JP2006077601A - オイル循環機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エンジン本体10に設けられるオイルパン30と、オイルパン30近傍に設けられるサブタンク40とをオイル通路を介して連通すると共に、オイルパン30を上下に分離する仕切板31が設けられ、該仕切板上に上下方向に連通する孔90が設けられるオイル循環機構において、上側オイル通路51に設定温度で開閉される開閉弁61が設けられる。
【選択図】図1
Description
このようなオイル循環機構の構成は、オイル循環の方式によって大きく2種類に大別できる。
先ず、第1の構成としては、オイルパンとサブタンクとの容量を比較した場合に、サブタンクの容量が大きい場合には、サブタンクのオイルがエンジン本体のオイルパンに流入
し辛いため、強制的にオイルを循環させるためのオイルポンプを設ける構成が一般的である。
他方、第2の構成としては、オイルパンとサブタンクとの容量を比較した場合に、オイルパンの容量が大きい場合には、オイルパンとサブタンクに貯溜されるオイルが比較的循環しやすいため上述のようなオイルポンプは必要としない。
上記第1の構成又は第2の構成の何れのオイル循環機構にしても、基本的にはオイルパンとサブタンクとを具備するものである。
これは、オイルパンのみならずサブタンクを設けて、使用オイルの総量を増加させることによって、オイルの劣化を遅延させてメンテナンスを行うスパンを長期化する効果が見込めるからである。
即ち、エンジン本体を、最も効率良く運転できるオイルの温度(即ち「油温」)で運転することが望ましいことが一般的に知られている。
しかしながら、上述のようなオイル循環機構においては、オイルパンに加えてサブタンクを設けてオイル総量を増加させる構成としているので、油温を調節し辛い点がある。
そのため、例えば、エンジン起動時等においては、油温をエンジン本体が最も効率良く運転できる温度に達する時間が短いことが望ましく、他方、油温が高くなり過ぎた場合は素早く油温を低くすることが望ましい。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オイルパンやサブタンクを具備するオイル循環機構の油温調節を容易に行え、エンジンを効率良く運転することを可能とするオイル循環機構を提供することである。
したがって、設定温度でエンジン本体を運転することが可能となって、エンジン本体の燃費等を向上させて、効率良く運転することが可能となる。
また、開閉弁に電磁比例弁やACソレノイドを有する電磁弁を用いることで、単に開閉弁を全開又は全閉するのみならず、弁開度を絞ったり大きくしたりする微調整を行うことが可能となるので、きめ細かく油温を調節することが可能となる。
他方、再起動時には初回起動時と比較してオイルは既に温められているので、再起動時は初回起動時ほどの時間を要せず油温を上昇させることが可能となるので、開閉弁を閉じている時間を上記第1の設定時間より短い第2の設定時間とすることで、油温を上昇させ過ぎることがなくなるのでオイルの劣化を防止し、適切に油温を調節することが可能となる。
即ち、初回起動時、又は再起動時に合わせて開閉弁を閉じている時間を変化させることが可能となり、適切に油温を調節することが可能となる。
また、温度センサが故障した場合等においても、上述のようにエンジン回転数と負荷との関係より油温を予測して知る(推定)ことが可能となる。
図1は本発明のオイル循環機構の一例を模式的に示した概略構成図、図2は本発明のオイル循環機構の制御部60が行う一連の処理の一例を示したフローチャート、図3は本発明のオイル循環機構の一例を模式的に示した概略構成図、図4は本発明のオイル循環機構の制御部60が行う一連の処理の一例を示したフローチャート、である。
本発明のオイル循環機構の概略構成を模式的に示した図1を用いて説明する。
本発明のオイル循環機構の概略は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等のエンジン本体10と、該エンジン本体10の下部に設けられ、エンジン本体10内部を循環したオイルを貯溜するオイルパン30と、該オイルパン30と連通するサブタンク40と、を具備して概略が構成されている。
