JP4254196B2 - 通信端末装置、通信基地局装置、通信中継装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

通信端末装置、通信基地局装置、通信中継装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信端末装置、通信基地局装置、通信中継装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、移動通信端末装置の通信において、接続基地局の変更に伴うパケット消失を防止し、基地局間の情報転送によりスムーズな通信の継続を実行可能とする通信端末装置、通信基地局装置、通信中継装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型のパーソナルコンピュータ、携帯電話などが普及し、多くのユーザがこれら通信機能、情報処理機能を有する小型の装置を携帯し、屋外であるいは移動先においてネットワークに接続してネットワークを介する通信を行なっている。
【0003】
このようないわゆるモバイルコンピューティング環境では、ネットワークに接続してサービスを受ける装置(ex.パーソナルコンピュータ)であるノードは移動することが前提となる。このようなノードはノード位置が変化しても継続して通信可能な状態を維持することが要請される。
【0004】
無線ネットワークインタフェースを備えた通信携帯端末によって利用されるネットワーク環境例としてセルラー無線ネットワークを図1に示す。この無線ネットワークでは、セルと呼ばれる1つの無線基地局が管理するエリアが存在しそのセルを複数個、地理的に連続配置を行うことで広範囲に移動する無線端末に対してネットワークサービスの提供を行う。
【0005】
図1に示すセルラー無線ネットワーク系には、基地局111がA〜Gとして示され、そぞれの基地局が端末接続通信領域としてのセル112を有する。端末101は、例えば図に示すように、基地局C→F→D→G→E→Bの各セルを移動する。
【0006】
このように、無線端末101がセル間を移動する場合においても可能な限り連続的な通信を継続させるために、隣接するセル間では電波の到達する範囲が重複する領域を持たせている。こうすることで、端末101があるセルの境界領域に位置した場合においても重複する別セルの基地局へ通信を切替えることを可能としている。
【0007】
端末101側においては最適な通信状態を継続するために、無線基地局との通信電波状態等の監視を行い、接続する無線基地局を移動とともに切替える動作を行う。この基地局の切替動作をハンドオーバーといい、無線基地局が管理するセルの大きさが小さくなるに従いこのハンドオーバーの発生頻繁は増大する。
【0008】
ハンドオーバーの発生同頻度が高い状況では、端末がハンドオーバーのたびに、新しく接続する基地局との認証作業や、端末と基地局間の通信時に用いる暗号鍵の設定をしたりする作業は、端末および基地局での負荷を大きくし、また認証や鍵の設定が完了するまで間、端末上で動作しているアプリケーションは通信を再開できない。そこで、ハンドオーバー前の基地局がハンドオーバー後の基地局へ、端末に関する各種情報を端末が移動する前にあらかじめ伝達しておき、ハンドオーバー後に端末が新しい基地局と接続した際に行う作業(認証や通信時に使う鍵の設定)を省略するという手法が、IEEE(Institute ofElectrical and Electronics Engineers)やIETF(Internet EngineeringTask Force)において議論されている。なお、この手法は一般的には、Context−Transfer(情報伝達)と呼ばれている。Context−Transferを行うことにより、たとえば端末はハンドオーバーしても引き続き同じ暗号鍵を用いて通信することが可能になる。
【0009】
一方で、現在のインターネットを代表とするパケット交換技術により構築されたネットワークシステムにおいて、このハンドオーバーによる端末のネットワーク位置の変化に対して、移動先のネットワークへ透過的にパケットを配送するための手法も開発されている。
【0010】
この具体的な手法には、IETFにおいて標準化が進められているMobile−IP(RFC2002)や、本出願と同一の出願人による先の特許出願2001−000560において、LIN6システムとして提案されている。これらはデータグラムを単位としその配送経路の決定を行うOSI参照モデルにおける第3層のアプローチである。
【0011】
しかしながら、Mobile−IPやLIN6においては、端末が頻繁にネットワーク間の移動を行う場合にはパケット配送がうまく行えないという問題があり、この解決のために、端末の移動をマクロな移動とマイクロな移動とに区別することで、それぞれの移動に適したパケット配送機構を階層的に用いる手法が提案されている。
【0012】
これには、Mobile−IPを拡張して端末の移動に伴う位置登録の階層化を行うHMIP(Hierarchical Mobile−IP)と呼ばれるものや、またLIN6をベースとしてパケットの宛先書き換えとホストベースのルーティング技術を組み合わせる手法として特許出願2001−070073に提案されている構成などがある。
【0013】
一般的にハンドオーバー時には、端末は一時的にネットワークから切断される期間が生じる場合がある。この状態は過渡的なものであるが、端末が新しい基地局と通信するチャネルの切替のための時間や、端末の移動先の基地局に対してデータパケットを新たに配送するためのネットワーク内における経路確定までに時間が必要とされるため、この期間に端末へ向けられたデータパケットは端末へ到達せずに消失する場合がある。
【0014】
このような状況で発生するパケット消失に対し、現在のインターネットで用いられている解決手法としては、パケットを送出するサーバーとパケット受信する端末間におけるEnd−to−Endな制御によるアプローチがある。
【0015】
このEnd−to−Endによるアプローチには、OSI参照モデルにおける7層のアプリケーション層による独自な再送制御やFEC(Forward Error Collection)による手法がある。またインターネットにおいてはOSI参照モデルにおける4層のトランスポート層であるTCP(Transmission Control Protocol)により消失したパケットの復旧が行われている。
【0016】
しかしながら端末のネットワーク接続点となる基地局間をパケット交換技術により構築されたネットワークで接続されるような場合、基地局の変更時に発生する一時的なネットワークからの切断状態から生じるパケット消失への対応は十分でない。
【0017】
たとえば、端末の移動先へデータパケットを透過的に配送するためのネットワーク層の仕組みであるMobile−IPやLIN6、またそれぞれを端末の頻繁なネットワーク移動への適応を行うために拡張されたHierarchical Mobile−IPや前述の特許出願2001−070073に提案されている技術があるが、これらは接続点の切替に時において、端末は新接続点からの発呼により旧接続点へ向けられているパケットの経路の切替を要求する。
【0018】
この場合、新接続点からの接続要求が受理されてから、旧接続点へ配送され続けているパケットの経路が新接続点へ向けて切り替わるまでの期間に旧接続点に到達したパケットは新接続点へ到達することができず、端末へ向けられたパケットは消失する。
【0019】
この問題点の例を図2、図3を参照して、パケット交換網において移動する端末に対しパケット配送を行う場合において説明する。
【0020】
図2および図3において、無線ネットワークインタフェース等を備えた端末151は、移動によりネットワークへの接続点を基地局A171から基地局B172への切替を行う状態を仮定している。
【0021】
パケット交換機R162はルーター等のパケット交換機であり、上流から配送されるパケットを移動端末151のアドレスを基に経路エントリ表を探索し配送経路を決定する。サーバーS161は移動端末151に対して情報をパケットとして提供を行うサーバーであり、移動端末151に対して4つのパケットP1,P2,P3,P4の送出を行う。
【0022】
サーバーS161とパケット交換機R162、パケット交換機R162と、基地局A171、基地局B172のそれぞれは、ルーター、基地局、サーバーを接続するパケット交換ネットワークにおけるリンク182,183,184によって接続されている。また、端末151は、その存在領域に応じて、基地局A171、基地局B172のいずれかと無線リンク191,192によって接続される。パケット交換機R162は、たとえばHierarchical Mobile−IPの仕組みにおいてはLocal Foreign Agentに相当するものである。
【0023】
図2(a)において、端末151はリンク191を通して現在接続されており、サーバーS161からのパケット経路としてリンク184,182,191が確定している状態である。そのためパケット[P1]はパケット交換機R162においてリンク182への経路が指示され基地局A171へ向かい、端末151はパケット[P1]を受信する。
【0024】
図2(b)においては、端末151の移動により基地局B172との接続を開始する。この初期状態においては、パケット交換機R162において端末151へのパケット経路はリンク182が指示されたままであるため、パケット[P2]はリンク182を通り基地局A171へ向かう。
【0025】
図2(c)においては、端末151は自分が基地局B172へ接続したために、パケット配送経路の変更要求パケット[P5]を送出する。このパケットはHierarchical Mobile−IPにおけるBinding Update Packetに相当する。またパケット[P2]は基地局A171へ到達した後、端末151が接続されていないため消失する。
【0026】
次に図3の(d)においては、端末151が送出した経路変更要求パケット[P5]がパケット交換機R162へ向かっている状態である。まだこの段階ではパケット交換機R162において、端末151へのパケット経路はリンク182が指定された状態が維持されている。そのため、パケット[P3]は基地局A171へ到達した後、端末151が接続されていないため消失する。
【0027】
図3(e)においては、端末151が送出した変更要求パケット[P5]がパケット交換機R162へ到着し、端末151へ配送するパケットはリンク183に向かうように経路が変更された状態である。そのためパケット[P4]はリンク183に対して送出される。
【0028】
図3(f)においては、パケット[P4]が基地局B172を経由し、端末151へ配送された状態を示す。
【0029】
この例では、2つのパケット[P2]、[P3]が、端末151の移動による基地局の変更に伴い消失する。このような状態で発生するパケットの消失に対し、従来技術においてはTCPにおけるトランスポート層による再送によって対処がされたが、これには次に述べる問題が生じた。
【0030】
まず、現在のインターネット環境で用いられているトランスポート層プロトコルであるTCPは、データパケットの消失はネットワークの輻輳により発生することを前提に設計がされ、パケットの再送とネットワークの輻輳状態を回避する機構がEnd−End間の制御により実現されている。
【0031】
しかしながら、このネットワークの輻輳状態を回避する仕組みは端末の基地局移動に伴う一時的なネットワークの切断により発生したパケット消失と、ネットワークの輻輳状態により発生したパケット消失を区別することができない。
【0032】
そのため、端末の一時的な切断時間と比較して長い時間にわたりパケットの再送が行われない場合があり、端末が頻繁に基地局を変更する環境においてはパケットの到着が大幅に遅延し、アプリケーションへの性能を大幅に低下させる問題があった。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、端末の基地局移動に伴う一時的なネットワークの切断によるパケット消失を回避し、基地局を移動する際にも継続的な通信を可能とした通信端末装置、通信基地局装置、通信中継装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【0034】
