JP2018144379A - 炭素繊維不織布積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い気体通過性と低い電気抵抗を両立し、さらに水の浸透速度が速く、燃料電池の性能を向上させることのできる、固体高分子型燃料電池のガス拡散層として好適に用いることのできる炭素繊維不織布積層体を提供する。【解決手段】 平均繊維径3.0μm以下の炭素繊維連続フィラメントからなり、見掛け密度が0.05〜1.0g/cm3かつ厚みが50〜200μmある炭素繊維不織布積層体であって、該炭素繊維不織布積層体は、一方の面の表面の厚み10〜50μmの炭素繊維不織布層(A層)と、該炭素繊維不織布層(A層)と接して炭素繊維不織布積層体をなす他方の炭素繊維不織布の層(B層)とから構成され、A層の表面をSEMで2000倍で観察したときの任意の30本の繊維の配向角度が20°以下かつ、標準偏差が15以下であることを特徴とする炭素繊維不織布積層体。【選択図】 なし

Description

本発明は極細炭素繊維からなる炭素繊維不織布積層体に関する。
固体高分子型燃料電池のガス拡散層に用いるシートとして、これまで炭素繊維を使用したシートが開発されている。この用途に用いるシートには、高い気体通過性と低い抵抗値を両立し、発生する水を速やかに排出するための撥水性が求められる。
特許第5537664号公報では、芳香族ポリアミドパルプと、芳香族ポリアミドパルプに融着されたフッ素樹脂と、炭素系導電性物質とを含む導電シートが記載されている。しかし、絶縁物質としての芳香族ポリアミドパルプやフッ素樹脂を含んでいるため、垂直方向の電気抵抗を十分に低くできていない。
また、特開2016−885号公報では、炭素繊維を使用したシート内部に空孔を設けることで気体の通気性と耐圧縮性を両立させた炭素繊維不織布が記載されている。しかし、不織布内部に大きな空孔が存在しているため、これも電気抵抗を十分に低くできていない。
なお、特開2013−139655号公報には、ポリアミド繊維の不織布とその製造方法が記載されている。
特許5537664号公報 特開2016−885号公報 特開2013−139655号公報
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、高い気体通過性と低い電気抵抗を両立し、さらに水の浸透速度が速く不織布内部の水を排出でき、燃料電池の性能を向上させることのできる、固体高分子型燃料電池のガス拡散層として好適に用いることのできる炭素繊維不織布積層体を提供することを目的とする。
本発明は、平均繊維径3.0μm以下の炭素繊維連続フィラメントからなり、見掛け密度が0.05〜1.0g/cmかつ厚みが50〜200μmある炭素繊維不織布積層体であって、該炭素繊維不織布積層体は、一方の面の表面の厚み10〜50μmの炭素繊維不織布層(A層)と、該炭素繊維不織布層(A層)と接して炭素繊維不織布積層体をなす他方の炭素繊維不織布の層(B層)とから構成され、A層の表面をSEMで2000倍で観察したときの任意の30本の繊維の配向角度が20°以下かつ、標準偏差が15以下であることを特徴とする炭素繊維不織布積層体である。
ただし、配向角度および標準偏差はこの明細書の実施例で定義される。
本発明はまた、一方の面の表面の厚み10〜50μmの炭素繊維不織布層(A層)と該炭素繊維不織布層(A層)と接して炭素繊維不織布積層体をなす他方の炭素繊維不織布の層(B層)とから構成される炭素繊維不織布積層体の製造方法であって、炭素繊維不織布層(A層)を形成するために、ポリアクリロニトリル溶液を紡糸ノズルから吐出し繊維化し、繊維化したポリアクリロニトリルを一方向に高速で移動する捕集面上に捕集することで一方向に配向したポリアクリロニトリル繊維不織布を得て、その後、これを焼成することにより炭素繊維不織布層(A層)を形成することを特徴とする、炭素繊維不織布積層体の製造方法である。
本発明によれば、高い気体通過性と低い電気抵抗を両立し、さらに水の浸透速度が速く、燃料電池の性能を向上させることのできる、固体高分子型燃料電池のガス拡散層として好適に用いることのできる炭素繊維不織布積層体を提供することができる。
〔炭素繊維連続フィラメント〕
