JP2008258993A - 無線lanハンドオーバー方法と装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線LAN通信網において、ルーターを跨いで移動端末が移動した場合の通信停止状態を避けることのできる、安価な無線LANハンドオーバー方法と装置を提供する。
【解決手段】 インターネット・プロトコル(IP)に従う通信網であるIP網(IPN)の通信ルートを指示するためのルーター(RT)を挟む前後の少なくとも各1つのアクセス・ポイント(APaH,APaF)の1つ(APaH)と無線交信する移動端末(ST)が移動して、無線交信が他の1つ(APaF)との間で実行されるハンドオーバーにおいて、アクセス・ポイント(APaH,APaF)が、無線交信のハンドオーバーを移動端末(ST)に代わって制御するための代理モバイル・ノード(PMN)を内蔵するようにした。ルーターを跨ぐハンドオーバーの制御は無線によらず有線で実行されるから、確実で通信停止状態も発生しない。
【選択図】図1
【解決手段】 インターネット・プロトコル(IP)に従う通信網であるIP網(IPN)の通信ルートを指示するためのルーター(RT)を挟む前後の少なくとも各1つのアクセス・ポイント(APaH,APaF)の1つ(APaH)と無線交信する移動端末(ST)が移動して、無線交信が他の1つ(APaF)との間で実行されるハンドオーバーにおいて、アクセス・ポイント(APaH,APaF)が、無線交信のハンドオーバーを移動端末(ST)に代わって制御するための代理モバイル・ノード(PMN)を内蔵するようにした。ルーターを跨ぐハンドオーバーの制御は無線によらず有線で実行されるから、確実で通信停止状態も発生しない。
【選択図】図1
Description
本発明は、無線LAN通信網のハンドオーバーに関するものである。具体的には、ルーターを含んだ通信網において、ルーターを跨いで移動端末が移動した(一般にはレイヤー3ハンドオーバーと呼ばれる)場合、通信停止状態を避けることのできる、安価な無線LANハンドオーバー方法と装置を提供せんとするものである。
図22は、従来のモバイルIP(移動体通信用インターネット・プロトコル)を用いたレイヤー3ハンドオーバー可能な網構成(従来例1)を示している。ここで、ルーターRTを跨いで2つのアクセス・ポイントAPpがある。1つは、移動端末STが接続中のホーム(Home)側アクセス・ポイントAPpHであり、他の1つは、移動端末STが移動後に接続するフォーリン(Foreign)側アクセス・ポイントAPpFである。
移動端末STの通信相手PE(Peer)は、IP網IPN(インターネット・プロトコル通信網)に属する通信網PN側にいる。IP網IPN(インターネット・プロトコル通信網)に属する通信網HNと通信網FNとの間にルーターRTがあり、ホーム側アクセス・ポイントAPpHの接続されている通信網HN(移動端末ST宛のパケットが届くネットワーク)には、ホーム・エージェントHApが、フォーリン側アクセス・ポイントAPpFの接続されている通信網FN(移動端末STの移動先ネットワーク)には、フォーリン・エージェントFApが接続されている。
移動端末STが接続中のホーム側アクセス・ポイントAPpHと、移動端末STが移動後に接続するフォーリン側アクセス・ポイントAPpFの間にルーターRTが存在すると、移動端末STが移動してフォーリン側アクセス・ポイントAPpFに接続した場合、フォーリン側アクセス・ポイントAPpFが設置されている通信網FNに移動端末ST宛のパケットが転送されない為、移動端末STと通信相手PEとの通信が完全に停止してしまうという事態が発生する。これを解決するために、通信網HNにホーム・エージェントHApおよび通信網FNにフォーリン・エージェントFApを設けている。
レイヤー3ハンドオーバー前のパケットの流れを太い点線で、レイヤー3ハンドオーバー後のパケットの流れを太い1点鎖線で示している。レイヤー3ハンドオーバー前においてはパケットは、通信相手PE-通信網PN,HN-ホーム側アクセス・ポイントAPpH-移動端末STの経路をとる。レイヤー3ハンドオーバー後においてはパケットは、通信相手PE-通信網PN,HN-ホーム・エージェントHAp-ルーターRT-フォーリン・エージェントFAp-フォーリン側アクセス・ポイントAPpF-移動端末STの経路をとる。
このホーム・エージェントHApおよびフォーリン・エージェントFApは、ルーターRTを跨ぐパケットの転送装置である。移動端末STが、ルーターRTを跨いだレイヤー3ハンドオーバーをする場合に、ホーム・エージェントHApおよびフォーリン・エージェントFApは、移動端末STの移動による通信の完全停止を避けるために役立っている。しかしながら、モバイル・ノードと呼ばれる移動体制御機能を、各移動端末STに内蔵せしめる必要がある。現在のところ全ての移動端末STにモバイル・ノードが実装されているわけではなく、全ての移動端末STにモバイル・ノードを実装することは、費用の面で大変な負担となる。
また、標準的なモバイル・ノードは、下位の無線LAN部分と連携しないため、移動端末STがフォーリン側アクセス・ポイントに接続したことを検出するまでに時間がかかる。
移動端末STがホーム側アクセス・ポイントAPpHのサービス・エリアからフォーリン側アクセス・ポイントAPpFのサービス・エリアに移動する。すると、移動端末STとフォーリン側アクセス・ポイントAPpFは、無線LANの標準規格であるIEEE802.11に従い接続動作を行い、無線接続を完了する。しかし、移動端末ST内のモバイル・ノードはフォーリン・エージェントFApがフォーリン側ネットワークFN内に定期的にブロードキャストしているエージェント広告を受信するまでフォーリン側ネットワークFNに移動したことを検出しない。
移動端末ST内のモバイル・ノードはエージェント広告を受信してからレイヤー3ハンドオーバーを開始する(具体的には、移動端末ST内のモバイル・ノードがパケット転送処理を依頼する為、フォーリン・エージェントFApに対してRegistration
Requestと呼ばれるパケットを送信する。)。一般的なエージェント広告の送信周期は数秒から数十秒であり、その間の通信が一時停止してしまう。
Requestと呼ばれるパケットを送信する。)。一般的なエージェント広告の送信周期は数秒から数十秒であり、その間の通信が一時停止してしまう。
図23には、従来の無線LANスイッチを用いたレイヤー3ハンドオーバー可能な網構成図(従来例2)が示されている。この網構成においては、図22のモバイルIPを用いた網構成(従来例1)に対して、レイヤー3ハンドオーバー制御に要する時間が短いという特徴がある。しかしながら、従来例1とは別個の問題がある。それについて、図23を用いて、説明する。
図23において、ルーターRTを跨いで2つの無線LANスイッチSW1,SW2がある。無線LANスイッチSW1の制御下には、アクセス・ポイントAPp1および2がある。無線LANスイッチSW2の制御下には、アクセス・ポイントAPp3および4がある。無線LANスイッチSW1,SW2は、集中制御装置であり、この2つの集中制御装置の連携によってレイヤー3ハンドオーバー制御が実行される。
