JP2006081164A - Lanシステム及び無線lanのエリア拡張方法、並びにそのためのアクセスポイント及びステーション - Google Patents

Lanシステム及び無線lanのエリア拡張方法、並びにそのためのアクセスポイント及びステーション Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な手順によりサービスエリアの拡張を行うことができる無線LANのエリア拡張方法及びLANシステムを実現する。
【解決手段】各アクセスポイントが有線LANケーブルの挿入状態を判断し、ケーブルが挿入された状態ではマスターアクセスポイントとして動作し、ケーブルの接続されていないアクセスポイントはスレーブアクセスポイントとして動作する。「接続指示」を受けた2台のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイント又は既にマスターアクセスポイントと直接または間接的に接続されている上位アクセスポイント、および、マスターアクセスポイントと接続されていない下位アクセスポイントは、上位からの「接続報知メッセージ」の送信、下位からの「接続要求メッセージ」の送信、上位からの「接続応答メッセージ」の通知、の手順により、その下位アクセスポイントが新たにサービスエリアに追加される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、LANシステム及び無線LANのエリア拡張方法並びにそのためのアクセスポイント及びステーションに関するものである。
ローカルエリアネットワーク(LAN)の通信エリアを拡張する際には、現在通信を行っているエリアに無線LANアクセスポイントが設置され、新しく通信を行ないたいエリアにもアクセスポイントが設置される。さらに、互いのアクセスポイントにおいて相手側アクセスポイントのMACアドレスを設定することで、2つのアクセスポイント間で無線LANを用いて通信を行なうことになる。移動ステーションを新しく通信を行なうエリアに配置し、新しいエリアのアクセスポイントに登録することで、移動ステーションは2つのアクセスポイントを経由して、現在の通信エリアと通信可能となる(図1)。無線LANを用いる方法は一般にアクセスポイント間接続、またはWDS(Wireless Distribution System)と呼ばれている(非特許文献1参照)。
IEEE802.11 標準(IEEE standard 802.11, 1999 Edition)
無線LANを用いる場合には、LANケーブルが増加してネットワークの構成が複雑となることはないが、導入時の設定が煩雑であり、設置管理者の負担が多い。
また、複数のアクセスポイントを互いに接続するとネットワーク内にループが発生し、一義的に通信線路を決定するための障害となる。ループを防止するためにはネットワーク機器にスパニングツリーと呼ばれる技術を導入する必要があるが、この技術は定期的にネットワーク内に情報パケットを送信するため、無線LANネットワークの帯域を消費することになる。
アクセスポイントを複数設置し、アクセスポイント間を移動ステーションが移動(ハンドオーバー)する場合、全てのアクセスポイントに移動ステーションの情報やセキュリティの情報を設定しなければならない。移動ステーションを一元管理する方法も存在するが、アクセスポイントとは別にネットワークに新たにサーバーを設置する必要がある。
また、移動ステーションがアクセスポイント間を移動するたびに、新しいアクセスポイントに登録処理(ハンドオーバー処理)を行なうため、通信中に移動すると通信が一時的に切れることがある。
本発明は、従来技術におけるこのような欠点を解消して、簡易な手順によりサービスエリアの拡張を行うことができるLANシステム及び無線LANのエリア拡張方法並びにそのためのアクセスポイント及びステーションを実現するものである。
以上の課題を解決するため、本発明では以下の機能を適宜選択して用いる。
(手段1)アクセスポイント間接続の起動
アクセスポイントは、接続指示ボタンの押下、接続指示メッセージの送信、電源投入等の外部からの「接続指示」、または接続先アクセスポイントの停止、有線ケーブルの接続等の環境変化を検出し、自動的にアクセスポイント間接続動作を開始することで、簡易なエリア拡張を実現する(図2(a))。
(手段2)アクセスポイント間接続の自動化
本発明では、アクセスポイントが有線LANケーブルの挿入状態を判断し、ケーブルが挿入された状態ではマスターアクセスポイントとして動作し、ケーブルの接続がなされていないアクセスポイントはスレーブアクセスポイントとして動作する。
「接続指示」を受けた2台のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイント又は既にマスターアクセスポイントと直接または間接的に接続されている上位アクセスポイントは「接続報知メッセージ」を送信する(図2(b))。「接続指示」を受けた2台のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイントと接続されていない下位アクセスポイントは接続報知メッセージを受信し、「接続報知メッセージ」を送信したアクセスポイント宛てに「接続要求メッセージ」を送信する(図2(c))。「接続要求メッセージ」を受信した上位アクセスポイントは、「接続応答メッセージ」を下位アクセスポイントに通知する(図2(c))。2台のアクセスポイントは、相手側アクセスポイントを接続先アクセスポイントとして設定する。さらに、上位アクセスポイントはネットワーク内のアクセスポイントに、新しくアクセスポイントが追加されたことを通知する(図2(d))。以上の手順を自動化し、アクセスポイント設置者の負担を軽減し、簡単にエリア拡張を行なう機能を実現する。
(手段3)接続先アクセスポイント制限
アクセスポイントは、直接または間接的に接続しているアクセスポイントのMACアドレス、ホップ数及びステーションのMACアドレス等を接続関係情報として保持する。ホップ数は、マスターアクセスポイントのホップ数を1とし、マスターアクセスポイントに接続されているスレーブアクセスポイントのホップ数を2とし、ホップ数2のスレーブアクセスポイントに接続されているスレーブアクセスポイントのホップ数を3とし、以下4、5と増加させる。
「接続要求メッセージ」を受信した上位アクセスポイントにおける接続許可/拒否の判定は接続関係情報を用いて行なう。例えば、自アクセスポイントの接続関係情報を参照し、マスターアクセスポイントからのホップ数が設定値以上の場合、「接続要求メッセージ」を送信した下位アクセスポイントとの接続を拒否する(図3)。または、接続関係情報を参照し、既に接続されている下位アクセスポイント数が設定値を超えている場合、「接続要求メッセージ」を送信したアクセスポイントとの接続を拒否する(図4)。
以上のとおり、自動的に接続可否判断を行なうことで、特定のアクセスポイントに負荷が集中することを防止すると共に、アクセスポイント設置者の負担を軽減させる。
(手段4)ネットワークループの防止
アクセスポイントの接続関係情報を調査し、「接続要求メッセージ」を出したアクセスポイントとの接続によりネットワーク内にループができる場合には、接続を拒否するか又はループとなる接続を削除する(図5)。
以上により、1台のマスターアクセスポイントを基点としてスレーブアクセスポイントをツリー状に配置するアクセスポイント間接続が自動的に実現され、ループが発生することを防止する。その結果として、スパニングツリー機能を不要とする。
(手段5)接続先アクセスポイント自動選択
複数のアクセスポイントに「接続指示」を出す(図6)。「接続指示」を受けた複数のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイント又は既にマスターアクセスポイントと直接または間接的に接続されている上位アクセスポイントは「接続報知メッセージ」を送信する。「接続指示」を受けた複数のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイントと接続されていない下位アクセスポイントは「接続報知メッセージ」を受信する(図7)。
複数のアクセスポイントが送信した「接続報知メッセージ」を受信した下位アクセスポイントは、「接続報知メッセージ」内の接続関係情報を参照し、接続先アクセスポイントを選択し、「接続要求メッセージ」を選択したアクセスポイントに通知する(図8)。下位アクセスポイントから「接続要求メッセージ」を受信したアクセスポイントは、「接続応答メッセージ」を送信する(図9)。同時に、互いを接続先アクセスポイントとして設定する。その後、自アクセスポイントの持つ接続関係情報を更新し、新しい接続関係情報をグループ内のアクセスポイントに送信する。新しい接続関係情報を受信したグループ内のアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を更新する(図10)。
接続先アクセスポイントを選択する場合、(手段3)により接続先アクセスポイントを制限することができる。また、接続関係情報内の総アクセスポイント数情報を用いて、よりアクセスポイント数の少ないツリーへの接続を選択する(図11)。また、ホップ数を用いて、よりマスターアクセスポイントに近いアクセスポイントへの接続を選択する(図12)。また、下位アクセスポイント数を用いて、出来るだけ下位アクセスポイント数の少ないアクセスポイントに接続する(図13)。
更に、ホップ数を用いて、よりマスターアクセスポイントから遠いアクセスポイントへの接続を選択する。または(手段3)により下位アクセスポイント数を1に制限し、枝を作らない構成を取ることも可能である(図14)。以上により、通信先に相応しいアクセスポイントを自動的に見つけ出し、接続を行なうことで、簡単なエリア拡張を実現する。
(手段6)ステーション集中管理
ステーションがスレーブアクセスポイントに「登録要求メッセージ」を送信した場合、独自の機能によりスレーブアクセスポイントは「登録要求メッセージ」をマスターアクセスポイントに転送する。マスターアクセスポイントは、ステーションを登録しても良いかを判断し、「登録応答メッセージ」で許可または拒否をスレーブアクセスポイントに転送し、スレーブアクセスポイントはステーションに同「登録応答メッセージ」を通知する(図15)。
ステーションがマスターアクセスポイントに「登録要求メッセージ」を送信すると、IEEE802.11標準に従い、通常のステーション登録処理が行なわれる。
以上の動作により、ステーションをマスターアクセスポイントで一元管理し、ステーション管理の簡略化を行なう。
(手段7)ステーション情報の配布
上記ステーション集中管理または、IEEE802.11標準のステーション登録処理により、ステーションが登録を許可された場合、ステーションと接続したアクセスポイントはステーションが登録されたことを他のアクセスポイントに通知する。通知を受けたアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を更新すると共に通知を他のアクセスポイントに転送する。また、ステーションを接続したアクセスポイントはステーションに自アクセスポイントの持つ接続関係情報を通知してもよい(図16)。
以上の動作により、同一ツリーでステーションの情報を共有し、パケットの転送、ハンドオーバー時間の短縮に使用することが可能である。
(手段8)高速ハンドオーバー
ステーションは現在接続しているアクセスポイントよりも通信環境の良いアクセスポイントが存在すれば、接続先アクセスポイントの変更(ハンドオーバー)を行なっても良い。ハンドオーバー先の決定には、各アクセスポイントの送信するビーコン情報の比較(パッシブ プロービング)または、プローブ要求に対するプローブ応答情報の比較(アクティブプロービング)等を使用する。
図17に示すごとく、ステーションはビーコン情報(またはプローブ応答情報)からハンドオーバー先のアクセスポイントを決定する。ステーションは、ハンドオーバー先のアクセスポイントにデータパケットを送信する。データパケットを受信したアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を参照し、ステーションが登録されていれば、接続関係情報を変更して他のアクセスポイントにステーションの「移動通知メッセージ」を送信すると共に、ステーションから送信されたデータパケットの転送を行なう。データパケットを受信したアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を参照し、ステーションが登録されていなければ、ステーションに「移動拒否メッセージ」を送信する。
他のアクセスポイントは「移動通知メッセージ」を受信すると接続関係情報の更新を行い、ステーション宛てメッセージの転送先アクセスポイントを変更する。
ステーションは自ステーションの持つ接続関係情報に登録されていないか又は移動拒否を通知されたアクセスポイントにハンドオーバーする場合には、IEEE802.11標準のハンドオーバー処理行なう。
(手段9)データパケット転送処理
図18に示すごとく、アクセスポイントは自アクセスポイント宛て以外のメッセージを受信した場合、自アクセスポイントに接続されているアクセスポイント又はステーションにメッセージを転送する。この時、自アクセスポイントの持つ接続関係情報を参照してメッセージの転送先を決定、又はメッセージを破棄する。
本発明によるLANシステムは、有線LANケーブルに接続されたアクセスポイントはマスターアクセスポイントとして動作し、該有線LANケーブルに接続されていないアクセスポイントはスレーブアクセスポイントとして動作するように設定され、
前記マスターアクセスポイントは前記有線LANケーブル側に対しては有線LANによる信号伝送を行い、前記スレーブアクセスポイントに対しては無線LANによる信号伝送を行うように設定され、
前記スレーブアクセスポイントは前記マスターアクセスポイント及び他のスレーブアクセスポイントに対しては無線LANによる信号伝送を行うように設定されており、
前記マスターアクセスポイント及び前記スレーブアクセスポイントのうち少くとも前記スレーブアクセスポイントにはステーションが登録によりアクセス可能なように設定されている。
本発明によるアクセスポイントは、無線LANポート部と、送受信部と、アクセスポイント接続部と、ステーション登録部と、ハンドオーバー処理部と、メモリ部と、アクセスポイント制御部と、指示手段とを備え、
前記無線LANポート部は、無線LANネットワーク上のパケットを受信するとともに、前記送受信部から送られたパケットを前記無線LANネットワーク上に送信し、
