JP2006078707A - トナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジおよび画像形成方法 - Google Patents

トナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジおよび画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温定着性を有し、耐ホットオフセット性と耐ブロッキング性を確保し、優れた帯電能力を有し、離型剤の分散不良が起こらず、多数枚出力時や高温高湿下においても現像性の悪化のないトナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジおよび画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 少なくとも、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステル、帯電制御剤、および離型剤を含有するトナーであって、前記非晶性ポリエステルとしてアルコール成分が脂肪族ジオールを主成分とする樹脂を含有し、かつ前記帯電制御剤が2価以上の遷移金属を有するサリチル酸金属錯体を含有することを特徴とするトナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジおよび画像形成方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジおよび画像形成方法に関するものである。
電子写真法による画像形成は、一般に、感光体(静電潜像担持体)上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像剤で現像して可視像(トナー像)とした後、該可視像を紙等の画像支持体(転写材)に転写し加熱加圧定着することにより定着像とする一連のプロセスにより行われる。
前記加熱加圧定着では、トナーの低温定着化が要求される。また近年は定着装置の省エネルギー化も重要であり、定着部材が低熱容量化されている。このような定着装置を使用する場合、従来以上にトナー低温定着化が要求され、これに対応するために結着樹脂として非晶性樹脂だけでなく、結晶性ポリエステルを使用する報告が数多くされている。
しかし結晶性ポリエステルは、トナーを形成するその他の樹脂との組合せによっては、トナーの低温定着化を図ることができないことがある。また、結晶性ポリエステルを用いるだけでは、トナーの低温定着化を図ることはできても、ホットオフセット現象やブロッキング現象が生じるという問題がある。更に、シャープメルト性を有する結晶性ポリエステルを混練する場合、トナーにおける結晶性ポリステルの含有量が多すぎると溶融粘度が極端に低くなり、トナーに含まれる着色剤や離型剤の微分散化を妨げやすい。該着色剤の分散不均一は、着色度の低下を招き、高濃度の画像を得ることができないことがある他、フルカラートナーを用いる場合には、鮮明な画像を得ることができないことがある。また、着色剤が、例えば、カーボンなどの低抵抗の物質で形成される場合、トナーにおける着色剤の分散状態が悪いとトナーの抵抗を下げ、現像性の悪化による画像の地肌汚れ(かぶり)や、転写性の悪化による、ベタ部分における濃度ムラなどが発生することがある。また、離型剤の分散不均一は、トナー表面における離型剤の存在確率を高め、着色剤の分散不均一と同様、現像性の悪化による弊害を招く。更に、経時において、2成分現像剤を用いる場合にはキャリアへ、1成分現像剤を用いる場合には、帯電ローラやブレードへ、それぞれ離型剤が融着し、耐久性が悪化するという問題がある。
また、従来より、画像の高画質化に対する要望も極めて高い。該高画質化の実現に対しては、トナーの小粒径化が有効であるが、トナー粒径が小さくなるほど、トナーを形成する各成分の分散性の悪化による問題が生じやすく、かぶりやトナー飛散が顕著になる。このため、小粒径化を考慮すると、トナーを形成する各成分の分散状態を悪化させることなく、トナーに結晶性ポリエステルを含有させることが必要となる。
これら結晶性ポリエステル含有による諸問題を解決し、低温定着トナーを得るためには、結晶性ポリエステルと非晶性樹脂が相溶しすぎず適度に分散することがよく、そのために、非晶性樹脂はポリステルであるだけでなく、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのそれぞれの原料モノマー中に、類似構造の原料モノマーを含有する方法が報告されている(特許文献1および特許文献2)。
そのような原料モノマーの組合せとして、アルコール成分に類似構造のものを使用する場合と、酸成分に類似構造のものを使用する場合とがある。
結晶性ポリエステルは脂肪族ジオールと脂肪族カルボン酸から構成されるものが、結晶性ポリエステルの主効果であるシャープメルト性の高いものが得られるため好ましいことが報告されている。そこで、非晶性ポリエステルの酸成分に脂肪族カルボン酸を含む場合と、アルコール成分に脂肪族アルコールを含む場合とがある。非晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分としては、ビスフェノールA骨格を有するものが多く使われている。一方で、脂肪族アルコールを使用するポリエステルは、芳香族アルコールを使用するポリエステルよりも優れた定着性を示し、ワックスの分散性も良くなるという報告がある(特許文献3)。
非晶性ポリエステルのアルコール成分として脂肪族アルコールを含有することは、低温定着トナーのワックス分散不良による諸問題を抑制するために効果的である。しかし、ビスフェノールA骨格がもつ芳香族環の電荷保持部がないため、帯電性が劣りやすい、環境による帯電変化が大きいという欠点がある。
特許第3449995号公報 特開2004−151535号公報 特開2002−287427号公報
本発明の目的は、低温定着性を有し、耐ホットオフセット性と耐ブロッキング性を確保し、優れた帯電能力を有し、離型剤の分散不良が起こらず、多数枚出力時や高温高湿下においても現像性の悪化のないトナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジおよび画像形成方法を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の金属を有するサリチル酸金属錯体を使用することにより、例えば、帯電不良となりやすい結晶性ポリエステルとビスフェノールA骨格を持たない非晶性ポリエステルとの組合せにおいても、帯電性が良くなることを見出した。
請求項1の発明は、少なくとも、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステル、帯電制御剤、および離型剤を含有するトナーであって、前記非晶性ポリエステルとしてアルコール成分が脂肪族ジオールを主成分とする樹脂を含有し、かつ前記帯電制御剤が2価以上の遷移金属を有するサリチル酸金属錯体を含有することを特徴とするトナーである。
請求項2の発明は、前記トナーのガラス転移温度が35〜55℃であることを特徴とする請求項1に記載のトナーである。
請求項3の発明は、前記結晶性ポリエステルの含有量が、結着樹脂の全量の40質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナーである。
請求項4の発明は、前記結晶性ポリエステルの融点が80〜130℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナーである。
