JP2006086383A - 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体装置の構成部材間の線膨張係数の異なりによる反り等の発生を抑制するために十分な低応力性を有し、かつ良好な接着性を示す樹脂組成物及び本発明を半導体用ダイアタッチ材料あるいはヒートシンクアタッチ材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供する。
【解決手段】カルボキシル基を有するジエン系化合物の重合体または共重合体と一般式(1)で示される化合物とを反応して得られる化合物を含む樹脂組成物。
【化3】

Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置に関するものである。
半導体製品の大容量、高速処理化及び微細配線化に伴い半導体製品作動中に発生する熱の問題が顕著になってきており、半導体製品から熱を逃がす、いわゆるサーマルマネージメントがますます重要な課題となってきている。このため半導体製品にヒートシンク(放熱板)を取り付ける方法等が一般的に採用されているがヒートシンクを接着する材料自体の熱伝導率もより高いものが望まれてきている。一方半導体製品の形態によっては半導体素子そのものを金属製のヒートシンクに接着したり、サーマルビア等の放熱機構を有する有機基板等に接着したりする場合もある。この場合も同様に半導体素子を接着する材料に高熱伝導率が要求される。このようにダイアタッチ材料あるいはヒートシンクアタッチ材料に高熱伝導率が要求されているが、同時に半導体製品の基板搭載時のリフロー処理に耐える必要があり、さらには大面積の接着が要求される場合も多く構成部材間の熱膨張係数の異なりによる反り等の発生を抑制するため低応力性も併せ持つ必要がある。
ここで通常高熱伝導性接着剤には、銀粉、銅粉といった金属フィラーや窒化アルミ、窒化ボロン等のセラミック系フィラー等を有機系のバインダーに高い含有率で添加するが、含有可能な量に限界があり高熱伝導率が得られない場合、多量の溶剤を含有し硬化物単体の熱伝導率は良好だが半導体製品中では硬化物中に溶剤が残存あるいは揮発した後がボイドになり熱伝導率が安定しない場合、高フィラー含有率に基づき低応力性が不十分な場合等満足なものはなかった(例えば特許文献1参照)。
特開平11−43587号公報
本発明は、十分な低応力性を有し、かつ良好な接着性を示す樹脂組成物及び該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチ材料あるいはヒートシンクアタッチ材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供することである。
このような目的は、下記[1]〜[5]に記載の本発明により達成される。
[1]カルボキシル基を有するジエン系化合物の重合体または共重合体と一般式(1)で示される化合物とを反応して得られる化合物を含む樹脂組成物。
Figure 2006086383
[2]上記ジエン系化合物の重合体または共重合体の分子量が500から5000である第[1]項記載の樹脂組成物。
[3]上記ジエン系化合物の重合体または共重合体が、ポリブタジエンまたはポリブタジエン共重合体である第[1]又は[2]項記載の樹脂組成物。
[4]さらに充填材として銀粉を含む第[1]、[2]又は[3]項の少なくとも1項に記載の樹脂組成物。
[5]第[1]〜[4]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料又はヒートシンクアタッチ材料として用いて製作されることを特徴とする半導体装置。
本発明により、低応力性、接着性に優れた樹脂組成物及び該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチ材料あるいはヒートシンクアタッチ材料として使用した信頼性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
一般的にジエン系化合物の重合体または共重合体は硬化物に柔軟な骨格を導入する目的で用いられており、官能基としてカルボキシル基、水酸基、グリシジル基、(メタ)アクリロイル基を導入したものは容易に入手可能である。官能基は硬化中に樹脂組成物中の他の成分と反応し、硬化物の凝集力向上、モルフォロジーの調整に必要であるが、カルボキシル基、水酸基の場合には単独での反応は望めず、エポキシ基等との併用が必要であるとともにエポキシ基を有する化合物を添加しても反応速度があまり速くないため硬化に時間を要するという欠点がある。また官能基がグリシジル基の場合は単独重合は可能だが、脂肪族であるため良好な反応性は望めない。さらに(メタ)アクリロイル基の場合には単独重合可能で反応も速やかに進行するが、密着性があまりよくなく特に吸湿処理による密着力の低下が問題となる。
そこで本発明では、カルボキシル基を有するジエン系化合物の重合体または共重合体と一般式(1)で示される化合物とを反応して得られる化合物を使用する。一般式(1)で示される化合物を反応により導入する理由は、(メタ)アクリル基同等以上の反応性を有するとともに、良好な接着性を示すからである。