前記送受信部は、前記アクセスポイント制御部から転送されたパケットを前記無線LANポート部に転送するとともに、前記無線LANポート部から転送されたパケットを前記アクセスポイント制御部に転送し、
前記アクセスポイント接続部は、前記アクセスポイント制御部からの指示に従い、アクセスポイント接続処理を行い、
前記ステーション登録部は、前記アクセスポイント制御部からの指示に従い、ステーション登録処理を行い、
前記ハンドオーバー処理部は、前記アクセスポイント制御部からの指示に従い、ハンドオーバー処理を行い、
前記メモリ部は、接続関係情報を記憶し、
前記アクセスポイント制御部は、前記メモリ部内の「接続関係情報」を参照し、前記アクセスポイント接続部、前記ステーション登録部と前記ハンドオーバー処理部に処理を依頼し、前記メモリ部内の「接続関係情報」の登録/更新/削除を行い、
前記指示手段は、前記アクセスポイント制御部に必要な指示をする、
ように構成されている。
本発明によるアクセスポイントは、有線LANネットワーク上のパケットを受信するとともに、前記送受信部から送られたパケットを前記有線LANネットワーク上に送信する有線LANポート部をさらに備え、
前記送受信部は、前記アクセスポイント制御部から転送されたパケットを前記無線LANポート部または有線LANポート部に転送し、
前記送受信部は、前記無線LANポート部または有線LANポート部から転送されたパケットを、前記アクセスポイント制御部に転送するように構成することができる。
本発明によるステーションは、無線LANポート部と、送受信部と、アプリケーション部と、ステーション制御部と、メモリ部と、ハンドオーバー要求部とを備え、
前記無線LANポート部は、無線LANネットワーク上のパケットを受信するとともに、前記送受信部から送られたパケットを前記無線LANネットワーク上に送信し、
前記アプリケーション部は、無線LANネットワークを介するデータの送受信を行う音声通信機能を有し、
前記送受信部は、前記ステーション制御部または前記アプリケーション部から転送されたパケットを前記無線LANポート部に転送するとともに、前記無線LANポート部から転送されたパケットを前記ステーション制御部または前記アプリケーション部に転送し、
前記ステーション制御部は、前記ハンドオーバー要求部にハンドオーバーの指示を出すとともに、前記メモリ部に記憶された接続関係情報を参照してハンドオーバーの管理を行い、
前記ハンドオーバー要求部は、前記ステーション制御部からのハンドオーバーの指示に従ってビーコンの送信元MACアドレスと通信環境情報を取り出して前記ステーション制御部を経由して前記メモリ部に記憶するように構成されている。
本発明によるLANシステムは、さらに、有線LANケーブルに接続されたアクセスポイントはマスターアクセスポイントとして動作し、該有線LANケーブルに接続されていないアクセスポイントはスレーブアクセスポイントとして動作するように設定され、
前記マスターアクセスポイントは前記有線LANケーブル側に対しては有線LANによる信号伝送を行い、前記スレーブアクセスポイントに対しては無線LANによる信号伝送を行うように設定され、
前記スレーブアクセスポイントは前記マスターアクセスポイント及び他のスレーブアクセスポイントに対しては無線LANによる信号伝送を行うように設定されており、
前記マスターアクセスポイント及び前記スレーブアクセスポイントのうち少くとも前記スレーブアクセスポイントにはステーションが登録によりアクセス可能なように設定されたLANシステムであって、
複数のアクセスポイントに接続指示を出し、該接続指示を受けた複数のアクセスポイントの内、前記マスターアクセスポイント又は既にマスターアクセスポイントと直接または間接的に接続されている上位アクセスポイントは接続報知メッセージを送信し、接続指示を受けた複数のアクセスポイントの内、前記マスターアクセスポイントと直接又は間接的に接続されていない下位アクセスポイントは接続報知メッセージを受信し、
前記複数のアクセスポイントが送信した「接続報知メッセージ」を受信した前記下位アクセスポイントは、該「接続報知メッセージ」内の「接続関係情報」を参照し、接続先アクセスポイントを選択し、「接続要求メッセージ」を選択したアクセスポイントとに通知し、
前記下位アクセスポイントから「接続要求メッセージ」を受信したアクセスポイントは、「接続応答メッセージ」を送信し、同時に、互いを接続先アクセスポイントとして設定し、
その後、自アクセスポイントの持つ「接続関係情報」を更新し、新しい「接続関係情報」をグループ内のアクセスポイントに送信し、該新しい「接続関係情報」を受信したグループ内のアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ「接続関係情報」を更新し、
接続先アクセスポイントを選択する場合、「接続関係情報内」の総アクセスポイント数に従って増加する「接続指数情報」を用いて、接続先アクセスポイントを制限し、また、よりアクセスポイント数の少ないツリーへの接続を選択するように構成され、
通信先に相応しいアクセスポイントを自動的に見つけ出して接続を行なって、エリア拡張を実現し得るように構成されている。
本発明によるLANシステムは、前記ステーションが登録を許可された場合、該ステーションと接続された当該アクセスポイントは該ステーションが登録されたことを当該アクセスポイントに直接接続された他のアクセスポイントに通知し、該通知を受けたアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を更新すると共に他のアクセスポイントがある場合当該通知を該他のアクセスポイントに転送し、該ステーションを接続したアクセスポイントは該ステーションに自アクセスポイントの持つ接続関係情報を通知し、
同一ツリーで該ステーションの情報を共有し、パケットの転送、ハンドオーバー時間の短縮に使用することが可能であるように構成することができる。
本発明によれば、無線LANにおいて簡易な手順によりサービスエリアの拡張を行うことができるので、経済的で利用容易な無線LANを構築する上で極めて有効な手段となり得るものである。
以上の機能を実装したアクセスポイントのブロック図を図19に示す。アクセスポイントはアクセスポイント制御部4、メモリ部5、送受信部2、無線LANポート部1、有線LANポート部3、スイッチ6から構成される。無線LANポート部1は無線LANネットワーク上に送信されたパケットを受信し、送受信部から送られたパケットを無線LANネットワーク上に送信する。有線LANポート部3は有線ネットワークに送信されたパケットを受信し、送受信部から送られたパケットを有線ネットワーク上に送信する。送受信部2は、アクセスポイント制御部4または無線LANポート部1/有線LANポート部3から転送されたパケットを、アクセスポイント制御部4の指示に従い、無線LANポート部1/有線LANポート部3またはアクセスポイント制御部4に転送する。アクセスポイント制御部4は、メモリ部5内の「接続関係情報」を参照し、他アクセスポイントの接続管理、ステーション登録とハンドオーバー(ステーションの移動)の管理、パケットの転送指示を行なう。また、「接続関係情報」の更新を行なう。
(アクセスポイント間の接続機能)
(1対1のアクセスポイント接続例)
図20のような、既にアクセスポイントAP1, AP2, AP3, AP4が存在するネットワークにおいて、新たにアクセスポイントAP5をアクセスポイントAP3に接続する場合を例にとり、アクセスポイント間接続動作を説明する。
アクセスポイントは図19のとおり構成されており、各アクセスポイントメモリ部5の内部には、表1の各行に示される「接続関係情報」が格納されている。表1のMAC列は各アクセスポイントのMACアドレスを格納している。ホップ列はマスターアクセスポイントからのホップ数を格納している。上位MAC列は自アクセスポイントが接続している上位アクセスポイントのMACアドレスを格納している。下位数列は自アクセスポイントと接続している下位アクセスポイント数を格納している。下位MAC列は自アクセスポイントと接続している下位アクセスポイントのMACアドレスを格納している。
Figure 2006081164
アクセスポイント間のメッセージシーケンスを図21に示す。アクセスポイント接続機能4−1の動作を図22に示す。AP5をAP3の下位アクセスポイントとして接続する場合、AP3とAP5で指示手段として用いられているスイッチ6を押す。スイッチ6が押下されると、アクセスポイント制御部4内のアクセスポイント接続機能4−1が動作を開始する。
AP3内のアクセスポイント接続機能4−1は、メモリ部5内の接続関係情報を参照し、既に自アクセスポイントが上位アクセスポイントと接続されていることを検出し、決められた時間(T秒)に亘って一定周期で繰り返し、自アクセスポイントのMACアドレス(ADR3)を含む「接続報知パケット」を送信するように、送受信部2に指示する。送受信部2は指示に従い、無線LANポート経由で「接続報知パケット」を送信する。そして、AP5からの「接続要求パケット」を待つ。
AP5内のアクセスポイント接続機能4−1は、メモリ部5内の接続関係情報を参照し、まだ上位アクセスポイントと接続されていないことを検出し、決められた時間(T秒)に亘って、「接続報知パケット」を受信するように、送受信部2に指示する。AP5のアクセスポイント接続機能4−1は、送受信部2から「接続報知パケット」の受信を通知されると、パケットに含まれるMACアドレス宛てに「接続要求パケット」を送信するように、送受信部2に指示する。
AP3内のアクセスポイント接続機能4−1は、AP5から「接続要求パケット」を受信すると、メモリ部5内の「接続関係情報」のうち、自アクセスポイントのホップ数と下位数を検査し、その数値が閾値以下であれば、「接続許可パケット」を送信するように送受信部2に指示する。その数値が閾値以上であれば「接続拒否パケット」を送信するように指示する。AP3のアクセスポイント接続機能4−1は、「接続許可パケット」の送信を指示した後、AP5を下位アクセスポイントとして接続する。
AP5のアクセスポイント接続機能4−1は、送受信部2から「接続許可パケット」を受信した事を通知されると、AP4を上位アクセスポイントとして接続する。
最後にAP3のアクセスポイント接続機能4−1は、メモリ5内の「接続関係情報」を更新し、AP5が接続されたことを通知するため、「接続関係情報」内に格納されている上位アクセスポイントのMACアドレスと下位アクセスポイントのMACアドレス宛てに「接続通知パケット」を送信するように送受信部2に指示する。
「接続通知パケット」を受信したアクセスポイントのアクセスポイント制御部4は、メモリ5内の「接続関係情報」を更新すると共に、「接続関係情報」内に格納されている上位アクセスポイントのMACアドレスと下位アクセスポイントのMACアドレス宛てに「接続通知パケット」を送信するよう送受信部2に指示する(但し、「接続通知パケット」を送信してきたアドレスは除く)。
図22は、この場合のアクセスポイントにおける接続動作フローである。各動作ステップの内容は次の通りである。
S0:アクセスポイントはスイッチが押下されると、接続動作を開始する。
S1:「接続関係情報」を参照し、自アクセスポイントのホップ数が登録されているか検査する。
S2:ホップ数が未登録ならば、下位アクセスポイントとして接続するため、「接続報知パケット」の受信動作を行う。
S3:「接続報知パケット」を受信すると「接続要求パケット」を送信する。
S4:「接続許可パケット」の受信を待つ。「接続拒否パケット」を受信、または時間内に「接続許可パケット」を受信できない場合は処理を終了する(S14)。
S5:「接続許可パケット」を受信した場合「接続設定」を行う。
S6:S1においてホップ数が登録済みならば、上位アクセスポイントとして接続するため、「接続報知パケット」の送信動作を行う。
S7:「接続要求パケット」の受信を待つ。
S8:「接続要求パケット」を受信した場合、「接続関係情報」を調査する。
S9:「接続関係情報」の調査結果から収容可否を判断する。
S10:収容可能ならば「接続設定」を行う。
S11:「接続要求パケット」の送信元に「接続許可パケット」を送信する。
S12:新しいアクセスポイントが接続されたことを通知するため、接続先アクセスポイントに「接続通知パケット」を送信し、処理を終了する(S14)。
S13:収容拒否の場合、「接続要求パケット」の送信元に「接続拒否パケット」を送信し、終了する。
S14:終了
AP5接続後のネットワーク構成を図23に示す。また、AP5接続後の各アクセスポイントメモリ5内の「接続関係情報」を表2に示す。
Figure 2006081164
(複数対1のアクセスポイント接続例)
図24のような、AP1からAP6が存在するネットワーク内で、AP6が下位アクセスポイントとしてAP5に接続されている。AP6を移動させ、改めてAP1からAP5の中で、比較的通信環境の良いアクセスポイントに下位アクセスポイントとして接続する場合を例にとり、アクセスポイント間接続動作を説明する。
アクセスポイントは図19のとおり構成されており、AP1をマスターアクセスポイントとするグループ内のアクセスポイントのメモリ5内には、表3に示される同一の「接続関係情報」が格納されている。AP5をマスターアクセスポイントとするグループ内の各アクセスポイントのメモリ5内には、表4に示される同一の「接続関係情報」が格納されている。ここでMACアドレス列は所属するグループ内の全アクセスポイントのMACアドレスが格納されている。上位MAC列はMACアドレス列のアドレスを持つアクセスポイントが接続している上位アクセスポイントのMACアドレスが格納されている。ホップにはMACアドレス列のアドレスを持つアクセスポイントのホップ数が格納されている。
Figure 2006081164
Figure 2006081164
アクセスポイント間のメッセージシーケンスを図25に示す。またアクセスポイントの動作を図26に示す。AP6を収容するためPCから有線ネットワーク経由で、「報知指示パケット」が送られる。送受信部2から報知指示パケットの受信を伝えられたマスターアクセスポイントAP1とAP5のアクセスポイント接続機能は、送受信部2に下位アクセスポイントへの「報知指示パケット」の転送を指示する。送受信部2から「報知指示パケット」の受信を伝えられたスレーブアクセスポイント内のアクセスポイント接続機能4−1も、送受信部2に下位アクセスポイントへの「報知指示パケット」の転送を指示する。AP6では接続先を選択するため指示手段としてのスイッチ6が押される。
「報知指示パケット」の受信を送受信部2から告げられたアクセスポイントAP1からAP5のアクセスポイント接続機能4−1は、決められた時間(T秒)に亘って、繰り返し「接続報知パケット」を送信するため、送受信部2に指示を出す。送受信部2は「接続報知パケット」を無線LANポートに送信する。