レイヤー3ハンドオーバー前のパケットの流れを太い点線で、ハンドオーバー後のパケットの流れを太い1点鎖線で示している。ハンドオーバー前においてはパケットは、通信相手PE-通信網PN,HN-無線LANスイッチSW1-アクセス・ポイントAPp1-移動端末STの経路をとる。レイヤー3ハンドオーバー後においてはパケットは、通信相手PE-通信網PN,HN-無線LANスイッチSW1-ルーターRT-無線LANスイッチSW2-アクセス・ポイントAPp3-移動端末STの経路をとる。
移動端末STの通信相手PE(Peer)は、IP網IPN(インターネット・プロトコル通信網)に属する通信網PN側にいる。IP網IPNに属する通信網HNと通信網FNとの間にルーターRTがあり、ルーターRTを挟んで無線LANスイッチSW1とSW2が設けられている。ルーターRTを挟んで無線LANスイッチSW1とSW2との間でパケットがやりとりされる。無線LANスイッチSW1は、アクセス・ポイントAPp1とAPp2を集中管理している。無線LANスイッチSW2は、アクセス・ポイントAPp3とAPp4を集中管理している。
図23に示す無線LANスイッチSW1とSW2を含む従来例2は、図22に示す従来例1のハンドオーバー時における通信の一時中断という問題点は解決するものの、全てのトラフィックが、この集中制御装置(無線LANスイッチSW1,SW2)を介して転送されるため、高トラフィックに対応するためには高性能な機能をもつ装置が必要となり、高価となった。
複数のアクセス・ポイント間にまたがるハンドオーバーについては、たとえば、特許文献1に詳細に開示されてはいるが、ルーターを跨ぐ場合については、開示されてはいない。
特願2005-094305号
従来例1の場合、通信の完全停止を避けるために、移動端末STのホーム側ネットワークHNにホーム・エージェントHApおよびフォーリン側ネットワークFNにフォーリン・エージェントFApを設けたとしても、移動端末ST内のモバイル・ノードがフォーリン側ネットワークFNに移動したことを検出するまでに時間がかかるため、通信が可能となるまでに数秒から時には無線区間の輻輳も加わって数十秒かかることがある。全ての移動端末STにモバイル・ノードを実装することは、大きな費用負担が発生し、それをたとえ実行したとしても、移動端末ST内のモバイル・ノードが移動を検出するまで通信が一時停止してしまうという第1の課題があった。
従来例2の場合、従来例1の通信の一時停止は避けられるものの、全てのトラフィックが、集中制御装置(無線LANスイッチSW1,SW2)を介して転送されるため、高トラフィックに対応するためには高性能な機能をもつ装置が必要となり、高価となってしまうという解決されねばならない第2の課題があった。
本発明では、トラフィックが集中する集中制御装置(無線LANスイッチSW1,SW2)を必要とせず、移動端末STにモバイル・ノードを実装することもなく、無線通信の一時停止が短いレイヤー3ハンドオーバー方法と装置を提供することを目的としている。
インターネット・プロトコル(IP)に従う通信網であるIP網(IPN)の通信ルートを指示するためのルーター(RT)を挟む前後の少なくとも各1つのアクセス・ポイント(APH,APF)の1つ(APH)と無線接続する移動端末(ST)が移動して、無線接続が他の1つ(APF)との間で実行されるレイヤー3ハンドオーバーにおいて、アクセス・ポイント(APH,APF)が、レイヤー3ハンドオーバーを移動端末(ST)に代わって制御するための代理モバイル・ノード(PMN)を内蔵するようにした。
移動端末(ST)がアクセス・ポイント(APH,APF)のサービス・エリアに入り、所定の電界強度が維持されていることを確認すると移動端末(ST)がアクセス・ポイント(APH,APF)への無線接続を開始する。無線接続完了後、アクセス・ポイント(APH,APF)は、代理モバイル・ノード(PMN)を移動端末(ST)にみたてて、レイヤー3ハンドオーバー制御を実行することとした。
このレイヤー3ハンドオーバー制御は、アクセス・ポイント(APH,APF)に移動端末STが接続すると直ちに実行され、代理モバイル・ノード(PMN)が管理するデータ・ベースや情報テーブルをもとに、無線を介さずに実行されるから、移動の検出が速く、無線区間の輻輳や電波伝搬の状況に影響されることもなく、通信の中断の短いハンドオーバーを安価に実現することができた。さらに、各移動端末(ST)にモバイル・ノードの実装をしなくても、移動端末(ST)がフォーリン側アクセス・ポイント(APF)を介してフォーリン・エージェント(FA)にパケットを送信できるようになった。
インターネット・プロトコル(IP)に従う通信網であるIP網(IPN)の通信ルートを指示するためのルーター(RT)を挟むホーム側ネットワークHNとフォーリン側ネットワークFNに配置された少なくとも各1つのアクセス・ポイント(APH,APF)の1つ(APH)と無線接続する移動端末(ST)が移動して、無線接続が他の1つ(APF)との間で実行されるハンドオーバーにおいて、アクセス・ポイント(APH,APF)が、レイヤー3ハンドオーバーを移動端末(ST)に代わって制御するための代理モバイル・ノード(PMN)を内蔵するようにした。
移動端末(ST)がアクセス・ポイント(APH,APF)のサービス・エリアに入り、所定の電界強度が維持されていることを確認すると移動端末(ST)はIEEE802.11規格に従いアクセス・ポイント(APH,APF)への無線接続を開始する。無線接続完了後、アクセス・ポイント(APH,APF)は、代理モバイル・ノード(PMN)を移動端末(ST)にみたてて、レイヤー3ハンドオーバー制御を実行する。このハンドオーバー制御は、アクセス・ポイント(APH,APF)に移動端末STが接続すると直ちに、無線を介さずに実行されるから、無線区間の輻輳や電波伝搬の状況に影響されることもなく、通信の中断の短いハンドオーバーを実現する。
図1は、本願発明の実施例1を示したアクセス・ポイントAPaが検索部と代理モバイル・ノードを有する場合の網構成図である。ここで、図22および図23に対応する要素については、対応する記号を付してある。
図1において、ルーターRTを跨いで2つのアクセス・ポイントAPaHとAPaFがある。1つは、移動端末STが接続中のホーム(Home)側アクセス・ポイントAPaHであり、他の1つは、移動端末STが移動後に接続するフォーリン(Foreign)側アクセス・ポイントAPaFである。同図のルーターRTの前後には、それぞれホーム・エージェント(HA)及びフォーリン・エージェント(FA)が設置されている。
移動端末STの通信相手PE(Peer)は、IP網IPN(インターネット・プロトコル通信網)に属する通信網PN側にいる。IP網IPN(インターネット・プロトコル通信網)に属する通信網HNと通信網FNとの間にルーターRTがあり、ホーム側アクセス・ポイントAPaHは、通信網HN(移動端末ST宛のパケットが届くネットワーク)に接続されている。フォーリン側アクセス・ポイントAPaFは通信網FN(移動端末STの移動先ネットワーク)に接続されている。