本発明では、端末が移動する前に、接続切替前後の基地局の分岐点となるネットワーク内ノードにおいて、現在端末が接続している基地局へ送られているパケットの複製処理を行い、その複製パケットを端末が次に接続する予定の基地局へ事前に配送し、また複製パケットを受信した基地局においてもそのパケットを、端末が実際に接続するまでバッファする。これにより、端末の基地局間移動において一時的なネットワークからの切断があった場合でも端末はパケットを失うことがない構成を提供する。
【0035】
また、本発明では、パケット複製およびバッファの手法を、前述したContext−Transferと連携させる。具体的には、Context−Transferのために端末に関する情報が移動前の基地局から移動後の基地局へ伝達されていく過程において、その情報を中継するルーターの中から、端末宛のデータパケットを複製するのに適したルーターの選択を行うことにより、スムーズなデータ転送処理を可能とした構成を提供する。
【0046】
【課題を解決するための手段】
本発明の第の側面は、
ネットワーク上におけるデータ中継処理を実行するデータ中継装置であり、
パケットに設定される終点アドレスと、出力先としてのインタフェース番号リストを対応付けた経路エントリ表を有し、
通信端末の接続する基地局から、接続端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求パケットを受信し、
該切替準備要求パケットに格納された現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスとに基づいて、自身が分岐ルータとしてのデータ中継装置であるか否かを判定し、分岐ルータである場合には、前記切替準備要求パケットに格納された端末アドレスに対応する前記経路エントリ表のエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するとともに、
該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行する構成を有することを特徴とするデータ中継装置にある。
【0047】
さらに、本発明のデータ中継装置の一実施態様において、前記データ中継装置は、ネットワーク上の基地局から前記経路エントリ表に登録すべき端末アドレス情報を格納した経路登録要求を受信し、該経路登録要求の受信に基づいて、前記経路エントリ表の端末アドレスエントリに、該経路登録要求の送信基地局に対応して設定された出力インタフェース番号のみを設定情報とする経路エントリ表の更新を実行する構成であることを特徴とする。
【0048】
さらに、本発明のデータ中継装置の一実施態様において、前記データ中継装置は、ネットワーク上の他のデータ中継装置から前記経路エントリ表から削除すべき端末アドレス情報を格納した経路削除要求を受信し、該経路削除要求の受信に基づいて、前記経路エントリ表の端末アドレスエントリの削除処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0049】
本発明の第の側面は、
データ通信処理を実行する通信端末と、前記通信に対するデータ送受信処理を実行する基地局と、前記基地局に対して前記通信端末の通信データの中継処理を実行する中継装置とを含むデータ通信システムにおいて、
前記通信端末が接続基地局を切替える以前に、切替予定の基地局アドレス情報を格納した切替要求を現接続基地局に送信し、
前記現接続基地局は、前記切替要求の受信に基づいて、端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求を中継装置および接続予定基地局に送信し、
前記中継装置は、前記切替準備要求の受信に基づいて、前記切替準備要求に格納された端末アドレスに対応する前記経路エントリ表のエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するとともに、
該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行する構成を有することを特徴とするデータ通信システムにある。
【0050】
さらに、本発明のデータ通信システムの一実施態様において、前記データ通信システムにおいて、前記接続予定基地局は、前記切替準備要求の受信に基づいて、該切替準備要求に格納された端末アドレスと通信鍵データとを抽出し、該抽出データを対応付けて端末管理エントリ表の新規エントリとして追加する処理を実行する構成を有することを特徴とする。
【0051】
さらに、本発明のデータ通信システムの一実施態様において、前記データ通信システムにおいて、前記接続予定基地局は、前記端末管理エントリ表の新規エントリとして追加した端末宛てのパケットを、該端末の接続完了までの期間、バッファに格納する処理を実行するとともに、端末の接続完了後に、該バッファに格納したパケットを端末宛てに送信する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0062】
本発明の第の側面は、
ネットワーク上におけるデータ中継処理を実行するデータ中継装置における中継データ処理方法であり、
通信端末の接続する基地局から、接続端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求パケットを受信するステップと、
該切替準備要求パケットに格納された現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスとに基づいて、自身が分岐ルータとしてのデータ中継装置であるか否かを判定し、分岐ルータである場合には、パケットに設定される終点アドレスと、出力先としてのインタフェース番号リストを対応付けた経路エントリ表について、前記切替準備要求パケットに格納された端末アドレスに対応するエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するステップと、
該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行するステップと、
を有することを特徴とする中継データ処理方法にある。
【0065】
本発明の第の側面は、
データ通信処理を実行する通信端末と、前記通信に対するデータ送受信処理を実行する基地局と、前記基地局に対して前記通信端末の通信データの中継処理を実行する中継装置とを含むデータ通信システムにおけるデータ通信方法であり、
前記通信端末が接続基地局を切替える以前に、切替予定の基地局アドレス情報を格納した切替要求を現接続基地局に送信し、
前記現接続基地局において、前記切替要求の受信に基づいて、端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求を中継装置および接続予定基地局に送信し、
前記中継装置において、前記切替準備要求の受信に基づいて、前記切替準備要求に格納された端末アドレスに対応する前記経路エントリ表のエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するとともに、
該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行することを特徴とするデータ通信方法にある。
【0069】
本発明の第の側面は、
ネットワーク上におけるデータ中継処理を実行するデータ中継装置における中継データ処理をコンピュータ・システム上で実行するために記述されたコンピュータ・プログラムであって、
通信端末の接続する基地局から、接続端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求パケットを受信するステップと、
該切替準備要求パケットに格納された現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスとに基づいて、自身が分岐ルータとしてのデータ中継装置であるか否かを判定し、分岐ルータである場合には、パケットに設定される終点アドレスと、出力先としてのインタフェース番号リストを対応付けた経路エントリ表について、前記切替準備要求パケットに格納された端末アドレスに対応するエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するステップと、
該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行するステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0070】
【作用】
本発明の構成によれば、通信端末が接続基地局を切替える以前に、切替予定の基地局アドレス情報を格納した切替要求を現接続基地局に送信し、現接続基地局において、切替要求の受信に基づいて、端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求を中継装置および接続予定基地局に送信し、中継装置において、切替準備要求の受信に基づいて、切替準備要求に格納された端末アドレスに対応する経路エントリ表のエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するとともに、端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行する構成としたので、端末の基地局切替処理において、パケットの消失を発生させることなく、データ通信を継続して実行することが可能となる。
【0071】
さらに、本発明の構成によれば、端末が一度認証された後は基地局の切替の度に認証を繰り返す必要がなく、迅速に再接続が終了するため、アプリケーション動作へ影響を最小限にすることができ、さらに、端末の基地局変更に伴い発生するパケットの消失を防ぐことが可能となるので、端末上のアプリケーション動作への影響を最小限にすることができる。
【0072】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0073】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づく、より詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の通信端末装置、通信基地局装置、通信中継装置、および方法について、図面を参照して説明する。
【0075】
[ネットワーク構成および通信処理概要]
図4は、本発明の構成が適用可能な通信ネットワーク構成例を示す図である。本発明を適用した通信処理は、例えば、本出願人と同一出願人の先の特許出願2001−006364において記述されているホストベースのルーティング機構に対して適用できるものである。また、ネットワーク的な接続位置が固定である各基地局や各ルーターに対する経路エントリはルーター内に生成されているものとする。
【0076】
図4に示す通信ネットワークは、大きく分割して、2つのネットワーク構成部を持つ。1つはインターネット210であり、もう1つは移動ネットワーク200である。この移動ネットワーク200は、さらに、端末251と、基地局A261〜基地局D264間の無線区間部201と、基地局A261〜基地局D264とルーターP271〜ルーターR273間の有線区間部202から構成される。
【0077】
移動ネットワーク200内のルーター、基地局によって構成される各ノードの接続構成は木構造を持つ。移動ネットワーク内を流れるパケットにおいて、それがインターネット方向へ向かうものを上流、端末方向へ向かうものを下流と呼ぶ。また、ルーター271はインターネット210とのゲートウェイを行う移動ネットワーク内の最上流のルーターである。
【0078】
端末251は、無線ネットワークインタフェース等を備えた端末であり、アプリケーションサーバー211との間でインターネット210と移動ネットワーク200を経由してデータパケットの送受信を行う。また、端末251は端末毎に異る秘密鍵を持ち、基地局接続時の認証に使用する。
