネベア製)のチャックに固定(チャック間距離:3cm)し、引張り速度3mm/min.で導電性不織布を引っ張って、導電性不織布が破断するのに要する力(引張り強さ)を測定し、この測定値を1cm幅あたりに換算した値を引張り強さとする。
このように、本発明の開孔群を有する導電性不織布は、従来は困難であった用途、例えば、アース接地材料や電池電極材などとして好適に使用することができる。このような用途に使用すると、活物質の充填量を多くすることができ、電池容量を高めることができるとともに、集電効率が高く、電気抵抗も低いものである。また、活物質の保持性にも優れている。
このような本発明の導電性不織布は、例えば、焼成後に導電性を有する導電化可能繊維を使用して製造することができる。
この導電化可能繊維とは、焼成により固相炭化されて導電性を発現する繊維をいい、例えば、レーヨン繊維、アクリル酸化繊維、ピッチ繊維、フェノール繊維等を挙げることができる。これらの中でも、焼成後において、曲げ強度及び引張強度が高いアクリル酸化繊維が好ましい。このアクリル酸化繊維は、アクリル繊維を原料とし、空気中、温度200〜300℃で熱処理し、酸化させて製造される繊維である。この好適であるアクリル酸化繊維の原料となるアクリル繊維としては、アクリロニトリルモノマー単位を90〜98%、コモノマー単位(例えば、アクリル酸メチルエステル、アクリルアミド、イタコン酸等のビニルモノマーなど)を2〜10%含有するものが好ましい。
上記導電化可能繊維の繊度は、特に限定するものではないが、導電性不織布の機械的強度が優れているように、0.5dtex以上であるのが好ましく、1dtex以上であるのがより好ましい。他方、開孔群を形成するには、繊度が小さい方が好ましいため、6dtex以下であるのが好ましく、3dtex以下であるのがより好ましい。なお、本発明における繊度はJIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(簡便法)によって得られる値をいう。
なお、導電化可能繊維の繊維長は繊維ウエブの形成方法によって異なるため、特に限定するものではないが、例えば、繊維ウエブをカード機により形成する場合には、導電化可能繊維のカード通過性に優れているように、10〜110mmであるのが好ましく、30〜80mmであるのがより好ましい。なお、この繊維長であると、繊維ウエブを流体流により絡合させて導電化可能不織布を形成したとしても、十分に絡合させることができ、十分な機械的強度を有する導電性不織布を製造することができる。本発明の「繊維長」は、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
なお、組成、繊度、及び/又は繊維長の点で相違する導電化可能繊維を2種類以上用いることもできる。
このような導電化可能繊維を用いて、開孔群を有する導電化可能不織布を製造する。例えば、カード法やエアレイ法などの乾式法又は湿式法により、導電化可能繊維からなる繊維ウエブを形成した後、流体流により絡合させるとともに開孔群を形成して、開孔群を有する導電化可能不織布を製造することができる。このように流体流により絡合させるとともに開孔群を形成して導電化可能不織布を製造すると、強度的に優れた導電化可能不織布、ひいては強度的に優れた導電性不織布を製造することができる。また、流体流を作用させる際に使用する、繊維ウエブを支持する支持体の開孔形状や、流体流のエネルギーを変えることにより、導電化可能不織布の開孔群の設計、ひいては導電性不織布の開孔群の設計が容易であり、また、導電化可能繊維の絡合と開孔群の形成を同一工程で実施することができ、生産性が高いという特長もある。
具体的には、繊維ウエブを10〜30メッシュの支持体で支持した状態で、流体圧が5MPa以上の高圧流体流を繊維ウエブに対して1回又は2回以上噴出させることによって、絡合させるとともに、支持体のナックル部に存在する繊維を不完全に押し分けることにより、開孔群を備え、各開孔群からその放射方向に徐々に繊維量が増加する導電化可能不織布を製造することができる。なお、支持体のナックル部に存在する繊維を不完全に押し分ける条件は、実験を繰り返すことにより見出すことができる。また、前記のように絡合させるとともに開孔群を形成する前に、繊維ウエブを50〜100メッシュの支持体で支持した状態で、流体流を繊維ウエブに対して1回又は2回以上噴出し、ある程度絡合させると、更に機械的強度の優れる導電化可能不織布、ひいては導電性不織布を製造することができる。
なお、上述のように流体流等によって開孔群を形成した後に、カレンダー等を用いて圧縮処理を実施するのが好ましい。このような圧縮処理を実施することによって、目的の厚さ、密度を有する導電性不織布を得ることが容易となる。この圧縮処理の圧力は目的の厚さの導電性不織布を得ることができる圧力であれば良く、特に限定するものではないが、50〜200kg/cmの圧力で実施するのが好ましい。なお、この圧縮処理は常温下で実施することもできるが、加熱下で実施すると過度の線圧負荷による繊維へのダメージを抑えることができるため、加熱下で実施するのが好ましい。加熱下で実施する場合、温度160℃〜240℃で実施するのが好ましい。