本発明の炭素繊維不織布積層体は、炭素繊維連続フィラメントから構成される。この炭素繊維連続フィラメントの平均繊維径は3.0μm以下、好ましくは2.0μm以下である。平均繊維径が3.0μmを超えると不織布を構成する炭素繊維数が減少し、低い電気抵抗が得られない。他方、平均繊維径の下限は通常0.01μm程度である。これより細い炭素繊維を得ることは製造設備やコストの点で困難である。
本発明において、炭素繊維が連続フィラメントであることは重要である。連続フィラメントでなければ、繊維軸方向の良好な導電性が活用できず、低い電気抵抗が得られない。
〔炭素繊維不織布積層体〕
本発明の炭素繊維不織布積層体は、一方の面の表面の厚み10〜50μmの炭素繊維不織布層(A層)と、該炭素繊維不織布層(A層)と接して炭素繊維不織布積層体をなす他方の炭素繊維不織布の層(B層)とから構成される。
本発明の炭素繊維不織布積層体の厚みは50〜200μm、好ましくは80〜150μmである。厚みが50μm未満であるとガスの拡散性が阻害されるもしくは、取扱い強度が不足する。他方、200μmを超えると垂直方向の電気抵抗が増加するため良好な電池性能が得られない。
本発明における炭素繊維不織布層(A層)の厚みは10〜50μm、好ましくは20〜40μmである。10μm未満であると水の浸透性が低下する、50μmを超えるとガスの拡散性が低下する。なお、A層の厚みは炭素繊維不織布積層体の厚みよりは薄い必要があり、炭素繊維不織布層(A層)に接して炭素繊維不織布層(B層)があることが必要である。炭素繊維不織布層(A層)のみであると緻密な構造の為、ガスの透過性が低下し。他方、素繊維不織布層(B層)のみであると水の排出性が発現しない。
〔見掛け密度〕
本発明の炭素繊維不織布積層体は、見掛け密度が0.05〜1.0g/cm、好ましくは0.08〜0.7g/cmである。見掛け密度が0.05g/cm未満であると不織布積層体としての破断強力が低下し、取扱い性が悪化するだけでなく、不織布内の導電パスが減少し、電気抵抗が高くなる。他方、見掛け密度が1.0g/cmを超えると、気体の通過性が悪化する。
本発明における炭素繊維不織布層(A層)の見掛け密度は、好ましくは0.05〜1.0g/cm、さらに好ましくは0.08〜0.7g/cmある。0.05g/cm未満であると撥水性を得られず、1.0g/cmを超えるとガスの通気性が悪化する。
本発明における炭素繊維不織布層(B層)の見掛け密度は、好ましくは0.05〜1.0g/cm、さらに好ましくは0.08〜0.7g/cmある。0.05g/cm未満であると取扱い強度が不足し、1.0g/cmを超えるとガスの通気性が悪化する。
〔表面の配向〕
炭素繊維不織布層(A層)の表面をSEMで2000倍で観察したときの任意の30本の繊維の配向角度が20°以下かつ標準偏差が15以下である。配向角度は15°以下が好ましい。任意の30本の繊維の配向角度が20°を超えると水の排水性が低下し炭素繊維不織布積層体の表面に水が滞留するため、気体の透過性が低下する。また、標準偏差が15を超えると水の排水性が低下する。
〔水の浸透速度〕
本発明の炭素繊維不織布積層体は、面圧0.1kgf/cmの荷重をかけて水に浸漬したときの水の浸透速度が繊維軸方向に対して、好ましくは30cm2/分以上、さらに好ましく32cm以上である。30cm/分未満であると水の排水性が低下し、不織布構造体内部に水が滞留するため気体の透過性が低下する。
〔電気抵抗〕
本発明の炭素繊維不織布積層体は、厚み方向に1MPaで加圧した際の厚み方向の電気抵抗が好ましくは15mΩ/cm以下、さらに好ましくは12mΩ/cm以下である。15mΩ/cmを超えると燃料電池の性能が低下する。
〔製造方法〕
以下、ポリアクリロニトリルがホモポリマーである場合も、共重合体である場合も単にポリアクリロニトリルという。
本発明において、炭素繊維不織布層(A層)は、好ましくは、ポリアクリロニトリル溶液を紡糸ノズルから吐出して繊維化し、繊維化したポリアクリロニトリルを一方向に高速で移動する捕集面上に捕集することで一方向に配向したポリアクリロニトリル繊維不織布を得て、その後、これを焼成することにより形成する。
