JP2006084764A - 防汚性表示シート - Google Patents

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【課題】長期間にわたり汚染の防止効果を有し、鮮明な状態を維持することができ、視覚的に不体裁になったり、商品イメージを損なうことがなく、また、必要に応じて容易に張替えを行うことが可能な便宜性に優れた防汚性表示シートの提供
【解決手段】可撓性のシート状基材2の一面に伝達事項を表示し、その表面に水の接触角が45°以下の親水性樹脂組成物からなる防汚剤層3を形成すると共に、他面に粘着剤層4を形成した防汚性表示シート。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防汚性表示シート、さらに詳しくは、汚染の少ない看板、ポスター、道路標識、あるいは、工事標識等の標識類に適した防汚性表示シートに関する。
近年、看板、ポスター、横断幕、垂れ幕、道路標識、案内標識、工事標識等の表示シートが多く使用されているが、かかる表示シート類は常に汚れのないクリーンな状態を維持させる必要がある。汚れが付着すると見た目に不快感を与え、ときには表示事項を読み難くし、また、商品、事業者のイメージを損なうおそれが生じる。
しかし、標識類は屋外に取付けられる関係から、塵埃等によって汚染し易く、鮮明な状態を維持するためには、たびたびの洗浄、張替えを必要とされてきた。
屋外装置品の汚染を少なくする方法として、従来、撥水性の合成樹脂や、撥水性を高めるためにフッ系材料やシリコン系材料を含む材料が使用されてきた。しかし、これらの撥水性を利用したものは、雨水等が付着すると水滴となり、そのまま乾燥されると乾燥跡に汚染物質が付着して点状の汚れを形成する問題がある。
近年、汚染を少なくする方法として、表面を親水性化処理することが提案されている(特許文献1、2、3)。これは、表面を親水性にした場合には、親水性汚染物質は付着するが、雨等の自然浄化作用により除去され易く、一方、流失し難い親油性汚染物質は付着し難いという性質を利用するものである。
しかし、これらの文献にも、汚染がなく、常に鮮明な状態を維持する表示シートを得ることについては提案がなされていない。
特開平11−267585号公報 特開2004−142161号公報 特開2003−55480号公報
本発明は、長期間にわたり汚染防止の効果を有し、鮮明な状態を維持することができ、視覚的に不体裁になったり、イメージを損なったりすることがなく、また、必要に応じて容易に取替えを行うことが可能な便宜性に優れた防汚性表示シートを提供するものである。
本発明は、かかる問題点に着目して鋭意検討した結果なされたもので、具体的には、可撓性のシート状基材の一面に伝達事項を表示し、その表面に水の接触角が45°以下の親水性樹脂組成物からなる防汚剤層を形成すると共に、他面に粘着剤層を形成してなることを特徴とする防汚性表示シートを提供するものである。
また、本発明は、シート状基材が、熱可塑性樹脂のフィルム又は織布である上記防汚性表示シート、及び、防汚剤層がシリカ系微粒子と、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂もしくはシリコン系樹脂との重合性組成物を硬化してなる上記の防汚性表示シートを提供するものである。
本発明の防汚性表示シート1は、図1に示すように、表示がなされた可撓性のシート状基材2の一面に水の接触角が45°以下の親水性樹脂組成物からなる防汚剤層3を形成すると共に、他面に粘着剤層4を形成することによって構成される。
本発明においてシート状とは、厚みに関係なく平坦なものを広く指称するものとし、シート状基材2としては、一般に、フィルム、シート、布状体、板体と称されるものを含むが、一般には、厚さが10〜300μm、好ましくは15〜200μmの範囲のものが使用される。材料としては、金属箔、紙、布帛、熱可塑性樹脂のフィルム、あるいは、天然繊維、熱可塑性樹脂繊維、フラットヤーン等からなる織布等を使用することができる。なお、シート状基材2は2種以上を積層した積層シートを用いることもできる。
具体的には、アルミニウム、銅等の金属箔、和紙、洋紙等の紙類、熱可塑性樹脂のフィルム、木綿、絹、麻等の天然素材の織布、あるいは、熱可塑性樹脂の繊維もしくはヤーンの織布を用いることができ、熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重合体、あるいは、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とするプロピレン・α−オレフィン共重合体等のプロピレン系重合体、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等を使用することができる。またこれらは、合成紙、再帰反射シート等に加工されたものであってもよい。中でも、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニルのフィルム、再帰反射シートが望ましい。