「接続報知パケット」には接続関係情報から作成された表5に示す情報が格納されている。MACは「報知パケット」を送信したアクセスポイントのMACアドレスである。ホップは「報知パケット」を送信したアクセスポイントのホップ数である。下位数は、「報知パケット」を送信したアクセスポイントに接続されている下位アクセスポイント数である。H1はホップ1のアクセスポイント以下の総アクセスポイント数である。H2はマスターアクセスポイントと自アクセスポイントの間にあるホップ2を持つアクセスポイント以下の総アクセスポイント数である。同様にH3はマスターアクセスポイントと自アクセスポイントの間にあるホップ3を持つアクセスポイント以下の総アクセスポイント数である。例として表5の2行目はアクセスポイントAP2から送信された「接続報知パケット」の内容である。AP2のMACアドレスがADR2であることを表し、AP2のホップ数が2であることを表している。また下位数はAP2の下位アクセスポイント数が0であることを表している。H1はマスターアクセスポイントAP1以下の総アクセスポイント数が3であることを表している。H2はスレーブアクセスポイントAP2以下の総アクセスポイント数が0であることを表している。AP2はホップ2なのでH3の情報は含まれない。
Figure 2006081164
図26は、この場合の各アクセスポイントにおける接続動作フローである。各動作ステップの内容は次の通りである。
(a)接続指示スイッチ押下
S20:アクセスポイントはスイッチが押下されると、接続動作を開始する。
S21:「接続報知パケット」の受信動作を行う。
S22:後述の図27のフローチャートに従い、接続先アクセスポイントを選択する。
S23:選択したアクセスポイントに「接続要求パケット」を送信する。
S24:「接続許可パケット」の受信を待つ。「接続拒否パケット」を受信、または時間内に「接続許可パケット」を受信できない場合は処理を終了する。
S25:「接続許可パケット」を受信した場合、「接続関係情報」の更新(接続設定)を行う。
S26:終了
(b)報知指示パケット受信
S30:「報知指示パケット」を受信したアクセスポイントは接続動作を開始する。
S31:一定時間「接続報知パケット」の送信を行うと同時に「接続要求パケット」の受信動作を行う。
S32:複数のアクセスポイントから「接続要求パケット」を受信したか検査する。
S33:1つのアクセスポイントだけから「接続要求パケット」を受信した場合、「接続関係情報」の調査を行う。
S34:「接続関係情報」の調査結果から収容可否を判断する。
S35:収容可能ならば、「接続許可パケット」の送信を行う。
S36:新しいアクセスポイントが接続されたことを通知するため、接続先アクセスポイントに「接続通知パケット」を送信する。
S37:「接続関係情報」の更新(接続設計)を行い、処理を終了する。
S38:S32の検査の結果、複数のアクセスポイントから「接続要求パケット」を受信したと判断した場合、またはS34の結果、収容不可と判断した場合、「接続拒否パケット」を送信する。
S39:終了
図27は、上位アクセスポイント選択フローである。各動作ステップの内容は次の通りである。
S41:S21で受信した「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントのうち、信号強度が閾値以下のアクセスポイントを候補から除外する。
S42:S21で受信した「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントのうち、ホップ数が閾値以上のアクセスポイントを候補から除外する。
S43:S21で受信した「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントのうち、下位アクセスポイント数が閾値以上のアクセスポイントを候補から除外する。
S44:S41〜S43の結果、候補となるアクセスポイントが存在するか検査する。
S46:候補が存在しない場合は、閾値を変更するか判断する。
S47:閾値を変更しない場合は終了する。
S45:閾値を変更した場合は、S41に戻り、再度選択を行う。
S48:S44において、候補アクセスポイントが存在する場合、調査ホップを1に設定する。
S49:各アクセスポイントからの「接続報知パケット」には、表5の各行に示すように「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントのHOP数(ホップ)、「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントと直接接続している下位アクセスポイント数(下位数)、及び自アクセスポイントとマスターアクセスポイントの間にあるホップ1〜ホップ3を持つアクセスポイントと直接的及び間接的に接続している下位アクセスポイントの総数(H1;ホップ1,H2;ホップ2,H3;ホップ3)が記録されている。候補となるアクセスポイントのうち、調査ホップにおける下位アクセスポイントの総数(間接収容数)が一番少ない「接続報知パケット」を送信したアクセスポイントを候補とする(複数存在しても良い)。それ以外を候補から除外する。
S50:調査ホップと表5のホップ列を比較し、調査ホップと等しいアクセスポイントが存在するか調べる(複数存在しても良い。)
S51:調査ホップを持つアクセスポイントが存在しない場合「接続報知パケット」を送信してS49で候補として選択されたアクセスポイントは調査ホップよりも下位に接続しているアクセスポイントである。従って、調査ホップを1増やし、再度S49を行う。
S52:S50の検査の結果、調査ホップを持つアクセスポイントが存在した場合、それは有線LANネットワークに接続されているマスターアクセスポイント(ホップ1)により近く、直接的及び間接的に接続されている下位アクセスポイントの総数がより少ないアクセスポイントであるため、通信量が少なく接続先アクセスポイントとして適している。
この中から、直接収容数(表5の下位数)の最も少ないアクセスポイントを候補として選択する(複数存在しても良い。)
S53: 候補アクセスポイントが複数存在するか調査する。
S54:アクセスポイントが一つならば接続先として選択し、S56に進む。
S55:候補アクセスポイントが複数存在する場合は、信号強度が最も大きいものを選択し、S56に進む。
AP6のアクセスポイント接続機能4−1は、T秒経過した後、送受信部2が受信した「情報報知パケット」内の情報を用いて接続先を決定し、送受信部2に「接続要求パケット」を送信するように指示する。実施例では、近くにあるアクセスポイントAP2、AP3、AP4からの「情報報知パケット」を受信し、図27のフローチャートに従い、AP2が図28のように選択されたと仮定している。
AP2のアクセスポイント接続機能4−1は、送受信部2から「接続要求パケット」の受信を通知され、メモリ内の自アクセスポイントのホップ数と下位アクセスポイント接続数検査し、決められた値以下なら、送受信部2に「接続許可パケット」の送信を指示する。
AP6のアクセスポイント制御部4は、送受信部2から「接続許可パケット」の受信を通知されると、AP2のMACアドレスを上位アクセスポイントのMACアドレスとして設定する。AP2のアクセスポイント制御部4は、「接続関係情報」を更新する。そして上位アクセスポイントと下位アクセスポイントのMACアドレス宛てに新しい「接続関係情報」を通知する。新しい「接続関係情報」を表6と表7に示す。
Figure 2006081164
Figure 2006081164
(ステーション接続機能)
ステーションは通信を行なうために、最初にアクセスポイントに登録されなければならない。図29のようにアクセスポイントAP6経由でステーションSAT1を登録する場合について説明する。
ステーション登録のためのアクセスポイント間のメッセージシーケンスを図30に示す。ステーションSTA1は最初にプローブリクエスト(Pリクエスト)をブロードキャストする。アクセスポイントのステーション登録処理は、送受信部2からプローブリクエスト受信を伝えられると、送受信部2にプローブレスポンス(Pレスポンス)送信を指示する。図30ではAP2とAP6がプローブリクエストを受信し、プローブレスポンスを送信している。
プローブレスポンスを受信したステーションSTA1は、プローブレスポンスを送信したアクセスポイント(AP2,AP6)の中で、通信に適したアクセスポイントAP6を選択し、オーセンティケーションリクエスト(Auリクエスト)を送信する。
アクセスポイントAP6のステーション登録処理機能4−2は、送受信部2からオーセンティケーションリクエスト受信を伝えられると、接続関係情報を検索し、送受信部2に対して上位アクセスポイントAP2へのオーセンティケーションリクエスト転送を指示する。
アクセスポイントAP2のステーション登録処理機能4−2は、同様に送受信部2からオーセンティケーションリクエストの受信を伝えられると、接続関係情報を検索し、送受信部2に対して上位アクセスポイントAP1へのオーセンティケーションリクエスト転送を指示する。
アクセスポイントAP1のステーション登録処理機能4−2は、送受信部2からオーセンティケーションリクエストの受信を伝えられると、送受信部2に対して下位アクセスポイントAP2へのオーセンティケーションレスポンス(Auレスポンス)転送を指示する。
アクセスポイントAP2のステーション登録処理機能4−2は、送受信部2からオーセンティケーションレスポンスの受信を伝えられると、送受信部2に対して下位アクセスポイントAP6へのオーセンティケーションレスポンス転送を指示する。
アクセスポイントAP6のステーション登録処理機能4−2は、送受信部2からオーセンティケーションレスポンスの受信を伝えられると、送受信部2に対してステーションSTA1へのオーセンティケーションレスポンス転送を指示する。
オーセンティケーションレスポンスを受信したステーションSTA1はアソシエーションリクエスト(Asリクエスト)をアクセスポイントAP6に送信する。同リクエストもアクセスポイントAP1に転送され、アクセスポイントAP1からアソシエーションレスポンス(Asレスポンス)が返される。
アクセスポイントAP6のステーション登録処理機能4−2は、メモリ内の接続関係情報にステーションSTA1を登録する。同時に、アクセスポイントAP6はステーションSTA1が登録されたことをアクセスポイントAP2に送信し、アクセスポイントAP2もアクセスポイントAP1に送信する。各アクセスポイントはステーション情報を登録する。また、AP6はステーションST2にも接続関係情報(表6)を送信する。
表8にアクセスポイントAP6の接続関係情報へのステーション情報登録例を示す。アクセスポイントMAC列には自アクセスポイントと上位/下位アクセスポイントのMACアドレスを表す。ここではアクセスポイントAP6のMACアドレス(ADR6)とAP6の上位アクセスポイントAP2のMACアドレス(ADR2)が格納されている。ステーションMACアドレスにはグループに登録されたステーションのMACアドレスが格納される。ここではアクセスポイントAP6のMACアドレスADR6の行にステーションSTA1のアドレス(ADRS1)が格納されている。
Figure 2006081164
表9にアクセスポイントAP1の接続関係情報(ステーション情報)を示す。アクセスポイントMAC列にはアクセスポイントAP1のMACアドレス(ADR1)とAP1の下位アクセスポイントAP2のMACアドレス(ADR2)およびAP3のMACアドレス(ADR3)が格納されている。ステーションMAC列にはアクセスポイントAP2のMACアドレスADR2の行にステーションSTA1のアドレス(ADRS1)が格納され、STA1宛のパケットはAP2に転送することが示されている。表10は同様にアクセスポイントAP3の接続関係情報(ステーション情報)である。
Figure 2006081164
Figure 2006081164
(STAハンドオーバー処理)
アクセスポイントは接続関係情報を参照して、高速ハンドオーバー処理を行なう。高速ハンドオーバー処理に対応したステーションのブロック図を図33示す。ステーションはステーション制御部14、メモリ部15、送受信部12、無線LANポート部11、アプリケーション部13から構成される。
無線LANポート部11は無線LANネットワーク上に送信されたパケットを受信し、送受信部から送られたパケットを無線LANネットワーク上に送信する。アプリケーション部13は、無線LANを使用してデータの送受信を行う音声通信機能などである。送受信部12は、ステーション制御部14または無線LANポート部11/アプリケーション部13から転送されたパケットを、ステーション制御部14の指示に従い、無線LANポート部11/アプリケーショント部13またはステーション制御部14に転送する。ステーション制御部14は、メモリ部15内の「接続関係情報」を参照し、ハンドオーバー(ステーションの移動)の管理を行なう。
図35のようにAP6に接続しているステーションSTAがハンドオーバーする場合について説明する。ステーションSTA1のハンドオーバー要求機能14−2は、同一チャンネルで動作しているアクセスポイント(AP1〜AP6)が送信したビーコンの受信を送受信部12から通知されると、ビーコンの送信元MACアドレス(ADR1〜ADR6)と通信環境情報(信号強度とSN比)を取り出し、メモリ部15内に保持しておく。
図34は、ハンドオーバーシーケンスである。ステーションSTA1のハンドオーバー要求機能14−2は、一定期間内の通信環境情報を集計し、現在通信を行っているアクセスポイントAP6よりも通信に適したアクセスポイントAP3を見つけると、MACアドレス(ADR3)とメモリ内の接続関係情報(表6)のMACアドレス比較し、一致するものがあれば、送受信部12に以後はAP3宛にパケットを送信するよう指示する。
アクセスポイントAP3のハンドオーバー処理機能4−3は、送受信部からパケット受信を通知されると、接続関係情報を検索し、パケットの送信元MACアドレスと一致したアドレスが見つかると、送受信部にグループ内のアクセスポイントにステーションが移動したことを知らせるため移動通知パケットを送信するよう指示する。同時に送受信部にパケットを転送するよう指示する。
移動通知パケットを受けたアクセスポイントのハンドオーバー処理機能4−3は接続関係情報(ステーション情報)を更新する。更新された接続関係情報(ステーション情報)を表14、表15、表16,表17に示す。
Figure 2006081164
Figure 2006081164
Figure 2006081164
Figure 2006081164
(パケット転送機能)
