JP2006074901A - Dc−dcコンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】出力電圧が設定出力電圧値に到達した起動直後から、通常動作時の負荷が発生するまでの期間において、出力電圧負荷が減少し、電流非連続モードへ移行することにより、DC−DCコンバータの安定性が悪くなり、電子機器において異常動作を引き起こす原因となる。
【解決手段】ダミー負荷15と直列に接続されたスイッチ素子16を、起動終了後から通常時負荷が発生するまでの期間にオン状態とし、ダミー負荷Idを発生させて電流非連続モードに移行しないように起動制御手段30が制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】ダミー負荷15と直列に接続されたスイッチ素子16を、起動終了後から通常時負荷が発生するまでの期間にオン状態とし、ダミー負荷Idを発生させて電流非連続モードに移行しないように起動制御手段30が制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明はスイッチング素子を介して直流電源入力を開閉し、所定電圧の直流電源出力を生成するDC−DCコンバータに関する。
様々な電子機器において、例えば乾電池の直流入力電圧をスイッチング素子とコイルを用い、直流電圧レベルの異なる安定な直流出力電圧を供給するDC−DCコンバータが用いられている。
DC−DCコンバータには、直流入力電圧よりも低い直流出力電圧を供給する降圧形、直流入力電圧よりも高い直流出力電圧を供給する昇圧形、直流入力電圧と極性の異なる直流出力電圧を供給する昇降圧形の3種類が一般的に知られている。
以下、昇圧形の一例である特許文献1を説明する。
図4はこの従来の昇圧形DC−DCコンバータを示し、コイル3とNチャンネルMOSFET1との直列回路に直流入力電圧Viを印加し、NチャンネルMOSFET1を昇圧形DC−DCコンバータ制御回路12の出力信号でスイッチングして出力電圧Voを得る。2はNチャンネルMOSFET1のオフ時にコイル3がその付勢電流を維持しようとして発生する高電圧を平滑コンデンサ4に与えて平滑コンデンサ4を充電し、且つその逆流を阻止するダイオードである。19は出力電圧Voの出力電圧負荷である。
図4はこの従来の昇圧形DC−DCコンバータを示し、コイル3とNチャンネルMOSFET1との直列回路に直流入力電圧Viを印加し、NチャンネルMOSFET1を昇圧形DC−DCコンバータ制御回路12の出力信号でスイッチングして出力電圧Voを得る。2はNチャンネルMOSFET1のオフ時にコイル3がその付勢電流を維持しようとして発生する高電圧を平滑コンデンサ4に与えて平滑コンデンサ4を充電し、且つその逆流を阻止するダイオードである。19は出力電圧Voの出力電圧負荷である。
昇圧形DC−DCコンバータ制御回路12は、次のように構成されている。
オペアンプ8とコンパレータ11で構成された回路は、オペアンプ8の非反転入力端子(+)に前記出力電圧Voの出力分圧抵抗6,7による分圧検出値を入力し、オペアンプ8の反転入力端子(−)に基準電圧VREFを印加して誤差検出を実施している。9はオペアンプ8のフィードバック回路を構成する位相補償抵抗、5は同じく位相補償用の位相補償コンデンサである。18はクランプ用ダイオードで、オペアンプ8の出力端子を“基準電圧VREF+ダイオード順方向電圧”にクランプする。
オペアンプ8とコンパレータ11で構成された回路は、オペアンプ8の非反転入力端子(+)に前記出力電圧Voの出力分圧抵抗6,7による分圧検出値を入力し、オペアンプ8の反転入力端子(−)に基準電圧VREFを印加して誤差検出を実施している。9はオペアンプ8のフィードバック回路を構成する位相補償抵抗、5は同じく位相補償用の位相補償コンデンサである。18はクランプ用ダイオードで、オペアンプ8の出力端子を“基準電圧VREF+ダイオード順方向電圧”にクランプする。
コンパレータ11の反転入力端子(−)には、前記位相補償コンデンサ5と位相補償抵抗9との接続点であるフィードバック端子20の電圧が印加され、コンパレータ11の非反転入力端子(+)には、図外の発振器から周期Tの三角波が印加されており、その比較出力をNチャンネルMOSFET1のゲートに与えてオン/オフ駆動している。ここでコンパレータ11は増幅動作せずに比較動作だけを実行している。