移動端末STが接続中のホーム側アクセス・ポイントAPaHと、移動端末STが移動後に接続するフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの間にルーターRTが存在すると、移動端末ST宛のパケットが、移動端末STが接続しているフォーリン側アクセス・ポイントAPaFが設置されている通信網FNに送信されないため、移動端末STの移動により、通信が完全に停止してしまうという事態が発生する。
これを解決するために、2つのアクセス・ポイントAPaは、移動端末STの移動に従ってフォーリン・エージェント(FA)へ移動端末ST宛のパケットの転送を依頼するモバイル・ノード機能を代理する機能を有している。アクセス・ポイントAPaには、モバイル・ノード機能を発揮するべく、検索部が設けられている。以下において、アクセス・ポイントAPaの詳細を説明する。
図2は、図1の重要な構成要素である検索部と代理モバイル・ノードを内蔵したアクセス・ポイントAPaの内部構成を示す回路構成図である。通信網HN又はFNに接続する有線通信部LAN、移動端末STと無線交信するための無線通信部WLAN、無線通信部WLAN(Wireless Local Area Network)の動作に必要な情報を格納するWLAN情報テーブル17が含まれている。
さらに、モバイル・ノード機能を代理する代理モバイル・ノードPMN(Proxy Mobile Node)、代理モバイル・ノードPMNの動作に必要な情報を格納するPMN情報テーブル12、代理モバイル・ノードPMNに必要な情報を検索する検索部21、情報検索に対応可能な情報を格納するPMNデータ・ベース22およびパケット転送部15が含まれている。
パケット転送部15は、有線通信部LAN、無線通信部WLANおよび代理モバイル・ノードPMNとの間でのパケットを転送している。代理モバイル・ノードPMNは、パケット転送部15、無線通信部WLAN、PMN情報テーブル12および検索部21との間で、パケットを転送し、あるいは、情報のやりとりをし、指示を出している。アクセス・ポイントAPaの動作の詳細は、格納情報の具体例および動作の手順を示す中で説明する。
図3は、図2の重要な構成要素であるWLAN情報テーブル17内における移動端末1台分のデータの内部構造を示す記憶内容構造図である。WLAN情報テーブル17にはレイヤー3ハンドオーバーに成功した移動端末全ての情報が図3の内部構造に従い格納される。そこには、移動端末STのMACアドレス、通信網の種別および転送先のMACアドレスが格納されている。ここで、移動端末STのMAC(Media Access Control )アドレスは、LAN(Local Area
Network:構内情報通信網)に必須な伝送技術において使用される移動端末STのアドレスである。
Network:構内情報通信網)に必須な伝送技術において使用される移動端末STのアドレスである。
通信網の種別は、ホーム側通信網HNか、フォーリン側通信網FNかを表す通信網の種別である。転送先のMACアドレスは、ネットワーク種別がホーム側ネットワークHNならば無線通信部WLANまたはホームネットワークHNに接続されたルーターのMACアドレス、フォーリン側ネットワークFNならばフォーリン・エージェントのMACアドレスである。
図4は、図2の重要な構成要素であるPMNデータ・ベース22内における移動端末1台分のデータの内部構造を示す記憶内容構造図である。PMNデータ・ベース22にはレイヤー3ハンドオーバーを行う移動端末全ての情報が図4の内部構造に従い格納される。図4で表される一台の移動端末用データの内部構造には、移動端末STのMACアドレス、移動端末STのホーム・アドレス、ホーム・エージェントHAのIPアドレスおよびフォーリン・エージェントFAのIPアドレスが格納されている。ここで、移動端末STのMACアドレスは、図3に示したものと同じである。移動端末STのホーム・アドレスは、インターネット・プロトコル網上の予め付与されたアドレスである。
ホーム・エージェントHAのIPアドレスは、移動端末STのホーム側通信網HNに存在するホーム・エージェントHAのインターネット・プロトコル網上の予め付与されたアドレスである。フォーリン・エージェントFAのIPアドレスは、移動端末STが移動したフォーリン側通信網FNに存在するフォーリン・エージェントFAのインターネット・プロトコル網上の予め付与されたアドレスである。
図5は、図2の重要な構成要素であるPMN情報テーブル12内における移動端末1台分のデータの内部構造を示す記憶内容構造図である。PMN情報テーブル12にはレイヤー3ハンドオーバーに成功した移動端末全ての情報が図4の内部構造に従い格納される。そこには、移動端末STのMACアドレス、移動端末STのホーム・アドレス、ホーム・エージェントHAのIPアドレスおよびフォーリン・エージェントFAのIPアドレス、モバイルIPの登録時間、モバイルIPの更新周期が格納されている。ここで、移動端末STのMACアドレス、移動端末STのホーム・アドレス、ホーム・エージェントHAのIPアドレスおよびフォーリン・エージェントFAのIPアドレスは、図4に示したものと同じである。
モバイルIPの登録時間は、ホーム・エージェントHAとフォーリン・エージェントFAによるパケット転送の開始時刻(Registration Replyを受信した時刻)、モバイルIPの更新周期は、ホーム・エージェントHAとフォーリン・エージェントFAによるパケット転送の有効期限(Registration Reply内の有効時間)である。更新周期を越えた場合、ホーム・エージェントHAとフォーリン・エージェントFAによるパケット転送は終了する。
代理モバイル・ノードPMNが、Registration Replyを受信したときに、移動端末STごとに移動端末STのMACアドレス、通信網HNにおける移動端末STのホーム・アドレス、ホーム・エージェントHAのIPアドレス、フォーリン・エージェントFAのIPアドレス、Registration
Replyの受信時間である登録時間、Registration Reply内に記載された有効時間である更新周期をPMN情報テーブルに格納している。
Replyの受信時間である登録時間、Registration Reply内に記載された有効時間である更新周期をPMN情報テーブルに格納している。
代理モバイル・ノードPMNは、定期的にPMN情報テーブルを調査し、現在時刻が登録時間に更新周期を加えた時間を超過しそうな移動端末STが存在する場合には、移動端末STの代わりにフォーリン・エージェントFAにRegistration Requestを送信し、それに対するRegistration Replyがあった場合、PMN情報テーブル内の対応する移動端末STの登録時間を更新する。
図6は、図2の重要な構成要素である代理モバイル・ノードPMNの動作開始時における初期化動作の流れを示すフローチャートである。アクセス・ポイントAPaは動作を開始する。代理モバイル・ノードPMNは、PMN情報テーブル12を初期化し(S1)、初期化動作開始の指示を無線通信部WLANに対して出す(S2)。
この指示により無線通信部WLANは、WLAN情報テーブル17を初期化する(S3)。無線通信部WLANは、すでに接続中の移動端末STに対して移動端末STの当該アクセス・ポイントAPaに対する無線接続の切断を要求する(S4)。この無線接続の切断は、無線LANの規格8021.11に規定され、De-Authenticationと呼ばれている。これを受けた移動端末STは、アクセス・ポイントAPaに対する無線リンクの切断をして初期化動作を終了する(S5、S6)。
