JP2006080415A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 積層セラミック電子部品を製造するために実施される各工程での異常を的確かつ迅速に発見できるようにする。
【解決手段】 セラミックグリーンシート32上に内部電極のための導電性ペースト膜33を形成すると同時に形成されたアライメントマーク34および35を、セラミックグリーンシート32の積層時の位置合わせのために用いるだけでなく、工程の異常を判定するためにも用いる。すなわち、アライメントマーク34および35を画像処理することによって積層時の位置補正量を求めるための画像処理工程において、アライメントマーク34および35の面積、位置、形状等についての異常の有無をも判定するようにし、異常と判定されたとき、対応の工程での条件を正常化するように変更する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関するもので、特に、導電性ペースト膜と同時にアライメントマークが形成された複数枚のセラミックグリーンシートを、アライメントマークを基準として位置合わせしながら積層する工程を備える、積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
図3は、この発明にとって興味ある積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ21を図解的に示す断面図である。
積層セラミックコンデンサ21は、積層構造を有する部品本体22を備えている。部品本体22は、積層された複数層の誘電体セラミック層23と、誘電体セラミック層23間の特定の界面に沿って形成された内部電極24および25とをもって構成される。
部品本体22の相対向する端部には、それぞれ、外部電極26および27が形成されている。一方の外部電極26には、内部電極24が電気的に接続され、他方の外部電極27には、内部電極25が電気的に接続される。そして、内部電極24と内部電極25とは、積層方向に交互に配置されている。
このような積層セラミックコンデンサ21は、通常、次のようにして製造される。
まず、図4に示すように、長尺のキャリアフィルム31が用意され、その上で、長尺のマザー状態のセラミックグリーンシート32が成形される。セラミックグリーンシート32上には、複数個の積層セラミックコンデンサ21のための内部電極24および25となる導電性ペースト膜33が長手方向および幅方向に分布するように形成される。
また、上述した導電性ペースト膜33の形成と同時に、すなわち、導電性ペースト膜33の印刷工程において、アライメントマーク34および35が形成される。この例では、導電性ペースト膜33の印刷領域の始端側に位置するアライメントマーク34と終端側に位置するアライメントマーク35とが形成される。
次に、上述のように導電性ペースト膜33ならびにアライメントマーク34および35が形成されたセラミックグリーンシート32を乾燥するための乾燥工程およびクリーニングするためのクリーニング工程が実施される。
次に、アライメントマーク34および35をカメラ(図示せず。)で撮像し、それによって得られた画像データを処理して、後述する積層工程での位置合わせのための位置補正量を求めるための画像処理工程が実施される。
次に、キャリアフィルム31上にあるセラミックグリーンシート32が、その長手方向に分布する複数個の所定領域毎にそれぞれカットされる。このカットされた領域には、複数個の積層セラミックコンデンサ21のための内部電極24および25となる導電性ペースト膜33が長手方向および幅方向に分布して位置している。
上述のようにカットされた所定寸法のセラミックグリーンシート32は、キャリアフィルム31から剥離されかつマザー状態のセラミックグリーンシート32から取り出され、次いで、積層工程に付される。積層工程では、前述した画像処理工程において求められた位置補正量に従って補正された位置をもって、複数枚のセラミックグリーンシート32が積層されかつ圧着される。このような積層工程を必要回数繰り返すことによって、生のマザー積層体が得られる。
生のマザー積層体は、次いで、所定の寸法にカットされることによって分割される。その結果、個々の積層セラミックコンデンサ21のための複数個の生の積層体チップが得られる。
次に、生の積層体チップが焼成され、それによって、焼結後の部品本体22が得られる。そして、この部品本体22の各端部に外部電極26および27を形成することによって、積層セラミックコンデンサ21が得られる。
このような積層セラミックコンデンサ21を、優れた歩留まりをもって製造するためには、前述した積層工程において、複数枚のセラミックグリーンシート32が適正に位置合わせされることが必要である。この適正な位置合わせのためには、アライメントマーク34および35が重要な役割を果たす。
