JP4650525B2 - 通信端末装置、およびハンドオーバー処理方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

通信端末装置、およびハンドオーバー処理方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

本発明は、通信端末装置、およびハンドオーバー処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、移動通信端末(移動ノード)がアクセスポイント間を移動した場合にも、途切れのない通信を可能とした通信端末装置、およびハンドオーバー処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
昨今、様々な通信ネットワークを介したデータ転送が盛んに行なわれている。PC、ワークステーション、PDA、携帯端末等、様々な、情報処理機器、通信機器が相互にネットワーク接続されデータ通信が行なわれている。これら様々な、通信機器を相互に接続し、通信処理を行なうためのプロトコルとして、例えばTCP/IPプロトコルがある。TCP/IPプロトコルは、論理アドレスであるIPアドレスを用いて、ネットワーク上に通信端末位置を特定することができる。さらに、各情報処理装置、通信端末自体を識別するMACアドレス(イーサネット(登録商標)アドレス)が、各々の情報処理装置のネットワーク内での一意性を確保し、ネットワークを介するデータパケット(またはフレーム)の端末間の通信を可能としている。
MACアドレスはハードウェアの製造業者に対して割り当てられる3バイト、および各装置に対して付与される3バイトの計6バイトによって構成され、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)によって管理されており、各装置に固有なアドレスとして設定される。
MACアドレスを参照することにより、ネットワークを介したデータ転送の中継処理を行なう機器としてスイッチ(イーサネット(登録商標)スイッチまたはLANスイッチ)がある。スイッチは、OSI参照モデルにおけるデータリンク層における処理を実行し、パケットの宛先としてのMACアドレスを識別して、宛先に対するパケット中継処理を行なう。
中継装置として従来から使用されているハブは、OSI参照モデルでの物理層レベルでの処理を行ない、すべての接続ノードにパケットの送信を実行するが、スイッチは、上述のようにMACアドレスの識別により、宛先アドレスに対してのみ、パケット中継を実行するので、ネットワークのパケットトラフィックが減少し、効率的なパケット中継処理が実現される。
スイッチは、受信パケット、例えばイーサネット(登録商標)フレームを常に全ポートに転送(flooding)するハブと異なり、受信パケットの始点(source)MACアドレスと受信ポートを対応づける(学習する)ことにより、以後、そのMACアドレス宛のパケットを受信した場合は、対応づけられたポートへのみ転送する仕組みを持つ。このMACアドレスと(出力)ポートの対応付けの集まりをMAC学習テーブルと呼ぶ。MAC学習テーブルにより、受信パケットを最低限のポートにのみ転送すればよいため、スイッチは、ハブと比較して、高いスループットを実現する。なお、MAC学習テーブルに登録されていないMACアドレス宛のパケットを受信した場合は、ハブ同様、全ポートへ転送される。
また、スイッチにおいて、MAC学習テーブルの各エントリは、通常ソフトステートで管理される。同じMACアドレスを始点アドレスとしたイーサフレームを、一定時間(通常5分)以上、対応づけられたポートと同じポートから受信しない場合は、そのエントリは削除される。また、対応付けられたポートと異なるポートから受信した場合は、スイッチは、即座にそのMACアドレスに対応づけられた出力ポート先を変更する。言い換えると、スイッチにおいて、あるMACアドレスに関するエントリがMAC学習テーブルに登録された場合、そのMACアドレスをもつノードが、明示的にパケットをスイッチへ送信しない限り、スイッチで保持しているそのMACアドレスに関するエントリは、一定時間が経過するまで削除されない。
このスイッチの挙動は、パケットの送受信端末が移動する場合、すなわち移動ノードにとって深刻な問題となる。たとえば、あるスイッチの下流(downlink)に接続されているアクセスポイント間を、移動ノードが移動(ハンドオーバー)することを考える。なお、説明を簡単にするために、このアクセスポイント間を移動しても、IPサブネットは変わらないものとする。
まず、移動ノードが一方のアクセスポイントに接続し、インターネット上のあるノードと通信を行った結果、スイッチのMAC学習テーブルにおいて、その移動ノードのMACアドレスに関するエントリが作成されたとする。この状態で、移動ノードがもう一方のアクセスポイントへ移動した場合、移動ノードが単にハンドオーバーしただけでは、スイッチのMAC学習テーブルに登録されているその移動ノードのMACアドレスに関するエントリは残ったままである。そのため、その移動ノード宛のデータパケットをスイッチが受信した場合は、(その移動ノードのMACアドレスに関するエントリが一定時間経過後に削除されるまで)移動前の接続アクセスポイントに向かってそのデータパケットは誤って転送されてしまう。
また、移動ノードが、ハンドオーバー前にストリーミング映像を受信している(移動ノードはデータを受信するだけで、送信はしない)状況で、ハンドオーバー後もそのストリーミング映像を継続して受信したい場合でも、スイッチのMAC学習テーブルにおいて、移動ノードに関するエントリは、移動前のアクセスポイントが接続されているポートに対応づけられたままなので、ストリーミング映像のデータパケットは、イーサネット(登録商標)スイッチにおいて、誤った古い対応づけに従って、(その古い対応づけが一定時間経過後に削除されるまで)移動前の接続アクセスポイントに向かって転送されてしまう。
上述した移動ノードにおけるアクセスポイント移動による通信エラーの問題は、移動前のアクセスポイントのスイッチに移動前の古いエントリが残ることが原因である。この問題は、移動ノードがハンドオーバー後、即座にイーサネット(登録商標)スイッチに向けて、なんらかの移動通知メッセージを送信することで、ある程度解決することが可能である。このメッセージ送信手法の適用構成を開示した従来技術としてとして、特開2000−341339号に開示の方式がある。
特開2000−341339号に開示の方式は、移動ノードが、ハンドオーバー直後に、特殊なアドレス解決プロトコル(ARP:Address Resolution Protocol、RFC826)パケットをブロードキャスト送信することで、上流にあるスイッチ(イーサネット(登録商標)スイッチ)のMAC学習テーブルの、その移動ノードに関するエントリを最新の対応づけに更新する構成である。
この特開2000−341339号に開示の方式により、スイッチの下流(downlink)に接続されているアクセスポイント間を、移動ノードが移動(ハンドオーバー)しても、パケット中継機器としてのスイッチは、その移動ノードのMACアドレスに関する最新の対応づけを保持することができる。
しかし、この特開2000−341339号に開示の方式は、高速ハンドオーバーに十分対応し得るものとは言えない。なぜなら、特開2000−341339号に開示の方式は、ノードの移動後に、ノードがアドレス解決プロトコル(ARP)パケットをブロードキャスト送信する処理、それをアクセスポイントが転送する処理、さらに、転送パケットをスイッチが受信する処理、パケットを受信したスイッチが、ARPパケットに基づいてMAC学習テーブルを更新する処理、これらの複数の処理をシーケンシャルに実行することが必要となるため、この処理期間は、スイッチの、移動ノードのMACアドレスに関するエントリがあいかわらず古い対応づけのままに保持されてしまい、そのため、その間にスイッチに到着した移動ノード宛のデータパケットは移動前のアクセスポイントに向かって転送されてしまうことになるからである。
移動ノードがストリーミング映像などを受信している状態でアクセスポイントを移動、すなわちハンドオーバーした場合には、新しいアクセスポイントへ接続が完了した時点から、即座にストリーミング映像を受信できることが望ましい。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、移動ノードの高速ハンドオーバーに十分対応し、移動ノードがアクセスポイントを高速移動した場合であっても、パケット中継をスムーズに継続して正しいノードに中継することを可能とした通信端末装置、およびハンドオーバー処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、移動ノードの高速ハンドオーバーをサポートするための新手法を提案するものであり、この手法により、ある移動ノードがストリーミング映像などを受信している状態でハンドオーバーした場合でも、新しいアクセスポイントへ接続が完了した時点から、即座にストリーミング映像を受信することが可能となる。
