JPWO2007138652A1 - 通信装置、通信システム及びハンドオーバ方法 - Google Patents
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Abstract
ハンドオーバ先のアドレスを通知するパケットデータをハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするとともに、上位装置がハンドオーバ元に対して通信端末装置との接続の解放を通知することにより、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷を軽減することができる通信装置。この装置では、ハンドオーバ制御部(104)は、自局の無線リソース状況に基づいて、通信端末装置の自局へのハンドオーバが可能か否かを判定する。メッセージ作成部(105)は、ハンドオーバ先である自局のレイヤ2のアドレスと、通信端末装置のレイヤ3のアドレスと、IPAGに対してユニキャストするためのユニキャストアドレスとを格納したメッセージを作成する。IPAGインタフェース部106は、IPAGに対して、作成したメッセージをユニキャストする。
Description
本発明は、例えばグラチュイタスARP(Gratuitous Address Resolution Protocol)を用いた通信装置、通信システム及びハンドオーバ方法に関する。
インターネットに対応するネットワーク層プロトコル(以下「IP」と記載する)は、インターネットを構成するネットワークやサブネットワークと接続して、源ノードから宛先ノードへ、IPデータの形で流れるデータを管理し制御するために使用される。IPデータパケットが確実に配信できることを保証するために、各ノードには1つのIPアドレスが割り当てられ、割り当てられたIPアドレスは該当するノードに固定ネットワーク上の場所を定義する。一般には、IPは固定ネットワークノード間のIPパケットのルーティング(routing)を支援するように設計されている。
しかしながら、無線ノードの急速な発達によって、固定ノードと同様に移動端末に対するIP支援を提供する必要性が増加している。ここで、固定ノードは一般に移動しない。また、移動端末は、例えばサブネットワークや局所ネットワーク(LAN)セグメントに相当する領域内で移動することができる。また、移動端末は、異なるネットワークホストを通じてサブネットワークやLANセグメントに接続する地点を連続的に変えることができる。また、当業者ならば直ちに理解するように、対応するネットワークホストは移動端末に対してプロキシとして働く。
サブネットワークまたはLANへの移動端末の接続地点とIPアドレスとが連続的に変化しても、データが移動端末へ正確にルーティングされ、連続性が維持されることを保証するために、移動端末は、サブネットワークやLANへの接続を通じて、各ネットワークホストに自身を登録する。この登録の処理は、接続している移動端末を通じてネットワークホスト内に登録記録を作成して保存する。このとき、ネットワークホストは、これらの登録された記録を含む情報を用いて、例えば移動端末を代表するIPデータパケットを受信して、処理を施した後に移動端末へIPデータパケットを送信するような、移動端末の移動に対する要求を管理または支援できる。移動端末は、あるネットワークホストから新たなネットワークホストへ連続して移動するときに、古いネットワークホストの登録を削除して、新たなネットワークホストに登録するハンドオーバと称する処理を行う。登録削除処理は、古いネットワークホストから上述の登録記録を削除する処理を含む。移動端末の登録削除の処理はきわめて重要である。例えば、登録を削除すると、ネットワークリソースを消費する必要がなくなり、安全性に寄与する。一方、削除に失敗した場合は、2以上のホストが移動端末に対するプロキシとして反応し、IPデータパケットの経路割り当てが不適当となり、許容できないネットワークの誤作動が生じることになる。
従来、ネットワークホスト内での登録記録の管理(例えば削除そして/または作成)に関する技術が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されたネットワークホスト間のハンドオーバ方法について図1を用いて説明する。図1は、ハンドオーバ方法を説明するための通信システムの概略図である。
移動端末(MT)10は、HOLD11からHNEW12へハンドオーバすることにより、サブネットワークまたはLANセグメント13への接続点をHOLD11からHNEW12へ変更する。HNEW12と移動端末10との接続20の確立において、HNEW12は、サブネットワークまたはLANセグメント13を通じて、移動端末10の代わりにグラチュイタスARPメッセージをブロードキャストする。ブロードキャストされたグラチュイタスARPメッセージは、サブネットワークまたはLANセグメント13内の多くのノード及びHOLD11に受信される。これにより、HNEW12は、移動端末10は現在HOLD11ではなくHNEW12を通してサブネットワークまたはLANセグメント13に接続していることをHOLD11に対して通知することができる。そして、HOLD11は、グラチュイタスARPメッセージを受信することにより、移動端末10がHNEW12にハンドオーバしたことを知ることができる。そして、グラチュイタスARPメッセージを受信したHOLD11は、移動端末10の登録記録の全てを削除する。ここで、グラチュイタスARPメッセージは、レイヤ3のIPアドレスとレイヤ2のイーサネットアドレスの変更を同一ネットワーク内の他のノードへ通知するものである。HOLD11は、グラチュイタスARPメッセージ内の所定の場所に格納されている移動端末10の識別子と同一の移動端末10に関する登録記録管理を行っており、グラチュイタスARPメッセージを受信して移動端末10の登録記録を削除することにより、HNEW12へのハンドオーバをサポートすることが可能になる。
特表2002−541686号公報
しかしながら、従来のシステムにおいては、ハンドオーバ時に移動先のHNEW12からグラチュイタスARPメッセージをブロードキャストするので、HOLD11以外のグラチュイタスARPメッセージが不要なホストに対して処理負荷を与えることになり、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷の観点から許容できないという問題がある。
本発明の目的は、ハンドオーバ先のアドレスを通知するパケットデータをハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするとともに、上位装置がハンドオーバ元に対して通信端末装置との接続の解放を通知することにより、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷を軽減することができる通信装置、通信システム及びハンドオーバ方法を提供することである。
