JP2006148579A - 通信方法およびネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 移動端末に特別なプログラムを必要せず、かつ移動に伴う切換時間の短縮とネットワークのパフォーマンスの維持とを実現できる通信方法およびネットワークシステムを提供する。
【解決手段】 移動端末2は、アクセスポイント6.2の通信エリア内に移動して無線接続する。アクセスポイント6.2は、無線接続の発生を受けて、通信エリア内に移動端末2が移動したことを検出し、無線接続処理において得られた移動端末2のMACアドレスから、IPアドレスを取得する。そして、アクセスポイント6.2は、移動端末2の接続先が外部ネットワークであれば、ホームエージェント8との間でIPトンネルを形成する。ホームエージェント8は、移動端末2宛てのデータを代理受信してアクセスポイント6.2へ転送し、アクセスポイント6.2は、そのデータを移動端末2へ送信する。
【選択図】 図1
【解決手段】 移動端末2は、アクセスポイント6.2の通信エリア内に移動して無線接続する。アクセスポイント6.2は、無線接続の発生を受けて、通信エリア内に移動端末2が移動したことを検出し、無線接続処理において得られた移動端末2のMACアドレスから、IPアドレスを取得する。そして、アクセスポイント6.2は、移動端末2の接続先が外部ネットワークであれば、ホームエージェント8との間でIPトンネルを形成する。ホームエージェント8は、移動端末2宛てのデータを代理受信してアクセスポイント6.2へ転送し、アクセスポイント6.2は、そのデータを移動端末2へ送信する。
【選択図】 図1
Description
この発明は通信方法およびネットワークシステムに関し、特に無線モバイルネットワーク環境を実現する通信方法およびネットワークシステムに関するものである。
近年の情報通信技術の急速な発展に伴い、いつでも、どこからでもネットワークに接続可能な、いわゆるユビキタス社会の実現が期待されている。このようなユビキタス社会を実現させるために、無線モバイルネットワークが考案されている。
図19は、単一ネットワークからなる無線ネットワークシステムの概略構成図である。
図19を参照して、ネットワーク400は、バックボーン50と、L2スイッチ52.1,52.2と、アクセスポイント(AP)54.1,54.2とからなる。
バックボーン50は、幹線伝送路である。
L2(Layer 2)スイッチ52.1,52.2は、受信したデータをデータリンク層のアドレスに応じて転送する。
アクセスポイント54.1,54.2は、無線中継器であり、通信エリア内の移動端末2を無線通信を介してネットワーク400に接続させる。
アクセスポイント54.1,54.2は、いずれもネットワーク400に配置されているため、移動端末2は、アクセスポイント54.1の通信エリア内からアクセスポイント54.2の通信エリア内へ移動しても、ネットワーク400への接続が維持されて通信を継続できる。
図20は、複数ネットワークからなる無線ネットワークシステムの概略構成図である。
図20を参照して、ネットワーク500とネットワーク600とは、ルータ56を介して接続される。
ルータ56は、受信したデータをネットワークアドレスに応じて転送する。
ネットワーク500は、バックボーン50.1と、L2スイッチ52.1と、アクセスポイント54.1とからなる。
ネットワーク600は、バックボーン50.2と、L2スイッチ52.2と、アクセスポイント54.2とからなる。
一例として、ネットワーク500,600のネットワークアドレスの範囲をそれぞれ(1.1.1.1)〜(1.1.1.254),(1.1.2.1)〜(1.1.2.254)とし、移動端末2のネットワークアドレスを(1.1.1.1)とすると、移動端末2宛てのデータは、ルータ56によりネットワーク500へ転送されるが、ネットワーク600には転送されない。
そのため、移動端末2は、ネットワーク600に接続されるとデータを受信できない。したがって、移動端末2は、アクセスポイント54.1の通信エリア内からアクセスポイント54.2の通信エリア内へ移動する場合には通信を継続できない。
そこで、異なるネットワーク間を移動しても通信を継続できるシステムとして無線モバイルネットワークが考案されている。代表的な無線モバイルネットワークとしては、RFC(Request For Comments)3344に規定される、いわゆるモバイルIPがある。
図21は、モバイルIPシステムの概略構成図である。
図21を参照して、モバイルIPシステムにおいては、移動端末60のネットワークアドレスが属するネットワーク700をホームネットワークと称し、移動端末60のネットワークアドレスが属さないネットワーク800を外部ネットワークと称す。
ホームネットワークにホームエージェント(HA)62が配置され、外部ネットワークに外部エージェント(FA)64が配置される。そして、ホームエージェント62および外部エージェント64は、エージェント広告と呼ばれるネットワーク情報を、ネットワーク内で周期的にブロードキャスト(放送)する。
移動端末60は、エージェント広告を受信して接続先ネットワークを判断し、接続先が外部ネットワークであれば登録要求を外部エージェント64へ送信する。外部エージェント64は、移動端末60からの登録要求に応じて、ホームエージェント62へ登録要求を送信する。
ホームエージェント62は、外部エージェント64からの登録要求に応じて、移動端末60の接続先ネットワークを登録し、移動端末60宛てのデータを移動端末60の代わりに受信し、外部エージェント64へ転送する。
図22は、モバイルIPシステムにおける通信シーケンスを示す図である。
図21および図22を参照して、外部エージェント64は、外部ネットワーク内にエージェント広告をブロードキャストする。移動端末60は、アクセスポイント54.1からアクセスポイント54.2の通信エリア内へ移動すると、アクセスポイント54.2との無線接続処理を経て外部ネットワークに接続される。そして、移動端末60は、外部エージェント64からエージェント広告を受信して、外部ネットワークに接続されたと判断する。さらに、移動端末60は、外部エージェント64に対して登録要求を送信する。外部エージェント64は、移動端末60から登録要求を受けると、移動端末60が外部ネットワークに移動したことを検出して、ホームエージェント62に対して登録要求を転送する。ホームエージェント62は、登録要求を受けて、移動端末60の接続先が外部ネットワークであることを登録する。そして、ホームエージェント62は、移動端末60宛てのデータを移動端末60の代わりに受信し、そのデータを外部エージェント64へ転送する。外部エージェント64は、ホームエージェント62から受信したデータを移動端末60へ転送する。
また、移動端末60から送信されたデータは、上述の経路と反対の経路で転送される。
上述のような手順により、移動端末60は、異なるネットワーク間を移動しても通信を継続できる。
特許文献1には、移動端末が隣接する外部ネットワークへ移動する場合において、移動端末の接続先ネットワークがホームエージェントに登録されるまでの間のデータ転送をMACブリッジにより補完し、移動に伴う切換時間を短縮するデータ転送方法が開示されている。
特許文献2には、ホームエージェントから外部エージェントへのデータ転送時において、受信したパケット全体に新たにIPアドレスを付加する、いわゆるIPinIPに代えて、受信したパケットのIPアドレスを置換し、転送中でもサービス品質(QoS:Quality of Service)を維持できる通信方法およびモバイルIP環境が開示されている。
特開2002−344479号公報
特許第3545987号公報
