JP2006088621A - 開閉カバーロック装置、該開閉カバーロック装置を備えた記録装置 - Google Patents

開閉カバーロック装置、該開閉カバーロック装置を備えた記録装置 Download PDF

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成弘 隠岐
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Abstract

【課題】 所定の場合以外は閉じた状態の開閉カバーを自動的にロックする開閉カバーロック装置において、閉じた状態でロックされている開閉カバーを無理に開こうとした際に開閉カバーロック装置が破損してしまうことを防止する。
【解決手段】 第1のロック部材83には、ロック部837の近傍にU字形状の凹部830が形成されている。ロック状態のディスクトレイカバー4を無理に開く操作がされ、第1のロック部材83に過大な力が作用すると、凹部830によってロック部837が撓み変形(弾性変形)する。凹部830の撓み変形量が一定量を超えると、ディスクトレイカバー4を開こうとする力が、第1のロック部材83のロック部837と第2のロック部材85のロック爪部853との係合を解除させる方向へ作用し、第1のロック部材83のロック部837と第2のロック部材85のロック爪部853とのロック係合が解除される。
【選択図】図34

Description

本発明は、閉じた状態の開閉カバーのロックとロック解除とを切換可能な構成を有する開閉カバーロック装置、及び該開閉カバーロック装置を備えた記録装置に関する。
いわゆるインクジェットプリンタ等の記録装置は、美的なデザインが施された外観を有する本体ケースに装置全体が内蔵されているものが一般的である。本体ケースには、記録実行時に開いた状態で被記録材の給送及び排出経路を構成したり、インクカートリッジの交換時や被記録材が内部で詰まった場合に開いてメンテナンスを行ったりする開閉カバーが所要部分に設けられているのが通常である。このような記録装置の中には、特定の開閉カバーについては、開く操作を所定の場合にのみ限定しないと故障等が生じる虞があるものがある。そのため、特定の開閉カバーについては、所定の場合にのみ開く操作が可能となるように、所定の場合以外は、閉じた状態の開閉カバーが自動的にロックされるようになっている記録装置が公知である(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−82654号公報
しかしながら、例えば、ロックされた状態で閉じている開閉カバーをユーザが無理に開こうとすると、閉じた状態の開閉カバーをロックしている機構が破損してしまう虞がある。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、所定の場合以外は閉じた状態の開閉カバーを自動的にロックする開閉カバーロック装置において、閉じた状態でロックされている開閉カバーを無理に開こうとした際に開閉カバーロック装置が破損してしまうことを防止することにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、開閉カバーの開閉に連動して所定の変位方向へ変位する第1のロック部材と、前記開閉カバーを閉じた状態の変位位置にある第1のロック部材と係合して、前記開閉カバーが開く方向への第1のロック部材の変位を規制する第2のロック部材とを備え、前記第2のロック部材の変位位置によって、閉じた状態の前記開閉カバーのロックとロック解除とを切換可能な構成を有する開閉カバーロック装置であって、前記開閉カバーが閉じてロックされている状態で、前記開閉カバーを開く方向の一定以上の力が前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分に作用した場合には、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分が弾性変形して、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合状態が解除され、前記開閉カバーを開くことが可能な状態となる、ことを特徴とした開閉カバーロック装置である。
このように、開閉カバーを開く方向の一定以上の力が第1のロック部材と第2のロック部材との係合部分に作用した場合には、第1のロック部材と第2のロック部材との係合部分が弾性変形して、係合部分に作用する力が吸収されつつ係合状態が解除されるので、ロックされた状態で閉じている開閉カバーを無理に開こうとする力によって、第1のロック部材と第2のロック部材との係合部分等が破損してしまうことを防止することができる。
これにより、本発明の第1の態様に記載の開閉カバーロック装置によれば、所定の場合以外は閉じた状態の開閉カバーを自動的にロックする開閉カバーロック装置において、閉じた状態でロックされている開閉カバーを無理に開こうとした際に開閉カバーロック装置が破損してしまうことを防止することができるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記第1のロック部材は、前記第2のロック部材と係合する部分近傍に凹部が形成された形状を有し、ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力によって前記凹部が撓み変形しつつ変位し、前記凹部の撓み変形量が一定量を超えると前記第2のロック部材との係合状態が解除される、ことを特徴とした開閉カバーロック装置である。
このように、開閉カバーの開閉に連動して変位する第1のロック部材は、第2のロック部材と係合する部分近傍に凹部が形成されている。それによって、ロック状態で開閉カバーを無理に開くことで第1のロック部材を介して第2のロック部材との係合部分に作用する力は、その凹部の撓み変形によって吸収される。そして、凹部が撓みすぎて破損する前に凹部の撓み変形量が一定量を超えると、第1のロック部材と第2のロック部材との係合状態が解除されるので、ロックされた状態で閉じている開閉カバーを無理に開こうとする力によって、第1のロック部材と第2のロック部材との係合部分等が破損してしまうことを防止することができる。
本発明の第3の態様は、前述した第2の態様において、前記第1のロック部材は、前記凹部の撓み変形によって、前記第2のロック部材に対する係合当接面の当接角度が変位し、ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力による前記凹部の撓み変形量が一定量以下の状態では、ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力が、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とをより強固に係合させる方向へ作用する角度で当接し、ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力による前記凹部の撓み変形量が一定量を超えると、ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力が、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合を解除させる方向へ作用する角度で当接する形状を有している、ことを特徴とした開閉カバーロック装置である。
このように、凹部の撓み量が一定量を超えると、ロックされている開閉カバーを開こうとする力が、第1のロック部材と第2のロック部材との係合を解除させる方向へ作用するので、凹部の撓み量が一定量を超えた時点で、ロックされた状態で閉じている開閉カバーを無理に開こうとする力によって、第1のロック部材と第2のロック部材との係合が解除される。
本発明の第4の態様は、前述した第1の態様〜第3の態様のいずれかにおいて、前記開閉カバーが閉じてロックされている状態で、前記開閉カバーを開く方向の一定以上の力が前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分に作用して、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分が弾性変形し、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合状態が解除され、前記開閉カバーを開くことが可能な状態となった場合は、前記開閉カバーを再び閉じることによって、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが再び係合して前記開閉カバーが閉じた状態でロックされる、ことを特徴とした開閉カバーロック装置である。
ロックされた状態で閉じている開閉カバーを無理に開いて、第1のロック部材と第2のロック部材との係合が解除された場合でも、その状態から開閉カバーを再び閉じることによって元の状態へ正常に復帰することができるので、開閉カバーロック装置の破損を防止することができるとともに、破損以外の故障(部品脱落等)の発生も防止することができる。