本発明の通信装置は、通信端末装置のハンドオーバ先として自局が選択されたことと前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとをハンドオーバ元の他局から通知された場合に自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するハンドオーバ制御手段と、前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスと自局のレイヤ2のアドレスとを格納するメッセージを作成するメッセージ作成手段と、作成した前記メッセージを上位装置へユニキャストする送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明の通信システムは、受信品質の測定結果を報告する通信端末装置と、前記測定結果に基づいてハンドオーバ先を決定するとともに決定したハンドオーバ先に対して前記決定と前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとを通知するハンドオーバ元のネットワークホストと、前記通知を受けた際に自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するとともに、前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記レイヤ3のアドレスと自局のレイヤ2のアドレスとを格納するメッセージをユニキャストするハンドオーバ先のネットワークホストと、ユニキャストされた前記メッセージを受信して前記メッセージに格納されている前記レイヤ2のアドレスを記憶して、記憶した前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスのネットワークホストに対して前記レイヤ3のアドレス宛のパケットデータを送信するとともに、前記記憶により削除されるレイヤ2のアドレスのハンドオーバ元のネットワークホストに対して前記通信端末装置との接続の解放を指示する上位装置と、を具備する構成を採る。
本発明のハンドオーバ方法は、通信端末装置が受信品質の測定結果を報告するステップと、ハンドオーバ元が前記測定結果に基づいてハンドオーバ先を決定するステップと、前記ハンドオーバ先として選択されたことと前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとを前記ハンドオーバ元が前記ハンドオーバ先に対して通知するステップと、前記通知を受けた前記ハンドオーバ先が自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するステップと、前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記レイヤ3のアドレスと前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスとを格納したメッセージを前記ハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするステップと、上位装置が前記メッセージを受信するステップと、受信した前記メッセージに含まれる前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスを前記上位装置が新たに記憶するステップと、前記上位装置が前記記憶により削除されたレイヤ2のアドレスの前記ハンドオーバ元に対して前記通信端末装置との接続の解放を指示するステップと、前記上位装置が前記レイヤ3のアドレス宛のパケットデータをレイヤ2のアドレスの前記ハンドオーバ先に対して送信するステップと、を具備するようにした。
本発明によれば、ハンドオーバ先のアドレスを通知するパケットデータをハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするとともに、上位装置がハンドオーバ元に対して通信端末装置との接続の解放を通知することにより、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態)
図2は、本発明の実施の形態に係る通信装置であるネットワークホスト100の構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る通信装置であるネットワークホスト100の構成を示すブロック図である。
受信部101は、通信端末装置から無線回線を用いて送信された信号を受信して、受信した信号を無線周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートして受信データ処理部102へ出力する。
受信データ処理部102は、受信部101から入力した受信信号を復調してデータ部分と制御データ部分に分解する。そして、受信データ処理部102は、分解したデータ部分をIP Access Gateway(以下「IPAG」と記載する)インタフェース部106へ出力するとともに、分解した制御データ部分をスケジューリング部103とハンドオーバ制御部104へ出力する。
スケジューリング部103は、受信データ処理部102から入力した制御データ部分に含まれている通信端末装置における受信品質の情報である受信品質情報と、パケットバッファ107から入力した、パケットバッファ107に蓄積されているデータ量の情報であるキュー情報とに基づいてスケジューリングを行う。例えば、スケジューリング部103は、CQI(Channel Quality Indicator)等の受信品質と送信データ量とを関係付けたスケジューリング情報を記憶したテーブルを保持している。そして、スケジューリング部103は、受信データ処理部102から入力したCQI等の受信品質情報の受信品質を用いてスケジューリング情報を参照するとともにキュー情報を参照することにより、送信データ量を選択する。また、スケジューリング部103は、送信部108に対して、選択した送信データ量だけ送信するように制御する。
ハンドオーバ制御部104は、ネットワークホスト100がハンドオーバ元である場合とハンドオーバ先である場合とで異なる処理を行う。
ネットワークホスト100がハンドオーバ元である場合に、ハンドオーバ制御部104は、受信データ処理部102から入力した制御データ部分に含まれる複数のネットワークホストの受信品質情報に基づいて、ハンドオーバ先のネットワークホストを選択する。そして、ハンドオーバ制御部104は、ハンドオーバ先として選択されたことと制御データ部分に含まれる通信端末装置のレイヤ3のアドレスとをハンドオーバ先の他のネットワークホストへ通知する。また、ハンドオーバ制御部104は、ハンドオーバ先の他のネットワークホストとハンドオーバするための種々の情報を送信または受信する。
また、ネットワークホスト100がハンドオーバ先である場合に、ハンドオーバ制御部104は、ハンドオーバ元である他のネットワークホストから、ハンドオーバ先として選択された通知を受けることにより、自局がハンドオーバ先として選択されたことを認識する。そして、ハンドオーバ制御部104は、自局の無線リソース状況に基づいて、通信端末装置の自局へのハンドオーバが可能か否かを判定し、可能な場合にはハンドオーバ元である他のネットワークホストから通知された通信端末装置のレイヤ3のアドレスの情報であるレイヤ3アドレス情報をメッセージ作成部105へ出力する。また、ハンドオーバ制御部104は、ハンドオーバ元の他のネットワークホストとハンドオーバするための種々の情報を送信または受信する。