アライメントマークの重要性に鑑み、たとえば特開平8−192337号公報(特許文献1)では、多数のアライメントマークを設け、これらを検出することにより、一部の異常なアライメントマークによる位置情報の影響を低減し、位置合わせの信頼性および精度を高めるための技術が提案されている。
しかしながら、良好な品質をもって、積層セラミックコンデンサ21のような積層セラミック電子部品を安定して製造しようとするためには、積層工程での複数枚のセラミックグリーンシート相互間の位置合わせが適正に行なわれることが必要であることは否めないが、それに留まるものではない。たとえば、前述した印刷工程、乾燥工程またはクリーニング工程などでの異常も、不良品の発生につながる。
したがって、印刷工程、乾燥工程、クリーニング工程および積層工程などの各工程で異常の有無を監視しなければならず、このような監視のために大きな負担を強いられているのが現状である。また、いずれかの工程で異常が発生した場合、この異常の発見が遅れると、比較的多数の不良品を製造してしまうことになり、材料的にも時間的にも無視できない無駄を生じさせてしまう。
特開平8−192337号公報
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
この発明は、簡単に言えば、アライメントマークを、積層工程での位置合わせのために用いるだけでなく、他の工程での異常の判定にも利用しようとすることを特徴としている。
より詳細には、この発明は、セラミックグリーンシート上に導電性ペースト膜を形成するとともに導電性ペースト膜と一定の位置関係をもって導電性ペースト膜と同時にアライメントマークを形成するための印刷工程と、アライメントマークを画像処理することによって位置補正量を求めるための画像処理工程と、位置補正量に従って補正された位置をもって複数枚のセラミックグリーンシートを積層するための積層工程とを備える、積層セラミック電子部品の製造方法に向けられるものであって、前述した技術的課題を解決するため、前述の画像処理工程において、位置補正量を求めるだけでなく、アライメントマークの異常の有無を判定する異常判定工程をも実施することを特徴としている。
上述の異常判定工程においてアライメントマークが異常と判定されたとき、印刷工程以降の工程を停止することが好ましい。
また、異常判定工程においてアライメントマークが異常と判定されたとき、異常と判定されたアライメントマークに対応するセラミックグリーンシートを廃棄して、積層工程に供給されないようにすることが好ましい。
この発明において、異常判定工程で判定されるアライメントマークの異常は、たとえば、アライメントマークの面積異常、複数個のアライメントマーク間の距離異常、アライメントマークの形状異常、およびアライメントマークの色異常などである。
この発明において、印刷工程が、スキージを用いたスクリーン印刷工程を含み、異常判定工程が、アライメントマークの面積異常の有無を判定する工程を含む場合、スクリーン印刷工程でのスキージ速度、スキージ圧、スクリーンディスタンス、導電性ペーストの供給量、スキージの当接角およびスキージストロークのうちの少なくとも1つの条件を変更するための条件変更工程をさらに備えることが好ましい。
また、印刷工程と画像処理工程との間に、導電性ペースト膜およびアライメントマークが形成されたセラミックグリーンシートを乾燥するための乾燥工程と、セラミックグリーンシート上で粘着ローラを回転させることによって導電性ペースト膜およびアライメントマークが形成されたセラミックグリーンシートをクリーニングするためのクリーニング工程とがさらに実施され、異常判定工程が、複数個のアライメントマーク間の距離異常の有無を判定する工程を含む場合、乾燥工程での風量(流量、圧力)、温度および時間、ならびにクリーニング工程での粘着ローラの回転速度およびセラミックグリーンシートに及ぼす圧力のうちの少なくとも1つの条件を変更するための条件変更工程をさらに備えることが好ましい。
また、印刷工程が、スキージを用いたスクリーン印刷工程を含み、印刷工程と画像処理工程との間に、セラミックグリーンシート上で粘着ローラを回転させることによって導電性ペースト膜およびアライメントマークが形成されたセラミックグリーンシートをクリーニングするためのクリーニング工程とがさらに実施され、異常判定工程が、アライメントマークの形状異常の有無を判定する工程を含む場合、スクリーン印刷工程での導電性ペーストの物性(組成を含む。)、スクリーン、スキージ速度、スキージ圧、スクリーンディスタンスおよびスキージストローク、ならびにクリーニング工程での粘着ローラの回転速度およびセラミックグリーンシートに及ぼす圧力のうちの少なくとも1つの条件を変更するための条件変更工程をさらに備えることが好ましい。
また、異常判定工程が、アライメントマークの色異常の有無を判定する工程を含む場合、導電性ペーストの組成条件を変更するための条件変更工程をさらに備えることが好ましい。
この発明において、異常判定工程で判定されるアライメントマークの異常に応じて、異常判定工程より前の対応の工程で変更すべき条件を予め決めておき、上述した各実施態様において実施される条件変更工程は、異常判定工程でアライメントマークが異常と判定されたとき、予め決められた条件に従って、対応の工程での条件を変更するようにフィードバック制御するためのフィードバック制御工程を備えることが好ましい。