製造方法としてみれば、本発明は、一方の面の表面の厚み10〜50μmの炭素繊維不織布層(A層)と該炭素繊維不織布層(A層)と接して炭素繊維不織布積層体をなす他方の炭素繊維不織布の層(B層)とから構成される炭素繊維不織布積層体の製造方法であって、炭素繊維不織布層(A層)を形成するために、ポリアクリロニトリル溶液を紡糸ノズルから吐出し繊維化し、繊維化したポリアクリロニトリルを一方向に高速で移動する捕集面上に捕集することで一方向に配向したポリアクリロニトリル繊維不織布を得て、その後、これを焼成することにより炭素繊維不織布層(A層)を形成することを特徴とする、炭素繊維不織布積層体の製造方法である。
一方向に高速で移動する捕集面として、例えば、高速で回転するドラムの表面、高速で回転するドラムやギア、リニアモーターなどにより駆動されたベルトの表面を用いることができる。ここでいう高速とは、例えば500〜5000m/分、好ましくは800〜4000m/分、特に好ましくは1000〜3000m/分の速度である。この速度は吐出されて繊維化したポリアクリロニトリル繊維が捕集面で捕集される位置での捕集面の移動速度である。具体的には、ドラムの場合には繊維が捕集される位置でのドラム表面の速度であり、ベルトの場合には繊維が捕集される位置でのベルト表面の速度である。
以下、本発明の炭素繊維不織布積層体の製造方法の好ましい態様を説明する。
まず、B層を形成するためのポリアクリロニトリル繊維不織布層を作成する。作成は、ポリアクリロニトリル溶液を紡糸ノズルから吐出して繊維化し、ポリアクリロニトリル繊維を捕集面に捕集することで行う。このB層を形成するための層ではポリアクリロニトリル繊維が一方向に配向しないようにする必要があり、このため捕集面を高速で移動させることはしない。つぎに、B層を形成するための層のうえにA層を形成するための層を形成する。すなわち、ポリアクリロニトリル溶液を紡糸ノズルから吐出して繊維化し、ポリアクリロニトリル繊維を捕集面上に既に形成されているポリアクリロニトリル繊維不織布層(B層を形成するための層)のうえに捕集する。A層を形成するための層を形成するとき、捕集面を一方向に高速で移動させる。得られたポリアクリロニトリル繊維不織布の積層体を焼成して炭素繊維不織布積層体とする。
A層を形成するための層およびB層を形成するための層のいずれの形成においても、ポリアクリロニトリル溶液の吐出は、電圧を印加した紡糸ノズルから行ってもよく、また、高圧エアーをポリアクリルニトリルの吐出口の外側から噴気しながら行ってもよい。高圧エアーを用いる場合には、噴気された高圧エアーによってポリアクリロニトリル溶液が伸張または細径化され繊維化されるが、繊維化されたポリアクリロニトリルに凝固液を噴霧して固化させて、捕集面に捕集する。高圧エアーを用いる場合、紡糸装置として、公知の装置を用いることができるが、好ましくは特開2013−139655号公報に記載の紡糸装置を用いる。高圧エアーの量は、得ようとする不織布の平均繊維径など不織布形態により適宜選択する。
紡糸に用いるポリアクリロニトリル溶液の溶媒としては、例えばジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドを用いることができる。
ポリアクリロニトリル溶液中のポリアクリロニトリルの濃度は、例えば8〜20重量%、好ましくは10〜18重量%である。濃度が8重量%未満であるか20重量%を超えると、紡糸溶液としての曳糸性が低下して電界紡糸および高圧エアーを用いての超延伸ができない。
凝固液としては、ポリアクリロニトリル溶液に対する貧溶媒を用い、例えば、水、水/ジメチルアセトアミド、水/ジメチルスルホキシド、水/ジメチルホルムアミド、水/アルコールの混合液を用いることができる。
凝固液で凝固させた繊維化したポリアクリロニトリルは、A層を形成するための層を作る場合には高速で移動する捕集面で捕集し、B層を形成するための層を作る場合には高速で移動しない捕集面で捕集する。
つぎに、A層を形成するための層とB層を形成するための層とを重ねあわせた状態で、空気中で200〜300℃の温度に置くことで耐炎化し、耐炎化繊維不織布積層体を得る。
なお、A層を形成するための層とB層を形成するための層とを重ね合わせた状態にすることについて、上記ではあらかじめB層を形成するための層を形成した捕集面に、A層を形成するための層を形成することで行う態様を説明したが、他にも、例えばA層を形成するための層とB層を形成するための層とを別々に作成しておき、それらを重ね合せることで行ってもよく、また、B層を形成するための層を形成した捕集面にA層を形成するための層を形成することで両者を重ね合せる態様であってもよい。