メッセージ作成部105は、ネットワークホスト100がハンドオーバ先である場合に、自局のレイヤ2のアドレスと、ハンドオーバ制御部104から入力したレイヤ3アドレス情報のレイヤ3のアドレスと、IPAGに対してユニキャストするためのユニキャストアドレスとを格納したメッセージを作成する。そして、メッセージ作成部105は、作成したメッセージをIPAGインタフェース部106へ出力する。ここで、メッセージ作成部105が生成するメッセージは、例えばグラチュイタスARPメッセージである。なお、作成するメッセージの詳細については後述する。
IPAGインタフェース部106は、有線にてIPAGと接続されており、受信データ処理部102から入力したデータ部分をIPAGへ送信する。また、IPAGインタフェース部106は、IPAGから受信したレイヤ3のアドレス宛、即ち自局へハンドオーバした通信端末装置宛のパケットデータをパケットバッファ107へ出力する。また、IPAGインタフェース部106は、メッセージ作成部105から入力したメッセージをIPAGに送信する。
パケットバッファ107は、キュー情報をスケジューリング部103に出力する。また、パケットバッファ107は、IPAGインタフェース部106から入力したパケットデータを一時的に蓄積する。そして、パケットバッファ107は、所定のタイミングにて、送信部108から指示されたデータ量のパケットデータを送信部108へ出力する。
送信部108は、スケジューリング部103から指示されたデータ量のデータを出力するようにパケットバッファ107に指示し、パケットバッファ107から入力した指示したデータ量のパケットデータを無線信号にて送信する。また、送信部108は、ハンドオーバ制御部104から入力したハンドオーバすることを指示するメッセージを無線信号にて送信する。
図3は本実施の形態に係るネットワーク300の構成を示す図である。ネットワーク300は、IPベースのIPコアネットワーク301とRadio Access Network(RAN)302から構成される。ネットワークホスト303、304は、RAN302に位置し、IPAG305と有線にて結合されている。IPAG305はIPコアネットワーク301内に位置し、外部ネットワークに対するゲートウェイの役割を果たす。通信端末装置306は、無線アクセス技術を使用してネットワークホスト303に接続し、IPAG305を経由して外部ネットワークと通信を行う。
次に、通信端末装置306がハンドオーバする方法について、図4を用いて説明する。図4は、ハンドオーバ方法を示すシーケンス図である。なお、図4及び図4の説明において、説明の便宜上、通信端末装置306をMTと記載し、ハンドオーバ元のネットワークホスト303をHOLDと記載し、ハンドオーバ先のネットワークホスト304をHNEWと記載する。また、HOLD303及びHNEW304は図2と同一構成である。
MT306は、HOLD303およびIPAG305を介して外部ネットワークと通信を行っているものとする。通信中、MT306は、現在接続中のHOLD303の他に、周辺に位置するネットワークホストとの通信状況をモニタする。具体的には、HOLD303及びHNEW304は、CPICHの信号を送信する(ステップST401、ステップST402)。次に、CPICHの信号を受信したMT306は、CPICHの受信電力を測定し、測定結果を、接続中のHOLD303に対して、受信品質情報であるMeasurement Reportとして通知する(ステップST403)。
次に、Measurement Reportを受信したHOLD303は、測定結果からMT306がHNEW304にハンドオーバした方が良いと判断する(ハンドオーバ先決定(Handover Decision))。
HOLD303は、HNEW304に対して、ハンドオーバ先としてHNEW304が選択されたことの通知、即ちMT306のハンドオーバ要求とともに、コンテキスト情報を送信する(Context Transfer Request)(ステップST404)。
HNEW304は、HOLD303からMT306のハンドオーバ要求を受けると、自身の無線リソース状況から応答するか否かの判断を行い、応答することを判断した場合に、HOLD303に対してMT306のハンドオーバ応答を送信する(Context Transfer Reply)(ステップST405)。
次に、HNEW304からハンドオーバ応答を受信したHOLD303は、MT306に対してHNEW304へのハンドオーバを指示する(Handover Indication)(ステップST406)。この時点で、MT306は、HOLD303への接続を解放し、HNEW304への接続を開始する。HNEW304への接続準備が完了すると(接続準備完了(Radio L1&L2 Establishment))、MT306は、HNEW304と同期するとともに(Radio L1. & L2 Establishment)(ステップST407)、MT306は、HNEW304に対してハンドオーバの完了を通知する(Handover Complete)(ステップST408)。
MT306からハンドオーバ完了通知を受け取ったHNEW304は、IPAG305との通信経路を確立するために、グラチュイタスARPメッセージをIPAG305に対して送信する(Relocatio Request)(ステップST409)。
ここで、ARPとは、一般に、IPアドレスが分かっている相手通信装置の物理アドレスを知るために使われるプロトコルである。問い合わせ元の通信装置は、相手通信装置のIPアドレスを指定したグラチュイタスARPメッセージをネットワーク上の全通信装置へ一斉に送る。指定されたIPアドレスに対応する通信装置は、自分の物理アドレスとIPアドレスを知っており、自分の物理アドレスとIPアドレスとを組にした応答メッセージを問い合わせ元の通信装置に送り返す。これにより、問い合わせ元の通信装置は、物理アドレスとIPアドレスとの組のエントリを作成及び更新することができる。本実施の形態では、グラチュイタスARPメッセージのブロードキャストフィールドに全通信装置のアドレス(ブロードキャストアドレス)を設定する代わりに、IPAG305のアドレス(ユニキャストアドレス)を設定することにより、IPAGのみがグラチュイタスARPメッセージを受け取ることができる。
また、グラチュイタスARPは、自局のレイヤ2のアドレスの変更を他局に通知するために用いられる。即ち、グラチュイタスARPは、同一のブロードキャストドメインに所属する他のネットワークホスト内に存在する、自身のARPエントリを更新させる目的で使用され、例えばレイヤ2のインタフェースカードを差し替えた場合に、他のネットワークホストに素早く自身のIPアドレスに対応するレイヤ2のアドレスの更新を促すために使用される。
グラチュイタスARPメッセージを受信したIPAG305は、グラチュイタスARPメッセージのSender Ether addrとSender IP addrに格納されているイーサネットアドレスとIPアドレスの組{Ether(HNEW),IP(MT)}をARPキャッシュに記憶し、以前記憶していた{Ether(HOLD),IP(MT)}の組を削除する。以上の動作により、外部ネットワークから受信したMT306宛てのパケットは、IPAG305にてHNEW304に転送され、最終的にMT306へ到着する。
次に、IPAG305は、ARPキャッシュから削除されたイーサネットアドレスEther(HOLD)のHOLD303に対して、MT306に関する無線リソースを解放するように指示をする(Resource Release)(ステップST410)。