アクセスポイントは他のアクセスポイントから又はステーションから送信されたパケットの転送を行なう。図31のようなネットワークにおいてAP6配下のSTA1からAP3配下のSTA2へパケットを送信する場合について説明する。
図32にアクセスポイント間のパケット転送シーケンスを示す。AP6配下のステーションSTA1はSTA2へパケットを送信する場合、接続しているアクセスポイントAP6にパケットを送信する。
アクセスポイントAP6内のパケット転送機能は、パケットの送信先アドレス(STA2)と
表11で表されるメモリ内の接続関係情報(ステーション情報)を比較し、パケットの転送先アクセスポイント(AP2)を決定する。そしてAP2にパケットを転送するように送受信部2に指示する。送受信部2は無線LANポート部経由でパケットをアクセスポイントAP2へ送信する。
Figure 2006081164
同様に、アクセスポイントAP2内のパケット転送機能は、パケットの送信先アドレス(STA2)と表12で示されるメモリ内の接続関係情報(ステーション情報)を比較し、パケットの転送アクセスポイント(AP1)を決定する。そしてAP1にパケットを転送するように送受信部2に指示する。送受信部2は無線LANポート部経由でパケットをアクセスポイントAP1へ送信する。同様に、アクセスポイントAP1はアクセスポイントAP3へパケットを送信する。
Figure 2006081164
アクセスポイントAP3内のパケット転送機能は、パケットの送信先アドレス(STA2)と表13で示されるメモリ内のステーション情報を比較し、ステーションSTA2が自アクセスポイントAP3の配下にいることを確認する。そしてSTA2にパケットを転送するように送受信部2に指示する。送受信部2は無線LANポート部経由でパケットをSTA2へ送信する。
Figure 2006081164
以下本発明による無線LAN装置について説明する。
(アクセスポイントの構成)
本発明装置を実装したアクセスポイントのブロック図を図36に示す。アクセスポイントはアクセスポイント制御部21、アクセスポイント接続部22、ステーション登録部23、ハンドオーバー処理部24、送受信部25、メモリ部26、無線LANポート部27、有線LANポート部28、スイッチの如き指示手段29から構成される。
無線LANポート部27は無線LANネットワーク上のパケットを受信し、送受信部25から送られたパケットを無線LANネットワーク上に送信する。
有線LANポート部28は有線LANネットワーク上のパケットを受信し、送受信部25から送られたパケットを有線ネットワーク上に送信する。
送受信部25は、アクセスポイント制御部21または無線LANポート部27/有線LANポート部28から転送されたパケットを、無線LANポート部27/有線LANポート部28またはアクセスポイント制御部21に転送する。
アクセスポイント接続部22は、アクセスポイント制御部21からの指示に従い、アクセスポイント接続処理を行う。
ステーション登録部23は、アクセスポイント制御部21からの指示に従い、ステーション登録処理を行う。
ハンドオーバー処理部24は、アクセスポイント制御部21からの指示に従い、ハンドオーバー処理を行う。
メモリ部は、接続関係情報を記憶している。
アクセスポイント制御部21は、メモリ部26内の「接続関係情報」26−1を参照し、アクセスポイント接続部、ステーション登録部とハンドオーバー処理部に処理を依頼する。また、メモリ部26内の「接続関係情報」の登録/更新/削除を行う。
指示手段29は、アクセスポイント制御部21に必要な指示をする。
(上位アクセスポイントを決めて接続する場合)
予め定めた上位アクセスポイントと未登録アクセスポイントを接続する場合のアクセスポイントの動作について説明する。
(アクセスポイント接続前の状態)
図20のような、既にアクセスポイントAP1,AP2,AP3,AP4が存在するネットワークにおいて、新たにアクセスポイントAP5をアクセスポイントAP3に接続する場合を例にとり、アクセスポイントの動作を説明する。
アクセスポイントAP1,AP2,AP3,AP4,AP5のメモリ部26には、前記の表1の各行に示される「接続関係情報」26−1が格納されている。表1のMAC列は各アクセスポイントのMACアドレスを格納している。ホップ列はマスターアクセスポイントからのホップ数を格納している。上位MAC列は自アクセスポイントが接続している上位アクセスポイントのMACアドレスを格納している。下位数列は自アクセスポイントと接続している下位アクセスポイント数を格納している。下位MAC列は自アクセスポイントと接続している下位アクセスポイントのMACアドレスを格納している。
アクセスポイントAP3とアクセスポイントAP5で指示手段として用いられているスイッチ29を押すと、両アクセスポイント内のアクセスポイント制御部は、メモリから「接続関係情報」26−1を読み込み、アクセスポイント接続部22に対して「接続関係情報」26−1を通知し、接続処理開始の指示を出す。
指示を受けたアクセスポイントAP3とアクセスポイントAP5のアクセスポイント接続部22は通知された「接続関係情報」26−1を参照し、自アクセスポイントのホップ数が登録されているか検査する。
アクセスポイントAP3内のアクセスポイント接続部22は、「接続関係情報」26−1を参照した結果、既に自アクセスポイントが上位アクセスポイントと接続されていることを検出し、登録済みアクセスポイントとして動作する。一方、AP5内のアクセスポイント接続部22は「接続関係情報」26−1を参照した結果、まだ上位アクセスポイントと接続されていないことを検出し、未登録アクセスポイントとして動作する。
(登録済みアクセスポイントの接続動作)
登録済みアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、決められた時間(T秒)に亘って一定周期で繰り返し、自アクセスポイントのMACアドレスを含む「接続報知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22からパケットを転送されると、送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対してパケットを無線LANネットワークへ送信するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
登録済みアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、T秒間「接続報知パケット」を転送し続けた後、さらにT秒間アクセスポイント制御部21からの「接続要求パケット」の転送を待つ。このT秒間内に「接続要求パケット」の転送がない場合には、接続動作を停止する。
登録済みアクセスポイントの無線LANポートは「接続要求パケット」を受信すると「接続要求パケット」を送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21は「接続要求パケット」をアクセスポイント接続部22に転送する。
登録済みアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、「接続要求パケット」を転送されると、「接続関係情報」26−1から自アクセスポイントのホップ数と下位数を検査し、数値が閾値以下であれば、「接続許可パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。反対に数値が閾値以上であれば「接続拒否パケット」を作成し、アクセスポイント制御部に転送する。「接続許可パケット」は接続アクセスポイントのMACアドレスとして自アクセスポイントのMACアドレスを含む。また自アクセスポイントのホップ数を含む。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から「接続許可パケット」または「接続拒否パケット」を転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
登録済みアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、「接続許可パケット」を転送した後、未登録アクセスポイントのMACアドレスをアクセスポイント制御部21に通知する。
通知を受けたアクセスポイント制御部21はメモリ部26に格納されている「接続関係情報」26−1の下位数を1だけ増加させ、下位MACに未登録アクセスポイントのMACアドレスを登録する。
最後に、登録済みアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、未登録アクセスポイントが接続されたことを他のアクセスポイントに通知するため、「接続関係情報」26−1内に格納されている上位アクセスポイントのMACアドレスと下位アクセスポイントのMACアドレス宛ての「接続通知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。「接続通知パケット」には接続MACアドレスとして、未登録アクセスポイントのMACアドレスが格納される。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送された「接続通知パケット」を送受信部25に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
また、アクセスポイント制御部21は、自局がマスターアクセスポイントである場合には、送受信部25に「接続通知パケット」を有線LANポート部28へも転送するよう指示する。送受信部25は有線LANポート部28へのパケット送信指示を受けると、有線LANポート部28へパケットを転送する。有線LANポート部28はパケットを受け取ると有線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(未登録アクセスポイントの動作)
未登録アクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、決められた(T秒)の間、アクセスポイント制御部21からの「接続報知パケット」の転送を待つ。T秒間内に「接続報知パケット」の転送がない場合には、接続動作を停止する。
未登録アクセスポイントの無線LANポート部27は「接続報知パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをアクセスポイント接続部22に転送する。
アクセスポイント接続部22は、「接続報知パケット」を転送されると、「接続報知パケット」送信元宛ての「接続要求パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から「接続要求パケット」を転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対してパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
未登録アクセスポイントのアクセスポイント接続部22は「接続要求パケット」を転送した後、さらに2T秒間だけアクセスポイント制御部21からの「接続許可パケット」の転送を待つ。2T秒間内に「接続許可パケット」の転送がない場合、または「接続拒否パケット」を転送された場合には、接続動作を停止する。
未登録アクセスポイントの無線LANポート部27は「接続許可パケット」または「接続拒否パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをアクセスポイント接続部22に転送する。
未登録アクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、「接続許可パケット」を転送されると、「接続許可パケット」に含まれる接続アクセスポイントのMACアドレス及びホップ数をアクセスポイント制御部21に通知する。通知を受けたアクセスポイント制御部21はメモリ部26に格納されている「接続関係情報」26−1の上位MACに登録済みアクセスポイントのMACアドレスを登録し、通知されたHOP数を1だけ増加させてホップに格納する。
(その他のアクセスポイントの動作)
その他のアクセスポイントの無線LANポート部27または有線LANポート部28は、「接続通知パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをアクセスポイント接続部22に転送する。
その他のアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、「接続通知パケット」内の接続MACアドレスを取り出し、アクセスポイント制御部21に通知する。通知を受けたアクセスポイント制御部21はメモリ部26の「接続関係情報」26−1に接続MACアドレスが登録されていれば、登録の削除を行う。
最後に、その他のアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、「接続関係情報」26−1内に格納されている上位アクセスポイントのMACアドレスと下位アクセスポイントのMACアドレス宛ての「接続通知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。但し、自アクセスポイントが受け取った「接続通知パケット」の送信元は除く。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送されたパケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対しパケットを無線LANポートへ転送部27するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
また、アクセスポイント制御部21は、自アクセスポイントがマスターアクセスポイントである場合には、送受信部25にパケットを有線LANポート部28へも転送するように指示する。送受信部25は有線LANポート部28へのパケット送信指示を受けると、有線LANポート部28へパケットを転送する。有線LANポート部28はパケットを受け取ると有線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイント接続後の状態)
AP5接続後のネットワーク構成を図23に示す。また、AP5接続後における各アクセスポイントのメモリ部26の「接続関係情報」を表2に示す。
(複数の上位アクセスポイントから1つを選択して接続する場合)
未登録アクセスポイントが複数の登録済みアクセスポイントから1つを選択し接続する場合のアクセスポイントの動作について説明する。