本発明の第1の側面は、
ネットワークを介したデータ送受信を実行するとともに、データ受信状況に基づくアクセスポイント変更を行なう移動型の通信端末装置であり、
通信端末装置が次に接続予定の次接続アクセスポイントのMACアドレスの取得処理を実行し、取得した次接続アクセスポイントMACアドレスを格納したハンドオーバー開始メッセージをブロードキャスト送信する処理を実行する構成を有する通信端末装置にある。
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記通信端末装置は、前記ハンドオーバー開始メッセージに対するデータ転送制御装置からの応答メッセージとしてのハンドオーバー設定完了メッセージの受信を条件としてハンドオーバー処理を実行する構成である。
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記通信端末装置は、定期的に全無線チャネルを走査することとしてのバックグラウンド・スキャン処理を実行し、受信ビーコンの始点MACアドレスを次接続アクセスポイントのMACアドレスとして取得し、記憶する処理を実行する構成を有する。
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記通信端末装置は、前記ハンドオーバー開始メッセージ送信の後、ハンドオーバー設定完了メッセージの受信に至る期間、前記ハンドオーバー開始メッセージの再送処理を実行する構成である。
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記通信端末装置は、ハンドオーバー処理の実行後、該通信端末装置が接続を解除した旧接続アクセスポイントのMACアドレスを格納したハンドオーバー終了メッセージを、前記ハンドオーバー設定完了メッセージの送信元に対してまたはブロードキャスト送信する処理を実行する構成である。
さらに、本発明の第2の側面は、
ネットワークを介したデータ送受信を実行するとともに、データ受信状況に基づくアクセスポイント変更を行なう移動型の通信端末装置におけるハンドオーバー処理方法であり、
通信端末装置が次に接続予定の次接続アクセスポイントのMACアドレスの取得処理を実行するMACアドレス取得処理ステップと、
取得した次接続アクセスポイントMACアドレスを格納したハンドオーバー開始メッセージをブロードキャスト送信する処理を実行するメッセージ送信ステップと、
前記ハンドオーバー開始メッセージに対するデータ転送制御装置からの応答メッセージとしてのハンドオーバー設定完了メッセージの受信を条件としてハンドオーバー処理を実行するハンドオーバー実行ステップと、
を有するハンドオーバー処理方法にある。
さらに、本発明の第3の側面は、
ネットワークを介したデータ送受信を実行するとともに、データ受信状況に基づくアクセスポイント変更を行なう移動型の通信端末装置におけるハンドオーバー処理をコンピュータ・システム上で実行するために記述されたコンピュータ・プログラムであって、
通信端末装置が次に接続予定の次接続アクセスポイントのMACアドレスの取得処理を実行するMACアドレス取得処理ステップと、
取得した次接続アクセスポイントMACアドレスを格納したハンドオーバー開始メッセージをブロードキャスト送信する処理を実行するメッセージ送信ステップと、
前記ハンドオーバー開始メッセージに対するデータ転送制御装置からの応答メッセージとしてのハンドオーバー設定完了メッセージの受信を条件としてハンドオーバー処理を実行するハンドオーバー実行ステップと、
を有するコンピュータ・プログラムにある。
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づく、より詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本発明の構成によれば、通信端末装置としての移動ノードから移動先のアクセスポイントのアドレス情報を格納したハンドオーバー開始メッセージをデータ転送制御装置としてのスイッチに送信し、スイッチにおいて、メッセージ格納アドレスに基づいて、MAC学習テーブルに対するエントリ追加を実行するとともに、移動ノード宛てのパケットをMAC学習テーブルのエントリに基づいて、移動ノードの現アクセスポイントに加え、移動先アクセスポイント方面にも並列して転送する構成としたので、移動ノードは、ハンドオーバー後、新しいアクセスポイントに接続した直後から、即座にデータパケットを受信することができ、高速ハンドオーバーのサポートが可能となる。
さらに、本発明の構成によれば、通信端末装置としての移動ノードは、ハンドオーバー後、ハンドオーバー終了メッセージをデータ転送制御装置としてのスイッチに送信し、スイッチにおいてバイキャスト(bi−cast)の設定解除処理、すなわち、MAC学習テーブルの旧エントリを削除することにより移動ノードの移動前のアクセスポイント方面に対する移動ノード宛のデータパケットの転送が停止され、ネットワーク上の無駄なトラフィックを削減することが可能となりデータ転送効率、トラフィックの改善が実現される。
以下、本発明の構成について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の構成が適用可能な通信ネットワーク構成例を示す図である。図1は、インターネット等の通信ネットワーク102を介したノード間の通信構成を示している。通信は、通信端末装置としてのクライアントノード(CN)101と、移動ノード(MN)106間で行なわれる。
データ転送制御装置としてのスイッチ(イーサネット(登録商標)スイッチ)103は、OSI参照モデルでのデータリンク層に対応する処理、すなわち、中継対象となるデータパケット(イーサネット(登録商標)フレーム)のMACアドレスを参照して、スイッチングを行ない、MACアドレスと出力ポートを対応付けたMAC学習テーブル(図2参照)に基づいて、出力ポートを決定してパケットの中継を行なう。
図1に示すデータ転送制御装置としてのスイッチ103は、スイッチ103の下流ポートP1とP2の各々に対応するアクセスポイントA1,104とA2,105をそれぞれ接続した構成を持つ。スイッチ103のMACアドレスを[SWM]とする。
アクセスポイントA1,104とA2,105は、それぞれ、所定のアクセス領域内に存在するノードが実行する通信におけるデータ(パケット)転送を行なう。図1においては、アクセスポイントA1,104はアクセス領域111、アクセスポイントA2,105はアクセス領域112内に存在する通信ノード実行する通信におけるデータ(パケット)転送処理を行なう。
アクセスポイントA1,104とA2,105の無線インターフェース側MACアドレスはそれぞれ[AWM1]、[AWM2]とする。アクセスポイントA1,104とA2,105からは、スイッチ103に対して、始点アドレスとして、アクセスポイントの無線インターフェース側のMACアドレスを持つ任意のイーサネット(登録商標)フレームが定期的に送信される。
スイッチ103は、フレーム受信によりMAC学習テーブルの更新処理を実行する。この更新処理により、スイッチ103のMAC学習テーブルには図2で示すようなエントリが作成される。なお、スイッチ103は、上流ポートP0で上流のネットワーク(インターネット:INET)102に接続されており、クライアントノード(CN)101はネットワーク(インターネット:INET)102に接続しているノードである。
このような構成において、クライアントノード(CN)101と、移動ノード(MN)106間で通信が行なわれ、その通信中に移動ノード(MN)106が、アクセス領域111からアクセス領域112に移動した場合、このノード移動に伴うアクセスポイント切り換え、すなわちアクセスポイントA1,104からアクセスポイントA2,105への切り換えが必要となる。
従来のシステムにおいては、移動ノード(MN)106がアクセス領域112に移動した後も、スイッチ103のMAC学習テーブルの書き換えが完了するまでの間、スイッチ103は、更新されないMAC学習テーブルに基づくパケット中継を行なうことになり、すでに移動ノード(MN)106が存在しないアクセス領域111に対応したアクセスポイントA1,104に対して中継パケットを出力してしまい。アクセス領域112いる移動ノード(MN)106は、このテーブル更新完了までの期間、データフレーム(パケット)を受信することができなくなる。例えば音楽、画像等のストリーミング配信が行なわれている場合にあっては、この期間、音楽あるいは画像が途切れてしまうことになる。