また、ここで説明するエンジン本体10は、例えば、ガスヒートポンプ方式による冷暖房等の空調機器の動力源として用いられる場合を想定する。この場合に、該エンジン本体10は、空調機器の制御に応じて起動又は停止するものである。
まず、オイルパン30内部は、図1に示すように、オイルパン30を上下方向に分離する仕切板31が設けられている。
ここで、仕切板31によって分離されたオイルパン30の上部側の空間をオイル受部71と称し、他方、オイルパン30の下部側の空間をオイル溜部72と称する。
上記オイル受部71は、サブタンク40側と連通するオイル通路(以下、「上側オイル通路51」と称する)によって接続される構成となっている。
つまり、オイル受部71は、エンジン本体10内部を巡ったオイルを直接的に受けて、上側オイル通路51を介してサブタンク40へ供給するものである。
また、上側オイル通路51には、後述する開閉弁61が設けられている。
また、上記オイル溜部72はオイルパン30の下部に位置して、オイルパン30の下部(底部)とサブタンク40の下部(底部)とを連通するオイル通路(以下、「下側オイル通路52」)によって接続され、且つエンジン本体10(潤滑油路等)へオイルを吸い上げるための吸入管32下端の吸入口が配置される構成となっている。
即ち、オイル受部71とオイル溜部72との各々に、サブタンク40と連通するオイル通路を設けている。
このように構成されているので、例えば開閉弁61が開いている場合には、オイル溜部72のオイルは吸入管32によってエンジン本体10へ吸い上げられると同時に、サブタンク40に貯溜されるオイルが下側オイル通路52を介してオイル溜部72へ供給される。つまり、オイルは図1中の太線矢印で示す如く循環する。
即ち、エンジン本体10を巡ったオイルは、先ずオイル受部71で受けられて上側オイル通路51を介してサブタンク40へ貯溜される。
そして、サブタンク40の底部分のオイルは、オイル溜部72のオイルが吸入管32によって吸い上げられる吸入力によって下側オイル通路52を介してオイル溜部72へ流入し、該吸入管32によってエンジン本体10へ吸い上げられてエンジン本体10内部を巡って、再びオイル受部71へ戻る。
つまり、上述のようにオイルパン30に仕切板31を設けることによって、オイルパン30内部のオイルと、サブタンク40内部のオイルとが循環して満遍なく利用できるようになる。
したがって、オイルは、従来と比較して偏ることなく均一に劣化するので、オイル交換等のメンテナンスの間隔を長くすることが可能となる。
また、仕切板31には、オイル受部71とオイル溜部72とを連通する孔90が設けられている。
このように仕切板31に孔90を設けることによって、例えば開閉弁61が開いている場合には、オイル受部71のオイルの一部を該孔90を介してオイル溜部72へ逃がし、他方、開閉弁61が閉じている場合には、オイル受部71のオイルをオイル溜部72へ流すことになる。
また、サブタンク40内部の圧力と、エンジン本体10のクランクケース又はオイルパン30の圧力とを均一に保つために、エンジン本体10とサブタンク40とが互いに均圧パイプ41によって連通される構成となっている。
即ち、エンジン本体10のクランクケースの側面とサブタンク40の上部との間に均圧パイプ41を配置することによって、エンジン本体10のピストン下方の空間内部とサブタンク40内部を連通するのである。
この均圧パイプ41によって、サブタンク40内部とオイルパン30内部とにおいて、オイルに満たされない空間の圧力が互いに均一に保たれるので、液面高さの不均衡を防止することが可能となる。
更に、サブタンク40とオイルパン30との圧力差が無くなるので、圧力差によるオイル液面の上下動が無くなるので、オイル液面の誤検知等が無くなり、正確な液量が検知されて、オイルの補給時期等が容易に分かるようになる。
ところで上述した上側オイル通路51は、図1に示すように、サブタンク40側に段差が形成されたものである。
この上側オイル通路51は、オイル受部71側が高く、サブタンク40側が低くなるように、階段状の段差が設けられるものである。
また、図1に示すように、オイルパン30、サブタンク40、及び上側オイル通路51におけるオイルの液面を点線で表示し、オイルで充満される部分を点線ハッチングで示した。
この場合、上側オイル通路51において、入口側は液面よりも高く、上側オイル通路51の出口側(サブタンク40側の段差の低い部分)は液面よりも低い(オイルによって充満する)状態となる。