上述のような無線モバイルネットワークにおいては、移動端末は、エージェント広告の受信を監視して接続先ネットワークを判断し、登録要求をホームエージェントまたは外部エージェントへ送信する。そのため、移動端末では、このような処理を行う特別なプログラムを実行させる必要がある。したがって、ユーザには、移動端末毎に特別なプログラムをインストールする作業が生じ、煩雑である。
また、移動端末の1形態であるパソコンについてみると、複数のOS(Operating System)が存在し、すべてのOSに対してプログラムを開発することは、コスト的に不利である。さらに、OSがアップグレードされた場合などには、プログラムが正常に動作しなくなることも懸念される。
一方、移動端末のネットワーク間の移動に伴う切換時間を短縮するためには、ホームエージェントおよび外部エージェントから頻繁にエージェント広告をブロードキャストすればよい。しかし、ネットワークの伝送量は有限であるため、エージェント広告のブロードキャスト周期を短くすると、ネットワークのパフォーマンスが低下するという問題が生じる。そのため、移動端末の移動に伴う切換時間の短縮とネットワークのパフォーマンスの維持とを両立させることは困難である。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、移動端末に特別なプログラムを必要せず、かつ移動に伴う切換時間の短縮とネットワークのパフォーマンスの維持とを実現できる通信方法およびネットワークシステムを提供することである。
この発明によれば、通信エリア内の移動端末を無線通信を介してネットワークに接続させる無線中継器の通信方法であって、移動端末との無線接続の発生により通信エリア内に移動端末が移動したことを検出する移動検出ステップと、移動端末との無線接続処理において得られた移動端末の情報に基づいて、移動端末のネットワークアドレスを取得するネットワークアドレス取得ステップと、ネットワークアドレス取得ステップにおいて取得された移動端末のネットワークアドレスが、移動端末の接続先ネットワークに属するか否かを判断するネットワークアドレス判断ステップと、ネットワークアドレス判断ステップにおいて移動端末のネットワークアドレスが移動端末の接続先ネットワークに属さない場合には、移動端末のネットワークアドレスが属するネットワークに配置される転送装置に対して移動端末宛てデータを無線中継器へ転送するように要求する転送要求ステップとを備える。
好ましくは、ネットワークアドレス取得ステップは、移動端末の情報とネットワークアドレスとを対応付けて格納するサーバへ移動端末の情報を送信し、サーバから移動端末のネットワークアドレスを取得するステップを含む。
好ましくは、移動検出ステップにおいて通信エリア内に移動端末が移動したことを検出すると、他の無線中継器に対して移動端末の情報を通知する情報通知ステップと、他の無線中継器から情報通知ステップにおける移動端末の情報を受けて、転送装置に対して移動端末宛てデータの無線中継器への転送中止を要求する第1の転送中止要求ステップとをさらに備える。
好ましくは、移動端末との無線接続が切断された場合または/および移動端末の無通信状態が所定の期間継続した場合に、転送装置に対して移動端末宛てデータの無線中継器への転送中止を要求する第2の転送中止要求ステップをさらに備える。
好ましくは、移動端末のネットワークアドレスが移動端末の接続先ネットワークに属さない場合に、移動端末からネットワークアドレスを指定した送信先の問合せを受けて、無線中継器を送信先として応答する送信先応答ステップをさらに備える。
好ましくは、送信先応答ステップにおいて、同一の通信エリア内に存在する他の移動端末を送信先とする移動端末からの送信先の問合せに対しては応答しない。
また、この発明によれば、複数のネットワークと、通信エリア内の移動端末を無線通信を介して複数のネットワークのうち1つに接続させる無線中継器と、移動端末のネットワークアドレスが属するネットワークに配置される転送装置とを備えるネットワークシステムである。無線中継器は、移動端末との無線接続の発生により通信エリア内に移動端末が移動したことを検出する移動検出手段と、移動端末との無線接続処理において得られた移動端末の情報に基づいて、移動端末のネットワークアドレスを取得するネットワークアドレス取得手段と、ネットワークアドレス取得手段において取得された移動端末のネットワークアドレスが、移動端末の接続先ネットワークに属するか否かを判断するネットワークアドレス判断手段と、ネットワークアドレス判断手段において移動端末のネットワークアドレスが移動端末の接続先ネットワークに属さない場合には、移動端末宛てデータの転送要求を転送装置へ送信する転送要求手段とを含む。転送装置は、無線中継器からの転送要求を受けて、移動端末宛てデータを受信し、無線中継器へ転送する転送手段を含む。
好ましくは、移動端末の情報とネットワークアドレスとを対応付けて格納するサーバをさらに備え、無線中継器は、移動端末の情報をサーバへ送信し、サーバから移動端末のネットワークアドレスを取得する。
好ましくは、無線中継器は、通信エリア内に移動端末が移動したことを検出すると、他の無線中継器に対して移動端末の情報を通知する情報通知手段と、他の無線中継器から情報通知手段における移動端末の情報を受けて、移動端末宛てデータの転送中止要求を転送装置へ送信する第1の転送中止要求手段とをさらに含み、転送装置は、無線中継器からの転送中止要求を受けて、移動端末宛てデータの無線中継器への転送を中止する。
好ましくは、無線中継器は、移動端末との無線接続が切断された場合または/および移動端末の無通信状態が所定の期間継続した場合に、移動端末宛てデータの転送中止要求を転送装置へ送信する第2の転送中止要求手段をさらに含み、転送装置は、無線中継器からの転送中止要求を受けて、移動端末宛てデータの無線中継器への転送を中止する。
この発明によれば、無線中継器は、無線接続の発生により移動端末の移動を検出し、移動端末が通信を継続できるように転送装置に対して転送要求を行う。そのため、移動端末は、接続先ネットワークを検出する必要がない。したがって、移動端末において、接続先ネットワークを検出するための特別なプログラムを不要にできる。
また、無線接続は、移動端末が異なる無線中継器の通信エリア内に移動すると最初に行われるため、移動端末の通信エリア間の移動を最も早く検出できる。よって、移動に伴う切換時間の短縮を実現できる。
さらに、移動端末が接続先ネットワークを検出する必要がないので、ネットワークの情報の周期的なブロードキャストが不要となり、ネットワーク上のデータ量を抑制できる。よって、ネットワークのパフォーマンスの維持を実現できる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従うネットワークシステムの概略構成図である。
図1は、この発明の実施の形態1に従うネットワークシステムの概略構成図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態1に従うネットワークシステムは、ネットワーク100,200と、ルータ56とからなる。
ネットワークシステムの通信機能は、OSI(Open System Interconnection)基本参照モデルに基づいて階層的に定義され、実施の形態1に従うネットワークシステムは、物理層(Layer 1)、データリンク層(Layer 2)およびネットワーク層(Layer 3)に基づく通信機能により実現される。なお、データリンク層は、さらにMAC(Media Access Control)層およびLLC(Logical Link Control)層に細分される。