【0079】
認証サーバー212は、端末251の基地局A261〜基地局D264への接続を認証するサーバーであり、認証する必要がある端末と同じ秘密鍵を端末アドレスと対に保持している。また、端末251と認証サーバー212が持つ秘密鍵については、事前に安全な手段により配布されているものとする。
【0080】
基地局A261〜基地局D264は、無線区間部201と有線区間部202を相互に接続するゲートウェイとして機能する。また基地局A261〜基地局D264は自分が管理するセルの存在を、定期的なビーコンを送信することにより端末251へ知らせる。そして端末はこれら基地局A261〜基地局D264をネットワークへの接続点として移動に伴い切替を行う。
【0081】
また、各基地局A261〜基地局D264間、および各基地局A261〜基地局D264と認証サーバー212の間には第3者には盗聴が不可能な状態が構築されている事が仮定されている。これにより、不正な端末の接続や悪意のある基地局の設置を防止する。
【0082】
ルーターP271〜ルーターR273は、上流から到着したパケットをパケット内に含まれる終点アドレスに応じ、送信先リンク231〜236の決定処理をホストベースのルーティング処理で行う。
【0083】
次に、端末が基地局を切替える際の処理の概略について説明する。なお、詳細は、シーケンス図を用いた具体例を用いて後述する。
【0084】
まず、端末が基地局の切替に先立ち、次に接続する予定の基地局のアドレスを含むメッセージを現在接続している基地局に対して切替要求として通知する。
【0085】
この要求を受けた基地局は、その基地局が保持する端末に関する情報と、端末が次に接続を希望している基地局および端末を識別するアドレスを格納した切替準備要求を端末が次に接続を希望している基地局に向けて送信する。たとえばこの切替準備要求の中には、端末と基地局間で用いられる暗号通信鍵等を含む事ができる。
【0086】
切替準備要求を中継するルーターは、要求に含まれる次に端末が接続する基地局のアドレスをもとに、そのルーターが現在接続している基地局と次に接続する基地局とのおのおの分岐点となるノードであるかの判断を行う。
【0087】
分岐点であると判断したルーターは、現在の基地局へ送られている端末宛のデータパケットの複製を行い、切替準備要求で示される次に端末が接続する基地局に対して配送を開始する。このように、端末宛のデータパケットの複製を行うルーターの決定は、自動的に決定されるため、端末数の増大等におるセルやネットワーク構成の変更へも柔軟に対応することができる。なお、パケットの複製をネットワーク層で行うことにより、有線から無線へネットワークへの移動など、移動前後の基地局のデータリンク層が異なる場合へのハンドオーバーへも対応できる。
【0088】
切替準備要求を受信した、端末が次に接続する予定の基地局は、切替準備要求に含まれる端末に関する情報を元に、端末の接続に備える。これにより実際に端末が接続されるまでの間、到着するパケットのバッファを行う。そして端末に対して基地局切替の準備が完了したことを伝える切替応答を端末に送信する。また、切替準備要求には端末との暗号通信鍵等を含むことができるため、新たな端末認証を基地局は行わなくてもよく、端末接続の高速化を実現する。
【0089】
端末は、切替応答を受信することにより、次の基地局への接続切替を開始する。そして、端末が実際に接続された基地局はバッファされていたパケットから順番に端末へ向けて配送を開始する。このバッファされているパケットは、経路途中のルーターにおいて切替前の基地局に配送するパケットを複製したパケットである。これにより、基地局の移動において一時的なネットワークからの切断があった場合においても端末はパケットを失うことがない。なお、具体的な処理シーケンスおよび、各通信データ構成については、後述する。
【0090】
[各装置構成]
次に、図5、図6を参照して、無線通信を実行する移動通信端末、基地局、ルーターの構成について説明する。
【0091】
図5は、無線通信を実行する移動通信端末の構成例を示すブロック図である。通信端末310は、各種通信データの暗号処理に適用する秘密鍵を格納した秘密鍵記憶部311、通信制御、データ転送制御、認証プログラム、通信プログラム、データ検証処理プログラム等、各種プログラムの実行、データ処理制御等、各種制御を実行するCPU等から構成される制御部312、各種プログラムの格納領域、固定データ、パラメータ等の格納領域としての記憶部313、LCD等によって構成される表示部314、各種スイッチ、入力ボタン等によって構成される入力部315を有する。
【0092】
さらに、通信データ等の暗号化処理を実行する暗号化部316、通信データの暗号処理に適用する鍵、具体的には、端末と基地局の無線区間の秘匿通信に利用する通信鍵を格納する通信鍵記憶部317、通信データ等の復号化処理を実行する復号化部318、基地局を介するデータ送受信インタフェースとしての無線送受信部319、さらに、無線送受信部319を介する受信データに基づく電界強度の測定処理を実行する電界強度測定部320を有する。
【0093】
次に、図6を参照して、基地局およびルーターの構成について説明する。(a)は、基地局の構成例を示すブロック図である。
【0094】
基地局330は、通信制御、データ転送制御、認証プログラム、通信プログラム、データ検証処理プログラム等、各種プログラムの実行、データ処理制御等、各種制御を実行するCPU等から構成される制御部331、各種プログラムの格納領域、固定データ、パラメータ等の格納領域としての記憶部332、通信データ等の暗号化処理を実行する暗号化部333、通信端末のエントリ表を記憶する通信端末管理エントリ表記憶部334を有する。通信端末管理エントリ表については後述する。
【0095】
さらに、通信データ等の復号化処理を実行する復号化部335、端末とのデータ送受信インタフェースとしての無線送受信部336、さらに、ルーターとのデータ送受信インタフェースとしての有線送受信部337を有する。
【0096】
図6(b)は、ルーターの構成例を示すブロック図である。ルーター350は、通信制御、データ転送制御、認証プログラム、通信プログラム、データ検証処理プログラム等、各種プログラムの実行、データ処理制御等、各種制御を実行するCPU等から構成される制御部351、各種プログラムの格納領域、固定データ、パラメータ等の格納領域としての記憶部352、通信データ等の暗号化処理を実行する暗号化部352、端末に対するパケット転送経路の管理表としての経路エントリ表を記憶した経路エントリ表記憶部353を有する。経路エントリ表については後述する。
【0097】
さらに、下流ルーターとのデータ送受信インタフェースとしての有線送受信部354(1)〜(N)、上流ルーターまたはインターネット等上流通信ネットワークとのデータ送受信インタフェースとしての有線送受信部355を有する。
【0098】
[初期接続処理]
以下、移動通信端末が実行する各種処理の詳細について、シーケンス図、フローチャート、データ構成図を参照しながら詳細に説明する。
【0099】
まず、図4に示すネットワーク構成において、端末251が基地局A261へ初期接続を行う処理について、図7のシーケンス図を用いて説明する。なお、図7において示す各処理中、四角の枠で示す処理については、別図面のフローを参照して説明する。
【0100】
まず、端末251が存在する位置をセル範囲とした基地局Aおよび基地局Bからビーコン発信処理(S01),(S02)がなされており、端末251は、各基地局からのビーコンを受信する。基地局は、定期的にビーコンを送信している。このビーコン内には基地局が可能とする最大データ転送レートやリアルタイムデータ転送サポートの有無等、基地局が持つ能力情報がある。また、現在接続されている端末数から決定される基地局の負荷状態の情報等、時間とともに変化する情報が含まれる場合もある。
【0101】
図8にビーコンパケットのデータ構成例、および基地局におけるビーコン発信処理手順を説明するフローを示す。ビーコンパケットは、図8(a)に示すように、始点アドレスとしての基地局アドレス、終点アドレスとしてのブロードキャストアドレス、ビーコンであることを示すパケット種別、パケット長、その他、基地局が可能とする最大データ転送レートやリアルタイムデータ転送サポートの有無等、基地局が持つ能力情報等の基地局情報が含まれる。
【0102】
基地局は、図8(b)に示す手順に従って定期的にビーコンをブロードキャストする。まず、ステップS101において基地局の負荷状態等の基地局情報を収集し、ステップS102において、ステップS101で収集した基地局能力等の基地局情報を格納したビーコンパケットを生成してブロードキャストする。ステップS103では予め設定されたビーコン発信間隔の間、待機し、待機後、ステップS101に戻り同様の処理を繰り返し実行する。
【0103】
図7に戻りシーケンス図の説明を続ける。端末は基地局からのビーコンを受信し、基地局接続処理としてビーコン内に含まれる情報、その電界強度やアプリケーション側の要求等を総合的に判断して接続する基地局を決定する。基地局接続処理の詳細については、後述する。ビーコンには発信した基地局自身のアドレスが含まれるため、特定の基地局を指示することができる。ここで説明する例では、端末は基地局接続処理の結果、基地局Aを選択し接続を試みる。端末は、ステップS03において、接続要求を基地局Aへ送信する。
【0104】
接続要求のデータフォーマット例を図9(a)に示す。接続要求には始点アドレスとして端末アドレス、終点アドレスとして基地局アドレス、接続要求を示すパケット種別、パケット長が含まれる。
【0105】
接続要求を受信した基地局Aは、すでに接続のための認証が終了した端末であるかを判断し、認証終了端末でなく認証する必要がある場合は、ステップS04において、認証要求を認証サーバーへ送信する。認証要求のデータフォーマット例を図9(b)に示す。認証要求には始点アドレスとしての基地局アドレス、終点アドレスとしての認証サーバーアドレス、認証要求を示すパケット種別、パケット長、および端末アドレス情報が含まれる。
【0106】
なお、認証要求の認証サーバーへの送信処理は、中継装置としてのルーターを介して実行される。ルーターのパケット中継処理手順について、図10のフローを参照して説明する。
【0107】
ステップS131において、ルーターはパケットを待機し、パケット受信すると、ステップS132において、パケットの終点アドレスを確認し、自身のアドレスが格納されている場合は、自身あてのパケットであると判定してパケットを格納する。終点アドレスが自身のアドレスでない場合は、ステップS133に進み、ルーターが経路エントリ表記憶部353(図6参照)に格納している経路エントリ表に設定された終点アドレスと、受信パケットの終点アドレスとが一致するエントリがあるか否かを判定する。
【0108】
経路エントリ表の例を図11に示す。経路エントリ表は、ルーター自身が経路設定を行なう端末あるいは基地局等の各ノードの終点アドレスと、ルーターの出力インタフェース番号リストを対応付けたテーブルである。
【0109】
受信パケットの終点アドレスと、経路エントリ表に設定された終点アドレスとが一致するものがない場合は、ステップS136に進み、受信パケットが上流からきたものか否かを判定する。上流からきたものである場合は、経路エントリ表に設定されていない送信先のないパケットであるので、パケットの廃棄を行ない処理を終了する。パケットが下流からきたものである場合は、上流ルーター、インターネット等、上流への接続インタフェースを介して上流に出力する。
【0110】
ステップS133において、受信パケットの終点アドレスと、経路エントリ表に設定された終点アドレスとが一致するものがある場合は、ステップS134に進み、経路エントリ表の対応エントリのインタフェース番号リストデータを取得し、ステップS135において、ステップS134で取得したインタフェース番号に対応するインタフェースを介してパケットを出力する。
【0111】
