JP2006076397A - エアバッグドア - Google Patents
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Abstract
【課題】ドアパネルの開放に消費されるエアバッグのエネルギーを少なくし得るようにする。
【解決手段】エアバッグ装置50に設けた係止フック56を、連結部34に設けた係止口64に対し遊嵌状態で係止させる。またドアパネル30は、連結部34に弾性変形可能に設けた係止突部60と外周鍔部32とにより基材12に固定される。エアバッグドアADは、エアバッグ装置50の作動時に、係止突部60が連結部34の内側方向へ弾性変形して基材12との係止状態が解除されることで、係止フック56が係止口64と完全に係止するまで基材12から全体的に浮上する。これにより基材12と外周鍔部32との間に、該外周鍔部32の折曲を許容する隙間Sが画成される。なお外周鍔部32は、ヒンジ部36の延長ラインに沿うよう延在する脆弱部66が形成され、折曲変形し易くなっている。
【選択図】図3
【解決手段】エアバッグ装置50に設けた係止フック56を、連結部34に設けた係止口64に対し遊嵌状態で係止させる。またドアパネル30は、連結部34に弾性変形可能に設けた係止突部60と外周鍔部32とにより基材12に固定される。エアバッグドアADは、エアバッグ装置50の作動時に、係止突部60が連結部34の内側方向へ弾性変形して基材12との係止状態が解除されることで、係止フック56が係止口64と完全に係止するまで基材12から全体的に浮上する。これにより基材12と外周鍔部32との間に、該外周鍔部32の折曲を許容する隙間Sが画成される。なお外周鍔部32は、ヒンジ部36の延長ラインに沿うよう延在する脆弱部66が形成され、折曲変形し易くなっている。
【選択図】図3
Description
本発明は、エアバッグドアに関し、更に詳細には、車両内装部材を構成する基材に設けられるドアパネルと、このドアパネルと一体的に形成されて該ドアパネルを囲繞する外周鍔部と、これらドアパネルおよび外周鍔部の境界部分から裏側へ延出してエアバッグ装置に連結される連結部とからなり、連結部の端縁に沿って形成されたヒンジ部を中心としたドアパネルの開放が許容されるエアバッグドアに関するものである。
近年生産される殆どの乗用車には、対向車との衝突事故の発生時における乗員保護を図る装置の一つとして、運転席用のエアバッグ装置および助手席用のエアバッグ装置が標準的に装備されている。ここで図8に例示するように、助手席用のエアバッグ装置50は、乗員室内の前方に組付けた車両内装部材であるインストルメントパネル10の内側に、乗員席から見えないよう格納した状態で搭載されている。このため、インストルメントパネル10を構成する合成樹脂製の基材12には、エアバッグ装置50のインフレータケース52に対応する位置に、このエアバッグ装置50の作動時に外方へ開放するエアバッグドアAD1が設けられている。ここで、図8に例示したインストルメントパネル10は、所要形状にインジェクション成形された基材12と、この基材12の外側に配設される表皮材14と、これら基材12および表皮材14の間で発泡成形された発泡体16とからなる3層構造となっており、開放前のエアバッグドアAD1は表皮材14および発泡体16で被覆されて外側から視認されないようになっている。
前述した基材12は、インストルメントパネル10に要求される強度および剛性等を確保するため、例えばポリプロピレン(PP)やAS等の合成樹脂材料に適宜の強化剤を添加した比較的硬質の素材から形成された成形部材とされる。このため、表皮材14および発泡体16で被覆された前述のインビジブルタイプのエアバッグドアAD1では、TPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマ)等の柔軟性や靭性に優れた合成樹脂材料を素材として基材12とは別体に成形され、該基材12に設けたドア設置部18へ別工程で組付けるようにした基材別体タイプが採用される場合が多い。