本発明の構成においては、「移動ノードがアクセスポイント間を移動、すなわちハンドオーバーを行なう前に、中継機器としてのスイッチ(例えばイーサネット(登録商標)スイッチ)103においてあらかじめ移動先のアクセスポイント方面にも移動ノード宛のデータパケットを転送させる処理を行なう。この処理を、以下、バイキャスト(bi−cast)と呼ぶ。
すなわち、図1の構成例において、スイッチ103は、移動ノード(MN)106が現在いるアクセス領域に対応するアクセスポイントA1,104に対してデータパケットの中継処理(転送)を実行するのみならず、アクセスポイントA2,105に対しても並行してデータパケットの中継処理(転送)を実行する。このバイキャスト(bi−cast)処理により、移動ノード(MN)106は、アクセスポイントA1,104からアクセスポイントA2,105へ移動した瞬間から、異なるアクセスポイントからデータパケットを途切れなく受信することが可能となる。
本発明のシステムでは、データ中継装置としてのスイッチ103がこのバイキャスト(bi−cast)処理を実行することにより、移動ノード106の高速ハンドオーバーをサポートする。バイキャスト(bi−cast)により、移動ノード106は、ハンドオーバー後、新しいアクセスポイントに接続した直後から、即座にデータパケットを受信することができる。
バイキャスト(bi−cast)を実現するために、本発明の構成におけるデータ(パケット)中継装置としてのスイッチ103は、既存(従来)の処理に加え、次の処理を実行する機能を持つ。
(S1)スイッチにおいて保持しているMAC学習テーブルにおいて、任意のエントリを追加、削除、検索する処理。
(S2)移動ノードからのハンドオーバー開始メッセージを受信する処理。
(S3)移動ノードから受信したハンドオーバー開始メッセージに従って、移動ノードの現接続アクセスポイントが接続されているポートだけでなく、次に接続予定のアクセスポイントが接続されているポートにも、移動ノード宛のデータパケットを転送するように、MAC学習テーブルに新しいエントリを追加する処理。
(S4)MAC学習テーブルに新しいエントリを追加後、移動ノードへハンドオーバー設定完了メッセージを送信する処理。
(S5)移動ノードからハンドオーバー終了メッセージを受信する処理。
(S6)移動ノードから受信するハンドオーバー終了メッセージに従って、移動ノードの旧接続アクセスポイントが接続されているポートへ、移動ノード宛のデータパケットを転送しないように、MAC学習テーブルの古いエントリを削除する処理。
一方、パケット送受信を行なう移動ノード106は、次の処理を実行する機能を持つ。
(N1)移動ノードが、次に接続する予定のアクセスポイントの無線インターフェース側MACアドレスの候補を常時、あるいは定期的に把握する処理。これは、定期的に全てのデータ送受信チャネルを走査するバックグラウンド・スキャン(Background Scan)を行ない、その際、受信した各ビーコン(Beacon)の始点MACアドレス(=アクセスポイントの無線インターフェース側MACアドレス)を記憶する処理により実現される。
(N2)ストリーミング映像等のデータパケットを受信している状況の中で、移動ノード106がハンドオーバーを行なう場合は、ハンドオーバー実行の直前に、ハンドオーバー開始メッセージを、上流のスイッチ103に向けて送信する処理。
(N3)スイッチからハンドオーバー設定完了メッセージを受信した場合は、即座に、ハンドオーバーを行う。ハンドオーバー開始メッセージを送信後、一定時間経過してもハンドオーバー設定完了メッセージを受信できない場合は、ハンドオーバー開始メッセージを再送する。一定回数以上再送しても、ハンドオーバー設定完了メッセージを受信できない場合は、スイッチにおけるバイキャスト(bi−cast)の設定を断念し、即座にハンドオーバーを実行する。
(N4)ハンドオーバー後に、ハンドオーバー終了メッセージを、上流のスイッチに向けて、送信する処理。
さらに、スイッチ103に接続されたアクセスポイントに、次の機能を追加する。
(A1)上流のスイッチ103に向けて、定期的に始点MACアドレスがアクセスポイントの無線インターフェース側MACアドレスである任意のイーサネット(登録商標)フレームを送信する。なお、定期的にとは、イーサネット(登録商標)スイッチにおいてMAC学習テーブルのエントリが削除されない程度の頻度である。
この、アクセスポイントからスイッチに対するイーサネット(登録商標)フレーム送信処理は、イーサネット(登録商標)スイッチに、どのアクセスポイントがどのポートに接続しているかを把握させ、スイッチのMAC学習テーブルに下流の各アクセスポイントに関するエントリを作成させるために行なう処理である。
次に、移動ノード106のアクセスポイント切り換え、すなわちハンドオーバー前後における、移動ノード、アクセスポイント、スイッチの各挙動について具体的に説明する。
前述したように、スイッチ103の下流に接続している各アクセスポイント、すなわち、図1においては、アクセスポイントA1,104、およびアクセスポイントA2,105は定期的に、始点アドレスをアクセスポイントの無線インターフェース側のMACアドレスとした任意のイーサネット(登録商標)フレームを送信しており、スイッチ103は、受信フレームに基づいて、スイッチ103内の記憶手段に格納したMAC学習テーブルに、各アクセスポイントの無線インターフェース側MACアドレスに関するエントリを作成・維持する。
すなわち、スイッチ103は、移動ノードに対するデータ転送を実行する各アクセスポイントからのデータを受信し、該受信データに基づいて、各アクセスポイントに対する出力ポートの対応データをMAC学習テーブルに設定する処理を実行する。この処理の結果として、スイッチ103は、MAC学習テーブルに図2に示すエントリを作成・維持する。
移動ノード(MN)(MACアドレス:MNM)106がアクセスポイントA1,104を介した通信を開始した場合を想定する。移動ノード(MN)106は、クライアントノード(CN)101から例えばストリーミング映像を受信している。このとき、スイッチ103には、クライアントノード(CN)101と、移動ノード(MN)106との送受信パケットのアドレス解析により、MAC学習テーブルに、この通信に関する新規エントリを追加する。すなわち、スイッチ103の記憶部に格納されるMAC学習テーブルには、図3に示す新規エントリが追加される。
図3のMAC学習テーブルのエントリに示すMACアドレス:MNMは、移動ノードMN106のMACアドレスである。この新規エントリは、MACアドレス:MNMを宛先として持つパケットは出力ポートP1に出力する設定であることを示している。
この状態で、移動ノードMN106が、アクセス領域111からアクセス領域112へ移動し、アクセスポイントがアクセスポイントA1,104からアクセスポイントA2,105へ切り換わるハンドオーバーがなされた場合であっても、本発明の構成によれば、移動ノードMN106のアクセスポイントA2,105に対する接続後、即座にストリーミング映像の受信が可能となる。
以下、本発明の通信システムにおけるハンドオーバー前後の処理の詳細について説明する。移動ノードMN106は、ハンドオーバー前にスイッチ(SW)103に向けて、ハンドオーバー開始メッセージの送信を実行する。
図4(1)に移動ノードMN106からスイッチ(SW)103に対して送信するハンドオーバー開始メッセージのフォーマット例を示す。
図4(1)に示すハンドオーバー開始メッセージは、イーサタイプフィールドにハンドオーバーメッセージ用に設定したイーサタイプ番号(図に示す例では0x01ca)を格納したイーサネット(登録商標)フレームで実現したメッセージ構成を示しており、始点MACアドレスには移動ノードMN106のMACアドレス[MNM]を、終点MACアドレスにはブロードキャストMACアドレス(0xffffff)を格納する。
終点MACアドレスに、目標とすべきスイッチ103のMACアドレスを格納せず、ブロードキャストMACアドレスを格納するのは、移動ノードMN106は、スイッチ103のMACアドレスを知らないからである。ハンドオーバー開始メッセージのメッセージタイプフィールドには、ハンドオーバー開始メッセージを示すメッセージ番号(0x01)を、移動ノードフィールドには、移動ノードMN106のMACアドレス[MNM]を、次接続アクセスポイントフィールドには、ハンドオーバー後に接続するアクセスポイントA2,105の無線インターフェース側MACアドレス[AWM2]をそれぞれ格納する。
各フィールドに上述したデータを格納したハンドオーバー開始メッセージ例を図4(2)に示す。
移動ノードMN106から送信されたハンドオーバー開始メッセージは、移動ノードMN106が現在接続しているアクセスポイントA1,104を経由し、スイッチ(SW)103に届く。
スイッチ(SW)103は、ハンドオーバー開始メッセージをポートP1より受信する。スイッチ(SW)103は、まず、受信メッセージのイーサタイプフィールドをチェックし、ハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)であるかどうかを確認する。イーサタイプフィールドに0x01ca以外のイーサタイプ番号が格納されている場合は、その番号に従って予め定められた処理を実行する。