実施の形態1に従うネットワークシステムの有線通信における物理層およびMAC層は、IEEE(the Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc)802.3に規定されるイーサネット(登録商標)からなる。なお、IEEE802.3は、物理層の伝送速度や伝送媒体によって、IEEE802.3i,IEEE802.3u,IEEE802.3z,IEEE802.3abなどに細分されるがいずれを用いてもよい。
また、実施の形態1に従うネットワークシステムの無線通信における物理層およびMAC層は、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)からなる。なお、IEEE802.11は、物理層の伝送速度、伝送媒体および伝送周波数によって、IEEE802.11a,IEEE802.11b,IEEE802.11gなどに細分されるがいずれを用いてもよい。
さらに、実施の形態1に従うネットワークシステムにおけるLLC層は、IEEE802.2に規定される論理リンク制御からなる。また、ネットワーク層は、IP(Internet Protocol)からなる。LLC層およびネットワーク層については、有線通信および無線通信とも共通である。
なお、ネットワーク内の通信は、MAC層におけるアドレスとネットワーク層におけるアドレス(ネットワークアドレス)とに基づいて行われる。以下では、MAC層におけるアドレスをMACアドレスと、ネットワーク層におけるアドレスをIPアドレスとそれぞれ称す。
ネットワーク100とネットワーク200とは、ルータ56を介して接続される。
ネットワーク100は、バックボーン50.1と、L2(Layer 2)スイッチ52.1と、ホームエージェント(HA)8と、アクセスポイント(AP)6.1とからなる。
ネットワーク200は、バックボーン50.2と、L2スイッチ52.2と、アクセスポイント6.2とからなる。
ルータ56は、バックボーン50.1および50.2と接続される。そして、ルータ56は、バックボーン50.1および50.2からデータを受けて、そのデータのIPアドレスで行き先を判断して転送する。
バックボーン50.1,50.2は、それぞれネットワーク100,200における幹線伝送路である。
L2スイッチ52.1,52.2は、バックボーン50.1,50.2とそれぞれ接続される。そして、L2スイッチ52.1,52.2は、それぞれバックボーン50.1,50.2およびネットワーク内の装置からデータを受けて、そのデータのMACアドレス、すなわちデータリンク層(Layer 2)のアドレスで行き先を判断して転送する。
アクセスポイント6.1,6.2は、それぞれL2スイッチ52.1,52.2を介してバックボーン50.1,50.2に接続される。そして、アクセスポイント6.1,6.2は、自己の通信エリア内の移動端末を無線通信を介してそれぞれネットワーク100,200に接続させる無線中継器である。さらに、アクセスポイント6.1,6.2は、後述するように、移動端末2が自己の通信エリア内に移動したことを検出して登録要求をホームエージェント8へ送信する転送要求機能と、移動端末2が自己の通信エリア外へ移動したことを検出して登録削除要求をホームエージェント8へ送信する第1の転送中止要求機能と、移動端末2からの送信先問合せに応答する送信先応答機能と、移動端末2がネットワーク接続を終了したことを検出して登録削除要求をホームエージェント8へ送信する第2の転送中止要求機能とを備える。
ホームエージェント8は、L2スイッチ52.1を介してバックボーン50.1に接続される。そして、ホームエージェント8は、アクセスポイント6.1,6.2から登録要求を受けて、移動端末2宛てデータの転送先を登録する。そして、ホームエージェント8は、その登録された情報に基づいて、移動端末2宛てデータがネットワーク100に到達すると、そのデータを移動端末2の代わりに受信して転送先へ送信する。すなわち、ホームエージェント8は、移動端末2宛てデータの転送装置として機能する。なお、ホームエージェント8は、図21に示す従来のモバイルIPシステムにおけるホームエージェント62と同様であり、エージェント広告のブロードキャスト機能を削除することも可能である。
移動端末2は、無線LANからなる無線通信部を備え、アクセスポイント6.1,6.2の通信エリア内でアクセスポイント6.1,6.2と無線通信を行う。また、移動端末2は、一例として、パーソナルコンピュータ(パソコン)、PDA(Personal Digital Assistance;個人用携帯情報端末)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)などからなる。
図2は、アクセスポイント6.1,6.2の概略構成図である。
図2を参照して、アクセスポイント6.1,6.2の各々は、制御部20と、記憶部22と、無線通信部24と、有線通信部26とからなる。
無線通信部24は、通信エリア内の移動端末2と無線信号を介して定められた手順に従い接続処理を行う。そして、無線通信部24は、接続処理が完了すると無線接続を確立して、移動端末2とデータの授受を開始する。
有線通信部26は、ネットワークに有線接続され、ネットワーク内の装置と電気信号によりデータの授受を行う。
無線通信部24と有線通信部26とは、制御部20を介して接続される。制御部20は、無線通信部24および有線通信部26が送受信するデータを相互に変換する。
記憶部22は、移動端末2のMACアドレスとIPアドレスとを対応付けて格納する。また、記憶部22は、ネットワークの情報、ホームエージェント8の情報および転送中である移動端末2のMACアドレスを格納する。
無線通信部24は、接続処理において移動端末2のMACアドレスを取得して、制御部20へ出力する。制御部20は、取得した移動端末2のMACアドレスに対応するIPアドレスおよびネットワークの情報を記憶部22から読出して、転送が必要か否かを判断する。そして、転送が必要であれば、制御部20は、記憶部22に格納されているホームエージェント8の情報を読出して、有線通信部26から登録要求をホームエージェント8へ送信する。さらに、制御部20は、登録要求を送信した移動端末2のMACアドレスを転送中として記憶部22へ格納する。以上のように、転送要求機能は実現される。
有線通信部26は、他のアクセスポイントの有線通信部26からMACアドレスの通知を受けて、制御部20へ出力する。制御部20は、通知されたMACアドレスと記憶部22に格納されている転送中のMACアドレスとから転送を中止する必要があるか否かを判断する。そして、転送を中止する必要があれば、制御部20は、有線通信部26から登録削除要求をホームエージェント8へ送信し、転送中として記憶部22に格納されているMACアドレスを削除する。以上のように、第1の転送中止要求機能は実現される。
制御部20は、無線通信部24から受信したデータが、移動端末2からの送信先問合せであれば、送信先問合せの内容を判断して、応答を無線通信部24から移動端末2へ送信する。以上のように、送信先応答機能は実現される。
無線通信部24は、移動端末2との無線接続が切断されると、そのMACアドレスを制御部20へ出力する。制御部20は、無線接続が切断されたMACアドレスと記憶部22に格納されている転送中のMACアドレスとから、転送を中止する必要があるか否かを判断する。また、制御部20は、無線接続している移動端末2のデータ通信状態を監視し、無通信状態の時間を計測して、転送を中止する必要があるか否かを判断する。そして、転送を中止する必要があれば、制御部20は、有線通信部26から登録削除要求をホームエージェント8へ送信し、転送中として記憶部22に格納されているMACアドレスを削除する。以上のように、第2の転送中止要求機能は実現される。