請求項5の発明は、前記非晶性ポリエステルのガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナーである。
請求項6の発明は、前記離型剤の融点が70〜90℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナーである。
請求項7の発明は、質量平均粒径が3〜6.5μmであり、質量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする1〜6のいずれかに記載のトナーである。
請求項8の発明は、前記トナーがフルカラー用トナーであることを特徴とする1〜7のいずれかに記載のトナーである。
請求項9の発明は、前記非晶性ポリエステルのテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%であることを特徴とする請求項8に記載のトナーである。
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
請求項11の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のトナーが収容されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
請求項12の発明は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項10に記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有するとともに、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項13の発明は、像担持体上に形成した静電潜像を現像剤で現像し、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写し、転写されたトナー像を定着して定着画像を得る工程を含む画像形成方法において、前記現像剤が、請求項10に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
請求項14の発明は、前記像担持体がアモルファスシリコン感光体であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法である。
請求項15の発明は、前記像担持体上に形成した静電潜像を現像剤で現像する際に、交互電界を印加することを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法である。
本発明によれば、低温定着性を有し、耐ホットオフセット性と耐ブロッキング性を確保し、優れた帯電能力を有し、離型剤の分散不良が起こらず、多数枚出力時や高温高湿下においても現像性の悪化のないトナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジおよび画像形成方法が提供される。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルを含み、さらに特定の帯電制御剤および離型剤、その他必要に応じて着色剤、無機微粒子、樹脂微粒子などを含むものである。
結晶性ポリエステルは融点を有し、該融点において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下する、シャープメルト性を有する。本発明のトナーは、結晶性ポリエステルのシャープメルト性の効果に加えて、結晶性ポリエステルが非晶性ポリエステルと部分的に相溶することにより、トナーのガラス転移温度(Tg)が非晶性ポリエステルのTgより下がり、低い温度から溶融粘度の低下が始まるために低温定着化となる。
また結晶性ポリエステルは結晶構造を形成し、かつ主効果であるシャープメルト性の高いものを得るために、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を主成分として合成される脂肪族系ポリエステル樹脂が好ましい。また、低い温度から溶融粘度の低下が始まるようにするために、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルとに類似構造を有することが好ましい。
本発明のトナーは、非晶性ポリエステルとしてアルコール成分が脂肪族ジオールを主成分とする樹脂を含むことを特徴としている。このような樹脂は、結着樹脂中、50〜97質量%含まれるのが好ましい。
これにより、離型剤の分散不良を改善することができる。また、前述のように、結晶性ポリエステルと非晶性ポリステルとが類似構造を持つものであれば、両者が相溶しやすくなり、結晶性ポリエステルの含有量に応じて、効率よく低温定着化でき好ましい。この態様によれば、結晶性ポリエステルの含有量が多すぎることによる、耐ブロッキング性の悪化や耐オフセット性の悪化を心配する必要がない。
結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルとに類似構造を持たせるようにするには、酸成分を類似化する組合せもあるが、本発明では離型剤の分散性を良好にする観点から、アルコール成分を類似化するほうが好ましい。結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのアルコール成分を脂肪族ジオールとすることにより、酸性分の類似化の場合よりもフィルミングやスペントによる悪影響を抑制できる。
アルコール成分の主成分を脂肪族ジオールとすることは、溶融粘度が低く、混練時のせん断力による離型剤分散効果が低くなりやすいフルカラートナーに特に有効である。
本発明の結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのジオール成分は、炭素数2〜20のジオール化合物、および、これらの誘導体を含有するアルコール成分が好ましい。
上記以外にもアルコール成分として、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物や、その他2価のアルコール化合物、3価以上の多価アルコールなどがあるが、類似構造をもつことによる相溶性の良さを発現し、結晶性ポリエステル含有による諸問題を抑制するためには、アルコール成分中の脂肪族ジオールが、60モル%以上、より好ましくは80モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。
また、本発明の結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの酸成分は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などの多価カルボン酸化合物、および、これらの誘導体を含有する酸成分が好ましい。
本発明の結晶性ポリエステルは上記のアルコール成分および酸成分から適宜選択できるが、特にシャープメルト性の高いトナーを形成することができる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜6の直鎖のアルキレングリコール及びこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、マレイン酸、フマル酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸化合物及びこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される、下記一般式(1)で表される脂肪族系ポリエステル樹脂が好ましい。