(アクセスポイント接続前の状態)
図24のような、既にアクセスポイントAP1,AP2,AP3,AP4,AP5,AP6が存在するネットワークにおいて、アクセスポイントAP6が下位アクセスポイントとしてAP5に接続されている。アクセスポイントAP6を移動させ、改めてAP1からAP5の中で、比較的通信環境の良いアクセスポイントに接続する場合を例にとり、アクセスポイント間接続動作を説明する。
アクセスポイントAP1をマスターアクセスポイントとするグループ内のアクセスポイントAP1,AP2,AP3,AP4のメモリ部には、表3に示される同一の「接続関係情報」が格納されている。アクセスポイントAP5をマスターアクセスポイントとするグループ内の各アクセスポイントAP5,AP6のメモリ部には、表4に示される同一の「接続関係情報」が格納されている。
ここでMACアドレス列は所属するグループ内の全アクセスポイントのMACアドレスが格納されている。上位MAC列はMACアドレス列のアドレスを持つアクセスポイントが接続している上位アクセスポイントのMACアドレスが格納されている。ホップにはMACアドレス列のアドレスを持つアクセスポイントのホップ数が格納されている。
AP6において指示手段としてのスイッチ29を押すと、アクセスポイントAP6のアクセスポイント制御部21は、メモリ部26から「接続関係情報」を読み込み、アクセスポイント接続部22に対し「接続関係情報」を通知し、未登録アクセスポイントとしての接続処理開始の指示を出す。
PCからは有線ネットワーク上に「報知指示パケット」が送られる。有線LANポート部28または無線LANポート部27は「報知指示パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21は「報知指示パケット」を転送されると、メモリ部26から「接続関係情報」26−1を読み込み、アクセスポイント接続部22に対し、「接続関係情報」26−1を通知し、登録済みアクセスポイントとして接続処理開始の指示を出す。
(登録済みアクセスポイントの動作)
最初に、登録済みアクセスポイントAP1,AP2,AP3,AP4,AP5においてアクセスポイント制御部21から接続処理開始指示を受けたアクセスポイント接続部22は、「接続関係情報」から自アクセスポイントと直接接続されている下位アクセスポイントのMACアドレスを検索し、このMACアドレス宛ての「報知指示パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送されたパケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対してパケットを無線LANポートへ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
次に、「報知指示パケット」を転送されたアクセスポイント接続部22は、決められた時間(T秒)の間、一定周期で繰り返し「接続報知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。
「接続報知パケット」には接続関係情報から作成された表5に示す情報が格納されている。ここで、表5のMACは「接続報知パケット」を作成したアクセスポイントのMACアドレスである。ホップは「接続報知パケット」を作成したアクセスポイントのホップ数である。下位数は、「接続報知パケット」を作成したアクセスポイントに接続されている下位アクセスポイント数である。H1はホップ1のアクセスポイント以下の総アクセスポイント数である。H2はマスターアクセスポイントと自アクセスポイントの間にあるホップ2を持つアクセスポイント以下の総アクセスポイント数である。同様にH3はマスターアクセスポイントと自アクセスポイントの間にあるホップ3を持つアクセスポイント以下の総アクセスポイント数である。
例として表5の2行目はアクセスポイントAP2から送信された「接続報知パケット」の内容である。アクセスポイントAP2のMACアドレスがADR2であることを表し、アクセスポイントAP2のホップ数が2であることを表している。また下位数はAP2の下位アクセスポイント数が0であることを表している。H1はマスターアクセスポイントAP1以下の総アクセスポイント数が3であることを表している。H2スレーブアクセスポイントAP2以下の総アクセスポイント数が0であることを表している。AP2はホップ2なのでH3の情報は含まれない。
登録済みアクセスポイントAP1,AP2,AP3,AP4,AP5のアクセスポイント制御部21は、アクセスポイント登録部23から転送されたパケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対しパケットを無線LANネットワークへ送信するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート図27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
登録済みアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、T秒間に亘って「接続報知パケット」を転送し続けた後、さらにT秒間アクセスポイント制御部21からの「接続要求パケット」の転送を待つ。T秒間内に「接続要求パケット」の転送がない場合には、接続動作を停止する。
登録済みアクセスポイントAP1,AP2,AP3,AP4,AP5の内で「接続要求パケット」を受信したアクセスポイントの無線LANポート部は、「接続要求パケット」を送受信部に転送する。送受信部は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをアクセスポイント接続部22に転送する。
登録済みアクセスポイントAP1,AP2,AP3,AP4,AP5のアクセスポイント接続部22は、「接続要求パケット」を転送されると、複数のアクセスポイントから「接続要求パケット」を受信したかを検査する。複数のアクセスポイントから「接続要求パケット」を受信した場合には接続動作を停止する。
1つのアクセスポイントだけから「接続要求パケット」を受信した場合、「接続関係情報」の調査を行う。「接続関係情報」のうち、自アクセスポイントのホップ数と下位数を検査し、数値が閾値以下であれば、「接続許可パケット」を作成し、アクセスポイント制御部に送信する。反対に数値が閾値以上であれば、「接続拒否パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に送信する。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から「接続許可パケット」または「接続拒否パケット」を転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
「接続許可パケット」を転送したアクセスポイント接続部22は、その後、未登録アクセスポイントAP6のMACアドレスをアクセスポイント制御部21に通知する。
通知を受けたアクセスポイント制御部21はメモリ部26に格納されている「接続関係情報」26−1に未登録アクセスポイントのMACアドレス、未登録アクセスポイントと直接接続されている上位アクセスポイントのMACアドレス(自アクセスポイントのMACアドレス)、未登録アクセスポイントのホップ数を登録する(表6)。
最後に、登録済みアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、未登録アクセスポイントが接続されたことを他のアクセスポイントに通知するため、「接続関係情報」から自アクセスポイントと直接接続されている上位または下位アクセスポイントのMACアドレスの検索を行い、見つかったMACアドレス宛ての「接続通知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。「接続通知パケット」は新しい「接続関係情報」26−1を含む。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送されたパケットを送受信部に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
また、アクセスポイント制御部21は、自アクセスポイントがマスターアクセスポイントである場合には、送受信部25にパケットを有線LANポート部28へも転送するように指示する。送受信部25は有線LANポート部28へのパケット送信指示を受けると、有線LANポート部28へパケットを転送する。有線LANポート部28はパケットを受け取ると有線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(未登録アクセスポイントの動作)
未登録アクセスポイントとしての接続処理開始を指示されたアクセスポイント接続部22は、決められた時間(T秒)、アクセスポイント制御部21からの「接続報知パケット」の転送を待つ。T秒間内に「接続報知パケット」の転送がない場合には、接続動作を停止する。
未登録アクセスポイントの無線LANポート部27は「接続報知パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをアクセスポイント接続部22に転送する。
アクセスポイント接続部22は、複数のアクセスポイントから「接続報知パケット」を受信すると、複数のアクセスポイントから接続するアクセスポイントを選択する。図27は、AP6のアクセスポイント接続部22における登録済みアクセスポイント選択フローである。各動作ステップの内容は次の通りである。
S41:転送された「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントのうち、信号強度が閾値以下のアクセスポイントを候補から除外する。
S42:転送された「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントのうち、ホップ数が閾値以上のアクセスポイントを候補から除外する。
S43:転送された「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントのうち、下位アクセスポイント数が閾値以上のアクセスポイントを候補から除外する。
S44:S41〜S43の結果、候補となるアクセスポイントが存在するかを検査する。
S46:候補が存在しない場合には、閾値を変更するかを判断する。
S47:閾値を変更しない場合には終了する。
S45:閾値を変更した場合は、S41に戻り、再選択を行う。
S48:S44において、候補アクセスポイントが存在する場合、調査ホップを1に設定する。
S49:各アクセスポイントからの「接続報知パケット」には、表21の各行に示すように「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントのHOP数(ホップ)、「接続報知パケット」の送信元アクセスポイントと直接接続している下位アクセスポイント数(下位数)、及び自アクセスポイントとマスターアクセスポイントの間にあるホップ1〜ホップ3を持つアクセスポイントと直接的及び間接的に接続している下位アクセスポイントの総数(H1:ホップ1,H2:ホップ2,H3:ホップ3)が記録されている。候補となるアクセスポイントのうち、調査ホップにおける下位アクセスポイントの総数(間接収容数)が一番少ない「接続報知パケット」を送信したアクセスポイントを候補とする(複数存在しても良い)。それ以外から除外する。
S50:調査ホップと表5のホップ列を比較し、調査ホップと等しいアクセスポイントが存在するか調べる(複数存在しても良い)。
S51:調査ホップを持つアクセスポイントが存在しない場合「接続報知パケット」を送信してS49で候補として選択されたアクセスポイントは調査ホップよりも下位に接続しているアクセスポイントである。従って、調査ホップを1増やし、再度S49を行う。
S52:S50の検査の結果、調査ホップを持つアクセスポイントが存在した場合、それは有線LANネットワークに接続されているマスターアクセスポイント(ホップ1)により近く、直接的及び間接的に接続されている下位アクセスポイントの総数がより少ないアクセスポイントであるため、通信量が少なく接続先アクセスポイントとして適している。この中から、直接収容数(表5の下位数)の最も少ないアクセスポイントを候補として選択する(複数存在しても良い。)
S53:候補アクセスポイントが複数存在するか調査する。
S54:アクセスポイントが一つならば接続先として選択し、S56に進む。
S55:候補アクセスポイントが複数存在する場合には、信号強度が最も大きいものを選択し、S56に進む。
未登録アクセスポイントAP6のアクセスポイント接続部22は登録済みアクセスポイント選択フローに従い接続先アクセスポイントとしてアクセスポイントAP2を決定するとアクセスポイントAP2宛ての「接続要求パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に送信する。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から「接続要求パケット」を転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対しパケットを無線LANポートへ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
未登録アクセスポイントのアクセスポイント接続部22は「接続要求パケット」を転送した後、さらに2T秒間アクセスポイント制御部21からの「接続許可パケット」の転送を待つ。2T秒間内に「接続許可パケット」の転送がない場合、または「接続拒否パケット」を転送された場合には、接続動作を停止する。
未登録アクセスポイントの無線LANポート部27は「接続許可パケット」または「接続拒否パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをアクセスポイント接続部22に転送する。
未登録アクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、「接続許可パケット」を転送されると、「接続通知パケット」の転送を待つ。
未登録アクセスポイントの無線LANポート部27は、「接続通知パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをアクセスポイント接続部22に転送する。
アクセスポイント接続部22は、「接続通知パケット」内の「接続関係情報」26−1を取り出し、アクセスポイント制御部21に通知する。通知を受けたアクセスポイント制御部21は、通知された「接続関係情報」26−1をメモリ部26に格納する。