両者を重ねあわせた後、必要があればカレンダー加工や熱プレス加工を行い、所望の厚みに成形する。
続いて、耐炎化繊維不織布積層体を焼成して炭素繊維積層体とする。焼成の方法は、一般的に用いられている方法を用いることができるが、窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気下にて、例えば800℃以上、好ましくは1000℃以上の温度に加熱することで焼成を行うことで焼成することができる。
以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明する。
(1)平均繊維径
測定対象を走査型電子顕微鏡JSM6330F(JEOL社製)にて観察・写真撮影し、繊維100本を任意に選出して測長し、それらの平均繊維径を算出した。なお、観察・写真撮影は1000倍で行った。
(2)配向角度・標準偏差
測定対象を走査型電子顕微鏡JSM6330F(JEOL社製)にて2000倍の倍率で観察・写真撮影した。写真から30本の繊維を任意に選出するとともに水平方向に基準直線1を設定した。当該30本の繊維のそれぞれが基準直線1に対してなす角度を測定し、角度の平均値を算出して基準角度とした。基準直線1に対して基準角度をなすように基準直線2を設定した。再度、当該30本の繊維のそれぞれが基準直線2に対してなす角度を測定した。角度の平均値を算出して配向角度とするとともに標準偏差を算出した。
(3)水の浸透速度
測定対象を縦8cm、横6cmの長方形に切り出し、縦20cm、横20cmのガラス板で挟み、サンプルの一辺(6cmの辺)がガラス板から1cmの奥行ではみ出して水に接触するようにした。ガラス板の上に面圧が0.1kgf/cmとなるように重りを乗せ、サンプルのガラスからはみ出した部分を水中に浸漬させ、水がガラス板に挟まれた不織布中を浸透する面積を測定した。
(4)厚み
測定対象をデジタルリニアゲージ(株式会社小野測器製、「DG−925」、測定端子部の直径1cm)を用い、10箇所において厚さを測定し、その平均値を求めた。
(5)坪量
測定対象を1辺が25mmの正方形に切り出し、その重量を電子天秤を用いて測定し、1辺が1mの正方形として換算し、坪量とした。
(6)厚み方向に1MPaで加圧した際の厚み方向の電気抵抗
2枚の50mm角、厚さ10mmの金メッキした電極で測定対象を電極が全面接触するように挟み、荷重1MPaを厚み方向に掛けたときの厚み方向の電気面積抵抗値を日置電機株式会社製抵抗計RM3542を用いて測定した。
(7)見掛け密度
測定対象を1辺が25mmの正方形に切り出し、その重量を電子天秤を用いて測定し、1辺が1mの正方形として換算し、坪量を測定し、厚みで除すことで密度とした。
(8)セル電圧
測定対象を1辺が50cmの正方形にカットし、これに触媒(Pt−Rt)を0.2mg/cm担持させた。高分子電解質膜(ナフィオン117)の両面に上記触媒を担持させた炭素繊維不織布を接合してセルを構成した。温度80℃で電流密度0.6A/cmでのセル電圧を測定した。
実施例1
ポリアクリロニトリル共重合体をジメチルアセトアミド溶媒に12重量%の濃度になるように溶解させ紡糸溶液を得た。
この紡糸溶液を、ギアポンプを使って特開2013−139655号公報に記載の紡糸装置に200g/分で供給し、紡糸温度35℃とし、10m/分で圧縮空気を供給して紡糸を行った。ギアポンプにより紡糸溶液の吐出孔から吐出された糸条は、直ちに周囲の圧空と凝固液と共に、紡糸線上の下方向に捕集ベルトに向かって流下し、伸張、細径化の後に凝固した。
ここで使用した紡糸装置は、紡糸溶液の吐出ノズルが100×5列の配列で500本が設置されたもので、吐出ノズルの孔径が0.2mmのものである。凝固液として水を使用し、吐出後の紡糸溶液に、ノズル孔から下方向に40cmの位置で、圧縮空気を用いた凝固液供給装置であるスプレーノズル(平均液滴径250μm、株式会社いけうち製、VVPシリーズ)を用いて、9L/分の水量で吹き付け、紡糸溶液を凝固させた。
なお、紡糸装置の下方50cmには捕集ベルトが設置され、上記の連続繊維を捕集ベルト上に積層しながらベルトの搬送速度1.0m/分で、連続的に繊維不織布を製造し、後に炭素繊維不織布層(B層)となる焼成前の繊維不織布層(B層)を得た。