ルーターは、以上の手順に受信パケットの転送処理を自身の経路エントリ表記憶部353(図6参照)に格納している経路エントリ表の設定情報に従って実行する。
【0112】
図7に戻り説明を続ける。ステップS04において、認証要求は、基地局から上述したルーターのパケット中継を介して認証サーバーへ送信される。認証サーバーは、RADIUSサーバーのような一般的な認証手続きを行うものである。この例では、端末と認証サーバーが事前に持つ秘密鍵を用いる事で、接続要求を送信した端末の正当性を確認するステップを実行する。そのために認証サーバーは認証確認要求(S05)によりシードを基地局Aに対して送信し、基地局Aは接続確認要求(S06)で端末まで、シードを転送する。
【0113】
認証確認要求のデータフォーマット例を図9(c)に示す。認証確認要求には始点アドレスとしての認証サーバーアドレス、終点アドレスとしての基地局アドレス、認証確認要求を示すパケット種別、パケット長、および端末アドレスとシード情報が含まれる。接続確認要求のデータフォーマット例を図9(d)に示す。接続確認要求には始点アドレスとしての基地局アドレス、終点アドレスとしての端末アドレス、接続確認要求を示すパケット種別、パケット長、およびシード情報が含まれる。
【0114】
端末は認証サーバーから基地局Aを介して受信したシードを自身の持つ秘密鍵で暗号化処理を実行(S07)し、接続確認応答として、秘密鍵で暗号化したシード、すなわちEnc(秘密鍵,シード)を基地局に対して送信(S09)する。なお、Enc(A,B)は、BをAで暗号化したデータであることを示す。接続確認応答のデータフォーマット例を図9(e)に示す。接続確認応答には始点アドレスとしての端末アドレス、終点アドレスとしての基地局アドレス、接続確認応答を示すパケット種別、パケット長、および端末の持つ秘密鍵で暗号化されたシードEnc(秘密鍵,シード)が含まれる。
【0115】
基地局Aは、受信データにさらに、端末アドレスを付加して、暗号化シードとともに格納した認証確認応答パケットを生成して認証サーバーに送信(S10)する。認証確認応答のデータフォーマット例を図9(f)に示す。認証確認応答には始点アドレスとしての基地局アドレス、終点アドレスとしての認証サーバーアドレス、認証確認応答を示すパケット種別、パケット長、および端末アドレスと、端末の持つ秘密鍵で暗号化されたシードEnc(秘密鍵,シード)が含まれる。
【0116】
認証サーバーは、認証処理として、基地局Aから受信した暗号化シードを自身の持つ秘密鍵で復号化し、最初に送信したシードと同一値となるか否かを判定する。一致した場合は認証成立として、端末の基地局への接続を許可する。
【0117】
認証が成立すると、認証サーバーは端末と基地局の無線区間の秘匿通信に利用する通信鍵を生成する。ここで生成された通信鍵は秘密鍵で暗号化される。認証サーバーは認証応答として、通信鍵と通信鍵を秘密鍵で暗号化したデータを基地局Aへ送信(S12)する。なお、認証サーバーと基地局の間には、事前に安全な通信路が確保されているものとする。
【0118】
認証応答のデータフォーマット例を図9(g)に示す。認証応答には始点アドレスとしての認証サーバーアドレス、終点アドレスとしての基地局アドレス、認証応答を示すパケット種別、パケット長、および端末アドレス、認証結果情報、通信鍵、および通信鍵を秘密鍵で暗号化したデータ:Enc(秘密鍵,通信鍵)が含まれる。
【0119】
基地局Aは認証応答として受信したデータのうち、暗号化されていない通信鍵を自身の端末管理エントリに記憶する。また、暗号化されている通信鍵はそのまま接続応答(S13)として端末へ送信する。これにより無線区間において第三者による盗聴が行われても秘密鍵を知らない限り通信鍵を知る事はできない。
【0120】
接続応答のデータフォーマット例を図9(h)に示す。接続応答には始点アドレスとしての基地局アドレス、終点アドレスとしての端末アドレス、接続応答を示すパケット種別、パケット長、および接続要求結果情報、および通信鍵を秘密鍵で暗号化したデータ:Enc(秘密鍵,通信鍵)が含まれる。
【0121】
端末は接続応答を基地局から受信すると、受信した接続応答に含まれる秘密鍵で暗号化された通信鍵:Enc(秘密鍵,通信鍵)を自身の秘密鍵で復号化することで通信鍵を取り出し、通信鍵記憶部(図5参照)に保存する。
【0122】
ここまでの説明が端末の認証を行い、無線区間における通信の秘匿性を実現するための端末と基地局間で共有される通信鍵が決定されるまでの接続処理期間である。この接続処理期間では、端末の認証のためにネットワーク的に距離のある認証サーバーまで問い合わせを必要とし、通信鍵を得るまでに時間が必要とされる場合があることである。また、説明した端末の接続要求から、基地局の接続応答までの一連の認証処理については、IEEE802.1xで定義されるような手法を用いることも可能である。
【0123】
また、認証サーバーから認証応答(S10)を受信した基地局は、端末に対する経路登録要求を上流のルーターへ送信(S12)し、端末へデータパケットが配送されるように図4を参照して説明した移動ネットワーク200内の設定、すなわち経路変更処理を実行する。この経路登録要求はインターネットとのゲートウェイルーターである図4のルーター271まで伝えられ、当ルーターでも経路変更処理を実行する。
【0124】
次に、図7に示すシーケンス図において実行される処理として、認証サーバーにおいて実行される認証処理、端末において実行される基地局接続処理、基地局において実行される接続要求処理、さらにルーターにおいて実行される経路変更処理の詳細について、それぞれフローを参照して説明する。
【0125】
まず、図12を参照して、認証サーバーにおいて実行される認証処理の詳細について説明する。認証サーバーは、ステップS151において、基地局からの認証要求(図9(b))を待機し、認証要求を受信すると、ステップS152において乱数生成処理を実行し、ステップS153において、生成乱数をシードとして設定し、シードと端末アドレスを格納した認証確認要求(図9(c))を生成して基地局へ送信する。
【0126】
ステップS154で、基地局からの認証確認応答(図9(f))を待機し、認証確認応答を受信すると、ステップS155において、認証確認応答に含まれる暗号化シードEnc(秘密鍵,シード)を秘密鍵を用いて復号する。
【0127】
ステップS156では、ステップS155において復号して取得したシードが、自己が生成した乱数に等しいか否かを判定する。一致しない場合は、ステップS159に進み、認証不成立の認証応答を基地局へ送信する。
【0128】
ステップS156の判定が一致である場合には、ステップS157において通信鍵を生成し、ステップS158において、通信鍵と、通信鍵を秘密鍵で暗号化したデータEnc(秘密鍵,通信鍵)を格納した認証応答(図9(g))を生成して基地局に対して送信する。
【0129】
次に、図13のフローチャートを参照して、端末において実行される基地局接続処理の詳細について説明する。
【0130】
ステップS201において、端末は初期状態としていずれの基地局にも接続されていない非接続状態であるとする。ただし端末の電源はオンであり受信可能な状態にある。ステップS202において、基地局が定期的に発信するビーコン情報の受信を行なう。ビーコン情報は、図8を参照して説明したように、基地局が可能とする最大データ転送レートやリアルタイムデータ転送サポートの有無等、基地局が持つ能力情報が含まれる。また、現在接続されている端末数から決定される基地局の負荷状態の情報等、時間とともに変化する情報が含まれる場合もある。
【0131】
端末は、受信するビーコン情報に基づいて、接続に最適な基地局を選択する。例えば、電界強度が最大の基地局、あるいは負荷の低い基地局等である。これらの基地局選択処理は、端末に格納されたプログラムの実行によって行われる。なお、端末が通信状態にあるときも、通信状態に基づいて、同様の基地局選択処理が実行される。
【0132】
ステップS203では、ステップS202において実行される基地局選択処理において、接続に適した基地局があるか否かが判定される。例えばステップS202で実行される基地局選択処理においては、予め定めた閾値より大の電界強度を持ち、かつ予め定めた閾値より小さい負荷を持つ基地局等が、接続に適した基地局として選択されるが、このような条件に該当する基地局の有無がステップS203で判定される。
【0133】
選択される基地局が無い場合は、ステップS201,S202の処理を繰り返す。すなわち、ビーコン受信による基地局選択処理が実行される。接続に適した基地局が検出されると、ステップS204に進み、選択基地局への接続の必要性の有無が判定される。接続不要の場合は、ステップS202に戻りビーコン受信を継続する。
【0134】
接続要と判定した場合は、ステップS205に進み、現在、端末がいずれかの基地局と接続されているか否かが判定され。接続されている場合は、ステップS206に進み、現在接続している基地局へ次に接続する基地局のアドレスを含む切替要求を送信し、ステップS207において、切替応答を受信するまで待機する。この切替要求に基づく処理については、後段で詳細に説明する。
【0135】
ステップS208は、端末が新たに基地局へ接続するか、基地局の切替を行なう場合の処理であり、ステップS202において、選択された基地局への通信チャネル変更を実行する。具体的には、端末の制御部が無線送受信部に対する通信チャネル変更指示を出力し、無線送受信部が指示に従って通信チャネルを変更する。
【0136】
ステップS209では、ステップS202における基地局選択処理において選択された基地局に対する接続要求(図9(a)参照)を送信し、ステップS210において、接続確認要求(図9(d)参照)または接続応答(図9(h)参照)を待機する。
【0137】
接続応答を受信せず、接続確認要求を受信した場合は、ステップS211からステップS212に進み、接続確認要求に含まれるシードを端末の有する秘密鍵で暗号化して、ステップS213において、暗号化シードを含む接続確認応答(図9(e)参照)を基地局へ送信する。
【0138】
ステップS211で、接続応答を受信したと判定すると、ステップS214において、接続応答に含まれる接続要求結果を参照し、成功の場合は、ステップS215に進む。失敗の場合は、ステップS202のビーコン受信、基地局選択処理に戻る。
【0139】
ステップS215では、接続応答に暗号化された通信鍵が含まれているか否かを判定し、含まれている場合は、ステップS216において、暗号化通信鍵を端末の保有する秘密鍵で復号し、ステップS217において、復号した通信鍵を通信鍵記憶部317に記憶する。以上の処理により、ステップS218で基地局接続状態として設定される。なお、ステップS215では、接続応答に暗号化された通信鍵が含まれているか否かを判定しているが、通信鍵を用いない通信の場合には、通信鍵が不要となり、この場合は、ステップS216,S217の処理は省略される。
【0140】
次に、基地局において実行される接続要求処理について、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0141】
基地局は、定期的に基地局情報を格納したビーコンを送信しており、ステップS231では、前述の端末における基地局選択処理によって選択された結果としての接続要求(図9(a)参照)を待機する。
【0142】
ステップS232では、接続要求に含まれる始点アドレスとしての端末アドレスを取得し、端末アドレスが基地局において管理する端末管理エントリ表に含まれるか否かを判定する。端末管理エントリ表は、当基地局が通信処理を介在している端末を管理するテーブルであり、図15に示すように、端末アドレス、通信に適用する通信鍵、基地局の有する通信パケットバッファ領域のポインタが対応付けられて格納されたテーブルである。
【0143】
端末管理エントリ表に端末アドレスが記録されていない場合は、その端末の新規接続要求であると判定し、ステップS233以下の処理を実行する。ステップS233では、端末アドレスを含む認証要求(図9(b)参照)を認証サーバーへ送信し、ステップS234において認証サーバーからの認証確認要求(図9(c)参照)を待機する。