実施の形態1においては、一例として、ネットワーク100,200のIPアドレスの範囲をそれぞれ(1.1.1.1)〜(1.1.1.254),(1.1.2.1)〜(1.1.2.254)とし、移動端末2のIPアドレスを(1.1.1.1)とする。以下では、移動端末2のIPアドレスが属するネットワーク100をホームネットワークと称し、移動端末2のIPアドレスが属さないネットワーク200を外部ネットワークと称す。
(無線通信機能)
図3は、移動端末2とアクセスポイント6.1,6.2との無線接続処理および無線切断処理のシーケンスを示す図である。なお、図3に示すシーケンスは、無線LANにおいて標準化されているため、移動端末には、特別なプログラムを必要としない。
図3は、移動端末2とアクセスポイント6.1,6.2との無線接続処理および無線切断処理のシーケンスを示す図である。なお、図3に示すシーケンスは、無線LANにおいて標準化されているため、移動端末には、特別なプログラムを必要としない。
図3を参照して、移動端末2は、無線接続できるアクセスポイントを検索するため、プローブ要求を送信する。アクセスポイント6.1,6.2は、プローブ要求を受信すると、プローブ応答を移動端末2へ送信する。移動端末2は、受信したプローブ応答により無線接続先を特定する。そして、移動端末2は、無線接続の認証を要求するため、認証要求をアクセスポイント6.1,6.2へ送信する。このとき、移動端末2は、MACアドレスを認証のID(IDentification)として送信する。アクセスポイント6.1,6.2は、認証要求を受けて認証を行い、認証が成功すれば、認証ACKを移動端末2へ送信する。移動端末2は、認証ACKを受信すると、無線接続を要求するため、接続要求をアクセスポイント6.1,6.2へ送信する。アクセスポイント6.1,6.2は、接続要求を受けて移動端末2の無線接続の可否を判断し、無線接続の可否、割当て識別子および伝送速度などの情報を含む接続応答を移動端末2へ送信する。移動端末2は、接続応答を受信し、無線接続が可能であれば、割当てられた識別子および伝送速度でアクセスポイント6.1,6.2と無線通信を開始する。
また、アクセスポイント6.1,6.2との無線接続を切断する場合には、移動端末2は、切断要求を送信する。アクセスポイント6.1,6.2は、切断要求を受けて、無線接続状態を解除して切断ACKを移動端末2へ送信する。移動端末2は、切断ACKを受けて、無線接続を終了する。
以上の処理により、移動端末2は、アクセスポイント6.1,6.2との無線通信を開始および終了する。
(転送要求機能)
図4は、アクセスポイント6.2における転送要求処理のフロー図である。
図4は、アクセスポイント6.2における転送要求処理のフロー図である。
図1および図4を参照して、アクセスポイント6.2の制御部20は、無線通信部24から受けた信号により無線接続が発生したか否かを判断する(ステップS100)。
無線接続が発生していない場合(ステップS100においてNOの場合)には、制御部20は、無線接続が発生するまで待つ(ステップS100)。
無線接続が発生した場合(ステップS100においてYESの場合)には、制御部20は、無線通信部24から無線接続処理において得られた移動端末2のMACアドレスを取得する(ステップS102)。そして、制御部20は、取得した移動端末2のMACアドレスをアクセスポイント6.1を含む他のアクセスポイントへ通知する(ステップS104)。後述するように、他のアクセスポイントに対して、移動端末2が移動したことを検出させるためである。
さらに、制御部20は、記憶部22に格納されているデータを読出し、取得した移動端末2のMACアドレスに対応するIPアドレスを取得する(ステップS106)。そして、制御部20は、取得した移動端末2のIPアドレスが接続先ネットワークに属しているか否かを判断する(ステップS108)。
移動端末2のIPアドレスが接続先ネットワークに属している場合(ステップS108においてYESの場合)には、制御部20は、処理を終了する。
移動端末2のIPアドレスが接続先ネットワークに属していない場合(ステップS108においてNOの場合)には、制御部20は、移動端末2宛てデータをアクセスポイント6.2へ転送するための登録要求をホームエージェント8へ送信して、ホームエージェント8とIPトンネルを形成する(ステップS110)。そして、制御部20は、処理を終了する。
ここで、IPトンネルとは、IPアドレスに基づいてデータ転送を行う方法であり、IPinIPによるカプセル化で実現される。
図5は、IPinIPによるカプセル化を示す図である。
図5(a)は、通常のデータ構造を示す。
図5(b)は、カプセル化されたデータ構造を示す。
図5(a)を参照して、送信されるデータには、送信先および送信元のIPアドレスが付加されている。例えば、通信相手から送信された移動端末2宛てのデータには、送信先として移動端末2のIPアドレス、送信元として通信相手のIPアドレスが付加される。
図5(b)を参照して、カプセル化されたデータには、送信先および送信元のIPアドレスを含めたすべてをデータとみなして、新たに送信先および送信元のIPアドレスが付加される。
そのため、ホームエージェント8が移動端末2宛てのデータを代理受信し、そのデータをアクセスポイント6.2へ転送する場合には、ホームエージェント8は、新送信先としてアクセスポイント6.2のIPアドレス、新送信元としてホームエージェント8のIPアドレスを新たに付加して送信する。そして、アクセスポイント6.2は、カプセル化されたデータを受信すると、付加された新送信先および新送信元のIPアドレスを削除し元のデータに戻す、いわゆるデカプセル化を行う。
一方、移動端末2が通信相手へデータを送信する場合には、送信されたデータは、付加されている送信先のIPアドレスに応じて転送されるため、移動端末2はいずれのネットワークに接続されていても原則としてデータを送信できる。
しかし、ネットワーク間を接続するルータには、セキュリティー上の観点から、送信先および送信元のIPアドレスの合理性を判断して、合理性のないデータを破棄するものがある。そのため、移動端末2が外部ネットワークに接続されていると、送信されたデータは、通信相手に到達できないことがある。
そこで、移動端末2が通信相手へデータを送信する場合にも、通信相手からデータを受信する場合と同様に、送信データをホームエージェント8とアクセスポイント6.2との間のIPトンネルを経由させる、いわゆるリバーストンネルを行う。
すなわち、移動端末がデータを通信相手へ送信すると、アクセスポイント6.2がそのデータを受信する。そして、アクセスポイント6.2は、受信したデータをカプセル化してホームエージェント8へ転送する。ホームエージェント8は、アクセスポイント6.2からカプセル化されたデータを受信してデカプセル化する。さらに、ホームエージェント8は、デカプセル化したデータを通信相手へ送信する。
このようにして、アクセスポイント6.2とホームエージェント8との間にIPトンネルが形成される。
(第1の転送中止要求機能)
図6は、移動端末2が外部ネットワークからホームネットワークへ移動した場合の処理を示す図である。
図6は、移動端末2が外部ネットワークからホームネットワークへ移動した場合の処理を示す図である。
図6を参照して、移動端末2がホームネットワークへ移動すると、アクセスポイント6.1は、上述の転送要求処理を実行する。そして、アクセスポイント6.1は、移動端末2のMACアドレスをアクセスポイント6.2を含む他のアクセスポイントへ通知する。
すると、アクセスポイント6.2は、アクセスポイント6.1から通知された移動端末2のMACアドレスを受信して、移動端末2が通信エリア外へ移動したことを検出する。そして、アクセスポイント6.2は、登録削除要求をホームエージェント8へ送信する。
図7は、アクセスポイント6.2における転送中止要求処理のフロー図である。