この発明によれば、画像処理工程より前のたとえば印刷工程などの工程での異常を、アライメントマークの異常の有無によって判定するようにしているので、このような工程の異常を検出するための特別なマークなどを形成する必要がなく、また、アライメントマークは、導電性ペースト膜と同時に形成されるものであるので、導電性ペースト膜と同じ条件で形成されることになり、導電性ペースト膜の異常をアライメントマークにも同様に反映させることができ、それゆえ、高い精度をもって、工程の異常を検出することができる。
また、アライメントマークによる異常判定工程は、アライメントマークを画像処理することによって位置補正量を求めるための画像処理工程において実施されるので、異常判定工程を別の工程として実施する必要がなく、能率的にこれを実施することができる。
また、アライメントマークは、一般に、導電性ペースト膜より小さい面積のものであるので、たとえ拡大しても、カメラの視野内に全体が収まりやすい。そのため、たとえば導電性ペースト膜自身の異常の有無を判定する場合に比べて、高い精度をもって異常の有無を判定することができる。
上述した異常判定工程においてアライメントマークが異常と判定されたとき、印刷工程以降の工程を停止するようにすれば、不良品の発生を低減することができる。
また、異常判定工程においてアライメントマークが異常と判定されたとき、異常と判定されたアライメントマークに対応するセラミックグリーンシートを廃棄して、積層工程に供給されないようにすると、不良品の発生を低減することができるばかりでなく、あえて不良品を製造してしまう工程を進めることがなくなるので、時間および材料の無駄を削減することができる。
この発明において、異常判定工程で判定されるアライメントマークの異常としては、アライメントマークの面積異常、複数個のアライメントマーク間の距離異常、アライメントマークの形状異常、およびアライメントマークの色異常といったものがあるが、異常判定工程で判定されるアライメントマークの異常の種類が多くなるほど、工程の異常の検出精度を高めることができる。
この発明において、異常判定工程でアライメントマークが異常と判定されたとき、これを工程異常を報知する警告を発し、この警告を受けた作業員が何らかの対策を採るようにしてもよいが、異常判定工程で判定されるアライメントマークの異常に応じて、異常判定工程より前の対応の工程で変更すべき条件を予め決めておき、異常判定工程でアライメントマークが異常と判定されたとき、この予め定められた条件に従って、対応の工程での条件を変更するようにフィードバック制御するようにすれば、作業員の手を煩わすことなく、迅速に工程を正常化することができる。
以下に、この発明の好ましい実施形態の説明を、前述の図3に示した積層セラミックコンデンサ21の製造方法について行なう。なお、図3に示した積層セラミックコンデンサ21の構造については、前述の説明を援用する。
図1は、この発明の好ましい実施形態に従って積層セラミックコンデンサ21を製造する場合に実施される工程を示すフロー図である。図1を参照して積層セラミックコンデンサ21の製造方法を説明する際、前述した図4も参照する。
まず、図4に示すように、長尺のキャリアフィルム31が用意され、その上で、長尺のマザー状態のセラミックグリーンシート32が成形される。
次いで、図1に示した印刷工程1が実施される。すなわち、セラミックグリーンシート32上に、たとえば導電性ペーストを用いたスクリーン印刷またはグラビア印刷等によって、導電性ペースト膜33が形成される。導電性ペースト膜33は、複数個の積層セラミックコンデンサ21のための内部電極24および25となるべきものであり、セラミックグリーンシート32上において、その長手方向および幅方向の各々に関して、複数箇所に分布するように形成される。
また、印刷工程1において、上述した導電性ペースト膜33の形成と同時に、導電性ペースト膜33と一定の位置関係をもって、アライメントマーク34および35が形成される。この実施形態では、導電性ペースト膜33の印刷領域の始端側に位置するアライメントマーク34と終端側に位置するアライメントマーク35とが形成される。
なお、アライメントマークは、セラミックグリーンシート32上の他の領域に形成されても、あるいは、図4(a)では図示されないが、セラミックグリーンシート32からキャリアフィルム31がはみ出す場合には、キャリアフィルム31上に形成されてもよい。また、アライメントマークの個数は、必要に応じて、増減することができる。
次に、上述のように導電性ペースト膜33ならびにアライメントマーク34および35が形成されたセラミックグリーンシート32を乾燥するための乾燥工程2が実施される。この乾燥工程2では、所定の風量(流量、圧力)および所定の温度が所定の時間だけセラミックグリーンシート32に付与される。