Figure 2006078707
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは炭化水素基を表す。n及びmは繰り返し単位の数を表す。
また、非線状のポリエステル樹脂を合成するために、前記アルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールを追加してもよいし、前記酸成分に無水トリメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸などを追加して縮重合を行ってもよい。
前記結晶性ポリエステルの融点は、シャープメルト性が高い場合、定着の下限温度に大きく影響し、該融点は、ブロッキング等を生じない限り、低いことが好ましく、具体的には80〜130℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。該融点が80℃よりも低いと、シャープメルト性を有し、かつ低温定着性に優れる結晶性樹脂の合成が困難になることがあり、前記融点が130℃を超えると定着下限温度が高くなるため、良好な低温定着性が得られないことがある。結晶性ポリエステルの融点は、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて、10℃/分で20〜150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/分で測定開始温度まで冷却した後、昇温速度10℃/分で測定した際に、2回目の昇温時における吸熱ピーク温度を算出することにより求めることができる。
前記結晶性ポリエステルの結晶性の存在は粉末X線回折装置による回折パターンで確認することができる。該回折パターンは、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークが存在するものであり、2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、及び29〜31°のいずれかの位置に回折ピークが存在することがより好ましい。
前記回折パターンは、例えば、X線回折装置(「RINT−1100」;リガク電機社製)を用いて、下記条件でXRD用標準資料ホルダーを使用して粉体を測定することにより確認することができる。
管球:Cu
管電圧・電流:50kV−30mA
ゴニオメーター:広角ゴニオメーター
サンプリング幅:0.020°
走査速度:2.0°/min
走査範囲:5〜50°
なお、回折ピークの存在は、平滑化点数11として処理したものをピークサーチし、検出されたピークから有無を判断した。
結晶性ポリエステルの結着樹脂中における含有量は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、特に3〜35質量%が好ましい。該含有量が50質量%を超えると、前記結晶性ポリエステルと前記非晶性ポリエステルとが相分離構造をとりやすくなり、これらの樹脂の前記トナーにおける分散性が悪化することがある。また、本発明の結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの組合せで相溶部分が多い場合、含有量に対して効率よく低温定着化できるが、含有量が多すぎると可塑化し、耐ブロッキング性や耐ホットオフセット性に劣る場合がある。本発明においては前記含有量を40質量%以下に抑えることにより、ブロッキングやホットオフセット発生に対して、十分に余裕のあるトナーを得やすい。
また、前記トナーにおける着色剤や離型剤の不均一により、前記トナーの帯電性が悪化し、画像にかぶりを生じたり、トナー飛散による機内汚染を生じることがある。前記含有量が3質量%未満であると、低温定着性に劣ることがある。
本発明の非晶性ポリエステルは、前述のアルコール成分と酸成分から適宜選択できるが、酸成分がテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を主成分とするものが好ましい。酸成分の主成分を結晶性ポリエステルの主成分と非類似構造のものとすることにより、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルとが相溶しすぎることなく、結晶性ポリエステルの結晶性を維持したまま、トナー中に分散して存在させることができる。
アルコール成分、酸成分それぞれは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、結晶性ポエステルおよび非晶性ポリエステルは、それぞれ1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステル以外に、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素が添加された石油系樹脂などを使用することも可能である。これらは、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルとを組み合わせることによるトナー品質の良さを損なわない程度に加えることが好ましく、結着樹脂中の20質量%以内、より好ましくは10質量%以内である。
前記非晶性ポリエステルのガラス転移温度は40〜70℃が好ましい。該ガラス転移温度が40℃未満であると前記トナーの耐熱保存性が著しく悪化し、ブロッキングを生ずることがあり、70℃を超えると前記トナーの低温定着性が悪化することがある。
前記非晶性ポリエステルのガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて、10℃/分で20〜150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/分で測定開始温度まで冷却した後、昇温速度10℃/分で測定した際に、2回目の昇温時において接線法により求めることができる。
前記非晶性ポリエステルの軟化点(F1/2)は120〜160℃が好ましい。該F1/2温度が120℃未満であるとホットオフセット性が悪化することがあり、160℃を超えると高弾性になりやすく、前記トナーを形成する材料を分散させる際のシェアが高くなり、混練装置の負荷が大きくなる。また、低温定着性が悪化することがある。
前記非晶性ポリエステルのF1/2温度は、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。該F1/2温度はダイス径1mm、加圧10kgf/cm、昇温速度3℃/minの条件下で、1cmの試料を溶融流出させたときのストロークが、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。
前記非晶性ポリエステルはテトラヒドロフラン(THF)不溶分を含んでいてもよく、THF不要分の含有量は10質量%以上、より好ましくは10〜40質量%にすると低温定着性と耐ホットオフセット性を両立しやすい。しかし、2色以上が混ざり合って各色を発現する必要のあるフルカラートナーにおいては、トナーが十分に溶融するためにTHF不溶分は10質量%未満が好ましい。より好ましくは0〜5質量%である。