図6および図7を参照して、アクセスポイント6.2の制御部20は、他のアクセスポイントからMACアドレスを受信したか否かを判断する(ステップS200)。
他のアクセスポイントからMACアドレスを受信していない場合(ステップS200においてNOの場合)には、制御部20は、MACアドレスを受信するまで待つ(ステップS200)。
他のアクセスポイントからMACアドレスを受信した場合(ステップS200においてYESの場合)には、制御部20は、受信したMACアドレスの移動端末についてIPトンネルを形成しているか否かを判断する(ステップS202)。すなわち、制御部20は、受信したMACアドレスにより通信エリア外に移動した移動端末2を特定する。
IPトンネルを形成している場合(ステップS202においてYESの場合)には、制御部20は、登録削除要求をホームエージェント8へ送信して、当該IPトンネルを破棄する(ステップS204)。そして、制御部20は、処理を終了する。
IPトンネルを形成していない場合(ステップS202においてNOの場合)には、制御部20は、処理を終了する。
上述のように、移動端末2がアクセスポイント6.1の通信エリア内に移動すると、アクセスポイント6.2は、ホームエージェント8とのIPトンネルを破棄し、移動端末2のデータ通信への干渉を防止する。
なお、アクセスポイント6.1,6.2が、移動端末2の情報を通知する方法の一例として、IEEE802.11のワーキンググループで標準化が進められているIAPP(Inter-Access Point Protocol)を用いることが望ましい。また、IAPP以外にも独自プロトコルによる通知方法を用いてもよい。
(ホームネットワークから外部ネットワークへの移動)
図8は、移動端末2がホームネットワークから外部ネットワークへ移動した時の通信シーケンスを示す図である。なお、通信相手は、ホームネットワークおよび外部ネットワーク以外の他のネットワーク(図示しない)に接続されていてもよい。
図8は、移動端末2がホームネットワークから外部ネットワークへ移動した時の通信シーケンスを示す図である。なお、通信相手は、ホームネットワークおよび外部ネットワーク以外の他のネットワーク(図示しない)に接続されていてもよい。
図1および図8を参照して、移動端末2がアクセスポイント6.1の通信エリア内で、ユーザから通信開始指令を受けると、上述した無線接続処理を行いアクセスポイント6.1と無線接続を確立する。アクセスポイント6.1は、無線接続の発生を受けて、通信エリア内に移動端末2が存在することを検出し、無線接続処理において得られた移動端末2のMACアドレスを他のアクセスポイントへ通知する。アクセスポイント6.2は、アクセスポイント6.1から移動端末2のMACアドレスの通知を受けるが、移動端末2に対するIPトンネルを形成していないので、処理を行わない。
また、アクセスポイント6.1は、移動端末2のMACアドレスに対応する移動端末2のIPアドレスを取得する。そして、アクセスポイント6.1は、接続先のネットワーク100に移動端末2のIPアドレスが属しているため、IPトンネルを形成しない。
通信相手から移動端末2へ送信されたデータは、ホームネットワークへ転送され、アクセスポイント6.1で無線信号に変換されて移動端末2へ送信される。
一方、移動端末2から通信相手へ送信されたデータは、アクセスポイント6.1で電気信号に変換されて通信相手へ送信される。
以下同様にして、移動端末2は、通信相手とデータ通信を行う。
次に、移動端末2が、アクセスポイント6.2の通信エリア内に移動すると、移動端末2はアクセスポイント6.2との無線接続処理を行いアクセスポイント6.2と無線接続を確立する。アクセスポイント6.2は、無線接続の発生を受けて、通信エリア内に移動端末2が移動したことを検出し、無線接続処理において得られた移動端末2のMACアドレスを他のアクセスポイントへ通知する。アクセスポイント6.1は、アクセスポイント6.2から移動端末2のMACアドレスの通知を受けるが、ホームエージェント8とのIPトンネルを形成していないので、処理を行わない。
また、アクセスポイント6.2は、移動端末2のMACアドレスに対応する移動端末2のIPアドレスを取得する。そして、アクセスポイント6.2は、接続先のネットワーク200に移動端末2のIPアドレスが属していないため、登録要求をホームエージェント8へ送信する。ホームエージェント8は、アクセスポイント6.2から登録要求を受けて、移動端末2宛てデータの転送先をアクセスポイント6.2として登録する。そして、ホームエージェント8は、転送先の登録が完了すると、登録応答をアクセスポイント6.2へ送信する。
以上の処理により、ホームエージェント8とアクセスポイント6.2との間にIPトンネルが形成される。
通信相手から移動端末2へ送信されたデータは、ホームネットワークへ転送される。そこで、ホームエージェント8が移動端末2の代わりにそのデータを受信する。そして、ホームエージェント8は、そのデータをカプセル化してアクセスポイント6.2へ転送する。アクセスポイント6.2は、ホームエージェント8からカプセル化されたデータを受信して、デカプセル化する。そして、アクセスポイント6.2は、そのデカプセル化されたデータの送信先IPアドレスから移動端末2のMACアドレスを特定して、そのデータを移動端末2へ送信する。
一方、移動端末2から通信相手へ送信されたデータは、アクセスポイント6.2で受信される。そして、アクセスポイント6.2は、その受信したデータをカプセル化してホームエージェント8へ転送する。ホームエージェント8は、アクセスポイント6.2からカプセル化されたデータを受信して、デカプセル化する。そして、ホームエージェント8は、デカプセル化したデータを通信相手へ送信する。
以下同様にして、移動端末2は、通信相手とデータ通信を行う。
(外部ネットワークからホームネットワークへの移動)
図9は、移動端末2が外部ネットワークからホームネットワークへ移動した時の通信シーケンスを示す図である。
図9は、移動端末2が外部ネットワークからホームネットワークへ移動した時の通信シーケンスを示す図である。
図6および図9を参照して、移動端末2がアクセスポイント6.2の通信エリア内で、ユーザから通信開始指令を受けると、上述した無線接続処理を行いアクセスポイント6.2と無線接続を確立する。
以下、上述した手順と同様に、ホームエージェント8とアクセスポイント6.2との間にIPトンネルが形成され、移動端末2は、通信相手とデータ通信を行う。
次に、移動端末2が、アクセスポイント6.1の通信エリア内に移動すると、移動端末2はアクセスポイント6.1との無線接続処理を行いアクセスポイント6.1と無線接続を確立する。アクセスポイント6.1は、無線接続の発生を受けて、通信エリア内に移動端末2が移動したことを検出し、無線接続処理において得られた移動端末2のMACアドレスを他のアクセスポイントへ通知する。アクセスポイント6.2は、アクセスポイント6.1から移動端末2のMACアドレスの通知を受けて、移動端末2がアクセスポイント6.1の通信エリア内に移動したことを検出する。そして、アクセスポイント6.2は、移動端末2宛てデータのアクセスポイント6.2への転送中止を要求するために登録削除要求をホームエージェント8へ送信する。ホームエージェント8は、アクセスポイント6.2から登録削除要求を受けて、移動端末2宛てデータの転送先であるアクセスポイント6.2の登録を削除する。そして、ホームエージェント8は、アクセスポイント6.2の登録削除が完了すると、登録削除応答をアクセスポイント6.2へ送信する。
以上の処理により、アクセスポイント6.2とホームエージェント8との間のIPトンネルが破棄される。