このような基材別体タイプのエアバッグドアAD1は、図8および図9に例示するように、基材12の外面に臨むよう設けられるドアパネル30と、このドアパネル30と一体的に形成されて該ドアパネル30を囲繞する外周鍔部32と、これらドアパネル30および外周鍔部32の境界部分から裏側へ角筒状に延出してエアバッグ装置50に連結される連結部34とからなり、これらが一体的に形成された単一のドア成形体として構成されている。そしてドアパネル30は、連結部34の端縁に沿って形成されたヒンジ部36を中心として、基材12の外方への開放が許容されるようになっている。なお図示のエアバッグドアAD1は、H字形のドア破断予定線38を延設することで2枚のドアパネル30,30から構成された両開きタイプであるが、これ以外に、1枚のドアパネルから構成された片開きタイプ、4枚のドアパネルから構成された四方開きタイプ等が実施されている。
前述したエアバッグドアAD1は、図8に例示したように、基材12に凹設したドア設置部18に対して該基材12の表側から取付けられ、連結部34の外面に突設された複数の係止爪部40と前述の外周鍔部32とにより基材12に係止固定されるようになっている。すなわち、連結部34はドア設置部18の開口部20に挿通し得る形状・サイズに設定され、また外周鍔部32は該ドア設置部18の支持段部22に密着的に整合する形状・サイズに設定されており、外周鍔部32および係止爪部40が支持段部22の端縁に対して表裏から係止される。これにより、ドアパネル30が基材12の外面と略一致した状態となると共に、外周鍔部32の裏面が支持段部22の表面に密着した状態となり、前述した発泡体16の成形に際して該発泡体16の漏出を防止することが可能となっている。なお、このようなエアバッグドアに関しては、例えば特許文献1に開示されている。
特開2003−182496号公報
ところで従来のエアバッグドアAD1は、連結部34の端縁に沿って形成されたヒンジ部36を中心としてドアパネル30が外方へ開放するに際し、エアバッグ54の押圧力による開放力が該ドアパネル30へ作用するようになるため、該ヒンジ部36の外側に隣接して該ドアパネル30の開放時にその後方に位置する外周鍔部32の後端部分42(図9の網掛け部分)には、ドアパネル30の開放変位に伴って下方へ押し下げる応力が作用するようになる。しかしながら各係止爪部40は、図8および図10に例示したように、連結部34の壁面に固定的に突設されており、エアバッグ装置50の作動によりエアバッグ54の押圧力がドアパネル30,30の裏側に加わった場合でも支持段部22の裏側に係止保持されるため、該ドアパネル30,30が開放変位するに際して外周鍔部32は、常に支持段部22に対して密着した状態に保持される構造となっている。しかも外周鍔部32は、ドアパネル30の外側を囲繞する所謂額縁形態に形成されているため、ドアパネル30の側方に位置する側端部分44(図9の網掛け部分以外の部分)により、後端部分42だけの部分的な変形が起こり難い形態となっている。
従って図10および図11に例示するように、ドアパネル30が開放変位するに際して外周鍔部32の後端部分42は全く変形しないため、図10に例示したように該後端部分42に反力が作用し、開放を開始したドアパネル30には、その開放初期段階から閉成方向へ押し戻そうとする応力(反力)が作用することとなる。これによりエアバッグドアAD1の開放には、この反力の分だけドアパネル30の開放力が弱くなるため、その開放初期段階からエアバッグ54による大きなエネルギーを要するものとなり、該ドアパネル30の開放にエアバッグ54のエネルギーが多く消費される問題を内在していた。
従って本発明は、ドアパネルの開放に際して外周鍔部が変形し易い構造とすることで、該ドアパネルの開放に消費されるエアバッグのエネルギーを少なくし得るようにしたエアバッグドアを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、
車両内装部材を構成する基材に設けられるドアパネルと、このドアパネルと一体的に形成されて該ドアパネルを囲繞する外周鍔部と、これらドアパネルおよび外周鍔部の境界部分から裏側へ延出してエアバッグ装置に連結される連結部とからなり、前記連結部の端縁に沿って形成されたヒンジ部を中心とした前記ドアパネルの開放が許容されるエアバッグドアにおいて、