このように構成された従来の昇圧形DC−DCコンバータは通常時に以下のように動作する。
コンパレータ11の出力が“H”レベルの時には、NチャンネルMOSFET1がオンし、直流入力電圧Viよりコイル電流Icoilがコイル3とNチャンネルMOSFET1の直列回路に流れ、コイル3にエネルギーが充電される。
コンパレータ11の出力が“H”レベルの時には、NチャンネルMOSFET1がオンし、直流入力電圧Viよりコイル電流Icoilがコイル3とNチャンネルMOSFET1の直列回路に流れ、コイル3にエネルギーが充電される。
次に、コンパレータ11の出力が“L”レベルになると、コイル3のエネルギーは放電を開始し、そのコイル電流Icoilはダイオード2を通り、平滑コンデンサ4、出力電圧負荷19、出力電圧Voを分圧する出力分圧抵抗6,7に流れ、平滑コンデンサ4を充電し、出力電圧Voを上昇させる。
出力電圧負荷19が一定の時には、三角波10の1周期(T)におけるコンパレータ11の出力信号のデューティは一定で動作する。出力電圧負荷19が増加した時には、出力電圧Voは過渡的に下がることによりオペアンプ8の非反転入力端子(+)の電圧も下がる。これによって、フィードバック端子20の電圧が下がり、三角波10の1周期(T)におけるコンパレータ11の出力の“H”レベルのデューティが大きくなり、三角波10の1周期(T)におけるNチャンネルMOSFET1がオンする期間が長くなり、コイル3に充電されるエネルギーが増加する。そのため、平滑コンデンサ4への充電量が増加し、出力電圧Voが上がることにより、本来の設定された出力電圧Voを発生させるようにループ動作を行う。
逆に、出力電圧負荷19が減少した時には、出力電圧Voは過渡的に上がることによりオペアンプ8の非反転入力端子(+)の電圧も上がる。オペアンプ8の非反転入力端子(+)の電圧が上がると、フィードバック端子20の電圧が上がり、三角波10の1周期(T)におけるコンパレータ11の出力の“H”レベルのデューティが小さくなり、三角波10の1周期(T)におけるNチャンネルMOSFET1がオンする期間が短くなり、コイル3に充電されるエネルギーが減少する。そのため、平滑コンデンサ4への充電量が減少し、出力電圧Voが下がることにより、本来の設定された出力電圧Voを発生させるようにループ動作を行う。
ここでDC−DCコンバータにおける電流連続モードと電流非連続モードについて図5,図6,図7を用いて説明をする。
図5は昇圧形DC−DCコンバータ簡易図を示し、図4におけるNチャンネルMOSFET1がコイル3の付勢電流を周期的に断続する充電スイッチ21として表示されている。
図5は昇圧形DC−DCコンバータ簡易図を示し、図4におけるNチャンネルMOSFET1がコイル3の付勢電流を周期的に断続する充電スイッチ21として表示されている。
図6は電流連続モードにおけるコイル3の端子電圧Vcoilと電流Icoilを示しており、充電スイッチ21がオンの時には、コイル3には直流入力電圧Viが印加されるため、コイル3の電流Icoilは“Vi/L”の傾きにより上昇し、コイル3にエネルギーを充電する。次に充電スイッチ21がオフになると、コイル3の電流Icoilはダイオード2を通り出力電圧負荷19の負荷Rloadと平滑コンデンサ4に流れ、平滑コンデンサ4を充電し出力電圧Voを上昇させる。この時、コイル3には“Vi−Vf−Vo”の電圧がかかるため、コイル3の電流Icoilは“(Vi−Vo−Vf)/L”の傾きにより減少する。ここでVfはダイオード2の順方向電圧である。
次にコイル3の電流Icoilがゼロになる前に充電スイッチ21が再びオンし、直流入力電圧Viからコイル3へのエネルギーの充電を再開する。このようにコイル3の電流Icoilが常にゼロにならない状態で動作するのが電流連続モードである。電流連続モードにおける出力電圧Voは1周期(T)における充電スイッチ21のオン時間の割合であるオンデューティDを用いると、“Vo≒Vi/(1−D)”で表され、オンデューティDが変動する事により出力電圧Voが変化する。オンデューティDが微小に変化した時の出力電圧の変化量は、
dVo/dD(s)≒
Gdo・(1−s/ωz2)/{1+s/(ωo・Q)+s2/ωo 2}・・(式1)