【0144】
ステップS235では、認証サーバーから受信した認証確認要求に含まれるシードを格納した接続確認要求(図9(d)参照)を生成して端末に送信する。ステップS236では、接続確認応答(図9(e)参照)を待機する。
【0145】
ステップS237では、端末から受信した接続確認応答に含まれる暗号化シードを格納した認証確認応答(図9(f)参照)を生成して認証サーバーに送信し、ステップS238において、認証サーバーからの認証応答(図9(g)参照)を待機する。
【0146】
ステップS239において、認証応答中の認証結果が成功か失敗かを判定し、失敗である場合は、ステップS240において、結果を格納した接続応答(図9(h)参照)を端末に送信する。成功である場合は、ステップS241に進み、認証応答に含まれる端末アドレスと、通信鍵情報を取得して、端末管理エントリ表(図15参照)に新規エントリとして追加する更新処理を実行し、ステップS242において、接続要求結果としての成功情報、および秘密鍵で暗号化された通信鍵を含む接続応答(図9(h)参照)を端末に送信する。
【0147】
ステップS243では、上位ルーターへ端末アドレスの経路登録要求を送信する。経路登録要求は、図16(a)に示すように、始点アドレスとしての基地局アドレス、終点アドレスとしてのルーターアドレス、経路登録要求であることを示すパケット種別、パケット長、さらに経路エントリに登録するアドレスとしての端末アドレスが含まれる。
【0148】
ステップS244では、基地局において実行されるパケット転送処理であり、端末管理エントリに端末に送信すべきパケットが存在する場合、エントリに記録された通信鍵を適用して暗号化を実行して端末に対して送信する。
【0149】
なお、ステップS232において、すでに端末のアドレスが端末管理エントリに設定されている場合は、ステップS245に進み、端末に対して接続要求結果としての成功情報のみを含む接続応答を送信して、以下、ステップS243のルーターに対する経路登録要求処理、ステップS244のパケット転送処理のみを実行する。
【0150】
次に、ルーターが基地局から経路登録要求、経路削除要求を受信した場合の処理について、図17を参照して説明する。
【0151】
ルーターは、ステップS271において、基地局からの経路登録要求または経路削除要求の受信を待機する。経路登録要求、経路削除要求は、図16に示すように、始点アドレスとしての基地局アドレス、終点アドレスとしてのルーターアドレス、経路登録要求または削除要求であることを示すパケット種別、パケット長、さらに登録要求の場合は、経路エントリ表(図11参照)に登録するアドレスとしての端末アドレスが含まれる。削除要求の場合は、経路エントリから削除するアドレスとしての端末アドレスが含まれる。
【0152】
ステップS272では、経路エントリ表(図11参照)について、基地局からの経路登録要求または経路削除要求中に格納した端末アドレスの対応エントリを検索する。ステップS273では、基地局からの受信データが経路登録要求であるか削除要求であるかを判別する。削除要求である場合は、ステップS274に進み、経路エントリ表(図11参照)から対応エントリが抽出されたか否かを判定し、抽出されない場合は、削除処理は不要であり、ステップS271の待機処理に戻る。
【0153】
経路エントリに対応端末アドレスがある場合は、ステップS275に進み、ステップS272の経路エントリ表の検索処理において抽出されたエントリに対応して設定されたインタフェースに対して経路削除要求を送信し、ステップS276において、対応エントリを経路エントリ表から削除する。この処理により、当該ルーターを解した端末に対するパケット転送は実行されないこととなる。
【0154】
一方、ステップS273において、基地局からの受信データが、経路登録要求であった場合は、ステップS277に進み、経路登録要求が到着したルーターにおけるインタフェース番号を記憶し、ステップS278において、ステップS272の経路エントリ表検索処理でエントリが検出されたか否かを判定し、検出されていない場合は、ステップS279において、経路登録要求に含まれる端末アドレスを経路エントリとして、経路エントリ表に追加する処理を実行する。
【0155】
さらに、ステップS280において、当エントリのインタフェース番号として、ステップS277で記憶したインタフェース番号、すなわち経路登録要求を受信したインタフェース番号を登録する。さらに、ステップS281において、自身がインターネット接続ルーター以外のルーターデある場合は、上位ルーターへ経路登録要求を転送する。
【0156】
一方、ステップS278に経路エントリ表検索において、経路登録要求に含まれる端末アドレスのエントリがすでに経路エントリ表に含まれる場合は、ステップS282に進み、経路エントリ表中の当該エントリに対応して設定されているインタフェース番号リスト中、ステップS277において、記憶したインタフェース番号、すなわち経路登録要求を受信したインタフェース番号以外のインタフェースに対して経路削除要求を出力し、ステップS283において、経路エントリ表の当該エントリに対応して設定されているインタフェース番号リストをステップS277において、記憶したインタフェース番号、すなわち経路登録要求を受信したインタフェース番号として設定する処理を実行する。
【0157】
[データ通信処理]
図7のシーケンス図を参照して説明した初期接続処理によって、端末が基地局Aに接続された後の移動端末による通信処理について、図18のシーケンス図を参照して説明する。なお、図18において示す各処理中、四角の枠で示す処理については、別図面のフローによる説明がある処理である。
【0158】
図18のシーケンス図において、端末の通信先は、アプリケーションサーバーであり、例えば音楽あるいは動画等のストリーミング配信を受ける処理を行なっている例について説明する。なお、端末の通信相手は、このようなアプリケーションサーバーに限らず、他の端末であっても同様の処理となる。
【0159】
端末は基地局Aとの接続が完了した後、アプリケーションサーバーと相互に通信が可能となる。この例では端末においてアプリケーションサーバーからのデータ配信サービスを受領するためのアプリケーションプログラムが実行され、サーバー宛てのデータが生成され(S21)て、生成されたデータに基づいて端末のパケット処理が実行され、通信鍵を用いて暗号化されたデータを含むデータパケットとして基地局へ送信(S22)する。端末のパケット処理については後述する。
【0160】
基地局Aは、受信データパケットに対するパケット処理を実行し、端末に対応する通信鍵を用いて受信暗号化データを復号化し、それをデータパケットとしてアプリケーションサーバー)へ送信(S23)する。基地局のパケット処理については後述する。
【0161】
アプリケーションサーバーから端末宛てのパケットは、暗号化されていないデータを含むパケットとして基地局Aが受信(S24,S28)し、基地局Aにおいて端末に対応する通信鍵でそれぞれ暗号化され、暗号化データを含むデータパケットとして端末へ送信(S25,S29)され、端末は、受信パケットを通信鍵で復号してアプリケーシヨンに渡す(S26,S30)。この端末と基地局間における端末毎の通信鍵を用いた暗号/復号化によって無線通信区間の安全性を保つことが可能となる。
【0162】
さらに、端末は、データ通信と並行し、現在接続しているのとは異る基地局Bのビーコンを受信(S27)する事により、通信に最適な基地局の選択を、前述した基地局接続処理(図13参照)によって行う。基地接続処理により最適な接続基地局が変更された場合は、基地局切替処理が実行される。この基地局切替処理については後述する。
【0163】
端末において実行されるパケット処理について、図19に示すフローを参照して説明する。なお、図19に示す処理は、CPU等によって構成される制御部312(図5参照)において、記憶部313に格納されたパケット処理プログラムの実行によって行われる処理である。まず、ステップS311において、アプリケーションからのデータがあるか否か、すなわち、アプリケーションサーバーに対する送信データの有無が判定される。
【0164】
ある場合は、ステップS312において、基地局接続処理(図13参照)のステップS217で通信鍵記憶部317(図5参照)に記憶してある通信鍵を適用してデータの暗号化を実行し、ステップS313において、暗号化データEnc(通信鍵,データ)を無線送受信部319へ出力し、無線送受信部319を介してデータを送信する。
【0165】
また、ステップS311において、アプリケーションサーバーに対する送信データが無いと判定した場合は、ステップS314に進み、端末の無線送受信部319からの入力データの有無を判定し、無い場合は、ステップS311に戻る。
【0166】
ある場合は、ステップS315に進み、基地局接続処理(図13参照)のステップS217で通信鍵記憶部317(図5参照)に記憶してある通信鍵を適用して入力パケットに含まれる暗号化データEnc(通信鍵,データ)の復号化を実行し、ステップS316において、復号データをアプリケーションに対して出力する。例えばアプリケーションは、ストリーミング配信音楽データの再生処理等を実行するプログラムである。
【0167】
次に、図20を参照して、基地局で実行される基地局パケット処理について説明する。基地局は、端末と端末の通信相手間の転送パケットの処理を実行する。ステップS331において、データパケットを待機し、パケットを受領すると、ステップS332において、端末、すなわち、端末管理エントリ表(図15参照)によって管理されている端末からのデータパケットか否かを判定する。
【0168】
端末管理エントリ表(図15参照)によって管理されている端末からのデータパケットである場合は、ステップS333に進み、受信データパケットから始点アドレスを取得し、ステップS334において、端末管理エントリ表(図15参照)において、対応する端末アドレスに対して設定されている通信鍵を用いてデータパケットを復号し、ステップS335において復号パケットを上流ルーターに出力する。
【0169】
一方、ステップS332において、端末管理エントリ表(図15参照)によって管理されている端末からのデータパケットでないと判定した場合は、ステップS336に進み、受信データパケットから終点アドレスを取得し、ステップS337において、終点アドレスの端末が現接続端末であるか否かを判定する。現接続端末である場合は、ステップS338に進み、端末管理エントリ表(図15参照)において、対応する端末アドレスに対して設定されている通信鍵を用いてデータパケットを暗号化し、ステップS339において暗号化パケットを端末に送信する。
【0170】
また、ステップS337において、終点アドレスの端末が現接続端末でないと判定した場合は、ステップS340に進み、端末管理エントリ表(図15参照)において、対応する端末アドレスがあるか否かを判定し、無い場合は、パケットを廃棄して処理を終了する。ある場合は、受信パケットをバッファに格納する。
【0171】
端末管理エントリ表(図15参照)において、対応する端末アドレスがあるが、現在、接続されていない場合とは、接続予定の端末である場合があり、その接続予定の端末あてのパケットをバッファに格納し、接続後に送信するための処理である、この処理については、後述する。
【0172】
[切替準備処理]
次に通信を実行中の端末が基地局を切替える際の処理について説明する。まず、図21の処理シーケンスに従って基地局Aに接続して通信を実行中の端末が基地局Bに接続を切替える際の準備期間における処理について説明する。
【0173】
端末は、図21に示すように、基地局情報を格納したビーコン(図8参照)を基地局A,Bからそれぞれ受信し、その間に、図3を参照して説明したビーコンに基づく基地局接続処理における基地局選択処理(図13ステップS202)を実行する。
【0174】
この基地局選択処理によって次に接続すべき基地局があるかを判断する。なお、ビーコンには発信した基地局自身のアドレスが含まれるため、端末は現在接続している基地局と他に存在する基地局を区別することができる。
【0175】