前記エアバッグ装置に設けた係止部を、前記連結部に設けた係止受部に対し遊嵌状態で係止させ、
前記エアバッグ装置の作動時には、前記係止部が係止受部と完全に係止するまで前記基材から全体的に浮上させ、該基材と前記外周鍔部との間に該外周鍔部の折曲を許容する隙間を画成するよう構成したことを特徴とする。
車両内装部材を構成する基材に設けられるドアパネルと、このドアパネルと一体的に形成されて該ドアパネルを囲繞する外周鍔部と、これらドアパネルおよび外周鍔部の境界部分から裏側へ延出してエアバッグ装置に連結される連結部とからなり、前記連結部の端縁に沿って形成されたヒンジ部を中心とした前記ドアパネルの開放が許容されるエアバッグドアにおいて、
前記エアバッグ装置に設けた係止部を、前記連結部に設けた係止受部に対し遊嵌状態で係止させ、
前記エアバッグ装置の作動時には、前記係止部が係止受部と完全に係止するまで前記基材から全体的に浮上させ、該基材と前記外周鍔部との間に該外周鍔部の折曲を許容する隙間を画成するよう構成したことを特徴とする。
本発明に係るエアバッグドアによれば、エアバッグ装置の作動時には基材から全体的に浮上して外周鍔部の折曲変形が許容される隙間が画成されるため、外周鍔部が容易に変形してドアパネルの開放が助長されるようになり、該ドアパネルの開放に消費されるエアバッグのエネルギーを少なくし得る有益な効果を奏する。しかも外周鍔部は、脆弱部を設けたことにより一段と変形し易くなり、ドアパネルの開放に消費されるエネルギーの更なる減少が期待できる。
次に、本発明に係るエアバッグドアにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお後述する実施例では、2枚のドアパネルからなる両開きタイプを例示する。従って、図8〜図11に例示した従来のエアバッグドアAD1と同一部材・部位については同一の符号を付して説明する。
図1は、好適実施例に係るエアバッグドアを例示した概略斜視図であり、図2は図1に例示したエアバッグドアをインストルメントパネルに取付けた実施状態を示した部分断面図である。本実施例のエアバッグドアADが装着されるインストルメントパネル10は、図8等に例示した従来のものと同様に、所要形状に形成した基材12と、この基材12の外面に配設されて意匠面を形成する表皮材14と、これら基材12および表皮材14の間で発泡成形した発泡体16とからなる3層構造タイプのものであり、基材12に設けたドア設置部18に取付けたエアバッグドアADはインストルメントパネル10の外面からは視認されない。なお、支持段部22および開口部20からなるドア設置部18を設けた基材12、表皮材14および発泡体16は、基本的には図8に例示した従来と同一で変更はないので、ここでは夫々の詳細な説明は省略する。
本実施例のエアバッグドアADは、図1および図2に例示したように、例えばTPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマ)等の柔軟性および靭性に優れた合成樹脂材料を材質としたインジェクション成形されたもので、基材12の外面に臨むよう設けられる2枚のドアパネル30,30と、これらドアパネル30,30と一体的に形成されて該ドアパネル30を囲繞する外周鍔部32と、これらドアパネル30および外周鍔部32の境界部分から裏側へ角筒状に延出してエアバッグ装置50に連結される連結部34とからなっている。そしてドアパネル30は、連結部34の端縁に沿って形成されたヒンジ部36を中心として、基材12の外方への開放が許容されるようになっている。
各ドアパネル30,30間の境界ラインおよび該ドアパネル30,30と外周鍔部32との境界ラインには、平面H字形に延在するドア破断予定線38が延設されており、エアバッグ54の押圧力を受けた際に該ドア破断予定線38が破断することで、各々のドアパネル30,30は対応のヒンジ部36を中心とした開放変位が許容されるようになっている。なおドア破断予定線38は、裏側に所要深さの溝を延設することで薄肉に形成された脆弱部分で、エアバッグ54の押圧力による応力が集中し易くなっている。