本発明の第5の態様は、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかに記載の開閉カバーロック装置を備えた記録装置である。
本発明の第5の態様に記載の記録装置によれば、所定の場合以外は閉じた状態の開閉カバーを自動的にロックする開閉カバーロック装置を備えた記録装置において、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
本発明の第6の態様は、前述した第5の態様において、被記録材を自動給送する自動給送装置と、給送された被記録材を所定の搬送方向へ搬送する被記録材搬送手段と、該被記録材搬送手段により搬送される被記録材の記録面と平行かつ搬送方向と直交する方向へ往復動可能に配設され、前記被記録材搬送手段により被記録材搬送経路を搬送される被記録材の記録面に記録を実行するための記録ヘッドを搭載したキャリッジと、前記自動給送装置による被記録材の給送経路と異なる給送経路で、前記被記録材搬送手段へ被記録材を給送するための手差し給送経路とを備え、前記開閉カバーは、前記手差し給送経路の入り口部を開閉可能に設けられ、前記手差し給送経路は、前記被記録材搬送経路の一部を包含して構成され、前記開閉カバーロック装置は、前記開閉カバーが閉じている状態では、前記キャリッジが前記被記録材搬送経路の外側に設定された待機位置に停止している場合以外は、前記開閉カバーを開くことができないように前記開閉カバーをロックする、ことを特徴とした記録装置である。
このように、キャリッジが被記録材搬送経路の外側に設定された待機位置(ホームポジション等)に停止している場合以外は、開閉カバーがロックされて開くことができない状態になる。それによって、被記録材を手差し給送経路から給送するべく開閉カバーを開く際には、開閉カバーがロックされていなければ、キャリッジが必ず被記録材搬送経路の外側にあることが保証されることになる。したがって、開閉カバーを開いて手差し給送経路から被記録材を給送して記録を実行する際に、被記録材搬送経路から退避させられる排紙従動ローラ或いはそれらを支持している部材等(排紙フレーム等)が、搬送経路上のキャリッジと干渉してぶつかってしまうことを防止することができるという作用効果が得られる。
本発明の第7の態様は、前述した第5の態様又は第6の態様において、前記開閉カバーは、一端側を揺動軸として開閉方向へ揺動可能に前記本体カバーに支持されて配設され、前記開閉カバーを閉じた状態では、前記開閉カバーと前記本体カバーとの境界部分が略隙間無くかつ表面が略同一面となって、前記開閉カバーロック装置による前記開閉カバーのロック状態に関わらず、前記開閉カバーを直接開方向へ揺動させて開く操作ができないようになっており、前記開閉カバーロック装置によるロックが解除されている状態で、前記開閉カバーの所定位置を外側から内側へ押して離すと、前記開閉カバーの他端側と前記本体カバーとの間に、前記開閉カバーを直接開方向へ揺動させて開く操作が可能な程度の隙間が生じる開操作可能揺動位置まで前記開閉カバーが開方向へ揺動する、ことを特徴とした記録装置である。
このように、開閉カバーを閉じた状態では、開閉カバーと本体カバーとの境界部分が略隙間無くかつ表面が略同一面となるので、ユーザは、開閉カバーのエッジに手を掛ける等して開閉カバーを直接開方向へ開くことができない。そして、開閉カバーロック装置によるロックが解除されている状態で、開閉カバーの所定位置を外側から内側へ押して離すと、開閉カバーの他端側と本体カバーとの間に、開閉カバーを直接開方向へ揺動させて開く操作が可能な程度の隙間が生じる位置まで開閉カバーが開方向へ揺動する。
つまり、開閉カバーは、ロックされていない状態で、かつ一定の操作(開閉カバーの所定位置を外側から内側へ押し込んで離す操作)をすることによって、初めて開く操作が可能になる(開く操作が可能になる揺動位置まで揺動する)。それによって、開閉カバーがロックされている状態であるにも関わらず、ユーザが開閉カバーを強引に開いてしまうことを防止することができる。
本発明の第8の態様は、前述した第7の態様において、前記開閉カバーが前記開操作可能揺動位置まで揺動している状態で、前記開閉カバーの所定位置を外側から内側へ押して離すと、前記開閉カバーが閉じた状態となる、ことを特徴とした記録装置である。
開閉カバーは、開操作可能揺動位置まで揺動している状態の開閉カバーの所定位置を再度外側から内側へ押し込むことによって、元の閉じた状態まで閉方向へ揺動した位置で停止して元の閉じた状態となる。つまり、開閉カバーは、ロックが解除されている状態で、所定位置を外側から内側へ押し込んで離す操作を繰り返すことによって、閉じた状態と開操作可能揺動位置まで揺動して開くことが可能な状態とが交互に切り替わるようになっている。
このように、開いた開閉カバーを閉じる際にも開く際と同様の一定の操作(開閉カバーの所定位置を外側から内側へ押し込んで離す操作)によって、開いた開閉カバーを閉じた状態に確実に戻すことができるので、開閉カバーが僅かに開いたままの状態となること等を防止することができる。
本発明の第9の態様は、前述した第7の態様又は第8の態様において、前記開閉カバーは、閉じた状態で他端側が本体カバーとの境界部分の内側へ入り込んだ形状を有している、ことを特徴とした記録装置である。
開閉カバーがロックされている状態であるにも関わらず、閉じた状態の開閉カバーと本体カバーとの隙間からユーザが開閉カバーを強引に開いてしまうことをより確実に防止することができる。
本発明の第10の態様は、前述した第7の態様〜第9の態様のいずれかにおいて、前記開閉カバーは、前記開操作可能揺動位置と、完全に開いた状態となる開揺動位置との間の所定の揺動位置を境界揺動位置として、前記境界揺動位置と前記開操作可能揺動位置との間においては、前記開操作可能揺動位置へ付勢され、前記境界揺動位置と前記開揺動位置との間においては、前記開揺動位置へ付勢される、ことを特徴とした記録装置である。
このように、開閉カバーは、開く操作が可能になる揺動位置まで開方向へ揺動した状態となる開操作可能揺動位置と、完全に開いた状態となる開揺動位置とのいずれかへ付勢されるので、中途半端な揺動位置で停止したままとなることを防止することができる。
本発明の第11の態様は、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかに記載の開閉カバーロック装置を備えた液体噴射装置である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る「記録装置」としてのインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット式記録装置の外観斜視図である。図2は、本発明に係るインクジェット式記録装置の本体カバーを取り外した状態の概略斜視図である。図3は、本発明に係るインクジェット式記録装置の内部構造の要部斜視図である。図4は、本発明に係るインクジェット式記録装置の内部構造の要部側断面図である。
インクジェット式記録装置100は、図1に示した如く本体カバー1で覆われており、本体カバー1の上面には、上方向へ開閉可能な上面カバー2が配設されている。上面カバー2を開くことによって、インクジェット式記録装置100の内部へユーザがアクセスすることが可能となり、インクカートリッジの交換等を行うことが可能になる。本体カバー1の前面には、電源スイッチ等のスイッチ類5が配設されているほか、排紙スタッカ3並びにディスクトレイカバー4が前方へ開閉可能に配設されている。排紙スタッカ3は、記録実行時には前方に開いた状態で使用され、記録実行後の「被記録材」及び「被搬送体」としての記録紙Pが開いた状態の排紙スタッカ3の上に排出されて積重されるようになっている。ディスクトレイカバー4は、前方に開いた状態でディスクトレイを前方からユーザが手差し挿入するためのディスクトレイ挿入口へのアクセスが可能になる。ディスクトレイは、光記録ディスクのラベル面への記録を実行する際に使用され、光記録ディスクを装着した状態のディスクトレイをディスクトレイ挿入口の所定の挿入位置まで手差し挿入して記録を実行することによって、光記録ディスクのラベル面への記録を実行することができる。
インクジェット式記録装置100の後部には、図示の如く自動給紙装置20が配設されており、自動給紙装置20の上部には、上方向へ開閉可能な給紙トレイカバー6が配設されている。給紙トレイカバー6は、記録実行時には開いた状態で使用され、開いた状態の給紙トレイカバー6と一体となって記録紙Pの支持面を形成する給紙トレイ22に記録実行前の記録紙Pが積重されるようになっている。給紙トレイ22に積重された記録紙Pは、給紙時に所定のタイミングで給紙ローラ21側へ揺動するホッパ23により給紙ローラ21の外周面に押圧される。給紙ローラ21の外周面に押圧された記録紙Pは、給紙ローラ軸211を回転軸として回転可能に配設されている給紙ローラ21の駆動回転によって、搬送駆動ローラ41の外周面と搬送従動ローラ42の外周面との当接面へ向けて1枚ずつ自動給紙される。