前記非晶性樹脂のTHF不溶分の量は、ソックスレー抽出器によるTHF可溶分の抽出により、THF不溶分を算出した。ソックスレー抽出器によるTHF可溶分の抽出は次のように行なった。樹脂5gを精秤し内径が24mmφの円筒ろ紙に入れ抽出管にセットし、フラスコにはTHF100gを入れた。冷却管をとりつけた一式のフラスコ部分をマントルヒーターに入れ、80℃でTHFを還流させ、冷却管からのTHFが樹脂に滴下され、THF可溶分がフラスコ中に抽出されるようにした。10時間抽出後に、抽出液のTHFを減圧留去して、残留分を求めた。樹脂5gの精秤値(A)と抽出液の残留質量(B)から、THF不溶分は(1−B/A)×100として算出される。
本発明のトナーは、従来以上の低温定着性を得るためにガラス転移温度は55℃以下が好ましい。このような温度は従来の結晶性ポリエステルを含有しないトナーでは、耐ブロキング性が不十分となる場合があるが、結晶性ポリエステルを含有するトナーでは、このような温度でも耐ブロッキング性を確保できる。本発明のトナーは結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの界面付近の相溶部分によりガラス転移温度が低くなるため、相溶部分が多くなりやすい本発明の結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの組合せは、ガラス転移温度55℃以下のトナーを得ることが容易である。しかし、低くなりすぎると耐ブロッキング性が不十分となりやすいため、トナーのガラス転移温度は35℃以上であるのが好ましい。
前記トナーのガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて、10℃/分で20〜150℃まで昇温した時の吸熱曲線から、接線法により求めることができる。
本発明のトナーは、上記の相溶部分による低温定着化効果とともに、結晶性ポリエステル本来のシャープメルト性による低温定着化効果も発現するために、非晶性ポリエステル中に結晶性ポリエステルが、結晶性を持って分散していることが好ましい。結晶性ポリエステルの分散体が存在することにより、粒子表面に融点の高い部分が存在することになり、トナーのガラス転移温度が低くても耐ブロッキング性を確保しやすくなる。トナー中の結晶性ポリエステルの結晶性の有無は、トナーの粉末X線回折装置による回折パターンから、結晶性ポリエステル由来のピークの存在を確認することにより判断できる。回折パターンは結晶性ポリエステルの場合と同様に確認することができる。
本発明のトナーは、帯電制御剤として2価以上の遷移金属を含有するサリチル酸金属錯体を含有することにより、従来の帯電制御剤よりも帯電性の良いトナーが得られる。さらに6配位の構成を取りうる3価以上の遷移金属を有するサリチル酸金属錯体を含有することにより、該サリチル酸金属錯体の帯電能力が高くなるだけではなく、該錯体が樹脂や離型剤の反応性の高い部分と反応し、軽度の架橋構造を作ることにより混練時の溶融粘度が高くなり、離型剤や他の構成材料の分散性がよくなることによる帯電性の改善効果も得られる。
2価以上の遷移金属の例としては、Zn、Fe、Cr、Zrなどが挙げられ、特に6配位の構成を取りうる3価以上の遷移金属であるFe、Cr、Zrが好ましい。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
帯電制御剤は上記のものだけを含有することがもっとも好ましいが、2種以上併用する場合には、上記以外にも公知のものを適宜選択してもよい。例えば、上記以外の金属を有するサリチル酸金属錯体、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤などが挙げられる。これらは帯電制御剤の30質量%未満にすることが好ましい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、トナーの帯電特性の悪化が見られることがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎて現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
本発明の離型剤は、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記合成炭化水素ワックスとしては、例えば、エステルワックス、フィッシャートロプシュワックスなどが挙げられる。
前記天然ワックス類としては、例えば、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。
前記石油ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
前記高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65〜110℃が好ましく、70〜90℃が特に好ましい。
前記融点が65℃未満であると、前記離型剤が耐ブロッキング性に悪影響を与えることがあり、110℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある他、定着機への紙の巻き付きなどが発生することがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。該含有量が、20質量%を超えると、トナーの流動性の悪化が見られ、また他部材への汚染等の問題が観られることがある。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、無機微粒子、樹脂微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
本発明のトナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。なお、前記無機微粒子は、前記トナーの外添剤として好適に使用することができる。
前記樹脂微粒子としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。
これらの磁性材料は平均粒径が0.1〜2 μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に対し約20〜200 質量部、特に好ましくは樹脂成分100質量部に対し40〜150 質量部である。
本発明のトナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーを形成する材料を溶融混練後、粉砕分級する粉砕法や重合法などが挙げられる。
本発明のトナーは、その形状、大きさ等の諸物性については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、熱特性、質量平均粒径等を有していることが好ましい。
前記熱特性は、フローテスター特性とも言われ、例えば、軟化温度(Ts)、流出開始温度(Tfb)、1/2法軟化点(F1/2)などとして評価される。これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。これら温度に特に制限はないが、耐ブロキング性、低温定着性、耐ホットオフセット性などが悪化する場合があるため以下の範囲にすることが好ましい。前記軟化温度(Ts)としては、例えば、30℃以上が好ましく、50〜120℃がより好ましい。前記流出開始温度(Tfb)としては、例えば、50℃以上が好ましく、60〜150℃がより好ましい。前記1/2法軟化点(F1/2)は、例えば、60℃以上が好ましく、80〜170℃がより好ましい。なお、1/2法軟化点(F1/2)は、前述のように、前記高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いた場合、ダイス径1mm、加圧10kgf/cm、昇温速度3℃/minの条件下で、1cmの試料を溶融流出させたときのストロークが、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。