次に、HOLD303は、IPAG305からの指示に従ってMT306に関する無線リソースを解放する(無線リソース解放(Release Radio Bearer Resource for MT))。
グラチュイタスARPメッセージのフォーマットを図5(A)及び図5(B)に示す。図5(A)はイーサネットのデータのフォーマットを示すものであり、図5(B)はイーサネットのデータに含まれるグラチュイタスARPメッセージのフォーマットを示すものである。
イーサネットのデータは、図5(A)に示すように、データの送信目的地を設定する目的地アドレス(Dest Address)フィールド#501と、送信元のアドレスを設定する送信元アドレス(Source Address)フィールド#502と、グラチュイタスARPメッセージを識別するための情報を設定するARP識別(Ethernet Type)フィールド#503と、グラチュイタスARPメッセージの中身を設定するARP(ARP Request/Reply)フィールド#504と、伝送中エラーのチェックを行なうためのフレームチェックシーケンス(FCS)フィールド#505から構成される。
グラチュイタスARPフィールド#504は、図5(B)に示すように、HARD TYPEフィールド#510と、PROT TYPEフィールド#511と、HARD SIZEフィールド#512と、PROT SIZEフィールド#513と、OPフィールド#514と、送信元のレイヤ2アドレス(Sender Ether addr)フィールド#515と、送信元のレイヤ3アドレス(Sender IP addr)フィールド#516と、目的地のレイヤ2アドレス(Target Ether addr)フィールド#517と、目的地のレイヤ3アドレス(Target IP addr)フィールド#518から構成される。OPフィールド#514は、あるIPアドレスが割り当てられている通信相手装置が不明な場合に問い合わせを行う際に用いられるものであり、OPフィールド#514に「1」が設定されている場合は、あるIPアドレスが割り当てられている通信相手装置に対して送信側が応答を要求していることを示し、OPフィールド#514に「2」が設定されている場合は、受信側から応答があったことを示す。
HNEW304から送信されるグラチュイタスARPメッセージにおいては、HNEW304は、送信元のレイヤ2アドレスフィールド#515にHNEW304のレイヤ2アドレスであるHNEW304のイーサネットアドレスを設定し、送信元のレイヤ3アドレスフィールド#516にMT306のレイヤ3アドレスであるMT306のIPアドレスを設定し、目的地のレイヤ2アドレスフィールド#517にレイヤ2アドレスの変更を通知したい相手であるIPAG305のレイヤ2アドレスであるIPAG305のイーサネットアドレスを設定し、目的地のレイヤ3アドレスフィールド#518にIPAG305のレイヤ2アドレスであるIPAG305のイーサネットアドレスを設定する。また、HNEW304から送信されるグラチュイタスARPメセージにおいて、HNEW304は、目的地アドレスフィールド#501にIPAG305のレイヤ2アドレスであるIPAG305のイーサネットアドレスを設定するとともに、送信元アドレスフィールド#502にHNEW304のレイヤ2アドレスであるHNEW304のイーサネットアドレスを設定する。通常のグラチュイタスARPメッセージでは、目的地アドレスフィールド#501にはブロードキャストアドレスが設定されるが、本実施の形態では、目的地アドレスフィールド#501にはIPAG305のイーサネットアドレス(ユニキャストアドレス)が設定される。
上記のグラチュイタスARPメッセージを受信したIPAG305は、ARPキャッシュのARPテーブルに記憶している、HOLD303のイーサネットアドレスとMT306のIPアドレスとの組み合わせを削除して、送信元のレイヤ2アドレスフィールド#515に設定されているHNEW304のイーサネットアドレスと送信元のレイヤ3アドレスフィールド#516に設定されているMT306のIPアドレスとの組み合わせをARPキャシュのARPテーブルに記憶する。こうすることで、ネットワークがツリー状に構成されたセルラーシステム等においては、不必要なトラヒックをネットワーク全体にブロードキャストすることを防止している。
このように、本実施の形態によれば、ハンドオーバ先のアドレスを通知するメッセージをハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするとともに、上位装置がハンドオーバ元に対して通信端末装置との接続の解放を通知することにより、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷を軽減することができる。
本発明にかかる通信装置、通信システム及びハンドオーバ方法は、例えばモバイルIP技術でグラチュイタスARPを用いたパケット単位の通信を行うのに好適である。
本発明は、例えばグラチュイタスARP(Gratuitous Address Resolution Protocol)を用いた通信装置、通信システム及びハンドオーバ方法に関する。
インターネットに対応するネットワーク層プロトコル(以下「IP」と記載する)は、インターネットを構成するネットワークやサブネットワークと接続して、源ノードから宛先ノードへ、IPデータの形で流れるデータを管理し制御するために使用される。IPデータパケットが確実に配信できることを保証するために、各ノードには1つのIPアドレスが割り当てられ、割り当てられたIPアドレスは該当するノードに固定ネットワーク上の場所を定義する。一般には、IPは固定ネットワークノード間のIPパケットのルーティング(routing)を支援するように設計されている。
しかしながら、無線ノードの急速な発達によって、固定ノードと同様に移動端末に対するIP支援を提供する必要性が増加している。ここで、固定ノードは一般に移動しない。また、移動端末は、例えばサブネットワークや局所ネットワーク(LAN)セグメントに相当する領域内で移動することができる。また、移動端末は、異なるネットワークホストを通じてサブネットワークやLANセグメントに接続する地点を連続的に変えることができる。また、当業者ならば直ちに理解するように、対応するネットワークホストは移動端末に対してプロキシとして働く。
サブネットワークまたはLANへの移動端末の接続地点とIPアドレスとが連続的に変化しても、データが移動端末へ正確にルーティングされ、連続性が維持されることを保証するために、移動端末は、サブネットワークやLANへの接続を通じて、各ネットワークホストに自身を登録する。この登録の処理は、接続している移動端末を通じてネットワークホスト内に登録記録を作成して保存する。このとき、ネットワークホストは、これらの登録された記録を含む情報を用いて、例えば移動端末を代表するIPデータパケットを受信して、処理を施した後に移動端末へIPデータパケットを送信するような、移動端末の移動に対する要求を管理または支援できる。移動端末は、あるネットワークホストから新たなネットワークホストへ連続して移動するときに、古いネットワークホストの登録を削除して、新たなネットワークホストに登録するハンドオーバと称する処理を行う。登録削除処理は、古いネットワークホストから上述の登録記録を削除する処理を含む。移動端末の登録削除の処理はきわめて重要である。例えば、登録を削除すると、ネットワークリソースを消費する必要がなくなり、安全性に寄与する。一方、削除に失敗した場合は、2以上のホストが移動端末に対するプロキシとして反応し、IPデータパケットの経路割り当てが不適当となり、許容できないネットワークの誤作動が生じることになる。