イーサタイプフィールドにハンドオーバー開始メッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)が格納されている場合は、ハンドオーバーに関する特別なイーサネット(登録商標)フレームであると判断し、以下の処理を行う。
なお、ハンドオーバー開始メッセージ自体は、上述したように終点MACアドレスがブロードキャストMACアドレスとして設定されているが、ハンドオーバー開始メッセージを受信したスイッチ103は、このメッセージが、イーサタイプ番号に基づいてハンドオーバー開始メッセージであると確認された場合は、このメッセージの他ポートへの転送を行なわない。
また、スイッチ103は、ハンドオーバー開始メッセージをポートP1より受信した時点で、通常のイーサネット(登録商標)スイッチの機能に従って、MAC学習テーブル上に移動ノード(MN)106に関するエントリがあるか否かを確認し、エントリが無い場合には移動ノード(MN)106に関するエントリを作成する処理を実行する。このエントリ作成処理により、図3で示される移動ノード(MN)106に関するエントリが作成される。
スイッチ103は、次に、ハンドオーバー開始メッセージのメッセージタイプフィールドを参照し、ハンドオーバー開始メッセージを示すメッセージ番号(0x01)であることを確認後、次接続アクセスポイントフィールドで示されるアクセスポイントA2,105のMACアドレス[AWM2]に関するエントリがスイッチ103内のMAC学習テーブルにあるかの検索処理を実行する。
MAC学習テーブルの検索の結果、次接続アクセスポイントA2,105のMACアドレス[AWM2]に関するエントリがMAC学習テーブルに登録されていないと判定された場合は、ハンドオーバー開始メッセージに関する処理を終了する。
MAC学習テーブルに次接続アクセスポイントA2,105のMACアドレス[AWM2]に関するエントリが登録されている場合は、MAC学習テーブルの該当エントリにおいて、次接続アクセスポイントA2,105のMACアドレス[AWM2]に対応づけられている出力ポートP2と、ハンドオーバー開始メッセージの移動ノードフィールドで示される移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]を対応づけた新しいエントリを新規に作成する。
新規作成されたエントリを図5に示す。図5に示すように、新規エントリは、移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]に対して、出力ポートP2、すなわち、次接続アクセスポイントA2,105のMACアドレス[AWM2]に対応づけられている出力ポートP2が登録される。
この新規エントリ作成により、スイッチ103は、移動ノード(MN)106に関するエントリとして、図6に示すように、移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]に対して、出力ポートとして、P1、およびP2を対応付けた2つのエントリを有することになる。
従って、スイッチ103は、この処理の後、スイッチ103が移動ノード(MN)106宛、すなわち、終点アドレス:MNMが設定されたデータパケットを受信すると、そのデータパケットを、保持するMAC学習テーブル(図6参照)のエントリに従って、ポートP1とP2の双方に転送する。すなわち受信パケットのバイキャスト(bi−cast)処理が実行される。
スイッチ103は、MAC学習テーブルに新しいエントリを作成後、移動ノード(MN)106へハンドオーバー設定完了メッセージを送信する。このハンドオーバー設定完了メッセージは、ハンドオーバー開始メッセージを受信したポートP1へのみ送信する。
図7(1)にハンドオーバー設定完了メッセージのフォーマット例を示す。図7(1)に示すハンドオーバー設定完了メッセージは、ハンドオーバー開始メッセージと同様、イーサタイプフィールドに0x01caを格納したイーサネット(登録商標)フレームで実現した例である。
始点MACアドレスにはスイッチ(SW)103のMACアドレス[SWM]を、終点MACアドレスには、受信したハンドオーバー開始メッセージの始点MACアドレスの値、すなわち移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]を格納する。ハンドオーバー設定完了メッセージのメッセージタイプフィールドには、設定完了メッセージを示すメッセージ番号(0x02)を格納する。ハンドオーバー設定完了メッセージのデータ格納構成例を図7(2)に示す。
スイッチ(SW)103から送信された図7に示すハンドオーバー設定完了メッセージは、ハンドオーバー開始メッセージを受信したポートP1を介して出力され、アクセスポイントA1,104を経由して、移動ノード(MN)106に届く。
ハンドオーバー設定完了メッセージを受信した移動ノード(MN)106は、まず、受信したハンドオーバー設定完了メッセージのイーサタイプフィールドをチェックし、ハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)であるかどうかを確認する。もし、0x01ca以外の場合は、その設定タイプに従った処理を実行する。
イーサタイプフィールドに、ハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)が設定されている場合には、ハンドオーバーに関する特別なイーサネット(登録商標)フレームであると判断し、以下の処理を行う。
移動ノード(MN)106は、ハンドオーバー設定完了メッセージのメッセージタイプフィールドを参照し、設定完了メッセージを示すメッセージ番号(0x02)が格納されていることを確認後、ハンドオーバーを実行、すなわちアクセス領域111からアクセス領域112の移動および、アクセスポイントの切り換え、すなわちアクセスポイントA1,104に対する接続を解除し、アクセスポイントA2,105に対する接続を行なう。
なお、移動ノード(MN)106は、ブロードキャストによるハンドオーバー開始メッセージの送信後、一定時間以上経過しても、ハンドオーバー設定完了メッセージをスイッチ103から受信しない場合は、ハンドオーバー開始メッセージの再送処理を実行する。移動ノード(MN)106において予め定められた回数のハンドオーバー開始メッセージの再送を実行しても、スイッチからのハンドオーバー設定完了メッセージを受信できない場合は、スイッチに対するバイキャスト(bi−cast)処理の設定依頼を断念し、移動ノード(MN)106は、ハンドオーバーによりアクセスポイントA2,105に対する接続を行なう。
なお、移動ノード(MN)106は、スイッチでバイキャスト(bi−cast)設定が実行されたか否かに関係なくハンドオーバー後、スイッチ103のMAC学習テーブルに残る古いエントリ、すなわち、移動ノード(MN)106の旧アクセスポイントA1の出力ポートP1を移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]に対応付けたエントリ(図3参照)の削除をスイッチ103に対して実行させるために、スイッチ103に向けて、ハンドオーバー終了メッセージを送信する。
従って、スイッチでバイキャスト(bi−cast)設定が実行されたか否かに関係なくスイッチ103は、ハンドオーバー終了メッセージを受信することになる。スイッチ103は、バイキャスト(bi−cast)処理を実行していない場合は、前述した新規エントリ、すなわち、新規接続アクセスポイントA2,105に対する出力ポートP2を移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]に対応付けたエントリを生成していないので、このハンドオーバー終了メッセージを移動ノード(MN)106から新規接続アクセスポイントA2,105、ポートP2を介して受信することで、前述した新規エントリ、すなわち、新規接続アクセスポイントA2,105に対する出力ポートP2を移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]に対応付けたエントリを生成してMAC学習テーブルに登録する。
図8(1)にハンドオーバー終了メッセージのフォーマット例を示す。ここで示すハンドオーバー終了メッセージ例は、ハンドオーバー開始メッセージと同様、イーサタイプフィールドに0x01caを格納したイーサネット(登録商標)フレームで実現した例である。
始点MACアドレスには移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]を、終点MACアドレスにはブロードキャストMACアドレス(0xffffff)もしくはハンドオーバー前にスイッチ103から設定完了メッセージを受信している場合は、受信した設定完了メッセージに格納された始点MACアドレスの値[SWM]を格納する。