前記トナーの質量平均粒径(D4)としては、600dpi以上の微少ドットを再現するために、3〜8μmが好ましく、3〜6.5μmが特に好ましい。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。質量平均粒径(D4)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。質量平均粒径(D4)が8μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
また、質量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(D4/D1)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの質量、個数を測定して、質量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの質量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを含有しているので、画像形成時における帯電性と定着性とをバランス良く両立することができ、高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法に特に好適に用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
図1は、本発明のプロセスカートリッジを説明するための概略図である。
図1において、本発明のプロセスカートリッジ450を有する画像形成装置は、感光体451が所定の周速度で回転駆動される。感光体451は回転過程において、帯電手段452によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、図示していないスリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段453によりトナ−現像され、現像されたトナ−像は、図示していない給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写され、像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリーニング手段454によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、像担持体上に形成した静電潜像を現像剤で現像し、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写し、転写されたトナー像を定着して定着画像を得る工程を含む。以下、本発明の画像形成方法を実施するに好適な画像形成装置について説明する。
画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
−静電潜像形成工程および静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記アモルファスシリコンを有する感光体としては、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりアモルファスシリコンからなる光導電層を有するアモルファスシリコン感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)を用いることができる。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられている。
アモルファスシリコン感光体の層構成は例えば以下のようなものである。図2は、層構成を説明するための模式的構成図である。図2(a)に示す感光体500は、支持体501の上にa−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502が設けられている。図2(b)に示す感光体500は、支持体501の上に、a−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503とから構成されている。図2(c)に示す感光体500は、支持体501の上に、a−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層504とから構成されている。図2(d)に示す感光体500は、支持体501の上に、光導電層502が設けられている。該光導電層502はa−Si:Hからなる電荷発生層505ならびに電荷輸送層506とからなり、その上にアモルファスシリコン系表面層503が設けられている。
感光体の支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状、無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体を形成し得るように適宜決定するが、画像形成装置用感光体としての可撓性が要求される場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。
本発明に用いることが出来るアモルファスシリコン感光体には必要に応じて導電性支持体511と光導電層502との間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層504を設けるのがいっそう効果的である(図2(c))。すなわち、電荷注入阻止層504は光導電層502が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体501側より光導電層502側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能が発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層504には伝導性を制御する原子を光導電層502に比べ比較的多く含有させる。
電荷注入阻止層504の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
光導電層502は必要に応じて下引き層上に形成され、光導電層502の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μm、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μmとされるのが望ましい。
電荷輸送層506は、光導電層502を機能分離した場合の電荷を輸送する機能を主として奏する層である。この電荷輸送層506は、その構成要素として少なくともシリコン原子と炭素原子と弗素原子とを含み、必要であれば水素原子、酸素原子を含むa−SiC(H、F、O)からなり、所望の光導電特性、特に電荷保持特性,電荷発生特性および電荷輸送特性を有する。本発明においては酸素原子を含有することが特に好ましい。