従来、ネットワークホスト内での登録記録の管理(例えば削除そして/または作成)に関する技術が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されたネットワークホスト間のハンドオーバ方法について図1を用いて説明する。図1は、ハンドオーバ方法を説明するための通信システムの概略図である。
移動端末(MT)10は、HOLD11からHNEW12へハンドオーバすることにより、サブネットワークまたはLANセグメント13への接続点をHOLD11からHNEW12へ変更する。HNEW12と移動端末10との接続20の確立において、HNEW12は、サブネットワークまたはLANセグメント13を通じて、移動端末10の代わりにグラチュイタスARPメッセージをブロードキャストする。ブロードキャストされたグ
ラチュイタスARPメッセージは、サブネットワークまたはLANセグメント13内の多くのノード及びHOLD11に受信される。これにより、HNEW12は、移動端末10は現在HOLD11ではなくHNEW12を通してサブネットワークまたはLANセグメント13に接続していることをHOLD11に対して通知することができる。そして、HOLD11は、グラチュイタスARPメッセージを受信することにより、移動端末10がHNEW12にハンドオーバしたことを知ることができる。そして、グラチュイタスARPメッセージを受信したHOLD11は、移動端末10の登録記録の全てを削除する。ここで、グラチュイタスARPメッセージは、レイヤ3のIPアドレスとレイヤ2のイーサネット(登録商標)アドレスの変更を同一ネットワーク内の他のノードへ通知するものである。HOLD11は、グラチュイタスARPメッセージ内の所定の場所に格納されている移動端末10の識別子と同一の移動端末10に関する登録記録管理を行っており、グラチュイタスARPメッセージを受信して移動端末10の登録記録を削除することにより、HNEW12へのハンドオーバをサポートすることが可能になる。
特表2002−541686号公報
ラチュイタスARPメッセージは、サブネットワークまたはLANセグメント13内の多くのノード及びHOLD11に受信される。これにより、HNEW12は、移動端末10は現在HOLD11ではなくHNEW12を通してサブネットワークまたはLANセグメント13に接続していることをHOLD11に対して通知することができる。そして、HOLD11は、グラチュイタスARPメッセージを受信することにより、移動端末10がHNEW12にハンドオーバしたことを知ることができる。そして、グラチュイタスARPメッセージを受信したHOLD11は、移動端末10の登録記録の全てを削除する。ここで、グラチュイタスARPメッセージは、レイヤ3のIPアドレスとレイヤ2のイーサネット(登録商標)アドレスの変更を同一ネットワーク内の他のノードへ通知するものである。HOLD11は、グラチュイタスARPメッセージ内の所定の場所に格納されている移動端末10の識別子と同一の移動端末10に関する登録記録管理を行っており、グラチュイタスARPメッセージを受信して移動端末10の登録記録を削除することにより、HNEW12へのハンドオーバをサポートすることが可能になる。
しかしながら、従来のシステムにおいては、ハンドオーバ時に移動先のHNEW12からグラチュイタスARPメッセージをブロードキャストするので、HOLD11以外のグラチュイタスARPメッセージが不要なホストに対して処理負荷を与えることになり、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷の観点から許容できないという問題がある。
本発明の目的は、ハンドオーバ先のアドレスを通知するパケットデータをハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするとともに、上位装置がハンドオーバ元に対して通信端末装置との接続の解放を通知することにより、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷を軽減することができる通信装置、通信システム及びハンドオーバ方法を提供することである。
本発明の通信装置は、通信端末装置のハンドオーバ先として自局が選択されたことと前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとをハンドオーバ元の他局から通知された場合に自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するハンドオーバ制御手段と、前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスと自局のレイヤ2のアドレスとを格納するメッセージを作成するメッセージ作成手段と、作成した前記メッセージを上位装置へユニキャストする送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明の通信システムは、受信品質の測定結果を報告する通信端末装置と、前記測定結果に基づいてハンドオーバ先を決定するとともに決定したハンドオーバ先に対して前記決定と前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとを通知するハンドオーバ元のネットワークホストと、前記通知を受けた際に自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するとともに、前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記レイヤ3のアドレスと自局のレイヤ2のアドレスとを格納するメッセージをユニキャストするハンドオーバ先のネットワークホストと、ユニキャストされた前記メッセージを受信して前記メッセージに格納されている前記レイヤ2のアドレスを記憶して、記憶した前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスのネットワークホストに対して前記レイヤ3のアドレス宛のパケットデータを送信するとともに、前記記憶により削除されるレイヤ2のアドレスのハンドオーバ元のネットワークホストに対して前記通信端末装置との接続の解放を指示する上位装置と、を具備する構成を採る。