このようにして形成した導電化可能不織布(圧縮処理した場合も含む)の開孔率は、開孔率が2〜15%の導電性不織布を製造しやすいように、0.2〜12%であるのが好ましい。より好ましくは、開孔率が0.3%以上であり、0.5%以上であるのが更に好ましく、開孔率が10%以下であるのがより好ましく、9%以下であるのが更に好ましい。
また、導電化可能不織布の目付、厚さ、及び見掛密度は特に限定するものではないが、前述のような好適な目付、厚さ及び見掛密度をもつ導電性不織布を効率良く、かつ安定して製造できるように、導電化可能不織布の目付は80〜350g/mであるのが好ましく、100〜200g/mであるのがより好ましい。また、厚さは0.1〜2mmであるのが好ましく、0.2〜0.9mmであるのがより好ましい。更に、見掛密度は0.2〜0.8g/cmあるのが好ましく、0.3〜0.75g/cmであるのがより好ましい。
次いで、導電化可能不織布を焼成して、本発明の導電性不織布を製造することができる。なお、焼成する条件は特に限定するものではないが、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気中、温度1000〜2000℃で、0.5〜30分間処理して焼成することができる。
なお、導電性不織布の平均孔径が10〜25μmとなり、しかも50μm以上の孔径の孔が3%未満となるように、導電化可能不織布の構成繊維の繊度、目付、厚さ、及び/又は支持体の開孔形状、流体流の圧力、支持体のナックル形状や高さなどの開孔群形成条件等を適宜調整することにより製造することができる。
また、圧縮率が30〜80%である導電性不織布は、導電化可能不織布の圧縮率を10〜80%になるよう目付、厚さを調整した後、焼成することにより製造することができる。
空隙率が50〜90%の導電性不織布は導電化可能不織布の厚さをカレンダー等で調整し、見掛密度を0.3〜1.0g/cmに調整した後、焼成することにより製造することができる。
更に、各開孔群を円状又は楕円状に取り囲むように繊維が配置している導電性不織布は、支持体としてナックル部のあるものを使用することによって製造できる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜5)
コモノマーとしてアクリル酸メチルを含有するアクリル繊維を原料とする、繊度が2.2dtex(実施例1〜6、比較例1〜4)又は0.8dtex(比較例5)で、繊維長が51mmで、密度が1.41g/cmのアクリル酸化繊維をカード機により開繊して、アクリル酸化繊維からなる繊維ウエブを形成した。
次いで、前記繊維ウエブを100メッシュのコンベアで搬送しながら6MPaの水流を衝突させて、繊維を絡合させた後、表1に示す平織のメッシュからなるコンベアで搬送しながら、12MPaの水流を衝突させ、繊維を絡合させるとともに開孔群を有する開孔絡合不織布(実施例1〜6、比較例1)、又は繊維を絡合させて絡合不織布(比較例2〜5)を形成した。
次いで、これら開孔絡合不織布又は絡合不織布を、温度200℃に加熱したカレンダーロール間(線圧力:150kg/cm)に供給し、圧縮処理を実施して、導電化可能不織布を製造した。これら導電化可能不織布の物性は表1に示す通りであった。なお、実施例2と比較例5においては圧縮処理を行なわず、導電化可能不織布とした。
その後、これら導電化可能不織布を窒素雰囲気下、最高温度1500℃で5分間加熱して、導電性不織布を製造した。これら導電性不織布の物性は表1に示す通りであった。なお、実施例1〜6及び比較例1の導電性不織布は各開孔群からその放射方向に徐々に繊維量が増加した状態にあり、しかも規則的に存在する各開孔群を楕円状に取り囲むように繊維が配置していた。
なお、充填性の評価は次のようにして行った。水酸化ニッケル80重量部、結着剤としてカルボキシメチルセルロース0.2重量部、水19.8重量%からなる粘度1500poiseのペースト状活物質を導電性不織布に含浸塗布した後、これを乾燥させ、充填前後の重量差から活物質の単位面積あたりにおける充填量を求めた。これを導電性不織布の厚さで除して活物質の充填密度を算出した。
Figure 2006089875
実施例2、6及び比較例1、2から開孔率が2〜15%で、実施例2、6及び比較例1、4から平均孔径が10〜25μmで、実施例2と比較例1から50μm以上の孔径の孔が3%以下であれば、充填密度の高い導電性不織布であることがわかった。

Claims (3)

  1. 開孔が密集した開孔群を多数備えた導電性不織布であり、前記各開孔群からその放射方向に徐々に繊維量が増加しているとともに、開孔率が2〜15%で、平均孔径が10〜25μmであり、しかも50μm以上の孔径の孔が3%未満であることを特徴とする導電性不織布。
  2. 目付が50〜200g/mであることを特徴とする、請求項1記載の導電性不織布。
  3. 次の式により定義される圧縮率(Cr)が30〜80%であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の導電性不織布。
    Cr={(P−P155)/P}×100
    ここで、Pは2kPa荷重時における導電性不織布の厚さ(mm)、P155は155kPa荷重時における導電性不織布の厚さ(mm)、をそれぞれ意味する
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