また、上記の紡糸溶液を、電界紡糸装置(株式会社メック製NANON)を用いてノズルの印加電圧20kV、捕集面までの距離15cm、捕集面の移動速度2000m/分として電界紡糸法にて炭素繊維不織布層(A層)となる焼成前繊維不織布層(A層)を得た。なお、この焼成前繊維不織布層(A層)の目付は、5g/mであった。
焼成前繊維不織布層(A層)と焼成前繊維不織布層(B層)とを重ね合せ空気中で230℃の温度で乾燥および耐炎化処理を実施し、さらに、窒素雰囲気下で1200℃の温度で30分間保持して炭素化し、目的とする炭素繊維不織布積層体を得た。
得られた炭素繊維不織布積層体を50cm角にカットし、これに触媒(Pt−Rt)を0.2mg/cm担持させた。高分子電解質膜(ナフィオン117)の両面に上記触媒を担持させた炭素長繊維不織布を接合してセルを構成した。温度80℃で電流密度0.6A/cmでのセル電圧を測定し性能とした。評価結果を表1に示す。
Figure 2018144379
実施例2
紡糸溶液のポリマー濃度を14重量%とすること以外は実施例1と同様にして、炭素繊維不織布積層体を得た。評価結果を表1に示す。
実施例3
焼成前の不織布層(A層)を得る際の捕集面の速度を1000m/分とすること以外は実施例1と同様にして、炭素繊維不織布積層体を得た。評価結果を表1に示す。
比較例1
表面層の焼成前アクリル系共重合不織布を得る際の捕集面を固定して焼成前不織布繊維層(A層)を採取する事以外は、実施例1と同様にして極細炭素繊維不織布構造体を得た。評価結果を表1に示す。
比較例2
炭素繊維不織布を、直径9μm、長さ6mmの炭素繊維とカーボンブラック微粒子、アラミドパルプ、PTFE、セルロース繊維、PVA繊維および抄紙用バインダー成分を、それぞれ24、35、8、15、8および10重量%の比率で混抄し、金属ロールの温度250℃、30μmのクリアランスを開けたカレンダーロールを通過させた後、400℃で乾燥させることで、湿式不織布からなる炭素繊維不織布を得た。評価結果を表1に示す。
本発明の炭素繊維不織布積層体は、固体高分子型燃料電池のガス拡散層として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 平均繊維径3.0μm以下の炭素繊維連続フィラメントからなり、見掛け密度が0.05〜1.0g/cmかつ厚みが50〜200μmある炭素繊維不織布積層体であって、該炭素繊維不織布積層体は、一方の面の表面の厚み10〜50μmの炭素繊維不織布層(A層)と、該炭素繊維不織布層(A層)と接して炭素繊維不織布積層体をなす他方の炭素繊維不織布の層(B層)とから構成され、A層の表面をSEMで2000倍で観察したときの任意の30本の繊維の配向角度が20°以下かつ、標準偏差が15以下であることを特徴とする炭素繊維不織布積層体。
  2. 垂直方向に1MPaで加圧した際の垂直方向の電気抵抗値が15mΩ/cm以下である、請求項1記載の炭素繊維不織布積層体。
  3. 面圧0.1kgf/cmの荷重をかけて水に浸漬したときの水の浸透速度が繊維軸方向に対して30cm2/分以上である、請求項1記載の炭素繊維不織布積層体。
  4. 固体高分子型燃料電池用ガス拡散層として用いられる請求項1記載の炭素繊維不織布積層体。
  5. 炭素繊維不織布層(A層)が、ポリアクリロニトリル溶液を紡糸ノズルから吐出して繊維化し、繊維化したポリアクリロニトリルを一方向に高速で移動する捕集面上に捕集することで一方向に配向したポリアクリロニトリル繊維不織布を得て、その後、これを焼成することにより形成された、請求項1記載の炭素繊維不織布積層体。
  6. 一方の面の表面の厚み10〜50μmの炭素繊維不織布層(A層)と該炭素繊維不織布層(A層)と接して炭素繊維不織布積層体をなす他方の炭素繊維不織布の層(B層)とから構成される炭素繊維不織布積層体の製造方法であって、炭素繊維不織布層(A層)を形成するために、ポリアクリロニトリル溶液を紡糸ノズルから吐出し繊維化し、繊維化したポリアクリロニトリルを一方向に高速で移動する捕集面上に捕集することで一方向に配向したポリアクリロニトリル繊維不織布を得て、その後、これを焼成することにより炭素繊維不織布層(A層)を形成することを特徴とする、炭素繊維不織布積層体の製造方法。
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