これら熱可塑性樹脂には、印刷インキの塗着性、あるいは、印刷文字の鮮明化のために、無機充填材を添加することが望ましい。無機充填材としては、熱可塑性樹脂添加材として自体公知の無機充填材を使用することができ、例えば、タルク、二酸化チタン、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化スズ、アルミナ、カオリン、炭化ケイ素、金属粉末、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ等を使用することができる。
これらの無機フィラーは樹脂成分との親和性を向上させて、無機フィラーの分散性や機械的強度を改良したり、無機フィラーの表面を化学的に安定化させたりして、変色や樹脂劣化を防ぐための表面処理がされたものが望ましく、表面処理剤としては、界面活性剤、カップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、高級アルコール、各種ワックス、あるいは、極性オレフィン等を用いることができる。無機充填材の配合量は、通常、1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%である。
熱可塑性樹脂のシート状基材2の成形は、フィルム状の場合、Tダイ押出し成形、インフレーション成形法を使用することができる。また、得られたシートを二軸延伸することも腰、引張強度等を改良する上で望ましい方法である。
特に、図2に示すような構造の合成紙を使用することが望ましい。すなわち、無機充填材を含まないか添加量の少ない基層6の片面又は両面に無機充填材の添加量の多い表層7を積層し、基層6を二軸延伸し、表層7を一軸又は二軸延伸した構造とする。かかる構造とすることによって、無機充填材の添加量の多い表層7によって印刷性が改良され、特に延伸されることによって無機充填材の周辺にミクロクラックが発生するため、印刷性の優れたものとなり、また、二軸延伸された基層によって、引張強度が高く、寸法安定性の高いシート状基材2を得ることができる。
また、横膜、間仕切りシート等の強度を要する用途に使用する場合には、図3に示すように、上記の熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた延伸線条体8a、8bを経緯糸として織成した布状体9、あるいは、図4に示すように、延伸線条体8a、8bを縦横に交差するように並列し、その交点を熱融着して得られた交差結合布(ソフ)からなる布状体9に、必要に応じて熱可塑性樹脂のフィルム10が積層され、表示機能が付与されたシート状基材2に粘着剤層4が形成されて防汚性表示シート1とされたものとすることができる。
延伸線条体8としては、熱可塑性樹脂を使用することができ、熱可塑性樹脂としては、機械的強度の優れた熱可塑性樹脂が用いられ、具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重合体、あるいは、ポリプロピレン、メタロセン触媒を用いて製造されたポリプロピレン、プロピレンを主成分とするプロピレン・α−オレフィン共重合体等のプロピレン系重合体、ポリエステル、ポリアミド等が単独であるいは積層されて用いられる。中でも、エチレン系重合体、あるいは、プロピレン系重合体等のポリオレフィンが望ましい。
延伸線条体8には、無機充填材を添加することが望ましい。無機充填材としては、上述と同様のものが使用でき、具体的には、タルク、二酸化チタン、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化スズ、アルミナ、カオリン、炭化ケイ素、金属粉末、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ等を使用することができる。
これらの無機フィラーは表面処理がされたものが望ましく、表面処理剤としては、上述のものを使用することができる。布状体9を形成する延伸線条体8としては、テープ状体、モノフィラメント、マルチフィラメント、スパン糸、長繊維、短繊維等を使用することができ、これらは、必要に応じて撚糸される。
得られた布状体9は、布状体9のままでシート状基材2として使用することができるが、熱可塑性樹脂のフィルム状体10と積層した積層樹脂膜とすることが望ましい。