電荷輸送層506の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果などの点から適宜所望にしたがって決定され、電荷輸送層506については、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、最適には20〜30μmとされるのが望ましい。
電荷発生層505は、光導電層502を機能分離した場合の電荷を発生する機能を主として奏する層である。この電荷発生層505は、構成要素として少なくともシリコン原子を含み、実質的に炭素原子を含まず、必要であれば水素原子を含むa−Si:Hから成り、所望の光導電特性、特に電荷発生特性,電荷輸送特性を有する。
電荷発生層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μm、最適には1〜5μmとされる。
本発明に用いることが出来るアモルファスシリコン感光体には必要に応じて、上述のようにして支持体上に形成された光導電層502の上に、更にアモルファスシリコン系表面層503を設けることが出来、アモルファスシリコン系の表面層を形成することが好ましい。この表面層は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
本発明における表面層503の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性低下がみられる。
前記のようなアモルファスシリコン系感光体は、表面硬度が高く、半導体レーザ(770〜800nm)などの長波長光に高い感度を示し、しかも繰返し使用による劣化もほとんど認められないことから、高速複写機やレーザービームプリンタ(LBP)などの電子写真用感光体として有利である。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程および現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触または非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体) の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
なお、前記現像工程時は、交互電界を印加することが好ましい。
図3は、現像工程時の交互電界の印加手段を説明するための図である。図3に示した現像器600において、現像時、現像スリーブ601には、電源602により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部603に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナーが現像スリーブ601およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体ドラム604に飛翔し、感光体ドラム604の潜像に対応して付着する。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5〜5kVが好ましく、周波数は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、上記したように背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが感光体に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナーが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナーの運動がさらに活発化し、トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
−転写工程および転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体) を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着工程および定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程および定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
−除電工程および除電手段−
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング工程およびクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
本発明では、クリーニングを行うためのクリーニング装置が、前記像担持体回転方向上流側から順に、第1クリーニングブレード、第2クリーニングブレードの2つのブレードを備え、該第2クリーニングブレードは、ブレード母体層と研磨剤粒子含有層の2層構造を有する研磨用ブレードであることが好ましい。
−リサイクル工程およびリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
−制御工程および制御手段−
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
以下、本発明の実施例および比較例について説明するが、本発明は下記例に何ら限定されるものではない。また実施例中、「部」とあるのは質量基準である。
本発明のトナーを形成する材料として、樹脂1〜9を用意した。該樹脂1〜9の組成及び物性について、表1〜2に示す。
表1〜2において、粉末X線回折ピークの存在は、X線回折装置(「PINT−1100」;リガク電機社製)により測定し、ピークの存在の有無を下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
あり:少なくとも2θ=20〜25°にピークが存在する
なし:2θ=20〜25°にピークが存在しない
Figure 2006078707
Figure 2006078707
実施例1
トナー母体構成材料
樹脂1 55部
樹脂5 45部
エステルワックス(融点85℃) 4部
サリチル酸鉄 2部
カーボンブラック 10部
上記組成のトナー形成材料をヘンシェルミキサー「MF20C/I型」、(三井三池加工機 社製)に仕込み、十分攪拌混合した後、東芝機械社製2軸押出機にて混練し、冷却した。次いで、質量平均粒径(D4)が5.8±0.5μm、質量平均粒径と個数平均粒径(D1)の比(D4/D1)が1.2〜1.3となるように、粉砕、分級を行い、トナー母体を作製した。ここで前記混練は、2軸押出機出口での混練生成物の温度が120℃前後となるように設定して行った。
得られたトナー母体に疎水性シリカ1.0質量%及び酸価チタン0.5質量%を添加、混合し、実施例1のトナーを作製した。
−−現像剤の作製−−
次に、得られたトナー5質量部と、シリコーン樹脂で被覆した平均粒径45μmのシリコーンコートフェライトキャリア95質量部とを、ターブラーミキサーで攪拌して適当な帯電量の現像剤を作製した。
実施例1のトナーおよび現像剤の評価結果を表5に示す。従来以上の低温定着となり、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性に問題のないトナーが得られた。また画質も問題ないものであった。
なお、このトナーおよび現像剤の評価は以下のように行なった。
耐ブロッキング性
トナー約20gを20mlのガラス瓶に入れ、50回タッピングを行ない、トナーを密に固めた。次いで、50℃の恒温槽に入れ、24時間放置した後、針入度試験(JIS K2235―1991)により針入度(%)を測定した。密に固めた後のトナーに対する針入度(%)より、下記基準に基づいて耐ブロッキング性を評価した。