基地局選択処理の判断の結果、端末は、基地局Bへ接続を切替えると決定したものとする。その場合、端末は現在接続している基地局Aに対して、基地局Bへ切替を行いたい旨を切替要求として送信(S43)する。
【0176】
切替要求のデータ構成を図22(a)を参照して説明する。図22(a)に示すように、切替要求は、始点アドレスとしての端末アドレス、終点アドレスとしての基地局アドレス(基地局A)、切替要求であることを示すパケット種別、パケット長、接続予定の基地局アドレス情報が含まれる。
【0177】
切替要求を受信した基地局Aは端末に対応する通信鍵を端末管理エントリ(図15)から取り出し、基地局Bのアドレス、端末アドレスとともに切替準備要求として、上流のルーターへ送信(S44)する。
【0178】
切替準備要求のデータ構成を図22(b)を参照して説明する。図22(b)に示すように、切替準備要求は、始点アドレスとしての基地局Aアドレス、終点アドレスとしてのルーターアドレス(ルーターQ)、切替準備要求であることを示すパケット種別、パケット長、端末アドレス、現在接続中の基地局アドレス、接続予定先の基地局アドレス、および端末に設定され、基地局Aが端末管理エントリ表(図15参照)に設定してある通信鍵情報が含まれる。
【0179】
なお、切替準備要求に、通信鍵だけではなく、たとえば、端末と基地局間で設定されたヘッダコンプレッション情報や、端末と基地局間で設定されたQoS情報等を送付する構成としてもよい。
【0180】
切替準備要求を基地局Aから受信する基地局Aの上流ルーターはルーターQ(図4参照)であり、切替準備要求の受信によって切替準備処理(ルーター)が実行される。この処理は切替前後における分岐点となるルーターを決定し、上流からのパケットをコピーし分岐先への配送を行うための準備を行う処理でもある。ルーターQは基地局Aと基地局Bとの分岐点となるため、下流の基地局Bに対して切替準備要求が送信(S45)する。なお、ここで各基地局間は事前に安全な通信路が確保されている。
【0181】
ルーターQからの切替準備要求を受信した基地局Bは、切替準備処理(基地局)を実行し、端末の接続に備える。これはルーターQから受信した切替準備要求に含まれる接続予定の端末アドレスやその通信鍵により、端末管理エントリの作成を事前に行う処理となる。また、端末の接続前に基地局へ到着する端末宛のデータパケットをバッファするための準備を含む。基地局Bは要求された端末を接続する準備が完了すると、切替応答を端末へ向けて送信(S47)する。
【0182】
切替応答のデータ構成を図22(c)を参照して説明する。図22(c)に示すように、切替応答は、始点アドレスとしての基地局アドレス(基地局B)、終点アドレスとしての端末アドレス、切替応答であることを示すパケット種別、パケット長が含まれる。
【0183】
端末は切替応答を受信する事で、基地局の切替準備が図4に示す移動ネットワーク200内で完了したと判断する。
【0184】
図21に示す処理シーケンス中において実行される基地局Aの切替要求処理、ルーターの切替準備処理、基地局Bの切替準備処理の各処理の詳細についてフローチャートを用いて説明する。
【0185】
まず、図23のフローを参照して端末の現接続基地局、基地局Aにおいて実行される切替要求処理について説明する。
【0186】
この処理は、端末が現在接続されている基地局において実行される処理である。ステップS401において、端末からの切替要求(図22(a)参照)を待機し、ステップS402において、切替要求に含まれる接続予定の基地局アドレスと自アドレス、および端末アドレス、さらに端末に対応して設定されている通信鍵を格納した切替準備要求(図22(b)参照)を生成して、上流ルーター(ルーターP)へ送信する。
【0187】
ステップS403において、端末の移動予定先の基地局からの切替応答(図22(c)参照)を受信し、これを端末に転送する。
【0188】
次に、図24のフローを参照して端末の現接続基地局、基地局Aから切替準備要求を受信したルーターの切替準備処理の詳細について説明する。
【0189】
ステップS421において、ルーターは、基地局から切替準備要求(図22(b)参照)を待機する。基地局から切替準備要求を受信すると、ステップS422において、受信した切替準備要求中の基地局アドレスと一致する経路エントリをルーターの保有する経路エントリ表(図11参照)を探索する。
【0190】
ステップS423において、受信した切替準備要求が上流インタフェースから受信したものか下流から受信したものかを判定する。下流から受信したものである場合は、ステップS424において、ステップS422の経路エントリ表探索処理結果として、エントリが発見されたか否かを判定する。これは自身が基地局の分岐点にあるか否かを判定する処理として実行される。
【0191】
発見しない場合は、ステップS428に進み、受信した切替準備要求をさらに上位ルーターへ送信して処理を終了する。発見した場合は、ステップS425に進み、切替準備要求に含まれる端末アドレスと一致するエントリをルーターの保有する経路エントリ表(図11参照)から探索し、ステップS426において、経路エントリ表の対応端末アドレスエントリに、ステップS422において経路エントリ表から抽出した基地局アドレスエントリに設定されているインタフェース番号を設定する処理を実行する。
【0192】
これは、具体的には、図25に示すように、経路エントリ表の対応端末アドレスエントリに、ステップS422において経路エントリ表から抽出した基地局Bアドレスエントリに設定されているインタフェース番号を追加設定する処理である。この処理により、端末宛てのパケットは、現接続基地局Aと接続予定先基地局Bの双方を介して並列に転送処理が実行されることになる。
【0193】
経路エントリ表の更新が終了すると、ステップS427において、ステップS422において経路エントリ表から抽出した基地局Bアドレスエントリに設定されているインタフェース番号を介して基地局Bに対して切替準備要求(図22(b)参照)を送信する。
【0194】
また、ステップS423において、切替準備要求パケットが上流から受信したものであると判定した場合は、ステップS429に進み、切替準備要求に含まれる端末アドレスをルーターの保有する経路エントリ表(図11参照)に設定し、ステップS430において、経路エントリ表の対応端末アドレスエントリに、ステップS422において経路エントリ表から抽出した基地局アドレスエントリに設定されているインタフェース番号を設定する処理を実行する。
【0195】
この場合は、ステップS422において経路エントリ表から抽出した基地局Bアドレスエントリに設定されているインタフェース番号を新規に生成した端末アドレスエントリに設定する処理として実行される。この処理により、端末宛てのパケットは、接続予定先基地局Bを介してに転送処理が実行されることになる。
【0196】
次に、図26に示すフローを参照して、端末接続予定先の基地局(基地局B)において実行される接続準備処理について説明する。
【0197】
ステップS451において基地局は、ルーターからの切替準備要求(図22(b)参照)を待機する。ルーターからの切替準備要求を受信すると、ステップS452において、受信した切替準備要求に含まれる端末アドレスと、通信鍵とを端末管理エントリ(図15参照)に新規エントリとして追加する処理を実行する。
【0198】
端末管理エントリの更新が済むと、ステップS453において、切替準備要求に含まれる端末の現接続基地局宛てに切替応答(図22(c)参照)を送信する。
【0199】
[基地局切替接続処理およびデータ通信処理]
次に、前述の[切替準備処理]に続いて実行される基地局切替接続処理およびデータ通信処理について、図27のシーケンス図を参照して説明する。
【0200】
この処理は、図21を参照して説明した切替準備処理において、端末が切替応答を受信した後に実行される処理である。アプリケーションサーバーからは端末宛てのパケットが連続して送信されているものとする。
【0201】
アプリケーションサーバーは、端末宛てにデータパケットP1,P2を送信(S51,S54)し、上位ルーターP、下位ルーターQそれぞれの経路エントリ表(図11参照)を介してルーターQから基地局Aに送信(S52,S55)される。さらに、ルーターQにおいては、先の切替準備処理において、経路エントリ表の端末アドレスに対応して基地局Bに対応するインタフェース番号が追加設定されているので、基地局Bに対しても並列に同一パケットP1を複製して送信(S53,S56)する。
【0202】
端末は基地局Aから基地局Bへ接続を切替えて通信を行うために、無線送受信部319(図5参照)を制御し、無線チャネルの切替を行う。この期間は通信不能期間としてどちらの基地局とも通信を行うことができない。そのため、アプリケーションサーバーの送信データパケットP1,P2はルーターPおよびルーターQを経由して基地局A,Bまでは到着するが、端末までは到達する事ができない。基地局Bは、受信パケットP1,P2をバッファに一次格納する処理を実行する。これは、図20を参照して説明したパケット処理のステップS341の処理に相当する。
【0203】
先の図21のシーケンス図で端末の現接続基地局(基地局A)から切替応答を受信した端末は、無線送受信部319(図5参照)を制御し、無線チャネルの切替を行い、基地局Bと通信を行う準備が整うと、接続要求(図9(a)参照)を基地局Bに対して送信(S57)する。接続要求を受信した基地局Bは、接続要求処理(図14参照)によって端末を認証する必要があるか判断する。この場合、すでに、図21に示す切替準備要求(S45)の受信に基づく基地局Bでの切替準備処理(図26参照)の処理結果として、端末管理エントリが作成され通信鍵もセットされているために、認証サーバーへの問い合わせを必要としない。このように、時間を必要とする認証作業を行うことがないため、端末に対して接続応答(図9(h)参照)を迅速に送信(S58)することができ、端末は基地局との接続を完了する。
【0204】
端末から接続要求を受信した基地局Bは、経路登録要求(図16(a)参照)を上流のルーター(ルーターQ)へ送信(S59)する。ルーターQはさらに上位ルーター(ルーターP)に対して経路登録要求を送信する。
【0205】
経路登録要求を受信したルーターQ、ルーターPは経路変更処理(図17参照)において、端末への配送経路を図4における経路233から経路234、すなわち基地局Aへの経路から基地局Bへの経路へ変更する。この処理により、データパケットは基地局Aへ配送されず、基地局Bへのみ配送される。具体的には、ルーターの有する経路エントリ表(図11)参照の端末アドレスに設定されたインタフェース番号を、基地局Bエントリに対して設定されたインタフェース番号と同一のもののみにする処理を行なう。
【0206】
また、ルーターQの経路変更処理は接続前後の両基地局の分岐点となるため、基地局Aに対して経路削除要求(図16(b)参照)を送信する。
【0207】
経路削除要求は、図16(b)に示すように、始点アドレスとしての基地局アドレス、終点アドレスとしてのルーターアドレス、経路削除要求であることを示すパケット種別、パケット長、さらに経路エントリから削除するアドレスとしての端末アドレスが含まれる。
【0208】
経路削除要求を基地局Aが受信すると、端末削除処理を実行して端末アドレスに対応する端末管理エントリが消去され、またバッファされているパケットがあればそれも消去する。
【0209】
経路削除処理について、図28のフローを参照して説明する。経路削除処理は、端末が接続先基地局を変更して接続が終了する基地局において実行される処理である。ステップS511において、ルーターからの経路削除要求を待機し、ルーターからの経路削除要求を受信すると、ステップS512において、端末管理エントリ表(図15参照)から受信した経路削除要求中に含まれる端末アドレスに対応する端末管理エントリを削除する。
【0210】
基地局Bおいては、接続要求処理(図14参照)に続いてパケット処理(図20参照)においてバッファされたデータパケットP1,P2を端末へ向けて送信(S62,S63)する。これらの処理により、端末はチャネル切替による通信不能期間にアプリケーションサーバーが送信し、受け取る事ができなかったデータパケットP1,P2を基地局Bへ切替後に受信する事が可能となり、データパケットを消失することがなく連続してデータを受信することが可能となる。