カルボキシル基を有するジエン系化合物の重合体または共重合体と一般式(1)で示される化合物とを反応して得られる化合物の好ましい分子量は500から5000である。これより分子量が低いと目的とする柔軟性導入効果が得られず。これより大きい場合には粘度が高くなりすぎるために好ましくない。カルボキシル基を有するジエン系化合物の重合体または共重合体としては例えば、末端または側鎖にカルボキシル基を有するポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリル酸エステル共重合体などがあげられ、また例えば水酸基を有するポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリル酸エステル共重合体とダイマー酸あるいはダイマー酸無水物との反応物のように変性によりカルボキシル基を導入した化合物でも使用可能である。これらを単独で使用しても、2種類以上を使用することも可能であるが、特に好ましくはカルボキシル基を有するポリブタジエンまたはブタジエン−アクリロニトリル共重合体である。
一般式(1)で示される化合物としては、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミドなどがあげられこれらを単独で使用しても、2種類以上を使用することも可能である。
カルボキシル基を有するジエン系化合物の重合体または共重合体と一般式(1)で示される化合物との反応は公知のエステル化反応により容易に行うことが可能である。
本発明では必要によりラジカル重合性単量体を使用することも可能である。使用可能なものは特に限定されないが、以下に例示されるような化合物である。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャルブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体。
本発明ではラジカル重合開始剤を用いることができる。通常熱ラジカル重合開始剤として用いられるものであれば特に限定しないが、望ましいものとしては、急速加熱試験(試料1gを電熱板の上にのせ、4℃/分で昇温した時の分解開始温度)における分解温度が40〜140℃となるものが好ましい。分解温度が40℃未満だと、樹脂組成物の常温における保存性が悪くなり、140℃を越えると硬化時間が極端に長くなるため好ましくない。
これを満たすラジカル重合開始剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシバレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチ−ルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられるが、これらは単独或いは硬化性を制御するため2種類以上を混合して用いることもできる。特に限定されるわけではないがカルボキシル基を有するジエン系化合物の重合体または共重合体と一般式(1)で示される化合物とを反応して得られる化合物に対して0.1〜5重量%配合されるのが好ましい。本発明は通常蛍光灯等の照明下で使用されるので光開始剤が含まれていると使用中に反応により粘度上昇が観察されるため、光開始剤を配合することはできない。更に樹脂組成物の保存性を向上するために各種重合禁止剤、酸化防止剤を予め添加してもよい。
本発明ではさらに充填材を使用することも可能である。使用可能な充填材としては、銀粉、金粉、銅粉、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、シリカ、アルミナ等も使用可能である。特に硬化物に高熱伝導率を付与する必要がある場合には銀粉が樹脂組成物中に80重量%以上含まれることが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、必要により反応性希釈剤、カップリング剤、消泡剤、界面活性剤等の添加剤を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練した後真空下脱泡することにより製造することができる。
本発明の樹脂組成物を用いて半導体装置を製作する方法は、公知の方法を用いることができる。
[実施例1、2、3]
化合物(1)の調整
カルボキシル基を有するポリブタジエン(日本曹達(株)製、C−1000、数平均分子量1200〜1500)120gとヒドロキシエチルアクリルアミド(一般式(1)のR1がH、R2がエチレン、(株)興人製、HEAA、以下HEAA)26gとトルエン/酢酸エチル混合溶媒(7/3)をセパラブルフラスコに入れ攪拌しながらジシクロカルボジイミド/ジメチルアミノピリジンの酢酸エチル溶液を滴下し、滴下後室温で16時間反応した。反応後イオン交換水を用いて5回分液洗浄を行った後有機溶剤層をろ過することにより固形分を除去、エバポレータならびに真空乾燥機にて溶剤を除去し以下の試験に用いた。(以下化合物(1)、収率約92%。NMR、IRによりエステル結合の生成を確認した。GPCによるスチレン換算分子量は約1500であった。)