本発明のハンドオーバ方法は、通信端末装置が受信品質の測定結果を報告するステップと、ハンドオーバ元が前記測定結果に基づいてハンドオーバ先を決定するステップと、前記ハンドオーバ先として選択されたことと前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとを前記ハンドオーバ元が前記ハンドオーバ先に対して通知するステップと、前記通知を受けた前記ハンドオーバ先が自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するステップと、前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記レイヤ3のアドレスと前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスとを格納したメッセージを前記ハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするステップと、上位装置が前記メッセージを受信するステップと、受信した前記メッセージに含まれる前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスを前記上位装置が新たに記憶するステップと、前記上位装置が前記記憶により削除されたレイヤ2のアドレスの前記ハンドオーバ元に対して前記通信端末装置との接続の解放を指示するステップと、前記上位装置が前記レイヤ3のアドレス宛のパケットデータをレイヤ2のアドレスの前記ハンドオーバ先に対して送信するステップと、を具備するようにした。
本発明によれば、ハンドオーバ先のアドレスを通知するパケットデータをハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするとともに、上位装置がハンドオーバ元に対して通信端末装置との接続の解放を通知することにより、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態)
図2は、本発明の実施の形態に係る通信装置であるネットワークホスト100の構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る通信装置であるネットワークホスト100の構成を示すブロック図である。
受信部101は、通信端末装置から無線回線を用いて送信された信号を受信して、受信した信号を無線周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートして受信データ処理部102へ出力する。
受信データ処理部102は、受信部101から入力した受信信号を復調してデータ部分と制御データ部分に分解する。そして、受信データ処理部102は、分解したデータ部分をIP Access Gateway(以下「IPAG」と記載する)インタフェース部106へ出力するとともに、分解した制御データ部分をスケジューリング部103とハンドオーバ制御部104へ出力する。
スケジューリング部103は、受信データ処理部102から入力した制御データ部分に含まれている通信端末装置における受信品質の情報である受信品質情報と、パケットバッファ107から入力した、パケットバッファ107に蓄積されているデータ量の情報であるキュー情報とに基づいてスケジューリングを行う。例えば、スケジューリング部103は、CQI(Channel Quality Indicator)等の受信品質と送信データ量とを関係付けた
スケジューリング情報を記憶したテーブルを保持している。そして、スケジューリング部103は、受信データ処理部102から入力したCQI等の受信品質情報の受信品質を用いてスケジューリング情報を参照するとともにキュー情報を参照することにより、送信データ量を選択する。また、スケジューリング部103は、送信部108に対して、選択した送信データ量だけ送信するように制御する。
スケジューリング情報を記憶したテーブルを保持している。そして、スケジューリング部103は、受信データ処理部102から入力したCQI等の受信品質情報の受信品質を用いてスケジューリング情報を参照するとともにキュー情報を参照することにより、送信データ量を選択する。また、スケジューリング部103は、送信部108に対して、選択した送信データ量だけ送信するように制御する。
ハンドオーバ制御部104は、ネットワークホスト100がハンドオーバ元である場合とハンドオーバ先である場合とで異なる処理を行う。
ネットワークホスト100がハンドオーバ元である場合に、ハンドオーバ制御部104は、受信データ処理部102から入力した制御データ部分に含まれる複数のネットワークホストの受信品質情報に基づいて、ハンドオーバ先のネットワークホストを選択する。そして、ハンドオーバ制御部104は、ハンドオーバ先として選択されたことと制御データ部分に含まれる通信端末装置のレイヤ3のアドレスとをハンドオーバ先の他のネットワークホストへ通知する。また、ハンドオーバ制御部104は、ハンドオーバ先の他のネットワークホストとハンドオーバするための種々の情報を送信または受信する。
また、ネットワークホスト100がハンドオーバ先である場合に、ハンドオーバ制御部104は、ハンドオーバ元である他のネットワークホストから、ハンドオーバ先として選択された通知を受けることにより、自局がハンドオーバ先として選択されたことを認識する。そして、ハンドオーバ制御部104は、自局の無線リソース状況に基づいて、通信端末装置の自局へのハンドオーバが可能か否かを判定し、可能な場合にはハンドオーバ元である他のネットワークホストから通知された通信端末装置のレイヤ3のアドレスの情報であるレイヤ3アドレス情報をメッセージ作成部105へ出力する。また、ハンドオーバ制御部104は、ハンドオーバ元の他のネットワークホストとハンドオーバするための種々の情報を送信または受信する。
メッセージ作成部105は、ネットワークホスト100がハンドオーバ先である場合に、自局のレイヤ2のアドレスと、ハンドオーバ制御部104から入力したレイヤ3アドレス情報のレイヤ3のアドレスと、IPAGに対してユニキャストするためのユニキャストアドレスとを格納したメッセージを作成する。そして、メッセージ作成部105は、作成したメッセージをIPAGインタフェース部106へ出力する。ここで、メッセージ作成部105が生成するメッセージは、例えばグラチュイタスARPメッセージである。なお、作成するメッセージの詳細については後述する。
IPAGインタフェース部106は、有線にてIPAGと接続されており、受信データ処理部102から入力したデータ部分をIPAGへ送信する。また、IPAGインタフェース部106は、IPAGから受信したレイヤ3のアドレス宛、即ち自局へハンドオーバした通信端末装置宛のパケットデータをパケットバッファ107へ出力する。また、IPAGインタフェース部106は、メッセージ作成部105から入力したメッセージをIPAGに送信する。
パケットバッファ107は、キュー情報をスケジューリング部103に出力する。また、パケットバッファ107は、IPAGインタフェース部106から入力したパケットデータを一時的に蓄積する。そして、パケットバッファ107は、所定のタイミングにて、送信部108から指示されたデータ量のパケットデータを送信部108へ出力する。
送信部108は、スケジューリング部103から指示されたデータ量のデータを出力するようにパケットバッファ107に指示し、パケットバッファ107から入力した指示したデータ量のパケットデータを無線信号にて送信する。また、送信部108は、ハンドオ
ーバ制御部104から入力したハンドオーバすることを指示するメッセージを無線信号にて送信する。
ーバ制御部104から入力したハンドオーバすることを指示するメッセージを無線信号にて送信する。