【0211】
また、基地局切替後においては端末までのパケット配送経路は基地局Bを介した1つの経路となり、データパケットP3はアプリケーションサーバーから、ルーターP、ルーターQ、基地局Bを経由して端末へ配送(S64)される。
【0212】
なお、接続予定基地局における端末宛てパケットのバッファ処理は、様々な態様として実行することが可能である。例えばバッファ処理実行の有無と、バッファ量を端末毎に決定することにより、端末の移動におけるサービスの差別化を提供することができる。たとえば、少ないお金しか払っていない端末にはパケット消失を発生させる等の柔軟な対応が可能である。あるいは、基地局におけるバッファ処理の実行、非実行、あるいはバッファ量を上流パケットのトラヒック特性に応じて変えることにより、端末の移動におけるサービスの差別化を提供することができる。たとえば、トラヒック特性が実時間制約性を満足させることが優先される場合においてはバッファせずに端末の接続前であれば破棄を行う等の処理が可能である。
【0213】
[上位ルーターが分岐ルーターとなる場合の処理]
次に、図4中の端末251が基地局Bから基地局Dへの接続切替を行い、データ通信を行うまでの手続きを図29のシーケンス図を参照して説明する。ここでの処理は前述したた移動前後の基地局を1つのルーターQが管理する基地局Aから基地局Bへの切替と異なり、さらに上位ルーターPが分岐点となる場合の処理である。
【0214】
端末は、図29に示すように、基地局情報を格納したビーコン(図8参照)を基地局B,Dからそれぞれ受信(S71,S72)し、その間に、図3を参照して説明したビーコンに基づく基地局接続処理における基地局選択処理(図13ステップS202)を実行する。
【0215】
この基地局選択処理によって次に接続すべき基地局があるかを判断する。なお、ビーコンには発信した基地局自身のアドレスが含まれるため、端末は現在接続している基地局と他に存在する基地局を区別することができる。
【0216】
基地局選択処理の判断の結果、端末は、基地局Dへ接続を切替えると決定したものとする。その場合、端末は現在接続している基地局Bに対して、基地局Dへ切替を行いたい旨を切替要求(図22(a)参照)として送信(S73)する。切替要求には、接続予定の基地局(基地局D)のアドレス情報が含まれる。
【0217】
切替要求を受信した基地局Bは端末に対応する通信鍵を端末管理エントリ(図15)から取り出し、基地局Dのアドレス、端末アドレスとともに切替準備要求(図22(b)参照)として、上流のルーターへ送信(S74)する。切替準備要求には、端末アドレス、現在接続中の基地局アドレス、接続予定先の基地局アドレス、および端末に設定され、基地局Bが端末管理エントリ表(図15参照)に設定してある通信鍵情報が含まれる。
【0218】
切替準備要求を受信したルーターは、切替準備処理(図24参照)を実行する。この処理において、ルーターが、端末の現接続基地局と接続予定基地局との分岐点となるルーターでない場合には、上流ルーターヘ切替準備要求を転送(図24、ステップS428)する。その結果、切替準備要求はルーターQから上位ルーターPに転送(S75)される。
【0219】
上位ルーターPにおいても、切替準備要求の受領に基づいて、切替準備処理を実行し、自己の有する経路エントリ表の更新処理(図24ステップS426,図25参照)を実行して、端末に対するインタフェース番号を基地局B、基地局Dに対するインタフェース番号の両者を設定した構成とする。さらに、自己の有する経路エントリ表(図11参照)に基づいて、下位ルーター(ルーターR)に対して切替準備要求を送信(図24、ステップS427)する(S76)。
【0220】
ルーターRは、切替準備要求の受領に基づいて、切替準備処理を実行し、自己の有する経路エントリ表(図11参照)に基づいて、基地局Dに対して切替準備要求を送信(図24、ステップS431)する(S77)。
【0221】
ルーターRからの切替準備要求を受信した基地局Dは、切替準備処理(基地局)(図26参照)を実行し、端末の接続に備える。これはルーターRから受信した切替準備要求に含まれる接続予定の端末アドレスやその通信鍵により、端末管理エントリの作成を事前に行う処理となる。また、端末の接続前に基地局へ到着する端末宛のデータパケットをバッファするための準備を含む。基地局Dは要求された端末を接続する準備が完了すると、切替応答(図22(c)参照)を端末へ向けて送信(S78)する。切替応答は、基地局DからルーターR、ルーターP、ルーターQ、基地局Bを介して端末において受信される。
【0222】
端末は切替応答を受信する事で、基地局の切替準備が図4に示す移動ネットワーク200内で完了したと判断する。
【0223】
次に、上述の切替準備処理に続いて基地局切替、データ通信処理が実行されることになる。アプリケーションサーバーは、端末宛てにデータパケットP1を送信(S79)し、上位ルーターPは、先の経路エントリ表の更新処理(図24ステップS426,図25参照)に基づいて、パケットを基地局B、基地局Dに設定されたインタフェース番号に対して、すなわち、ルーターQを介して基地局Bに送信(S80)するとともに、複製をルーターRを介して基地局Dに送信(S81)する。
【0224】
端末は基地局Bから基地局Dへ接続を切替えて通信を行うために、無線送受信部319(図5参照)を制御し、無線チャネルの切替を行う。この期間は通信不能期間としてどちらの基地局とも通信を行うことができない。そのため、アプリケーションサーバーの送信データパケットP1はルーターP、ルーターQ、ルーターRを経由して基地局B、Dまでは到着するが、端末までは到達する事ができない。基地局Dは、受信パケットP1をバッファに一次格納する処理を実行する。これは、図20を参照して説明したパケット処理のステップS341の処理に相当する。
【0225】
端末の現接続基地局(基地局B)から切替応答を受信した端末は、無線送受信部319(図5参照)を制御し、無線チャネルの切替を行い、基地局Dと通信を行う準備が整うと、接続要求(図9(a)参照)を基地局Dに対して送信(S82)する。接続要求を受信した基地局Dは、接続要求処理(図14参照)によって端末を認証する必要があるか判断する。この場合、すでに、切替準備要求(S77)の受信に基づく基地局Dでの切替準備処理(図26参照)の処理結果として、端末管理エントリが作成され通信鍵もセットされているために、認証サーバーへの問い合わせを必要としない。このように、時間を必要とする認証作業を行うことがないため、端末に対して接続応答(図9(h)参照)を迅速に送信(S83)することができ、端末は基地局との接続を完了する。
【0226】
端末から接続要求を受信した基地局Dは、経路登録要求(図16(a)参照)を上流のルーター(ルーターR)へ送信(S84)する。ルーターQはさらに上位ルーター(ルーターP)に対して経路登録要求を送信(S86)する。
【0227】
経路登録要求を受信したルーターR、ルーターPは経路変更処理(図17参照)において、端末への配送経路を図4における経路231,234から経路232,236、すなわちルーターP、ルーターQ、基地局Bへの経路からルーターP、ルーターR、基地局Dへの経路へ変更する。この処理により、データパケットは基地局Bへ配送されず、基地局Dへのみ配送される。具体的には、ルーターPの有する経路エントリ表(図11)参照の端末アドレスに設定されたインタフェース番号を、基地局Dエントリに対して設定されたインタフェース番号と同一のもののみにする処理を行なう。
【0228】
また、ルーターPの経路変更処理は接続前後の両基地局の分岐点となるため、ルーターQ、基地局Bに対して経路削除要求(図16(b)参照)を送信(S87)する。経路削除要求は、図16(b)に示すように、経路エントリから削除するアドレスとしての端末アドレスが含まれる。経路削除要求をルーターQが受信すると、経路変更処理(図17参照)を実行し、経路エントリから対応する端末エントリの削除処理(図17、ステップS276)を実行するとともに、基地局Bに対して経路削除要求を送信(図17、ステップS275)する(S88)。
【0229】
基地局Dおいては、接続要求処理(図14参照)に続いてパケット処理(図20参照)においてバッファされたデータパケットP1を端末へ向けて送信(S85)する。これらの処理により、端末はチャネル切替による通信不能期間にアプリケーションサーバーが送信し、受け取る事ができなかったデータパケットP1を基地局Dへ切替後に受信する事が可能となり、データパケットを消失することがなく連続してデータを受信することが可能となる。
【0230】
また、基地局切替後においては端末までのパケット配送経路は基地局Dを介した1つの経路となり、データパケットP2はアプリケーションサーバーから、ルーターP、ルーターR、基地局Dを経由して端末へ配送(S89)される。
【0231】
このように、直接の切替対象となる基地局を接続するルーター以外の上位ルーターが分岐点となる場合には、分岐点となる上位ルーターにおいて、経路エントリが更新され、端末宛てのパケットの並列転送が実行され、切替予定の基地局において、パケットがバッファに格納され、端末との接続が成立した後に、バッファされたパケットが端末宛てに配信されることになるので、データが消失することなく、連続したデータ配信が可能となる。
【0232】
なお、本発明の実施例の中で用いた通信鍵は、端末と基地局間における無線通信の秘匿性を保つためのものであるが、さらに端末と基地局における相互認証に利用する事も可能である。これは端末と基地局が送信するパケットに認証ヘッダを追加する事で、第三者からの不正なメッセージを排除する事が可能となる。
【0233】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0234】
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0235】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0236】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0237】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
【0238】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明の構成によれば、データ通信処理を実行する通信端末と、前記通信に対するデータ送受信処理を実行する基地局と、前記基地局に対して前記通信端末の通信データの中継処理を実行する中継装置とを含むデータ通信システムにおけるデータ通信において、通信端末が接続基地局を切替える以前に、切替予定の基地局アドレス情報を格納した切替要求を現接続基地局に送信し、現接続基地局において、切替要求の受信に基づいて、端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求を中継装置および接続予定基地局に送信し、中継装置において、切替準備要求の受信に基づいて、切替準備要求に格納された端末アドレスに対応する経路エントリ表のエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するとともに、端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行する構成としたので、端末の基地局切替処理において、パケットの消失を発生させることなく、データ通信を継続して実行することが可能となる。
【0239】
さらに、本発明の構成によれば、端末が一度認証された後は基地局の切替の度に認証を繰り返す必要がなく、迅速に再接続が終了するため、アプリケーション動作へ影響を最小限にすることができる。
【0240】
さらに、本発明の構成によれば、端末の基地局変更に伴い発生するパケットの消失を防ぐことが可能となるので、端末上のアプリケーション動作への影響を最小限にすることができる。