したがって、エンジン本体10側からオイル受部71へオイルと共に流れ込む排気ガスが、サブタンク40へ流入しようとしても、上側オイル通路51の段差の低い部分(サブタンク40側)がオイルによって満たされるので、排気ガスがサブタンク40へ流入することはない。
つまり、上側オイル通路51のサブタンク40側がオイルによって満たされるように段差が形成されているので、排気ガスが、サブタンク40へ流入し、サブタンク40に貯溜されるオイルと接触することによってオイルが劣化することを防止することが可能となる。
また、上側オイル通路51のサブタンク40側の段差部分には、開閉弁61が設けられている。
この開閉弁61は、オイルパン30とサブタンク40とを循環するオイルの温度(油温)に基づいて開閉されるものである。
具体的には、油温が予め定められる設定温度以上になった場合に、該開閉弁61が開くように構成されている。
上記設定温度とは、エンジン本体10を効率良く運転させる油温のことであり、エンジン本体10の使用や用途等に応じて定まるものであり、エンジン本体10の開発段階等において求められるものである。
このような開閉弁61を設けることによって、次のような利点がある。
オイルが上記設定温度以下である場合には、開閉弁61が閉じた状態となり、オイルの流れの大略は、エンジン本体10→オイルパン30(オイル受部71)→孔90→オイルパン30(オイル溜部72)→エンジン本体10と循環することになる。
即ち、開閉弁61が閉じている場合には、オイル受部71のオイルがサブタンク40側に流入することはない。
他方、オイルが上記設定温度以上となった場合には、開閉弁61が開くことにより、オイルの流れの大略は、エンジン本体10→オイルパン30(オイル受部71)→サブタンク40→オイルパン30(オイル溜部72)→エンジン本体10と循環することになる。
即ち、開閉弁61が開いた場合には、上述した閉じた場合と異なって、オイル受部71のオイルがサブタンク40側に流入するような流れができる。
上述のように構成されているので、例えば、油温が高くなりすぎた場合にはオイルをサブタンク40へ流入させてオイルを冷却することが可能となり、他方、油温が低い場合にオイルをサブタンク40へ流入させずに循環させることで油温を急速に設定温度にまで暖めることが可能となるので、エンジン本体10の燃費等を向上させて、効率良く運転することが可能となる。
また、例えば、上記開閉弁61をサーモスタットで開閉するように構成することができる。
この場合のサーモスタットとしては、上述した設定温度(エンジン本体10を効率良く運転できる油温)で動作するものを採用することが望ましく、バイメタル等を用いたものでも良い。
この場合、バイメタルで直接弁を開閉したり、バイメタルで電気的接点をON/OFFさせることによって、ソレノイドを作動させて弁を開閉したりする構成であっても良い。
このように構成することによって、安価で簡単な構成で油温を設定温度になるように開閉弁61の弁開度を自在にコントロールすることが可能となる。
また、サーモスタットの替わりに、オイルの温度に基づいて弁開度を調節できる電磁式の弁を、開閉弁61として採用しても良い。
このような弁開度調節可能(通路可変式)な電磁式の弁の具体例としては、例えば、電磁弁や電磁比例弁等で構成することができる。
電磁弁の場合には、例えばACソレノイドを具備するものを採用することが望ましく、該ACソレノイドに流す電流をパルス幅変調方式(PWM方式)で制御することによって、電磁弁の開度を電磁比例弁と同様に弁開度調節することが可能となる。
また、開閉弁61に電磁式の弁を採用する場合には、図1に示すように、当該開閉弁61と、該オイルパン30内のオイルの温度を計測するための温度センサ81と、を制御するための制御手段の一例である制御部60に接続する。
また、制御部60は、上記開閉弁61の制御のみならず、エンジン本体10が設けられる空調機器等の設定に基づいて、エンジン本体10を自動制御するものであっても良い。
即ち、制御部60は、エンジン本体10及び空調機器全体を制御するものであっても良い。
このように構成することにより、制御部60は、温度センサ81が計測した温度に基づいて、開閉弁61の開閉制御を行うことが可能となる。
具体的には、上記設定温度を予め制御部60に記憶させておき、制御部60が、温度センサ81から取得した計測温度(即ち油温)と該設定温度とを比較し、計測温度が設定温度よりも高い場合には開閉弁61を開くようにし、他方、計測温度が設定温度よりも低い場合には開閉弁61を閉じるように制御するのである。(詳しくは、図4を用いて後述する。)