Gdo ≒ Vi/(1−D)2,
ωz2 ≒(1−D)2・Rload/L,
ωo ≒ 1/√(L・C)・√{(1−D)2・Rload/Rload}
Q ≒ ωo・C・Rload
となる事が知られている。
dVo/dD(s)≒
Gdo・(1−s/ωz2)/{1+s/(ωo・Q)+s2/ωo 2}・・(式1)
Gdo ≒ Vi/(1−D)2,
ωz2 ≒(1−D)2・Rload/L,
ωo ≒ 1/√(L・C)・√{(1−D)2・Rload/Rload}
Q ≒ ωo・C・Rload
となる事が知られている。
一方、図7は電流非連続モードにおけるコイル3の端子電圧Vcoilと電流Icoilを示しており、充電スイッチ21がオンの時には、コイル3には直流入力電圧Viがかかるため、コイル3の電流Icoilは“Vi/L”の傾きにより上昇し、コイル3にエネルギーを充電する。次に充電スイッチ21がオフになると、コイル3の電流Icoilはダイオード2を通り出力電圧負荷19のRloadと平滑コンデンサ4に流れ、平滑コンデンサ4を充電し出力電圧Voを上昇させる。この時、コイル3には“Vi−Vf−Vo”の電圧がかかるため、コイル3の電流Icoilは“(Vi−Vo−Vf)/L”の傾きにより減少する。
図6に示した電流連続モードでは、コイル3の電流Icoilがゼロになる前に充電スイッチ21が再びオンしていたが、この電流非連続モードにおいては、コイル3の電流Icoilが一旦ゼロになってから充電スイッチ21が再びオンをし、直流入力電圧Viからコイル3へのエネルギーの充電を再開する。この電流非連続モードにおける出力電圧Voは1周期(T)における充電スイッチ21のオン時間の割合であるオンデューティDを用いると、
Vo ≒ Vi・{1+√(2・D2・Rload・T/L)}/2
で表され、オンデューティDが変動する事により出力電圧Voが変化をする。オンデューティDが微小に変化した時の出力電圧の変化量は、
dVo/dD(s)≒ Gdo・1/(1+s/ωp)・・・・・・(式2)
Gdo ≒ 2・Vo/D・(Vo/Vi−1)/(2・Vo/Vi−1)
ωp ≒ 2・(Vo/Vi−1)/{(Vo/Vi−1)・Rload・C}
となる事が知られている。
Vo ≒ Vi・{1+√(2・D2・Rload・T/L)}/2
で表され、オンデューティDが変動する事により出力電圧Voが変化をする。オンデューティDが微小に変化した時の出力電圧の変化量は、
dVo/dD(s)≒ Gdo・1/(1+s/ωp)・・・・・・(式2)
Gdo ≒ 2・Vo/D・(Vo/Vi−1)/(2・Vo/Vi−1)
ωp ≒ 2・(Vo/Vi−1)/{(Vo/Vi−1)・Rload・C}
となる事が知られている。
電流連続モードのオンデューティDの微小変化による出力電圧Voへの小信号特性を表す(式1)と、電流非連続モードのオンデューティDの微小変化による出力電圧Voへの小信号特性を表す(式2)より、電流連続モードと電流非連続モードとでは、オンデューティDの微小変化による出力電圧Voへの小信号特性が異なる事が分かる。そのため、電流連続モードと電流非連続モードの両モードでの動作を安定に行うためには、両モードでの安定性を確保した位相補償を行う必要がある。また、電流連続モードと電流非連続モードとの分岐負荷値は、
Rload=2・L/T・Vo3/(Vo−Vi)/Vi2 ・・・・・・・・(式3)
と表され、Rloadが上記(式3)より大きい時には電流非連続モードで動作し、Rloadが上記(式3)より小さい時には電流連続モードで動作する。
特開平7−227082号公報
Rload=2・L/T・Vo3/(Vo−Vi)/Vi2 ・・・・・・・・(式3)
と表され、Rloadが上記(式3)より大きい時には電流非連続モードで動作し、Rloadが上記(式3)より小さい時には電流連続モードで動作する。
従来の昇圧形DC−DCコンバータは、条件次第ではコイルの電流が常に発生している電流連続モードと、コイルの電流がゼロになる期間が発生する電流非連続モードとの両モードで動作する。そして、電流連続モードと電流非連続モードはそれぞれに異なった小信号特性であるため、両動作モードでの安定性を確保するために、複雑な位相補償回路を使用する場合がある。