〔評価基準〕
5:90〜100%
4:75〜90%
3:60〜75%
2:30〜60%
1:30%以下
ここで、評価基準3〜5であれば、耐ブロッキング性に問題がないと認められる。
定着特性
リコー製複写機 IMAGIO NEO350を定着装置の設定温度および線速を変えられるように改造した。これに実施例に示すトナー、現像剤、リコー製タイプ6200紙をセットし複写テストを行った。
定着温度を変化させてコールドオフセット発生温度とホットオフセット発生温度を測定し、下記基準に基づいて低温定着性(コールドオフセット発生温度)及び耐ホットオフセット性(ホットオフセット発生温度)について評価した。なお、紙送りの線速は低温定着性の評価には180mm/secに設定し、耐ホットオフセット性の評価には、ホットオフセット発生に対して厳しい条件となる50mm/secに設定した。
コールドオフセット発生温度(ランク2が従来の低温定着トナーのレベルである)
5…120℃未満、4…120〜130℃、3…130〜140℃、2…140〜150℃、1…150℃以上
ホットオフセット発生温度(ランク1、2以外ならば、耐オフセット性がある)
5…210℃以上、4…200〜210℃、3…190〜200℃、2…180〜190℃、1…180℃未満
画像濃度
リコー製複写機 IMAGIO NEO350を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に、ベタ画像を形成した。得られた画像について、任意の6箇所の位置を選択し、該位置における画像濃度を分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定し、それらの平均値から下記基準に基づいて画像濃度を評価した。
〔評価基準〕
5:1.5以上
4:1.45〜1.5
3:1.40〜1.45
2:1.35〜1.40
1:1.35未満
ここで、評価基準が3〜5であれば、優れた画像濃度が得られることが認められる。
地肌汚れ
リコー製複写機 IMAGIO NEO350を使用し、転写紙に「タイプ6200」(株式会社リコー製)を用い、2万枚の画像出力後に白のベタ画像を出力した。得られた画像について、任意の6箇所の位置を選択し、該位置の画像濃度を分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)で測定し、その平均値から下記基準に基づいて地肌汚れを評価した。
〔評価基準〕
5:紙の反射濃度と同じ
4:紙の反射濃度+0.02未満
3:紙の反射濃度+0.02〜0.04
2:紙の反射濃度+0.04〜0.06
1:紙の反射濃度+0.06以上
ここで、全く地肌汚れがない状態においては、画像の反射濃度は紙の反射濃度と同等な値を示し、該反射濃度が大きいほど、地肌汚れは悪い結果となることが認められる。
トナー飛散
複写機(「IMAGIO NEO350」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に2万枚の画像を出力後に、複写機内部のトナー飛散による汚れの状態を、下記評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
5:大変よい
4:よい
3:普通である
2:悪い
1:大変悪い
ここで、評価基準3〜5であれば、トナー飛散が問題とならないレベルであると求められる。
細線再現性
複写機(「IMAGIO NEO350」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に主走査、副走査方向ともに、600dot/inch、150line/inch の1ドット格子ライン画像を出力し,ライン画像の切れ,かすれを5段階で目視評価した
5…大変良い、4…良い、3…普通、2…悪い、1…大変悪い
なお表5において、高温高湿環境下とは、温度30℃、湿度90%RHを意味する。
比較例1
実施例1の樹脂5を樹脂6に変える以外は実施例1と同じ材料を用いて、実施例1と同様の処理を行ないトナーと現像剤を得た。
このトナーと現像剤について実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。同じ結晶性ポリエステルを同じ量含有しても、従来以上の低温定着トナーが得られなかった。また、トナー構成材料の分散性の悪さが、画像に現われた。
実施例2
トナー構成材料
樹脂1 30部
樹脂7 70部
ポリエチレンワックス(融点95℃) 4部
サリチル酸鉄 1.5部
カーボンブラック 10部
上記トナー構成材料を用いて、実施例1と同様の処理を行ないトナーおよび現像剤を得た。
このトナーと現像剤について実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。非晶性ポリエステルのガラス転移温度が低くなったことにより、結晶性ポリエステルの含有量が実施例1よりも少なくなったが、低温定着トナーが得られた。また、耐ホットオフセット性や画質も向上した。
実施例3
トナー構成材料
樹脂2 20部
樹脂6 20部
樹脂7 60部
カルナバワックス(融点83℃) 4部
サリチル酸ジルコニウム 1部
カーボンブラック 10部
上記トナー構成材料を用いて、実施例1と同様の処理を行ないトナーおよび現像剤を得た。
このトナーと現像剤について実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。実施例2より融点の低い結晶性ポリエステルと融点の低いワックスの使用により、低温定着性が向上した。
実施例4
実施例3の樹脂2を20部から15部にし、樹脂6を用いずに樹脂7を60部から85部に変更する以外は、実施例3と同様の処理を行ないトナーおよび現像剤を得た。
このトナーと現像剤について実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。非晶性ポリエステルのアルコール成分すべてを脂肪族ジオールにすることにより、実施例3より結晶性ポリエステル含有量が少なくても同等の低温定着性が得られた。またワックスの分散性も良く、画質が向上した。
実施例5
実施例4と同じトナー構成材料を用いて、粉砕、分級処理以外は実施例4と同様の処理を行ないトナーおよび現像剤を得た。粉砕、分級は、質量平均粒径(D4)が5.8±0.5μm、質量平均粒径と個数平均粒径(D1)の比(D4/D1)が1.45〜1.55となるように行なった。
このトナーと現像剤について実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。D4/D1が大きく粒径分布が広いと、多数毎の画像出力によりトナー飛散しやすくなるため、D4/D1は実施例4のような範囲にあるほうが好ましいことが確認された。
比較例2
実施例4のサリチル酸ジルコニウム1部をサリチル酸アルミニウム1部に変更する以外は、実施例4と同様の材料を用い、実施例4と同様に処理を行ないトナーと現像剤を得た。
このトナーと現像剤について実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。常温常湿下では画質低下がみられ、高温高湿下での画質の悪化はより顕著だった。
実施例6
樹脂3 15部
樹脂8 40部
樹脂9 45部
エステルワックス(融点85℃) 5部
サリチル酸亜鉛 1部
ジスアゾイエロー顔料 7部
上記トナー構成材料を用いて、実施例1と同様の処理を行ないイエロートナーおよび現像剤を得た。