図3は本実施の形態に係るネットワーク300の構成を示す図である。ネットワーク300は、IPベースのIPコアネットワーク301とRadio Access Network(RAN)302から構成される。ネットワークホスト303、304は、RAN302に位置し、IPAG305と有線にて結合されている。IPAG305はIPコアネットワーク301内に位置し、外部ネットワークに対するゲートウェイの役割を果たす。通信端末装置306は、無線アクセス技術を使用してネットワークホスト303に接続し、IPAG305を経由して外部ネットワークと通信を行う。
次に、通信端末装置306がハンドオーバする方法について、図4を用いて説明する。図4は、ハンドオーバ方法を示すシーケンス図である。なお、図4及び図4の説明において、説明の便宜上、通信端末装置306をMTと記載し、ハンドオーバ元のネットワークホスト303をHOLDと記載し、ハンドオーバ先のネットワークホスト304をHNEWと記載する。また、HOLD303及びHNEW304は図2と同一構成である。
MT306は、HOLD303およびIPAG305を介して外部ネットワークと通信を行っているものとする。通信中、MT306は、現在接続中のHOLD303の他に、周辺に位置するネットワークホストとの通信状況をモニタする。具体的には、HOLD303及びHNEW304は、CPICHの信号を送信する(ステップST401、ステップST402)。次に、CPICHの信号を受信したMT306は、CPICHの受信電力を測定し、測定結果を、接続中のHOLD303に対して、受信品質情報であるMeasurement Reportとして通知する(ステップST403)。
次に、Measurement Reportを受信したHOLD303は、測定結果からMT306がHNEW304にハンドオーバした方が良いと判断する(ハンドオーバ先決定(Handover Decision))。
HOLD303は、HNEW304に対して、ハンドオーバ先としてHNEW304が選択されたことの通知、即ちMT306のハンドオーバ要求とともに、コンテキスト情報を送信する(Context Transfer Request)(ステップST404)。
HNEW304は、HOLD303からMT306のハンドオーバ要求を受けると、自身の無線リソース状況から応答するか否かの判断を行い、応答することを判断した場合に、HOLD303に対してMT306のハンドオーバ応答を送信する(Context Transfer Reply)(ステップST405)。
次に、HNEW304からハンドオーバ応答を受信したHOLD303は、MT306に対してHNEW304へのハンドオーバを指示する(Handover Indication)(ステップST406)。この時点で、MT306は、HOLD303への接続を解放し、HNEW304への接続を開始する。HNEW304への接続準備が完了すると(接続準備完了(Radio L1&L2 Establishment))、MT306は、HNEW304と同期するとともに(Radio L1. & L2 Establishment)(ステップST407)、MT306は、HNEW304に対してハンドオーバの完了を通知する(Handover Complete)(ステップST408)。
MT306からハンドオーバ完了通知を受け取ったHNEW304は、IPAG305
との通信経路を確立するために、グラチュイタスARPメッセージをIPAG305に対して送信する(Relocatio Request)(ステップST409)。
との通信経路を確立するために、グラチュイタスARPメッセージをIPAG305に対して送信する(Relocatio Request)(ステップST409)。
ここで、ARPとは、一般に、IPアドレスが分かっている相手通信装置の物理アドレスを知るために使われるプロトコルである。問い合わせ元の通信装置は、相手通信装置のIPアドレスを指定したグラチュイタスARPメッセージをネットワーク上の全通信装置へ一斉に送る。指定されたIPアドレスに対応する通信装置は、自分の物理アドレスとIPアドレスを知っており、自分の物理アドレスとIPアドレスとを組にした応答メッセージを問い合わせ元の通信装置に送り返す。これにより、問い合わせ元の通信装置は、物理アドレスとIPアドレスとの組のエントリを作成及び更新することができる。本実施の形態では、グラチュイタスARPメッセージのブロードキャストフィールドに全通信装置のアドレス(ブロードキャストアドレス)を設定する代わりに、IPAG305のアドレス(ユニキャストアドレス)を設定することにより、IPAGのみがグラチュイタスARPメッセージを受け取ることができる。
また、グラチュイタスARPは、自局のレイヤ2のアドレスの変更を他局に通知するために用いられる。即ち、グラチュイタスARPは、同一のブロードキャストドメインに所属する他のネットワークホスト内に存在する、自身のARPエントリを更新させる目的で使用され、例えばレイヤ2のインタフェースカードを差し替えた場合に、他のネットワークホストに素早く自身のIPアドレスに対応するレイヤ2のアドレスの更新を促すために使用される。
グラチュイタスARPメッセージを受信したIPAG305は、グラチュイタスARPメッセージのSender Ether addrとSender IP addrに格納されているイーサネット(登録商標)アドレスとIPアドレスの組{Ether(HNEW),IP(MT)}をARPキャッシュに記憶し、以前記憶していた{Ether(HOLD),IP(MT)}の組を削除する。以上の動作により、外部ネットワークから受信したMT306宛てのパケットは、IPAG305にてHNEW304に転送され、最終的にMT306へ到着する。
次に、IPAG305は、ARPキャッシュから削除されたイーサネット(登録商標)アドレスEther(HOLD)のHOLD303に対して、MT306に関する無線リソースを解放するように指示をする(Resource Release)(ステップST410)。
次に、HOLD303は、IPAG305からの指示に従ってMT306に関する無線リソースを解放する(無線リソース解放(Release Radio Bearer Resource for MT))。
グラチュイタスARPメッセージのフォーマットを図5(A)及び図5(B)に示す。図5(A)はイーサネット(登録商標)のデータのフォーマットを示すものであり、図5(B)はイーサネット(登録商標)のデータに含まれるグラチュイタスARPメッセージのフォーマットを示すものである。
イーサネット(登録商標)のデータは、図5(A)に示すように、データの送信目的地を設定する目的地アドレス(Dest Address)フィールド#501と、送信元のアドレスを設定する送信元アドレス(Source Address)フィールド#502と、グラチュイタスARPメッセージを識別するための情報を設定するARP識別(Ethernet(登録商標) Type)フィールド#503と、グラチュイタスARPメッセージの中身を設定するARP(ARP Request/Reply)フィールド#504と、伝送中エラーのチェックを行なうためのフレームチェックシーケンス(FCS)フィールド#505から構成される。