ハンドオーバー終了メッセージのメッセージタイプフィールドには、ハンドオーバー終了メッセージを示すメッセージ番号(0x03)を、移動ノードフィールドには、移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]を、旧接続アクセスポイントフィールドには、ハンドオーバー前に接続していたアクセスポイントA1,104の無線インターフェース側MACアドレス[AWM1]をそれぞれ格納する。これらの各データを格納したハンドオーバー終了メッセージ構成を図8(2)に示す。
移動ノード(MN)106から送信されたハンドオーバー終了メッセージは、移動ノード(MN)106がハンドオーバー後に接続しているアクセスポイントA2,105を経由し、スイッチ(SW)103に届く。
ハンドオーバー終了メッセージをポートP2を介して受信したスイッチ(SW)103は、まず、受信したハンドオーバー終了メッセージのイーサタイプフィールドをチェックし、ハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)が格納されているか否かを確認する。もし、ハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)以外の場合は、そのイーサタイプ番号に従った処理を実行する。
受信したハンドオーバー終了メッセージのイーサタイプフィールドにハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)が格納されている場合は、ハンドオーバーに関する特別なイーサネット(登録商標)フレームであると判断し、以下の処理を行う。
なお、スイッチ103は、終点MACアドレスがブロードキャストMACアドレスである場合でも、そのメッセージがハンドオーバー終了メッセージであると判定した場合は、そのメッセージの他ポートへの転送処理を実行しない。また、スイッチ103は、ハンドオーバー終了メッセージをポートP2より受信した時点で、通常のイーサネット(登録商標)スイッチの機能に従って、MAC学習テーブルのエントリの更新処理、すなわち、図5で示されるエントリの有無の判定、およびエントリが無い場合のエントリの作成、登録処理が実行される。上述したバイキャスト(bi−cast)処理が実行されている場合は、すでにエントリは作成されているので、新たなエントリの作成は行なわれない。
スイッチ103は、さらに、ハンドオーバー終了メッセージのメッセージタイプフィールドを参照し、ハンドオーバー終了メッセージを示すメッセージ番号(0x03)であることを確認後、MAC学習テーブルから、旧接続アクセスポイントフィールドで示されるアクセスポイントA1,104のMACアドレス[AWM1]に関するエントリを検索し、対応するポートP1を得る。
スイッチ103は、さらに、ハンドオーバー終了メッセージの移動ノードフィールドで示される移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]とポートP1を対応づけたエントリをMAC学習テーブルから削除する。
このエントリ削除処理により、移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]と移動ノード(MN)106がハンドオーバー前に接続していたアクセスポイントA1,104に対するポートP1を対応づけたエントリ(図3参照)は削除される。
この処理の結果、移動ノード(MN)106に関するエントリは、図5で示されるエントリ、すなわち、移動ノード(MN)106のMACアドレス[MNM]と移動ノード(MN)106がハンドオーバー後に新たに接続したアクセスポイントA2,105に対するポートP2を対応づけたエントリのみとなる。つまり、バイキャスト(bi−cast)の設定が解除される。以後、スイッチ(SW)103が移動ノード(MN)106宛(終点アドレス:MNM)のデータパケットを受信しても、そのデータパケットは、保持するMAC学習テーブルの図5のエントリに従って、ポートP2にしか転送(forward)されない。
以上、ハンドオーバー前後における、移動ノード、アクセスポイント、イーサネット(登録商標)スイッチの各挙動について具体的に説明した。
なお、移動ノード(MN)106が、ハンドオーバー前にハンドオーバー開始メッセージを送信するかどうかは任意であり、高速ハンドオーバーが特に必要ない場合、たとえば、ハンドオーバー前後で継続的なデータパケットを受信する必要がない場合などは、ハンドオーバー開始メッセージを送信する必要はない。また、ハンドオーバー開始メッセージを送信しSWでbi−cast設定が行われた状態でハンドオーバーした後に、ハンドオーバー終了メッセージを送信するのは望ましいが、たとえ、ハンドオーバー終了メッセージを送信しなかったり、終了メッセージが途中でロスしたとしたりしても、データパケットの継続的な受信という点では特に問題ない。
ただ、その場合は、スイッチ(SW)103において、図3で示されるエントリ、すなわち移動ノード(MN)106の旧接続アクセスポイントA1,104に対応するポートP1を設定した古いエントリが一定時間経過するまで削除されないため、移動ノード(MN)106が移動前に接続していたアクセスポイントA1,104方面にもデータパケットが転送されてしまうので、ネットワークの負荷を考慮した場合、大きな問題となりうる。したがって、ハンドオーバー開始メッセージを送信しスイッチ(SW)103でバイキャスト(bi−cast)設定が行われた状態でハンドオーバーした場合は、極力ハンドオーバー終了メッセージを送信すべきである。
次に、移動ノード(MN)106のMACアドレスが、[00:01:02:83:04:86]であり、またスイッチ(イーサネット(登録商標)スイッチ)103のポートP1、P2のポート番号が、それぞれP1=1、P2=2であるとした場合の、移動ノード(MN)106のバイキャスト(bi−cast)設定前、バイキャスト(bi−cast)設定中、バイキャスト(bi−cast)設定解除後において、スイッチ(イーサネット(登録商標)スイッチ)103が保持しているMAC学習テーブルでの移動ノード(MN)106に関するエントリの具体例について、図9を参照して説明する。
図9(a)は、移動ノード(MN)106のバイキャスト(bi−cast)設定前におけるスイッチ(イーサネット(登録商標)スイッチ)103が保持しているMAC学習テーブルの移動ノード(MN)106のエントリである。この時点で、移動ノード(MN)106は、図1におけるアクセスポイントA1,104に対応するアクセス領域111内に存在する。従って、スイッチ103は、移動ノード(MN)106に対する出力ポートとして、アクセスポイントA1,104に対応するポートP1=1を設定したエントリを持つ。
図9(b)は、移動ノード(MN)106のバイキャスト(bi−cast)設定中におけるスイッチ(イーサネット(登録商標)スイッチ)103が保持しているMAC学習テーブルの移動ノード(MN)106のエントリである。この時点で、移動ノード(MN)106は、図1におけるアクセスポイントA1,104に対応するアクセス領域111内に存在するが、移動ノード(MN)106から前述のハンドオーバー開始メッセージ(図4参照)を受領し、受領メッセージに基づいてエントリの追加を行なう。
この追加エントリは、ハンドオーバー開始メッセージ(図4参照)に格納された次接続アクセスポイントに対応するアクセスポイントA2,105に対応するポートP2=2を設定したエントリである。この結果、スイッチ103は、移動ノード(MN)106に対する出力ポートとして、アクセスポイントA1,104に対応するポートP1=1を設定したエントリと、上記の追加エントリの2エントリを持つ。この状態において、移動ノード(MN)106宛のパケットは、出力ポートP1,P2を介してアクセスポイントA1,104およびアクセスポイントA2,105の双方に並列に送信される。
図9(c)は、移動ノード(MN)106のバイキャスト(bi−cast)設定解除後におけるスイッチ(イーサネット(登録商標)スイッチ)103が保持しているMAC学習テーブルの移動ノード(MN)106のエントリである。この時点で、移動ノード(MN)106は、図1におけるアクセスポイントA2,105に対応するアクセス領域112内に存在する。
スイッチ103は、移動ノード(MN)106から、移動先のアクセスポイントA2,105を介してハンドオーバー終了メッセージ(図8参照)を受信し、受信メッセージに対する処理、すなわち旧エントリの削除を行なう。