連結部34は、前述したエアバッグ装置50のインフレータケース52よりも一回り大きなサイズに設定されており、外周鍔部32に隣接した部位には、周方向へ所要間隔毎に複数の係止突部60が設けられている。これら各係止突部60は、図3に例示するように、その下端部だけが連結部34に接合されていてその上端部が該連結部34の内側方向へ弾性変形し得るように形成されていると共に、外周鍔部32に隣接する側に傾斜面62が形成されている。従って、エアバッグドアADを基材12のドア設置部18に取付けた際には、図2に例示したように、各係止突部60の傾斜面62が支持段部22の端面に係止した状態となり、これら係止突部60と外周鍔部32とによりエアバッグドアADが基材12へ安定的に固定されるようになる。
また、エアバッグ装置50の作動により膨張を開始したエアバッグ54の押圧力が各ドアパネル30,30の裏面に加わった際には、図3に例示するように、各係止突部60が連結部34の内側方向へ弾性変形して支持段部22に対する係止状態が解除され、エアバッグドアADの全体的な浮上を許容するようになっている。従って、基材12(ドア設置部18)からエアバッグドアADが全体的に浮上することにより、外周鍔部32と支持段部22(基材12)との間に適宜の隙間Sが画成されるようになる。
また連結部34には、エアバッグ装置50のインフレータケース52に設けた係止フック(係止部)56が遊嵌的に係止される係止口(係止受部)64が、各々の係止フック56に対応して開口形成されている。これら係止口64は、図2に例示するように、エアバッグ装置50の作動前状態では係止フック56との間に所要の隙間Tが形成されるサイズに設定されている。従ってエアバッグドアADは、エアバッグ装置50に設けた各係止フック56を、連結部34に設けた対応の係止口64に対し遊嵌状態で係止させておくことにより、エアバッグ54の押圧力がドアパネル30,30の裏側に加わった際に、図3に例示したように、各係止フック56が各係止口64の下縁に当接して完全に係止する位置まで基材12に対する全体的な浮上が許容される。
前述したように、エアバッグ装置50の作動時に基材12に対して浮上可能に取付けられることを前提とした本実施例のエアバッグドアADには、前述した外周鍔部32に、ヒンジ部36の延長ラインに沿うよう延在した脆弱部66を有している。すなわち外周鍔部32は、この脆弱部66により、ヒンジ部36の外側に隣接してドアパネル30の後端側に位置する後端部分(第1鍔部)42と、該ドアパネル30の側端側に位置する側端部分(第2鍔部)44とに、便宜的に区分されている。これにより外周鍔部32は、前述した脆弱部66,66の存在により、ドアパネル30の開放に際し、側端部分44に対して後端部分42が折曲し得るようになっている。
脆弱部66は、外周鍔部32の表面32Aに、ヒンジ部36の延長ラインに沿うよう所要深さの溝68を形成することにより、直線状の薄肉に設けられたものである。また本実施例では、この脆弱部66は、図2に示したように、連結部34の壁厚中央に整合する位置において、ヒンジ部36の延長ラインに沿うよう延在形成されている。これにより、ドアパネル30がヒンジ部36を中心として開放する際には 図4および図5に例示するように外周鍔部32が脆弱部66で折曲し、側端部分44に対して後端部分42が下方へ傾動することが可能となっている。すなわち、後端部分42の傾動変位を側端部分44が阻害することがなく、該後端部分42だけが容易に変形するようになる。従って、外周鍔部32の後端部分42が傾動変位し易くなっているため、ドアパネル30の容易な開放変位を実現し得るようになっている。
次に、前述のように構成された本実施例のエアバッグドアの作用につき、図2〜図5を引用して説明する。
エアバッグ装置50の作動前(非作動時)では、図2に例示するように、外周鍔部32および各係止突部60がドア設置部18の支持段部22の端縁に対して表裏から挟持的に係止されることで、エアバッグドアADは基材12に対して好適に固定されている。なお、エアバッグ装置50のインフレータケース52に設けた各係止フック56が、連結部34に形成した各係止口64に対し遊嵌的に係止されており、これら係止フック56と係止口64との間に隙間Tが形成されている。