(その他のアクセスポイントの動作)
その他のアクセスポイントの無線LANポート部27は、「接続通知パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをアクセスポイント接続部22に転送する。
その他のアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、「接続通知パケット」内の「接続関係情報」を取り出し、アクセスポイント制御部21に通知する。通知を受けたアクセスポイント制御部21は、通知された「接続関係情報」とメモリ部26の「接続関係情報」26−1とを比較し、自アクセスポイントの所属するグループに新たにアクセスポイントが追加されていれば、メモリ部26内の「接続関係情報」26−1に登録する。また2つの「接続関係情報」を比較した結果、自アクセスポイントの所属するグループからアクセスポイントが移動していれば、移動したアクセスポイントの登録の削除を行う。
最後に、その他のアクセスポイントのアクセスポイント接続部22は、「接続関係情報」26−1内に格納されている上位アクセスポイントのMACアドレスと下位アクセスポイントのMACアドレス宛ての「接続通知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。但し、自アクセスポイントが受け取った「接続通知パケット」の送信元は除く。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送されたパケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対しパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
また、アクセスポイント制御部21は、自アクセスポイントがマスターアクセスポイントである場合には、送受信部25にパケットを有線LANポート部28へも転送するように指示する。送受信部25は有線LANポート部28へのパケット送信指示を受けると、有線LANポート部28へパケットを転送する。有線LANポート部28はパケットを受け取ると有線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイント接続後の状態)
AP6接続後のネットワーク構成を図28に示す。また、AP5接続後における各アクセスポイントのメモリ部26内の新しい「接続関係情報」は前記表6と表7に示された通りである。
(ステーション接続処理)
ステーションは通信を行うために、最初にアクセスポイントに登録されなければならない。図29のようにアクセスポイントAP6経由でステーションSTA1を登録する場合について説明する。
(ステーションの動作)
一般的なステーションの登録動作を示す。ステーションSTA1は最初にプローブリクエストをブロードキャストしプローブレスポンスを待つ。プローブレスポンスを受信したステーションSTA1は、プローブレスポンスを送信したアクセスポイントの中で、通信に適したアクセスポイントAP6を選択し、オーセンティケーションリクエストを送信する。その後、オーセンティケーションレスポンスを受信したステーションはアソシエーションリクエストをアクセスポイントAP6に送信する。最後に、アクセスポイントAP6からアソシエーションレスポンスが返されると登録動作を完了する。
(アクセスポイントのプローブリクエスト処理動作)
アクセスポイントの無線LANポート部27は「プローブリクエストパケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをステーション登録部23に転送する。
ステーション登録部23は、「プローブリクエストパケット」を転送されると、「プローブレスポンスパケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から「プローブレスポンスパケット」を転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイントのオーセンティケーションリクエスト処理動作)
アクセスポイントの無線LANポート部27は「オーセンティケーションリクエストパケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21は「接続関係情報」と共にパケットをステーション登録部23に転送する。
ステーション登録部23は「オーセンティケーションリクエストパケット」を転送されると、「接続関係情報」26−1から上位アクセスポイントのMACアドレスの検索を行う。上位アクセスポイントが存在する場合には、「オーセンティケーションリクエストパケット」をアクセスポイント制御部21に転送すると同時に、アクセスポイント制御部21に対してパケットを上位アクセスポイントに送信するように指示する。その後、アクセスポイント制御部21からの「オーセンティケーションレスポンス」の転送を待つ。
自アクセスポイントが上位アクセスポイントである場合には「オーセンティケーションリクエストパケット」を検査し、「オーセンティケーションリクエストパケット」が正しければ、「オーセンティケーションレスポンスパケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送すると同時に、アクセスポイント制御部21に対してパケットを「オーセンティケーションリクエストパケット」の送信元に送信するよう指示する。
アクセスポイント制御部21は、ステーション登録部23からパケットを転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイントのオーセンティケーションレスポンス処理動作)
アクセスポイントの無線LANポート部27は「オーセンティケーションレスポンスパケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをステーション登録部23に転送する。
ステーション登録部23は、「オーセンティケーションレスポンスパケット」を転送されると、「オーセンティケーションレスポンスパケット」をアクセスポイント制御部21に転送すると同時に、アクセスポイント制御部21に対してパケットを「オーセンティケーションリクエストパケット」の送信元に送信するよう指示する。
アクセスポイント制御部21は、ステーション登録部23からパケットを転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイントのアソシエーションリクエスト処理の動作)
アクセスポイントの無線LANポート部27は「アソシエーションリクエストパケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部は「接続関係情報」と共にパケットをステーション登録部23に転送する。
ステーション登録部23は、「アソシエーションリクエストパケット」を転送されると、「接続関係情報」26−1から上位アクセスポイントのMACアドレスの検索を行う。上位アクセスポイントが存在する場合には、「アソシエーションリクエストパケット」をアクセスポイント制御部21に転送すると同時に、アクセスポイント制御部21に対してパケットを上位アクセスポイントに送信するように指示する。その後「アソシエーションレスポンスパケット」の転送を持つ。
自アクセスポイントが上位アクセスポイントである場合には「アソシエーションリクエストパケット」を検査し、「アソシエーションリクエストパケット」が正しければ、「アソシエーションレスポンスパケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送すると同時に、アクセスポイント制御部21に対してパケットを「アソシエーションリクエストパケット」送信元に送信するように指示する。
アクセスポイント制御部21は、ステーション登録部23からパケットを転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するよう指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイントのアソシエーションレスポンス処理動作)
アクセスポイントの無線LANポート部27は「アソシエーションレスポンスパケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをステーション登録部23に転送する。
ステーション登録部23は、「アソシエーションレスポンスパケット」を転送されると、「アソシエーションレスポンスパケット」をアクセスポイント制御部21に転送すると同時に、アクセスポイント制御部21に対してパケットを「アソシエーションリクエストパケット」の送信元に送信するように指示する。
アクセスポイント制御部21は、ステーション登録部23からパケットを転送されると、パケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイントのステーション登録処理の動作)
ステーションに「アソシエーションレスポンスパケット」を送信したアクセスポイントのステーション登録部23は、ステーションのMACアドレスをアクセスポイント制御部21に通知する。通知を受けたアクセスポイント制御部21は、通知されたMACアドレスを自アクセスポイントのMACアドレスに関連した「接続関係情報」にステーションSTA1のMACアドレスを登録する(表8)。
さらに、ステーション登録部23は、ステーションSTA1が登録されたことを他のアクセスポイントに通知するため、「接続関係情報」26−1から自アクセスポイントと直接接続されている上位または下位アクセスポイントのMACアドレスの検索を行い、見つかったMACアドレス宛ての「ステーション通知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。「ステーション通知パケット」はステーションのMACアドレス及び所属グループを含む。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送されたパケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25にパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
また、アクセスポイント制御部21は、自アクセスポイントがマスターアクセスポイントである場合には、送受信部25にパケットを有線LANポート部28へも転送するよう指示する。送受信部25は有線LANポート部27へのパケット送信指示を受けると、有線LANポート部27へパケットを転送する。有線LANポート部28はパケットを受け取ると有線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイントのステーション通知受信の動作)
アクセスポイントの無線LANポート部27または有線LANポート部28は、「ステーション通知パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21は「接続関係情報」26−1と共にパケットをステーション登録部23に転送する。
ステーション登録部23は、「ステーション通知パケット」内のステーションのMACアドレスを取り出し、アクセスポイント制御部21に通知する。通知を受けたアクセスポイント制御部21は、通知パケット内の所属グループが自アクセスポイントの所属グループと同一であれば、通知されたMACアドレスを「ステーション通知パケット」の送信元アクセスポイントのMACアドレスに関連した「接続関係情報」26−1に登録する。その他の場合、通知パケット内のMACアドレスが「接続関係情報」に登録されていれば、登録を削除する。
さらに、ステーション登録部23は、「接続関係情報」26−1内に格納されている上位アクセスポイントのMACアドレスと下位アクセスポイントのMACアドレス宛ての「接続通知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。但し、自アクセスポイントが受け取った「接続通知パケット」の送信元は除く。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送されたパケットを送受信部に転送すると同時に、送受信部25に対しパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受け取ると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
また、アクセスポイント制御部21は、自アクセスポイントがマスターアクセスポイントである場合には、送受信部25にパケットを有線LANポート部28へも転送するように指示する。送受信部25は有線LANポート部28へのパケット送信指示を受け取ると、有線LANポート部28へパケットを転送する。有線LANポート部28はパケットを受け取ると有線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(ステーション登録後の状態)
表8にアクセスポイントAP6の接続関係情報へのステーション情報登録例を示す。アクセスポイントMAC列には自アクセスポイントと上位/下位アクセスポイントのMACアドレスを表す。ここではアクセスポイントAP6のMACアドレス(ADR6)とAP6の上位アクセスポイントAP2のMACアドレス(ADR2)が格納されている。ステーションMACアドレスにはグループに登録されたステーションのMACアドレスが格納される。ここではアクセスポイントAP6のMACアドレス(ADR6)の行にステーションSTA1のアドレス(ADRS1)が格納されている。
表9にアクセスポイントAP1の接続関係情報(ステーション情報)を示す。アクセスポイントMAC列にはアクセスポイントAP1のMACアドレス(ADR1)とAP1の下位アクセスポイントAP2のMACアドレス(ADR2)およびAP3のMACアドレス(ADR3)が格納されている。ステーションMACアドレスにはアクセスポイントAP2のMACアドレス(ADR2)の行にステーションSTA1のアドレスが格納され、STA1宛てのパケットはAP2に転送することが示されている。前記の表10は同様にアクセスポイントAP3の接続関係情報(ステーション情報)である。
(ステーションの構成)
アクセスポイントは「接続関係情報」を参照して、高速ハンドオーバー処理を行う。高速ハンドオーバー処理に対応したステーションのブロック図を図37に示す。ステーションはステーション制御部34、メモリ部35、送受信部32、無線LANポート部31、アプリケーション部33、ハンドオーバー要求部36から構成される。