次に、導電性ペースト膜33ならびにアライメントマーク34および35が形成されたセラミックグリーンシート32をクリーニングするためのクリーニング工程3が実施される。このクリーニング工程3では、セラミックグリーンシート32上で粘着ローラ(図示せず。)を所定の速度および圧力をもって回転させることによって、セラミックグリーンシート32上の塵埃を粘着ローラ側に付着させることが行なわれる。
次に、アライメントマーク34および35をカメラ(図示せず。)で撮像し、それによって得られた画像データを処理して、後述する積層工程6での位置合わせのためのX、Yおよびθ軸に関する位置補正量を求める、画像処理工程4が実施される。求められた位置補正量は記憶される。
次に、セラミックグリーンシート32は、この段階では、長尺状であるので、所定のカット線に沿うカット工程がまず実施された後、所定の寸法に切り出されたセラミックグリーンシート32をキャリアフィルム31から剥離するための剥離工程5が実施される。
なお、セラミックグリーンシート32が長尺状のものではなく、カード状である場合には、上述したカット工程が不要な場合もある。
次に、複数枚のセラミックグリーンシート32を積層するための積層工程6が実施される。すなわち、前述した画像処理工程4において求められた位置補正量に従って補正された位置をもって複数枚のセラミックグリーンシート32が積層され、かつ積層方向にプレスされる。この積層工程6の結果、生のマザー積層体が得られる。
次いで、この生のマザー積層体は、図3に示した個々の積層セラミックコンデンサ21の部品本体22となる複数個の生の積層体チップをここから取り出すため、所定の分割線に沿って分割される。その結果、複数個の生の積層体チップが得られる。
生の積層体チップは、これを焼成することによって焼結し、図3に示した部品本体22となる。ここで、セラミックグリーンシート32は、焼結後において、誘電体セラミック層23となり、導電性ペースト膜33は、焼結後において、内部電極24および25となる。
そして、上述の部品本体22の各端部に外部電極26および27が形成されることによって、積層セラミックコンデンサ21が完成される。
以上のような各工程を備える積層セラミックコンデンサ21の製造方法において、前述した画像処理工程4は、次のように実施される。
画像処理工程4では、前述したように、積層工程6でのセラミックグリーンシート32の位置合わせのためのX、Yおよびθ軸に関する位置補正量が求められるが、この位置補正量の計算の際、これと同時に、アライメントマーク34および35の各々の面積、隣り合うアライメントマーク34および35間の距離、アライメントマーク34および35の各々の形状、ならびにアライメントマーク34および35の各々の色のうちの少なくとも1つの項目について測定される。そして、各測定項目について、適正な管理範囲を予め設定しておき、上述した測定結果が管理範囲から外れるか否か、すなわち測定結果が異常が否かが判定される、異常判定工程7が実施される。
図2には、上述したようなアライメントマークについて生じ得る異常な状態が例示されている。図2において、正常なアライメントマークが「正常マーク」として図示されている。「マーク面積異常」は、アライメントマークの面積異常を示すもので、面積が大きくなった場合と小さくなった場合とが図示されている。「マーク形状不良」はアライメントマークの形状異常の一例を示している。「マーク色異常」はアライメントマークの色異常の一例を示している。
画像処理工程4における上述したような異常判定工程7において、アライメントマークが異常と判定されたとき、たとえば、警告が発せられ、好ましくは、印刷工程1以降の工程が停止され、より好ましくは、異常と判定されたアライメントマークに対応するセラミックグリーンシートを破棄して、積層工程6に供給されないようにされる。
また、異常判定工程7においてアライメントマークが異常と判定されたときには、当然のことながら、正常化するための処置が施される。表1には、アライメントマークに生じ得る「異常モード」と、異常を発生させた原因となる「発生原因工程」と、正常化のために変更されるべき「変更条件」との関係を示している。
Figure 2006080415
表1に示された「変更条件」は、図1に示した工程を経て積層セラミックコンデンサ21が製造される場合であって、印刷工程1がスキージを用いたスクリーン印刷によって実施され、乾燥工程2が所定の風量、温度および時間をセラミックグリーンシート32に付与することによって実施され、クリーニング工程3が、粘着ローラをセラミックグリーンシート32上で回転させることによって実施される場合を示している。
表1を参照して、異常判定工程7において、「マーク面積異常」が検出されたとき、「発生原因工程」は印刷工程1であり、正常化するため、スキージ速度、スキージ圧、スクリーンディスタンス、導電性ペースト供給量、スキージ当接角およびスキージストロークのうちの少なくとも1つを「変更条件」とする条件変更工程が実施される。