このエントリ削除処理の結果、MAC学習テーブルの状態が図9(c)に示すものとなる。エントリ削除は、前述したように、ハンドオーバー終了メッセージ(図8参照)に格納された旧接続アクセスポイントに対応するアクセスポイントA1,104に対応するポートP1=1を設定したエントリの削除処理として実行される。この結果、スイッチ103は、移動ノード(MN)106に対する出力ポートとして、アクセスポイントA2,105に対応するポートP2=2を設定したエントリのみを有することになる。
このように、スイッチ103が図9(a)、(b)、(c)に対応するMAC学習テーブルをシーケンシャルに保持することで、移動ノード(MN)106は、図1に示すアクセス領域111からアクセス領域112への移動〈ハンドオーバー〉時に、データ(パケット)を途切れなく受信することが可能となる。
次に、上述したハンドオーバー開始メッセージ、およびハンドオーバー終了メッセージを送信する移動ノード(MN)の処理シーケンスについて、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
前述したように、移動ノード(MN)は、次に接続する予定のアクセスポイントの無線インターフェース側MACアドレスの候補を常時、あるいは定期的に把握する処理を実行している。これは、定期的に全てのデータ送受信チャネルを走査するバックグラウンド・スキャン(Background Scan)を行ない、その際、受信した各ビーコン(Beacon)の始点MACアドレス(=アクセスポイントの無線インターフェース側MACアドレス)を記憶する処理により実現される。
移動ノード(MN)が、各アクセスポイントからの受信ビーコンの強度比較に基づいて、現接続アクセスポイントからのアクセスを解除し、他のアクセスポイントへの接続、すなわちハンドオーバーを行なおうとする場合、ステップS101において、先に図4を参照して説明したデータ構成を持つハンドオーバー開始メッセージ(メッセージタイプ:0x01)をブロードキャスト送信する。
移動ノード(MN)は、ステップS102において、ハンドオーバー開始メッセージ送信後、待機し、ステップS103において、予め定めた規定時間の経過を判定する。規定された一定時間内にステップS105において、イーサネット(登録商標)フレームを受信したかを判定し、受信した場合には、ステップS106において、受信フレームが、ハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)を有するか否かを判定する。
受信フレームがハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)を持たない場合は、ステップS107において、メッセージに設定されたイーサタイプ、メッセージタイプに従った処理を実行し、待機状態(S102)とする。受信フレームがハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)を有する場合は、ステップS108に進み、受信フレームのメッセージタイプが、ハンドオーバー設定完了メッセージを示すメッセージタイプ(0x02)を有するか否かを判定する。Noの場合は、ステップS109において、受信フレームを破棄し、待機状態(S102)とする。この時点で、移動ノード(MN)が受領予定のハンドオーバーメッセージとしては、ハンドオーバー設定完了メッセージ以外にないからである。
ステップS108において、受信フレームのメッセージタイプが、ハンドオーバー設定完了メッセージを示すメッセージタイプ(0x02)を有すると判定されると、ステップS110において、ハンドオーバー処理、すなわち、アクセスポイント切り換え処理を実行する。
ハンドオーバー実行の後、移動ノード(MN)は、ステップS111において、先に図8を参照して説明したハンドオーバー終了メッセージをスイッチ宛またはブロードキャストにより送信する。
なお、移動ノードは、ステップS103の一定時間の経過判定がYesの後、ステップS104に進み、予め定められたハンドオーバー開始メッセージ再送回数の再送処理が実行されたか否かを判定して、一定回数の再送が行われていない場合は、ステップS101において、ハンドオーバー開始メッセージの再送を実行する。この再送処理は、あらかじめ定められた待機時間内において、繰り返し実行される。
ステップS104において、あらかじめ定められた回数のハンドオーバー開始メッセージ再送が実行されたと判定された場合は、ハンドオーバー設定完了メッセージを受領していない場合であっても、ステップS110におけるハンドオーバー処理を実行し、ハンドオーバー処理の後、ステップS111において、先に図8を参照して説明したハンドオーバー終了メッセージをブロードキャストにより送信する。
次に、図11のフローチャートを参照してスイッチにおける処理シーケンスについて説明する。
ステップS201において、スイッチがイーサネット(登録商標)フレームを受信すると、ステップS202において、受信イーサネット(登録商標)フレームのヘッダのイーサタイプが(0x01ca)、すなわち、ハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号であるか否かを判定する。受信フレームがハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号(0x01ca)を持たない場合は、ステップS203において、メッセージに設定されたイーサタイプ、メッセージタイプに従った処理を実行し、処理を終了する。
ステップS202において、受信イーサネット(登録商標)フレームのヘッダのイーサタイプが(0x01ca)、すなわち、ハンドオーバーメッセージ用のイーサタイプ番号であると判定した場合は、ステップS204に進み、受信イーサネット(登録商標)フレームのペイロードのメッセージタイプが、ハンドオーバー開始メッセージを示す(0x01)であるか否かを判定し、Yesである場合は、ステップS205に進み、ハンドオーバー開始メッセージに基づいて、バイキャスト(bi−cast)設定処理を行なう。すなわち、ハンドオーバー開始メッセージに格納された次接続アクセスポイントに対応するポートを移動ノード(MN)に対する出力ポートとして設定したエントリをMAC学習テーブルに追加する処理を行なう。
その後、ステップS206において、ハンドオーバー設定完了メッセージ(図7参照)をハンドオーバー開始メッセージを送信してきた移動ノード宛に送信し、処理を終了する。
ステップS204において、受信イーサネット(登録商標)フレームのペイロードのメッセージタイプが、ハンドオーバー開始メッセージを示す(0x01)でないと判定された場合は、ステップS207に進み、受信イーサネット(登録商標)フレームのペイロードのメッセージタイプが、ハンドオーバー終了メッセージを示す(0x03)であるか否かを判定する。
ハンドオーバー終了メッセージを示す(0x03)であると判定した場合は、ステップS208に進み、ハンドオーバー終了メッセージに基づく処理、すなわち、ハンドオーバー終了メッセージ(図8参照)に格納された旧接続アクセスポイントに対応する出力ポートと移動ノード(MN)の組み合わせデータからなるMAC学習テーブルのエントリの削除処理を実行し、処理を終了する。
ステップS207において、ハンドオーバー終了メッセージを示す(0x03)でないと判定した場合は、ステップS209において、受信フレームの破棄を行ない処理を終了する。
ハンドオーバーメッセージの送受信処理、およびデータパケットの送受信処理におけるデータの流れを図12を参照して説明する。
図12において、D1、D2、D3がクライアントノード(CN)101と移動ノード106間におけるデータ(パケット)の流れを示す。また、Ma、Mb、Mcがハンドオーバーメッセージ、すなわちMa:ハンドオーバー開始メッセージ、Mb:ハンドオーバー設定完了メッセージ、Mc:ハンドオーバー終了メッセージを示している。
移動ノード(MN)106のハンドオーバーは、アクセスポイントA1,104に対応するアクセス領域111からアクセスポイントA2,105に対応するアクセス領域11への移動に伴ってアクセスポイントA1,104からアクセスポイントA2,105への切り換えとして実行される。
移動ノード(MN)106がアクセス領域111に存在する状態において、クライアントノード(CN)101からの移動ノード(MN)106宛のデータ(パケット)は、図12のD1に示すように、スイッチ103の有するMAC学習テーブルに存在する1つのエントリ(図3参照)に基づいてポートP1に出力され、アクセスポイントA1,104を介して送受信される。
この状態において、移動ノード(MN)106は、ハンドオーバー処理前に、次接続アクセスポイントデータを格納したハンドオーバー開始メッセージ(図4参照)をブロードキャストする(図12のMa)。スイッチ103がハンドオーバー開始メッセージ(図4参照)を受信すると、前述したように、ハンドオーバー開始メッセージに格納された次接続アクセスポイントデータに基づいて、アクセスポイントA2,105に対応するポートを移動ノード(MN)106に対応する出力ポートとして設定したエントリをMAC学習テーブルに追加する。さらに、ハンドオーバー設定完了メッセージ(図7参照)を移動ノード(MN)106に送信する(図12のMb)。
