JP2005147028A - ハイブリッド車の冷却装置及び冷却方法 - Google Patents

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秀隆 大塚
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Abstract

【課題】 冷却性能が異なる電機部品と機械部品の冷却を可能とした。
【解決手段】 冷媒温度>100℃の場合、機械部品を有する第2の冷却系統2の冷媒温度を下げるために、第1バルブ22を閉じ、第2、第3バルブ31,32を開け、第2の冷却系統2の冷媒を、第1の冷却系統1に注入する。このとき、第2、第3バルブ31,32を開放する前に、第1のウォータポンプ(WP)16の出力を、第2のWP24の出力以上に高めて、第1の冷却系統1の流速を上げる。これにより、第1の冷却系統1と第2の冷却系統2の冷媒が混ざる領域において、第1の冷却系統1の設定温度60℃を越えたとしても、ラジエータファン14の冷却能力以内であれば、ラジエータ13の下流側にあるインバータユニット11とモータ12(電機部品)には、60℃以下の冷媒が供給されるため、電機部品は確実に冷却される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、エンジンと駆動用モータ、インバータユニットを搭載したハイブリッド車の冷却装置及び冷却方法において、駆動用モータとインバータユニットの冷却系とエンジン冷却系を開閉手段により連通可能としたハイブリッド車の冷却装置及び冷却方法に関するものである。
ハイブリッド車の冷却装置として、駆動用モータの駆動制御を行なう強電系コントロールユニットを冷却する冷却系統と、エンジンのシリンダブロックを冷却する冷却系統と、駆動用モータ及び/またはエンジンのシリンダヘッドを冷却する冷却系統とを備え、エンジンと駆動用モータとの駆動状態に基づいて、
エンジンと駆動用モータと強電系コントロールユニットとを選択的にあるいは同時に冷却するように冷却系統を動作させるようにしていた。
特開2000−073763号公報
しかしながら、上述のハイブリッド車の冷却装置では、駆動用モータとエンジンのシリンダヘッドとを同一の冷却系統で冷却するようにしていたが、モータ(電機部品)とエンジン(機械部品)とが要求する冷却性能が異なる場合には、同一の冷却系統で冷却することができず、すなわち別個の冷却系統で冷却しなければならず、部品点数が多くなり、重量増、コストアップを招いてしまう問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、冷却性能が異なる電機部品と機械部品を有する2つの冷却系統を、開閉手段により連通させて、両部品の冷却を可能として両冷却系統の共用化を図り、部品点数の低減、且つ軽量化を図って、コストを低減したハイブリッド車の冷却装置及び冷却方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を達成するために、第1の冷却系統で電機部品を冷却し、第2の冷却系統で機械部品を冷却するように構成し、第1の冷却系統と第2の冷却系統とを連通させる開閉手段を設け、この開閉手段を制御手段で制御するようにしたものである。
以上述べたように、本発明によれば、電機部品と機械部品との冷却温度(設定温度)が異なっても、開閉手段による冷却系統の連通に基づいて、両部品の冷却系統を共用化しつつ冷却することができる利点がある。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係るハイブリッド車の冷却装置の概略構成図で、このハイブリッド車の冷却装置は第1の冷却系統1と第2の冷却系統2から構成される。
第1の冷却系統1は、冷却される電機部品からなるインバータユニット11と駆動モータ12、ラジエータ13、ラジエータファン14、冷却媒体(冷却水)流路15、冷却媒体を循環させる第1のウォータポンプ16、冷却媒体の温度と比較する第1の設定温度を定める第1温度センサ17から構成される。