そして、エアバッグ装置50が作動した際には、エアバッグ54がインフレータケース52から連結部34内へ膨張して各ドアパネル30,30の裏側を押圧するようになる。これによりエアバッグドアADは、図3に例示するように、支持段部22の端縁が各係止突部60の傾斜面62を押圧するため、該係止突部60が連結部34の内側方向へ押されて弾性的に傾動変形するようになり、基材12から全体的に浮上することが許容される。従ってエアバッグドアADは、各ドアパネル30および外周鍔部32の上面に位置した表皮材14および発泡体16を押し上げ、各係止フック56が対応の各係止口64の下端に完全に係止するまで全体的に浮上する。これにより、基材12(支持段部22)と外周鍔部32との間に、該外周鍔部32の折曲を許容する隙間Sが画成される。
そして、各係止フック56が各係止口64へ係止して連結部34がエアバッグ装置50に係止された後、更にエアバッグ54の押圧力が各ドアパネル30,30の裏側に加わるとドア破断予定線38が破断し、かつ発泡体16および表皮材14もこのドア破断予定線38に沿って破断することで、図4に例示するように、両ドアパネル30,30はヒンジ部36を中心としてインストルメントパネル10の外方へ開放するようになる。このとき前述したように、エアバッグドアADの浮上に伴って外周鍔部32と支持段部22との間に隙間Sが画成されているため、ドアパネル30,30の開放変位に伴って下方へ押し下げる応力が作用するようになった後端部分42は、下方へ適宜に変位するようになる。しかも、エアバッグドアADの浮上に伴って表皮材14および発泡体16に突張力が作用するようになるため、後端部分42にはこれら表皮材14および発泡体16による押下力が作用し、ドアパネル30にはむしろ開放方向への応力が作用するようになる。
すなわち開放初期段階においては、ドアパネル30と後端部分42とが連結部34の端部を中心として単一のパネルの如く変位するようになり、該ドアパネル30にはエアバッグ54による開放力および開放方向への応力が同時に作用するので、該ドアパネル30は容易に開放変位するようになる。従って本実施例のエアバッグドアADは、図10等に例示した従来のエアバッグドアADよりも小さいエネルギーでの開放変位が可能となり、ドアパネル30の開放のために消費されるエアバッグ54のエネルギーが、従来より場合よりも小さく抑えられるようになる。
このように本実施例のエアバッグドアADでは、エアバッグ装置50の作動時には、基材12から全体的に浮上して外周鍔部32の後端部分42の折曲変形が許容される隙間Sが画成されるため、該外周鍔部32(後端部分42)が容易に変形してドアパネル30の開放が助長されるようになり、該ドアパネル30の開放に消費されるエアバッグ54のエネルギーを少なくし得る有益な効果を奏する。しかも外周鍔部32は、後端部分42と側端部分44とを区分する脆弱部66を設けたことにより一段と変形し易くなっており、ドアパネル30の開放に消費されるエネルギーの更なる減少が期待できる。
なお、本実施例のエアバッグドアADの場合、図3に例示したように、基材12に対して全体的に浮上した時点で表皮材14および発泡体16に突張力が作用するため、ドアパネル30の開放変位前に、後端部分42が押下げられて外周鍔部32が折曲することもあり得る。このように、ドアパネル30の開放前に外周鍔部32が折曲した場合にも、エアバッグ54の押圧力および外周鍔部32の変形による応力がドアパネル30へ同時に作用するようになるため、該ドアパネル30のスムーズな開放変位が期待できる。
なお前述した実施例では、ヒンジ部36の延長ラインに沿って外周鍔部32の表面32Aに溝68を形成することで脆弱部66を設けた場合を例示したが、外周鍔部32の裏面32Bに溝68を形成するようにしても脆弱部66を好適に設けることができる。また、外周鍔部32の表面32Aおよび裏面32Bの両方に溝68を形成するようにしても脆弱部66を好適に設けることが可能である。
また脆弱部66は、前述した溝68により形成されるものに限定されるものではなく、例えば図6に例示するように、外周鍔部32の表面32Aおよび/または裏面32Bに、複数のミシン目状の有底孔70を形成することで設けるようにしてもよい。