フィルム状体10を形成する熱可塑性樹脂としては、延伸線条体8と同様の熱可塑性樹脂を使用することができ、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重合体、あるいは、ポリプロピレン、メタロセン触媒を用いて製造されたポリプロピレン、プロピレンを主成分とするプロピレン・α−オレフィン共重合体等のプロピレン系重合体、ポリエステル、ポリアミド等を用いることができる。中でも、エチレン系重合体、あるいは、プロピレン系重合体等のポリオレフィンが望ましく、特にメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン系重合体、又は、プロピレン系重合体が好ましい。
熱可塑性樹脂のフィルム状体10を積層する方法としては、基本的には自体公知の手段によって行なうことができ、たとえば、延伸線条体8で形成された布状体9をラミネーターに供給し、該布状体9と溶融状態のフィルム状体10とを重ねると共に、弾性ロールと金属ロールとで挟圧して布状体9と溶融した熱可塑性樹脂のフィルム状体10とを積層することができる。両面に熱可塑性樹脂のフィルム状体10を積層するときは、同様の方法によって他の面に溶融した熱可塑性樹脂のフィルム状体10を積層することによって、図3に示すように、布状体9を芯材としてその両面に熱可塑性樹脂のフィルム状体10、10が積層されたサンドイッチ構造とすることができる。
また、上記の熱可塑性樹脂には、発明の効果を損なわない範囲で、適宜、各種の添加剤を配合することができ、具体的には、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系等の塩素補足剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;ヒドラジン系、アミンアシド系等の金属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;無機、有機抗菌剤等が挙げられる。
こうして得られたシート状基材2には、必要な事項が表示される。表示の方法としては印刷を用いることができ、印刷は、熱可塑性樹脂のフィルム状体10に行なってもよく、また、布状体9に行なってもよい。印刷は、シルクスクリーン、凸版、凹版、グラビア印刷等自体公知の方法によって行なうことができる。また、表示の方法としては、フィルムあるいは布状体にガラス粒子を塗着した再帰反射シートとすることもできる。
可撓性のシート状基材2の表面、貼付されたとき前面となる面に防汚剤層3が形成される。防汚剤層3は、親水性の成膜性樹脂にシリカ系微粒子を添加した組成物によって形成することができる。成膜性樹脂は、シート状基材2の表面に皮膜を形成することのできる合成樹脂で、シリカ系微粒子を添加した組成物から得られた防汚剤層3が親水性を示す樹脂が使用される。親水性としては水の接触角が45°以下とされる。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂(シリコンポリウレア等の変性シリコンも含む)、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、熱可塑性樹脂の分子中に反応性基を導入し、これを硬化剤により硬化可能としたものを使用することができる。
硬化の形態としては、熱硬化、光硬化が一般的であるが、その他どのようなものでもよい。熱硬化性樹脂中に導入する反応性基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基等が一般的である。
シリカ系微粒子としては、シリカ系物質の微粉末あるいはシリカ系物質で表面処理された微粉末が使用され、シリカ、シリカゾル、オルガノシリケート化合物処理された無機粉末を使用することができる。
シリカ系微粒子として好適なものは、シリカゾルである。また、オルガノシリケート化合物で表面処理された無機酸化物ゾルも好ましく、シリカ系微粒子又は無機酸化物ゾルの重量平均粒子径は、通常100nm以下とされる。
シリカ系微粒子の量は、成膜性樹脂100質量部に対して、通常0.1〜70質量部、好適には3〜60質量部、特に好適には5〜50質量部の範囲である。シリカ系微粒子の量が少なすぎると、親水性が不足し、耐汚染性等の保護効果が低下し、反対に量が多すぎると、膜性能およびシート状基材2との接着性が悪化する。
得られた防汚剤用組成物を、支持体表面上に塗布し、乾燥または硬化して塗膜化するのがよい。硬化条件は特に限定されないが、通常、60〜150℃の温度、1〜20分で行なわれる。防汚剤層3の厚みは、通常0.1〜15μm、好適には0.5〜10μmである。
防汚性表示シート1は、通常は使用初期(施工直後から1ヶ月以内)に、表面の水接触角が45度以下、好ましくは40度以下となるように調製される。防汚剤層3表面の水接触角が45度以下であれば、耐汚染性を効果的に高め、長期にわたって維持することが可能である。