【0241】
さらに、本発明の構成によれば、端末は現在接続されている基地局を経由し、管理された有線ネットワーク区間を中継されて、次に接続する基地局に端末の情報としてのアドレスあるいは通信鍵を送る構成であるので、端末が次に接続する基地局に端末の情報を直接無線経由で送るよりも安全なデータ通信が実行される。
【0242】
また、本発明の構成では、基地局やルーターを集中的に管理する機構が必要ないため、移動ネットワーク部の規模の拡張を柔軟に行える。また、基地局の切替時に、端末と基地局が持つ通信鍵の配送と、端末宛のデータパケットの複製および転送を行うルーターの決定を同時に行うため、それぞれを別々に(異なるプロトコルで)行うよりも、メッセージのやりとりに伴うオーバーヘッドが小さくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】基地局および基地局の形成するセルと端末移動の関係を示す図である。
【図2】基地局切替に伴うパケット消失の例について説明する図である。
【図3】基地局切替に伴うパケット消失の例について説明する図である。
【図4】本発明の適用可能なネットワーク構成例について説明する図である。
【図5】端末の構成を示すブロック図である。
【図6】基地局およびルーターの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の処理シーケンスを示す図である。
【図8】ビーコンデータ構成およびビーコン発信処理フローを示す図である。
【図9】各データパケット構成例を示す図である。
【図10】ルーターにおいて実行するルーターパケット処理を説明するフローチャートである。
【図11】ルーターにおいて保有する経路エントリ表のデータ構成例を示す図である。
【図12】認証サーバーの実行する認証処理を説明するフローチャートである。
【図13】端末において実行する基地局接続処理の手順を説明するフローチャートである。
【図14】基地局において実行される接続要求処理の手順を説明するフローチャートである。
【図15】基地局において保持する端末管理エントリ表の構成例を示す図である。
【図16】経路登録および削除要求パケットのデータ構成例を示す図である。
【図17】ルーターにおいて実行される経路変更処理の手順を説明するフローチャートである。
【図18】本発明の処理シーケンスを示す図である。
【図19】端末において実行するパケット処理の手順を説明するフローチャートである。
【図20】基地局において実行するパケット処理の手順を説明するフローチャートである。
【図21】本発明の処理シーケンスを示す図である。
【図22】基地局切替処理において送受信される各データパケットのデータ構成例を示す図である。
【図23】基地局において実行する切替要求処理の手順を説明するフローチャートである。
【図24】ルーターにおいて実行する切替準備処理の手順を説明するフローチャートである。
【図25】ルーターにおいて実行する経路エントリ表の更新処理を説明する図である。
【図26】基地局において実行する切替準備処理の手順を説明するフローチャートである。
【図27】本発明の処理シーケンスを示す図である。
【図28】基地局において実行する端末削除処理の手順を説明するフローチャートである。
【図29】本発明の処理シーケンスを示す図である。
【符号の説明】
101 端末
111 基地局
112 セル
151 端末
161 サーバー
162 パケット交換機
171,172 基地局
200 移動ネットワーク
201 無線区間部
202 有線区間部
211 アプリケーションサーバー
212 認証サーバー
271,272,273 ルーター
261〜264 基地局
310 端末
311 秘密鍵記憶部
312 制御部
313 記憶部
314 表示部
315 入力部
316 暗号化部
317 通信鍵記憶部
318 復号化部
319 無線送受信部
320 電界強度測定部
330 基地局
331 制御部
332 記憶部
333 暗号化部
334 端末管理エントリ表記憶部
335 復号化部
336 無線送受信部
337 有線送受信部
350 ルーター
351 制御部
352 記憶部
353 経路エントリ表記憶部
354 有線送受信部
355 有線送受信部

Claims (9)

  1. ネットワーク上におけるデータ中継処理を実行するデータ中継装置であり、
    パケットに設定される終点アドレスと、出力先としてのインタフェース番号リストを対応付けた経路エントリ表を有し、
    通信端末の接続する基地局から、接続端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求パケットを受信し、
    該切替準備要求パケットに格納された現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスとに基づいて、自身が分岐ルータとしてのデータ中継装置であるか否かを判定し、分岐ルータである場合には、前記切替準備要求パケットに格納された端末アドレスに対応する前記経路エントリ表のエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するとともに、
    該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行する構成を有することを特徴とするデータ中継装置。
  2. 前記データ中継装置は、
    ネットワーク上の基地局から前記経路エントリ表に登録すべき端末アドレス情報を格納した経路登録要求を受信し、該経路登録要求の受信に基づいて、前記経路エントリ表の端末アドレスエントリに、該経路登録要求の送信基地局に対応して設定された出力インタフェース番号のみを設定情報とする経路エントリ表の更新を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ中継装置。
  3. 前記データ中継装置は、
    ネットワーク上の他のデータ中継装置から前記経路エントリ表から削除すべき端末アドレス情報を格納した経路削除要求を受信し、該経路削除要求の受信に基づいて、前記経路エントリ表の端末アドレスエントリの削除処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ中継装置。
  4. データ通信処理を実行する通信端末と、前記通信に対するデータ送受信処理を実行する基地局と、前記基地局に対して前記通信端末の通信データの中継処理を実行する中継装置とを含むデータ通信システムにおいて、
    前記通信端末が接続基地局を切替える以前に、切替予定の基地局アドレス情報を格納した切替要求を現接続基地局に送信し、
    前記現接続基地局は、前記切替要求の受信に基づいて、端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求を中継装置および接続予定基地局に送信し、
    前記中継装置は、前記切替準備要求の受信に基づいて、前記切替準備要求に格納された端末アドレスに対応する前記経路エントリ表のエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するとともに、
    該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行する構成を有することを特徴とするデータ通信システム。
  5. 前記データ通信システムにおいて、
    前記接続予定基地局は、前記切替準備要求の受信に基づいて、該切替準備要求に格納された端末アドレスと通信鍵データとを抽出し、該抽出データを対応付けて端末管理エントリ表の新規エントリとして追加する処理を実行する構成を有することを特徴とする請求項4に記載のデータ通信システム。
  6. 前記データ通信システムにおいて、
    前記接続予定基地局は、
    前記端末管理エントリ表の新規エントリとして追加した端末宛てのパケットを、該端末の接続完了までの期間、バッファに格納する処理を実行するとともに、端末の接続完了後に、該バッファに格納したパケットを端末宛てに送信する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項5に記載のデータ通信システム。
  7. ネットワーク上におけるデータ中継処理を実行するデータ中継装置における中継データ処理方法であり、
    通信端末の接続する基地局から、接続端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求パケットを受信するステップと、
    該切替準備要求パケットに格納された現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスとに基づいて、自身が分岐ルータとしてのデータ中継装置であるか否かを判定し、分岐ルータである場合には、パケットに設定される終点アドレスと、出力先としてのインタフェース番号リストを対応付けた経路エントリ表について、前記切替準備要求パケットに格納された端末アドレスに対応するエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するステップと、
    該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行するステップと、
    を有することを特徴とする中継データ処理方法。
  8. データ通信処理を実行する通信端末と、前記通信に対するデータ送受信処理を実行する基地局と、前記基地局に対して前記通信端末の通信データの中継処理を実行する中継装置とを含むデータ通信システムにおけるデータ通信方法であり、
    前記通信端末が接続基地局を切替える以前に、切替予定の基地局アドレス情報を格納した切替要求を現接続基地局に送信し、
    前記現接続基地局において、前記切替要求の受信に基づいて、端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求を中継装置および接続予定基地局に送信し、
    前記中継装置において、前記切替準備要求の受信に基づいて、前記切替準備要求に格納された端末アドレスに対応する前記経路エントリ表のエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するとともに、
    該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行することを特徴とするデータ通信方法。
  9. ネットワーク上におけるデータ中継処理を実行するデータ中継装置における中継データ処理をコンピュータ・システム上で実行するために記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    通信端末の接続する基地局から、接続端末アドレスと、現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスと、端末に対応する通信鍵を格納した切替準備要求パケットを受信するステップと、
    該切替準備要求パケットに格納された現接続基地局アドレスと、接続予定基地局アドレスとに基づいて、自身が分岐ルータとしてのデータ中継装置であるか否かを判定し、分岐ルータである場合には、パケットに設定される終点アドレスと、出力先としてのインタフェース番号リストを対応付けた経路エントリ表について、前記切替準備要求パケットに格納された端末アドレスに対応するエントリのインタフェース番号リストを、現接続基地局に対して設定されたインタフェース番号と、接続予定基地局に対して設定されたインタフェース番号との両者として設定する処理を実行するステップと、
    該端末宛てのパケットを前記経路エントリ表に設定した複数のインタフェース番号に出力する処理を実行するステップと、
    を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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