図7ないし図11は、移動端末STがレイヤー3ハンドオーバーした時の登録手順を示すフローチャートである。図7および図8のS22からS32はIEEE802.11で規定されている接続手順である。移動端末ST、ホーム側アクセス・ポイントAPaH、ルーターRTおよびフォーリン側アクセス・ポイントAPaFは動作中である。移動端末STは、ホーム側アクセス・ポイントAPaHと接続中である(S21、図7)。移動端末STは、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFのサービス・エリア内に移動し、ホーム側アクセス・ポイントAPaHとの接続環境が悪化すると、新たな接続可能なアクセス・ポイントを探索する為Probe Requestをブロードキャストする(S22)。
これを受けたフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANは、移動端末STに対し自分の存在を通知する為Probe Responseを返す(S23,S24)。このProbe Responseを受信した移動端末STは、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFへの接続許可を得る為Authentication Requestを送信する(S25,S26)。ここではopen-system authentication、つまり全ての端末が無条件に接続を許可される方式を例にとって説明する。
Authentication Requestを受けたフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANは、Authentication
Requestを受けたことに対して接続許可を与えること通知するAuthentication Responseを送る(S27,S28)。そこで移動端末STは、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFへの無線接続を要求するAssociation Requestを送信する(S29,S30)。この接続要求の前にも接続要求を出していたならば、Reassociation Requestとなる。
Requestを受けたことに対して接続許可を与えること通知するAuthentication Responseを送る(S27,S28)。そこで移動端末STは、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFへの無線接続を要求するAssociation Requestを送信する(S29,S30)。この接続要求の前にも接続要求を出していたならば、Reassociation Requestとなる。
この(Re)association Requestをフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANが受信すると(S31)、それに応えて(Re)Association Responseを送信し、移動端末STはこれを受信する(S32,S33、図8)。そこでフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANは、代理モバイル・ノードPMNに対してReassociation Indicationを出す(S34)。
Reassociation Indicationを受けた代理モバイル・ノードPMNは、フォーリン・エージェントFAに移動端末ST宛パケットの転送を依頼するため、この移動端末STがPMNデータ・ベース22に登録されているものか否かの検索をするように、検索部21に対してSearch Requestを出す(S35)。この要求に従って、検索部21はPMNデータ・ベース22に当該移動端末STのMACアドレスが登録済であるか否か検索を開始する(S36)。
移動端末STのMACアドレスが登録済であり、その検索に成功すると検索部は図4で表される移動端末STの情報を含むSearch Successを代理モバイル・ノードPMNに返す(S41Y、図9)。代理モバイル・ノードPMNは、この情報を使用してフォーリン・エージェントFAに対して移動端末ST宛のパケットの転送を要求するRegistration Requestを出す(S42)。このRegistration Requestは、フォーリン・エージェントFA、ルーターRTを介してホーム・エージェントHAにも伝えられる(S43,S44)。代理モバイル・ノードPMNとフォーリン・エージェントFA、フォーリン・エージェントFAとホーム・エージェントHAとの通信(S42〜S44)は、モバイルIPの規格RFC2002に準拠して実行される。
ホーム・エージェントHAがこのRegistration Requestを受信し、パケットの転送が可能であると判断すると(S45Y)、移動端末STがホーム側アクセス・ポイントAPaHのサービス・エリアを去ったことを確認し、ホーム・エージェントHAは、ホーム・エージェントHAとフォーリン・エージェントFAとの間でパケットの転送を行うことを伝えるため、フォーリン・エージェントに対してRegistration Replyを送信する。Registration Replyを受信したフォーリン・エージェントはホーム・エージェントHAとのパケットの転送が許可されたと判断し、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの代理モバイル・ノードPMNにRegistration Replyを転送する(S47,S48,S49)。
フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの代理モバイル・ノードPMNは、Registration
Replyを受信するとホーム・エージェントHAとフォーリン・エージェントFAによりパケット転送が行われると判断し、PMN情報テーブル12に移動端末STに関する情報を記録する(S51)。また、無線通信部WLANに対して移動端末STに関する情報の登録指示(Registration Indication)を出す(S50)。
Replyを受信するとホーム・エージェントHAとフォーリン・エージェントFAによりパケット転送が行われると判断し、PMN情報テーブル12に移動端末STに関する情報を記録する(S51)。また、無線通信部WLANに対して移動端末STに関する情報の登録指示(Registration Indication)を出す(S50)。
登録指示を受けたフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANは、WLAN情報テーブル17に移動端末STに関する情報を記録して登録を完了し(S52)、移動端末STと通信相手PEsの間でホーム・エージェントHA、フォーリン・エージェントFA、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFを介してパケット通信が続行される(S53)。これにて、ルーターRTを跨ぐレイヤー3ハンド・オーバー制御は、完了する。
