JP2009006744A - 車両の冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ラジエターとポンプの能力を上げることなく、各コントローラの冷却を効率良くおこなう冷却システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の冷却システム10は、冷却水が循環するパイプ状の循環路18と、冷却水を循環させるためのポンプ20と、コントローラ12,14,16を冷却した際に暖められた冷却水を冷却するラジエター22と、コントローラ12,14,16への冷却水の流量を調節する比例弁24とが含まれる。各コントローラ12,14,16には、冷却に必要な量の冷却水が割り当てられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載された複数のコントローラを冷却するためのシステムに関するものである。
バッテリー・フォークリフトでは、走行・荷役・ステアリングに各専用コントローラ12,14,16が搭載されている(図5)。これらのコントローラ12,14,16を冷却水で冷却するシステム50は、1つの流量コントローラ52で各コントローラ12,14,16に一定流量の冷却水を供給している。そのため、過負荷状態で動作するコントローラ12,14,16があった場合、そのコントローラ12,14,16の温度上昇が激しくなる(図6)。コントローラ12,14,16の温度限界に達するとコントローラ12,14,16を保護するために出力を抑えるように制御する。そのため、バッテリー・フォークリフトの動作スピードが落ちたりしていた。
なお、特許文献1にポンプの駆動制御によって無駄な冷却をおこなわず、消費電力を抑える温度調節装置が開示されているが、装置の構成が複雑である。
特開2005−287149号公報
本発明は、ラジエターとポンプの能力を上げることなく、各コントローラの冷却を効率良くおこなう冷却システムを提供することを目的とする。
本発明の冷却システムは、車両に搭載された複数のコントローラを冷却水で冷却するために、冷却水を循環させるポンプと、ポンプから各コントローラへ冷却水を循環させるときに各コントローラへ分岐され、各コントローラからポンプに冷却水を戻すまでに再び合流する冷却水の循環路と、各コントローラの温度を測定する温度センサと、ポンプと各コントローラとの間の循環路の分岐された箇所において、各コントローラに対して設けられ、各コントローラへの冷却水の流量を調節する複数の比例弁と、温度センサが測定した温度によって各比例弁の開閉を制御する手段と、を含む。
この冷却システムは、各コントローラの温度が異なるのであれば、温度の低いコントローラの比例弁よりも温度の高いコントローラの比例弁が広く開けられる。コントローラ同士の温度が同じであれば、コントローラの比例弁が同じ広さに開けられる。
本発明は温度上昇の激しいコントローラに優先的に冷却水の流量を確保することで、そのコントローラの温度上昇を抑えることができる。温度上昇の小さいコントローラは冷却水の流量が少なくなるが、元々温度上昇が無いので制御に影響が出ない。各コントローラの温度を均一に保てる。ラジエター、ポンプの能力アップをすることなく効率良く冷却できる。
次に本発明の冷却システムの実施形態について図面を用いて説明する。バッテリー・フォークリフトの冷却システムを例に説明をおこなう。図1に示すように、例えば走行コントローラ12、荷役コントローラ14、ステアリング・コントローラ16である。これらのコントローラ12,14,16は、モータを駆動させるためのインバータ回路を含む。
図1に示す本発明の冷却システム10は、冷却水が循環するパイプ状の循環路18と、冷却水を循環させるためのポンプ20と、コントローラ12,14,16を冷却した際に暖められた冷却水を冷却するラジエター22と、コントローラ12,14,16への冷却水の流量を調節する複数の比例弁24とが含まれる。
図示した循環路18は、同時に矢印によって冷却水の循環方向も示している。循環路18は、ポンプ20から各コントローラ12,14,16へ冷却水を循環させる箇所で各コントローラ12,14,16へ分岐され、各コントローラ12,14,16からポンプ20に冷却水を戻すまでに再び合流する。コントローラ12,14,16の数だけ循環路18が分岐する。
ポンプ20とラジエター22は、それぞれ1つである。循環路18が1本になっている箇所にポンプ20とラジエター22が設けられる。本発明では、従来と比較してポンプ20やラジエター22の能力を上げない。
比例弁24は、循環路18の分岐した箇所に設けられる。本説明では、3つのコントローラ12,14,16があるため、3本に循環路18が分岐しており、3つの比例弁24が設けられる。各比例弁24は、対応するコントローラ12,14,16の温度に応じて開閉を変化させる。コントローラ12,14,16の温度が高いと比例弁24を開けて冷却水の流量を多くし、温度が低いと比例弁24を閉めて冷却水の流量を少なくする。以下、比例弁24を開閉するための構成について説明する。
図2に示す比例弁24を開閉するための構成は、温度センサ26、制御部28、比例弁24の駆動回路30を備える。
温度センサ26は、サーミスタなどが利用可能である。各コントローラ12,14,16に対して1つの温度センサ26を設けて各コントローラ12,14,16の温度を測定する。温度のデータは制御部28に送信される。