インクジェット式記録装置100の筐体は、メインフレーム11、左サイドフレーム12、右サイドフレーム13、右サイド外フレーム13a及びリアフレーム19で主たる骨格が形成されている。左サイドフレーム12(部材191を介して)、右サイドフレーム13、及び右サイド外フレーム13aは、インクジェット式記録装置100の前面側においてリアフレーム19で連結されている。搬送駆動ローラ41の両端は、記録紙Pの搬送方向(副走査方向Y)に回転可能な如く左サイドフレーム12と右サイドフレーム13とにそれぞれ支持されている。搬送駆動ローラ41の左端は、回転ブッシュ17を介して左サイドフレーム12に回転可能に支持され、搬送駆動ローラ41の右端は、回転ブッシュ18を介して右サイドフレーム13に回転可能に支持されている。また、搬送駆動ローラ41の中央近傍に形成されている支持部は、中支え部材15によって回転可能に支持されている。中支え部材15は、サブフレーム14に回動可能に配設されている調整部材16の回動位置によって、搬送駆動ローラ41の中央近傍の支持位置を上下動させることができるようになっている。搬送駆動ローラ41の外周面のうち記録紙Pが押圧されて密着される部分には、中支え部材15によって回転可能に支持される部分を除いて高摩擦抵抗被膜が形成されている。
各搬送従動ローラホルダ43には、2つの搬送従動ローラ42が記録紙Pの搬送方向へ従動回転可能に支持されており、搬送従動ローラホルダ43は、搬送駆動ローラ41と平行に複数並べて配置され、それぞれメインフレーム11に揺動可能に支持されている。各搬送従動ローラホルダ43は、ばね431によって搬送駆動ローラ41へ押圧付勢されており、それによって、各搬送従動ローラ42は、略一定の押圧力で搬送駆動ローラ41の外周面に押圧されている。また、各搬送従動ローラホルダ43の副走査方向Y下流側には、補助ローラホルダ43Sがそれぞれ配設されており、補助ローラホルダ43Sには、補助ローラ42Sが記録紙Pの搬送方向へ従動回転可能に支持されている。自動給紙装置20から給紙される記録紙Pは、紙案内前部材44により搬送駆動ローラ41の外周面へ向けて案内され、搬送駆動ローラ41の外周面と搬送従動ローラ42との当接面に狭持されて搬送駆動ローラ41の高摩擦抵抗被膜面に押圧されて密着し、搬送駆動ローラ41が副走査方向Yへ回転することによって、搬送駆動ローラ41の回転量に応じた搬送量で副走査方向Yへ搬送される。
搬送駆動ローラ41は、搬送歯車54が回転伝達可能に一体に取り付けられており、搬送用モータ51の駆動プーリ52の駆動回転が無端ベルト53を介して搬送歯車54へ伝達されて回転する(図3)。搬送駆動ローラ41の回転によって副走査方向Yへ搬送される記録紙Pは、紙案内後部材45と一体に形成されているプラテン46に裏面が摺接しながら面姿勢が規制されつつ搬送される。尚、搬送駆動ローラ41の左端側には、搬送駆動ローラ41の回転量を検出する「回転量検出手段」として公知のロータリエンコーダが設けられている。ロータリエンコーダは、搬送駆動ローラ41の回転に連動して回転するロータリスケール50(図2)と、ロータリスケール50の外周に沿って等間隔に形成されているスリットを検出するロータリスケールセンサ501(図2)とを有している。
インクジェット式記録装置100は、記録紙Pにインクを噴射して記録を行う記録ヘッド63を記録紙Pに対して主走査方向Xに走査させるためのキャリッジ62を備えている。キャリッジ62は、主走査方向Xに往復動可能にキャリッジガイド軸61に軸支されており、図示していないキャリッジ用モータの回転駆動力が図示していないベルト伝達機構によって伝達されて主走査方向Xに往復動する。キャリッジガイド軸61は、左サイドフレーム12と右サイド外フレーム13aとで両端を支持されて配設されている。キャリッジ62には、各色のインクが充填されたインクカートリッジ(図示せず)が着脱可能に搭載され、インクカートリッジから記録ヘッド63へ各色のインクが供給される。記録ヘッド63のヘッド面は、プラテン46と対向する位置で主走査方向Xへ往復動し、ヘッド面に多数配置されているノズルからプラテン46上を搬送される記録紙Pへインクが噴射されて記録が実行される。記録ヘッド63のヘッド面と記録紙Pの記録面との間隔は、プラテン46によって規定される。また、インクジェット式記録装置100には、キャリッジ62の移動位置を検出するための公知のリニアエンコーダが配設されている。リニアエンコーダは、キャリッジガイド軸61と平行に配設されたリニアスケール64と、キャリッジ62に搭載され、リニアスケール64に等間隔に形成されているスリットを検出するリニアスケールセンサ(図示せず)とを有している。
一方、プラテン46より副走査方向Yの下流側には、記録実行後の記録紙Pを排紙する手段として、副走査方向Yへ回転可能に紙案内後部材45に支持された第1の排紙駆動ローラ軸47及び第2の排紙駆動ローラ軸48が配設されている。第1の排紙駆動ローラ軸47には、図示の如く複数の第1の排紙駆動ローラ471が略等間隔に設けられており、第2の排紙駆動ローラ軸48にも同様に複数の第2の排紙駆動ローラ481が略等間隔に設けられている。第2の排紙駆動ローラ481は、搬送歯車54、中間歯車55及び排紙歯車56を介して搬送用モータ51の回転駆動力が第2の排紙駆動ローラ軸48へ伝達されて排出方向(副走査方向Y)に回転する。第1の排紙駆動ローラ471は、第2の排紙駆動ローラ軸48に回転伝達可能に取り付けられている歯車57及び図示していない中間歯車を介して、第1の排紙駆動ローラ軸47に回転伝達可能に取り付けられている歯車58へ搬送用モータ51の回転駆動力が伝達されて排出方向(副走査方向Y)に回転する。
第1の排紙駆動ローラ軸47及び第2の排紙駆動ローラ軸48の上側には、主走査方向Xに長尺な排紙フレーム49(図4)が設けられている。排紙フレーム49には、第1の排紙駆動ローラ471に対応する位置に複数の第1の排紙従動ローラ472が従動回転可能に支持されており、第2の排紙駆動ローラ481に対応する位置に複数の第2の排紙従動ローラ482が従動回転可能に支持されている。第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっており、それぞれ第1の排紙駆動ローラ471及び第2の排紙駆動ローラ481に弱い付勢力で付勢されている。記録実行後の記録紙Pは、第1の排紙駆動ローラ471と第1の排紙従動ローラ472との間に狭持されて、第1の排紙駆動ローラ471の排出方向への回転によって搬送され、さらに、第2の排紙駆動ローラ481と第2の排紙従動ローラ482との間に狭持されて、第2の排紙駆動ローラ481の排出方向への回転によって、開いた状態の排紙スタッカ3へと排出される。
このような構成を有するインクジェット式記録装置100は、まず、記録前の白紙の記録紙Pが自動給紙装置20によって自動給紙される。つづいて、自動給紙された記録前の白紙の記録紙Pは、搬送駆動ローラ41の回転によって記録ヘッド63のヘッド面と対向するプラテン46に摺接しながら副走査方向Yへ所定の搬送量で搬送される動作と、プラテン46の上で主走査方向Xへ往復動する記録ヘッド63からインクが噴射される動作とが交互に繰り返し実行されて記録面への記録が実行される。そして、記録実行後の記録紙Pは、第1の排紙駆動ローラ471及び第2の排紙駆動ローラ472の排出方向への回転によって排紙スタッカ3へ排出される。これらの一連の記録実行動作は、図示していない記録制御装置によって、自動給紙装置20の駆動力源としての自動給紙用モータ(図示せず)、搬送用モータ51並びにキャリッジ駆動用モータ(図示せず)が制御されて実行される。
つづいて、インクジェット式記録装置100の「手差し給送経路」について説明する。
図5は、インクジェット式記録装置100の外観斜視図であり、ディスクトレイカバー4を開いた状態を示したものである。
図6〜図9は、インクジェット式記録装置100の要部側断面図であり、図6は、ディスクトレイカバー4を閉じた状態(閉揺動位置)、図7は、ディスクトレイカバー4を「開操作可能揺動位置」まで開方向へ揺動させた状態、図8は、ディスクトレイカバー4を「境界揺動位置」まで開いた状態、図9は、ディスクトレイカバー4を「開揺動位置」まで揺動させて完全に開いた状態をそれぞれ示したものである。
図10は、ディスクトレイカバー4を開いた状態のインクジェット式記録装置100の一部(正面向かって右側部分)を拡大して示した斜視図であり、図11は、ディスクトレイカバー4を開いた状態のインクジェット式記録装置100の一部(正面向かって左側部分)を拡大して示した斜視図である。
「開閉カバー」としてのディスクトレイカバー4は、腕部401及び腕部402で本体カバー1に、軸4a(図6〜図9)を揺動軸として開閉揺動可能に支持されている。ディスクトレイカバー4には、開閉操作時の撓みが生じないように、長手方向に一本の補強フレーム405が配設されている。ディスクトレイカバー4を閉じた状態で覆われている部分には、フロントカバー8が設けられており、フロントカバー8には、ディスクトレイカバー4の開閉状態を検出するためのカバー開閉スイッチ7が所定の位置に配設されている。また、ディスクトレイカバー4より内側には、フロントカバー8の手前側に「ガイド部材」としてのディスクトレイ案内部材81が揺動可能に支持されている。