シート状基材2の他の面には粘着剤が塗布されて粘着剤層4が形成される。粘着剤層4を形成する面には、粘着剤との密着力を高めるため、その表面にサンドブラスト処理や火炎処理、コロナ処理やプラズマ処理等の物理化学的処理、あるいは、プライマー処理等を施すことが好ましい。
本発明の粘着剤層4に用いられる粘着剤としては、粘着テープ用の粘着剤として一般的に用いられるものでよく、例えば、アクリル樹脂系粘着剤、天然ゴムや合成ゴム等のゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体並びにこれらの水素添加物等のブロック共重合体系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、シリコン樹脂系粘着剤等が挙げられるが、なかでも耐久性や耐候性に優れ、取り扱い時の汚れも少ないアクリル樹脂系粘着剤が好適に用いられる。これらの粘着剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
これらの粘着剤の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、溶液型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、反応型粘着剤、光重合可能なモノマー型粘着剤等のいずれの形態であってもよい。
また、これらの粘着剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、ポリイソシアネート系化合物やアジリジン系化合物、金属キレート系化合物等の架橋剤や、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていてもよい。
また、粘着剤層4は、特に限定されるものではないが、その厚みが10μm〜0.5mmであることが好ましい。粘着剤層4の厚みが10μm未満であると、防汚性表示シート1の粗面接着性や凹凸追従性が不十分となることがあり、逆に粘着剤層4の厚みが0.5mmを超えると、粘着性や接着力はもはやそれ以上は向上しないにもかかわらず、コスト高となる。
アクリル樹脂系粘着剤についてさらに詳細に述べれば、アクリル樹脂系粘着剤としては、カルボキシル基含有単量体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを重合させて得られるアクリル系ポリマーが用いられる。
アルキル基は炭素数が4〜12程度が望ましく、具体的には、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートが好適である。
カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のモノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸やこれらのモノエステル等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体のうち、アクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。カルボキシル基含有重合性単量体は、単量体全体の1〜20重量%程度が望ましい。
本発明で使用されるアクリル樹脂系粘着剤には、ガラス転移温度や極性等を調整する目的で少量の改質成分単量体が共重合されていてもよい。このような単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルピロリドン等が例示できる。
アクリル系ポリマーには、分子内にカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する多官能性化合物、または多官能性化合物及び分子内に前記官能基を1個有する単官能性化合物を配合することができる。この種の官能基含有化合物としては、例えば、イソシアネート基含有化合物、エポキシ基(或いはグリシジル基)含有化合物、アジリジニル基含有化合物、金属錯体、メラミン系化合物等が例示できる。
また、粘着剤組成中に少量の可塑剤を配合することが特に有効である。配合される可塑剤の種類は限定されるものではなく、例えば、脂肪族多価カルボン酸のエステル、芳香族多価カルボン酸のエステル、リン酸エステル等の低分子可塑剤やポリエステルのような高分子可塑剤等が例示できるが、脂肪族2塩基酸のエステルが特に有効であり、中でもアジピン酸ジエステルが最も好適である。その配合量は10重量%以下が好ましい。
粘着剤中にはベンゾトリアゾール系化合物を添加することが望ましい。ベンゾトリアゾール系化合物は、金属腐蝕を防止する作用が知られており、これを配合することで金属腐蝕による変色をより効果的に防止することが可能となる。ベンゾトリアゾール系化合物は有効量が添加されればよく、およそ0.01〜5重量%程度が有効量である。