制御部28はマイコンなどからなる回路で、コントローラ12,14,16の温度に応じたPWM(pulse width modulation)信号を各駆動回路30に対して出力する。各コントローラ12,14,16の温度が異なれば、PWM信号によって、温度の低いコントローラ12,14,16の比例弁24よりも温度の高いコントローラ12,14,16の比例弁24が広く開けられ、コントローラ12,14,16同士の温度が同じであれば、コントローラ12,14,16の比例弁24が同じ広さに開けられる。
図3に示す駆動回路30は、比例弁24の弁軸を駆動させるソレノイドコイル32と、ソレノイドコイル32に流れる電流値を調節する電流調節回路34とを含む。比例弁24は、ソレノイドコイル32に流れる電流の大きさによって開口する大きさが異なる。電流調節回路34は、PWM信号を整流し、PWM信号に応じた電圧に変換する。その電圧によってトランジスタがオン・オフし、ソレノイドコイル32に流れる電源からの電流が変化する。制御部28から出力されたPWM信号によってソレノイドコイル32に流れる電流を調節することができ、比例弁24の開閉を制御することができる。すなわち、制御部28から出力されるPWM信号はコントローラ12,14,16の温度に対応したものであり、コントローラ12,14,16の温度に応じて比例弁24の開閉を制御することができる。例えば、ソレノイドコイル32に流れる電流の値が高くなると比例弁24が開き、低いと比例弁24が閉じる。
走行コントローラ12の温度をTT、冷却水の流量をTLとする。荷役コントローラ14の温度をHT、冷却水の流量をHLとする。ステアリング・コントローラ16の温度をST、冷却水の流量をSLとする。ポンプ20の流量はPL(TL+HL+SL=PL(一定))であるとする。TT=HT=STであると、TL=HL=SL=PL/3となる。TT>HT>STであると、TL>HL>SLとなる。TT=ST>HTであると、TL=SL>HLとなる。このような流量になるように、比例弁24が開閉される。なお、これらの説明は一例である。
一般的なフォークリフトでは、走行と荷役とが同時におこなわれることはまれである。走行中であれば、走行コントローラ12やステアリング・コントローラ16が動作し、荷役コントローラ14は停止する。したがって、走行中であれば、各コントローラ12,14,16における温度と流量は図4のようになる。走行コントローラ12の冷却水の流量が増えることにより、走行コントローラ12の冷却能力が高まる。走行コントローラ12の温度が上がりすぎて、その動作が制限されることを防止できる。また、荷役コントローラ14は温度が低いので、冷却水の流量が少なくても十分に動作できる。このように本発明は、全てのコントローラ12,14,16が同時に動作しないことを利用し、冷却がほとんど必要のないコントローラ12,14,16から冷却が必要なコントローラ12,14,16に冷却水をまわすようにしている。ラジエター22やポンプ20の能力を上げる必要がない。
上記のように、本発明は、ポンプ20の能力を一定にしたまま、温度の低いコントローラ12,14,16から温度の高いコントローラ12,14,16に冷却水を回すことができる。各コントローラ12,14,16には、冷却に必要な量の冷却水が割り当てられる。ポンプ20やラジエター22の能力を上げる必要はない。限られた冷却能力を最大限活用できるので、従来のような無駄な冷却が少なくなる。従来に比べて冷却効率がよいので、ポンプ20やラジエター22の能力を従来と比べて下げることができる。
バッテリー・フォークリフトを例に説明したが、他の車両であっても良い。コントローラの数も、複数であれば限定されない。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
本発明の冷却システムの冷却水の循環を示す図である。 比例弁の制御構成を示すブロック図である。 比例弁の駆動回路を示す図である。 コントローラの温度と冷却水の流量を示すグラフである。 従来の冷却システムの冷却水の循環を示す図である。 従来のコントローラの温度と冷却水の流量を示すグラフである。
符号の説明
10:冷却システム
12,14,16:コントローラ
18:循環路
20:ポンプ
22:ラジエター
24:比例弁
26:温度センサ
28:制御部
30:駆動回路
32:ソレノイドコイル
34:電流調節回路

Claims (2)

  1. 車両に搭載された複数のコントローラを冷却水で冷却するために、
    冷却水を循環させるポンプと、
    前記ポンプから各コントローラへ冷却水を循環させる箇所で各コントローラへ分岐され、各コントローラからポンプに冷却水を戻す循環路と、
    前記各コントローラの温度を測定する温度センサと、
    前記ポンプと各コントローラとの間の循環路の分岐された箇所に設けられ、各コントローラへの冷却水の流量を調節する複数の比例弁と、
    前記温度センサが測定した温度によって各比例弁の開閉度を制御する手段と、
    を含み、
    各コントローラの温度が異なる場合、温度の低いコントローラの比例弁よりも温度の高いコントローラの比例弁が広く開けられ、コントローラ同士の温度が同じ場合、コントローラの比例弁が同じ広さに開けられた冷却システム。
  2. 前記各比例弁に取り付けられる比例弁の駆動回路が、
    電流の流れにより前記比例弁の弁軸を駆動させるソレノイドコイルと、
    前記ソレノイドコイルに流れる電流の値を調節するために、トランジスタを含む電流調節回路と、
    を含み、
    前記開閉度を制御する手段が、温度センサが測定したコントローラの温度に対応したPWM信号を出力し、電流調節回路のトランジスタのスイッチングを制御することにより、ソレノイドコイルに流れる電流を調節する請求項1の冷却システム。
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