ディスクトレイ案内部材81は、ディスクトレイ案内部材81の右凸部814がディスクトレイカバー4に設けられている右ガイド溝403に係合し(図10)、ディスクトレイ案内部材81の左凸部815がディスクトレイカバー4に設けられている左ガイド溝404に係合した状態で(図11)、ディスクトレイカバー4の開閉に連動して揺動するようになっている。ディスクトレイ案内部材81は、ディスクトレイカバー4を完全に開いた状態(図5、図9、図10、図11)における揺動位置で、記録紙Pの排紙経路へ進出して「手差し給送経路」の入り口部を構成するとともに、手差し挿入される光記録ディスクCDが装着されたディスクトレイTRを「手差し給送経路」の入り口手前で支持しつつ主走査方向Xの手差し挿入位置を規定して「手差し給送経路」の入り口へ案内する案内部811を有している。
尚、「手差し給送経路」へのディスクトレイTR等の被記録材の給送は、本実施例に示したような手挿入によるものに特に限定されるものではなく、ディスクトレイカバー4を開いた状態で所定の位置にセットしたディスクトレイTR等の被記録材が自動的に給送されるように構成しても良い。
インクジェット式記録装置100の「手差し給送経路」は、自動給紙装置20による記録紙Pの給紙経路と異なる給送経路であり、搬送駆動ローラ41、第1の排紙駆動ローラ471及び第2の排紙駆動ローラ481による搬送経路(図4)へ手差し挿入によってディスクトレイTRを給送するために設けられている。「手差し給送経路」は、搬送経路の一部を包含して構成されており、記録実行後の記録紙Pの排出口(第2の排紙駆動ローラ481の副走査方向Yの下流側)が「手差し給送経路」の入り口となっている。記録実行後の記録紙Pの排出口(「手差し給送経路」の入り口)から搬送経路を給送経路として、搬送方向(副走査方向Y)と逆方向へディスクトレイTRが手差し挿入される。所定の挿入位置まで挿入された状態のディスクトレイTRの先端は、搬送経路を通過して自動給紙装置20による記録紙Pの給紙経路まで到達する。
そのため、搬送経路に一部が進出した状態で配置されている「被記録材排出手段」を構成する第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482(図4)は、ディスクトレイカバー4の開動作に連動して搬送経路から退避し、ディスクトレイカバー4の閉動作に連動して搬送経路へ進出するようになっている。より具体的には、複数の第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482を軸支している排紙フレーム49(図4)が、ディスクトレイカバー4の開動作に連動して上記の如く移動するようになっている。それによって、搬送従動ローラ42や第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482等が手差し挿入されるディスクトレイTRから保護される。
尚、ディスクトレイTRの手差し挿入時には、ディスクトレイカバー4の開動作に応じて自動で、搬送従動ローラ42や紙検出器(図示せず)等も搬送経路から一時的に退避するようにするのが好ましい。また、ディスクトレイカバー4の開閉動作に連動して、搬送用モータ51(図3)等を駆動力源として動作する公知のPG調節装置(図示せず)により、キャリッジガイド軸61が上下動してキャリッジ62に搭載されている記録ヘッド63のヘッド面とプラテン46との間隔が自動調節されるようになっている。
つづいて、図6〜図9を参照しながら、ディスクトレイカバー4の開閉機構について説明する。
ディスクトレイカバー4は、軸4aを揺動軸として開閉揺動可能に支持されている。ディスクトレイ案内部材81は、軸812を揺動軸として揺動可能に支持されている。ディスクトレイ案内部材81は、ディスクトレイ案内部材81の右凸部814がディスクトレイカバー4の右ガイド溝403に係合し、同様に左凸部815がディスクトレイカバー4の左ガイド溝404に係合し(図6〜図9においては図示省略、図11を参照)、ディスクトレイカバー4の開閉に連動して揺動する。ディスクトレイカバー4は、閉じている状態では、爪部407がカバー開閉スイッチ7と係合した状態で閉じている状態が保持されている(図6)。カバー開閉スイッチ7は、いわゆるオルタネイト接点構造を有し、先端を押して離す動作を繰り返すと接点回路構成(ON/OFF)及び先端位置(進出/退避)が交互に切り替わるようになっている。
ディスクトレイカバー4の先端部406は、図示の如く本体カバー1との境界部分の内側へ入り込んだ形状を有している(図6)。それによって、ディスクトレイカバー4がロックされている状態であるにも関わらず、閉じた状態のディスクトレイカバー4と本体カバー1との隙間からユーザがディスクトレイカバー4を強引に開いてしまうことをより確実に防止することができる。
閉じている状態のディスクトレイカバー4の所定位置(カバー開閉スイッチ7の配置に対応する部分)を外側から内側へ押し込んで(符号A)離すと、カバー開閉スイッチ7の先端位置が開方向(符号Bで示した方向)へ変位し、カバー開閉スイッチ7と爪部407との係合が解除されつつ、ディスクトレイカバー4が開方向(符号Cで示した揺動方向)へ「開操作可能揺動位置」まで揺動する(図7)。「開操作可能揺動位置」とは、ディスクトレイカバー4の先端部406と本体カバー1との間に、ディスクトレイカバー4を直接開方向(符号Cで示した揺動方向)へ揺動させて開く操作が可能な程度の隙間が生じるディスクトレイカバー4の揺動位置である。ディスクトレイ案内部材81の右凸部814は、ディスクトレイカバー4の右ガイド溝403に沿って符号Dで示した方向へ移動させられていく。それによって、ディスクトレイカバー4の開方向(符号Cで示した揺動方向)への揺動に連動して、ディスクトレイ案内部材81は、符号Eで示した揺動方向へ揺動していく(図7)。
ディスクトレイカバー4は、ユーザによる開方向(符号Cで示した揺動方向)へ開く操作(例えば、ディスクトレイカバー4の先端部406に指をかけて手前側に開く操作)がされると、さらに開方向(符号Cで示した揺動方向)へ揺動する(図8)。ディスクトレイ案内部材81の右凸部814は、ディスクトレイカバー4の右ガイド溝403に沿って、さらに符号Dで示した方向へ移動させられていく。それによって、ディスクトレイカバー4の開方向(符号Cで示した揺動方向)への揺動に連動して、ディスクトレイ案内部材81は、さらに符号Eで示した揺動方向へ揺動していく(図8)。ディスクトレイカバー4は、「境界揺動位置」(図8に示した揺動位置)を境界として、「境界揺動位置」より閉じる方向側では、「開操作可能揺動位置」(図7に示した揺動位置)へ付勢され、「境界揺動位置」より開く方向側では、「開揺動位置」(図9に示した揺動位置)へ付勢される。
そして、ディスクトレイカバー4が完全に開いた状態となる「開揺動位置」(図9)まで揺動した状態で、ディスクトレイ案内部材81を介してディスクトレイTRを手差し挿入可能な状態となる(図9)。また、ディスクトレイ案内部材81は、凸部813を介して後述するディスクトレイカバーロック装置により揺動位置が規制される。
尚、ディスクトレイ案内部材81の左凸部815(図11)とディスクトレイカバー4の左ガイド溝404(図11)との係合状態は、上述したディスクトレイ案内部材81の右凸部814とディスクトレイカバー4の右ガイド溝403との係合状態(図6〜図9)と同様なので説明は省略する。
そして、インクジェット式記録装置100は、キャリッジ62がホームポジションHP(図5)に停止して公知のキャリッジロック装置(図示せず)で係止されている場合以外は、ディスクトレイカバー4を開くことができないようにディスクトレイカバー4を閉じた状態(図6)でロックする「開閉カバーロック装置」としてのディスクトレイカバーロック装置を備えている。以下、図12〜図30を参照しながらディスクトレイカバーロック装置について説明する。
まず、図12〜図18を参照しながらディスクトレイカバーロック装置の構成について説明する。
図12〜図18は、ディスクトレイカバー4が閉じている状態(図6)のディスクトレイカバーロック装置80を示したものである。
図12は、一方側の側面を示した要部側面図であり、図13は、各部の係合状態を分かりやすくするために一部の部品の図示を省略した要部側面図であり、図14は、各部の係合状態を分かりやすくするために一部の部品の図示をさらに省略した要部側面図である。
図15は、要部斜視図であり、図16は、異なる角度から示した要部斜視図である。
図17は、他方側の側面を示した要部側面図であり、図18は、各部の係合状態を分かりやすくするために一部の部品の図示を省略した要部側面図である。
右サイドフレーム13には、ディスクトレイカバーロック装置80の土台となるベース部材82が固設されている。ベース部材82には、第1軸部821、第2軸部822及び第3軸部823が図示の位置に形成されている。
第1のロック部材83は、円形孔836にディスクトレイ案内部材81の凸部813が挿通されて軸支され、長孔831がベース部材82の第1軸部821と係合している。それによって、第1のロック部材83は、ディスクトレイ案内部811の揺動に連動して長孔831の形状に沿って上下に変位する。第1のロック部材83の先端には、ロック部837が形成されている。また、第1のロック部材83は、凸部832にコイル部911が挿通されて掛止された状態で、ねじりコイルばね91が他方側の側面に配設されている(図17)。