グラチュイタスARPフィールド#504は、図5(B)に示すように、HARD TYPEフィールド#510と、PROT TYPEフィールド#511と、HARD SIZEフィールド#512と、PROT SIZEフィールド#513と、OPフィールド#514と、送信元のレイヤ2アドレス(Sender Ether addr)フィールド#515と、送信元のレイヤ3アドレス(Sender IP addr)フィールド#516と、目的地のレイヤ2アドレス(Target Ether addr)フィールド#517と、目的地のレイヤ3アドレス(Target IP addr)フィールド#518から構成される。OPフィールド#514は、あるIPアドレスが割り当てられている通信相手装置が不明な場合に問い合わせを行う際に用いられるものであり、OPフィールド#514に「1」が設定されている場合は、あるIPアドレスが割り当てられている通信相手装置に対して送信側が応答を要求していることを示し、OPフィールド#514に「2」が設定されている場合は、受信側から応答があったことを示す。
HNEW304から送信されるグラチュイタスARPメッセージにおいては、HNEW304は、送信元のレイヤ2アドレスフィールド#515にHNEW304のレイヤ2アドレスであるHNEW304のイーサネット(登録商標)アドレスを設定し、送信元のレイヤ3アドレスフィールド#516にMT306のレイヤ3アドレスであるMT306のIPアドレスを設定し、目的地のレイヤ2アドレスフィールド#517にレイヤ2アドレスの変更を通知したい相手であるIPAG305のレイヤ2アドレスであるIPAG305のイーサネット(登録商標)アドレスを設定し、目的地のレイヤ3アドレスフィールド#518にIPAG305のレイヤ2アドレスであるIPAG305のイーサネット(登録商標)アドレスを設定する。また、HNEW304から送信されるグラチュイタスARPメセージにおいて、HNEW304は、目的地アドレスフィールド#501にIPAG305のレイヤ2アドレスであるIPAG305のイーサネット(登録商標)アドレスを設定するとともに、送信元アドレスフィールド#502にHNEW304のレイヤ2アドレスであるHNEW304のイーサネット(登録商標)アドレスを設定する。通常のグラチュイタスARPメッセージでは、目的地アドレスフィールド#501にはブロードキャストアドレスが設定されるが、本実施の形態では、目的地アドレスフィールド#501にはIPAG305のイーサネット(登録商標)アドレス(ユニキャストアドレス)が設定される。
上記のグラチュイタスARPメッセージを受信したIPAG305は、ARPキャッシュのARPテーブルに記憶している、HOLD303のイーサネット(登録商標)アドレスとMT306のIPアドレスとの組み合わせを削除して、送信元のレイヤ2アドレスフィールド#515に設定されているHNEW304のイーサネット(登録商標)アドレスと送信元のレイヤ3アドレスフィールド#516に設定されているMT306のIPアドレスとの組み合わせをARPキャシュのARPテーブルに記憶する。こうすることで、ネットワークがツリー状に構成されたセルラーシステム等においては、不必要なトラヒックをネットワーク全体にブロードキャストすることを防止している。
このように、本実施の形態によれば、ハンドオーバ先のアドレスを通知するメッセージをハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするとともに、上位装置がハンドオーバ元に対して通信端末装置との接続の解放を通知することにより、ネットワークリソースおよびネットワークホストの処理負荷を軽減することができる。
本発明にかかる通信装置、通信システム及びハンドオーバ方法は、例えばモバイルIP技術でグラチュイタスARPを用いたパケット単位の通信を行うのに好適である。
Claims (4)
- 通信端末装置のハンドオーバ先として自局が選択されたことと前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとをハンドオーバ元の他局から通知された場合に自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するハンドオーバ制御手段と、
前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスと自局のレイヤ2のアドレスとを格納するメッセージを作成するメッセージ作成手段と、
作成した前記メッセージを上位装置へユニキャストする送信手段と、
を具備する通信装置。 - 前記メッセージ作成手段は、自局のレイヤ2のアドレスの変更を他局に通知するためのグラチュイタスARPメッセージのブロードキャストアドレスを格納する領域に前記上位装置のユニキャストアドレスを格納して前記メッセージを作成し、
前記送信手段は、前記ユニキャストアドレスの前記上位装置へ前記メッセージをユニキャストする請求項1記載の通信装置。 - 受信品質の測定結果を報告する通信端末装置と、
前記測定結果に基づいてハンドオーバ先を決定するとともに決定したハンドオーバ先に対して前記決定と前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとを通知するハンドオーバ元のネットワークホストと、
前記通知を受けた際に自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するとともに、前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記レイヤ3のアドレスと自局のレイヤ2のアドレスとを格納するメッセージをユニキャストするハンドオーバ先のネットワークホストと、
ユニキャストされた前記メッセージを受信して前記メッセージに格納されている前記レイヤ2のアドレスを記憶して、記憶した前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスのネットワークホストに対して前記レイヤ3のアドレス宛のパケットデータを送信するとともに、前記記憶により削除されるレイヤ2のアドレスのハンドオーバ元のネットワークホストに対して前記通信端末装置との接続の解放を指示する上位装置と、
を具備する通信システム。 - 通信端末装置が受信品質の測定結果を報告するステップと、
ハンドオーバ元が前記測定結果に基づいてハンドオーバ先を決定するステップと、
前記ハンドオーバ先として選択されたことと前記通信端末装置のレイヤ3のアドレスとを前記ハンドオーバ元が前記ハンドオーバ先に対して通知するステップと、
前記通知を受けた前記ハンドオーバ先が自局へのハンドオーバが可能か否かを判断するステップと、
前記ハンドオーバが可能であると判断した際に前記レイヤ3のアドレスと前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスとを格納したメッセージを前記ハンドオーバ先が上位装置に対してユニキャストするステップと、
上位装置が前記メッセージを受信するステップと、
受信した前記メッセージに含まれる前記ハンドオーバ先のレイヤ2のアドレスを前記上位装置が新たに記憶するステップと、
前記上位装置が前記記憶により削除されたレイヤ2のアドレスの前記ハンドオーバ元に対して前記通信端末装置との接続の解放を指示するステップと、
前記上位装置が前記レイヤ3のアドレス宛のパケットデータをレイヤ2のアドレスの前記ハンドオーバ先に対して送信するステップと、
を具備するハンドオーバ方法。
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