このことは、回路の複雑化、部品が増えることによるコストの増加が発生する。また、前記両モードの安定性を確保するために、片方の優れた周波数特性を意図的に犠牲にし、周波数特性を低く設計する場合もある。このことは、負荷の急変においての特性を悪化させる。
これらの問題を解決する1つの方法は、DC−DCコンバータの出力電圧負荷を事前に調査する事により解決可能である。つまり、前述の(式3)を用い、常に電流連続モード、もしくは常に電流非連続モードで動作するように各定数を設定するのである。
しかし、(式3)を用いて常に電流連続モードで動作する定数設定をしたDC−DCコンバータにおいても、起動直後に問題が発生する。
この問題点を図8の波形図を用いて説明する。
この問題点を図8の波形図を用いて説明する。
図8の(a)は出力電圧Vo、図8(b)はコイル3の電流Icoil、図8(c)は負荷電流値のIloadで、横軸は何れも時間のグラフである。時間A点において昇圧形DC−DCコンバータが起動し、時間B点において出力電圧Voが設定出力電圧値に到達する。時間A点からB点までは出力電圧Voを設定出力電圧まで上昇させる必要があるため、平滑コンデンサ4を充電する必要がある。そのためこの期間においては電流連続モードと電流非連続モード分岐負荷値よりも大きな負荷電流値のIloadが発生し、コイル3の電流Icoilがゼロにならない電流連続モードで動作する。
出力電圧Voが設定出力電圧値に到達する時間B点以降の負荷は、定常的には出力電圧負荷のみとなる。多くの電子機器においてDC−DCコンバータの出力電圧負荷は、DC−DCコンバータの出力電圧が設定出力電圧に到達した後に発生する事が多い。このことはDC−DCコンバータの出力電圧が設定出力電圧に到達してから、通常時負荷が発生するまでの時間C点までにいくらかの時間が必要であることを意味する。つまり、時間B点からC点までは負荷電流値のIloadが一旦減少し、電流連続モードと電流非連続モード分岐負荷値を下回り、電流非連続モードに移行してしまう。そのため、DC−DCコンバータの安定性が悪くなり、出力電圧が発振し、電子機器において異常動作を引き起こす原因となってしまう。
本発明は、常に電流連続モードもしくは常に電流非連続モードで動作するように各定数を設定した場合に、複雑な位相補償回路を必要とせず、且つ周波数特性を意図的に低く設計する必要もなく、安定に動作するDC−DCコンバータを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載のDC−DCコンバータは、スイッチング素子を介して直流電源入力を開閉して電圧変換した出力電圧を発生するように電流連続モードで動作し、電流連続モード用に位相補償されたDC−DCコンバータであって、起動終了後から通常時負荷が発生するまでの期間に、ダミー負荷を発生させ電流非連続モードに移行しないように制御する起動制御手段を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のDC−DCコンバータは、コイルにエネルギーを充電し充電されたエネルギーを放電させるスイッチ回路と、前記放電されたエネルギーを平滑する平滑コンデンサと、出力電圧が常に一定になるように前記スイッチ回路を制御するスイッチング制御回路と、前記出力電圧のラインに接続され負荷の大きさを変更可能なダミー負荷と、前記コイル電流がゼロになることなく動作する電流連続モード用に最適に位相補償を施し、出力電圧が設定出力電圧値に到達した起動直後から、通常動作時の負荷が発生するまでの間、前記コイル電流がゼロになる期間が発生する電流非連続モードに移行することを妨げるように前記ダミー負荷を接続し、常に前記コイル電流が発生する電流連続モードで動作するように制御する起動制御手段とを設けたことを特徴とする。
本発明の請求項3記載のDC−DCコンバータは、請求項2において、前記ダミー負荷は、起動動作終了信号を検出して前記ダミー負荷を発生させ、通常動作時負荷が発生する通常動作時負荷発生信号により前記ダミー負荷をオフするよう構成したことを特徴とする。
本発明の請求項4記載のDC−DCコンバータは、請求項2において、前記ダミー負荷は、起動動作終了信号を検出して前記ダミー負荷を発生させ、規定の設定時間後に前記ダミー負荷をオフするよう構成したことを特徴とする。