また、アクセスポイント6.1は、移動端末2のMACアドレスに対応する移動端末2のIPアドレスを取得する。そして、アクセスポイント6.1は、接続先のネットワーク100に移動端末2のIPアドレスが属しているため、ホームエージェント8とIPトンネルを形成しない。
以下、上述した手順と同様にして、移動端末2は、通信相手とデータ通信を行う。
(外部ネットワークから外部ネットワークへの移動)
移動端末2が外部ネットワークから別の外部ネットワーク(図示しない)へ移動する場合には、移動元のアクセスポイントは、移動端末2が外部ネットワークからホームネットワークへ移動する場合におけるアクセスポイント6.2と同様の処理を行う。そして、移動先のアクセスポイントは、移動端末2がホームネットワークから外部ネットワークへ移動する場合におけるアクセスポイント6.2と同様の処理を行う。
移動端末2が外部ネットワークから別の外部ネットワーク(図示しない)へ移動する場合には、移動元のアクセスポイントは、移動端末2が外部ネットワークからホームネットワークへ移動する場合におけるアクセスポイント6.2と同様の処理を行う。そして、移動先のアクセスポイントは、移動端末2がホームネットワークから外部ネットワークへ移動する場合におけるアクセスポイント6.2と同様の処理を行う。
以下、上述した手順と同様にして、移動端末2は、通信相手とデータ通信を行う。
(送信先応答機能)
移動端末2がIPアドレスで特定された通信相手へデータを送信するためには、通信相手のMACアドレスが必要となる。そのため、移動端末2は、通信相手のIPアドレスに対応するMACアドレスを取得するために、IPアドレスを指定した送信先の問合せであるARP(Address Resolution Protocol)をネットワークにブロードキャストする。
移動端末2がIPアドレスで特定された通信相手へデータを送信するためには、通信相手のMACアドレスが必要となる。そのため、移動端末2は、通信相手のIPアドレスに対応するMACアドレスを取得するために、IPアドレスを指定した送信先の問合せであるARP(Address Resolution Protocol)をネットワークにブロードキャストする。
指定されたIPアドレスをもつ装置が同一ネットワーク内に存在すれば、その装置がARPに対して自己のMACアドレスを応答する。そして、移動端末2は、ARPに対する応答を受けて、通信相手を特定してデータを送信する。さらに、移動端末2は、過去の通信相手のIPアドレスとMACアドレスとを対応付けてARPテーブルに格納する。
移動端末2は、ARPテーブルに通信相手のMACアドレスが格納されていれば、そのMACアドレスに基づいてデータを送信するが、格納されていない場合にはARPをブロードキャストする。
しかし、実施の形態1における無線通信システムにおいては、移動端末2は、接続先ネットワークを検出しないので、通信相手が同一ネットワークに存在するか否かを判断できない。そのため、移動端末2が接続されているネットワークに通信相手が存在しない場合には、移動端末2がブロードキャストするARPに対して、通信相手は応答せず、移動端末2はデータを送信できない。
そこで、アクセスポイント6.1,6.2は、外部ネットワークに接続されている移動端末2からのARPに対して、自己のMACアドレスを代理応答する。これにより、移動端末2は、送信先のMACアドレスを取得できるので、接続先ネットワークにかかわらずデータを送信できる。
ところで、外部ネットワークに接続されている移動端末2が送信したデータは、IPトンネルによりホームエージェント8を介して通信相手へ送信される。そのため、同一の通信エリア内に存在する移動端末間の通信においても、ホームエージェント8を介してデータの送受信が行われ、ネットワークパフォーマンスが低下する。
そのため、アクセスポイント6.1,6.2は、外部ネットワークに接続された移動端末が適切な経路でデータを送信できるようにARPに対する応答を行う。
図10は、同一通信エリア内に存在する2つの移動端末2.1,2.2の送信処理を示す図である。
図10を参照して、移動端末2.1,2.2は、いずれもアクセスポイント6.2の通信エリア内に存在し、ネットワーク200へ接続されている。また、移動端末2.1,2.2のIPアドレスを(1.1.1.1),(1.1.1.2)とすると、ネットワーク200は、移動端末2.1,2.2のいずれにとっても外部ネットワークとなる。
図11は、アクセスポイント6.2におけるARP応答処理のフロー図である。
図10および図11を参照して、アクセスポイント6.2の制御部20は、ARPを受信したか否かを判断する(ステップS300)。
ARPを受信していない場合(ステップS300においてNOの場合)には、制御部20は、ARPを受信するまで待つ(ステップS300)。
ARPを受信した場合(ステップS300においてYESの場合)には、制御部20は、IPトンネルを形成している移動端末2.1または2.2から受信したARPであるか否かを判断する(ステップS302)。
IPトンネルを形成している移動端末2.1または2.2から受信したARPでない場合(ステップS302においてNOの場合)には、制御部20は、処理を終了する。
IPトンネルを形成している移動端末2.1または2.2から受信したARPである場合(ステップS302においてYESの場合)には、制御部20は、IPトンネルを形成している他の移動端末に対するARPであるか否かを判断する(ステップS304)。すなわち、制御部20は、移動端末2.1から受信したARPが移動端末2.2に対するものであるか否か、および、移動端末2.2から受信したARPが移動端末2.1に対するものであるか否かを判断する。
IPトンネルを形成している他の移動端末に対するARPである場合(ステップS304においてYESの場合)には、制御部20は、処理を終了する。
IPトンネルを形成している他の移動端末に対するARPでない場合(ステップS304においてNOの場合)には、制御部20は、自己のMACアドレスを応答する(ステップS306)。そして、制御部20は、処理を終了する。
図12は、移動端末のデータ送信時における通信シーケンスを示す図である。
図10および図12を参照して、上述した手順と同様に、アクセスポイント6.2は、ホームエージェント8との間に移動端末2.1のIPトンネルを形成する。
また、アクセスポイント6.2は、ホームエージェント8との間に移動端末2.2のIPトンネルを形成する。
移動端末2.1は、通信相手のMACアドレスがわからない場合には、通信相手のIPアドレスを指定してARPをブロードキャストする。
アクセスポイント6.2は、外部ネットワークに接続されている移動端末2.1からのARPであり、かつ同一通信エリア内に存在する移動端末2.2に対するARPではないので、自己のMACアドレスを応答する。そして、移動端末2.1は、アクセスポイント6.2からのARP応答を受けて、データをアクセスポイント6.2へ送信する。さらに、アクセスポイント6.2は、移動端末2.1から受けたデータをホームエージェント8へ転送し、ホームエージェント8がそのデータを通信相手へ送信する。
移動端末2.1は、移動端末2.2のMACアドレスがわからない場合には、移動端末2.2のIPアドレスを指定してARPをブロードキャストする。
アクセスポイント6.2は、同一通信エリア内に存在する移動端末2.2に対するARPであるので、ARPを受信しても応答しない。
一方、移動端末2.2は、移動端末2.1と同一ネットワークに接続されているので、ARPを受信して自己のMACアドレスを応答する。そして、移動端末2.1は、移動端末2.2からのARP応答を受けて、データを移動端末2.2へ送信する。すなわち、移動端末2.1は、ホームエージェント8を経由せず、最短経路でデータを移動端末2.2へ送信できる。