ステップS41(図9)において検索に失敗した場合は(S41N)、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの検索部21は、Search Fail Messageを代理モバイル・ノードPMNにする(S71、図10)。この通知を受けたフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの代理モバイル・ノードは無線通信部に対して、No-Registration Indicationを送信する。この通知を受けた無線通信部WLANは、WLAN情報テーブル17内の当該移動端末STに関する情報をチェックする(S73)。
当該移動端末STに関する情報が登録済の場合は(S74Y)その登録を削除し(S75)、登録されていない場合は(S74N)放置して(S76)、移動端末STとフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANとの間の無線通信は接続されたままの状態が続く(S77)。検索に失敗した場合(S41N、S71〜S77)、代理モバイル・ノードPMNがフォーリン・エージェントFAに対してRegistration
Requestを送信しない為、移動端末STはフォーリン側アクセス・ポイントAPaFに接続しているが、移動端末ST宛のパケットはホーム・エージェントHA、フォーリン・エージェントFAを介してフォーリン側ネットワークFNに転送されない。すなわち、レイヤ-3ハンドオーバーは、不成功に終わる。
Requestを送信しない為、移動端末STはフォーリン側アクセス・ポイントAPaFに接続しているが、移動端末ST宛のパケットはホーム・エージェントHA、フォーリン・エージェントFAを介してフォーリン側ネットワークFNに転送されない。すなわち、レイヤ-3ハンドオーバーは、不成功に終わる。
ステップS45(図9)においてパケットの転送が出来ないと判断すると(S45N)、ホーム側ネットワークHNのホーム・エージェントHAは、移動端末ST宛パケットをフォーリン・エージェントFAに転送しないことを通知するRegistration Replyをフォーリン・エージェントFAに伝える(S81〜S83)。
このRegistration Replyは、フォーリン・エージェントFAを経由してフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの代理モバイル・ノードPMNに通知される。この通知を受けたフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの代理モバイル・ノードPMNはNo-Registration Indicationを無線通信部WLANに通知する(S84,S85)。
このときフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの代理モバイル・ノードPMNは、PMN情報テーブル12を検索し(S86)、そこにレイヤー3ハンドオーバーに失敗した移動端末STの情報が存在する場合は(S87Y)登録情報を削除し(S88)、情報が存在しない場合は(S87N)何もしないで放置する(S89)。
No-Registration Indicationを受信したフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANは、WLAN情報テーブル17内の当該移動端末STに関する情報をチェックする。当該移動端末STに関する情報が存在する場合には、その登録を削除し、登録されていない場合は、放置する(S89)。これにより、移動端末STとフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANとの間の無線通信は接続されたままの状態が続く(S90)。登録に失敗した為、移動端末STはフォーリン側アクセス・ポイントAPaFに接続しているが、移動端末ST宛のパケットはホーム・エージェントHA、フォーリン・エージェントFAを介してフォーリン側ネットワークFNに転送されない。すなわち、レイヤ-3ハンドオーバーは、不成功に終わる。
図12,13および14は、移動端末STのレイヤー3ハンドーオーバーが成功した後の登録更新手順を示すフローチャートであり、図13は更新成功の場合を、図14は更新失敗の場合を表している。移動端末STは、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFとフォーリン・エージェントFA、ルーターRT、ホーム・エージェントHAを経由して通信相手PEと無線接続によるパケット通信中である(S111、図12)。
代理モバイル・ノードPMNは、定期的に図5に示したPMN情報テーブル12を検索する(S112)。現在時刻、モバイルIPの登録時間およびモバイルIPの更新周期から、登録の更新が必要か調査する(S113)。登録時刻+更新周期が現在時刻を越えそうな移動端末STが存在する場合(S114Y)、代理モバイル・ノードPMNは移動端末STの代わりに、フォーリン・エージェントFAに再度Registration
Requestを出す(S115)。
Requestを出す(S115)。
Registration Requestは、フォーリン・エージェントFAおよびルーターRTにより転送されて、ホーム・エージェントHAに届く(S116,S117)。これに応答してホーム・エージェントHAは、Registration Replyをフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの代理モバイル・ノードPMN宛に送信する(S118)。このRegistration ReplyはルーターRTおよびフォーリン・エージェントFAにより転送されて、代理モバイル・ノードPMNに届く(S119,S120)。代理モバイル・ノードPMNは、フォーリン・エージェントFAから登録に成功したか否かの回答を含むRegistration Replyを受け取り、登録更新に成功したことを知る(S121Y)。
登録更新成功の場合は(S121Y)、PMN情報テーブル12のモバイルIPの登録時間を現在時に更新する(S122、図13)。移動端末STは、ホーム・エージェントHA、フォーリン・エージェントFA、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFを経由して通信相手PEとの間のパケット通信を継続する(S123)。
登録に成功しなかった場合は(S121N)、代理モバイル・ノードPMNは、PMN情報テーブル12の当該移動端末STに対応する情報を削除し(S124、図14)、No-Registration Indicationを無線通信部WLANに送信する(S125)。これを受けた無線通信部WLANは当該移動端末STに関する登録情報の存在を調査する(S126)。
この調査において、当該移動端末STに関する登録情報が存在する場合は(S127Y)、その登録情報を削除し(S129)、存在しない場合は(S127N)、そのまま放置する(S128)。登録更新に失敗した場合(S121N,S124〜S129)、移動端末STとフォーリン側アクセス・ポイントAPaFとの間の無線接続は維持されるが(S130)、通信相手PEからのパケットはホーム・エージェントHAとフォーリン・エージェントFAを経由してフォーリン側ネットワークFNに転送されない為、移動端末STと通信相手PEとの通信はやがて停止する。