この構成によれば、出力電圧が設定出力電圧値に到達した起動直後から、通常動作時の負荷が発生するまでの期間において、出力電圧負荷が減少し、前記コイル電流がゼロになる期間が発生する電流非連続モードへの移行を妨げるようにダミー負荷を発生させるため、常に、最適に位相補償を施した、前記コイル電流がゼロになることなく動作する電流連続モードで動作することが可能なため、複雑な位相補償回路を必要とせず、且つ周波数特性を意図的に低く設計する必要もなく、電圧変換後の出力電圧が電源電圧として給電されている各種の電子機器を安定に運転できる。
以下、本発明のDC−DCコンバータを各実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の(実施の形態1)の昇圧形DC−DCコンバータを示し、図2はその要部のタイムチャートを示す。
(実施の形態1)
図1は本発明の(実施の形態1)の昇圧形DC−DCコンバータを示し、図2はその要部のタイムチャートを示す。
この回路例は、通常の消費電力の通常運転状態(ノーマルモード)とこの通常運転状態よりも消費電力が少なくパワーオン信号を検出して通常運転状態へ移行する待機状態(スリープモード)とを有する駆動対象装置を、従来例を示した図4における出力電圧負荷19としている。図1では、電圧変換後の出力電圧Voが電源電圧として給電されているマイクロコンピュータ17が駆動対象装置である。
図1の昇圧形DC−DCコンバータは、コイル3とNチャンネルMOSFET1との直列回路に直流入力電圧Viを印加し、NチャンネルMOSFET1を昇圧形DC−DCコンバータ制御回路12Aの出力信号でスイッチングして出力電圧Voを得る。2はNチャンネルMOSFET1のオフ時にコイル3がその付勢電流を維持しようとして発生する高電圧を平滑コンデンサ4に与えて平滑コンデンサ4を充電し、且つその逆流を阻止するダイオードである。この実施の形態では、コイル3にエネルギーを充電し充電されたエネルギーを放電させるスイッチ回路が、NチャンネルMOSFET1とダイオード2とで構成されている。このスイッチ回路を制御するDC−DCコンバータ制御回路12Aは、次のように構成されている。
オペアンプ8とコンパレータ11で構成された回路は、オペアンプ8の非反転入力端子(+)に前記出力電圧Voの出力分圧抵抗6,7による分圧検出値を入力し、オペアンプ8の反転入力端子(−)に基準電圧VREFを印加して誤差検出を実施している。9はオペアンプ8のフィードバック回路を構成する位相補償抵抗、5は位相補償コンデンサである。オペアンプ8は増幅動作と比較動作を実行している。
コンパレータ11の反転入力端子(−)には、オペアンプ8の出力と位相補償抵抗9との接続点であるフィードバック端子20の電圧が印加され、コンパレータ11の非反転入力端子(+)には、図外の発振器から周期Tの三角波10が印加されており、その比較出力をNチャンネルMOSFET1のゲートに与えてオン/オフ駆動している。
起動制御手段30は、DC−DCコンバータ制御回路12Aの動作ならびにダミー負荷を制御するものである。詳しくは、電圧変換後の出力電圧Voの給電ラインには、ダミー負荷15とスイッチ素子16との直列回路が接続されている。スイッチ素子16は、起動信号発生回路13とダミー負荷制御回路14を介して制御されている。
図1におけるDC−DCコンバータ制御回路12Aの構成を図2に基づいて説明する。
起動信号発生回路13はパワーオン信号S1とCLK入力を受け、起動信号S2と起動動作終了信号S3を発生させる。ダミー負荷制御回路14は起動動作終了信号S3と通常動作時負荷発生信号S4を受け、ダミー負荷発生信号S5を発生させる。前記マイクロコンピュータ17は、起動動作終了信号S3を検出して通常動作時負荷発生信号S4を発生させる。
起動信号発生回路13はパワーオン信号S1とCLK入力を受け、起動信号S2と起動動作終了信号S3を発生させる。ダミー負荷制御回路14は起動動作終了信号S3と通常動作時負荷発生信号S4を受け、ダミー負荷発生信号S5を発生させる。前記マイクロコンピュータ17は、起動動作終了信号S3を検出して通常動作時負荷発生信号S4を発生させる。
まず図2の時間A点において、パワーオン信号S1が“L”レベルから“H”レベルとなり、パワーオン信号S1を受けた起動信号発生回路13は起動信号S2を“L”レベルから“H”レベルへと動作させる。