より具体的には、アライメントマーク34および35の面積が大きすぎる「マーク面積異常」が検出されたときには、スキージ速度が増加されたり、スキージ圧が増加されたり、スクリーンディスタンスが増加されたり、導電性ペースト供給量が減少されたり、スキージ当接角が増加されたり、スキージストロークが変更されたりすることが行なわれる。
他方、アライメントマーク34および35の面積が小さすぎる「マーク面積異常」が検出されたときには、スキージ速度が減少されたり、スキージ圧が減少されたり、スクリーンディスタンスが減少されたり、導電性ペースト供給量が増加されたり、スキージ当接角が減少されたり、スキージストロークが変更されたりすることが行なわれる。
次に、異常判定工程7において「マーク間距離異常」が検出されたとき、「発生原因工程」は乾燥工程2またはクリーニング工程3であり、正常化するため、乾燥工程2での温度および時間、ならびにクリーニング工程3での粘着ローラの回転速度およびセラミックグリーンシート32に及ぼす圧力のうちの少なくとも1つを「変更条件」とする条件変更工程が実施される。
より具体的には、アライメントマーク34および35間の距離が大きすぎる「マーク間距離異常」が検出されたときには、乾燥工程2での温度が変更されたり、時間が変更されたり、クリーニング工程3での粘着ローラの速度が減少されたり、圧力が変更されたりすることが行なわれる。
他方、アライメントマーク34および35間の距離が小さすぎる「マーク間距離異常」が検出されたときには、乾燥工程2での温度が変更されたり、時間が変更されたり、クリーニング工程3での粘着ローラの速度が減少されたり、圧力が変更されたりすることが行なわれる。
なお、上述のように、「マーク間距離異常」において、クリーニング工程3での粘着ローラの速度を減少させるのは、「マーク間距離異常」が生じた場合には、クリーニング工程3において粘着ローラの回転速度が高すぎたために、セラミックグリーンシート32がキャリアフィルム31から剥離したことが原因であると推定したことによる。
また、異常判定工程7において「マーク形状異常」が検出されたとき、「発生原因工程」は印刷工程1またはクリーニング工程3であり、正常化するため、印刷工程1での導電性ペーストの物性、スクリーン、スキージ速度、スキージ圧、スクリーンディスタンスおよびスキージストローク、ならびにクリーニング工程3での粘着ローラの回転速度およびセラミックグリーンシート32に及ぼす圧力のうちの少なくとも1つを「変更条件」とする条件変更工程が実施される。
なお、上述の導電性ペーストの物性の変更は、組成の異なる導電性ペーストへの交換によって対処するのが通常であるが、導電性ペーストの温度を変えるというように、組成を変えずに物性を変えることも可能である。また、粘度の互いに異なる2種以上の導電性ペーストを混合したり、溶剤を新たに添加したりして、導電性ペーストのレオロジーを調整することも、導電性ペーストの物性の変更に含まれる。
また、異常判定工程7において「マーク色異常」が検出されたとき、「発生原因工程」は印刷工程1であり、正常化するため、導電性ペーストの組成を「変更条件」とする条件変更工程が実施される。
上述したような種々の条件変更工程は、作業員の手によって実施されてもよいが、以下のように自動的に行なわれるようにすることが好ましい。すなわち、異常判定工程7で判定されるアライメントマーク34および35の異常に応じて、異常判定工程7より前の対応の工程で変更すべき条件を予め決めておき、異常判定工程7においてアライメントマーク34および35が異常と判定されたとき、上記予め定められた条件に従って、図1において矢印8〜10で示すようにフィードバック制御して対応の工程での条件を変更することを、条件変更工程において実施し、条件変更工程が自動的に達成されるようにすることが好ましい。
以上説明した実施形態において、アライメントマーク34および35は、円形のものとして図示されたが、他の形状とされてもよい。
また、図示した実施形態は、積層セラミックコンデンサの製造方法に向けられたものであったが、積層セラミックコンデンサ以外の積層セラミック電子部品の製造方法にも、この発明を適用することができる。
この発明の好ましい実施形態に従って積層セラミックコンデンサを製造する場合に実施される工程を示すフロー図である。 アライメントマークについて生じ得る異常な状態を例示する図である。 この発明にとって興味ある積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ21を図解的に示す断面図である。 図3に示した積層セラミックコンデンサ21を製造するために作製される導電性ペースト膜33ならびにアライメントマーク34および35が形成されたセラミックグリーンシート32を示すもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。
符号の説明
1 印刷工程
2 乾燥工程
3 クリーニング工程
4 画像処理工程
5 剥離工程
6 積層工程
7 異常判定工程
8〜10 フィードバック制御を示す矢印
32 セラミックグリーンシート
33 導電性ペースト膜
34,35 アライメントマーク