第2の冷却系統2は、冷却される機械部品からなるエンジン21、開閉手段である第1バルブ22、冷却媒体(冷却水)流路23、冷却媒体を循環させる第2のウォータポンプ24、冷却媒体の温度と比較する第2の設定温度を定める第2温度センサ25から構成される。
第1と第2の冷却系統1,2は、開閉手段である第2と第3バルブ31,32で連通されるように図示しない制御手段により制御される。また、第1バルブ22も上記連通時に制御手段により制御される。
上記のように構成された冷却装置の第1の冷却系統1では、高温に弱い電気系部品により構成されているインバータユニット11の性能を確保するとともに、モータ12の効率を保持することができるように、冷却媒体の温度を第1の設定温度60℃以下とし、第2の冷却系統2では、通常設定されるエンジン21の冷却媒体温度を、最高温度である100℃前後に第2の設定温度を選んでいる。
次に上記のように構成されたハイブリッド車の冷却装置の作用を、図2から図4により述べる。
(a)まず、図2により、第2の冷却系統2の冷却媒体温度が≦100℃の場合について述べる。
第2温度センサ25で検知した温度が≦100℃の場合、第2の冷却系統2の設定温度まで冷却媒体温度を上げるために、第2と第3バルブ31、32を図示しない制御手段からの制御指令により閉じ、第1の冷却系統1の冷却媒体が流入するのを阻止する。
また、エンジン21の局所的な温度上昇を避けるために、第1バルブ22を制御手段からの制御指令により開け、第2のウォータポンプ24を動作させて、第2の冷却系統2に冷却媒体を図示矢印26のように循環させる。
上記一連の手順を示すと、次のようになる。第2のウォータポンプ24を駆動する→第1バルブ22を開く→第2バルブ31を閉じる→第3バルブ32を閉じる。
一方、第1の冷却系統1における第1のウォータポンプ16とラジエータファン14は、冷却媒体の温度が第1の設定温度60℃以下を保持するように動作させる。
例えば、第1の冷却系統1の冷却媒体温度が30℃〜50℃では、第1のウォータポンプ16とラジエータファン14の出力を低下させ、その温度が30℃以下では、第1のウォータポンプ16の出力を低下させるのみならず、ラジエータファン14を停止させることで、第1のウォータポンプ16とラジエータファン14の消費電力を抑えることができる。
また、第1の冷却系統1の冷却媒体温度が50℃以上の場合には、第1のウォータポンプ16の出力を上げると共に、ラジエータファン14の出力も上げる。さらに、冷却媒体温度が第1の設定温度60℃以上の場合には、インバータユニット11、モータ12の出力を制限する。なお、第1の冷却系統1に示した図示矢印18は冷却媒体の流れる様子を示す。
(b)次に、第2の冷却系統2の冷却媒体温度>100℃の場合について述べる。図3は、この場合における冷却媒体の流れる様子を示す説明図である。
図3において、第2温度センサ25で検知した冷却媒体温度が>100℃の場合、第2の冷却系統2の冷却媒体温度を下げるために、第1バルブ22を閉じ、第2、第3バルブ31,32を開け、第2の冷却系統2の冷却媒体を、第1の冷却系統1に注入し、第1の冷却系統1の冷却媒体温度が60℃以下の冷却媒体を第2の冷却系統2の冷却媒体に混入させる。
このとき、冷却媒体温度が60℃以下である第1の冷却系統1に、第2の冷却系統2の冷却媒体温度が100℃以上の冷却媒体を混入させると、第1の冷却系統1と第2の冷却系統2の冷却媒体が混ざる領域の冷却媒体温度がラジエータファン14の冷却能力以上に上昇し、第1の冷却系統1における第1の設定温度60℃以下を保持できなくなってしまう。
上記のような不具合を防止するために、第2、第3バルブ31,32を開放する前に、第1のウォータポンプ16の出力を、第2のウォータポンプ24の出力以上に高めて、第1の冷却系統1の流速を上げるようにする。
上記の一連の手順を示すと、次のようになる。第1のウォータポンプ16の出力を上げる→第3バルブ32を開ける→第2バルブ31を開ける→第1バルブ22を閉じる。
一般に、流量Qは、Q=A×v(A:流路断面積、v:流速)で表される。流路断面積が一定であるとすると、流量は流速に比例するため、第1のウォータポンプ16の出力を上げることで、第1の冷却系統1の流量を第2の冷却系統2の流量より増やすことが可能になる。