以下、同様にして、移動端末2.1と移動端末2.2とは、ホームエージェント8を経由せずデータ通信を行う。
(第2の転送中止要求機能)
再度、図1を参照して、アクセスポイント6.2は、移動端末2が何らかの理由でネットワーク接続を終了した場合に、ホームエージェント8からのデータ転送を中止する。そのため、アクセスポイント6は、移動端末2との無線接続が切断された場合または移動端末2の無通信状態が所定の時間継続した場合に、移動端末2がネットワークへの接続を終了したと判断する。移動端末2は、ネットワークへの接続を終了する際に、無線切断処理を実行するとは限らないからである。
再度、図1を参照して、アクセスポイント6.2は、移動端末2が何らかの理由でネットワーク接続を終了した場合に、ホームエージェント8からのデータ転送を中止する。そのため、アクセスポイント6は、移動端末2との無線接続が切断された場合または移動端末2の無通信状態が所定の時間継続した場合に、移動端末2がネットワークへの接続を終了したと判断する。移動端末2は、ネットワークへの接続を終了する際に、無線切断処理を実行するとは限らないからである。
図13は、アクセスポイント6.2における転送中止要求処理のフロー図である。
図13を参照して、アクセスポイント6.2の制御部20は、IPトンネルを形成しているか否かを判断する(ステップS400)。
IPトンネルを形成していない場合(ステップS400においてNOの場合)には、制御部20は、IPトンネルを形成するまで待つ(ステップS400)。
IPトンネルを形成している場合(ステップS400においてYESの場合)には、制御部20は、無線通信部24から受けた信号により移動端末2との無線接続が切断されたか否かを判断する(ステップS402)。
無線接続が切断されていない場合(ステップS402においてNOの場合)には、制御部20は、移動端末2の無通信状態が所定期間継続したか否かを判断する(ステップS404)。
無通信状態が所定期間継続していない場合(ステップS404においてNOの場合)には、制御部20は、無線接続が切断されたか否かを再度判断する(ステップS402)。
無線接続が切断された場合(ステップS402においてYESの場合)または、無通信状態が所定期間継続した場合(ステップS404においてYESの場合)には、制御部20は、登録削除要求をホームエージェント8へ送信して、IPトンネルを破棄する(ステップS406)。そして、制御部20は、処理を終了する。
図14は、移動端末の無線接続が切断された時の通信シーケンスを示す図である。
図14を参照して、移動端末2は、ユーザからの通信終了指令を受けると、上述した無線切断処理を行いアクセスポイント6.2と無線接続を終了する。
アクセスポイント6.2は、無線接続の切断を受けて、移動端末2がネットワークへの接続を終了したと判断し、移動端末2宛てデータのアクセスポイント6.2への転送中止を要求するために登録削除要求をホームエージェント8へ送信する。ホームエージェント8は、アクセスポイント6.2から登録削除要求を受けて、移動端末2宛てデータの転送先であるアクセスポイント6.2の登録を削除する。そして、ホームエージェント8は、アクセスポイント6.2の登録削除が完了すると、登録削除応答をアクセスポイント6.2へ送信する。
以上の処理により、ホームエージェント8とアクセスポイント6.2との間のIPトンネルが破棄される。
図15は、移動端末の無通信状態が所定の期間継続した時の通信シーケンスを示す図である。
図15を参照して、アクセスポイント6.2は、ホームエージェント8とIPトンネルが形成された状態で、移動端末2の無通信状態が所定の期間経過すると、移動端末2がネットワークへの接続を終了したと判断する。そして、アクセスポイント6.2は、移動端末2宛てデータのアクセスポイント6.2への転送中止を要求するために登録削除要求をホームエージェント8へ送信する。
以下、上述した手順と同様に、ホームエージェント8とアクセスポイント6.2との間のIPトンネルが破棄される。
実施の形態1によれば、アクセスポイントは、無線接続の発生により移動端末が通信エリア内に移動したことを検出して、必要に応じてホームエージェントとIPトンネルを形成するため、移動端末は接続先ネットワークに応じて処理を行う必要はない。また、移動端末は接続先ネットワークを検出する必要がないので、ネットワーク検出のための周期的なネットワーク情報のブロードキャストを廃止できる。したがって、移動端末において、接続先ネットワークを検出するための特別なプログラムを不要にでき、ネットワーク内でブロードキャストしていたネットワーク情報に相当するデータ伝送量を抑制できる。
また、実施の形態1によれば、無線接続は、移動端末が異なる通信エリア内に移動すると最初に行われるため、移動端末の位置を最も早く検出できる。したがって、移動端末の移動に伴う切換時間を短縮でき、いわゆるシームレスな接続を実現できる。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1におけるアクセスポイントは、記憶部に移動端末のMACアドレスとIPアドレスとを対応付けて格納する。
上述の実施の形態1におけるアクセスポイントは、記憶部に移動端末のMACアドレスとIPアドレスとを対応付けて格納する。
一方、実施の形態2におけるアクセスポイントは、外部のサーバから移動端末のIPアドレスを取得する場合について説明する。
図16は、この発明の実施の形態2に従うネットワークシステムの概略構成図である。
図16を参照して、この発明の実施の形態2に従うネットワークシステムは、図1に示すネットワークシステムにおいて、アクセスポイント6.1,6.2をアクセスポイント7.1,7.2に代え、ネットワーク100にデータベースサーバ(DB)12を加えたものである。
データベースサーバ12は、移動端末のMACアドレスとIPアドレスとを対応付けて格納する。そして、データベースサーバ12は、外部からのMACアドレスによる問合せに応じて、対応するIPアドレスを応答する。また、データベースサーバ12は、MACアドレスおよび暗号鍵などにより認証を行い、当該MACアドレスを有する移動端末のネットワーク接続の許否を判断する。
図17は、データベースサーバによりIPアドレスを取得する場合の通信シーケンスを示す図である。
図16および図17を参照して、移動端末2がアクセスポイント7.1の通信エリア内で、上述した無線接続処理を行いアクセスポイント7.1と無線接続を確立する。
アクセスポイント7.1は、無線接続処理において得られた移動端末2のMACアドレスをデータベースサーバ12へ送信し、移動端末2の認証およびIPアドレスを要求する。データベースサーバ12は、アクセスポイント7.1から移動端末2のMACアドレスを受けて認証の成否を判断し、その認証成否と認証が成功すればIPアドレスとを応答する。そして、アクセスポイント7.1は、データベースサーバ12からIPアドレスを取得すると、そのIPアドレスに基づいて実施の形態1と同様の処理を行う。
移動端末2が、アクセスポイント7.2の通信エリア内に移動すると、アクセスポイント7.2は、無線接続の発生を受けて、移動端末2が通信エリア内に移動したことを検出し、無線接続処理において得られた移動端末2のMACアドレスをデータベースサーバ12へ送信し、移動端末2の認証およびIPアドレスを要求する。そして、アクセスポイント7.2は、上述と同様の処理を行う。
さらに、認証におけるセキュリティーを強化するために、IEEE802.2Xに規定されるRADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)を備えるデータベースサーバ12を用いることもできる。
図18は、RADIUSを備えるデータベースサーバ12における通信シーケンスを示す図である。