更に、前述した発泡体16の漏出防止が図られる場合には、図7に例示するように、スリット72を形成することにより脆弱部66を設けるようにしてもよい。
また更に、前述した実施例では、2枚のドアパネル30,30からなる両開きタイプのエアバッグドアADを例示したが、1枚のドアパネルからなる片開きタイプや、4枚のドアパネルからなる四方開きタイプにも好適に実施可能である。
一方、前述した実施例では、基材12、発泡体16および表皮材14からなる3層構造のインストルメントパネル10にエアバッグドアADを設けた場合を例示したが、本願のエアバッグドアADは、基材12からなる単層構造のインストルメントパネルや、基材12および表皮材14からなる2層構造のインストルメントパネルに実施することも可能である。
更に、本発明に係るエアバッグドアは、インストルメントパネルに設けたものに限定されるものではなく、これ以外にドアパネル等に設けたサイドエアバッグ装置に付帯されるエアバッグドアや、ピラーガーニッシュおよびルーフサイドパネル(ルーフパネル)等に設けたカーテンエアバッグ装置に付帯されるエアバッグドア等も対象とされる。
本発明に係るエアバッグドアは、車両内装部材を構成する基材の外面に設けられるドアパネルと、このドアパネルと一体的に形成されて該ドアパネルを囲繞する外周鍔部と、これらドアパネルおよび外周鍔部の境界部分から裏側へ延出してエアバッグ装置に連結される連結部とからなり、この連結部の端縁に沿って形成されたヒンジ部を中心としたドアパネルの開放が許容されるエアバッグドアであって、エアバッグ装置を搭載した種々自動車等に好適に実施可能である。
12 基材
30 ドアパネル
32 外周鍔部
32A 表面
32B 裏面
34 連結部
36 ヒンジ部
50 エアバッグ装置
56 係止フック(係止部)
60 係止突部
64 係止口(係止受部)
66 脆弱部
68 溝
S 隙間
30 ドアパネル
32 外周鍔部
32A 表面
32B 裏面
34 連結部
36 ヒンジ部
50 エアバッグ装置
56 係止フック(係止部)
60 係止突部
64 係止口(係止受部)
66 脆弱部
68 溝
S 隙間
Claims (5)
- 車両内装部材を構成する基材(12)に設けられるドアパネル(30)と、このドアパネル(30)と一体的に形成されて該ドアパネル(30)を囲繞する外周鍔部(32)と、これらドアパネル(30)および外周鍔部(32)の境界部分から裏側へ延出してエアバッグ装置(50)に連結される連結部(34)とからなり、前記連結部(34)の端縁に沿って形成されたヒンジ部(36)を中心とした前記ドアパネル(30)の開放が許容されるエアバッグドアにおいて、
前記エアバッグ装置(50)に設けた係止部(56)を、前記連結部(34)に設けた係止受部(64)に対し遊嵌状態で係止させ、
前記エアバッグ装置(50)の作動時には、前記係止部(56)が係止受部(64)と完全に係止するまで前記基材(12)から全体的に浮上させ、該基材(12)と前記外周鍔部(32)との間に該外周鍔部(32)の折曲を許容する隙間(S)を画成するよう構成した
ことを特徴とするエアバッグドア。 - 前記連結部(34)に設けた係止突部(60)と前記外周鍔部(32)とにより前記基材(12)に対して固定され、
前記係止突部(60)は、前記エアバッグ装置(50)の作動時に、連結部(34)の内側方向へ弾性変形して基材(12)との係止状態が解除されるようになっている請求項1記載のエアバッグドア。 - 前記外周鍔部(32)に、前記ヒンジ部(36)の延長ラインに沿うよう延在する脆弱部(66)を形成した請求項1または2記載のエアバッグドア。
- 前記脆弱部(66)は、前記連結部(34)の壁厚中央に整合するよう延在形成されている請求項3記載のエアバッグドア。
- 前記脆弱部(66)は、前記外周鍔部(32)の表面(32A)および/または裏面(32B)に形成した溝(68)により設けられる請求項3または4記載のエアバッグドア。
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