このように開閉弁61に電磁式の弁を採用することで、上述のサーモスタットを用いた場合と異なって、きめ細かく油温の制御を行うことが可能となるので、よりエンジン本体10の燃費を向上させて効率良くエンジン本体10を運転することが可能となる。
また、開閉弁61に電磁比例弁やACソレノイドを有する電磁弁を用いることで、単に開閉弁61を全開又は全閉するのみならず、弁開度を絞ったり大きくしたりする微調整を行うことが可能となるので、きめ細かく油温を調節することが可能となる。
次に、エンジン本体10の初回起動時と再起動時とで、開閉弁61に異なる制御を行う場合について、図2を用いて説明する。
先ず、操作者によって起動操作が行われる等によって、エンジン本体10が起動する(S10)。
上記ステップS10におけるエンジン本体10の起動は、操作者が空調機器を使用するためにスイッチを投入する場合のような初回起動のことを意味する。
つまり、空調機器を作動させるための操作が行われたときが初回起動時であり、このとき開閉弁61は閉じている。
続いて、制御部60は、エンジン本体10が再起動し、且つラジエータの水温が70度を超えているか否かを判断する(S20)。
このステップS20における判断は、制御部60が、空調機器が運転監視状態であって、且つ上記ステップS10の処理以降に制御部60自体の自動制御によってエンジン本体10が一時停止した後に再起動したか否かを判断することによって行う。
即ち、上記ステップS10の初回起動とは異なって、空調機器が自動制御で作動している状態で、エンジン本体10が一時停止した後に再起動するような場合を意味しており、制御部60はこのようなエンジン本体10の状態を作動中は常時把握している。
尚、エンジン本体10が一時停止すると、再起動に備えて油温を保つため開閉弁61は閉じられる。
また、このステップS20において、制御部60は、ラジエータに設けられた水温センサの計測値を取得し、例えば水温が70度を超えているか否かの判断も行っている。
ここでは具体的に基準水温を70度としているが、エンジン本体10の種類や空調機器の種類等に応じて、基準水温を70度以外に定めても良い。
このステップS20の判断で、エンジン本体10が再起動し、且つ水温が70度(基準温度)以上であると判断された場合に、制御部60は、例えば再起動後30秒以内に開閉弁61を開くようにする(S110)。
即ち、このステップS110では、制御部60が、エンジン本体10が一時停止した後の再起動した場合に、予め設定された時間(第2の設定時間)以内に開閉弁61を開く処理を行っている。
他方、上記ステップS20の判断で、エンジン本体10が再起動し、且つ水温が70度(基準温度)以上でないと判断された場合には、処理がステップS30へ移行する。
制御部60は、上記ステップS110におけるエンジン本体10の初回起動時からの運転時間が例えば5分を経過したか否かを判断する(S30)。
即ち、このステップS30においては、制御部60は、エンジン本体10の初回起動時からの運転時間が、予め設定された時間(第1の設定時間)を経過したか否かを判断している。
上記ステップS30では、判断の基準時間を5分としたが、エンジン本体10の種類や空調機器の種類等に応じて、基準時間を5分以外に定めても良い。
このステップS30の処理において、エンジン本体10が初回起動してから5分経過したと判断された場合に、制御部60は、開閉弁61を開く処理を行う(S120)。
上記ステップS30の処理で、エンジン本体10の初回起動時からの運転時間が5分を経過していないと判断された場合には、当該ステップS30の処理を繰り返す。
即ち、上記ステップS30及びステップS120の処理によって、エンジン本体10が初回起動した状態においては、上記第1の設定時間を経過した後でなければ開閉弁61を開く処理を行わない。
以上、ステップS10、S20、S30、S110、S120の処理が行われることで、初回起動時には開閉弁61が閉じられる時間(第1の設定時間)を確保することが可能となるので、冷えた状態のオイルを素早く適切な油温まで上昇させることが可能となる。