図18を参照して、移動端末2がアクセスポイント7.1の通信エリア内で、上述した無線接続処理を行いアクセスポイント7.1と無線接続を確立する。すると、移動端末2は、EAPOL(Extensible Authentication Protocol Over LAN)開始をアクセスポイント7.1へ送信する。アクセスポイント7.1は、移動端末2から受けたEAPOL開始の中からEAP(Extensible Authentication Protocol)フレームを抽出し、その抽出したフレームからなる接続要求をデータベースサーバ12へ送信する。そして、移動端末2とデータベースサーバ12とは、アクセスポイント7.1を介して鍵交換などにより認証を行う(EAP認証フェーズ)。データベースサーバ12は、認証が成功すれば、アクセスポイント7.1へ接続成功を応答する。そして、アクセスポイント7.1は、データベースサーバ12から接続成功を受けて、移動端末2のIPアドレスを取得する。さらに、アクセスポイント7.1は、その接続成功の中からEAPフレームを抽出し、その抽出したフレームからなるEAP成功を移動端末2へ送信する。アクセスポイント7.1は、データベースサーバ12から取得したIPアドレスにより実施の形態1と同様の処理を行う。
移動端末2がアクセスポイント7.2の通信エリア内に移動すると、アクセスポイント7.2も上述と同様の処理を行い、移動端末2の認証およびIPアドレスの取得を行う。
実施の形態2によれば、アクセスポイントは、移動端末のIPアドレスを外部のサーバから取得できるので、各アクセスポイントが移動端末のMACアドレスとIPアドレスとを対応付けて格納する必要がない。したがって、移動端末の管理が容易でフレキシブルなネットワークシステムを実現できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2,60 移動端末、6,6.1,6.2,7.1,7.2,54.1,54.2 アクセスポイント(AP)、8,62 ホームエージェント(HA)、12 データベースサーバ(DB)、20 制御部、22 記憶部、24 無線通信部、26 有線通信部、50,50.1,50.2 バックボーン、52.1,52.2 L2(Layer 2)スイッチ、56 ルータ、64 外部エージェント(FA)、100,200,300,400,500,600,700,800 ネットワーク。
Claims (10)
- 通信エリア内の移動端末を無線通信を介してネットワークに接続させる無線中継器の通信方法であって、
前記移動端末との無線接続の発生により前記通信エリア内に前記移動端末が移動したことを検出する移動検出ステップと、
前記移動端末との無線接続処理において得られた前記移動端末の情報に基づいて、前記移動端末のネットワークアドレスを取得するネットワークアドレス取得ステップと、
前記ネットワークアドレス取得ステップにおいて取得された前記移動端末のネットワークアドレスが、前記移動端末の接続先ネットワークに属するか否かを判断するネットワークアドレス判断ステップと、
前記ネットワークアドレス判断ステップにおいて前記移動端末のネットワークアドレスが前記移動端末の接続先ネットワークに属さない場合には、前記移動端末のネットワークアドレスが属するネットワークに配置される転送装置に対して前記移動端末宛てデータを前記無線中継器へ転送するように要求する転送要求ステップとを備える、通信方法。 - 前記ネットワークアドレス取得ステップは、前記移動端末の情報とネットワークアドレスとを対応付けて格納するサーバへ前記移動端末の情報を送信し、前記サーバから前記移動端末のネットワークアドレスを取得するステップを含む、請求項1に記載の通信方法。
- 前記移動検出ステップにおいて前記通信エリア内に前記移動端末が移動したことを検出すると、他の無線中継器に対して前記移動端末の情報を通知する情報通知ステップと、
他の無線中継器から前記情報通知ステップにおける前記移動端末の情報を受けて、前記転送装置に対して前記移動端末宛てデータの前記無線中継器への転送中止を要求する第1の転送中止要求ステップとをさらに備える、請求項1または2に記載の通信方法。 - 前記移動端末との無線接続が切断された場合または/および前記移動端末の無通信状態が所定の期間継続した場合に、前記転送装置に対して前記移動端末宛てデータの前記無線中継器への転送中止を要求する第2の転送中止要求ステップをさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信方法。
- 前記移動端末のネットワークアドレスが前記移動端末の接続先ネットワークに属さない場合に、前記移動端末からネットワークアドレスを指定した送信先の問合せを受けて、前記無線中継器を送信先として応答する送信先応答ステップをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信方法。
- 前記送信先応答ステップにおいて、同一の通信エリア内に存在する他の移動端末を送信先とする前記移動端末からの前記送信先の問合せに対しては応答しない、請求項5に記載の通信方法。
- 複数のネットワークと、
通信エリア内の移動端末を無線通信を介して前記複数のネットワークのうち1つに接続させる無線中継器と、
前記移動端末のネットワークアドレスが属するネットワークに配置される転送装置とを備え、
前記無線中継器は、
前記移動端末との無線接続の発生により前記通信エリア内に前記移動端末が移動したことを検出する移動検出手段と、
前記移動端末との無線接続処理において得られた前記移動端末の情報に基づいて、前記移動端末のネットワークアドレスを取得するネットワークアドレス取得手段と、
前記ネットワークアドレス取得手段において取得された前記移動端末のネットワークアドレスが、前記移動端末の接続先ネットワークに属するか否かを判断するネットワークアドレス判断手段と、
前記ネットワークアドレス判断手段において前記移動端末のネットワークアドレスが前記移動端末の接続先ネットワークに属さない場合には、前記移動端末宛てデータの転送要求を前記転送装置へ送信する転送要求手段とを含み、
前記転送装置は、前記無線中継器からの前記転送要求を受けて、前記移動端末宛てデータを受信し、前記無線中継器へ転送する転送手段を含む、ネットワークシステム。 - 前記移動端末の情報とネットワークアドレスとを対応付けて格納するサーバをさらに備え、
前記無線中継器は、前記移動端末の情報を前記サーバへ送信し、前記サーバから前記移動端末のネットワークアドレスを取得する、請求項7に記載のネットワークシステム。 - 前記無線中継器は、
前記通信エリア内に前記移動端末が移動したことを検出すると、他の無線中継器に対して前記移動端末の情報を通知する情報通知手段と、
他の無線中継器から前記情報通知手段における前記移動端末の情報を受けて、前記移動端末宛てデータの転送中止要求を前記転送装置へ送信する第1の転送中止要求手段とをさらに含み、
前記転送装置は、前記無線中継器からの前記転送中止要求を受けて、前記移動端末宛てデータの前記無線中継器への転送を中止する、請求項7または8に記載のネットワークシステム。 - 前記無線中継器は、前記移動端末との無線切断が切断された場合または/および前記移動端末の無通信状態が所定の期間継続した場合に、前記移動端末宛てデータの転送中止要求を前記転送装置へ送信する第2の転送中止要求手段をさらに含み、
前記転送装置は、前記無線中継器からの前記転送中止要求を受けて、前記移動端末宛てデータの前記無線中継器への転送を中止する、請求項7〜9のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
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