Claims (9)

  1. セラミックグリーンシート上に導電性ペースト膜を形成するとともに前記導電性ペースト膜と一定の位置関係をもって前記導電性ペースト膜と同時にアライメントマークを形成するための印刷工程と、
    前記アライメントマークを画像処理することによって位置補正量を求めるための画像処理工程と、
    前記位置補正量に従って補正された位置をもって複数枚の前記セラミックグリーンシートを積層するための積層工程と
    を備え、
    前記画像処理工程は、前記アライメントマークの異常の有無を判定する異常判定工程を含む、積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記異常判定工程において前記アライメントマークが異常と判定されたとき、前記印刷工程以降の工程を停止する、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記異常判定工程において前記アライメントマークが異常と判定されたとき、異常と判定された前記アライメントマークに対応する前記セラミックグリーンシートを廃棄して、前記積層工程に供給されないようにする、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記異常判定工程で判定される前記アライメントマークの異常は、前記アライメントマークの面積異常、複数個の前記アライメントマーク間の距離異常、前記アライメントマークの形状異常、および前記アライメントマークの色異常のうちの少なくとも1つである、請求項1ないし3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記印刷工程は、スキージを用いたスクリーン印刷工程を含み、前記異常判定工程は、前記アライメントマークの面積異常の有無を判定する工程を含み、前記スクリーン印刷工程でのスキージ速度、スキージ圧、スクリーンディスタンス、導電性ペーストの供給量、スキージの当接角およびスキージストロークのうちの少なくとも1つの条件を変更するための条件変更工程をさらに備える、請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記印刷工程と前記画像処理工程との間に、前記導電性ペースト膜および前記アライメントマークが形成された前記セラミックグリーンシートを乾燥するための乾燥工程と、前記セラミックグリーンシート上で粘着ローラを回転させることによって前記導電性ペースト膜および前記アライメントマークが形成された前記セラミックグリーンシートをクリーニングするためのクリーニング工程とがさらに実施され、前記異常判定工程は、複数個の前記アライメントマーク間の距離異常の有無を判定する工程を含み、前記乾燥工程での風量、温度および時間、ならびに前記クリーニング工程での前記粘着ローラの回転速度および前記セラミックグリーンシートに及ぼす圧力のうちの少なくとも1つの条件を変更するための条件変更工程をさらに備える、請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記印刷工程は、スキージを用いたスクリーン印刷工程を含み、前記印刷工程と前記画像処理工程との間に、前記セラミックグリーンシート上で粘着ローラを回転させることによって前記導電性ペースト膜および前記アライメントマークが形成された前記セラミックグリーンシートをクリーニングするためのクリーニング工程とがさらに実施され、前記異常判定工程は、前記アライメントマークの形状異常の有無を判定する工程を含み、前記スクリーン印刷工程での前記導電性ペーストの物性、スクリーン、スキージ速度、スキージ圧、スクリーンディスタンスおよびスキージストローク、ならびに前記クリーニング工程での前記粘着ローラの回転速度および前記セラミックグリーンシートに及ぼす圧力のうちの少なくとも1つの条件を変更するための条件変更工程をさらに備える、請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 前記異常判定工程は、前記アライメントマークの色異常の有無を判定する工程を含み、前記導電性ペーストの組成条件を変更するための条件変更工程をさらに備える、請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  9. 前記異常判定工程で判定される前記アライメントマークの異常に応じて、前記異常判定工程より前の対応の工程で変更すべき条件を予め決めておき、前記条件変更工程は、前記異常判定工程で前記アライメントマークが異常と判定されたとき、予め決められた前記条件に従って、前記対応の工程での条件を変更するようにフィードバック制御するためのフィードバック制御工程を備える、請求項5ないし8のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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