他方、再起動時には初回起動時と比較してオイルは既に温められているので、再起動時は初回起動時ほどの時間を要せず油温を上昇させることが可能となるので、開閉弁61を閉じている時間を上記第1の設定時間より短い第2の設定時間とすることで、油温を上昇させ過ぎることがなくなるのでオイルの劣化を防止し、適切に油温を調節することが可能となる。
即ち、上記ステップS10、S20、S30、S110、S120の処理が行われることで、初回起動時、又は再起動時に合わせて開閉弁61を閉じている時間を変化させることが可能となり、適切に油温を調節することが可能となる。
次に、図1の構成に更に図3に示すように、エンジン本体10の回転数を計測する回転数センサ82と、エンジンの負荷を計測する負荷センサ83と、を上記制御部60に接続する構成として、オイルパン30内部の油温を設定温度にする制御を行っても良い。
この場合においては、制御部60は、回転数センサ82と負荷センサ83とにより得られるエンジン本体10の回転数と負荷とに基づいて、燃料消費量を算出してオイルの温度を予測することによって、油温を設定温度となるように制御する。
尚、負荷センサ83の計測対象としては、ここでは具体的にエンジン本体10のトルクとする。即ち、負荷センサ83はトルクセンサとして機能するものである。
更に、エンジン本体10に関するデータとして、エンジン回転数と、負荷(トルク)と、燃料消費量と、予測されるオイルの温度(油温)と、の関係を示したマップを予め制御部60に記憶させておく。
このように構成することによって、制御部60は、回転数センサ82と負荷センサ83とから得られるエンジン回転数及びトルクに対応する燃料消費量及び油温を、該マップから具体的に算出することが可能となる。
ところで、3次元マップ等に、上述の如き4つ以上の関係を1つのマップに示すことは不可能である。
そこで、例えば第1のマップとして「エンジン回転数」、「負荷」、及び「燃料消費量」の関係を示し、第2のマップとして「燃料消費量」と「油温」との関係を示したものを制御部60に記憶させても良い。
即ち、制御部60は、先ず第1のマップを用いて、エンジン回転数及び負荷から燃料消費量を算出し、続いて、第2のマップを用いて、燃料消費量から油温の予測値を算出することになる。
これにより、負荷等が小さくて油温が上昇し辛いような状況でも、エンジン回転数や負荷の値から油温を予測することが可能となるので、開閉弁61を開閉制御するタイミングを適切に予測して実行することが可能となる。
また、温度センサ81が故障した場合等においても、上述のようにエンジン回転数と負荷との関係より油温を予測して知る(推定)ことが可能となる。
また、上述においては、負荷をトルクとして考えたが、この負荷を以下のように考えても良い。
スロットル開度と、無負荷におけるエンジン本体10の出力と、の関係を示した無負荷出力曲線が記載される無負荷出力マップを予め制御部60に記憶させておく。
この場合に、制御部60は、実際のスロットル開度及びエンジン本体10の出力と、上記無負荷出力マップと、の乖離を負荷として考える手法であっても良い。
即ち、この場合は既に上述した負荷をトルクとして考えた場合と異なって、エンジン本体10の実際の出力が、無負荷時の出力(マップの値)からどの程度低下(乖離)したかを知ることによって負荷の大きさを判断している
勿論、この場合においては、負荷センサ83はエンジン本体10の実際の出力を計測するものである。
次に、既に少し説明した、「制御部60が開閉弁61を温度センサ81の計測値に基づいて開閉制御する場合」について図4を用いて説明する。
尚、ここでは開閉弁61は具体的に電磁比例弁であるとし、開閉弁61を動作させるための基準となる設定温度は、上述のとおり制御部60に予め記憶されているものとする。
先ず、操作者によって起動操作が行われる等によって、エンジン本体10が起動する(S10)。
このステップS10の起動は、上述した初回起動のことを意味する。
次に、制御部60は、温度センサ81の計測値が制御部60自体に記憶される設定温度よりも大きい否かを判断する(S60)。
即ち、このステップS60の判断では、温度センサ81の計測値、即ちオイルパン30の油温が設定温度よりも高いか否かが判断される。
このステップS60の判断において、油温が設定温度よりも高いと判断された場合は処理がステップS130へ移行し、他方、油温が設定温度よりも低いと判断された場合は処理がステップS140へ移行する。