この処理により、クライアントノード(CN)101からの移動ノード(MN)106宛のデータ(パケット)は、図12のD2に示すように、スイッチ103において、MAC学習テーブルに存在する2つのエントリ(図6参照)に基づいてポートP1,P2に並列に出力される。
ハンドオーバー設定完了メッセージをスイッチ103から受信した移動ノード(MN)106は、ハンドオーバー、すなわちアクセスポイントA1,104からアクセスポイントA2,105への切り換え処理を行ない、その後、旧接続アクセスポイントデータを格納したハンドオーバー終了メッセージ(図8参照)をスイッチ103宛のフレーム送信、またはブロードキャスト送信を行なう。
その後、スイッチ103は、ハンドオーバー終了メッセージ(図8参照)に基づいて、MAC学習テーブルの旧接続アクセスポイントデータの対応エントリの削除処理を実行する。このエントリ削除処理により、スイッチ103のMAC学習テーブルには、現在移動ノード(MN)106の存在するアクセス領域112に対応して設定されたアクセスポイントA2,105に対する出力ポートP2のみを移動ノード(MN)106に対応付けたエントリのみが残る。
この処理により、クライアントノード(CN)101からの移動ノード(MN)106宛のデータ(パケット)は、図12のD3に示すように、スイッチ103において、MAC学習テーブルに存在する1つのエントリ(図5参照)に基づいてポートP2に出力される。
このように、スイッチ103が移動ノードに対応するMAC学習テーブルのエントリをハンドオーバーメッセージに基づいてシーケンシャルに更新処理を行なうことで、移動ノード(MN)106は、図1に示すアクセス領域111からアクセス領域112への移動〈ハンドオーバー〉時に、データ(パケット)を途切れなく受信することが可能となる。
なお、上述した実施例では、移動ノードが移動先のアクセス領域を1つ決定し、決定したアクセス領域に対応するアクセスポイントを次接続アクセスポイントとして設定し、その次接続アクセスポイントに関するMACアドレスを格納したハンドオーバー開始メッセージをスイッチに送信し、スイッチが、受信メッセージに基づいてMAC学習テーブルのエントリ追加を行なって、更新したMAC学習テーブルに従って旧アクセスポイントと新アクセスポイントの2つに対して移動ノード宛のデータ(パケット)を並列送信するバイキャスト処理実行構成について説明したが、スイッチは、2つの出力ポートに対する並列出力に限らず、3以上のアクセスポイントに対応する出力ポートを介した3以上のデータ(パケット)の並列送信を実行する構成としてもよい。
これは、例えば、移動ノードが1つの次接続アクセスポイントを決定できない場合の処理として実行される。すなわち、移動ノードが、定期的に全てのデータ送受信チャネルを走査するバックグラウンド・スキャン(Background Scan)において受信したビーコン(Beacon)の強度が複数のアクセスポイント間で差が明確でない場合、ハンドオーバー開始メッセージ(図4参照)に、これら複数のMACアドレス(=アクセスポイントの無線インターフェース側MACアドレス)を、次接続アクセスポイント候補として設定してスイッチ宛(ブロードキャスト)に送信する。
複数の次接続アクセスポイントデータ(MACアドレス)を格納したハンドオーバー開始メッセージを受信したスイッチは、メッセージに格納された複数の次接続アクセスポイントに対して設定されたポートを移動ノードに対する出力ポートとした複数のエントリをMAC学習テーブルに追加設定する。この場合、MAC学習テーブルには、移動ノードのエントリとして、移動ノードの現接続アクセスポイントに対応する出力ポートが設定されたエントリと、2以上の次接続アクセスポイントに対応する2以上の出力ポートをそれぞれ設定したエントリ、合計3以上のエントリが設定されることになる。
このようなエントリ設定の場合、移動ノード(MN)宛のデータ(パケット)は、MAC学習テーブルに設定された3以上のエントリに従ってそれぞれ並列に送信されることになる。従って、移動ノードは、複数の次接続アクセスポイントのどのアクセスポイントに移動しても、継続してデータ(パケット)を受信することができる。
現実には、移動ノード(MN)がハンドオーバー後に接続するアクセスポイントは1つであり、ハンドオーバー終了メッセージは、複数の次接続アクセスポイント候補から選択された1つの実接続アクセスポイントを介して移動ノードからスイッチに対して送信される。スイッチは、そのハンドオーバー終了メッセージに基づいて、旧接続アクセスポイントに対応するエントリを削除し、さらに、次接続アクセスポイントとされて追加したが実際には接続されなかったアクセスポイントに対応するエントリについても、MAC学習テーブルから削除する。この処理により、ハンドオーバー完了後は、移動ノードが実際に接続した実接続アクセスポイントに対応するポートを移動ノードに対する出力ポートとして設定したエントリのみがMAC学習テーブルに残存することになる。
このように、3以上のデータ(パケット)の並列転送処理をスイッチが実行することにより、移動ノードの複雑な移動処理にも対応可能となり、データの途切れない送信が可能となる。
次に、スイッチ103および移動ノード106の構成例について、図13、図14を参照して説明する。
図13は、スイッチの構成例を示す。スイッチは、各ノードからの、またはノードに対するデータ(パケット)入出力ポート303を有し、入出力ポート303を介して入力するデータ(パケット)を一次格納するデータバッファ304を有する。
さらに、前述したMAC学習テーブルを格納する記憶部302を有し、さらに、入出力ポート303を介して入出力されるデータ(パケット)のヘッダ情報(アドレス)を検証しヘッダ情報(アドレス)に基づいたデータ・スイッチング処理としてのデータ転送制御を実行するとともに、MAC学習テーブルのエントリ、追加、削除、更新を実行する制御部301を有する。
制御部301の処理としては、移動ノードからのハンドオーバー開始メッセージを受信し、受信メッセージに従って、移動ノードの現接続アクセスポイントが接続されているポートだけでなく、次に接続予定のアクセスポイントが接続されているポートにも、移動ノード宛のデータパケットを転送するように、MAC学習テーブルに新しいエントリを追加する処理。MAC学習テーブルに新しいエントリを追加後、移動ノードへハンドオーバー設定完了メッセージを送信する処理。移動ノードからハンドオーバー終了メッセージを受信する処理。移動ノードから受信するハンドオーバー終了メッセージに従って、移動ノードの旧接続アクセスポイントが接続されているポートへ、移動ノード宛のデータパケットを転送しないように、MAC学習テーブルの古いエントリを削除する処理等である。これらの処理プログラムは、制御部301内のメモリ(例えばROM)に格納され、制御部301内のCPUに読み出されて実行される。
次に移動ノード(MN)106の構成例について、図14を参照して説明する。移動ノード(MN)106は例えば通信処理機能を持つPC、PDA、携帯通信端末等によって構成される。
図14に、制御手段としてCPU(Central processing Unit)を備えた移動ノード(MN)構成例を示す。なお、図14に示す構成例は1つの例であり、移動ノード(MN)は、ここに示すべての機能を必ずしも備えることが要求されるものではない。
CPU(Central processing Unit)501は、各種実行プログラム、OS(Operating System)を実行するプロセッサである。ROM(Read-Only-Memory)502は、CPU501が実行するプログラム、あるいは演算パラメータとしての固定データを格納する。RAM(Random Access Memory)503は、CPU501の処理において実行されるプログラム、およびプログラム処理において適宜変化するパラメータの格納エリア、ワーク領域として使用される。
HDD504はハードディスクの制御を実行し、ハードディスクに対する各種データ、プログラムの格納処理および読み出し処理を実行する。バス521はPCI(Peripheral Component Internet/Interface)バス等により構成され、各モジュール、入出力インターフェース522を介した各入手力装置とのデータ転送を可能にしている。
入力部511は、例えば、各種の入力ボタン、キーボード、ポインティングデバイスを含む入力部である。キーボードやマウス等を介して入力部511が操作された場合、あるいは、通信部513からのデータを受信した場合などにCPU501に指令が入力され、ROM(Read Only Memory)502に格納されているプログラムを実行する。出力部512は、例えばCRT、液晶ディスプレイ等であり、各種情報をテキストまたはイメージ等により表示する。