粘着剤は、通常、適宜の有機溶剤に溶解された上で、シート状基材2上に塗工した後乾燥され、あるいは、離型処理が施された工程紙上に塗工後乾燥されたものがシート状基材2に転写されて、シート状基材2と粘着剤層4が積層された防汚性表示シート1とされる。塗工手段や乾燥方法に制限はなく、公知の方法を採用することができる。
また、粘着剤層4の上には、巻き戻す際の剥離力(展開力ともいう)を軽くするために、離型処理された離型紙を貼付するのが一般的である。離型処理としては、必要により硬化反応を伴うシリコン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキルグラフトポリマー系離型剤の塗布等を挙げることができる。
(測定法)
a.接触角:
防汚剤表面に蒸留水を1滴滴下し、1分間後の接触角を測定した。
b.防汚性能:
土木用防汚材料促進I種試験(カーボンブラックの5重量%水道水分散液を使用)に準拠して、白色度L値の差を測定した。
c.接着力:
JIS−Z0237に準拠して測定した。
(実施例1)
一面に印刷された厚さ50μmのポリエステル白色フィルム「W400」[商品名:三菱化学ポリエステル(株)製]に、防汚剤(A)として、ポリエステル系樹脂とコロイダルシリカ系微粒子(5重量%)との混合分散液をグラビア塗工機にて0.5μmの厚さに塗布し、これを100℃で1分間乾燥硬化させて防汚剤層を形成した。
その後、離型剤の上にアクリル系粘着剤組成物「ニッセツPE−121/CK−101=100重量部/1.5重量部の混合物」[商品名:日本カーバイド工業(株)製]溶液を乾燥時の粘着剤層の厚みが約30g/mとなるように塗布し、100℃で1分間熱風循環式乾燥機にて乾燥した粘着剤を貼り合わせ、23℃、65%RHの条件で7日間架橋させて防汚性表示シートを得た。得られた防汚性表示シートの親水性、防汚特性、接着力を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2〜9、比較例1〜5)
表1に示すように、実施例1における防汚剤(A)の代わりに、アクリル系樹脂とコロイダルシリカ系微粒子8重量%とした防汚剤(B)を塗工し、UV照射して硬化したもの、防汚剤(B)のコロイダルシリカ系微粒子の配合量を12、20重量%と変化させたもの(防汚剤C、D)、あるいは、ウレタン系樹脂とコロイダルシリカ系微粒子との防汚剤(F)、もしくは、シリコン系樹脂とコロイダルシリカ系微粒子との防汚剤(G)を塗布したものを調製し、実施例1と同様の方法で防汚性表示シートを得た。
また、アクリル系樹脂とコロイダルシリカ系微粒子との防汚剤(C)を合成紙「ユポFGS110」[商品名:ユポ・コーポレーション製]と、厚さ50μmのポリ塩化ビニル製フィルム「ハイエスペイント5010」[商品名:日本カーバイド工業(株)製]と、粘着剤層付きプリズムレンズ型再帰反射シート「ダイヤモンドグレード3983」[商品名:住友3M(株)製]とにそれぞれ塗布したものを使用して実施例1と同様の方法で防汚性表示シートを得た。
さらに、比較のために、実施例1のポリエステル系樹脂とコロイダルシリカ系微粒子からなる防汚剤(A)のコロイダルシリカ系微粒子を0.05重量%とした防汚剤Eを使用したもの、及び、防汚剤を塗布しないシートを用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。また、長期間保存し、防汚性能の経時的変化を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2006084764
Figure 2006084764
本発明防汚性表示シートの一例を示す縦断面図 シート状基材の他の例を示す縦断面図 本発明防汚性表示シートの他の例を示す縦断面図 本発明防汚性表示シートのさらに他の例を示す縦断面図
符号の説明
1.防汚性表示シート
2.シート状基材
3.防汚剤層
4.粘着剤層
6.基層
7.表層
8.延伸線条体
9.布状体
10.フィルム状体

Claims (3)

  1. 可撓性のシート状基材の一面に伝達事項を表示し、その表面に水の接触角が45°以下の親水性樹脂組成物からなる防汚剤層を形成すると共に、他面に粘着剤層を形成してなることを特徴とする防汚性表示シート。
  2. シート状基材が、熱可塑性樹脂のフィルム又は布状体である請求項1記載の防汚性表示シート。
  3. 防汚剤層が、シリカ系微粒子と、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂もしくはシリコン系樹脂との重合性組成物を硬化してなる請求項1又は2に記載の防汚性表示シート。
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