化合物(2)の調整
両末端カルボキシル基のブタジエン−アクリロニトリル共重合体(宇部興産(株)製、ハイカーCTBNx8、数平均分子量約3500)175gとHEAA13gとトルエン/酢酸エチル混合溶媒(7/3)をセパラブルフラスコに入れ攪拌しながらジシクロカルボジイミド/ジメチルアミノピリジンの酢酸エチル溶液を滴下し、滴下後室温で16時間反応した。反応後イオン交換水を用いて5回分液洗浄を行った後有機溶剤層をろ過することにより固形分を除去、エバポレータならびに真空乾燥機にて溶剤を除去し以下の試験に用いた。(以下化合物(2)、収率約89%。NMR、IRによりエステル結合の生成を確認した。GPCによるスチレン換算分子量は約3800であった。)
ラジカル重合開始剤としてはジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パークミルD、急速加熱試験における分解温度:126℃、以下開始剤)を使用した。
ラウリルアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルLA、以下LA)、繰り返し単位がテトラメチレンオキサイドのジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−PTMG65、以下A−PTMG65)、平均粒径5μm、最大粒径30μmのフレーク状銀粉(以下銀粉)、メタクリル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−503、以下メタクリルシラン)を表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。配合割合は重量部である。
[比較例1、2]
表1に示す割合で配合し実施例1と同様に樹脂組成物を得た。
なお比較例2では水酸基を有するポリブタジエンのアクリルエステル化物(大阪有機化学工業(株)製、BAC−15、分子量約1300、以下ポリブタジエンジアクリレート)を使用した。
得られた樹脂組成物(ダイアタッチペースト)を以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
評価方法
・接着強度:6×6mmのシリコンチップを銀めっきした銅フレームにマウントし、150℃オーブン中15分硬化した。硬化後ならびに吸湿処理(85℃、85%、72時間)後に自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。260℃熱時ダイシェア強度が50N/チップ以上の場合を合格とした。接着強度の単位はN/チップである。
・反り量及び耐リフロー性:表1に示す樹脂組成物を用い、下記の基板とシリコンチップを150℃15分間硬化し接着した。硬化後のチップ表面の反り量を表面粗さ計にて測定した。反り量の単位はμmで20μm以下のものを合格とした。また同様にしてダイボンドしたリードフレームを封止材料(スミコンEME−7026、住友ベークライト(株)製)を用い封止し、60℃、相対湿度60%、120時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行なった。処理後のパッケージを超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。ダイアタッチ部の剥離面積が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。
パッケージ:QFP(14x20x2.0mm)
リードフレーム:銀めっきした銅フレーム
チップサイズ:9×9mm
樹脂組成物硬化条件:オーブン中150℃、15分
Figure 2006086383
本発明の樹脂組成物は、良好な低応力性、良好な接着性を示すことからこれらが同時に要求される半導体チップあるいはヒートシンクの接着用として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. カルボキシル基を有するジエン系化合物の重合体または共重合体と一般式(1)で示される化合物とを反応して得られる化合物を含む樹脂組成物。
    Figure 2006086383
  2. 上記ジエン系化合物の重合体または共重合体の分子量が500から5000である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 上記ジエン系化合物の重合体または共重合体が、ポリブタジエンまたはポリブタジエン共重合体である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. さらに充填材として銀粉を含む請求項1、2又は3の少なくとも1項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料又はヒートシンクアタッチ材料として用いて製作されることを特徴とする半導体装置。
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