ねじりコイルばね91は、図示の如く「アルファベットのW」のような形状を成しており(図16〜図18を参照)、一端部912が第1のロック部材83の係止孔834に係止され、他端部913が第1のロック部材83の係止孔833に係止されている(図13)。第1のロック部材83の他方側の側面には、ねじりコイルばね91の第1屈曲部914近傍に凸部838が形成されており、第2屈曲部915の近傍に凸部839が形成されている(図18)。ねじりコイルばね91の第3屈曲部916は、第1のロック部材83の変位過程において、ベース部材82の第1軸部821と係合する(後述)。
第2のロック部材85は、円形孔851にベース部材82の第3軸部823が挿通されて、第3軸部823を揺動軸として揺動可能に軸支されている(図13)。第2のロック部材85は、先端にロック爪部853が形成されており、第2のロック部材85のばね掛止部854とベース部材82のばね掛止部824(図16)との間に、ばね92が伸設されて、第1のロック部材83のロック部837へロック爪部853がロック係合する揺動方向へ付勢されている。第2のロック部材85は、凹部852を介してロックレバー部材88と連動可能に連結されている。
ロックレバー部材88は、右サイドフレーム13に設けられている軸881を揺動軸として揺動可能に軸支されている。ロックレバー部材88は、軸881を挟んで一端側に形成された凸部882が第2のロック部材85の凹部852と係合した状態で軸支され、端端側にはカムフォロア部883が形成されている。
カム部材89は、回転軸891と一体に回転可能に回転軸891に配設されており、カム部892がロックレバー部材88のカムフォロア部883とカム係合する。回転軸891は、前述した「キャリッジロック装置」(図示せず)にも連結されている。
カム部材89のカム部892とロックレバー部材88のカムフォロア部883とがカム係合(図12以下に図示した状態)する回転軸891の回転位置においては、キャリッジ62がホームポジションHP(図5)で「キャリッジロック装置」によってロックされた状態となる。それによって、第2のロック部材85は、ばね92のばね力に抗して、ロック爪部853が第1のロック部材83のロック部837から離間する揺動方向へロックレバー部材88を介して揺動させられた状態で保持される。ディスクトレイ案内部材81が揺動可能な状態となり、それによって、ディスクトレイカバー4のロックが解除された状態となる(図12〜図30)。一方、それ以外の回転位置においては、ロックレバー部材88のカムフォロア部883からカム部材89のカム部892が離間し、第2のロック部材85は、ばね92のばね力によって、ロック爪部853と第1のロック部材83のロック部837とが係合する方向へ揺動し、ディスクトレイ案内部材81の揺動がロックされる。それによって、ディスクトレイカバー4がロックされた状態となる(図33及び図34、詳細は後述する)。
第1のレリース部材84は、端部841においてベース部材82の第2軸部822を揺動軸として揺動可能に軸支されている。また、第1のレリース部材84は、略くの字形状を有する長孔842を有して形成されており、長孔842に第1のロック部材83の凸部835が挿通された状態で第1のロック部材83と係合している。さらに、第1のレリース部材84は、凹溝部843を有して形成されており、凹溝部843を介して第2のレリース部材87と連結された状態で配設されている(図12)。
第2のレリース部材87は、一端側に係合孔871が形成されており、回動可能に軸支されている軸体93に係合孔871を介して一体に回動可能に配設されている。第2のレリース部材87の他端側には、凸部872が形成されており、第2のレリース部材87は、凸部872が第1のレリース部材84の凹溝部843に係合した状態で、第1のレリース部材84と連結されて配設される(図13)。
第3のレリース部材86は、一端側に係合孔861が形成されており、第2のレリース部材87と同様に、軸体93に係合孔861を介して一体に回動可能に配設されている。第3のレリース部材86の他端側には、円形孔862が形成されており、第3のレリース部材86は、円形孔862を介して排紙フレーム49と連結されている(図14)。
排紙フレーム49は、前述したように、複数の第1の排紙従動ローラ472及び複数の第2の排紙従動ローラ482を回転可能に軸支している。排紙フレーム49は、両端が右サイドフレーム13(図14)及び左サイドフレーム12(図12〜図34においては図示省略、図2又は図3を参照)の上端面に底面側から支持されて配設されている。また、排紙フレーム49は、両側端にそれぞれ設けられている支持孔492に軸体491が挿通されている(図14、図17)。軸体491の一端側は、第3のレリース部材86の円形孔へ挿通されており、第3のレリース部材86の変位に連動して、第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482が搬送経路(排紙経路)から退避(レリース)するようになっている。
つづいて、このような構成を有するディスクトレイカバーロック装置80において、ディスクトレイカバー4がロックされていない状態で、ディスクトレイカバー4を開く際の各部の動作について図19〜図30を参照しながら説明する。
図19〜図22は、ディスクトレイカバー4を「開操作可能揺動位置」まで開方向へ揺動させた状態のディスクトレイカバーロック装置80を示したものである。
図19は、一方側の側面を示した要部側面図である。
図20は、要部斜視図であり、図21は、異なる角度から示した要部斜視図である。
図22は、他方側の側面を示した要部側面図である。
ディスクトレイカバー4が閉じた状態(図6、図12〜図18)から「開操作可能揺動位置」(図7、図19〜図22)まで開方向へ揺動する間は、ディスクトレイカバー4の開方向への揺動に連動して、ディスクトレイ案内部材81が符号Fで示した揺動方向へ揺動する。軸812を揺動軸として揺動するディスクトレイ案内部材81の凸部813は、斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位する。ディスクトレイ案内部材81の凸部813に軸支されている第1のロック部材83は、ロック部837に第2のロック部材85のロック爪部853が係合していない状態、つまりロックされていない状態となっている。そのため、第1のロック部材83は、ディスクトレイ案内部材81の符号Fで示した揺動方向への揺動に連動して、斜め下方向(符号Gで示した方向)へやや傾きながらベース部材82の第1軸部と係合している長孔831の形状に沿って斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位する。
それによって、第1のレリース部材84の長孔842に係合している第1のロック部材83の凸部835も斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位する。しかし、その変位方向(符号Gで示した方向)と長孔842の形状とが略一致している部分においては、長孔842内を凸部835が長孔842に沿って移動するのみで、第1のレリース部材84の揺動位置は変わらない。したがって、第2のレリース部材87及び第3のレリース部材86を介して連結されている排紙フレーム49の位置も変わらない。
ねじりコイルばね91の第3屈曲部916は、第1のロック部材83の斜め下方向(符号Gで示した方向)への変位によって、ベース部材82の第1軸部821の外周面に突き当たった状態となり(図21)、その位置で第1のロック部材83の斜め下方向(符号Gで示した方向)への変位位置が弾性保持される。第1のロック部材83の変位位置が弾性規制されることによって、ディスクトレイ案内部材81の揺動位置が弾性保持され、それに連動してディスクトレイカバー4の揺動位置が「開操作可能揺動位置」(図7)へ付勢された状態で弾性保持される。
図23〜図26は、ディスクトレイカバー4を「開操作可能揺動位置」(図7)から「境界揺動位置」(図8)の近傍まで開方向へ開いた状態のディスクトレイカバーロック装置80を示したものである。
図23は、一方側の側面を示した要部側面図である。
図24は、要部斜視図であり、図25は、異なる角度から示した要部斜視図である。
図26は、他方側の側面を示した要部側面図である。
ディスクトレイカバー4を開操作可能揺動位置」(図7、図19〜図22)から、さらに開方向へ揺動させて「境界揺動位置」(図8、図23〜図26)の近傍まで揺動させると、ディスクトレイカバー4の開方向への揺動に連動して、ディスクトレイ案内部材81が、さらに符号Fで示した揺動方向へ揺動する。軸812を揺動軸として揺動するディスクトレイ案内部材81の凸部813は、さらに斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位する。第1のロック部材83は、斜め下方向(符号Gで示した方向)へやや傾きながらベース部材82の第1軸部と係合している長孔831の形状に沿って、さらに斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位していく。それによって、第1のレリース部材84の長孔842に係合している第1のロック部材83の凸部835も、さらに斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位する。