無線LANポート部31は無線LANネットワーク上に送信されたパケットを受信し、送受信部32から送られたパケットを無線LANネットワーク上に送信する。
アプリケーション部33は、無線LANを使用してデータの送受信を行う音声通信機能などを有している。
送受信部32は、ステーション制御部34または無線LANポート部31/アプリケーション部33から転送されたパケットを、ステーション制御部34の指示に従い、無線LANポート部31/アプリケーション部33またはステーション制御部34に転送する。
ステーション制御部34は、ハンドオーバー要求部36にハンドオーバーの指示を出す。また、メモリ部35の「接続関係情報」を参照し、ハンドオーバー(ステーションの移動)の管理を行う。
ハンドオーバー要求部36は、ステーション制御部34からのハンドオーバーの指示に従ってビーコンの送信元MACアドレスと通信環境情報を取り出しステーション制御部34経由でメモリ部25に記録する。
(ステーションハンドオーバー動作)
図35に示すように、AP6に接続しているステーションSAT1がハンドオーバーをする場合について図34を参照して説明する。
ステーションのSTA1の無線LANポート部31はアクセスポイント(AP1〜AP6)のビーコンパケットを受信すると、パケットを送受信部32に転送する。送受信部32に転送されたパケットはステーション制御部34に転送され、さらにハンドオーバー要求部36に転送される。
ハンドオーバー要求部36はパケットを転送されると、ビーコンの送信元MACアドレスと通信環境情報(信号強度とSN比)を取り出し、ステーション制御部34経由で通信環境情報をメモリ部35に記録する。
ステーションSTA1のハンドオーバー要求部36、一定期間内の通信環境情報を集計し、現在通信を行っているアクセスポイントAP6よりも通信に適したアクセスポイントAP3を見つけると、アクセスポイントAP3のMACアドレス(ADR3)をステーション制御部34に通知する。
ステーション制御部34はメモリ内の「接続関係情報」35−1(表6)からAP3のMACアドレスを検索し一致するものがあれば、送受信部32に以後はAP3宛てにパケットを送信するように指示する。「接続関係情報」35−1に一致するMACアドレスがなければ、通常のステーション登録動作を開始する。
(アクセスポイントのハンドオーバー動作)
図36を参照して説明する。
アクセスポイントの無線LANポート部27は、パケットを受信すると、受信したパケットを送受信部25に転送する。送受信部25はパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21は自アクセスポイントに接続していないステーションからパケットを受信した場合、ハンドオーバー処理部24に転送する。
アクセスポイントAP3のハンドオーバー処理部24は、パケットを転送されると、接続関係情報を検索し、「接続関係情報」26−1内にパケットの送信元MACアドレスと一致したアドレスが見つかると、移動通知パケットを作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送されたパケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対しパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受けると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(アクセスポイントの移動通知パケット受信動作)
アクセスポイントの無線LANポート部27は、「移動通知パケット」を受信すると、パケットを送受信部25に転送する。送受信部25は転送されたパケットをアクセスポイント制御部21に転送する。アクセスポイント制御部21はパケットをハンドオーバー処理部24に転送する。
ハンドオーバー処理部24は、「移動通知パケット」内のステーションのMACアドレスを取り出し、アクセスポイント制御部21に通知する。通知を受けたアクセスポイント制御部21は、通知されたMACアドレスを「移動通知パケット」の送信元アクセスポイントに関連した「接続関係情報」に登録する。
ハンドオーバー処理部24は、「接続関係情報」26−1内に格納されている上位アクセスポイントのMACアドレスと下位アクセスポイントのMACアドレス宛ての「移動通知パケット」を作成し、アクセスポイント制御部21に転送する。但し、自アクセスポイントが受け取った「移動通知パケット」の送信元は除く。
アクセスポイント制御部21は、アクセスポイント接続部22から転送されたパケットを送受信部25に転送すると同時に、送受信部25に対しパケットを無線LANポート部27へ転送するように指示する。送受信部25はアクセスポイント制御部21からパケット及び送信指示を受け取ると、無線LANポート部27へパケットを転送する。無線LANポート部27はパケットを受け取ると無線LANネットワーク上にパケットを送信する。
(ハンドオーバー後の状態)
更新前後の接続関係情報(ステーション情報)は、前記の表11,表12,表13,表14に示す通りである。
(アクセスポイントのパケット転送処理)
図36を参照して説明する。
アクセスポイントは他のアクセスポイントから又はステーションから送信されたパケットの転送を行う。図31のようなネットワークにおいてアクセスポイントAP6配下のステーションSTA1からAP3配下のステーションSTA2パケットを送信する場合について説明する。
図32にアクセスポイント間のパケット転送シーケンスを示す。アクセスポイントAP6配下のステーションSTA1はステーションSTA2へパケットを送信する場合、接続しているアクセスポイントAP6にパケットを送信する。
アクセスポイントAP6の無線LANポート部27はパケットを受信すると、受信したパケットを送受信部25に転送する。送受信部25に転送されたパケットはアクセスポイント制御部21に転送される。
アクセスポイント制御部21は、パケットの送信先アドレス(ADRS2)と前記の表11で表されるメモリ部26内の接続関係情報(ステーション情報)を比較し、パケットの転送先アクセスポイントAP2を決定する。そしてAP2にパケットを転送するように送受信部25に指示する。送受信部25は無線LANポート部経由でパケットをアクセスポイントAP2へ送信する。
同様に、アクセスポイントAP2はアクセスポイントAP1へ、アクセスポイントAP1はアクセスポイントAP3へパケットを送信する。
アクセスポイントAP3の無線LANポート部27はパケットを受信すると、受信したパケットを送受信部25に転送する。送受信部25に転送されたパケットはアクセスポイント制御部21に転送される。
アクセスポイントAP3のアクセスポイント制御部21は、パケットの送信先アドレス(ADRS2)と前記の表13で示されるメモリ内のステーション情報を比較し、ステーションSTA2が自アクセスポイントAP3の配下にいることを確認して、ステーションSTA2にパケットを転送するように送受信部25に指示する。送受信部25は無線LANポート部経由でパケットをステーションSTA2へ送信する。
本発明は、無線LANによる通信エリアの拡張、及びハンドオーバーの高速化に適用することができる。
無線LANによる通信エリアの拡張の要領を説明するためのブロック図である。 本発明におけるアクセスポイント接続の要領を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイント接続の制限に用いられるホップ数を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイント接続の制限に用いられる下位アクセス数を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイント接続の際のループの制限を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続開始要求を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイント接続の際の情報報知を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際の接続先選択と接続要求送信を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際の接続判断と接続許可送信を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際の接続設定と接続関係情報更新を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際の総アクセスポイント数による選択を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際のホップ数による選択を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際の下位アクセスポイント数による選択を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際の枝を作らない構成を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際のステーション登録を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際の接続関係情報の通知と更新を説明するための配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続の際の高速オーバーを説明するための配置図である。 本発明による無線LANにおけるパケットの転送を説明するための配置図である。 本発明に用いるアクセスポイントの構成例を示すブロック図である。 本発明におけるアクセスポイント(AP5)の接続前のネットワーク構成を示す配置図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続シーケンス例を示す図である。 本発明におけるアクセスポイントの接続動作を示すフロー図である。 本発明におけるアクセスポイント(AP5)の接続後のネットワーク構成を示す配置図である。 アクセスポイント(AP6)の移動前のネットワーク構成を示す配置図である。 本発明における複数のアクセスポイントから接続先を選択するシーケンス例を示す図である。 本発明におけるアクセスポイントの報知指示パケット受信(b)と接続指示スイッチ押下(a)の際の接続動作を示すフロー図である。 本発明における上位アクセスポイント選択の動作を示すフロー図である。 本発明におけるアクセスポイント(AP6)の移動後のネットワーク構成を示す配置図である。 本発明におけるステーション登録を説明するための配置図である。 本発明におけるステーション登録シーケンス例を示す図である。 本発明による無線LANにおけるパケット転送を説明するための配置図である。 図31に示すパケット転送の動作シーケンスを示す図である。 本発明における高速ハンドオーバーに対応するステーション例を示すブロック図である。 本発明におけるハンドオーバーシーケンス例を示す図である。 本発明におけるハンドオーバーを説明するためのネットワーク例を示す配置図である。 本発明による無線LAN装置の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用する無線LANに用いられるステーションの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 無線LANポート部
2 送受信部
3 有線LANポート部
4 アクセスポイント制御部
4−1 アクセスポイント接続機能
4−2 ステーション登録処理機能
4−3 ハンドオーバー処理機能
4−4 パケット転送機能
5 メモリ部
6 指示手段(スイッチ)
11 無線LANポート部
12 送受信部
13 アプリケーション
14 ステーション制御部
14−1 ステーション登録要求機能
14−2 ハンドオーバー要求機能
15 メモリ
21 アクセスポイント制御部
22 アクセスポイント接続部
23 ステーション登録部
24 ハンドオーバー処理部
25 送受信部
26 メモリ部
26−1 接続関係情報
27 無線LANポート部
28 有線LANポート部
29 スイッチ
31 無線LANポート部
32 送受信部
33 アプリケーション部
34 ステーション制御部
35 メモリ
35−1 接続関係情報
36 ハンドオーバー要求部

Claims (17)

  1. アクセスポイント間接続を行うために、各アクセスポイントは当該アクセスポイントへの有線LANケーブルの接続状態を判断し、該有線LANケーブルが接続された状態ではマスターアクセスポイントとして動作し、該有線LANケーブルが接続されていないアクセスポイントはスレーブアクセスポイントとして動作するステップと、
    相互接続をするように接続指示を受けた2台のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイント又は既にマスターアクセスポイントと直接または間接的に接続されている上位アクセスポイントは「接続報知メッセージ」を送信し、接続指示を受けた2台のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイントと接続されていない下位アクセスポイントは「接続報知メッセージ」を受信し、該「接続報知メッセージ」を送信したアクセスポイント宛てに「接続要求メッセージ」を送信するステップと、
    該「接続要求メッセージ」を受信した上位アクセスポイントは、「接続応答メッセージ」を下位アクセスポイントに通知し、前記2台のアクセスポイントは、相手側アクセスポイントを接続先アクセスポイントとして設定し、上位アクセスポイントはネットワーク内のアクセスポイントに、新しくアクセスポイントが追加されたことを通知するステップとを備えて、
    エリア拡張が行なわれるように構成された無線LANのエリア拡張方法。
  2. 各アクセスポイントは、直接または間接的に接続しているアクセスポイントの数の増加に従って増加する接続指数を接続関係情報として保持するステップと、
    接続要求メッセージを受信した上位アクセスポイントにおける接続許可/拒否の判定は接続関係情報の前記接続指数が予め定めた設定値を超えたときに拒否するステップとをさらに備えて、
    接続先アクセスポイントの追加接続の制限が行なわれるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の無線LANのエリア拡張方法。