上記トナー構成材料のうち、ジスアゾイエロー顔料7部を、銅フタロシアニンブルー顔料4部に変えて実施例1と同様の処理を行ないシアントナーおよび現像剤を得た。
上記トナー構成材料のうち、ジスアゾイエロー顔料7部を、ナフトール系マゼンタ顔料 5部に変えて実施例1と同様の処理を行ないマゼンタトナーおよび現像剤を得た。
これらトナーと現像剤のうち、シアントナーとシアン現像剤について評価を行なった。結果を表5に示す。なお、画像濃度、地肌汚れ、トナー飛散、細線再現性の評価については、評価装置をimagio Neo 350からimagio Color 4000に変更した。それ以外は実施例1と同様の評価を行なった。
フルカラートナーでも低温定着性と耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性に問題なかった。モノクロトナーよりも溶融粘度が低く、構成材料の分散性が劣りやすいが、画質に問題は生じなかった。
次に上記のイエロー、マゼンタ、シアンの各色トナーと現像剤、およびリコー製タイプ7000 70W紙を、imagio Color 4000にセットし、ブルー、グリーン、レッドの2色重ね画像を得た。これらの任意のべた部を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)で測色した。表3に示すように、色再現性の良いトナーが得られた。
Figure 2006078707
実施例7
実施例6のトナー構成材料のうち、樹脂9を用いずに樹脂8を40部から85部に変更し、サリチル酸亜鉛1部をサリチル酸ジルコニウム1部に変更する以外は実施例6と同様の処理を行ない、イエロー、マゼンタ、シアンの各色トナーおよび現像剤を得た。
これらについて、実施例6と同様の評価を行なった。測色結果を表4に、またその他の評価結果を表5に示す。THF不溶分を含まない樹脂を使用したことにより、色再現性の良いトナーが得られた。
Figure 2006078707
比較例3
実施例7のサリチル酸ジルコニウム1部をサリチル酸カルシウム1部に変更する以外は、実施例7と同様の材料を用い、実施例7と同様の処理を行ないトナーと現像剤を得た。
このトナーと現像剤について実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。実施例7よりも画質が悪化した。特に高温高湿下での悪化が顕著であった。
実施例8
樹脂4 3部
樹脂9 97部
カルナバワックス(融点83℃) 4部
サリチル酸鉄 1部
カーボンブラック 10部
上記トナー構成材料を用いて、実施例1と同様の処理を行ないトナーおよび現像剤を得た。
このトナーと現像剤について実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルに類似構造をもつため、結晶性ポリエステルの含有量が少ないが低温定着性が得られた。一方で、結晶性ポリエステルの融点が低すぎると保存性が悪化しやすくなることから、結晶性ポリエステルの融点はこれ以上低くないほうが好ましいことが確認された。
Figure 2006078707
本発明によれば、低温定着性を有し、耐ホットオフセット性と耐ブロッキング性を確保し、優れた帯電能力を有し、離型剤の分散不良が起こらず、多数枚出力時や高温高湿下においても現像性の悪化のないトナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジおよび画像形成方法が提供される。
本発明のプロセスカートリッジを説明するための概略図である。 本発明に使用されるアモルファスシリコン感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。 現像工程時の交互電界の印加手段を説明するための図である。
符号の説明
450 プロセスカートリッジ
451 感光体
452 帯電手段
453 現像手段
500 支持体
502 光導電層
503 アモルファスシリコン系表面層
504 電荷注入阻止層
505 電荷発生層
506 電荷輸送層
600 現像器
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体ドラム



Claims (15)

  1. 少なくとも、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステル、帯電制御剤、および離型剤を含有するトナーであって、前記非晶性ポリエステルとしてアルコール成分が脂肪族ジオールを主成分とする樹脂を含有し、かつ前記帯電制御剤が2価以上の遷移金属を有するサリチル酸金属錯体を含有することを特徴とするトナー。
  2. 前記トナーのガラス転移温度が35〜55℃であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記結晶性ポリエステルの含有量が、結着樹脂の全量の40質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記結晶性ポリエステルの融点が80〜130℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記非晶性ポリエステルのガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
  6. 前記離型剤の融点が70〜90℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
  7. 質量平均粒径が3〜6.5μmであり、質量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする1〜6のいずれかに記載のトナー。
  8. 前記トナーがフルカラー用トナーであることを特徴とする1〜7のいずれかに記載のトナー。
  9. 前記非晶性ポリエステルのテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%であることを特徴とする請求項8に記載のトナー。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のトナーが収容されてなることを特徴とするトナー入り容器。
  12. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項10に記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有するとともに、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 像担持体上に形成した静電潜像を現像剤で現像し、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写し、転写されたトナー像を定着して定着画像を得る工程を含む画像形成方法において、前記現像剤が、請求項10に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
  14. 前記像担持体がアモルファスシリコン感光体であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  15. 前記像担持体上に形成した静電潜像を現像剤で現像する際に、交互電界を印加することを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。

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