すると、第1のロック部材83の凸部835は、第1のレリース部材84の長孔842内において、符号Gで示した方向と異なる角度に形成されている部分と係合して、さらに符号Gで示した方向へ変位していく。それによって、第1のレリース部材84は、軸822を揺動軸として符号Hで示した揺動方向へ揺動し始める。第1のレリース部材84の揺動に連動して、第2のレリース部材87も符号Hで示した方向へ軸体93を揺動軸として揺動し始める。第2のレリース部材87の揺動に伴って、軸体93が符号Jで示した方向へ回動し始めて、軸体93に配設されている第3のレリース部材86も符号Jで示した方向へ回動し始める。第3のレリース部材86の符号Jで示した方向への回動によって、排紙フレーム49が符号Jで示した方向へ移動し始める。それによって、排紙フレーム49に軸支されている複数の第1の排紙従動ローラ472及び複数の第2の排紙従動ローラ482は、搬送経路(排紙経路)から退避(レリース)し始める。
また、ディスクトレイカバー4を「開操作可能揺動位置」(図7)から、さらに開方向へ揺動させると、ベース部材82の第1軸部821にねじりコイルばね91の第3屈曲部916が当接した状態で、第1のロック部材83の符号Gで示した方向への変位に伴ってねじりコイルばね91が符号Gで示した方向へ変位しながら弾性変形する。それによって、第1のロック部材83の符号Gで示した方向への変位過程において、ねじりコイルばね91の第3屈曲部916の頂部がベース部材82の第1軸部821を乗り越える位置を境界位置として、相反する変位方向へのばね力(付勢力)が第1のロック部材83に作用することになる。つまり、ねじりコイルばね91の第3屈曲部916の頂部がベース部材82の第1軸部821を乗り越える位置となるディスクトレイカバー4の揺動位置が前述した「境界揺動位置」(図8)となる。
図27〜図30は、ディスクトレイカバー4を「境界揺動位置」(図8)から「開揺動位置」(図9)まで完全に開いた状態のディスクトレイカバーロック装置80を示したものである。
図27は、一方側の側面を示した要部側面図である。
図28は、要部斜視図であり、図29は、異なる角度から示した要部斜視図である。
図30は、他方側の側面を示した要部側面図である。
ディスクトレイカバー4を「境界揺動位置」(図8、図23〜図26)から、さらに開方向へ揺動させると、ねじりコイルばね91の第3屈曲部916がベース部材82の第1軸部821を乗り越えて、ディスクトレイ案内部材81は、符号Fで示した揺動方向へねじりコイルばね91のばね力によって、ディスクトレイカバー4が完全に開いた状態(図9、図27〜図30)となる揺動位置まで一気に揺動する。軸812を揺動軸として揺動するディスクトレイ案内部材81の凸部813は、さらに斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位する。第1のロック部材83は、斜め下方向(符号Gで示した方向)へやや傾きながらベース部材82の第1軸部と係合している長孔831の形状に沿って、さらに斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位していく。それによって、第1のレリース部材84の長孔842に係合している第1のロック部材83の凸部835も、さらに斜め下方向(符号Gで示した方向)へ変位する。
第1のロック部材83の凸部835は、第1のレリース部材84の長孔842内において、符号Gで示した方向と異なる角度に形成されている部分と係合して、さらに符号Gで示した方向へ長孔842の端部近傍まで一気に変位する。それによって、第1のレリース部材84は、軸822を揺動軸として符号Hで示した揺動方向へ図示の位置(図27〜図30)まで一気に揺動する。第1のレリース部材84の揺動に連動して、第2のレリース部材87も符号Hで示した方向へ軸体93を揺動軸として、図示の位置(図27〜図30)まで一気に揺動する。第2のレリース部材87の揺動に伴って、軸体93が符号Jで示した方向へ図示の位置(図27〜図30)まで一気に回動し、軸体93に配設されている第3のレリース部材86も符号Jで示した方向へ図示の位置(図27〜図30)まで一気に回動する。第3のレリース部材86の符号Jで示した方向への回動によって、排紙フレーム49が符号Jで示した方向へ図示の位置(図27〜図30)まで一気に移動する。それによって、排紙フレーム49に軸支されている複数の第1の排紙従動ローラ472及び複数の第2の排紙従動ローラ482は、搬送経路(排紙経路)から完全に退避(レリース)した状態となる。
このように、ディスクトレイカバー4は、ねじりコイルばね91の第3屈曲部916とベース部材82の第1軸部821との弾性係合によって生じるばね力によって、「境界揺動位置」(図8)より閉方向側の揺動位置においては、「開操作可能揺動位置」(図7)へ付勢され、「境界揺動位置」(図8)より開方向側の揺動位置においては、「開揺動位置」(図9)へ付勢される。それによって、ディスクトレイカバー4は、「境界揺動位置」(図8)を境界として、「開操作可能揺動位置」(図7)又は「開揺動位置」(図9)のいずれかの揺動位置に必ず停止することになるので、開閉操作後のディスクトレイカバー4が中途半端に開いた状態となることを防止することができる。
そして、それに伴って排紙フレーム49のレリース状態は、ねじりコイルばね91のばね力にアシストされる如く、第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482が搬送経路(排紙経路)の所定の位置に配置された状態、又は搬送経路(排紙経路)から完全に退避(レリース)した状態のいずれかに設定されることになる。したがって、第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482が中途半端なレリース位置で停止した状態となることを防止することができる。
つづいて、ディスクトレイカバーロック装置80における排紙フレーム49のレリース動作について、さらに説明する。
図31は、右サイドフレーム13に支持される排紙フレーム49の一端側近傍を拡大して示した斜視図であり、第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482が搬送経路(排紙経路)の所定の位置に配置された状態(非レリース状態)を示したものである。
排紙フレーム49は、第1の排紙駆動ローラ471に対応する位置に複数の第1の排紙従動ローラホルダ493が、図示の如く主走査方向Xと略平行に並べて配設されており、第1の排紙従動ローラホルダ493に第1の排紙従動ローラ472が従動回転可能に軸支されている。同様に、第2の排紙駆動ローラ481に対応する位置に複数の第2の排紙従動ローラホルダ494が、図示の如く主走査方向Xと略平行に並べて配設されており、第2の排紙従動ローラホルダ494に第2の排紙従動ローラ482が従動回転可能に軸支されている(図31)。
排紙フレーム49の一端側(右サイドフレーム13側)の端部には、第1の凸部495と第2の凸部498とが形成されている。第2の凸部498の副走査方向Yの上流側には、略V字形の凹部497が形成されており、第2の凹部498の副走査方向Yの下流側には、なめらかな曲面形状を有する壁部496が曲げ加工により形成されている。
排紙フレーム49は、第1の凸部495の底面が右サイドフレーム13の上端部944に当接し、第2の凸部498の底面が右サイドフレーム13の上端部945に当接した状態で支持される。その状態で排紙フレーム49は、第1の凸部495が右サイドフレーム13の凹部941と図示の如く係合して、上下方向及び副走査方向Yと逆方向への移動が規制され、第2の凸部498が右サイドフレーム13の凹部943と図示の如く係合して、上下方向及び副走査方向Yと逆方向への移動が規制される(図31、図14、図17)。
右サイドフレーム13の上端部944と上端部945との間には、支持する排紙フレーム49の壁部496と対向する如く斜面を有する案内部942が図示の如く形成されている。また、右サイドフレーム13の上端部944の副走査方向Yの下流側には、係止片946が形成されている(図31)。
図32は、右サイドフレーム13に支持される排紙フレーム49の一端側近傍を拡大して示した斜視図であり、第1の排紙従動ローラ472及び第2の排紙従動ローラ482が搬送経路(排紙経路)から完全に退避した状態(レリース状態)を示したものである。
第3のレリース部材86(図31及び図32においては図示省略)の符号Jで示した方向への回動によって、第3のレリース部材86に連結されている支持孔492を介して排紙フレーム49には、符号Jで示した方向へ引き上げられる方向の力が作用する。排紙フレーム49の第2の凸部498は、右サイドフレーム13の凹部943と係合している間(上下方向の移動が規制される間)は、右サイドフレーム13の上端部945に沿って副走査方向Yへ移動し、右サイドフレーム13の凹部943との係合が解除された後(上下方向の移動が解除された後)は、壁部496が案内部942の斜面に摺接案内されて、斜めにせり上がるように移動する(符号J1)。同様に、排紙フレーム49の第1の凸部495は、右サイドフレーム13の凹部941と係合している間(上下方向の移動が規制される間)は、右サイドフレーム13の上端部944に沿って副走査方向Yへ移動し、右サイドフレーム13の凹部941との係合が解除された後(上下方向の移動が解除された後)は、図示の如く符号J1で示した方向へ移動する(図32)。