ステップS130の処理では、制御部60は開閉弁61を開く処理を行い(S130)、他方、ステップS140の処理では、制御部60は開閉弁61を閉じる処理を行う(S140)。
即ち、ステップS60の判断で油温が設定温度よりも高いと判断された場合は、オイルをサブタンク40を経由する経路で循環させることでオイルを冷却させる。
他方、ステップS60の判断で油温が設定温度よりも低いと判断された場合は、オイルをサブタンク40を経由させない経路で循環させることでオイルの冷却を抑制することで、油温を設定温度に近づける制御を行う。
勿論、開閉弁61に電磁比例弁を用いているので、実際の油温と設定温度との乖離の大きさに応じて、開閉弁61の弁開度を調節するようにしても良い。
このように温度センサ81に基づいて制御部60が開閉弁61を開閉制御することで、油温を素早く適切に設定温度にすることが可能となって、エンジン本体10を低燃費で安定的に効率良く運転することが可能となる。
30 オイルパン
31 仕切板
32 吸入管
40 サブタンク
51 上側オイル通路
52 下側オイル通路
60 制御部
61 開閉弁
81 温度センサ
82 回転数センサ
83 負荷センサ
Claims (6)
- エンジン本体に設けられるオイルパンと、該オイルパン近傍に設けられるサブタンクとをオイル通路を介して連通すると共に、
該オイルパンを上下に分離する仕切板が設けられ、該仕切板上に上下方向に連通する孔が設けられるオイル循環機構において、
上記オイルパン内における上記仕切板の上方の空間と、上記サブタンクとを連通するオイル通路に設定温度で開閉される開閉弁が設けられることを特徴とするオイル循環機構。 - 前記開閉弁は、サーモスタットで開閉されてなる請求項1記載のオイル循環機構。
- 前記開閉弁を電磁式の弁で構成すると共に、
前記オイルパン内のオイルの温度を計測する温度センサと、
上記電磁式の弁及び上記温度センサと接続される制御手段と、を具備し、
該制御手段は、上記温度センサの計測値に基づいて、上記電磁式の弁を開閉制御してなる請求項1記載のオイル循環機構。 - エンジン本体に設けられるオイルパンと、該オイルパン近傍に設けられるサブタンクとをオイル通路を介して連通すると共に、
該オイルパンを上下に分離する仕切板が設けられ、該仕切板上に上下方向に連通する孔が設けられるオイル循環機構において、
上記オイルパン内における上記仕切板の上方の空間と、上記サブタンクとを連通するオイル通路に電磁式の弁を設けると共に、該電磁式の弁を開閉制御するための制御手段を具備し、
該制御手段は、エンジンの初回起動時には第1の設定時間経過後に該開閉弁を開き、他方、エンジンが一時停止した後の再起動時には第2の設定時間以内に該開閉弁を開くように制御することを特徴とするオイル循環機構。 - エンジン本体に設けられるオイルパンと、該オイルパン近傍に設けられるサブタンクとをオイル通路を介して連通すると共に、
該オイルパンを上下に分離する仕切板が設けられ、該仕切板上に上下方向に連通する孔が設けられるオイル循環機構において、
上記オイルパン内における上記仕切板の上方の空間と、上記サブタンクとを連通するオイル通路に電磁式の弁と、
上記オイルパン内のオイルの温度を計測する温度センサと、
エンジンの回転数を計測する回転数センサと、
エンジンの負荷を計測する負荷センサと、
該電磁式の弁、該温度センサ、該回転数センサ、及び該負荷センサと接続される制御手段と、を具備し、
該制御手段は、該回転数センサと該負荷センサとより得られるエンジンの回転数と負荷とに基づいて、燃料消費量を算出してオイルの温度を予測することによって、
上記オイルパン内のオイルが設定温度となるように制御することを特徴とするオイル循環機構。 - エンジン本体に設けられるオイルパンと、該オイルパン近傍に設けられるサブタンクとをオイル通路を介して連通すると共に、
該オイルパンを上下に分離する仕切板が設けられ、該仕切板上に上下方向に連通する孔が設けられるオイル循環機構において、
上記オイルパン内における上記仕切板の上方の空間と、上記サブタンクとを連通するオイル通路に電磁式の比例弁と、
前記オイルパン内のオイルの温度を計測する温度センサと、
該比例弁及び該温度センサと接続される制御手段と、を具備し、
該制御手段は、上記温度センサの計測値に基づいて、該比例弁を制御することを特徴とするオイル循環機構。
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