起動信号S2が“H”レベルになると昇圧形DC−DCコンバータ制御回路12Aが起動動作を開始して、出力電圧Voを設定出力電圧値まで上昇させる。この期間が図2の時間A点からB点である。このとき起動動作終了信号S3,通常動作時負荷発生信号S4,ダミー負荷発生信号S5は“L”レベルになっており、スイッチ素子16はオフ状態になっていて、ダミー負荷15としての抵抗器にはダミー電流Idが流れていない。
この時間A点からB点においては、平滑コンデンサ4への充電電流が必要なため、負荷電流値のIloadは電流連続モードと電流非連続モード分岐負荷値よりも大きく、安定な電流連続モードで動作をする。ある一定CLK入力期間により出力電圧Voは設定出力電圧値に到達する。
この時の時間B点において、起動信号発生回路13は起動信号S2を“H”レベルから“L”レベルへ、起動動作終了信号S3を“L”レベルから“H”レベルへと反転させる。
起動信号S2が“L”レベルになると、昇圧形DC−DCコンバータ制御回路12Aが起動動作を停止する。起動動作終了信号S3が“L”レベルから“H”レベルになると、ダミー負荷制御回路14がダミー負荷発生信号S5を“L”レベルから“H”レベルに反転させ、スイッチ素子16をオンさせ、ダミー電流Idを発生させる。
また、起動動作終了信号S3が“L”レベルから“H”レベルに反転したことによってマイクロコンピュータ17に起動が終了したことを伝えるが、これを認識したマイクロコンピュータ17は瞬時に動作を開始せずに、正常動作までに時間B点からC点が必要となる。
この時間B点からC点において、図8の従来の昇圧形DC−DCコンバータ動作波形図では、負荷電流値のIloadが電流連続モードと電流非連続モード分岐負荷値を下回るため、不安定な電流非連続モード動作に移行し、出力電圧Voが不安定になってしまい、発振することがあるのに対して、この(実施の形態1)では図2の時間B点からC点においてダミー負荷発生信号S5を“L”レベルから“H”レベルに反転させ、スイッチ素子16をオンさせ、ダミー電流Idを発生させるため、負荷電流値のIloadは電流連続モードと電流非連続モード分岐負荷値を上回り、安定な電流連続モード動作を継続する。
マイクロコンピュータ17が正常動作を行い始めた時の時間C点において、マイクロコンピュータ17は通常動作時負荷発生信号S4を“L”レベルから“H”レベルに反転させる。これによってダミー負荷制御回路14がダミー負荷発生信号S5を“H”レベルから“L”レベル反転させてスイッチ素子16をオフしてダミー電流Idをオフする。
時間C点以降には、マイクロコンピュータ17が電流連続モードと電流非連続モード分岐負荷値を上回る負荷電流値のIloadを発生させるため、常に安定な電流連続モードで動作を行うことが可能である。
つまり、この(実施の形態1)の昇圧形DC−DCコンバータでは、起動終了後の時間B点からマイクロコンピュータ17の通常時負荷が発生するまでの時間C点までの間には、ダミー負荷抵抗15によるダミー負荷を発生させることによって安定な電流連続モードで動作させ、電流非連続モードに移行しないようにして不安定状態に陥ることを妨いでおり、複雑な位相補償回路を必要とせず、且つ周波数特性を意図的に低く設計する必要もなく、電圧変換後の出力電圧が電源電圧として給電されているマイクロコンピュータ17を安定に運転できる。
(実施の形態2)
図3は本発明のDC−DCコンバータの(実施の形態2)を示し、図1に示した(実施の形態1)と同様の作用を成すものには同一の符号を付けて説明する。
図3は本発明のDC−DCコンバータの(実施の形態2)を示し、図1に示した(実施の形態1)と同様の作用を成すものには同一の符号を付けて説明する。
(実施の形態1)ではマイクロコンピュータ17から発生した通常動作時負荷発生信号S4を、ダミー負荷制御回路14が検出してダミー負荷発生信号S5を“H”レベルから“L”レベルに反転させ、スイッチ素子16をオフしてダミー電流Idをオフさせたが、図3に示した(実施の形態2)では、タイマー回路18が起動動作終了信号S3の“L”レベルから“H”レベルの入力を受けてから、規定時間をCLK入力によりカウントし、前記規定時間が経過した後に通常動作時負荷発生信号S4′の“L”レベルから“H”レベルを出力し、ダミー負荷制御回路14を介してダミー電流Idをオフしている。