このように、排紙フレーム49は、副走査方向Yへ排紙される記録紙Pと平行な配置状態を維持したまま、符号J1で示した移動軌跡で、右サイドフレーム13との係合支持状態が解除されつつ退避位置(レリース位置)へと移動することになる(図32、図27〜図30)。退避位置(レリース位置)へと移動した状態の排紙フレーム49は、第2の凸部498の底面が右サイドフレーム13の案内部942の上端947に支持される。
また、第1の凸部495が右サイドフレーム13の係止片946に当接して、退避方向(符号Jで示した方向)への移動が規制される。それによって、紙詰まりした記録紙Pを除去する際等、排紙フレーム49を上方或いは斜め上方(符号Jで示した方向)へさらに移動させられようとする力が排紙フレーム49に作用した際には、排紙フレーム49の退避方向(符号Jで示した方向)への移動が規制されて、排紙フレーム49が右サイドフレーム13及び左サイドフレーム12から外れて脱落してしまうことを防止することができる。
つづいて、ディスクトレイカバーロック装置80において、ディスクトレイカバー4がロックされている状態について説明する。
図33は、ディスクトレイカバー4が閉じた状態でロックされている状態を示した要部側面図である。図34は、ロックされている状態のディスクトレイカバー4を無理に開いた状態を示した要部側面図である。
ディスクトレイカバー4が閉じた状態で、キャリッジ62がホームポジションHPで停止して(図5)、「キャリッジロック装置」(図示せず)によりロックされている状態では、回転軸891に一体の配設されているカム部材89の回転位置が図示の回転位置(図33)へ回転(符号K)し、カム部材89のカム部892がロックレバー部材88のカムフォロア部883から離間した状態となる。それによって、ロックレバー部材88は、符号Mで示した揺動方向へ揺動可能な状態となり、ロックレバー部材88と係合して揺動位置が規制されていた第2のロック部材85は、ばね92のばね力によって符号Lで示した揺動方向へ揺動する。第2のロック部材85のロック爪部853と第1のロック部材83のロック部837とが係合した状態となり、第1のロック部材83の符号Gで示した方向への変位が規制される。それによって、ディスクトレイカバー4が開く方向へのディスクトレイ案内部材81(図33及び図34においては図示省略)の揺動が規制され、ディスクトレイカバー4がロックされた状態となる(図33)。
このようにディスクトレイカバー4が閉じた状態でロックされている状態から、例えば無理にディスクトレイカバー4を開く操作がされると、ディスクトレイカバー4からディスクトレイ案内部材81を介して、第1のロック部材83を符号Gへ変位させようとする過大な力が作用する。すると、ロック係合している第1のロック部材83のロック部837や第2のロック部材85のロック爪部853、或いはその他の各部に過大な力が作用して破損等が生じる虞がある。そのような場合に備えて、第1のロック部材83には、図示の如くロック部837の近傍にU字形状の凹部830が形成されている。
無理にディスクトレイカバー4を開く操作がされ、第1のロック部材83を符号Gへ変位させようとする過大な力が作用すると、この凹部830によってロック部837が図示の如く符号Nで示した方向へ、一点鎖線で示した状態(符号83a)から実線で示した状態(符号837)へと撓み変形(弾性変形)する(図33)。それによって、ディスクトレイカバー4がロックされた状態から無理にディスクトレイカバー4を開く操作がされても、第1のロック部材83のロック部837や第2のロック部材85のロック爪部853、或いはその他の各部に過大な力が作用して破損等が生じることを防止することができる。
また、無理にディスクトレイカバー4を開く操作がされ、第1のロック部材83を符号Gへ変位させようとする過大な力が作用している状態から、さらにディスクトレイカバー4を強引に開く操作が行われることもあり得る。そのような場合には、凹部830のさらなる撓み変形(弾性変形)によって、第1のロック部材83のロック部837と第2のロック部材85のロック爪部853との係合当接面の当接角度が変位する。ロックされているディスクトレイカバー4を開こうとする力(符号Gで示した方向の力)による凹部830の撓み変形量が一定量以下の状態では、ロックされているディスクトレイカバー4を開こうとする力(符号Gで示した方向の力)が、第1のロック部材83のロック部837と第2のロック部材85のロック爪部853とをより強固に係合させる方向(第2のロック部材85を符号Lで示した揺動方向へ揺動させる方向)へ作用する角度で当接している。
一方、ロックされているディスクトレイカバー4を開こうとする力による凹部830の撓み変形量が一定量を超えると、ロックされているディスクトレイカバー4を開こうとする力が、第1のロック部材83のロック部837と第2のロック部材85のロック爪部853との係合を解除させる方向(第2のロック部材85を符号Rで示した揺動方向へ揺動させる方向)へ作用する角度で当接するようになる。そして、撓み変形(弾性変形)した状態の第1のロック部材83のロック部837が元の形状に戻ろうとする力(符号S)も作用し、第2のロック部材85は、ばね92のばね力に抗して符号Rで示した揺動方向へ揺動させられる。ロックレバー部材88が揺動しつつ(符号T)、第1のロック部材83のロック部837と第2のロック部材85のロック爪部853とのロック係合が外れた状態となる。第1のロック部材83は、ロック部837が一点鎖線で示した状態(符号83b)から実線で示した状態(符号837)へと弾性復帰し、符号Gで示した方向へ変位可能な状態となって、ディスクトレイカバー4を開く操作が可能となる(図34)。それによって、ディスクトレイカバー4がロックされた状態から無理にディスクトレイカバー4を開く操作がされた際に破損等が生じることをより確実に防止することができる。
さらに、この状態からディスクトレイカバー4を再び閉じる操作によって、第1のロック部材83が符号Gで示した方向と反対の方向へ変位する。その際、第1のロック部材83のロック部837に押されて、第2のロック部材85がばね92のばね力に抗して符号Rで示した揺動方向へ揺動させられつつ第1のロック部材83が元の位置まで変位して、第1のロック部材83のロック部837と第2のロック部材85のロック爪部853とが再びロック係合する。それによって、ディスクトレイカバー4は、閉じてロックされた状態へと復帰する。
このようにして、ディスクトレイカバー4の開閉動作と連動して、第1の排紙従動ローラ472や第2の排紙従動ローラ482等が記録紙Pの搬送経路に進退するようになっており、キャリッジ62がホームポジションHPに停止してロックされている状態でのみ、ディスクトレイカバー4を開く操作が可能になる。したがって、ディスクトレイカバー4がロックされていない開閉可能な状態、つまり、キャリッジ62がホームポジションHPに停止してロックされている状態でのみ、記録紙Pの搬送経路への第1の排紙従動ローラ472や第2の排紙従動ローラ482等の進退動作が行われる。それによって、ディスクトレイカバー4を開いて「手差し給送経路」からディスクトレイTRを手差し挿入して記録を実行する際に、記録紙Pの搬送経路から退避させられる第1の排紙従動ローラ472や第2の排紙従動ローラ482、排紙フレーム49等がキャリッジ62と干渉してぶつかってしまうことを防止することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
インクジェット式記録装置の外観斜視図である。 インクジェット式記録装置の本体カバーを取り外した概略斜視図である。 インクジェット式記録装置の内部構造の要部斜視図である。 インクジェット式記録装置の内部構造の要部側断面図である。 ディスクトレイカバーを開いた状態を示したものである。 ディスクトレイカバーを閉じた状態の要部側断面図である。 開操作可能揺動位置までディスクトレイカバー開いた側断面図である。 境界揺動位置までディスクトレイカバー開いた側断面図である。 開揺動位置までディスクトレイカバー開いた側断面図である。 ディスクトレイカバーを開いた状態を拡大して示した斜視図である。 ディスクトレイカバーを開いた状態を拡大して示した斜視図である。 ディスクトレイカバーが閉じている状態の一方側の要部側面図である。 ディスクトレイカバーが閉じている状態の一方側の要部側面図である。 ディスクトレイカバーが閉じている状態の一方側の要部側面図である。 ディスクトレイカバーが閉じている状態の要部斜視図である。 ディスクトレイカバーが閉じている状態の要部斜視図である。 ディスクトレイカバーが閉じている状態の他方側の要部側面図である。 ディスクトレイカバーが閉じている状態の他方側の要部側面図である。 開操作可能揺動位置における一方側の要部側面図である。 開操作可能揺動位置における要部斜視図である。 開操作可能揺動位置における要部斜視図である。 開操作可能揺動位置における他方側の要部側面図である。 境界揺動位置における一方側の要部側面図である。 境界揺動位置における要部斜視図である。 境界揺動位置における要部斜視図である。 境界揺動位置における他方側の要部側面図である。 開揺動位置における一方側の要部側面図である。 開揺動位置における要部斜視図である。 開揺動位置における要部斜視図である。 開揺動位置における他方側の要部側面図である。 非レリース状態の排紙フレームを拡大して示した斜視図である。 レリース状態の排紙フレームを拡大して示した斜視図である。 ディスクトレイカバーがロックされている状態の要部側面図である。 ディスクトレイカバーがロックされている状態の要部側面図である。