第2の冷却系統2の冷却媒体の流入によって、冷却媒体温度が上がる第1の冷却系統1の冷却媒体温度は、それぞれの冷却系統の流量と冷却媒体温度に依存するため、冷却媒体温度の高い第2の冷却系統2の流量に比べ、冷却媒体温度が低い第1の冷却系統1の流量を増やすことで、ラジエータファン14の冷却能力内に温度上昇を抑えることが可能となる。
いま仮に、第1の冷却系統1内にあるラジエータ13上流側の冷却媒体流路15で第1の冷却系統1と第2の冷却系統2の冷却媒体が混ざる領域において、第1の冷却系統1の第1の設定温度60℃を越えたとしても、ラジエータファン14の冷却能力以内であれば、ラジエータ13の下流側にあるインバータユニット11とモータ12には、60℃以下の冷却媒体が供給されるため、その冷却媒体温度でインバータユニット11とモータ12は確実に冷却されるので、インバータユニット11とモータ12の冷却には支障はない。
(c)次に、第1の冷却系統1の冷却媒体温度が設定温度60℃以上で、かつ第2の冷却系統2の冷却媒体温度が設定温度100℃以上の場合について述べる。
図4において、インバータユニット11、モータ12が過熱若しくはエンジン21が過度の高負荷状態において、第1の冷却系統1の冷却媒体温度が設定温度60℃以上、かつ第2の冷却系統2の冷却媒体温度が設定温度100以上となる可能性がある。
このような場合、インバータユニット11、モータ12が過熱している場合と、エンジン21が過熱している場合とで分け、設定温度との差異が大きい方を選択する。
(1)、インバータユニット11とモータ12が過熱している場合。
この場合には、インバータユニット11、モータ12の出力を制限し、第1のウォータポンプ16の出力を、第2のウォータポンプ24の出力より上げて高くし、第2、第3バルブ31,32を開き、第1バルブ22を閉じる。
この一連の手順を示すと、インバータユニット11、モータ12の出力を制限し→第1のウォータポンプ16の出力を上げる→第3バルブ32を開ける→第2バルブ31を開ける→第1バルブ22を閉じる手順で行なう。
(2)、エンジン21が過熱している場合。
エンジン21の出力を制限し、第1のウォータポンプ16の出力を、第2のウォータポンプ24の出力より上げて高くし、第2、第3バルブ31,32を開き、第1バルブ22を閉じる。
この一連の手順を示すと、エンジンの出力を制限し→第1のウォータポンプ16の出力を上げる→第3バルブ32を開ける→第2バルブ31を開ける→第1バルブ22を閉じる手順で行なう。
上記のように構成した実施の形態では、第1の冷却系統の設定温度を60℃以下として高温に弱い電機部品により構成されているインバータユニットの性能を確保し、かつモータの効率を保持し、第2の冷却系統の設定温度を100℃前後としてエンジンを冷却するようにして、両冷却系統をバルブにて必要に応じて連通させ、ウォータポンプにて流速を制御するようしたので、電機部品の温度上昇を抑えることができるとともに、両冷却系統を部分的に共通化することができ、小型化が可能となる。
なお、特許請求の範囲の構成要件と、本実施の形態との対応関係は以下の通りである。
インバータユニット11、モータ12、ラジエータ13、ラジエータファン14、冷却媒体流路15、第1のウォータポンプ16、第1温度センサ17が第1の冷却系統を、エンジン21、第1バルブ22、冷却媒体流路23、第2のウォータポンプ24、第2温度センサ25が第2の冷却系統を、第1温度センサ17が第1の設定温度を、第2温度センサ25が第2の設定温度を、インバータユニット11、モータ12が電機部品を、エンジン21が機械部品を、第1から第3バルブ22、31、32が開閉手段とを構成する。
本発明の実施の形態に係るハイブリッド車の冷却装置を示す概略構成図。 第2の冷却系統の冷却媒体温度が≦100℃の場合における冷却媒体の流れる様子する示す説明図。 第2の冷却系統の冷却媒体温度>100℃の場合における冷却媒体の流れる様子を示す説明図。 第1の冷却系統の冷却媒体温度が60℃以上で、かつ第2の冷却系統の冷却媒体温度が100℃以上の場合における冷却媒体の流れる様子を示す説明図。