  3. 前記接続指数は、マスターアクセスポイントのホップ数を1とし、マスターアクセスポイントに接続されているスレーブアクセスポイントのホップ数を2とし、ホップ数2のスレーブアクセスポイントに接続されているスレーブアクセスポイントのホップ数を3とし、以下4、5と増加させるホップ数であることを特徴とする請求項2に記載の無線LANのエリア拡張方法。
  4. 前記接続指数は、既に接続されている下位アクセスポイント数であることを特徴とする請求項2に記載の無線LANのエリア拡張方法。
  5. アクセスポイントの接続関係情報を調査し、「接続要求メッセージ」を出したアクセスポイントとの接続によりネットワーク内にループができる場合には、当該「接続要求メッセージ」を出したアクセスポイントとの接続を拒否するか、又は当該ループとなる接続を削除するステップをさらに備えて、
    1台のマスターアクセスポイントを基点としてスレーブアクセスポイントをツリー状に配置するアクセスポイント間接続が自動的に実現されるように構成されたことをことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の無線LANのエリア拡張方法。
  6. 複数のアクセスポイントに接続指示を出し、該接続指示を受けた複数のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイント又は既にマスターアクセスポイントと直接または間接的に接続されている上位アクセスポイントは接続報知メッセージを送信し、接続指示を受けた複数のアクセスポイントの内、マスターアクセスポイントと接続されていない下位アクセスポイントは接続報知メッセージを受信するステップと、
    複数のアクセスポイントが送信した接続報知メッセージを受信した下位アクセスポイントは、接続報知メッセージ内の接続関係情報を参照し、接続先アクセスポイントを選択し、接続要求メッセージを選択したアクセスポイントに通知するステップと、
    下位アクセスポイントから接続要求メッセージを受信したアクセスポイントは、接続応答メッセージを送信し、同時に、互いを接続先アクセスポイントとして設定するステップと、
    その後、自アクセスポイントの持つ接続関係情報を更新し、新しい接続関係情報をグループ内のアクセスポイントに送信し、新しい接続関係情報を受信したグループ内のアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を更新するステップと、
    接続先アクセスポイントを選択する場合、接続関係情報内の総アクセスポイント数に従って増加する接続指数情報を用いて、接続先アクセスポイントを制限し、また、よりアクセスポイント数の少ないツリーへの接続を選択するステップとを備え、
    通信先に相応しいアクセスポイントを自動的に見つけ出し、接続を行なうことで、簡単なエリア拡張を実現するように構成された無線LANのエリア拡張方法。
  7. ステーションがスレーブアクセスポイントに登録要求メッセージを送信した場合、独自の機能によりスレーブアクセスポイントは登録要求メッセージをマスターアクセスポイントに転送し、当該マスターアクセスポイントは、該ステーションを登録しても良いかを判断し、登録応答メッセージで許可または拒否をスレーブアクセスポイントに転送し、該スレーブアクセスポイントはステーションに同登録応答メッセージを通知するステップと、
    該ステーションが当該マスターアクセスポイントに登録要求メッセージを送信すると、IEEE802.11標準に従い、通常のステーション登録処理が行なわれるステップとをさらに備え、
    該ステーションを当該マスターアクセスポイントで一元管理し、ステーション管理の簡略化を行なうように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の無線LANのエリア拡張方法。
  8. 上記ステーション集中管理または、IEEE802.11標準のステーション登録処理により、ステーションが登録を許可された場合、前記ステーションと接続された当該アクセスポイントは該ステーションが登録されたことを当該アクセスポイントに直接接続された他のアクセスポイントに通知し、通知を受けたアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を更新すると共に通知を該他のアクセスポイントに転送し、該ステーションを接続したアクセスポイントは該ステーションに自アクセスポイントの持つ接続関係情報を通知するステップをさらに備え、
    同一ツリーでステーションの情報を共有し、パケットの転送、ハンドオーバー時間の短縮に使用することが可能であるように構成されたことを特徴とする請求項6または7に記載の無線LANのエリア拡張方法。
  9. 前記ステーションはビーコン情報またはプローブ応答情報からハンドオーバー先のアクセスポイントを決定して、前記ステーションは、ハンドオーバー先のアクセスポイントにデータパケットを送信するステップと、
    該データパケットを受信したアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を参照し、該ステーションが登録されていれば、接続関係情報を変更して他のアクセスポイントに当該ステーションの移動通知メッセージを送信すると共に、当該ステーションから送信されたデータパケットの転送を行なうステップと、
    該データパケットを受信したアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を参照し、当該ステーションが登録されていなければ、当該ステーションに移動拒否メッセージを送信するステップと、
    前記他のアクセスポイントは移動通知メッセージを受信すると接続関係情報の更新を行い、該ステーション宛てメッセージの転送先アクセスポイントを変更するステップと、
    当該ステーションは自アクセスポイントの持つ接続関係情報に登録されていないか又は移動拒否を通知されたアクセスポイントにハンドオーバーする場合には、IEEE802.11標準のハンドオーバー処理行なうステップとをさらに備え、
    高速ハンドオーバーすることができるように構成されたことを特徴とする請求項6,7または8に記載の無線LANのエリア拡張方法。
  10. 各アクセスポイントは自アクセスポイント宛て以外のメッセージを受信した場合、自アクセスポイントの持つ接続関係情報を参照してメッセージの転送先を決定して、自アクセスポイントに接続されているアクセスポイント又はステーションにメッセージを転送するか、又はメッセージを破棄するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の無線LANのエリア拡張方法。
  11. 各アクセスポイントは、接続指示ボタンの押下、接続指示メッセージの送信、電源投入等の外部からの接続指示、または接続先アクセスポイントの停止、有線ケーブルの接続等の環境変化を検出したときに、自動的にアクセスポイント間接続動作を開始するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の無線LANのエリア拡張方法。
  12. 有線LANケーブルに接続されたアクセスポイントはマスターアクセスポイントとして動作し、該有線LANケーブルに接続されていないアクセスポイントはスレーブアクセスポイントとして動作するように設定され、
    前記マスターアクセスポイントは前記有線LANケーブル側に対しては有線LANによる信号伝送を行い、前記スレーブアクセスポイントに対しては無線LANによる信号伝送を行うように設定され、
    前記スレーブアクセスポイントは前記マスターアクセスポイント及び他のスレーブアクセスポイントに対しては無線LANによる信号伝送を行うように設定されており、
    前記マスターアクセスポイント及び前記スレーブアクセスポイントのうち少くとも前記スレーブアクセスポイントにはステーションが登録によりアクセス可能なように設定されたLANシステム。
  13. 無線LANポート部と、送受信部と、アクセスポイント接続部と、ステーション登録部と、ハンドオーバー処理部と、メモリ部と、アクセスポイント制御部と、指示手段とを備え、
    前記無線LANポート部は、無線LANネットワーク上のパケットを受信するとともに、前記送受信部から送られたパケットを前記無線LANネットワーク上に送信し、
    前記送受信部は、前記アクセスポイント制御部から転送されたパケットを前記無線LANポート部に転送するとともに、前記無線LANポート部から転送されたパケットを前記アクセスポイント制御部に転送し、
    前記アクセスポイント接続部は、前記アクセスポイント制御部からの指示に従い、アクセスポイント接続処理を行い、
    前記ステーション登録部は、前記アクセスポイント制御部からの指示に従い、ステーション登録処理を行い、
    前記ハンドオーバー処理部は、前記アクセスポイント制御部からの指示に従い、ハンドオーバー処理を行い、
    前記メモリ部は、接続関係情報を記憶し、
    前記アクセスポイント制御部は、前記メモリ部内の「接続関係情報」を参照し、前記アクセスポイント接続部、前記ステーション登録部と前記ハンドオーバー処理部に処理を依頼し、前記メモリ部内の「接続関係情報」の登録/更新/削除を行い、
    前記指示手段は、前記アクセスポイント制御部に必要な指示をする、
    ように構成されたアクセスポイント。
  14. 有線LANネットワーク上のパケットを受信するとともに、前記送受信部から送られたパケットを前記有線LANネットワーク上に送信する有線LANポート部をさらに備え、
    前記送受信部は、前記アクセスポイント制御部から転送されたパケットを前記無線LANポート部または有線LANポート部に転送し、
    前記送受信部は、前記無線LANポート部または有線LANポート部から転送されたパケットを、前記アクセスポイント制御部に転送する、
    ように構成された請求項13に記載されたアクセスポイント。
  15. 無線LANポート部と、送受信部と、アプリケーション部と、ステーション制御部と、メモリ部と、ハンドオーバー要求部とを備え、
    前記無線LANポート部は、無線LANネットワーク上のパケットを受信するとともに、前記送受信部から送られたパケットを前記無線LANネットワーク上に送信し、
    前記アプリケーション部は、無線LANネットワークを介するデータの送受信を行う音声通信機能を有し、
    前記送受信部は、前記ステーション制御部または前記アプリケーション部から転送されたパケットを前記無線LANポート部に転送するとともに、前記無線LANポート部から転送されたパケットを前記ステーション制御部または前記アプリケーション部に転送し、
    前記ステーション制御部は、前記ハンドオーバー要求部にハンドオーバーの指示を出すとともに、前記メモリ部に記憶された接続関係情報を参照してハンドオーバーの管理を行い、
    前記ハンドオーバー要求部は、前記ステーション制御部からのハンドオーバーの指示に従ってビーコンの送信元MACアドレスと通信環境情報を取り出して前記ステーション制御部を経由して前記メモリ部に記憶する、 ように構成されたステーション。
  16. 有線LANケーブルに接続されたアクセスポイントはマスターアクセスポイントとして動作し、該有線LANケーブルに接続されていないアクセスポイントはスレーブアクセスポイントとして動作するように設定され、
    前記マスターアクセスポイントは前記有線LANケーブル側に対しては有線LANによる信号伝送を行い、前記スレーブアクセスポイントに対しては無線LANによる信号伝送を行うように設定され、
    前記スレーブアクセスポイントは前記マスターアクセスポイント及び他のスレーブアクセスポイントに対しては無線LANによる信号伝送を行うように設定されており、
    前記マスターアクセスポイント及び前記スレーブアクセスポイントのうち少くとも前記スレーブアクセスポイントにはステーションが登録によりアクセス可能なように設定されたLANシステムであって、
    複数のアクセスポイントに接続指示を出し、該接続指示を受けた複数のアクセスポイントの内、前記マスターアクセスポイント又は既にマスターアクセスポイントと直接または間接的に接続されている上位アクセスポイントは接続報知メッセージを送信し、接続指示を受けた複数のアクセスポイントの内、前記マスターアクセスポイントと直接又は間接的に接続されていない下位アクセスポイントは接続報知メッセージを受信し、
    前記複数のアクセスポイントが送信した「接続報知メッセージ」を受信した前記下位アクセスポイントは、該「接続報知メッセージ」内の「接続関係情報」を参照し、接続先アクセスポイントを選択し、「接続要求メッセージ」を選択したアクセスポイントとに通知し、
    前記下位アクセスポイントから「接続要求メッセージ」を受信したアクセスポイントは、「接続応答メッセージ」を送信し、同時に、互いを接続先アクセスポイントとして設定し、
    その後、自アクセスポイントの持つ「接続関係情報」を更新し、新しい「接続関係情報」をグループ内のアクセスポイントに送信し、該新しい「接続関係情報」を受信したグループ内のアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ「接続関係情報」を更新し、
    接続先アクセスポイントを選択する場合、「接続関係情報内」の総アクセスポイント数に従って増加する「接続指数情報」を用いて、接続先アクセスポイントを制限し、また、よりアクセスポイント数の少ないツリーへの接続を選択するように構成され、
    通信先に相応しいアクセスポイントを自動的に見つけ出して接続を行なって、エリア拡張を実現し得るように構成されたLANシステム。
  17. 前記ステーションが登録を許可された場合、該ステーションと接続された当該アクセスポイントは該ステーションが登録されたことを当該アクセスポイントに直接接続された他のアクセスポイントに通知し、該通知を受けたアクセスポイントは自アクセスポイントの持つ接続関係情報を更新すると共に他のアクセスポイントがある場合当該通知を該他のアクセスポイントに転送し、該ステーションを接続したアクセスポイントは該ステーションに自アクセスポイントの持つ接続関係情報を通知し、
    同一ツリーで該ステーションの情報を共有し、パケットの転送、ハンドオーバー時間の短縮に使用することが可能であるように構成されたことを特徴とする請求項12または16に記載のLANシステム。
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