図15は、移動端末STがフォーリン側アクセス・ポイントAPaFと接続している場合のパケット転送のシーケンスを示す図である。移動端末STから通信相手PEに至る、レイヤー3ハンドオーバー後のパケットの流れを表している。移動端末STから送出されたデータは、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANで受信され(S201)、無線通信部WLANからは、ただちに、移動端末STに対してACK(受信確認通知)が出され(S202)、同時にデータはフォーリン・エージェントFAに送られる(S203)。
そこからルーターRTを介してホーム・エージェントHAに送られる(S204,S205)。ホーム・エージェントHAからは通信相手PEにパケット・データが届けられる(S206)。通信相手PEから発送するデータは(S207)、ホーム・エージェントHA(S208)、ルーターRT(S209)、フォーリン・エージェントFA(S210)、およびフォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANを介して移動端末STに届けられる(S211)。そこで移動端末STは、ただちに、無線通信部WLANに対してACK(受信確認通知)を出す(S212)。
図16は、パケットの受信と転送手順を示すフローチャートである。移動端末STは、通信相手PE宛のパケットをアクセス・ポイント(APaHまたはAPaF)に送信する(S151、図16)。移動端末STからのパケットを受けると(S152)、アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANはWLAN情報テーブル17を調べて、移動端末STのMACアドレスはすでに登録済か否かを検索する(S153)。
移動端末STはすでに登録済であれば(S154Y)、通信網の種別が通信網HNであるかFNであるかを調べ、通信網FNであるときには(S155FN)、パケットの種別をチェックする(S156)。パケットの種別は、IPパケットの場合(S157I)、ARPリクエスト(Address Resolution Protocol
Request)の場合(S157A)、その他のパケットの場合(S157他)の3種である。その他のパケットの場合は、パケットを破棄する(S158)。
Request)の場合(S157A)、その他のパケットの場合(S157他)の3種である。その他のパケットの場合は、パケットを破棄する(S158)。
ARPリクエストの場合、パケットを破棄し、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANは、WLAN情報テーブル17に記載されているフォーリン・エージェントFAのMACアドレスを送信者(Sender)として含むARP応答(Address Resolution
Protocol Response)を移動端末STに対して返信する(S159)。移動端末STはこれを受けて(S160)次のパケット送信に移る(S151)。このARPプロトコルに対するステップS157〜S160の処理により、移動端末STにモバイル・ノードを実装しなくても、移動端末STがフォーリン・エージェントFAにパケットを送信することが、可能となる。
Protocol Response)を移動端末STに対して返信する(S159)。移動端末STはこれを受けて(S160)次のパケット送信に移る(S151)。このARPプロトコルに対するステップS157〜S160の処理により、移動端末STにモバイル・ノードを実装しなくても、移動端末STがフォーリン・エージェントFAにパケットを送信することが、可能となる。
通信網の種別が通信網HNであるとき(S155HN)および、パケットの種別が、IPパケットの場合(S157I)は、WLAN情報テーブル17において送信先MACアドレスを転送先MACアドレスに変更してパケット転送部15へ送る(S161)。移動端末STが、すでに登録済とはなっていなかった場合には(S154N)、移動端末STから送られてきたパケットはそのままパケット転送部15へ送られる(S162)。
転送されてきたパケットは、パケットに付された送信先MACアドレ(又は、転送先MACアドレス)およびIPアドレスに従ってパケットの転送をして、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANのパケット受信動作を完了する(S163)。
図17は、移動端末STとアクセス・ポイント(APaH、APaF)の接続が切断されたときの登録削除手順を示すフローチャートである。移動端末STが通信中のアクセス・ポイントAPaは、APaFフォーリン側アクセス・ポイントAPaFあるいはホーム側アクセス・ポイントAPaHのいずれでも同じであるので、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの場合で説明する。
移動端末STからの接続解除指示(De-authentication)があった場合(S171)、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANはWLAN情報テーブル17から、移動端末STの情報を削除する(S172)。そこで移動端末STとの接続解除をしたことをDe-authentication Indicationとして代理モバイル・ノードPMNに伝える(S173)。代理モバイル・ノードPMNは、PMN情報テーブル12から移動端末STに関する情報を削除して、登録削除を完了する(S174)。これにて、移動端末STとフォーリン側アクセス・ポイントAPaFとの間の無線接続は切断され終了する(S175)。
図18は、アクセス・ポイントAPaFが、移動端末からのACK(受信確認通知)を受信することができなかった場合を示すフローチャートである。通信相手PEからデータの送信があり(S181)、フォーリン側アクセス・ポイントAPaFの無線通信部WLANが転送してきたデータを(S182)移動端末STが受信する(S183)。移動端末STはただちにACK(受信確認通知)を無線通信部WLANに対して送信する(S184)。このACK(受信確認通知)を無線通信部WLANが受信した場合には(S185Y)、移動端末STと無線通信部WLANの間の無線接続は継続する(S186)。
アクセス・ポイントの無線通信部WLANから送信されたパケット(S182)に対して移動端末STからIEEE802.11で定められたACK(受信確認通知)が受信できない場合(S185N)、移動端末STとの接続を解除するためDe-authenticationを移動端末STに送信する(S187)。それと同時にフォーリン側アクセス・ポイントAPaFのWLAN情報テーブル17から、移動端末STの情報を削除する(S188)。