符号の説明
1 本体カバー、2 上面カバー、3 排紙スタッカ、4 ディスクトレイカバー、5 スイッチ類、6 給紙トレイカバー、7 カバー開閉スイッチ、11 メインフレーム、20 自動給紙装置、21 給紙ローラ、22 給紙トレイ、23 ホッパ、41 搬送駆動ローラ、42 搬送従動ローラ、43 搬送従動ローラホルダ、44 紙案内前部材、45 紙案内後部材、46 プラテン、47 第1の排紙駆動ローラ軸、48 第2の排紙駆動ローラ軸、49 排紙フレーム、51 搬送用モータ、61 キャリッジガイド軸、62 キャリッジ、63 記録ヘッド、80 ディスクトレイカバーロック装置、81 ディスクトレイ案内部材、82 ベース部材、83 第1のロック部材、84 第1のレリース部材、85 第2のロック部材、86 第3のレリース部材、87 第2のレリース部材、88 ロックレバー部材88、89 カム部材、100 インクジェット式記録装置、211 給紙ローラ軸、HP ホームポジション、TR ディスクトレイ

Claims (11)

  1. 開閉カバーの開閉に連動して所定の変位方向へ変位する第1のロック部材と、前記開閉カバーを閉じた状態の変位位置にある第1のロック部材と係合して、前記開閉カバーが開く方向への第1のロック部材の変位を規制する第2のロック部材とを備え、
    前記第2のロック部材の変位位置によって、閉じた状態の前記開閉カバーのロックとロック解除とを切換可能な構成を有する開閉カバーロック装置であって、
    前記開閉カバーが閉じてロックされている状態で、前記開閉カバーを開く方向の一定以上の力が前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分に作用した場合には、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分が弾性変形して、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合状態が解除され、前記開閉カバーを開くことが可能な状態となる、ことを特徴とした開閉カバーロック装置。
  2. 請求項1において、前記第1のロック部材は、前記第2のロック部材と係合する部分近傍に凹部が形成された形状を有し、ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力によって前記凹部が撓み変形しつつ変位し、前記凹部の撓み変形量が一定量を超えると前記第2のロック部材との係合状態が解除される、ことを特徴とした開閉カバーロック装置。
  3. 請求項2において、前記第1のロック部材は、前記凹部の撓み変形によって、前記第2のロック部材に対する係合当接面の当接角度が変位し、
    ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力による前記凹部の撓み変形量が一定量以下の状態では、ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力が、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とをより強固に係合させる方向へ作用する角度で当接し、
    ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力による前記凹部の撓み変形量が一定量を超えると、ロックされている前記開閉カバーを開こうとする力が、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合を解除させる方向へ作用する角度で当接する形状を有している、ことを特徴とした開閉カバーロック装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記開閉カバーが閉じてロックされている状態で、前記開閉カバーを開く方向の一定以上の力が前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分に作用して、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分が弾性変形し、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合状態が解除され、前記開閉カバーを開くことが可能な状態となった場合は、
    前記開閉カバーを再び閉じることによって、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との係合部分が弾性変形しつつ、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが再び係合して前記開閉カバーが閉じた状態でロックされる、ことを特徴とした開閉カバーロック装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉カバーロック装置を備えた記録装置。
  6. 請求項5において、被記録材を自動給送する自動給送装置と、給送された被記録材を所定の搬送方向へ搬送する被記録材搬送手段と、該被記録材搬送手段により搬送される被記録材の記録面と平行かつ搬送方向と直交する方向へ往復動可能に配設され、前記被記録材搬送手段により被記録材搬送経路を搬送される被記録材の記録面に記録を実行するための記録ヘッドを搭載したキャリッジと、前記自動給送装置による被記録材の給送経路と異なる給送経路で、前記被記録材搬送手段へ被記録材を給送するための手差し給送経路とを備え、
    前記開閉カバーは、前記手差し給送経路の入り口部を開閉可能に設けられ、前記手差し給送経路は、前記被記録材搬送経路の一部を包含して構成され、
    前記開閉カバーロック装置は、前記開閉カバーが閉じている状態では、前記キャリッジが前記被記録材搬送経路の外側に設定された待機位置に停止している場合以外は、前記開閉カバーを開くことができないように前記開閉カバーをロックする、ことを特徴とした記録装置。
  7. 請求項5又は6において、前記開閉カバーは、一端側を揺動軸として開閉方向へ揺動可能に前記本体カバーに支持されて配設され、
    前記開閉カバーを閉じた状態では、前記開閉カバーと前記本体カバーとの境界部分が略隙間無くかつ表面が略同一面となって、前記開閉カバーロック装置による前記開閉カバーのロック状態に関わらず、前記開閉カバーを直接開方向へ揺動させて開く操作ができないようになっており、
    前記開閉カバーロック装置によるロックが解除されている状態で、前記開閉カバーの所定位置を外側から内側へ押して離すと、前記開閉カバーの他端側と前記本体カバーとの間に、前記開閉カバーを直接開方向へ揺動させて開く操作が可能な程度の隙間が生じる開操作可能揺動位置まで前記開閉カバーが開方向へ揺動する、ことを特徴とした記録装置。
  8. 請求項7において、前記開閉カバーが前記開操作可能揺動位置まで揺動している状態で、前記開閉カバーの所定位置を外側から内側へ押して離すと、前記開閉カバーが閉じた状態となる、ことを特徴とした記録装置。
  9. 請求項7又は8において、前記開閉カバーは、閉じた状態で他端側が本体カバーとの境界部分の内側へ入り込んだ形状を有している、ことを特徴とした記録装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項において、前記開閉カバーは、前記開操作可能揺動位置と、完全に開いた状態となる開揺動位置との間の所定の揺動位置を境界揺動位置として、前記境界揺動位置と前記開操作可能揺動位置との間においては、前記開操作可能揺動位置へ付勢され、前記境界揺動位置と前記開揺動位置との間においては、前記開揺動位置へ付勢される、ことを特徴とした記録装置。
  11. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉カバーロック装置を備えた液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110356134A (zh) * 2018-03-26 2019-10-22 卡西欧计算机株式会社 托盘锁定机构、包括托盘锁定机构的膨胀装置及造型系统

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