符号の説明
1…第1の冷却系統
2…第2の冷却系統
11…インバータユニット
12…モータ
13…ラジエータ
14…ラジエータファン
15、23…冷却媒体流路
16…第1のウォータポンプ
17…第1温度センサ
21…エンジン
22…第1バルブ
24…第2のウォータポンプ
25…第2温度センサ
31…第2バルブ
32…第3バルブ

Claims (7)

  1. 第1の冷却系統と、
    第2の冷却系統と、
    第1の設定温度以下となるように、第1の冷却系統で冷却される電機部品と、
    第1の設定温度より高い第2の設定温度範囲となるように、少なくとも第2の冷却系統で冷却される機械部品と、
    第1の冷却系統の冷却媒体を、第2の冷却系統へ連通させる開閉手段と、
    前記開閉手段による第1の冷却系統から第2の冷却系統への連通を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするハイブリッド車の冷却装置。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車の冷却装置において、
    前記第1及び第2の冷却系統の冷却媒体温度が、それぞれ第1及び第2の設定温度未満である場合には、開閉手段を閉じることで、第1の冷却系統によって電機部品を冷却し、第2の冷却系統によって機械部品を冷却するように制御することを特徴とするハイブリッド車の冷却装置。
  3. 請求項1記載のハイブリッド車の冷却装置において、
    前記第2の冷却系統の冷却媒体温度が、第2の設定温度を超え、且つ第1の冷却系統の冷却媒体温度が第1の設定温度未満である場合には、前記開閉手段を開くことで、第1の冷却系統の冷却媒体流出側と第2の冷却系統の冷却媒体流入側とを連通させ、第2の冷却系統の冷却媒体流出側と第1の冷却系統の冷却媒体流入側とを連通させ、この連通された冷却系統によって電機部品および機械部品とを冷却するように制御することを特徴とするハイブリッド車の冷却装置。
  4. 請求項1記載のハイブリッド車の冷却装置において、
    前記第1の冷却系統の冷却媒体温度が、第1の設定温度を超え、且つ第2の冷却系統の冷却媒体温度が第2の設定温度を超えている場合には、
    前記開閉手段を開くことで、第1の冷却系統の冷却媒体流出側と第2の冷却系統の冷却媒体流入側とを連通させ、第2の冷却系統の冷却媒体流出側と第1の冷却系統の冷却媒体流入側とを連通させ、この連通された冷却系統によって電機部品および機械部品とを冷却するように制御すると共に、
    電機部品と機械部品のどちらが過熱しているかを判断し、過熱している装置の出力を低減すると共に、過熱側の冷却系統の流量が、過熱していない冷却系統の流量よりも多くなるように制御することを特徴とするハイブリッド車の冷却装置。
  5. 請求項3記載のハイブリッド車の冷却装置において、
    第1の冷却系統の冷却媒体は、第2の冷却系統を流れる流速よりも第1の冷却系統を流れる流速が速くなるように、第1冷却系統の駆動出力が制御されるようにしたことを特徴とするハイブリッド車の冷却装置。
  6. 請求項1から5に記載のハイブリッド車の冷却装置において、
    前記電機部品は、車両を駆動するモータ及びモータを制御するインバータであり、
    前記機械部品は、車両を駆動するエンジンであることを特徴とするハイブリッド車の冷却装置。
  7. 第1の設定温度以下となるように、第1の冷却系統で電機部品を冷却する過程と、
    第1の設定温度より高い第2の設定温度範囲となるように、少なくとも第2の冷却系統で機械部品を冷却する過程と、
    第1の冷却系統の冷却媒体を、第2の冷却系統へ連通させる開閉過程と、
    前記開閉過程による第1冷却系統から第2冷却系統への連通を制御する制御過程と、
    からなることを特徴とするハイブリッド車の冷却方法。
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