通信部513はノード、あるいはスイッチとの通信処理を実行し、CPU501の制御の下に、各記憶部から供給されたデータ、あるいはCPU501によって処理されたデータを送信したり、他ノード、スイッチからのデータを受信する処理を実行する。
ドライブ514は、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体515の記録再生を実行するドライブであり、各リムーバブル記録媒体515からのプログラムまたはデータ再生、リムーバブル記録媒体515に対するプログラムまたはデータ格納を実行する。
各記憶媒体に記録されたプログラムまたはデータを読み出してCPU501において実行または処理を行なう場合は、読み出したプログラム、データは入出力インターフェース522、バス521を介して例えば接続されているRAM503に供給される。
先に、図10を参照して説明したハンドオーバー開始メッセージの生成、送信処理、ハンドオーバー設定完了メッセージの受信、検証処理、ハンドオーバー終了メッセージの生成、送信処理プログラムは、例えばROM(Read Only Memory)502に格納されて、CPU501によって読み出されて実行される。また、移動ノードは、定期的に全てのデータ送受信チャネルを走査するバックグラウンド・スキャン(Background Scan)を行ない、その際、受信した各ビーコン(Beacon)の始点MACアドレス(=アクセスポイントの無線インターフェース側MACアドレス)を記憶する処理も実行し、このバックグラウンド・スキャン処理プログラムもROM(Read Only Memory)502に格納されて、CPU501によって読み出されて実行される。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
以上、説明してきたように、本発明の構成によれば、通信端末装置としての移動ノードから移動先のアクセスポイントのアドレス情報を格納したハンドオーバー開始メッセージをデータ転送制御装置としてのスイッチに送信し、スイッチにおいて、メッセージ格納アドレスに基づいて、MAC学習テーブルに対するエントリ追加を実行し、移動ノード宛てのパケットをMAC学習テーブルのエントリに基づいて、移動ノードの現アクセスポイントに加え、移動先アクセスポイント方面にも並列して転送する構成としたので、移動ノードは、ハンドオーバー後、新しいアクセスポイントに接続した直後から、即座にデータパケットを受信することができ、高速ハンドオーバーのサポートが可能となる。
さらに、本発明の構成によれば、通信端末装置としての移動ノードは、ハンドオーバー後、ハンドオーバー終了メッセージをデータ転送制御装置としてのスイッチに送信し、スイッチにおいてバイキャスト(bi−cast)の設定解除処理、すなわち、MAC学習テーブルの旧エントリを削除することにより移動ノードの移動前のアクセスポイント方面に対する移動ノード宛のデータパケットの転送が停止され、ネットワーク上の無駄なトラフィックを削減することが可能となりデータ転送効率、トラフィックの改善が実現される。
本発明の構成を適用した処理の実行可能なネットワーク構成例を示す図である。 スイッチの保有するMAC学習テーブルのエントリについて説明する図である。 スイッチの保有するMAC学習テーブルにおける移動ノード(MN)に対応するエントリについて説明する図である。 移動ノード(MN)からスイッチに送信されるハンドオーバー開始メッセージのデータ構成について説明する図である。 スイッチの保有するMAC学習テーブルにおける移動ノード(MN)のハンドオーバー完了後のエントリについて説明する図である。 スイッチの保有するMAC学習テーブルにおける移動ノード(MN)に対するバイキャスト処理中のエントリについて説明する図である。 スイッチから移動ノード(MN)に送信されるハンドオーバー設定完了メッセージのデータ構成について説明する図である。 移動ノード(MN)からスイッチに送信されるハンドオーバー終了メッセージのデータ構成について説明する図である。 スイッチの保有するMAC学習テーブルにおける移動ノード(MN)に対するエントリの変遷について説明する図である。 移動ノード(MN)におけるハンドオーバー実行時の処理について説明するフローチャートである。 スイッチにおけるハンドオーバー実行時の処理について説明するフローチャートである。 ハンドオーバー実行時のメッセージおよびデータ(パケット)の流れについて説明する図である。 スイッチの構成例を示すブロック図である。 移動ノード(MN)の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
101 クライアントノード(CN)
102 ネットワーク
103 スイッチ
104 アクセスポイントA1
105 アクセスポイントA2
106 移動ノード(MN)
111,112 アクセス領域
301 制御部
302 記憶部
303 入出力ポート
304 データバッファ
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 HDD
511 入力部
512 出力部
513 通信部
514 ドライブ
515 リムーバブル記憶媒体
521 バス
522 入出力インターフェース

Claims (7)

  1. ネットワークを介したデータ送受信を実行するとともに、データ受信状況に基づくアクセスポイント変更を行なう移動型の通信端末装置であり、
    通信端末装置が次に接続予定の次接続アクセスポイントのMACアドレスの取得処理を実行し、取得した次接続アクセスポイントMACアドレスを格納したハンドオーバー開始メッセージをブロードキャスト送信する処理を実行する構成を有する通信端末装置。
  2. 前記通信端末装置は、
    前記ハンドオーバー開始メッセージに対するデータ転送制御装置からの応答メッセージとしてのハンドオーバー設定完了メッセージの受信を条件としてハンドオーバー処理を実行する構成である請求項1に記載の通信端末装置。
  3. 前記通信端末装置は、
    定期的に全無線チャネルを走査することとしてのバックグラウンド・スキャン処理を実行し、受信ビーコンの始点MACアドレスを次接続アクセスポイントのMACアドレスとして取得し、記憶する処理を実行する構成を有する請求項1に記載の通信端末装置。
  4. 前記通信端末装置は、
    前記ハンドオーバー開始メッセージ送信の後、ハンドオーバー設定完了メッセージの受信に至る期間、前記ハンドオーバー開始メッセージの再送処理を実行する構成である請求項1に記載の通信端末装置。
  5. 前記通信端末装置は、
    ハンドオーバー処理の実行後、該通信端末装置が接続を解除した旧接続アクセスポイントのMACアドレスを格納したハンドオーバー終了メッセージを、前記ハンドオーバー設定完了メッセージの送信元に対してまたはブロードキャスト送信する処理を実行する構成である請求項1に記載の通信端末装置。
  6. ネットワークを介したデータ送受信を実行するとともに、データ受信状況に基づくアクセスポイント変更を行なう移動型の通信端末装置におけるハンドオーバー処理方法であり、
    通信端末装置が次に接続予定の次接続アクセスポイントのMACアドレスの取得処理を実行するMACアドレス取得処理ステップと、
    取得した次接続アクセスポイントMACアドレスを格納したハンドオーバー開始メッセージをブロードキャスト送信する処理を実行するメッセージ送信ステップと、
    前記ハンドオーバー開始メッセージに対するデータ転送制御装置からの応答メッセージとしてのハンドオーバー設定完了メッセージの受信を条件としてハンドオーバー処理を実行するハンドオーバー実行ステップと、
    を有するハンドオーバー処理方法。
  7. ネットワークを介したデータ送受信を実行するとともに、データ受信状況に基づくアクセスポイント変更を行なう移動型の通信端末装置におけるハンドオーバー処理をコンピュータ・システム上で実行するために記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    通信端末装置が次に接続予定の次接続アクセスポイントのMACアドレスの取得処理を実行するMACアドレス取得処理ステップと、
    取得した次接続アクセスポイントMACアドレスを格納したハンドオーバー開始メッセージをブロードキャスト送信する処理を実行するメッセージ送信ステップと、
    前記ハンドオーバー開始メッセージに対するデータ転送制御装置からの応答メッセージとしてのハンドオーバー設定完了メッセージの受信を条件としてハンドオーバー処理を実行するハンドオーバー実行ステップと、
    を有するコンピュータ・プログラム。
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