そこで移動端末STとの接続解除をしたことをDe-authentication Indication として代理モバイル・ノードPMNに伝える(S189)。代理モバイル・ノードPMNは、PMN情報テーブル12から移動端末STに関する情報を削除して、登録削除を完了する(S190)。これにて、移動端末STとフォーリン側アクセス・ポイントAPaFとの間の無線接続は終了し切断される(S191)。
以上において説明した実施例1の特徴は、アクセス・ポイントAPaが検索部21とPMNデータ・ベース22を内蔵した場合であった。しかし、これらのものは必ずしも内蔵する必要性はなく、通信網の規模や経済性の都合により、通信網側に具備せしめてもよい。そのような場合を以下において例示する。
図19は、本願発明の実施例2を示したアクセス・ポイントAPbが代理モバイル・ノード部を有する場合の網構成図である。図19において、ルーターRTを跨いで2つのアクセス・ポイントAPbHとAPbFがある。また、ホーム側ネットワークHNにホーム・エージェント(HA)、フォーリン側ネットワークFNにフォーリン・エージェント(FA)が設置されている。
さらに、検索部21とPMNデータ・ベース22を含む管理サーバーSRが、通信網HNに設けられている。従って、2つのアクセス・ポイントAPbHとAPbFには、検索部は含まれていない。
移動端末STの通信相手PE(Peer)は、IP網IPN(インターネット・プロトコル通信網)に属する通信網PN側にいる。IP網IPN(インターネット・プロトコル通信網)に属する通信網HNと通信網FNとの間にルーターRTがあり、ホーム側アクセス・ポイントAPbHは、通信網HN(移動端末ST宛のパケットが届くネットワーク)に接続されている。フォーリン側アクセス・ポイントAPbFは通信網FN(移動端末STの移動先ネットワーク)に接続されている。検索部を含む管理サーバーSRが、通信網HNに設けられている。
移動端末STが接続中のホーム側アクセス・ポイントAPbHと、移動端末STが移動後に接続するフォーリン側アクセス・ポイントAPbFの間にルーターRTが存在すると、移動端末ST宛のパケットが、移動端末STが接続しているフォーリン側アクセス・ポイントAPbFの配置されている通信網FNに転送されないため、通信が完全に停止してしまうという事態が発生する。
これを解決するために、2つのアクセス・ポイントAPbは、移動端末STの移動に従ってパケット転送処理の開始を依頼するモバイル・ノード機能を代理する機能を有している。以下において、アクセス・ポイントAPbの詳細を説明する。
図20は、図19の重要な構成要素である代理モバイル・ノードPMNを内蔵したアクセス・ポイントAPbの内部構成を示す回路構成図である。通信網HN又はFNに接続する有線通信部LAN、移動端末STと無線接続するための無線通信部WLAN、無線通信部WLANの動作に必要な情報を格納するWLAN情報テーブル17が含まれている。さらに、モバイル・ノード機能を代理する代理モバイル・ノードPMN、代理モバイル・ノードPMNの動作に必要な情報を格納するPMN情報テーブル12およびパケット転送部15が含まれている。
パケット転送部15は、有線通信部LAN、無線通信部WLAN、および代理モバイル・ノードPMNとの間でのパケットを転送している。代理モバイル・ノードPMNは、パケット転送部15、無線通信部WLANおよびPMN情報テーブル12との間で、パケットを転送し、あるいは、情報のやりとりをし、指示を出している。さらに代理モバイル・ノードPMNは、管理サーバーSRを検索して必要な情報を得ている。WLAN情報テーブル17の内部構造は、図3に示し説明した通りである。PMN情報テーブル12の内部構造は、図5に示し説明した通りである。
図21は、図19の重要な構成要素である検索部を有する管理サーバーSRの内部構成を示す回路構成図である。そこには検索部21とPMNデータ・ベース22および有線通信部LANbが含まれている。ここで、検索部21とPMNデータ・ベース22および有線通信部LANbの動作は、図2の検索部21とPMNデータ・ベース22および有線通信部LANの動作に同じである。PMNデータ・ベース22の内部構造は、図4に示し説明した通りである。
ただ異なるのは、管理サーバーSRを各アクセス・ポイントAPbが共通に利用し、通信網HNまたはFNを介して、あるいは更にルーターRTを介して代理モバイル・ノードPMNにより検索が実行されることである。したがって、この共通利用される管理サーバーSRを含む実施例2の動作の本質は、実施例1に同じである。図3ないし図18においてした実施例1の説明事項は、そのまま実施例2の動作説明となっている。
以上において説明した、実施例1および2は、移動端末STのハンドオーバー時において、フォーリン・エージェントFAへの登録処理(パケット転送依頼処理)を移動端末STに代わって代理モバイル・ノードPMNに持たせた点で共通する。検索部21の機能は、アクセス・ポイントAPに内蔵するか、あるいは通信網HN,FN側に具備するかは、網構成、規模、コストを総合的に考慮して、実施例1または2を選択すればよい。
12 PMN情報テーブル
15 パケット転送部
17 WLAN情報テーブル
21 検索部
22 PMNデータ・ベース
APaF,APbF フォーリン側アクセス・ポイント
APaH,APbH ホーム側アクセス・ポイント
FA フォーリン・エージェント
HA ホーム・エージェント
FN,HN,PN 通信網
IPN IP網
LAN,LANb 有線通信部
PE 通信相手
PMN 代理モバイル・ノード
RT ルーター
SR 管理サーバー
ST 移動端末
SW 無線LANスイッチ
WLAN 無線通信部
15 パケット転送部
17 WLAN情報テーブル
21 検索部
22 PMNデータ・ベース
APaF,APbF フォーリン側アクセス・ポイント
APaH,APbH ホーム側アクセス・ポイント
FA フォーリン・エージェント
HA ホーム・エージェント
FN,HN,PN 通信網
IPN IP網
LAN,LANb 有線通信部
PE 通信相手
PMN 代理モバイル・ノード
RT ルーター
SR 管理サーバー
ST 移動端末
SW 無線LANスイッチ
WLAN 無線通信部
Claims (8)
- インターネット・プロトコルに従う通信網であるIP網(IPN)の通信ルートを指示するためのルーター(RT)の前後にホーム・エージェント(HA)及びフォーリン・エージェント(FA)を設置するIP網があり、前記ルーター(RT)を挟む少なくとも各1つのアクセス・ポイント(APH,APF)の1つ(APH)と無線交信する移動端末(ST)が移動して、無線交信が他の1つ(APF)との間で実行されるハンドオーバーにおいて、
前記アクセス・ポイント(APH,APF)が、前記無線交信のハンドオーバーを前記移動端末(ST)に代わって制御するための代理モバイル・ノード処理(PMN)をする
無線LANハンドオーバー方法。 - 前記アクセス・ポイント(APH,APF)が、
前記移動端末(ST)と無線交信するための、前記移動端末(ST)のアドレス、通信網の種別および転送先のアドレスを記憶して無線通信処理(WLAN、17)をし、
前記代理モバイル・ノード処理(PMN)において、
前記移動端末(ST)のアドレス、登録応答に関する情報および前記移動端末(ST)のハンドオーバーの前後におけるアドレス情報を収納するためのPMN情報テーブル(12)から、前記ハンドオーバーを制御する