前記規定時間とは、出力電圧Voの負荷であるマイクロコンピュータ17が、出力電圧Voが設定電圧になった後から正常動作を開始するまでの時間またはそれ以上の時間に設定されている。
起動終了後の時間B点からマイクロコンピュータ17の通常時負荷が発生するまでの時間C点までの間、電流非連続モードに移行することにより、不安定状態に陥ることを妨げるようにダミー負荷を発生させ、安定な電流連続モードで動作させることが可能であり、複雑な位相補償回路を必要とせず、且つ周波数特性を意図的に低く設計する必要もなく、安定に動作するDC−DCコンバータを実現できる。
通常の消費電力の通常運転状態とこの通常運転状態よりも消費電力が少なくパワーオン信号を検出して通常運転状態へ移行する待機状態とを有する駆動対象装置を、駆動する各種の電子機器に利用されるDC−DCコンバータに有用である。
1 NチャンネルMOSFET
2 ダイオード
3 コイル
4 平滑コンデンサ
5 位相補償コンデンサ
6,7 出力分圧抵抗
8 オペアンプ
9 位相補償抵抗
10 三角波
11 コンパレータ
12A 昇圧形DC−DCコンバータ制御回路
13 起動信号発生回路
14 ダミー負荷制御回路
15 ダミー負荷
16 スイッチ素子
17 マイクロコンピュータ
18 タイマー回路
30 起動制御手段
Id ダミー電流
2 ダイオード
3 コイル
4 平滑コンデンサ
5 位相補償コンデンサ
6,7 出力分圧抵抗
8 オペアンプ
9 位相補償抵抗
10 三角波
11 コンパレータ
12A 昇圧形DC−DCコンバータ制御回路
13 起動信号発生回路
14 ダミー負荷制御回路
15 ダミー負荷
16 スイッチ素子
17 マイクロコンピュータ
18 タイマー回路
30 起動制御手段
Id ダミー電流
Claims (4)
- スイッチング素子を介して直流電源入力を開閉して電圧変換した出力電圧を発生するように電流連続モードで動作し、電流連続モード用に位相補償されたDC−DCコンバータであって、
起動終了後から通常時負荷が発生するまでの期間に、ダミー負荷を発生させ電流非連続モードに移行しないように制御する起動制御手段を設けた
DC−DCコンバータ。 - コイルにエネルギーを充電し充電されたエネルギーを放電させるスイッチ回路と、
前記放電されたエネルギーを平滑する平滑コンデンサと、
出力電圧が常に一定になるように前記スイッチ回路を制御するスイッチング制御回路と、
前記出力電圧のラインに接続され負荷の大きさを変更可能なダミー負荷と、
前記コイル電流がゼロになることなく動作する電流連続モード用に最適に位相補償を施し、出力電圧が設定出力電圧値に到達した起動直後から、通常動作時の負荷が発生するまでの間、前記コイル電流がゼロになる期間が発生する電流非連続モードに移行することを妨げるように前記ダミー負荷を接続し、常に前記コイル電流が発生する電流連続モードで動作するように制御する起動制御手段と
を設けたDC−DCコンバータ。 - 前記ダミー負荷は、
起動動作終了信号を検出して前記ダミー負荷を発生させ、通常動作時負荷が発生する通常動作時負荷発生信号により前記ダミー負荷をオフするよう構成した
請求項2記載のDC−DCコンバータ。 - 前記ダミー負荷は、
起動動作終了信号を検出して前記ダミー負荷を発生させ、規定の設定時間後に前記ダミー負荷をオフするよう構成した
請求項2記載のDC−DCコンバータ。
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JP2004255003A JP2006074901A (ja) | 2004-09-02 | 2004-09-02 | Dc−dcコンバータ |
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JP2004255003A JP2006074901A (ja) | 2004-09-02 | 2004-09-02 | Dc−dcコンバータ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-09-02 JP JP2004255003A patent/JP2006074901A/ja not_active Withdrawn
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