請求項1の無線LANハンドオーバー方法。 - 前記アクセス・ポイント(APH,APF)が、
前記移動端末(ST)と無線交信するための、前記移動端末(ST)のアドレス、通信網の種別および転送先のアドレスを記憶して無線通信処理(WLAN、17)をし、
前記代理モバイル・ノード処理(PMN)において、
登録済み移動端末の全てのアドレス、前記ハンドオーバー前の前記移動端末(ST)のアドレス、前記ホーム・エージェント(HA)のアドレスおよび前記フォーリン・エージェント(FA)のアドレスを格納するPMNデータ・ベース(22)から、前記移動端末(ST)に関するデータを検索する検索処理(21)をし、
前記移動端末(ST)のアドレス、登録応答に関する情報および前記移動端末(ST)のハンドオーバーの前後におけるアドレス情報を収納するためのPMN情報テーブル(12)から、前記ハンドオーバーを制御する
請求項1の無線LANハンドオーバー方法。 - 前記アクセス・ポイント(APH,APF)が、
前記移動端末(ST)と無線交信するための、前記移動端末(ST)のアドレス、通信網の種別および転送先のアドレスを記憶して無線通信処理(WLAN、17)をし、
前記代理モバイル・ノード処理(PMN)において、
前記管理サーバー処理(SR)における登録済み移動端末のアドレス、前記ハンドオーバー前の前記移動端末(ST)のアドレス、前記ホーム・エージェント(HA)のアドレスおよび前記フォーリン・エージェント(FA)のアドレスを格納するPMNデータ・ベース(22)から、前記移動端末(ST)に関するデータを通信網を介して検索する通信検索処理(21,22,LANb)をし、
前記移動端末(ST)のアドレス、登録応答に関する情報および前記移動端末(ST)のハンドオーバーの前後におけるアドレス情報を収納するためのPMN情報テーブル(12)から、前記ハンドオーバーを制御する
請求項1の無線LANハンドオーバー方法。 - インターネット・プロトコルに従う通信網であるIP網(IPN)の通信ルートを指示するためのルーター(RT)の前後にホーム・エージェント(HA)及びフォーリン・エージェント(FA)を設置するIP網があり、前記ルーター(RT)を挟む少なくとも各1つのアクセス・ポイント(APH,APF)の1つ(APH)と無線交信する移動端末(ST)が移動して、無線交信が他の1つ(APF)との間で実行されるハンドオーバーにおいて、
前記アクセス・ポイント(APH,APF)が、前記無線交信のハンドオーバーを前記移動端末(ST)に代わって制御するための代理モバイル・ノード手段(PMN)を含んでいる
無線LANハンドオーバー装置。 - 前記アクセス・ポイント(APH,APF)が、
前記移動端末(ST)と無線交信するための、前記移動端末(ST)のアドレス、通信網の種別および転送先のアドレスを記憶するための無線通信手段(WLAN、17)を含み、
前記代理モバイル・ノード手段(PMN)が、
前記移動端末(ST)のアドレス、登録応答に関する情報および前記移動端末(ST)のハンドオーバーの前後におけるアドレス情報を収納するためのPMN情報テーブル(12)から、前記ハンドオーバーを制御する
請求項5の無線LANハンドオーバー装置。 - 前記アクセス・ポイント(APH,APF)が、
前記移動端末(ST)と無線交信するための、前記移動端末(ST)のアドレス、通信網の種別および転送先のアドレスを記憶する無線通信手段(WLAN、17)を含み、
前記代理モバイル・ノード手段(PMN)が、
登録済み移動端末の全てのアドレス、前記ハンドオーバー前の前記移動端末(ST)のアドレス、前記ホーム・エージェント(HA)のアドレスおよび前記フォーリン・エージェント(FA)のアドレスを格納するPMNデータ・ベース(22)から、前記移動端末(ST)に関するデータを検索する検索手段(21)を含み、
前記移動端末(ST)のアドレス、登録応答に関する情報および前記移動端末(ST)のハンドオーバーの前後におけるアドレス情報を収納するためのPMN情報テーブル(12)から、前記ハンドオーバーを制御する
請求項5の無線LANハンドオーバー装置。 - 前記アクセス・ポイント(APH,APF)が、
前記移動端末(ST)と無線交信するための、前記移動端末(ST)のアドレス、通信網の種別および転送先のアドレスを記憶する無線通信手段(WLAN、17)を含み、
前記代理モバイル・ノード手段(PMN)が、
前記管理サーバー手段(SR)における登録済み移動端末のアドレス、前記ハンドオーバー前の前記移動端末(ST)のアドレス、前記ホーム・エージェント(HA)のアドレスおよび前記フォーリン・エージェント(FA)のアドレスを格納するPMNデータ・ベース(22)から、前記移動端末(ST)に関するデータを通信網を介して検索するための通信検索(21,22,LANb)をし、
前記移動端末(ST)のアドレス、登録応答に関する情報および前記移動端末(ST)のハンドオーバーの前後におけるアドレス情報を収納するためのPMN情報テーブル(12)から、前記ハンドオーバーを制御する
請求項5の無線LANハンドオーバー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007099951A JP2008258993A (ja) | 2007-04-06 | 2007-04-06 | 無線lanハンドオーバー方法と装置。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007099951A JP2008258993A (ja) | 2007-04-06 | 2007-04-06 | 無線lanハンドオーバー方法と装置。 |
Publications (1)
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JP2008258993A true JP2008258993A (ja) | 2008-10-23 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020113926A (ja) * | 2019-01-15 | 2020-07-27 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 | スモールセルネットワークへの無線接続システム及び方法 |
-
2007
- 2007-04-06 JP JP2007099951A patent/JP2008258993A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020113926A (ja) * | 2019-01-15 | 2020-07-27 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 | スモールセルネットワークへの無線接続システム及び方法 |
JP7235290B2 (ja) | 2019-01-15 | 2023-03-08 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 | スモールセルネットワークへの無線接続システム及び方法 |
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